JPH11116916A - 粘着シート - Google Patents

粘着シート

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JPH11116916A
JPH11116916A JP28854297A JP28854297A JPH11116916A JP H11116916 A JPH11116916 A JP H11116916A JP 28854297 A JP28854297 A JP 28854297A JP 28854297 A JP28854297 A JP 28854297A JP H11116916 A JPH11116916 A JP H11116916A
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JP
Japan
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adhesive
meth
pressure
acrylate
sensitive adhesive
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Application number
JP28854297A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Miyake
敏之 三宅
Kenji Asada
健次 麻田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カット性およびアプリケーション粘着シートへ
の転写性が共に良好であり、かつ粘着剤と基材である合
成樹脂シートとのアンカー性が良好であり経時後の被着
体からの剥離においても糊残りのない、装飾用に好適な
粘着シートを提供することを目的とする。 【解決手段】合成樹脂シートの片面に、分子内にアルコ
キシシリル基を有するアクリル系モノマー1〜5重量%
が共重合されてなるベースポリマー100重量部および
特定の構造式を有する非反応型剥離コントロール剤0.
01〜2.5重量部からなる粘着剤が積層されているこ
とを特徴とする粘着シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カッティングマシ
ンによるカット性に優れると同時に、アプリケーション
粘着シートへの転写性に優れている、屋内・屋外の装飾
もしくはマーキング用途に好適な粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、顔料が含まれた透明、半透
明、不透明の主として塩化ビニル系樹脂シート、アクリ
ル系樹脂シート、フッ素系樹脂シートなどの合成樹脂シ
ートの一面に粘着剤層が積層されてなる装飾用粘着シー
トが知られている。この装飾用粘着シートは、装飾を施
したい材料に粘着剤層を利用して貼り付け、表面側の色
や模様などによって装飾効果を発揮させるものであっ
て、近年、塗装に代わり、ラベルやステッカー類、広告
や看板などのディスプレー分野、車両の装飾などのフリ
ートマーキング分野などに使われている。
【0003】上記従来の装飾用粘着シートは、合成樹脂
シートの裏面に粘着剤層、離型紙が順次積層された構成
を有するものであり、通常はこれをコンピューター制御
のカッティングマシンや人手により所望の図形や文字な
どの形状にカットし、不要部分を予め剥がして必要部分
のみを残すという「カス取り」作業の後、更にアプケー
ション粘着シートに転写し、装飾すべき被着体に転着さ
せるという方法により施工される。
【0004】しかし、従来の装飾用粘着シートでは、カ
ッティングマシンや人手によりカットした後のカス取り
作業において必要な部分まで剥がしてしまうという問題
があり、これまでこの問題に対する対処法として、離型
紙を重剥離のものに変更し、粘着剤と離型紙との剥離強
度を高くする方法が取られていた。
【0005】しかし、上記剥離強度を高くする方法で
は、不要部分を予め剥がした後、必要部分のみをアプケ
ーション粘着シートに転写する際に、転写性が著しく低
下するという問題点があった。
【0006】本発明者らは、上記カス取り性の低下が一
旦切断された粘着剤層の再合着によるものであることを
突き止め、これを解決する方法として、アクリル系粘着
剤中にシリコーン系離型剤を予め添加しておく方法が効
果的であることを見出し、特願平9−238483号と
して出願した。
【0007】しかしながら、上記特願平9−23848
3号に記載の粘着シートでは、カッティングマシーンに
よるカット性およびアプリケーション粘着シートへの転
写性は共に良好なものとなっているが、アクリル系粘着
剤と予め添加されているシリコーン系離型剤との相溶性
が悪いため、アクリル系粘着剤の界面にシリコーン系離
型剤がブリードアウトし、使用時の粘着力低下や、基材
