JPH1112208A - 1,3−ジクロロプロパノールの精製法 - Google Patents
1,3−ジクロロプロパノールの精製法Info
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- JPH1112208A JPH1112208A JP16703697A JP16703697A JPH1112208A JP H1112208 A JPH1112208 A JP H1112208A JP 16703697 A JP16703697 A JP 16703697A JP 16703697 A JP16703697 A JP 16703697A JP H1112208 A JPH1112208 A JP H1112208A
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- dichloropropanol
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 1,3−ジクロロプロパノールおよび2,3−
ジクロロプロパノールの混合物から1,3−ジクロロプ
ロパノールを高純度で蒸留分離することができる工業的
方法を提供する。 【解決手段】 1,3−ジクロロプロパノールおよび2,
3−ジクロロプロパノールの混合物から1,3−ジクロ
ロプロパノールを精製する方法において、該混合物に
2,3−ジクロロプロパノールとエステルを形成する硼
酸または硼酸誘導体を添加し、次いで蒸留することを特
徴とする前記混合物から1,3−ジクロロプロパノール
の精製法。
ジクロロプロパノールの混合物から1,3−ジクロロプ
ロパノールを高純度で蒸留分離することができる工業的
方法を提供する。 【解決手段】 1,3−ジクロロプロパノールおよび2,
3−ジクロロプロパノールの混合物から1,3−ジクロ
ロプロパノールを精製する方法において、該混合物に
2,3−ジクロロプロパノールとエステルを形成する硼
酸または硼酸誘導体を添加し、次いで蒸留することを特
徴とする前記混合物から1,3−ジクロロプロパノール
の精製法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1,3−ジクロロ
プロパノールの精製法に関する。さらに詳しくは、1,
3−ジクロロプロパノールおよび2,3−ジクロロプロ
パノールの混合物から1,3−ジクロロプロパノールを
98モル%以上、好適条件下では99モル%以上の高純
度で得る精製法に関する。
プロパノールの精製法に関する。さらに詳しくは、1,
3−ジクロロプロパノールおよび2,3−ジクロロプロ
パノールの混合物から1,3−ジクロロプロパノールを
98モル%以上、好適条件下では99モル%以上の高純
度で得る精製法に関する。
【0002】
【従来の技術】1,3−ジクロロプロパノール(以下単
に“1,3−DCP”と略称することがある)は、染色
助剤や医薬中間体などとして有用な化合物である。一方
1,3−DCPは、工業的には、エピクロロヒドリンの
塩素化反応により製造される。このエピクロロヒドリン
の塩素化反応によれば、1,3−DCPの他に2,3−ジ
クロロプロパノール(以下単に“2,3−DCP”と略
称することがある)の副生を避けることは困難である。
通常この反応では1,3−DCP:2,3−DCPの割合
は、例えば97:3〜95:5の範囲で混合物として得
られる。
に“1,3−DCP”と略称することがある)は、染色
助剤や医薬中間体などとして有用な化合物である。一方
1,3−DCPは、工業的には、エピクロロヒドリンの
塩素化反応により製造される。このエピクロロヒドリン
の塩素化反応によれば、1,3−DCPの他に2,3−ジ
クロロプロパノール(以下単に“2,3−DCP”と略
称することがある)の副生を避けることは困難である。
通常この反応では1,3−DCP:2,3−DCPの割合
は、例えば97:3〜95:5の範囲で混合物として得
られる。
【0003】1,3−DCPはその利用目的から高純度
のものが要求され、出来る限り高純度の1,3−DCP
が要望されている。
のものが要求され、出来る限り高純度の1,3−DCP
が要望されている。
【0004】しかし蒸留により1,3−DCPを精製す
ることは容易ではない。常圧沸点は1,3−DCPが1
74℃であり、2,3−DCPは182℃であって、例
えば理論段数8段の蒸留塔を使用して蒸留しても96%
以上の1,3−DCPを得ることは極めて困難である。
ることは容易ではない。常圧沸点は1,3−DCPが1
