JPH1110494A - 円筒研削方法 - Google Patents

円筒研削方法

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JPH1110494A
JPH1110494A JP18327697A JP18327697A JPH1110494A JP H1110494 A JPH1110494 A JP H1110494A JP 18327697 A JP18327697 A JP 18327697A JP 18327697 A JP18327697 A JP 18327697A JP H1110494 A JPH1110494 A JP H1110494A
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JP
Japan
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grindstone
traverse
work
grinding
angle
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JP18327697A
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Inventor
Chuichi Sato
忠一 佐藤
Shigemi Tsukamoto
茂美 塚本
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速かつ高効能率に被研削物の円筒部外面を
研削することができる円筒研削方法を提供する。 【解決手段】 砥石15が回転軸XcをXt方向に対し
所定角度θ0 傾けた状態で回転され、ワーク1に対し取
代量δ分送り込まれるると、砥石15が上記取代量δ分
送り込まれた位置Z0 に保持され、トラバーステーブル
11はトラバース開始位置Xts から+Xt方向(+X
方向)への移動を開始する。このトラバーステーブル1
1の移動に伴いワーク1は+Xt方向へトラバースさ
れ、ワーク1の円筒部外面がその右端から左端に向けて
砥石15により研削されることになる。すなわち、ワー
ク1のトラバース方向であるXt方向に対し砥石15の
回転軸Xcを所定角度θ0 傾けたトラバース研削が行わ
れることになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被研削物と砥石と
をそれぞれ回転させながら砥石により被研削物の円筒部
外面を研削する円筒研削方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、被研削物の円筒部外面を研削す
る円筒研削においては、トラバース研削またはプランジ
研削が行われている。
【0003】トラバース研削は、図8(a)に示すよう
に、主軸台13と心押台14とによりワーク1を支持し
ながらワーク軸線Wc周りに回転させ、砥石15をワー
ク軸線Wcと平行な回転軸Xcの周りに回転させ、砥石
15をワーク1に切り込んだ後に、砥石15に対しワー
ク1をワーク軸線Wcに平行なトラバース方向すなわち
Xt方向に相対的に移動させることにより、ワーク1の
円筒部外面を研削するものである。
【0004】プランジ研削は、図9に示すように、主軸
台13と心押台14とによりワーク1を支持しながらワ
ーク軸線Wcの周りに回転させ、砥石15をワーク軸線
Wcと平行な回転軸Xcの周りに回転させながら、ワー
ク1と所定の間隔を保持しながら砥石15を砥石幅分ワ
ーク軸線Wcに平行なXt方向(トラバース方向)に移
動させて所定位置に位置決めし、ワーク1に対し砥石1
5をワーク1から所定の取代分を除去するように切り込
むことにより、ワーク1の円筒部外面を研削するもので
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のトラバース研削
は、プランジ研削に比して精度、表面粗さなどの点で優
れているが、研削能率の点で劣ると考えられている。す
なわち、プランジ研削では、砥石作用面全体が金属除去
作用を受け持っていることに対し、トラバース研削で
は、砥石の作用がその幅方向の各部分において異なり、
その一部分が主に金属除去作用を受け持つためであると
考えられているからである。具体的には、トラバース研
削においては、図8(b)に示すように、砥石15のエ
ッジ近傍部分15a,15bがワーク1の研削に積極的
に関与し、砥石15のエッジから離れた部分例えば部分