とのアンカー力の低下および使用後に再剥離する時に糊
残りを引き起こすといった問題が新たに発見された。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カッ
ト性およびアプリケーション粘着シートへの転写性が共
に良好であり、かつ粘着剤と基材とのアンカー性が良好
であり経時後の被着体からの剥離においても糊残りのな
い、装飾用に好適な粘着シートを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の粘着シートは、
合成樹脂シートの片面に、分子内にアルコキシシリル基
を有するアクリル系モノマー1〜5重量%が共重合され
てなるベースポリマー100重量部および特定の構造を
有する非反応型剥離コントロール剤0.01〜2.5重
量部からなる粘着剤層が積層されていることを特徴とす
るものである。
【0010】以下、本発明の詳細を説明する。合成樹脂シート 本発明で用いられる合成樹脂シートについては、従来よ
り装飾シートやマーキングフィルムなどに用いられてい
る通常の合成樹脂シート基材を用いることができ、特に
限定されるものではない。このような合成樹脂シートの
例としては、例えば、塩化ビニル系樹脂シート、アクリ
ル系樹脂シート、ウレタン系樹脂シート、フッ素系樹脂
シートなどが挙げられるが、柔軟性や耐候性の要求され
る装飾用途としては塩化ビニル系樹脂シートが好適であ
る。
【0011】以下に、上記合成樹脂シートとして塩化ビ
ニル系樹脂シートを使用する場合について詳細に説明す
る。上記塩化ビニル系樹脂シートには、種々の性能を改
善するために、可塑剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、充填
剤、着色剤などが添加されていてもよい。
【0012】上記可塑剤は、合成樹脂シートに柔軟性を
付与する目的で添加されるものであり、例えば、フタル
酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸オクチ
ルデシル、フタル酸ジイソデシルなどのフタル酸系可塑
剤、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ
イソノニル、アジピン酸ジイソデシルなどのアジピン酸
系可塑剤、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバ
シン酸ジ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジル、
リン酸トリキシリル、リン酸トリブチル、リン酸トリ−
2−エチルヘキシル、リン酸オクチルジフェニル、塩素
化パラフィン、塩素化脂肪酸エステル、エポキシ化大豆
油などが挙げられる。中でもエポキシ化大豆油は熱安定
剤の作用も兼ね備えており、押出成形、カレンダー成形
により合成樹脂シートを製造する場合には好適なもので
ある。
【0013】上記紫外線吸収剤としては、例えば、サリ
チル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾ
ール系、シアノアクリレート系などの紫外線吸収剤が挙
げられる。
【0014】上記熱安定剤としては、例えば、金属石鹸
系熱安定剤、有機スズ系熱安定剤、鉛系熱安定剤、アン
チモン系熱安定剤、非金属熱安定剤などが挙げられる。
上記金属石鹸系熱安定剤としては、例えば、Pb、C
d、Ba、Zn、Caなどとステアリン酸、ラウリン
酸、リシノール酸、ナフテン酸、2−エチルヘキソイン
酸などからなる金属石鹸が挙げられ、具体的には、Cd
/Ba系熱安定剤、Ba/Zn系熱安定剤、Ca/Zn
系熱安定剤、Ba/Pb系熱安定剤、Cd/Ba/Zn
系熱安定剤、Cd/Mg/Zn系熱安定剤などが挙げら
れる。
【0015】上記有機スズ系熱安定剤としては、例え
ば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエー
ト、ジブチルスズメルカプチドなどが挙げられる。上記
鉛系熱安定剤としては、例えば、鉛白、塩基性亜硫酸
鉛、三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、二塩基性フ
タル酸鉛、三塩基性マレイン酸鉛、シリカゲル共沈珪酸
鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉛などが挙
げられる。
【0016】上記非金属熱安定剤としては、例えば、
(i)エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油などのエ
ポキシ化植物油、エポキシ化脂肪酸エステル、エポキシ
化脂環式化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、エポキシ化ポリブタジエンなどのエポキシ化合物、
