JPH11109365A - 液晶配向剤 - Google Patents

液晶配向剤

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JPH11109365A
JPH11109365A JP28133597A JP28133597A JPH11109365A JP H11109365 A JPH11109365 A JP H11109365A JP 28133597 A JP28133597 A JP 28133597A JP 28133597 A JP28133597 A JP 28133597A JP H11109365 A JPH11109365 A JP H11109365A
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polymer
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dianhydride
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泰顕 六鹿
Munetaka Iwano
宗貴 岩野
Fusayoshi Mitsumoto
房美 光本
Yasuo Matsuki
安生 松木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶配向性が良好であり、ポリアクリレート
系樹脂のような樹脂基板に塗布・製膜可能な液晶配向剤
であり、かつ液晶表示素子において膜厚均一性の優れた
液晶配向膜を与える液晶配向剤を提供する。 【解決手段】 (1)テトラカルボン酸二無水物とジア
ミン化合物とを反応させて得られるポリアミック酸およ
びポリアミック酸を脱水閉環して得られる構造を有する
イミド化重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種
の重合体と、(2)トリエチレングリコールモノメチル
エーテルなどの特定溶剤とを含有してなることを特徴と
する液晶配向剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子の液
晶配向膜を形成するために用いられる液晶配向剤に関す
る。さらに詳しくは、液晶配向性が良好であり、ポリア
クリレート系樹脂のような樹脂基板に塗布・製膜可能な
液晶配向剤であり、かつ液晶表示素子において電圧保持
率の高い液晶配向膜を与える液晶配向剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、透明導電膜を介して液晶配向膜が
表面に形成されている2枚の基板の間に、正の誘電異方
性を有するネマチック型液晶の層を形成してサンドイッ
チ構造のセルとし、前記液晶分子の長軸が一方の基板か
ら他方の基板に向かって連続的に90度捻れるようにし
たTN(Twisted Nematic)型液晶セルを有するTN型
表示素子が知られている。このTN型表示素子などの液
晶表示素子における液晶の配向は、通常、ラビング処理
により液晶分子の配向能が付与された液晶配向膜により
実現される。ここに、液晶表示素子を構成する液晶配向
膜の材料としては、従来より、ポリイミド、ポリアミド
およびポリエステルなどの樹脂が知られている。特にポ
リイミドは、耐熱性、液晶との親和性、機械的強度など
に優れているため多くの液晶表示素子に使用されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来知
られているポリアミック酸やそれを脱水閉環したイミド
化重合体(ポリイミド)を含有する液晶配向剤には、主
溶剤としてγ―ブチロラクトン、N−メチルー2−ピロ
リドンなどの高極性溶剤が用いられており、このような
液晶配向剤を用いて液晶表示素子などを作製した場合、
軽量化などの目的で基板にポリアクリレート系樹脂など
の樹脂基板を用いると、焼成・成膜中に基板が溶解して
液晶表示素子を作成できない、などの問題が生じる場合
がある。また、樹脂基板を溶解させない溶剤を用いる
と、今度は配向剤の主成分である樹脂の溶解性が悪くな
るため、得られる液晶配向膜の膜厚均一性が劣るという
問題が生じる場合がある。本発明は、以上のような事情
に鑑みてなされたものであって、本発明の第一の目的
は、液晶の配向性が良好な液晶配向膜を得られる液晶配
向剤を提供することにある。本発明の第2の目的は、ポ
リアクリレート系樹脂のような樹脂基板に塗布・成膜可
能な液晶配向剤を提供することによる。本発明の第3の
目的は、膜厚均一性の優れた液晶配向膜を与える液晶配
向剤を提供することにある。
【0004】
【発明を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、下記の液晶配向剤により達成
される。 (1)テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを
反応させて得られるポリアミック酸(以下、「特定重合
体(A)」ともいう)およびポリアミック酸を脱水閉環
して得られる構造を有するイミド化重合体(以下、「特
定重合体(B)」ともいう)よりなる群から選ばれる少
なくとも1種の重合体と、 (2)下記式(i)
【0005】
【化2】
【0006】(式中、Xは炭素数1〜6のアルキル基お
よび炭素数1〜3のアシル基から選ばれる1価の有機基
を示し、Y1 〜Y5 は、水素原子、炭素数1〜6のアル
キル基および炭素数1〜3のアシル基から選ばれる1価
の有機基を示し、複数存在するY1 〜Y5 は、それぞれ
同一でも異なっていても良い。)
【0007】で表される溶剤よりなる群から選ばれる少
なくとも1種の溶剤(以下、「特定溶剤(C)」ともい
う)とを含有してなることを特徴とする液晶配向剤。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の液晶配向剤は、特定重合体(A)および
/または特定重合体(B)が、上記特定溶剤(C)に溶
解されて構成されている。本発明の液晶配向剤を構成す
る特定重合体(A)は、テトラカルボン酸二無水物とジ
アミン化合物とを反応させて得られるポリアミック酸で
あり、本発明の液晶配向剤を構成する特定重合体(B)
は、この特定重合体(A)を脱水閉環した構造を有する
イミド化重合体である。
【0009】<テトラカルボン酸二無水物>上記特定重
合体(A)の合成に用いられるテトラカルボン酸二無水
物は、特に限定されるものではなく、例えばブタンテト
ラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタン
テトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,
2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、
1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテト
ラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,
3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,
2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブ
タンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シク
ロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5
−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二
無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢
酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン
−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフ
ランテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,
5,9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−
ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フ
ラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−
ヘキサヒドロ−5−メチル−5(テトラヒドロ−2,5
−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−
フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b
−ヘキサヒドロ−5−エチル−5(テトラヒドロ−2,
5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]
−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9
b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5(テトラヒドロ−
2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−
c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,
5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5(テトラヒド
ロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,
2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,
4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5(テトラ
ヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト
[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3
a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5(テ
トラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフ
ト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,
3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル
−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニ
ル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオ
ン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3
−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸
二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン
−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、下記式
(I)および式(II)で表される化合物などの脂肪族お
よび脂環式テトラカルボン酸二無水物;
【0010】
【化3】
【0011】(式中、R1 およびR3 は、芳香環を有す
る2価の有機基を示し、R2 およびR4 は、水素原子ま
たはアルキル基を示し、複数存在するR2 およびR
4 は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【0012】ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸
二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテ
ルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジ
メチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカル
ボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボ
ン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’
−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニル
スルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,
3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタ
ル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフ
ィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリ
フェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス
(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニ
ルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水
物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェ
ニルメタン二無水物、エチレングリコール−ビス(アン
ヒドロトリメリテート)、プロピレングリコール−ビス
(アンヒドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオー
ル−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキ
サンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、
1,8−オクタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリ
テート)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン−ビス(アンヒドロトリメリテート)、下記式
(1)〜(4)で表される化合物などの芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物を挙げることができる。これらは1種
単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
【0013】
【化4】
【0014】これらのうち、ブタンテトラカルボン酸二
無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン
酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シク
ロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−
シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5
−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−
(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル
−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水
物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−
(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−
ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,
3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−
5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニ
ル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、
1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−
ジメチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3
−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−
ジオン、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−
2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、上記式
(1)〜(4)で表される化合物、上記式(I)で表さ
れる化合物のうち下記式(5)〜(7)で表される化合
物および上記式(II)で表される化合物のうち下記式
(8)で表される化合物が、良好な液晶配向性を発現さ
せ、特に膜厚均一性に優れた液晶配向膜を得ることがで
きる観点から好ましく、特に好ましいものとして、1,
2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、
1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテト
ラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシ
クロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9
b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオ
キソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−
1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサ
ヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジ
オキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン
−1,3−ジオンを挙げることができる。
【0015】
【化5】
【0016】<ジアミン化合物>上記特定重合体(A)
の合成に用いられるジアミン化合物は、特に限定される
ものではなく、例えばp−フェニレンジアミン、m−フ
ェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−
ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジ
フェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジ
アミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリ
ド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−
ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−ジ
アミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフ
ェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミ
ノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリ
メチルインダン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジ
アミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェ
ノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2
−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベン
ゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒ
ドロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、9,