15cは金属除去に積極的に関与していない。このよう
に、トラバース研削では、砥石15の作用面が有効に利
用されていないので、研削能率を向上させることは困難
である。
【0006】そこで、研削能率を向上させるために、上
述のプランジ研削を連続的に行う方法が用いられる場合
がある。具体的には、この方法では、図9に示すよう
に、ワーク1と所定の間隔を保持しながら砥石15を砥
石幅分ワーク軸線Wcに平行なトラバース方向であるX
t方向に移動させるストローク動作(S1,S4,…)
と、ワーク1に対し砥石15をワーク1の所定の取代分
を除去するように切り込み、砥石15の切込み後に該砥
石15をワーク1と所定の間隔を保持する位置まで後退
させるストローク動作(S2,3,S5,6,…)とを
順に繰り返すことにより、連続的にプランジ研削を行
う。しかし、この方法においては、砥石15の切込み、
切込み後の砥石15の後退を行うためのストローク動作
(S2,3,S5,6,…)が必要であるので、このス
トローク動作に余分な時間が掛り、ひいては研削加工速
度の遅延化を招くことになる。
【0007】本発明の目的は、高速かつ高効能率に被研
削物の円筒部外面を研削することができる円筒研削方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
被研削物と砥石とをそれぞれ回転させながら該砥石によ
り該被研削物の円筒部外面を研削する円筒研削方法にお
いて、前記被研削物のトラバース方向に対し前記砥石の
回転軸を傾けてトラバース研削を行うことを特徴とす
る。
【0009】請求項1記載の円筒研削方法では、被研削
物のトラバース方向に対し砥石の回転軸を傾けてトラバ
ース研削を行うので、被研削物のトラバース時に砥石の
外面全体が被研削物の取代分除去に積極的に作用すると
ともに、連続的に研削が行われ、高速かつ高効能率に被
研削物の円筒部外面を研削することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て図を参照しながら説明する。
【0011】(実施の第1形態)図1(a)は本発明に
係る円筒研削方法の実施の第1形態を実施するための研
削装置の概略構成を示す平面図、図1(b)は本発明に
係る円筒研削方法の実施の第1形態における研削時のワ
ークと砥石との関係を示す図である。
【0012】本実施の形態の実施には、図1(a)に示
すように、研削装置2が用いられる。研削装置2はベッ
ド10を備え、ベッド10には、該ベッド10上をX方
向に往復動可能なトラバーステーブル11と、X方向と
直交するZ方向に往復動可能な切込テーブル12とが設
けられている。トラバーステーブル11には、主軸台1
3および心押台14が搭載されている。主軸台13と心
押台14とは互いに共働してワーク1をそのワーク軸線
WcがX方向すなわちトラバース方向(以下、Xt方向
という)に平行になるようにかつワーク軸線Wcの周り
に回転可能に支持し、主軸台13はワーク1をワーク軸
線Wcの周りに回転させる。切込テーブル12には、平
型の砥石15をその回転軸Xcの周りに回転させるため
の駆動機構16が搭載され、該駆動機構16は砥石15
を回転軸XcがX−Z面と平行な面においてXt方向に
対し所定角度θ0 傾くように支持している。この所定角
度θ0 は次の(1)式を満足するように設定されてい
る。
【0013】 θ0 = sin-1δ/w …(1) ここで、wは、図1(b)に示すように、砥石15の作
用面の幅であり、δは砥石15によるワーク1の取代量
であり、所定角度θ0 は砥石15の作用面の幅wとワー
ク1の取代量δとから砥石15の作用面全体がワーク1
の取代部分の除去に作用するように決定される一定角度
となる。
【0014】上記トラバーステーブル11、切込テーブ
ル12、主軸台13、砥石15の駆動機構16などに関
する駆動制御は制御手段(図示せず)により行われる。
【0015】次に、このトラバース研削における動作に
ついて説明する。
【0016】まず、初期セッティングが行われる。この
初期セッティングでは、主軸台13と心押台14との間
へのワーク1のセットと、トラバーステーブル11のト
ラバース開始位置Xts(図示せず)への位置決めと、
主軸台13によるワーク1の回転と、駆動機構16によ
る砥石15の回転とを行う。このトラバーステーブル1
1がトラバース開始位置Xtsへ位置決めさることによ
り、ワーク1の切込開始位置が決定され、このワーク1
の切込開始位置は図中でワーク右端になる。
【0017】次いで、切込テーブル12が−Z方向へワ