(ii)トリブチルホスファイト、トリイソオクチルホス
ファイト、トリイソデシルホスファイト、トリラウリル
ホスファイトなどのトリアルキルホスファイト、モノイ
ソオクチルジフェニルホスファイト、モノイソデシルジ
フェニルホスファイト、ジイソオクチルモノフェニルホ
スファイトなどのアルキルアリールホスファイト、トリ
フェニルホスファイト、トリス(p−フェニルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(o−シクロヘキシルフェニ
ル)ホスファイトなどのホスファイト、(iii )アセチ
ルアセトン、ベンゾイルアセトン、ベンゾイルプロピオ
ニルメタンなどのβ−ジケトンなどが挙げられる。
【0017】上記充填剤としては、例えば、炭酸カルシ
ウム、タルク(塩基性ケイ酸マグネシウム)、カオリン
(ケイ酸アルミニウム)、シリカ、酸化チタンなどが挙
げられる。
【0018】上記着色剤としては、例えば、アゾ系、フ
タロシアニン系、スレン系、染料レーキ系などの有機顔
料、酸化物系、クロム酸モリブデン酸系、硫化物・セレ
ン化物系、フェロシアン化物系などの無機顔料などが挙
げられる。
【0019】合成樹脂シートの製造方法は、従来公知の
任意の方法が採用され、塩化ビニル系樹脂の場合は、例
えば、構成成分を有機溶剤に分散させることにより塩化
ビニル系樹脂ゾルを得、工程紙上に塗布乾燥後、加熱キ
ュアーさせるゾルキャスティング法や、構成成分を加熱
溶融させてシート状に成形するカレンダー法などが挙げ
られる。上記ゾルキャスティング法で使用される分散媒
となる有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレ
ン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノンなどが挙げられ、
市販品としては、例えば、「ソルベッソ」(三菱化学社
製)などがある。
【0020】合成樹脂シートの厚みについても特に限定
されるものではないが、通常、30〜200μm、より
好ましくは40〜100μm程度とされる。合成樹脂シ
ートの厚みが薄すぎると、腰がなくなり、装飾用粘着シ
ートやマーキングフィルムとして用いた場合の施工性が
低下することがあり、厚すぎると剛性のあるシートとな
り、コルゲート板などの3次元曲面を有する被着体に対
して貼付する際の追従性が低下することがある。
【0021】粘着剤 本発明で用いられる粘着剤は、分子内にアルコキシシリ
ル基を有するアクリル系モノマー1〜5重量%が共重合
されてなるベースポリマー100重量部に対して下式
(1)で表される非反応型剥離コントロール剤0.01
〜2.5重量部からなるものである。
【0022】
【化2】
【0023】(但し、式中のmは自然数である。)
【0024】まず、以下にベースポリマーについて詳細
に説明する。本発明で用いられるベースポリマーは、分
子内にアルコキシシリル基を有するアクリル系モノマ
ー、および粘着剤として使用可能なアクリル系共重合体
を構成する通常のアクリル系モノマーを主成分として含
有する混合モノマーの共重合体が一般的である。以下
に、上記分子内にアルコキシシリル基を有するアクリル
系モノマー、および粘着剤として使用可能なアクリル系
共重合体を構成する通常のアクリル系モノマーを主成分
として含有する混合モノマーの共重合体について詳細に
説明する。
【0025】上記分子内にアルコキシシリル基を有する
アクリル系モノマー(以下、「アルコキシシリル基含有
アクリル系モノマー」という)としては、例えば、下式
(2)で表されるような3−トリメトキシシリルプロピ
ルアクリレート、下式(3)で表されるような3−トリ
メトキシシリルプロピルメタクリレートなどのトリアル
コキシシリルアルキル(メタ)アクリレートや、モノア
ルコキシシリルアルキル(メタ)アクリレート、ジアル
コキシシリルアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げ
られる。
【0026】
【化3】
【0027】アルコキシシリル基含有アクリル系モノマ
ーの共重合比率は、少ないと非反応型剥離コントロール
剤の保持性能が低下し、粘着剤表面にブリードアウト
し、粘着力低下やアンカー性の低下を起こし易くなり、
多いと粘着力が低くなるといった粘着性能低下を起こし
易くなるため、上記混合モノマー中1〜5重量%含有さ
せるべきであり、好ましくは1.5〜3.5重量%であ
る。
【0028】上記通常のアクリル系モノマーとしては、
アルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、特にアルキ
ル基の炭素数4〜14のアルキル(メタ)アクリレート
が好ましい。これらはホモポリマーのガラス転移温度が
−50℃以下なので、主成分として用いることにより、
得られるベースポリマーの感圧接着性と剪断強度の粘着