9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’
−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,
5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニ
ル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,
5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−
4,4’−ジアミノビフェニル、1,4.4’−(p−
フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’
−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、
2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロ
メチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパ
ン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオ
ロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ
−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフル
オロビフェニルなどの芳香族ジアミン;
【0017】1,1−メタキシリレンジアミン、1,3
−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタ
メチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメ
チレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレ
ンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミ
ン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジア
ミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミ
ン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチ
レンジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−
ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビ
ス(シクロヘキシルアミン)などの脂肪族および脂環式
ジアミン;下記式(III) で表されるモノ置換フェニレ
ンジアミン類;下記式(IV)で表されるジアミノオルガ
ノシロキサン;下記式(9)〜(13)で表される化合
物などを挙げることができる。これらのジアミン化合物
は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることがで
きる。
【0018】
【化6】
【0019】(式中、R5 は、−O−、−COO−、−
OCO−、−NHCO−、−CONH−および−CO−
から選ばれる2価の有機基を示し、R6 は、ステロイド
骨格またはトリフルオロメチル基を有する1価の有機基
を示す。)
【0020】
【化7】
【0021】(式中、R7 は炭素数1〜12の炭化水素
基を示し、複数存在するR7 は、それぞれ同一でも異な
っていてもよく、pは1〜3の整数であり、qは1〜2
0の整数である。)
【0022】
【化8】
【0023】(式中、yは2〜12の整数であり、zは
1〜5の整数である。)
【0024】これらのうち、p−フェニレンジアミン、
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジア
ミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレ
ン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−
アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピ
リデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジ
イソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−シクロヘキ
サンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシ
ルアミン)、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベ
ンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフ
ェニル、上記式(9)〜(13)で表される化合物、上
記式(III) で表される化合物のうち下記式(14)〜
(19)で表される化合物が好ましい。特に、4,4’
−ジアミノジフェニルメタン、上記式(9)〜(11)
で表される化合物および下記式(14)〜(19)で表
される化合物が、特定溶剤(C)への溶解性の点で好ま
しい。これらのジアミンは市販品をそのまま使用して
も、再還元して使用してもよい。
【0025】
【化9】
【0026】<テトラカルボン酸二無水物とジアミン化
合物の使用割合>特定重合体(A)の合成反応における
テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との使用割
合は、ジアミン化合物に含まれるアミノ基1当量に対し
て、テトラカルボン酸二無水物に含まれる酸無水物基が
0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましく
は0.3〜1.4当量となる割合である。テトラカルボ
ン酸二無水物に含まれる酸無水物基の割合が0.2当量
未満の場合および2当量を超える場合のいずれにおいて
も、得られる重合体の分子量が小さくなりすぎ、液晶配
向剤の塗布性が劣るものとなる場合がある。
【0027】<特定重合体(A)の合成>本発明の液晶
配向剤を構成する特定重合体(A)の合成反応は、有機
溶媒中で、通常0〜150℃、好ましくは0〜100℃
の温度条件下で行われる。反応温度が0℃以下であると
化合物の溶剤に対する溶解性が劣る場合があり、150
℃を超えると得られる重合体の分子量が低下する場合が
ある。
【0028】特定重合体(A)の合成に用いられる有機
溶媒としては、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン化
合物および反応で生成する特定重合体(A)を溶解し得
るもので、かつポリアクリレート樹脂などの樹脂基板を
溶解しにくい溶剤が好ましく、特に好ましくは上記式
(i)で表される特定溶剤が挙げられる。具体的には、
トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレ
ングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコ
ールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエ
チルエーテルなどのトリグリコール系溶媒を挙げること
ができ、これらは、単独でまたは2種以上組み合わせて
用いることができる。有機溶媒の使用量(a)は、反応
原料であるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物
との総量(b)が反応溶液の全量(a+b)に対して
0.1〜30重量%になるような量であることが好まし
い。
【0029】なお、上記有機溶媒には、特定重合体
(A)の貧溶媒であるアルコール類、ケトン類、エステ
ル類、エーテル類などを、生成する特定重合体(A)が
析出しない範囲で併用することができる。かかる貧溶媒
の具体例としては、例えばメチルアルコール、エチルア
ルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエ
ーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、エチレングリコールメチルエーテルアセ
テート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピ
レングリコールエチルエーテル、プロピレングリコール
ジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエー
テル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコ
ールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチ
ルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテ
ート、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、
2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、乳酸
メチル、乳酸ブチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ
酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチ
ル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプ
ロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、
3−メチル−3−メトキシブタノール、3−エチル−3
−メトキシブタノール、2−メチル−2−メトキシブタ
ノール、2−エチル−2−メトキシブタノール、3−メ
チル−3−エトキシブタノール、3−エチル−3−エト
キシブタノール、2−メチル−2−エトキシブタノー
ル、2−エチル−2−エトキシブタノール、テトラヒド
ロフラン、下記式(20)〜(24)で表される溶剤を
挙げることができる。これらは、単独でまたは2種以上
組み合わせて用いることができる。
【0030】
