JPH11126A - 凝固剤として苦汁のみを用いた絹ごし豆腐の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 凝固剤として苦汁のみを用いた絹ごし豆腐の
製造方法 【解決手段】 呉液からおからを分離した高温状態の絹
ごし豆腐用の豆乳を豆乳凝固箱に注入しながら攪拌する
と同時に前記豆乳注入流中に苦汁のみを溶解した凝固剤
溶液を添加すると共に、前記豆乳凝固箱に前記豆乳の注
入開始から注入を完了するまでの間に前記豆乳凝固箱に
注入された前記豆乳に顆粒状の固体苦汁を添加するもの
であって、凝固剤溶液のみでは充分な添加量としては不
足するので、その不足分の苦汁を顆粒状の固体苦汁とし
て添加することにより、豆乳凝固箱に注入した豆乳に必
要かつ充分な苦汁の添加を可能とし、従来の絹ごし豆腐
に見られないような弾力性に富み壊れ難くかつ美味な絹
ごし豆腐を製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は凝固剤として苦汁の
みを用いた絹ごし豆腐の製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来製造されている豆腐は、木綿豆腐と
絹ごし豆腐に大別される。木綿豆腐は、ヨセ桶で凝固さ
せた豆乳を、杓で掬い取り、内部に木綿を敷きつめ湯が
流出するように孔を開けた型箱に移し入れて、脱水プレ
スして製造されるもので、表面に布目が付き、断面が不
均一で舌ざわりが粗い豆腐である。

【０００３】絹ごし豆腐は、相当に濃厚な豆乳をそのま
ま全部寒天を以て寄せるようにゲル状に固めるものであ
って、孔の開けていない凝固容器に入れて脱水すること
なく凝固剤で固める。絹ごし豆腐は、製品の外観および
舌ざわりが木綿豆腐に比較して滑らかで、断面も卵豆腐
のようにこまかく美しい。

【０００４】すなわち、絹ごし豆腐の場合は、呉が煮上
がった時点で加水量を原料大豆の５倍量程度に止めるよ
うにする。原料大豆の５倍量というと、ブリックス糖度
で１２．５％程度である。

【０００５】豆乳の温度が７５℃程度になったところ
で、遅効性の凝固剤である硫酸カルシウムまたはグルコ
ノデルタラクトンで絹ごし豆腐を製造していたが苦汁だ
けでの製造は全く不可能であった。苦汁すなわち塩化マ
グネシウムを主成分とする凝固剤を用い豆腐を製造すれ
ば、最も美味な豆腐になることは業界の常識であるが、
この場合木綿豆腐は出来ても絹ごし豆腐だけは出来なか
った。

【０００６】このように従来の絹ごし豆腐の製造方法に
おいては、凝固剤に速効性の苦汁を用いると、豆乳が濃
厚であるため反応が早過ぎて豆乳をうまく凝固させるこ
とができず、そのため反応が遅く豆乳全体をゲル状に凝
固させるに適した硫酸カルシウムが用いられる。

【０００７】また、凝固剤グルコノデルタラクトンは、
従来の凝固剤に比較して、絹ごし豆腐の製造に非常に適
しており、水に溶けやすく加熱によってグルコン酸に分
解し、豆乳中の大豆蛋白質を凝固する作用を有するもの
で、凝固温度が８０〜９０℃の高温でも、反応がゆっく
りしているので、でき上がった豆腐の性状は滑らかで、
肌の良いものが得られる。

【０００８】しかしながら、従来から凝固剤に苦汁（塩
化マグネシウム）を使用した豆腐が美味であるとされ、
硫酸カルシウムで凝固させた豆腐は味の点で劣るとされ
ている。また、グルコノデルタラクトンは栄養学的には
カルシウム分がないこと、多量に使用すると豆腐が酸味
を帯びて不味くなるという欠点がある。

【０００９】また、仮に苦汁を用いて絹ごし豆腐を製造
するにしても、苦汁は凝固力が強烈であるし、絹ごし豆
腐は豆乳の濃度が木綿豆腐のそれよりもはるかに濃いた
め、凝固時の気泡が空気中に抜けずに絹ごし豆腐の中に
残留し市販に供することが無理であった。