物性バランスを高度に保つことが可能となる。上記アル
キル(メタ)アクリレートとしては、例えば、n−ブチ
ルアクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル
(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレ
ート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート
などが挙げられ、これらは単独で使用されてもよいし、
また2種類以上併用されてもよい。
【0029】また、ステンレス板などの極性の高い被着
体経の接着性を向上させると共に、粘着剤の凝集力をコ
ントロールする目的で極性基含有ビニルモノマーが共重
合されることが望ましい。上記極性基含有ビニルモノマ
ーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン
酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、カル
ボキシエチル(メタ)アクリレートなどのカルボキシル
基含有ビニルモノマー、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ
ート、カプロラクトン変成(メタ)アクリレート、ポリ
エチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピ
レングリコール(メタ)アクリレートなどの水酸基含有
ビニルモノマー、(メタ)アクリロニトリル、N−ビニ
ルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニル
ラウリロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、
(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルア
ミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブ
トキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノ
プロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチ
ル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)ア
クリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
トなどの窒素含有ビニルモノマーなどが挙げられ、これ
らは単独で使用されてもよいし、また2種類以上併用さ
れてもよい。
【0030】上記極性基含有ビニルモノマーの含有量
は、少なくなると凝集力が低下し剪断強度が得られにく
くなり、また多くなると凝集力が高くなり感圧接着性が
得られにくくなるため、混合モノマー中、好ましくは2
〜50重量%、より好ましくは5〜30重量%である。
【0031】上記混合モノマーには、上記アルキル(メ
タ)アクリレートおよび極性基含有ビニルモノマー以外
に、他のビニルモノマーが含有され、共重合されてもよ
く、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレ
ン、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられ
る。
【0032】上記他のビニルモノマーの含有量は、多く
なると凝集力が高くなり充分な感圧接着性が得られにく
くなるため、上記極性基含有ビニルモノマーとの合計量
が混合モノマー中、好ましくは50重量%以下、より好
ましくは30重量%以下である。
【0033】上記混合モノマーを共重合する方法として
は、例えば、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合
などの通常使われる全ての重合方法が挙げられるが、
(メタ)アクリル酸やヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレートなどの極性基含有ビニルモノマーの共重合性が
良好であり、更に塗工粘度を制御し易く、かつ架橋剤、
粘着付与樹脂などとも混合し易いという理由から溶液重
合が好適である。
【0034】上記ベースポリマーを架橋する際に使用さ
れる架橋剤は、ベースポリマー中に共重合されている極
性基含有ビニルモノマーの種類によって異なる。極性基
含有ビニルモノマーとしてカルボキシル基含有ビニルモ
ノマーを共重合した場合は、エポキシ系架橋剤、アジリ
ジン系架橋剤などが好適に使用され、水酸基含有ビニル
モノマーを共重合した場合にはイソシアネート系架橋剤
が好適に使用される。
【0035】本発明で用いられる粘着剤は、上記ベース