74℃であり、2,3−DCPは182℃であって、例
えば理論段数8段の蒸留塔を使用して蒸留しても96%
以上の1,3−DCPを得ることは極めて困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】さらに理論段数を上げ
た蒸留塔を使用することはそれ自体工業的に不利であ
る。そこで本発明者らは、通常の蒸留塔の使用によって
精製度の高い、つまり98%以上、好ましくは99%以
上の純度を有する1,3−DCPの精製法について研究
を進めた。
た蒸留塔を使用することはそれ自体工業的に不利であ
る。そこで本発明者らは、通常の蒸留塔の使用によって
精製度の高い、つまり98%以上、好ましくは99%以
上の純度を有する1,3−DCPの精製法について研究
を進めた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、1,3−
DCPおよび2,3−DCPは、それらの沸点差が小さ
く蒸留精製が困難であることに鑑み、これらの混合物に
硼酸またはその誘導体を添加すると、1,3−DCPよ
りも2,3−DCPが優先的にエステル化され、かくし
て1,3−DCPが高純度で容易に蒸留精製できること
を見出し本発明に到達した。
DCPおよび2,3−DCPは、それらの沸点差が小さ
く蒸留精製が困難であることに鑑み、これらの混合物に
硼酸またはその誘導体を添加すると、1,3−DCPよ
りも2,3−DCPが優先的にエステル化され、かくし
て1,3−DCPが高純度で容易に蒸留精製できること
を見出し本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明によれば1,3−ジクロ
ロプロパノール(1,3−DCP)および2,3−ジクロ
ロプロパノール(2,3−DCP)の混合物から1,3−
ジクロロプロパノールを精製する方法において、該混合
物に2,3−ジクロロプロパノール(2,3−DCP)と
エステルを形成する硼酸または硼酸誘導体を添加し、次
いで蒸留することを特徴とする前記混合物から1,3−
ジクロロプロパノール(1,3−DCP)の精製法が提
供される。
ロプロパノール(1,3−DCP)および2,3−ジクロ
ロプロパノール(2,3−DCP)の混合物から1,3−
ジクロロプロパノールを精製する方法において、該混合
物に2,3−ジクロロプロパノール(2,3−DCP)と
エステルを形成する硼酸または硼酸誘導体を添加し、次
いで蒸留することを特徴とする前記混合物から1,3−
ジクロロプロパノール(1,3−DCP)の精製法が提
供される。
【0008】以下本発明の精製法についてさらに詳細に
説明する。本発明の精製法が適用される1,3−DCP
および2,3−DCPの混合物は、その由来や精製法に
制限を受けない。また他の精製法、殊に蒸留を経て得ら
れたものでもよい。工業的には1,3−DCPの製造過
程において2,3−DCPが副生成物として含まれるも
のである。すなわち、エピクロロヒドリンのHClによ
る塩素化によって1,3−DCPが得られるが、1,3−
DCPが高選択率で生成する条件を採用しても、2,3
−DCPは3〜5%程度副生することは避けられない。
説明する。本発明の精製法が適用される1,3−DCP
および2,3−DCPの混合物は、その由来や精製法に
制限を受けない。また他の精製法、殊に蒸留を経て得ら
れたものでもよい。工業的には1,3−DCPの製造過
程において2,3−DCPが副生成物として含まれるも
のである。すなわち、エピクロロヒドリンのHClによ
る塩素化によって1,3−DCPが得られるが、1,3−
DCPが高選択率で生成する条件を採用しても、2,3
−DCPは3〜5%程度副生することは避けられない。
【0009】このようにエピクロロヒドリンのHClに
よる塩素化によって得られた1,3−DCPおよび2,3
−DCPの混合物に対して本発明の精製法は有利に採用
することができる。この塩素化の反応生成物中には、未
反応のエピクロロヒドリンが残存していてもよく、また
他の手段でこの未反応エピクロロヒドリンを除去してか
ら本発明を適用することもできる。
よる塩素化によって得られた1,3−DCPおよび2,3
−DCPの混合物に対して本発明の精製法は有利に採用
することができる。この塩素化の反応生成物中には、未
反応のエピクロロヒドリンが残存していてもよく、また
他の手段でこの未反応エピクロロヒドリンを除去してか
ら本発明を適用することもできる。
【0010】通常エピクロロヒドリンの塩素化によって