【００１０】そこで、凝固剤に苦汁を使用するために、
豆乳を一旦２５℃以下に冷却して、これに苦汁を混合し
た後、一丁分の大きさ、つまりワンパック大のプラスチ
ック容器に充填し、この容器を密閉し蒸気等で加熱して
豆乳を凝固させる方法が用いられている。これは業界で
は充填豆腐と称されるものであって、ワンパック大の豆
腐しか製造することが出来ず、生産性が悪く非常に手間
が掛かると共に、設備費が嵩むという欠点がある。

【００１１】このような凝固剤として苦汁を用いた絹ご
し豆腐の製造方法の問題点を解決するため、特開平８−
１９１７６２号公報に示すように、凝固剤として苦汁を
用いた新絹ごし豆腐の製造方法の発明が公開されてい
る。この発明においては絹ごし豆腐用煮沸豆乳を中温に
冷却する工程と、前記豆乳を凝固箱に注入しながら苦汁
を主成分とする凝固剤を混合し葛湯状に半ヨセする第１
の凝固工程と、前記第１の凝固工程を終了した豆乳を前
記凝固箱に入れた状態のままで熱水中で加熱し完全凝固
させる第２の凝固工程とからなる。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記発
明の絹ごし豆腐の製造方法においては、速効性の苦汁を
凝固剤として使用するため、煮沸した呉汁からおからを
分離した高温の豆乳を先ず２５℃以下に冷却し、凝固反
応を遅らせる必要がある。また、凝固反応を制御するた
め二段の凝固工程を必要とする。すなわち、豆乳凝固工
程は、冷却した豆乳を凝固箱に注入しながら苦汁を主成
分とする凝固剤を混合し葛湯状に半ヨセする第１の凝固
工程と、第１の凝固工程を終了した豆乳を前記凝固箱に
入れた状態のままで熱水中で加熱し完全凝固させる第２
の凝固工程とからなる。

【００１３】このように、前記発明の豆腐の製造方法に
おいては、工程が複雑であると共に、豆腐が完成するま
でに、豆乳を冷却したり加熱したりするため、豆乳に含
まれる蛋白質が変質し、完成した豆腐がまずくなる。そ
の上、凝固剤である苦汁を溶液として添加する場合、苦
汁の量に限度があり、たとえ凝固剤溶液中の凝固剤を苦
汁のみとしても、ある一定量以上の苦汁を添加すると、
豆乳と過剰に反応するため完成した豆腐の肌が荒れて絹
ごし豆腐としてのきめの細かさが失われる。そのため、
豆乳を凝固させるに必要かつ充分な量の苦汁を添加する
ことができず、苦汁以外にグルコノデルタラクトンまた
は硫酸カルシウム等の凝固剤の１種または２種をある程
度混合することが推奨される。

【００１４】本発明は凝固剤として苦汁のみを用いた絹
ごし豆腐の製造方法の前記のごとき問題点を解決するた
めになされたものであって、豆乳を冷却したり加熱した
りすることなく、豆乳を凝固させるに必要かつ充分な量
の苦汁を添加することができ、従来の絹ごし豆腐と比較
して美味であり、壊れ難く弾力性に富んだ絹ごし豆腐の
製造方法を提供することを目的とする。

【００１５】

【課題を解決するための手段】発明者は凝固剤である苦
汁を溶液として豆乳に添加するには、一定の限度が存在
することに鑑み、他の補助的な添加手段について、鋭意
研究を重ねた。その結果、苦汁の溶液を豆乳注入流に混
合すると共に、豆乳の注入開始から注入を完了するまで
の間に、豆乳凝固箱に注入された豆乳に顆粒状の固体苦
汁を添加すると、豆乳に必要かつ充分な苦汁を凝固剤と
して添加できることを見出して、本発明を完成した。

【００１６】本発明の請求項１の凝固剤として苦汁のみ
を用いた絹ごし豆腐の製造方法は、煮沸しおからを分離
した高温状態の絹ごし豆腐用の豆乳を豆乳凝固箱に注入
しながら攪拌すると同時に前記豆乳注入流中に苦汁のみ
を溶解した凝固剤溶液を添加すると共に、前記豆乳凝固
箱に前記豆乳の注入開始から注入を完了するまでの間に
前記豆乳凝固箱に注入された前記豆乳に顆粒状の固体苦
汁を添加することを要旨とする。