ポリマー100重量部に対して非反応型剥離コントロー
ル剤0.01〜2.5重量部からなるものである。上記
非反応型剥離コントロール剤は、粘着剤中に含有させる
ことでコンピューター等により所望の形状にカットされ
た後の粘着剤の再合着を抑制するために添加されるもの
であり、下式(1)で表される。
【0036】
【化4】
【0037】(但し、式中のmは自然数である。)
【0038】非反応型剥離コントロール剤の重量平均分
子量は、小さいと粘着剤表面にブリードアウトし、粘着
力低下やアンカー性の低下を起こし易くなり、大きいと
塗工適性が低下することがあるため、好ましくは約16
0〜約10,000、より好ましくは約1,000〜
5,000である。
【0039】非反応型剥離コントロール剤の市販品とし
ては、「信越シリコーンX−92−128」(信越化学
社製、重量平均分子量:約2000)などが挙げられ
る。
【0040】非反応型剥離コントロール剤の添加量は、
少ないとカットされた後の粘着剤の再合着を抑制する効
果が得られにくくなり、多くなると粘着剤表面にブリー
ドアウトし、粘着力低下やアンカー性の低下を起こし易
くなるため、上記ベースポリマー100重量部に対し、
0.01〜2.5重量部であり、好ましくは0.01〜
2重量部であり、より好ましくは0.1〜1.5重量部
である。
【0041】上記粘着剤中には、他の物性を低下させな
い範囲において必要に応じて他の添加物が添加されても
よく、例えば、粘着付与樹脂、充填剤などが挙げられ
る。
【0042】上記粘着付与樹脂としては、通常粘着剤に
添加されるものは全て挙げられるが、粘着剤中では未架
橋成分となるため、添加量が多くなると凝集力が低くな
り、充分な剪断強度が得られない。このため添加量はベ
ースポリマー100重量部に対して30重量部以下とす
ることが好ましい。
【0043】上記粘着剤の厚みは、薄いと被着体に対す
る粘着力が充分に得られず、厚いとサイドスティックや
粘着剤層内での凝集破壊の原因となるため、20〜40
μmが好ましい。また、本発明の粘着シートの粘着面に
は離型紙が積層されていてもよい。
【0044】粘着シートの製造方法 本発明の粘着シートは、合成樹脂シートの片面に粘着剤
が積層されている。上記粘着シートの製造方法は特に限
定されるものではなく、合成樹脂シートの片面に粘着剤
溶液を塗布した後、乾燥することで粘着剤層を積層して
もよいし、また、離型紙の片面に粘着剤溶液を塗布した
後、乾燥し、合成樹脂シートとラミネートしてもよい。
【0045】(作用)本発明の粘着シートに使用されて
いる粘着剤は、分子内にアルコキシシリル基を含有する
アクリル系モノマーを共重合しているため、後添加の非
反応型剥離コントロール剤との相溶性が良好であり、こ
のため粘着剤の表面や基材との界面に非反応型剥離コン
トロール剤がブリードアウトすることがなく、結果とし
て粘着力およびアンカー力が高く保持されたものとなっ
ている。また、使用後に剥離除去する場合においても十
分なアンカー力を有しているため被着体に糊残りのほと
んどないものとなっている。
【0046】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の非限定的な実施
例を挙げることにより、本発明をより詳細に説明する。 (実施例1〜4および比較例1〜4)合成樹脂シート(塩化ビニル系樹脂シート) 塩化ビニル樹脂(鐘淵化学社製,品番「PSH−1
0」、重合度1,200)100重量部、アジピン酸系
可塑剤(旭電化社製、品番「P−300」)30重量
部、熱安定剤(旭電化社製、品番「MARK SC−3
4」)5重量部、有機溶剤(三菱化学社製、商品名「ソ
ルベッソ」)60重量部を均一に混合した後、工程紙上
に塗工し、乾燥後、200℃で5分間加熱キュアーして
厚み50μmの塩化ビニル系樹脂シートを得た。
【0047】ベースポリマー 表1の配合組成に従って、還流冷却管、温度計、攪拌機
を備えたセパラブルフラスコ中に、n−ブチルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−トリメトキ
シシリルプロピルアクリレートもしくは3−トリメトキ
シシリルプロピルメタクリレート、およびn−ドデシル
メルカプタンを酢酸エチル80重量部とともに添加し、
窒素ガスパージを行いながら還流するまで昇温し保持し
た。次いでアゾビスイソブチロニトリルを開始剤として
添加し、沸点重合を行いベースポリマーの溶液を得た。
上記各ベースポリマーの重量平均分子量(Mw)をゲル
パーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により求
めた結果を表1に示した。
【0048】また、固形分換算で、上記ベースポリマー
100重量部に対して、イソシアネート系架橋剤(日本
ポリウレタン社製、商品名「コロネートL−55E」)
を1重量部と、表1記載の添加量の非反応型剥離コント