得られた混合物中の1,3−DCPの含有量は比較的高
く90〜96重量%であり2,3−DCPの含有量は1
〜6重量%である。
得られた混合物中の1,3−DCPの含有量は比較的高
く90〜96重量%であり2,3−DCPの含有量は1
〜6重量%である。
【0011】このような混合物をそのまま本発明の処理
すべき混合物として使用することもでき、また他の処理
をした混合物も同様に使用することができる。一般には
1,3−DCP:2,3−DCPの割合が重量で90:1
0〜99.5:0.5の範囲である混合物を使用して本発
明の精製法を適用することができる。
すべき混合物として使用することもでき、また他の処理
をした混合物も同様に使用することができる。一般には
1,3−DCP:2,3−DCPの割合が重量で90:1
0〜99.5:0.5の範囲である混合物を使用して本発
明の精製法を適用することができる。
【0012】本発明方法では前記した1,3−DCPお
よび2,3−DCPの混合物に硼酸または硼酸誘導体を
添加して蒸留する。硼酸または硼酸誘導体の添加によ
り、2,3−DCPに対して1,3−DCPよりも優先的
にエステルが形成され、1,3−DCPが留出し、エス
テルを形成した2,3−DCPは沸点が上昇し留出し難
くなる。かくして1,3−DCPが高純度で留出するこ
ととなる。
よび2,3−DCPの混合物に硼酸または硼酸誘導体を
添加して蒸留する。硼酸または硼酸誘導体の添加によ
り、2,3−DCPに対して1,3−DCPよりも優先的
にエステルが形成され、1,3−DCPが留出し、エス
テルを形成した2,3−DCPは沸点が上昇し留出し難
くなる。かくして1,3−DCPが高純度で留出するこ
ととなる。
【0013】本発明方法において使用される硼酸および
硼酸誘導体は、2,3−DCPとエステルを形成するも
のであればよく、硼酸、無水硼酸あるいは硼酸エステル
が好ましい。硼酸エステルとしては、硼酸モノメチル、
硼酸ジメチル、硼酸トリメチル、硼酸トリエチル、硼酸
トリ(ノルマルプロピル)、硼酸トリ(イソプロピル)
および硼酸トリ(1,3−ジクロロプロピル)の如き硼
酸の低級アルキルエステルが挙げられる。
硼酸誘導体は、2,3−DCPとエステルを形成するも
のであればよく、硼酸、無水硼酸あるいは硼酸エステル
が好ましい。硼酸エステルとしては、硼酸モノメチル、
硼酸ジメチル、硼酸トリメチル、硼酸トリエチル、硼酸
トリ(ノルマルプロピル)、硼酸トリ(イソプロピル)
および硼酸トリ(1,3−ジクロロプロピル)の如き硼
酸の低級アルキルエステルが挙げられる。
【0014】これら硼酸または硼酸誘導体は、1,3−
DCPおよび2,3−DCPの混合物中に含有される2,
3−DCP1モル当たり、1〜20当量、好ましくは2
〜15当量の範囲で使用される。この範囲よりも少ない
使用量では、2,3−DCPのエステルが充分に形成さ
れる精製の効果が達成されにくくなる。一方前記範囲よ
りも使用量が多くなると2,3−DCPは留出しなくな
るが、1,3−DCPのエステルも形成され、そのため
目的とする1,3−DCPの留出量が低下することにな
るので好ましくない。
DCPおよび2,3−DCPの混合物中に含有される2,
3−DCP1モル当たり、1〜20当量、好ましくは2
〜15当量の範囲で使用される。この範囲よりも少ない
使用量では、2,3−DCPのエステルが充分に形成さ
れる精製の効果が達成されにくくなる。一方前記範囲よ
りも使用量が多くなると2,3−DCPは留出しなくな
るが、1,3−DCPのエステルも形成され、そのため
目的とする1,3−DCPの留出量が低下することにな
るので好ましくない。
【0015】本発明の実施に当たり、1,3−DCPお
よび2,3−DCPの混合物に硼酸または硼酸誘導体を
添加すると、2,3−DCPと硼酸または硼酸誘導体と
のエステルは比較的速やかに形成されるので、このエス
テル化は、両者を混合することによって達成される。し
たがって蒸留塔に混合物を供給する前にエステル化を行
ってもよく、また混合物と硼酸または硼酸誘導体を別々
に供給して蒸留塔中でエステルを形成させてもよい。
よび2,3−DCPの混合物に硼酸または硼酸誘導体を
添加すると、2,3−DCPと硼酸または硼酸誘導体と
のエステルは比較的速やかに形成されるので、このエス
テル化は、両者を混合することによって達成される。し
たがって蒸留塔に混合物を供給する前にエステル化を行
ってもよく、また混合物と硼酸または硼酸誘導体を別々
に供給して蒸留塔中でエステルを形成させてもよい。
【0016】本発明において蒸留は格別の理論段数の多