【００１７】本発明の請求項２の凝固剤として苦汁のみ
を用いた絹ごし豆腐の製造方法は、請求項１の発明にお
いて、前記苦汁の合計添加量に対し、前記凝固剤溶液中
の苦汁が５０〜６０％であり、前記固体苦汁が４０〜５
０％であることを要旨とする。

【００１８】本発明方法において、豆乳を豆乳凝固箱に
注入しながら攪拌すると同時に前記豆乳注入流中に苦汁
のみを溶解した凝固剤溶液を添加するには、例えば実用
新案登録公報第２５１１９６７号に示されるような絹ご
し豆腐の製造装置を用いると良い。

【００１９】また、豆乳凝固箱に豆乳の注入開始から注
入を完了するまでの間に豆乳凝固箱に注入された豆乳に
顆粒状の固体苦汁を添加する方法には特に制約はなく、
例えば豆乳を凝固箱に注入するに先立って添加する固体
苦汁の半量を投入し、残りの半量は豆乳の注入が完了す
るでに添加すれば良いし、また豆乳を凝固箱に注入する
と同時に添加を開始し、豆乳の注入が終了するまでに添
加を完了しても良い。

【００２０】本発明において、苦汁の合計添加量に対
し、凝固剤溶液中の苦汁を５０〜６０％としたのは、５
０％未満であると添加量が不足し弾力性のある絹ごし豆
腐が得られないからであり、６０％を越えると溶液とし
て苦汁を添加する限度を越えるため、豆腐の肌が荒れ絹
ごし豆腐としての滑らかさが失われるからである。

【００２１】豆乳注入流中に、苦汁水溶液のみを必要量
を注入すると、水溶液は凝固反応が速効性なので、固さ
はあるが気泡が抜け切らず豆乳の凝固反応が完了し、滑
らかさがなく荒れた豆腐しかできない。しかし、苦汁水
溶液を必要量の６０％程度を注入すると、これだけでは
固さは得られないが、気泡は完全に抜け、つるりとした
豆腐にはなる。そこで本発明においては、同時に必要量
の不足分４０〜５０％を遅効性である固体のままの苦汁
を豆乳凝固箱に注入された豆乳に添加すると、攪拌が終
わったころに凝固反応が起こるので、気泡も抜け固さも
充分な絹ごし豆腐を製造することができる。このように
凝固剤としての苦汁を水溶液と固体との２つを併用する
ことによって、市販に供することのできるに苦汁のみを
用いた弾力性および光沢があって固さのあるつるりとし
た絹ごし豆腐が本邦で初めてできるようになった。

【００２２】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下図面に
従って説明する。図１は本発明方法に用いられる絹ごし
豆腐の製造装置の概略側面図である。豆乳供給管１０の
基端部１０ａは豆乳供給ポンプ１２を介して豆乳タンク
１４の底面に接続されている。基端部１０ａに続く豆乳
供給管１０は、立ち上がり部１０ｂとなっており、さら
にその先は伸縮部１０ｃと吐出部１０ｄとなっている。

【００２３】豆乳供給管１０の吐出部１０ｄは、後述す
る豆乳攪拌装置３２の台車３６に垂直に取付けられ、先
端部は豆乳凝固箱４４の上に開口している。この吐出部
１０ｄと立ち上がり部１０ｂとは伸縮部１０ｃによって
接続されており、吐出部１０ｄの移動に従って、伸縮部
１０ｃが伸び縮みするようになっている。

【００２４】立ち上がり部１０ｂにはチェックバルブ１
６が取り付けられ、豆乳供給ポンプ１２が停止した時
に、豆乳供給管１０内の豆乳が逆流するのを防止してい
る。また、吐出部１０ｄの上部には開閉弁１８が取り付
けられ、豆乳供給ポンプ１２と連動して豆乳供給ポンプ
１２が始動すると開の状態になり、停止すると閉の状態
になる。

【００２５】凝固剤タンク２０には、循環ポンプ２２を
取り付けた凝固剤循環管２４が接続されており、水の中
に懸濁された凝固剤が常時凝固剤循環管２４の中を循環
している。なお、本発明方法では苦汁を溶解した溶液を
用いるので、凝固剤溶液を循環する必要はない。