ーク1に向けて移動され、この切込テーブル12の移動
に伴い砥石15によるワーク1への切込みが行われる。
この切込時には砥石15が回転軸XcをXt方向に対し
所定角度θ0 傾けた状態で回転され、ワーク1に対し上
記取代量δ分送り込まれることになる。
【0018】切込みが完了すると、砥石15が上記取代
量δ分送り込まれた位置Z0 に保持され、トラバーステ
ーブル11はトラバース開始位置Xts から+Xt方向
(+X方向)への移動を開始する。このトラバーステー
ブル11の移動に伴いワーク1は+Xt方向へトラバー
スされ、ワーク1の円筒部外面がその右端から左端に向
けて砥石15により研削されることになる。すなわち、
ワーク1のトラバース方向であるXt方向に対し砥石1
5の回転軸Xcを所定角度θ0 傾けたトラバース研削が
行われることになる。
【0019】ワーク1の円筒部外面の左端までの研削が
終了する、すなわちトラバーステーブル11がトラバー
ス終了位置Xte (図示せず)に到達すると、切込テー
ブル12は+Z方向へ後退され、砥石15はワーク1か
ら離隔される。
【0020】次いで、再度トラバーステーブル11がト
ラバース終了位置Xte からトラバース開始位置Xts
まで戻され、そして、砥石15の次の切込位置への送り
込み、トラバーステーブル11によるワーク1のトラバ
ースが順に行われる。
【0021】このように、本実施の形態では、ワーク1
のトラバース方向であるXt方向に対し砥石15の回転
軸Xcを所定角度θ0 傾けてトラバース研削を行うの
で、砥石15の作用面全体がワーク1の取代部分の除去
に積極的に関与し、高能率の研削を行うことが可能であ
る。また、従来のプランジ研削のように、砥石15を砥
石幅分移動させる毎に砥石15の切込みおよび砥石15
の後退を行う必要がなく、プランジ研削を連続的に行う
場合に比して研削を高速化することができる。
【0022】なお、本実施の形態では、取代量δに対し
砥石15の作用面全体が作用するように所定角度θ0 を
一定の角度に設定しているが、砥石15の回転軸Xcを
X−Z面と平行な面においてXt方向に対し所定角度範
囲内で任意の角度に傾けることが可能な角度調整機構を
設けることにより、所定角度θ0 を所定角度範囲内の角
度に変更可能なように構成することも可能である。この
場合、取代量δが変更されても、この変更された取代量
δに対し砥石15の作用面全体が作用するように所定角
度θ0 を設定することが可能になり、取代量δの変更に
対応した高能率の研削を行うことができる。
【0023】また、本実施の形態では、トラバーステー
ブル11のトラバース開始位置Xts からトラバース終
了位置Xte までの1回当りの移動すなわちワーク1の
右端から左端までの1回当りのトラバースで1回の研削
を行うが、トラバーステーブル11がトラバース終了位
置Xte からトラバース開始位置Xts まで戻されると
きにすなわちワーク1の左端から右端までのトラバース
時にワーク1の左端から右端までを研削するように構成
することも可能である。このことを実現するための方法
としては、砥石15の回転軸XcをX−Z面と平行な面
においてXt方向に対し所定角度+θ0 と−θ0 とに傾
けることが可能な角度切換機構を設け、トラバーステー
ブル11によるワーク1の右端から左端へ向けてのトラ
バース中に回転軸Xcが所定角度+θ0 に保持された砥
石15により研削を行い、トラバーステーブル11がト
ラバース終了位置Xte に到達したときに、切込テーブ
ル12を+Z方向へ後退させて砥石15をワーク1から
離隔し、角度切換機構により砥石15の回転軸XcのX
t方向に対する所定角度を角度+θ0 から角度−θ0 に
切り換え、回転軸Xcが所定角度−θ0 に保持された砥
石15の切込み、トラバーステーブル11によるワーク
1の左端から右端へ向けてのトラバースを行う方法があ
る。この方法により、トラバーステーブル11がトラバ
ース開始位置Xts とトラバース終了位置Xte との間
を1回往復動すると、ワーク1に対する研削を2回行う
ことが可能になり、さらに効率的な研削を行うことがで
きる。なお、角度θ0 の表記において+方向は時計回り
方向とする。
【0024】(実施の第2形態)次に、本発明の実施の
第2形態について図2ないし図5を参照しながら説明す
る。図2は本発明に係る円筒研削方法の実施の第2形態
を実施するための研削装置の概略構成を示す平面図、図
3は図2の研削装置における砥石旋回中心と砥石エッジ
との位置関係を拡大して示す図、図4は図2の研削装置
におけるワークの左端到達時の砥石旋回中心の位置補正