い蒸留塔を使用する必要はない。通常の単蒸留〜理論段
数20段程度の蒸留塔を使用することができ、好ましく
は2〜8段の理論段数を有する蒸留塔が使用される。こ
の範囲で段数が多い方が好ましい。蒸留温度は1,3−
DCPが留出しうる温度であればよく、釜液の温度とし
て50〜180℃、好ましくは70〜150℃の範囲が
適当である。また圧力は、1,3−DCPが留出しうる
圧力であり、温度にもよるが通常常圧〜1Torrの範
囲である。
い蒸留塔を使用する必要はない。通常の単蒸留〜理論段
数20段程度の蒸留塔を使用することができ、好ましく
は2〜8段の理論段数を有する蒸留塔が使用される。こ
の範囲で段数が多い方が好ましい。蒸留温度は1,3−
DCPが留出しうる温度であればよく、釜液の温度とし
て50〜180℃、好ましくは70〜150℃の範囲が
適当である。また圧力は、1,3−DCPが留出しうる
圧力であり、温度にもよるが通常常圧〜1Torrの範
囲である。
【0017】かくして本発明方法によれば、高純度の
1,3−DCPが留分として分離される。得られた1,3
−DCPは98%以上、好適条件下では99%以上の純
度で容易に得ることができ、その1,3−DCPの回収
率も高い。
1,3−DCPが留分として分離される。得られた1,3
−DCPは98%以上、好適条件下では99%以上の純
度で容易に得ることができ、その1,3−DCPの回収
率も高い。
【0018】
【実施例】以下実施例を掲げて本発明を具体的に説明す
る。実施例中%とあるのは重量%を意味する。
る。実施例中%とあるのは重量%を意味する。
【0019】実施例1 攪拌機と温度計付属の500ml丸底フラスコに36%
塩酸200gを仕込み、攪拌下ドライアイス/メタノー
ルで液温−20℃に冷却した。液温を−20℃に保ちな
がらエピクロロヒドリン187gを1時間で滴下反応し
た。反応液を常温に戻して有機層と水層とを分液し、有
機層270gを得た。有機層をガスクロマトグラフ分析
したところ1,3−DCP96.1%、2,3−DCP1.
1%、残りは原料エピクロロヒドリンと副生成物であっ
た。
塩酸200gを仕込み、攪拌下ドライアイス/メタノー
ルで液温−20℃に冷却した。液温を−20℃に保ちな
がらエピクロロヒドリン187gを1時間で滴下反応し
た。反応液を常温に戻して有機層と水層とを分液し、有
機層270gを得た。有機層をガスクロマトグラフ分析
したところ1,3−DCP96.1%、2,3−DCP1.
1%、残りは原料エピクロロヒドリンと副生成物であっ
た。
【0020】この有機層270gを温度計とチッソキャ
ピラリーを取り付けた300ml梨型フラスコに仕込
み、さらにホウ酸2.7g(2,3−DCPに対して10
当量)を添加して理論段数3段相当の蒸留塔を取り付け
た。真空度180Torrで加熱して水とエピクロロヒ
ドリンを留出させた。釜液温度120℃以下で徐々に真
空度を上げて行き、低沸物が流出したら真空度18To
rrで1時間全還流した。次に、全量留出させると、留
出と共に釜液温度が上がり130℃に達したところで蒸
留を停止した。この時の留出時間は4時間、留出液21
8g(仕込み液の80.7%)であった。留出液をガス
クロマトグラフ分析したところ1,3−DCP99.6
%、2,3−DCP0.4%であった。
ピラリーを取り付けた300ml梨型フラスコに仕込
み、さらにホウ酸2.7g(2,3−DCPに対して10
当量)を添加して理論段数3段相当の蒸留塔を取り付け
た。真空度180Torrで加熱して水とエピクロロヒ
ドリンを留出させた。釜液温度120℃以下で徐々に真
空度を上げて行き、低沸物が流出したら真空度18To
rrで1時間全還流した。次に、全量留出させると、留
出と共に釜液温度が上がり130℃に達したところで蒸
留を停止した。この時の留出時間は4時間、留出液21
8g(仕込み液の80.7%)であった。留出液をガス
クロマトグラフ分析したところ1,3−DCP99.6
%、2,3−DCP0.4%であった。
【0021】実施例2 温度計とチッソキャピラリーを取り付けた300ml梨
型フラスコに1,3−DCP94.3%と2,3−DCP
5.7%の混合液280gを仕込み、さらに無水ホウ酸
4.4g(2,3−DCPに対して3当量)を添加して理
論段数3段相当の蒸留塔を取り付けた。真空度18To
rrで加熱すると釜液温度82℃で沸騰した。1時間全
還流後、全量留出させた。留出と共に、釜液温度が上が
り130℃に達したところで蒸留を停止した。この時の
留出時間は5時間、留出液233g(仕込み液の83.