【００２６】凝固剤注入管２６の基端部は、流量調節弁
２８および開閉弁３０を介して凝固剤循環管２４に接続
されており、また先端は豆乳供給管１０の吐出部１０の
上端に接続されている。なお、この凝固剤注入管２６の
先端部は伸縮自在となっており、豆乳供給管１０の吐出
部１０ｄの移動に従って自由に伸縮する。

【００２７】この凝固剤注入管２６に取り付けられてい
る開閉弁３０は豆乳供給ポンプ１２と連動するようにな
っており、豆乳供給ポンプ１２が回転すると同時に開閉
弁３０が開成され、停止すると同時に閉成される。

【００２８】豆乳攪拌装置３２は、水平に固定されたレ
ール３４の上を移動する台車３６とこの台車３６を往復
移動させる往復シリンダ３８および台車３６に固定され
攪拌板４０を昇降する昇降シリンダ４２とからなる。台
車３６には豆乳供給管１０の吐出部１０ｄが固定されて
おり、その先端は豆乳凝固箱４４の直上に開口してい
る。

【００２９】豆乳攪拌板４０は豆乳供給管１０の先端部
に遊嵌する大きさの筒体からなるソケット４８とこのソ
ケット４８の両側に取り付けられた羽根５０とからな
り、投入供給管１０の先端部に遊嵌され、台車３６に固
定した昇降シリンダ４２により昇降する。台車３６は往
復シリンダ３８によりレール３４の上を往復移動する。

【００３０】本実施例の装置の作動について説明する。
最初、開閉弁１８および３０は閉の状態にあり、昇降シ
リンダ４２によって攪拌板４０は上に上昇している。豆
乳凝固箱４４が豆乳供給管１０の吐出部１０ｄの直下に
位置する定位置にセットされると、昇降シリンダ４２が
作動され攪拌板４０が豆乳凝固箱４４の中に下降する。

【００３１】次に、豆乳供給ポンプ１２を運転すると、
開閉弁１８および３０がそれに連動して開成され、豆乳
タンク１４から豆乳供給管１０へ豆乳が供給される。一
方、凝固剤タンク２０の中の凝固剤は循環ポンプ２２に
より凝固剤循環管２４のなかを循環しており、この凝固
剤循環管２４には凝固剤注入管２６の基端が流量調節弁
２８および開閉弁３０を介して接続されているので、開
閉弁３０の開成により流量調節弁２８により適量に調節
された凝固剤が凝固剤注入管内２６に流入する。

【００３２】凝固剤が凝固剤注入管２６に流入すると、
凝固剤注入管２６の先端は豆乳供給管１０の吐出部１０
ｄに接続されているので、吐出部１０ｄにおいて、適量
の凝固剤が連続して豆乳に注入される。これにより、豆
乳の凝固が開始する前に手早く豆乳に凝固剤を混合する
ことができるので、豆乳の凝固反応が開始される前に豆
乳凝固箱４４に凝固剤の混入した豆乳４６を注入するこ
とができる。また、この豆乳４６の注入により、攪拌板
４０が豆乳４６の中に浸漬されることとなる。

【００３３】豆乳凝固箱４４に一定量の豆乳４６が供給
されたならば、豆乳供給ポンプ１２が停止され、豆乳供
給管１０からの豆乳の供給が停止される。そのとき、チ
ェックバルブ１６により、豆乳供給管１０内に残った豆
乳の逆流が防止される。また、豆乳供給ポンプ１２の運
転が停止されると、これに連動して開閉弁１８および３
０が閉成されるので、豆乳の供給の停止と同時に凝固注
入管２６からの凝固剤の注入も停止される。

【００３４】豆乳凝固箱４４への豆乳４６の注入が開始
したら、間髪をいれず往復シリンダ３８が作動される。
往復シリンダ３８は台車３６をレール３４の上で左右に
移動させるので、豆乳凝固管１０の先端に取り付けられ
た攪拌板４０がこれに伴って豆乳凝固箱４４の中を左右
に動き、豆乳凝固箱４４に注入された豆乳４６を攪拌す
る。豆乳４６の攪拌が終了したら、昇降シリンダ４２に
より、攪拌板４２が豆乳４６の中から引き上げられる。
豆乳凝固箱４４の中の豆乳４６は凝固が開始し、絹ごし
豆腐が完成する。