動作を示す図、図5は図4のワークの左端到達時の砥石
旋回中心の位置補正動作に伴う動作量の算出根拠を説明
するための図である。
【0025】本実施の形態は、上述の実施の第1形態に
対し、砥石15の回転軸XcがX−Z面と平行な面にお
いてXt方向に対して成す角度θを所定の角度に設定す
るための角度制御機構を設けた点で異なる。なお、上述
の実施の第1形態と同じ構成部分については同一の符号
を付し、その説明は簡略化または省略する。
【0026】具体的には、図2に示すように、切込テー
ブル12には、駆動機構(図示せず)を搭載し、旋回軸
Rcを中心に旋回するスイベルプレート21が設けられ
ている。スイベルプレート21の旋回軸Rcを中心とす
る旋回駆動は制御手段に制御され、このスイベルプレー
ト21の旋回軸Rcを中心とする旋回角度を角度θとす
ると、砥石15の回転軸XcがXt方向に対して成す角
度は角度θに等しくなる。スイベルプレート21の旋回
軸Rcは、図3に示すように、砥石15の回転軸Xcと
は交差せず、砥石15の側面から回転軸Xcに沿った方
向へ距離R離れ、砥石15の作用面から回転軸Xcに直
交する方向へ距離L離れた位置に設定されている。な
お、スイベルプレート21の旋回軸Rcを砥石15の回
転軸Xcに直交するような位置に設けることも可能であ
る。
【0027】このような構成により、本実施の形態で
は、スイベルプレート21の旋回軸Rcを中心とする旋
回駆動により砥石15の回転軸XcがXt方向に対して
成す角度θを決定し、ワーク1のトラバース方向すなわ
ちXt方向に対し砥石15の回転軸Xcを角度θ傾けた
トラバース研削を行う。
【0028】次に、本実施の形態によるトラバース研削
について説明する。なお、本実施の形態では、左端近傍
につば部1aと逃げ溝1bとが設けられたワーク1に対
し、該ワーク1の逃げ溝1と右端間の円筒部外面を研削
する例について説明する。
【0029】まず、初期セッティングが行われる。この
初期セッティングでは、主軸台13と心押台14との間
へのワーク1のセットと、トラバーステーブル11のト
ラバース開始位置Xtsへの位置決めと、主軸台13に
よるワーク1の回転と、スイベルプレート21の旋回軸
Rcを中心とする旋回駆動による砥石15の回転軸Xc
がXt方向に対して成す角度θの設定と、駆動機構16
による砥石15の回転とを行う。この初期セッティング
により、トラバーステーブル11がトラバース開始位置
Xtsへ位置決めされてワーク1の切込開始位置がワー
ク1の右端に設定され、スイベルプレート21の旋回駆
動により砥石15の回転軸XcのXt方t方向に対する
角度θとしては初期角度θ0 に設定される。この設定さ
れた初期角度θ0 は、上述の実施の第1形態と同様に、
取代量δに対し砥石15の作用面全体が作用するように
設定された角度である。
【0030】次いで、切込テーブル12が−Z方向へワ
ーク1に向けて移動され、この切込テーブル12の移動
に伴い砥石15によるワーク1への切込みが行われる。
この切込時には砥石15が回転軸XcをXt方向に対し
角度θ0 傾けた状態で回転され、ワーク1に対し取代量
δ分送り込まれることになる。
【0031】切込が完了すると、砥石15が上記取代量
δ分送り込まれた位置Z0 に保持され、トラバーステー
ブル11はトラバース開始位置Xts から+Xt方向
(+X方向)への移動を開始する。このトラバーステー
ブル11の移動に伴いワーク1は+Xt方向へトラバー
スされ、ワーク1の円筒部外面がその右端から左端に向
けて砥石15により研削されることになる。すなわち、
ワーク1のトラバース方向であるXt方向に対し砥石1
5の回転軸Xcを所定角度θ0 傾けてトラバース研削が
行われることになる。
【0032】トラバーステーブル11がトラバース終了
位置Xte に到達するとすなわち砥石15の左端がワー
ク1の左端に設けられた逃げ溝1bの形成位置に到達す
ると、トラバーステーブル11の移動が停止され、切込
テーブル12により砥石15が+Z方向(ワーク1に対
し後退する方向)へ送られながら、スイベルプレート2
1の旋回角度θすなわち砥石15の回転軸XcがXt方
向に対して成す角度θが「0」に近づくように制御され
る。
【0033】具体的には、図4に示すように、砥石15
を上記取代量δ分送り込まれた位置Z0 に保持しながら
かつ角度θを初期角度θ0 に保持しながらトラバースを
行うと、つば部に邪魔をされ砥石15が抜けないので、
研削残りが生じてしまうことになる。それを削るには、
取代量δ分の研削を行うように、スイベルプレート21