2%)であった。留出液をガスクロマトグラフ分析した
ところ1,3−DCP98.6%、2,3−DCP1.4%
であった。
型フラスコに1,3−DCP94.3%と2,3−DCP
5.7%の混合液280gを仕込み、さらに無水ホウ酸
4.4g(2,3−DCPに対して3当量)を添加して理
論段数3段相当の蒸留塔を取り付けた。真空度18To
rrで加熱すると釜液温度82℃で沸騰した。1時間全
還流後、全量留出させた。留出と共に、釜液温度が上が
り130℃に達したところで蒸留を停止した。この時の
留出時間は5時間、留出液233g(仕込み液の83.
2%)であった。留出液をガスクロマトグラフ分析した
ところ1,3−DCP98.6%、2,3−DCP1.4%
であった。
【0022】比較例1 無水ホウ酸を添加しないほかは実施例2と同様に温度計
とチッソキャピラリーを取り付けた300ml梨型フラ
スコに1,3−DCP94.3%と2,3−DCP5.7%
の混合液280gを仕込み、理論段数8段相当の蒸留塔
を取り付けた。真空度8Torrで加熱すると釜液温度
81℃で沸騰した。1時間全還流後、全量留出させた。
留出と共に、釜液温度は変わらず81℃であった。留出
液228g(仕込み液の81.4%)留出したところで
蒸留を停止した。この時の留出時間は5時間であり、留
出液をガスクロマトグラフ分析したところ1,3−DC
P95.7%、2,3−DCP4.3%であった。
とチッソキャピラリーを取り付けた300ml梨型フラ
スコに1,3−DCP94.3%と2,3−DCP5.7%
の混合液280gを仕込み、理論段数8段相当の蒸留塔
を取り付けた。真空度8Torrで加熱すると釜液温度
81℃で沸騰した。1時間全還流後、全量留出させた。
留出と共に、釜液温度は変わらず81℃であった。留出
液228g(仕込み液の81.4%)留出したところで
蒸留を停止した。この時の留出時間は5時間であり、留
出液をガスクロマトグラフ分析したところ1,3−DC
P95.7%、2,3−DCP4.3%であった。
【0023】実施例3 実施例2と同様の梨型フラスコに1,3−DCP96.1
%と2,3−DCP3.9%の混合液280gを仕込み、
さらに無水ホウ酸6.0g(2,3−DCPに対して6当
量)を添加して理論段数3段相当の蒸留塔を取り付け
た。真空度18Torrで加熱すると釜液温度82℃で
沸騰した。1時間全還流後、全量留出させた。留出と共
に、釜液温度が上がり130℃に達したところで蒸留を
停止した。この時の留出時間は5時間、留出液212g
(仕込み液の75.7%)であった。留出液をガスクロ
マトグラフ分析したところ1,3−DCP99.2%、
2,3−DCP0.8%であった。
%と2,3−DCP3.9%の混合液280gを仕込み、
さらに無水ホウ酸6.0g(2,3−DCPに対して6当
量)を添加して理論段数3段相当の蒸留塔を取り付け
た。真空度18Torrで加熱すると釜液温度82℃で
沸騰した。1時間全還流後、全量留出させた。留出と共
に、釜液温度が上がり130℃に達したところで蒸留を
停止した。この時の留出時間は5時間、留出液212g
(仕込み液の75.7%)であった。留出液をガスクロ
マトグラフ分析したところ1,3−DCP99.2%、
2,3−DCP0.8%であった。
【0024】実施例4 実施例2と同様の梨型フラスコに1,3−DCP96.1
%と2,3−DCP3.9%の混合液280gを仕込み、
さらにホウ酸トリエチル16.7g(2,3−DCPに対
して4当量)を添加して理論段数3段相当の蒸留塔を取
り付けた。真空度18Torrで加熱すると釜液温度8
2℃で沸騰した。1時間全還流後、全量留出させた。留
出と共に、釜液温度が上がり130℃に達したところで
蒸留を停止した。この時の留出時間は5時間、留出液2
35g(仕込み液の83.9%)であった。留出液をガ
スクロマトグラフ分析したところ1,3−DCP99.2
%、2,3−DCP0.8%であった。
%と2,3−DCP3.9%の混合液280gを仕込み、
さらにホウ酸トリエチル16.7g(2,3−DCPに対
して4当量)を添加して理論段数3段相当の蒸留塔を取
り付けた。真空度18Torrで加熱すると釜液温度8
2℃で沸騰した。1時間全還流後、全量留出させた。留
出と共に、釜液温度が上がり130℃に達したところで
蒸留を停止した。この時の留出時間は5時間、留出液2
35g(仕込み液の83.9%)であった。留出液をガ
スクロマトグラフ分析したところ1,3−DCP99.2
%、2,3−DCP0.8%であった。
Claims (9)
- 【請求項1】 1,3−ジクロロプロパノールおよび2,
3−ジクロロプロパノールの混合物から1,3−ジクロ
ロプロパノールを精製する方法において、該混合物に
2,3−ジクロロプロパノールとエステルを形成する硼
酸または硼酸誘導体を添加し、次いで蒸留することを特
徴とする前記混合物から1,3−ジクロロプロパノール
の精製法。 - 【請求項2】 1,3−ジクロロプロパノールおよび2,
3−ジクロロプロパノールの混合物が、エピクロロヒド