ロール剤「信越シリコーンX−92−128」(信越化
学社製、重量平均分子量:約2000)を均一混合する
ことによって粘着剤の溶液を得た。
【0049】粘着シート 表1に従って、離型紙(サンエー化学社製、品番「XY
−50WP」)に上記粘着剤の溶液を乾燥後の厚みが3
0μmとなるように塗布し、120℃のオーブン中で5
分間乾燥し、この粘着面に上記塩化ビニル系樹脂シート
を40℃の加熱ロールを用いて貼り合わせることにより
各粘着シートを得た。
【0050】(実施例および比較例の評価)上記実施例
および比較例で得られた粘着シートについて、以下に記
載する方法でカット性、アプリケーション粘着シー
ト転写性、粘着剤層と合成樹脂シート間のアンカー
性、経時剥離性、SP粘着力をそれぞれ測定した結
果を表1に示した。
【0051】カット性 得られた粘着シートをカッティングマシン「CG−4
5」(ミマキ社製)を用いて、30mm×30mmサイ
ズで文字「積水化学工業」を4セット、計24文字カッ
トし、1分間後、30分間後、3時間後にそれぞれカス
取りを行い、必要な文字の残り数を求めることによりカ
ット性を評価した。
【0052】アプリケーション粘着シート転写性 得られた粘着シートについて、カス取りにより離型紙上
に残った12文字について、アプリケーション粘着シー
ト(積水化学社製、品番「AP217」)をスキージを
用いて充分に圧着し、10分間放置した後に剥離した際
の転写状況を以下の5段階で評価した。 〔評価基準〕 5 : 12文字全部転写 4 : 11文字転写、もしくは点などの未転写 3 : 7〜10文字転写 2 : 1〜6文字転写 1 : 文字転写せず
【0053】粘着剤層と合成樹脂シート間のアンカー
得られた粘着シートの粘着面同士を貼着し、2kgの圧
着ローラーで圧着した後、1分間放置し、手で強制的に
剥離した際の粘着剤の合成樹脂シートからの剥離状況を
目視で観察し、以下の3段階で評価した。 〔評価基準〕 3 : 合成樹脂シートから剥離することがない 2 : 粘着剤が点状に合成樹脂シートから剥離した 1 : 粘着剤が半分以上合成樹脂シートから剥離した
【0054】経時剥離性 得られた粘着シートをステンレス板(品番:SUS#3
04)に貼付した後、屋外暴露を6ヶ月間行ったサンプ
ルを、被着体であるステンレス板から手で強制的に剥離
した際の被着体への糊残り性を目視で観察し、以下の3
段階で評価した。 〔評価基準〕 3 : 糊残りなし 2 : 粘着剤が点状に残った 1 : 粘着剤が半分以上残った
【0055】SP粘着力 23℃の恒温条件下で、得られた粘着シートを25mm
幅にカットし、ステンレス板(品番:SUS#304)
に2kgの圧着ローラーで圧着した後、24時間放置
し、300mm/minの速度で180°引き剥がし強
度を測定した。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、上記粘着剤層を形成し
ているベースポリマーにアルコキシシリル基を有するア
クリル系モノマーが共重合されており、更に非反応型剥
離コントロール剤が特定量配合したものなので、コンピ
ューター制御のカッティングマシンなどで高速にカット
した後に、放置しておいても粘着剤カット面の再合着が
起きにくく、カス取り作業性が良好なものとなってお
り、またアプリケーション粘着シートへの転写性も良好
なものとなっている。更に、ベースポリマーと後添加の
非反応型剥離コントロール剤との相溶性が良好であり、
このため粘着剤の表面や基材との界面に非反応型剥離コ
ントロール剤がブリードアウトすることがなく、結果と
して粘着力およびアンカー力が高く保持されたものとな
っている。また、使用後に剥離除去する場合においても
十分なアンカー力を有しているため被着体に糊残りのほ
とんどないものとなっている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂シートの片面に、分子内にアル
    コキシシリル基を有するアクリル系モノマー1〜5重量
    %が共重合されてなるベースポリマー100重量部およ
    び下式(1)で表される非反応型剥離コントロール剤
    0.01〜2.5重量部からなる粘着剤が積層されてい
    ることを特徴とする粘着シート。 【化1】 (但し、式中のmは自然数である。)
JP28854297A 1997-10-21 1997-10-21 粘着シート Pending JPH11116916A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007245389A (ja) * 2006-03-14 2007-09-27 Nitto Denko Corp 半導体用粘着シート

Cited By (1)

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