の旋回角度θ(砥石15の回転軸XcがXt方向に対し
て成す角度θ)を「0」に近付けるようにスイベルプレ
ート21の旋回駆動を行い、この旋回角度θを「0」に
近づける従い砥石15の送り量(切込テーブル12の移
動量)を次の(2)式に従い制御する送り動作制御が行
われる。
【0034】 Z=R(cos θ0 −cos θ)−L(sin θ0 −sin θ) …(2) ここで、砥石15の左端がワーク1の左端に設けられた
逃げ溝1bに到達したときにおける砥石15の保持位置
Z0 に対応する位置にあるスイベルプレート21の旋回
軸RcをRc(θ=θ0 )と表し、旋回角度θがθ0 か
ら「0」に近づけられる従い旋回軸Rcが旋回軸Rc
(θ=θ0 )から+Z方向へ送り量Z分移動されるとす
ると、図5に示す関係から、送り量Zと角度θとの間の
関係は上記(2)式で表されることになる。なお、図5
においてはR,Lは負である。
【0035】そして、角度θが「0」になると、旋回軸
RcがRc(θ=θ0 )の位置から次の(3)式により
表される送り量Z分移動されたことになる。
【0036】 Z=R(cos θ0 −1)−Lsin θ0 …(3) この送り動作制御により、ワーク1の左端におけるほぼ
砥石15の作用面の幅wに等しい長さ部分が、砥石15
の回転軸XcがXt方向に対して成す角度θ=0となっ
た状態で研削されることになる。
【0037】次いで、切込テーブル12は後退され、砥
石15はワーク1から離隔される。そして、さらに高精
度な研削が必要であるならば、再度トラバーステーブル
11がトラバース終了位置Xte からトラバース開始位
置Xts まで戻され、砥石15の回転軸XcがXt方向
に対して成す角度θを「0」としてトラバース研削が行
われる。または、切込テーブル12の位置を保持した状
態で、トラバース終了位置Xte からトラバース開始位
置Xts に向けてトラバース研削を行うようにしてもよ
い。
【0038】なお、旋回角度θを「0」に近づける従い
砥石15の送り量(切込テーブル12の移動量)を制御
する送り動作制御時に、砥石15、駆動機構16のスピ
ンドルなどと、主軸台13のスピンドルなどとの間に干
渉が発生するような構成の場合には、送り動作制御を行
わずに、旋回角度θを所定の角度にした状態でトラバー
ス研削を行えば、干渉の問題を回避することができる。
【0039】このように、本実施の形態では、スイベル
プレート21の旋回軸Rcを中心とする旋回駆動により
砥石15の回転軸XcがXt方向に対して成す角度θを
決定し、ワーク1のトラバース方向すなわちXt方向に
対し砥石15の回転軸Xcを角度θ傾けたトラバース研
削を行うので、取代量δに応じた角度θを簡単に設定す
ることができると共に、高速かつ高能率の研削を行うこ
とが可能である。
【0040】(実施の第3形態)次に、本発明の実施の
第3形態について図6および図7を参照しながら説明す
る。図6は本発明に係る円筒研削方法の実施の第3形態
を実施するための研削装置の概略構成を示す平面図、図
7は図2の研削装置における砥石旋回中心と砥石エッジ
との位置関係を拡大して示す図である。
【0041】本実施の形態は、上述の実施の第1形態に
対し、ワーク1のワーク軸線WcがX−Z面と平行な面
においてXt方向に対して成す角度θを所定の角度に設
定するための角度制御機構を設け、ワーク1のワーク軸
線WcをXt方向に対して角度θ傾けてワーク1のXt
方向へのトラバースを行う点で異なる。なお、上述の実
施の第1形態と同じ構成部分については同一の符号を付
し、その説明は簡略化または省略する。
【0042】具体的には、図6に示すように、トラバー
ステーブル11には、主軸台13および心押台14を搭
載し、旋回軸Rtを中心に旋回するスイベルプレート2
2が設けられている。スイベルプレート22の旋回軸R
tを中心とする旋回駆動は制御手段(図示せず)により
制御され、このスイベルプレート22の旋回軸Rtを中
心とする旋回角度をθとすると、ワーク1のワーク軸線
WcがXt方向に対して成す角度は旋回角度θに等しく
なる。スイベルプレート22の旋回軸Rtは、図7に示
すように、ワーク1のワーク軸線Wcとは交差しない位
置に設定されている。スイベルプレート22の旋回軸R
tを中心とする旋回駆動によりワーク1のワーク軸線W
cがXt方向に対して成す角度θは決定され、ワーク1
はそのワーク軸線WcをXt方向に対し角度θ傾けなが
らXt方向に向けてトラバースされることになる。これ
に対し、砥石15はその回転軸XcがXt方向に平行に
なるように駆動機構16に支持されると共に、切込テー