リンと塩酸との反応により製造されたものである請求項
1記載の精製法。 - 【請求項3】 硼酸または硼酸誘導体が、無水硼酸、硼
酸または硼酸エステルである請求項1記載の精製法。 - 【請求項4】 硼酸または硼酸誘導体が該混合物中に含
有される2,3−ジクロロプロパノール1モルに対して
1〜20当量の範囲を該混合物に添加する請求項1記載
の精製法。 - 【請求項5】 硼酸または硼酸誘導体が該混合物中に含
有される2,3−ジクロロプロパノール1モルに対して
2〜15当量の範囲を該混合物に添加する請求項1記載
の精製法。 - 【請求項6】 該混合物中の1,3−ジクロロプロパノ
ールおよび2,3−ジクロロプロパノールの割合が、重
量で90:10〜95.5:0.5の範囲である請求項1
記載の精製法。 - 【請求項7】 該蒸留は50〜180℃の温度で実施す
る請求項1記載の精製法。 - 【請求項8】 該蒸留は常圧〜1Torrの圧力で実施
する請求項1記載の精製法。 - 【請求項9】 該蒸留は1〜20の理論段数を有する蒸
留塔で実施する請求項1記載の精製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16703697A JPH1112208A (ja) | 1997-06-24 | 1997-06-24 | 1,3−ジクロロプロパノールの精製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16703697A JPH1112208A (ja) | 1997-06-24 | 1997-06-24 | 1,3−ジクロロプロパノールの精製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1112208A true JPH1112208A (ja) | 1999-01-19 |
Family
ID=15842206
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16703697A Withdrawn JPH1112208A (ja) | 1997-06-24 | 1997-06-24 | 1,3−ジクロロプロパノールの精製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1112208A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002060374A (ja) * | 2000-08-18 | 2002-02-26 | New Japan Chem Co Ltd | 脂肪族第三級アミンの精製方法 |
JP2012214483A (ja) * | 2005-05-20 | 2012-11-08 | Solvay (Sa) | クロロヒドリンの連続製造方法 |
JP2015193673A (ja) * | 2004-07-21 | 2015-11-05 | ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー | 多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素又はそのエステルのクロロヒドリンへの転化 |
US9309209B2 (en) | 2010-09-30 | 2016-04-12 | Solvay Sa | Derivative of epichlorohydrin of natural origin |
-
1997
- 1997-06-24 JP JP16703697A patent/JPH1112208A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002060374A (ja) * | 2000-08-18 | 2002-02-26 | New Japan Chem Co Ltd | 脂肪族第三級アミンの精製方法 |
JP4686828B2 (ja) * | 2000-08-18 | 2011-05-25 | 新日本理化株式会社 | 脂肪族第三級アミンの精製方法 |
JP2015193673A (ja) * | 2004-07-21 | 2015-11-05 | ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー | 多ヒドロキシル化脂肪族炭化水素又はそのエステルのクロロヒドリンへの転化 |
JP2012214483A (ja) * | 2005-05-20 | 2012-11-08 | Solvay (Sa) | クロロヒドリンの連続製造方法 |
US9309209B2 (en) | 2010-09-30 | 2016-04-12 | Solvay Sa | Derivative of epichlorohydrin of natural origin |
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