【００３５】本実施例の装置を使って、凝固剤として苦
汁のみを用い絹ごし豆腐を製造した例を説明する。豆乳
タンク１４に７５℃の絹ごし豆腐用の豆乳（ブリックス
糖度計で約１３％）を投入すると共に、凝固剤タンク２
０には凝固剤として苦汁のみを溶解した凝固剤溶液を満
たし流量調整弁を調整し、１回の豆乳注入により苦汁の
量が全体の添加量の６０％になるようにした。

【００３６】豆乳供給ポンプ１２を作動し、開閉弁１８
および３０を開いて、豆乳供給管１０の吐出部１０ｄの
先端から凝固剤の混入した豆乳４６を豆乳凝固箱４４へ
注入を開始すると共に顆粒状の固体苦汁を全体の添加量
に対して４０％を豆乳凝固箱４４に注入された豆乳４６
に添加した。固体苦汁の添加は豆乳凝固箱に豆乳の注入
が開始してから完了するまでに完了した。また、豆乳４
６の豆乳凝固箱４４への注入が開始したら、直ちに豆乳
攪拌装置３２を作動し、攪拌板４４で豆乳４６を攪拌し
た。

【００３７】豆乳４６の攪拌が終了後に攪拌板４２を豆
乳４６の中から引き上げて、そのまま放置したところ、
豆乳凝固箱４４の中の豆乳４６は凝固が開始し、絹ごし
豆腐が完成した。完成した絹ごし豆腐は表面が極めて滑
らかでかつ壊れにくく丈夫であって、従来の絹ごし豆腐
に見られない弾力性に富み、かつ美味であり、さらに包
丁で切断したところ肌あれもなく光沢のある美麗な切断
面であった。

【００３８】

【発明の効果】本発明の凝固剤として苦汁のみを用いた
絹ごし豆腐の製造方法は、以上に詳述したように、高温
状態の絹ごし豆腐用の豆乳を豆乳凝固箱に注入しながら
攪拌すると同時に前記豆乳注入流中に苦汁のみを溶解し
た凝固剤溶液を添加すると共に、前記豆乳凝固箱に前記
豆乳の注入開始から注入を完了するまでの間に前記豆乳
凝固箱に注入された前記豆乳に顆粒状の固体苦汁を添加
するものであって、凝固剤溶液のみでは充分な添加量と
しては不足するので、その不足分の苦汁を顆粒状の固体
苦汁として添加することにより、豆乳凝固箱に注入した
豆乳に必要かつ充分な苦汁の添加を可能とし、従来の絹
ごし豆腐に見られないような弾力性に富み壊れ難くかつ
美味な絹ごし豆腐を製造できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明方法の実施に用いられた絹ごし豆腐の製
造装置の概略側面図である。

【符号の説明】

１０ 豆乳供給管 １２ 豆乳供給ポンプ １４ 豆乳タンク １８、３０ 開閉弁 ２０ 凝固剤タンク ２２ 循環ポンプ ２４ 凝固剤循環管 ２６ 凝固剤注入管 ２８ 流量調節弁 ３２ 豆乳攪拌装置 ３４ レール ３６ 台車 ３８ 往復シリンダ ４０ 攪拌板 ４２ 昇降シリンダ ４４ 豆乳凝固箱 ４６ 豆乳

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 煮沸しおからを分離した高温状態の絹ご
   し豆腐用の豆乳を豆乳凝固箱に注入しながら攪拌すると
   同時に前記豆乳注入流中に苦汁のみを溶解した凝固剤溶
   液を添加すると共に、前記豆乳凝固箱に前記豆乳の注入
   開始から注入を完了するまでの間に前記豆乳凝固箱に注
   入された前記豆乳に顆粒状の固体苦汁を添加することを
   特徴とする凝固剤として苦汁のみを用いた絹ごし豆腐の
   製造方法。
2. 【請求項２】 前記苦汁の合計添加量に対し、前記凝固
   剤溶液中の苦汁が５０〜６０％であり、前記固体苦汁が
   ４０〜５０％であることを特徴とする請求項１に記載の
   凝固剤として苦汁のみを用いた絹ごし豆腐の製造方法。