ブル12によりZ方向へ送られる。
【0043】このように、回転軸XcがXt方向に平行
である砥石15に対し、ワーク1がそのワーク軸線Wc
をXt方向に対し角度θ傾けながらXt方向に向けてト
ラバースされることにより、ワーク1のワーク軸線Wc
に対し砥石15の回転軸Xcを所定角度θ0 (=−θ)
傾けたトラバース研削が行われることになる。このトラ
バース研削では、ワーク1がそのワーク軸線WcをXt
方向に対し角度θ傾けながらXt方向に向けてトラバー
スされるので、ワーク1のトラバースに合わせて砥石1
5の位置を補正する位置補正制御が必要になる。この位
置補正制御では、ワーク1の単位当りのトラバース送り
量をΔXとすると、砥石15の切込位置に対する補正量
ΔZを次の(4)式により算出し、ワーク1がトラバー
ステーブル11によりトラバース送り量ΔX分送られる
毎に切込テーブル12を算出した補正量ΔZ分逐次移動
する。
【0044】 ΔZ=ΔX tanθ …(4) 次に、本実施の形態によるトラバース研削について説明
する。なお、本実施の形態では、左端近傍につば部1a
と逃げ溝1bとが設けられたワーク1に対し、該ワーク
1の逃げ溝1と右端間の円筒部外面を研削する例につい
て説明する。
【0045】まず、初期セッティングが行われる。この
初期セッティングでは、主軸台13と心押台14との間
へのワーク1のセットと、トラバーステーブル11のト
ラバース開始位置Xtsへの位置決めと、スイベルプレ
ート22の旋回軸Rtを中心とする旋回駆動によるワー
ク1のワーク軸線WcがXt方向に対して成す角度θの
設定と、主軸台13によるワーク1の回転と、駆動機構
16による砥石15の回転とを行う。この初期セッティ
ングにより、トラバーステーブル11がトラバース開始
位置Xtsへ位置決めされてワーク1の切込開始位置が
ワーク1の右端に設定され、スイベルプレート22の旋
回駆動によりワーク軸線WcのXt方向に対する角度θ
が初期角度−θ0 に設定される。この設定された初期角
度−θ0は、上述の実施の第1形態と同様に、取代量δ
に対し砥石15の作用面全体が作用するように設定され
た角度である。
【0046】次いで、切込テーブル12が−Z方向へワ
ーク1に向けて移動され、この切込テーブル12の移動
に伴い砥石15によるワーク1への切込みが行われる。
この切込時には砥石15がワーク1に対し相対的に角度
θ0 傾いて取代量δ分送り込まれることになる。
【0047】切込が完了すると、砥石15が上記取代量
δ分送り込まれた位置Z0 に保持され、トラバーステー
ブル11はトラバース開始位置Xts から+Xt方向
(+X方向)への移動を開始する。このトラバーステー
ブル11の移動に伴いワーク1は+Xt方向に対し角度
−θ0 傾けながらトラバースされ、上述の位置補正制御
によりトラバーステーブル11がトラバース送り量ΔX
分送られる毎に切込テーブル12が上記(4)式に基づ
き算出した補正量ΔZ分逐次移動される。すなわちワー
ク1のトラバースに応じて砥石15の位置が補正され
る。
【0048】上述の位置補正制御により砥石15の位置
を補正しながらワーク1を+Xt方向に対し角度−θ0
傾けてトラバースすることにより、ワーク1の円筒部外
面がその右端から左端に向けて砥石15により研削され
ることになる。
【0049】トラバーステーブル11がトラバース終了
位置Xte に到達するとすなわち砥石15の左端がワー
ク1の左端に設けられた逃げ溝1bの形成位置に到達す
ると、トラバーステーブル11の移動が一旦停止され
る。次いで、旋回角度θを「0」に近付けるようにスイ
ベルプレート21の旋回駆動を行い、この旋回角度θを
「0」に近づける従い砥石15の送り量(切込テーブル
12の移動量)、トラバーステーブル11の移動量を次
の(5)式に従い制御する送り動作制御が行われる。
【0050】 X=L' (cos θ0 −cos θ)−R' (sin θ0 +sin θ) …(5) ここで、上記式中のR' は、砥石15の左端がワーク1
の左端に設けられた逃げ溝1bに到達したときにおける
旋回軸Rtと砥石15の右端間のXt方向に沿った距離
を表し、L' は旋回軸Rtと砥石15の右端間のXt方
向に直交する方向に沿った距離を表すものとする。
【0051】そして、角度θが「0」になると、砥石1
5は、その左端がワーク1の左端に設けられた逃げ溝1
bの形成位置に到達したときにおける砥石15の位置か
ら次の(6)式により表される送り量Z分、またトラバ
ーステーブル11はX分移動された位置になる。