【化10】
【0031】〔式中、R8 〜R35は、それぞれ、水素原
子、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル
基、炭素数1〜4のアルコキシル基またはフェニル基を
示し、a〜iは、それぞれ1〜5の整数である。R8
35で示される基が複数存在する場合には、これらは同
一であっても異なっていてもよい。〕
【0032】上記式(20)で表される溶剤としては、
例えば2−ヒドロキシエチルアセテート、2−ヒドロキ
シプロピルアセテート、3−ヒドロキシプロピルアセテ
ート、2−ヒドロキシブチルアセテート、3−ヒドロキ
シブチルアセテート、4−ヒドロキシブチルアセテー
ト、2−ヒドロキシエチルプロピオネート、2−ヒドロ
キシプロピルプロピオネート、3−ヒドロキシプロピル
プロピオネート、2−ヒドロキシエチルラクテート、2
−ヒドロキシプロピルラクテート、3−ヒドロキシプロ
ピルラクテートなどを挙げることができる。また、上記
式(21)で表される溶剤としては、例えば2,4−ペ
ンタンジオン、1−ヒドロキシ−2,4−ペンタンジオ
ン、2,4−ヘキサンジオン、2,5−ヘキサンジオ
ン、1−ヒドロキシ−2,4−ヘキサンジオン、2,4
−ヘプタンジオン、2,5−ヘプタンジオン、2,6−
ヘプタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,4−オ
クタンジオン、2,5−オクタンジオン、2,6−オク
タンジオン、2,7−オクタンジオン、3,5−オクタ
ンジオンなどを挙げることができる。また、上記式(2
2)で表される溶剤としては、ピルビン酸メチル、ピル
ビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、ピルビン酸ブチ
ル、ピルビン酸ヒドロキシメチル、ピルビン酸ヒドロキ
シエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセ
ト酢酸プロピル、アセト酢酸ブチル、アセト酢酸ヒドロ
キシメチル、アセト酢酸ヒドロキシエチルなどを挙げる
ことができる。また、上記式(23)で表される溶剤と
しては、テトラヒドロフルフリルアルコール、テトラヒ
ドロ−3−フランメタノール、テトラヒドロ−2−フラ
ンエタノール、テトラヒドロ−3−フランエタノールな
どを挙げることができる。さらに、上記式(24)で表
される溶剤としては、1,3−ジオキソラン、1,3−
ジオキセパン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、4
−エチル−1,3−ジオキソラン、4−プロピル−1,
3−ジオキソラン、4−ブチル−1,3−ジオキソラ
ン、2−メチル−1,3−ジオキソラン、2−エチル−
1,3−ジオキソラン、3−プロピル−1,3−ジオキ
ソラン、2,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン、2
−エチル−4−メチル−1,3−ジオキソラン、2−プ
ロピル−4−メチル−1,3−ジオキソランなどを挙げ
ることができる。
【0033】以上の合成反応によって、特定重合体
(A)を溶解してなる重合体溶液が得られる。そして、
この重合体溶液を大量の貧溶媒中に注いで析出物を得、
この析出物を減圧下乾燥することにより特定重合体
(A)を得ることができる。また、この特定重合体
(A)を再び有機溶媒に溶解させ、次いで貧溶媒で析出
する工程を1回または数回行うことにより、特定重合体
(A)の精製を行うことができる。
【0034】<特定重合体(B)>本発明の液晶配向剤
を構成する特定重合体(B)は、上記特定重合体(A)
を脱水閉環して得られる構造を有するイミド化重合体で
あり、通常、ポリイミドおよび/またはポリイソイミド
である。特定重合体(B)は、下記方法(1)〜(3)
により調製することができる。
【0035】方法(1):特定重合体(A)を加熱して
脱水閉環する方法。 この方法における反応温度は、通常60〜200℃とさ
れ、好ましくは100〜170℃とされる。反応温度が
60℃未満では脱水閉環反応(イミド化反応)が十分に
進行せず、反応温度が200℃を超えると得られる特定
重合体(B)の分子量が小さくなることがある。 方法(2):特定重合体(A)を有機溶媒に溶解し、こ
の溶液中に脱水剤およびイミド化触媒を添加し、必要に
応じて加熱する方法。 この方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、
無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水
物を用いることができる。脱水剤の使用量は、特定重合
体(A)の繰り返し単位1モルに対して1.6〜20モ
ルとするのが好ましい。また、イミド化触媒としては、
例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミ
ンなどの3級アミンを用いることができるが、これらに
限定されるものではない。イミド化触媒の使用量は、使
用する脱水剤1モルに対して0.5〜10モルとするの
が好ましい。なお、イミド化反応に用いられる有機溶媒
としては、特定重合体(A)の合成に用いられるものと
して例示した有機溶媒を挙げることができる。そして、
イミド化反応の反応温度は、通常0〜180℃、好まし
くは60〜150℃とされる。 方法(3):テトラカルボン酸二無水物とジイソシアネ
ート化合物とを混合し、縮合させる方法。
【0036】この方法に使用されるジイソシアネート化
合物の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネー
トなどの脂肪族ジイソシアネート化合物;シクロヘキサ
ンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート化合
物;ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、
ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート、ジ
フェニルスルホン−4,4’−ジイソシアネート、ジフ
ェニルスルフィド−4,4’−ジイソシアネート、1,
2−ジフェニルエタン−p,p’−ジイソシアネート、
2,2−ジフェニルプロパン−p,p’−ジイソシアネ
ート、2,2−ジフェニル−1,1,1,3,3,3−
ヘキサフルオロプロパン−p,p’−ジイソシアネー
ト、2,2−ジフェニルブタン−p,p’−ジイソシア
ネート、ジフェニルジクロロメタン−4,4’−ジイソ
シアネート、ジフェニルフルオロメタン−4,4’−ジ
イソシアネート、ベンゾフェノン−4,4’−ジイソシ
アネート、N−フェニル安息香酸アミド−4,4’−ジ
イソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート化合物を
挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上組合
せて用いることができる。なお、この方法には特に触媒
は必要とされず、反応温度は、通常、50〜200℃、
好ましくは100〜160℃である。このようにして得
られる重合体溶液に対し、特定重合体(A)の精製方法
と同様の操作を行うことにより、特定重合体(B)を精
製することができる。
【0037】<重合体の対数粘度>以上のようにして得
られる特定重合体(A)および特定重合体(B)の対数
粘度(ηln)は、通常0.05〜10dl/gであ
り、好ましくは0.05〜5dl/gである。ここに、
対数粘度(ηln)の値は、N−メチル−2−ピロリド
ンを溶媒として用い、重合体の濃度が0.5g/100
ミリリットルである溶液について30℃で粘度の測定を
行い、下記数式によって求められるものである。
【0038】
【数1】
【0039】<末端修飾型の重合体>本発明の液晶配向
剤を構成する特定重合体(A)および/または特定重合
体(B)は、末端修飾型の重合体であってもよい。この
末端修飾型の重合体は、分子量が調節され、本発明の効
果を損うことなく、液晶配向剤の塗布特性などを改善す
ることができる。末端修飾型の重合体は、特定重合体
(A)を合成する際に、酸無水物、モノアミン化合物ま
たはモノイソシアネート化合物を反応系に添加すること
により合成することができる。
【0040】末端修飾型の重合体を得るため特定重合体
(A)を合成する際の反応系に添加される酸無水物とし
ては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタ
コン酸、n−デシルサクシニック酸無水物、n−ドデシ
ルサクシニック酸無水物、n−テトラデシルサクシニッ
ク酸無水物、n−ヘキサデシルサクシニック酸無水物な
どを挙げることができる。また、反応系に添加されるモ
ノアミン化合物としては、例えばアニリン、シクロヘキ
シルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、
n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチ
ルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−
ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシ
ルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシル
アミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルア
ミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミン
などを挙げることができる。また、反応系に添加される
モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイ
ソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを挙げるこ
とができる。
【0041】<特定溶剤(C)>上記式(i)で表され
る特定溶剤(C)は、通常、特定重合体(A)および特
定重合体(B)に対する良溶媒である。斯かる特定溶剤
(C)の具体例としては、例えばトリエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジメ
チルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエー
テル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセ
テート、トリエチレングリコールジエチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチ
レングリコールモノプロピルエーテルアセテート、トリ
エチレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレン
グリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコー
ルモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ
エチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコール
ジエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロ
ピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピル
エーテルアセテート、トリプロピレングリコールジプロ
ピルエーテルなどを挙げることができ、これらは、単独
でまたは2種以上組合せて用いることができる。これら
のうち、ポリマーの溶解性などの観点から、トリエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコ
ール モノメチルエーテルアセテート、トリエチレング
リコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモ
ノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチル
エーテルアセテート、トリエチレングリコールジエチル
エーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、
トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプ
ロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ト
リプロピレングリコールジエチルエーテルが好ましい。
【0042】<液晶配向剤>本発明の液晶配向剤は、重
合体〔特定重合体(A)および/または特定重合体
(B)〕を溶解するための溶媒成分の一部または全部と
して、特定溶剤(C)が含有されている点に特徴を有す
るものである。
【0043】液晶配向剤を構成する重合体成分の含有割
合は、通常1〜10重量%とされ、好ましくは3〜8重
量%とされる。この割合が1重量%未満である場合に
は、形成される液晶配向膜の膜厚が過小となって、当該
液晶配向膜にピンホールが発生しやすくなる。一方、こ
の割合が10重量%を超える場合には、液晶配向剤の粘
度が過大となって、形成される液晶配向膜の膜厚均一性
が損なわれることがある。
【0044】本発明の液晶配向剤を構成する特定溶剤
(C)の含有割合としては、ポリアクリレート樹脂など
の樹脂基板に塗布が可能で、膜厚均一性に優れ、かつ、
表示特性および電気特性に優れた液晶表示素子を作製す
るという観点から、通常、溶媒全量に対して5重量%以
上とされ、好ましくは10〜90重量%とされる。特定
溶剤(C)の含有割合が5重量%未満である場合には、
樹脂基板が溶解するか、あるいは重合体成分を十分に溶
解することができず、析出物の発生やゲル化を招くため
に液晶表示素子を作製することができない場合がある。
【0045】<併用可能な良溶媒・貧溶媒>本発明の液
晶配向剤には、特定溶剤(C)による効果が損なわれな
い範囲内において、特定重合体(A)および特定重合体
(B)に対する良溶媒、並びにこれらの重合体に対する
貧溶媒が含有されていてもよい。
【0046】本発明の液晶配向剤の溶媒成分として併用
される良溶媒(以下「良溶媒(D)」という)として
は、例えばγ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロ
リドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチ
ル尿素、ヘキサメチルホスホリルトリアミド、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジノンなどの非プロトン系極
性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、
ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒を挙げる
ことができ、これらは、単独でまたは2種以上組み合わ
せて用いることができる。、これらのうち、N−メチル
−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンなどの
N−アルキル−2−ピロリドン類;γ−ブチロラクトン
などのラクトン類;および1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノンなどのジアルキルイミダゾリジノン類が好
ましい。本発明の液晶配向剤における良溶媒(D)の配
合割合は、用いられる全容剤に対して通常40重量%以
下、好ましくは30重量%以下である。40重量%を超
えると、樹脂基板を溶解しやすい。
【0047】本発明の液晶配向剤の溶媒成分として併用
される貧溶媒(以下「貧溶媒(E)」という)として
は、特定重合体(A)の合成の際に併用することができ
るものとして例示した貧溶媒を挙げることができる。貧
溶媒(E)が含有された液晶配向剤を使用することによ
り、形成される液晶配向膜の膜厚均一性をさらに向上さ
せることができる。本発明の液晶配向剤における貧溶媒
(E)の配合割合は、用いられる全容剤に対して通常9
0重量%以下、好ましくは85重量%以下である。90
重量%を超えると特定重合体が析出する可能性がある。
本発明の液晶配向剤における特に好ましい溶剤の組成
は、特定溶剤(C)10〜90重量%、良溶媒(D)0
〜15重量%および貧溶媒(E)10〜85重量%の組
み合わせである。
【0048】本発明の液晶配向剤の調製方法としては、
〔1〕良溶媒(D)に重合体成分〔特定重合体(A)お
よび/または特定重合体(B)〕を溶解させて溶液を
得、この溶液に、特定溶剤(C)および貧溶媒(E)を
添加する方法、〔2〕特定溶剤(C)と良溶媒(D)と
貧溶媒(E)とよりなる混合溶媒に重合体成分を溶解さ
せる方法、〔3〕特定溶剤(C)に重合体成分を溶解さ
せて溶液を得、この溶液に、良溶媒(D)および貧溶媒
(E)を添加する方法、〔4〕重合体成分の一部を良溶
媒(D)に溶解して得られた溶液と、重合体成分の残部
を特定溶剤(C)に溶解して得られた溶液とを混合し、
次いで、この混合溶液に貧溶媒(E)を添加する方法な
ど種々の方法を採用することができる。
【0049】本発明の液晶配向剤には、形成される薄膜
の基板表面に対する接着性を向上させる観点から、官能
性シラン含有化合物を添加することができる。このよう
な官能性シラン含有化合物としては、例えば3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2
−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル
メチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメ
トキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラ
ン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノ
プロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリル
プロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシ
リルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメト
キシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリ
エトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−ト
リメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、
9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテ
ート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメト
キシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチ
レン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、さら
に特開平9−136893記載のベンジリデンイミノ基
を含有するシランカップリング剤、例えば3−(m−ク
ロロベンジリデンイミノ)プロピルトリメトキシシラン
などを挙げることができる。
【0050】<液晶表示素子>本発明の液晶配向剤を用
いて得られる液晶表示素子は、例えば次の方法によって
製造することができる。 (1)パターニングされた透明電極が設けられた基板の
透明電極側に、本発明の液晶配向剤を、例えばロールコ
ーター法、スピンナー法、印刷法などの方法によって塗
布し、次いで塗布面を加熱することにより薄膜を形成す
る。ここに基板としては、例えばフロートガラス、ソー
ダガラスなどのガラス、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、
ポリアクリレート、ポリカーボネートなどのプラスチッ
クフィルムなどからなる基板を用いることができる。基
板の一面に設けられた透明電極としては、SnO2 から
なるNESA膜、In2 3 −SnOからなるITO膜
などを用いることができ、これらの透明電極のパターニ
ングには、フォト・エッチング法、予めマスクを用いる
方法などが用いられる。液晶配向剤の塗布に際しては、
基板および透明電極と薄膜との接着性をさらに良好にす
るために、基板及び透明電極上に、予め官能性シラン含
有化合物、チタネートなどを塗布することもできる。ま
た加熱温度は、80〜250℃とされ、好ましくは12
0〜200℃とされる。形成される薄膜の膜厚は、通
常、0.001〜1μm、好ましくは0.005〜0.