【0052】 X=L' (cos θ0 −1)−R' sin θ0 …(6) この送り動作制御により、ワーク1の左端におけるほぼ
砥石15の作用面の幅wに等しい長さ部分が、ワーク軸
線WcのXt方向に対する角度θが「0」となった状態
で研削されることになる(一種のスパークアウト)。
【0053】次いで、切込テーブル12は後退され、砥
石15はワーク1から離隔される。そして、さらに高精
度な研削が必要であるならば、再度トラバーステーブル
11がトラバース終了位置Xte からトラバース開始位
置Xts まで戻され、ワーク1のワーク軸線WcがXt
方向に対して成す角度θを「0」としてトラバース研削
が行われる。また、切込テーブル12を後退させずにト
ラバース終了位置Xte からトラバース開始位置Xts
に向けてトラバース研削を行うようにしてもよい。
【0054】このように、本実施の形態では、回転軸X
cがXt方向に平行である砥石15に対し、ワーク1を
そのワーク軸線WcをXt方向に対し角度θ傾けながら
Xt方向に向けてトラバースすることにより、ワーク1
のワーク軸線Wcに対し砥石15の回転軸Xcを所定角
度θ傾けたトラバース研削を行うので、取代量δに応じ
た角度θを簡単に設定することができると共に、高速か
つ高能率の研削を行うことが可能である。
【0055】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1記載の
円筒研削方法によれば、被研削物のトラバース方向に対
し砥石の回転軸を傾けてトラバース研削を行うので、被
研削物のトラバース時に砥石の外面全体が被研削物の取
代分除去に積極的に作用するとともに、連続的に研削が
行われ、高速かつ高効能率に被研削物の円筒部外面を研
削することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る円筒研削方法の実施の第
1形態を実施するための研削装置の概略構成を示す平面
図である。(b)は本発明に係る円筒研削方法の実施の
第1形態における研削時のワークと砥石との関係を示す
図である。
【図2】本発明に係る円筒研削方法の実施の第2形態を
実施するための研削装置の概略構成を示す平面図であ
る。
【図3】図2の研削装置における砥石旋回中心と砥石エ
ッジとの位置関係を拡大して示す図である。
【図4】図2の研削装置におけるワークの左端到達時の
砥石旋回中心の位置補正動作を示す図である。
【図5】図4のワークの左端到達時の砥石旋回中心の位
置補正動作に伴う動作量の算出根拠を説明するための図
である。
【図6】本発明に係る円筒研削方法の実施の第3形態を
実施するための研削装置の概略構成を示す平面図であ
る。
【図7】図2の研削装置における砥石旋回中心と砥石エ
ッジとの位置関係を拡大して示す図である。
【図8】従来のトラバース研削による研削方法を示す図
である。
【図9】従来のプランジ研削による研削方法を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 ワーク(被研削物) 2 研削装置 11 トラバーステーブル 12 切込テーブル 13 主軸台 14 心押台 15 砥石 21,22 スイベルプレート

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被研削物と砥石とをそれぞれ回転させな
    がら該砥石により該被研削物の円筒部外面を研削する円
    筒研削方法において、前記被研削物のトラバース方向に
    対し前記砥石の回転軸を傾けてトラバース研削を行うこ
    とを特徴とする円筒研削方法。
JP18327697A 1997-06-25 1997-06-25 円筒研削方法 Pending JPH1110494A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002001656A (ja) * 2000-06-22 2002-01-08 Nisshin Kikai Seisakusho:Kk トラバース円筒研削盤および長尺丸棒状のワークの円筒研削方法
JP2006297548A (ja) * 2005-04-21 2006-11-02 Sosei Kk 連続作業可能な円筒研削盤
JP2007517675A (ja) * 2003-12-23 2007-07-05 ダイヤモンド イノベーションズ、インク. ロール研削用研削砥石およびロール研削方法

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