5μmである。
【0051】(2)形成された薄膜は、ナイロン、レー
ヨンなどの合成繊維からなる布を巻き付けたロールで一
定方向に擦るラビング処理を行うことにより、液晶分子
の配向能が薄膜に付与されて液晶配向膜となる。また、
ラビング処理による方法以外に、薄膜表面に偏光紫外線
を照射して配向能を付与する方法や、一軸延伸法、ラン
グミュア・ブロジェット法などで薄膜を得る方法などに
より、液晶配向膜を形成することもできる。なお、ラビ
ング処理時に発生する微粉末(異物)を除去して表面を
清浄な状態とするために、形成された液晶配向膜をイソ
プロピルアルコールなどによって洗浄することが好まし
い。また、本発明の液晶配向剤により形成された液晶配
向膜に、例えば特開平6−222366号公報や特開平
6−281937号公報に示されているような、紫外線
を部分的に照射することによってプレチルト角を変化さ
せるような処理、あるいは特開平5−107544号公
報に示されているような、ラビング処理された液晶配向
膜上にレジスト膜を部分的に形成し、先行のラビング処
理とは異なる方向にラビング処理を行った後、前記レジ
スト膜を除去して、液晶配向膜の配向能を変化させるよ
うな処理を行うことによって、液晶表示素子の視界特性
を改善することが可能である。
【0052】(3)上記のようにして液晶配向膜が形成
された基板を2枚作成し、それぞれの液晶配向膜におけ
るラビング方向が直交または逆平行となるように、2枚
の基板を間隙(セルギャップ)を介して対向させ、2枚
の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板の
表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内に
液晶を充填し、充填孔を封止して液晶セルを構成する。
そして、液晶セルの外表面、すなわち、液晶セルを構成
するそれぞれの基板の他面側に、偏光板を、その偏光方
向が当該基板の一面に形成された液晶配向膜のラビング
方向と一致または直交するように貼り合わせることによ
り、液晶表示素子が得られる。上記シール剤としては、
例えば硬化剤およびスペーサーとしての酸化アルミニウ
ム球を含有したエポキシ樹脂などを用いることができ
る。上記液晶としては、ネマティック型液晶、スメクテ
ィック型液晶を挙げることができ、その中でもネマティ
ック型液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、ア
ゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキ
サン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビ
フェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジ
オキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系
液晶などが用いられる。また、これらの液晶に、例えば
コレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレ
ステリルカーボネートなどのコレステリック液晶や商品
名「C−15」、「CB−15」(メルク社製)として
販売されているようなカイラル剤などを添加して使用す
ることもできる。さらに、p−デシロキシベンジリデン
−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強
誘電性液晶も使用することができる。また、液晶セルの
外側に使用される偏光板としては、ポリビニルアルコー
ルを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させたH膜と呼
ばれる偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板、
またはH膜そのものからなる偏光板などを挙げることが
できる。
【0053】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるも
のではない。なお、以下の実施例1〜26および比較例
1〜3により調整された液晶配向剤を用いて形成された
薄膜について膜厚均一性を評価し、作製された液晶表示
素子の各々について、プレチルト角および電圧保持率を
測定し、液晶配向性を評価し、ポリアクリレート樹脂基
板の溶解性を評価した。測定方法および評価方法は下記
のとおりである。
【0054】〔プレチルト角の測定方法〕「T.J.S
chffer,et.al.,J.Appl.Phy
s.,vol.19,2013(1980)」に記載の
方法に準拠し、He−Neレーザー光を用いる結晶回転
法により測定した。
【0055】〔電圧保持率の測定方法〕60℃の恒温槽
中に液晶表示素子を1ヶ月間放置し、放置後の液晶表示
素子の電圧保持率(フレーム周期16.7msec)を
「VHR−1」(東陽テクニカ社製)を用いて測定し
た。
【0056】〔液晶配向性の評価方法〕液晶表示素子に
電圧をオン・オフさせた時の液晶セル中の異常ドメイン
の有無を偏光顕微鏡で観察し、異常ドメインのない場合
を「良好」と、ある場合を「不良」と判定した。
【0057】〔ポリアクリレート樹脂基板溶解性の評価
方法〕厚さ0.5mmのポリアクリレート樹脂フィルム
を1cm角に切断し、初期重量(Wo)を測定後、これ
を液晶配向剤を構成する溶剤組成と同一の組成比を持っ
た混合溶剤中に入れ、一定温度下、24時間静置した後
に取り出し、溶剤をよくふき取った後の重量(W)を測
定し、その変化率を下記式により算出した。上記評価
を、混合溶媒の温度を5℃ずつ変えて行い、変化率が9
4%以下となる温度を溶解温度とした。
【0058】
【数2】変化率(%)=W/Wo×100
【0059】〔膜厚均一性の評価方法〕触針式膜厚計を
用いて、薄膜の平均膜厚、並びに最大膜厚と最小膜厚と
の差(これを「最大較差」という)を測定した。
【0060】〔合成例1〕2,3,5−トリカルボキシ
シクロペンチル酢酸二無水物224.17g(1モ
ル)、p−フェニレンジアミン10.81g(0.1モ
ル)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン19.83
g(0.1モル)、上記式(14)で表される化合物4
16.6g(0.8モル)をトリエチレングリコールジ
メチルエーテル2000gに溶解させ、この溶液を50
℃で6時間反応させた。次いで、得られた反応溶液を大
過剰のメタノールに注いで反応生成物を沈澱させた。そ
の後、固形物を分離して純水で洗浄し、減圧下40℃で
15時間乾燥させることにより、対数粘度(ηln)
0.3dl/gの特定重合体(A)〔以下「重合体(A
−1)」という〕604.5gを得た。
【0061】〔合成例2〕合成例1で得られた重合体
(A−1)30.0gをN−メチルー2−ピロリドン5
70gに溶解させ、ピリジン15.8gおよび無水酢酸
20.4gを添加して110℃で3時間脱水閉環させ
た。次いで、合成例1Aと同様にして、反応生成物の沈
殿・分離・洗浄・乾燥を行うことにより、対数粘度(η
ln)0.2dl/gの特定重合体(B)〔以下「重合
体(B−1)」という〕28.5gを得た。
【0062】〔合成例3〕合成例1において用いたテト
ラカルボン酸二無水物に代えて、1,3,3a,4,
5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5(テトラヒド
ロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,
2−c]−フラン−1,3−ジオン314.30g(1
モル)を用いたこと以外は合成例1と同様にして、対数
粘度(ηln)0.27dl/gの特定重合体(A)
〔以下「重合体(A−2)」という〕685.4gを得
た。その後、重合体(A−1)に代えて重合体(A−
2)30.0gを用いたこと以外は合成例1Bと同様に
して、対数粘度(ηln)0.21dl/gの特定重合
体(B)〔以下「重合体(B−2)」という〕27.6
gを得た。
【0063】〔合成例4〕合成例3において用いたジア
ミン化合物に代えて、p−フェニレンジアミン10.8
1(0.1モル)、2,2−ビス[4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル]プロパン164.2g(0.4モ
ル)、1−(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)−4
−(4−トリフルオロメチルベンゾイルオキシ)−シク
ロヘキサン(上記式(18)で表される化学式のうち、
トリフルオロメチル基がパラ位にあるもの。以下、同
じ。)211.2g(0.5モル)を用いたこと以外は
合成例3と同様にして、対数粘度(ηln)0.23d
l/gの特定重合体(A)〔以下「重合体(A−3)」
という〕633.0gを得た。その後、重合体(A−
1)に代えて重合体(A−3)30.0gを用いたこと
以外は合成例1Bと同様にして、対数粘度(ηln)
0.19dl/gの特定重合体(B)〔以下「重合体
(B−3)」という〕28.6gを得た。
【0064】〔合成例5〕合成例3において用いたジア
ミン化合物に代えて、 4,4’−ジアミノジフェニル
メタン9.91g(0.05モル)および上記式(1
4)で表される化合物494.8g(0.95モル)を
用いたこと以外は合成例3と同様にして、対数粘度(η
ln)0.20dl/gの特定重合体(A)〔以下「重
合体(A−4)」という〕737.1gを得た。その
後、重合体(A−1)に代えて重合体(A−4)30.
0gを用いたこと以外は合成例1Bと同様にして、対数
粘度(ηln)0.15dl/gの特定重合体(B)
〔以下「重合体(B−4)」という〕26.2gを得
た。
【0065】〔合成例6〕合成例1において用いたテト
ラカルボン酸二無水物に代えて、2,3,5−トリカル
ボキシシクロペンチル酢酸二無水物201.75g
(0.9モル)、ピロメリット酸二無水物21.81
(0.1モル)を用い、用いたジアミン化合物に代え
て、p−フェニレンジアミン10.81g(0.1モ
ル)、1−(3,5−ジアミノベンゾイルオキシ)−4
−(4−トリフルオロメチルベンゾイルオキシ)−シク
ロヘキサン380.2g(0.9モル)を用いたこと以
外は合成例1と同様にして、対数粘度(ηln)0.2
6dl/gの特定重合体(A)〔以下「重合体(A−
5)」という〕553.1gを得た。
【0066】<実施例1> (1)液晶配向剤の調製:合成例1で得られた重合体
(A−1)5gを、トリエチレングリコール ジメチル
エーテル〔特定溶剤(C−1)〕87.5gとN−メチ
ル−2−ピロリドン〔良溶媒(D−1)〕8.5gと2
−ヒドロキシエチルアセテート〔貧溶媒(E−1)〕2
4.0gとからなる混合溶媒に溶解させて溶液を得、こ
の溶液を孔径1μmのフィルターで濾過して液晶配向剤
を調製した。この液晶配向剤において、重合体(A−
1)の含有割合は4.0重量%、特定溶剤(C−1)の
含有割合は70.0重量%、良溶媒(D−1)の含有割
合は6.8重量%、貧溶媒(E−1)の含有割合は1
9.2重量%である。
【0067】(2)ポリアクリレート樹脂の溶解性評価 この液晶配向剤と同一組成の混合溶剤を調合し、ポリア
クリレート樹脂フィルムをこの混合溶剤中に入れ、一定
温度下、24時間後の重量変化を測定し、その変化率を
上記式により算出し、この値が94%以下となる温度を
調査したところ、その温度は120℃であり、100℃
焼成による配向膜形成が可能であることが明らかとなっ
た。 薄膜の形成: (3)この液晶配向剤を、ITO膜からなる透明電極が
設けられたポリアクリレート基板の当該透明電極面に液
晶配向剤塗布用印刷機を用いて塗布し、100℃で1時
間乾燥することにより、平均膜厚700Åの薄膜を形成
した。その最大較差は10Åであり、膜厚均一性に優れ
ていた。
【0068】(4)液晶配向膜の形成:形成された薄膜
の表面に対し、レーヨン製の布を巻き付けたロールを有
するラビングマシーンを用いてラビング処理を行うこと
により、液晶分子の配向能を当該薄膜に付与して液晶配
向膜を形成した。ここに、ラビング処理条件は、ロール
の回転数500rpm、ステージの移動速度1cm/
秒、毛足押し込み長さ0.4mmとした。
【0069】(5)液晶表示素子の作製:上記のように
して液晶配向膜が形成された基板を2枚作製し、それぞ
れの基板の外縁部に、直径17μmの酸化アルミニウム
球を含有するエポキシ樹脂をスクリーン印刷法によって
塗布した後、それぞれの液晶配向膜におけるラビング方
向が直交するように2枚の基板を間隙を介して対向配置
し、外縁部同士を当接させて圧着して接着剤を硬化させ
た。次いで、基板の表面および外縁部の接着剤により区
画されたセルギャップ内に、ネマティック型液晶「ML
C−2012」(メルク・ジャパン社製)を注入充填
し、次いで、注入孔をエポキシ系接着剤で封止して液晶
セルを構成した。次いで、液晶セルの外表面、すなわ
ち、液晶セルを構成するそれぞれの基板の他面に、偏光
方向が当該基板の一面に形成された液晶配向膜のラビン
グ方向と一致するように偏光板を貼り合わせることによ
り、液晶表示素子を作製した。
【0070】(6)液晶表示素子の評価:以上のように
して作製された液晶表示素子について、液晶配向性を調
べたところ、動作電圧をオン・オフさせた時に液晶表示
素子中に異常ドメインは認められず、良好な配向性を有
するものであることが認められた。この液晶表示素子に
おけるプレチルト角は87.0°と高く、電圧保持率は
97.5%、と優れた電気特性を有するものであった。
以上の結果を表4に示す。
【0071】<実施例2〜26>表1および表2に示す
処方に従い、重合体〔特定重合体(A)または特定重合
体(B)〕を混合溶媒に溶解させて固形分濃度4重量%
の溶液を得、この溶液を用いたこと以外は実施例1と同
様にして、本発明の液晶配向剤を調製し、基板上に薄膜
を形成し、当該薄膜にラビング処理を行って液晶配向膜
を形成し、当該液晶配向膜を備えてなる液晶表示素子を
作製した。以上のようにして作製された液晶表示素子の
各々について、プレチルト角、電圧保持率および残留電
圧を測定し、液晶配向性を評価した。結果を表4および
表5に示す。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】<比較例1〜2>表3に示す処方に従い、
合成例1Bで得られた重合体(B−1)を混合溶媒に溶
解させて溶液を得、この溶液を用いたこと以外は実施例
1と同様にして、比較用の液晶配向剤を調製し、基板上
に薄膜を形成し、当該薄膜にラビング処理を行って液晶
配向膜を形成し、当該液晶配向膜を備えてなる液晶表示
素子を作製した。以上のようにして作製された液晶表示
素子の各々について、プレチルト角、電圧保持率および
残留電圧を測定し、液晶配向性を評価した。結果を表6
に示す。
【0075】
【表3】
【0076】上記表1〜3中、特定溶剤(C)、良溶媒
(D)および貧溶媒(E)は、それぞれ、下記の溶剤を
示す。
【0077】〔特定溶剤(C)〕 ・(C−1):トリエチレングリコール ジメチルエー
テル ・(C−2):トリエチレングリコール ジエチルエー
テル ・(C−3):トリプロピレングリコール ジメチルエ
ーテル ・(C−4):トリプロピレングリコール ジエチルエ
ーテル 〔良溶媒(D)〕 ・(D−1):N−メチル−2−ピロリドン ・(D−2):N−エチル−2−ピロリドン ・(D−3):γ−ブチロラクトン ・(D−4):1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン 〔貧溶媒(E)〕 ・(E−1):エチレングリコールモノブチルエーテル ・(E−2):2,4−ペンタンジオン ・(E−3):ピルビン酸エチル ・(E−4):テトラヒドロフルフリルアルコール ・(E−5):1,3−ジオキソラン
【0078】
【表4】
【0079】
【表5】
【0080】
【表6】
【0081】
【発明の効果】本発明の液晶配向剤を用いて形成した液
晶配向膜を有する液晶表示素子は、TN型液晶表示素子
に好適に使用できる以外に、使用する液晶を選択するこ
とにより、STN(Super Twisted Ne
matic)型、SH(Super Homeotro
pic)型、IPS(In−Plane−Switch
ing)型、OCB(Optically Compe
nsated Birefringence)型、強誘
電性および反強誘電性の液晶表示素子などにも好適に使
用することができる。さらに、本発明の液晶配向剤を用
いて形成した液晶配向膜を有する液晶表示素子は、種々
の装置に有効に使用でき、例えば卓上計算機、腕時計、
置時計、係数表示板、ワードプロセッサ、パーソナルコ
ンピュータ、液晶テレビなどの表示装置に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松木 安生 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)テトラカルボン酸二無水物とジアミ
    ン化合物とを反応させて得られるポリアミック酸および
    ポリアミック酸を脱水閉環して得られる構造を有するイ
    ミド化重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種の
    重合体と、(2)下記式(i) 【化1】 (式中、Xは炭素数1〜6のアルキル基および炭素数1
    〜3のアシル基から選ばれる1価の有機基を示し、Y1
    〜Y5 は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基および
    炭素数1〜3のアシル基から選ばれる1価の有機基を示
    し、複数存在するY1 〜Y5 は、それぞれ同一でも異な
    っていても良い。)で表される溶剤よりなる群から選ば
    れる少なくとも1種の溶剤とを含有してなることを特徴
    とする液晶配向剤。
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