JPH11104639A - 逆浸透膜式純水製造装置 - Google Patents

逆浸透膜式純水製造装置

Info

Publication number
JPH11104639A
JPH11104639A JP28770397A JP28770397A JPH11104639A JP H11104639 A JPH11104639 A JP H11104639A JP 28770397 A JP28770397 A JP 28770397A JP 28770397 A JP28770397 A JP 28770397A JP H11104639 A JPH11104639 A JP H11104639A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
supply pump
pure water
reverse osmosis
osmosis membrane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28770397A
Other languages
English (en)
Inventor
Wataru Atsumi
弥 渥美
Taizo Hara
泰三 原
Shigeto Haraguchi
成人 原口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Kiki KK
Original Assignee
Toray Kiki KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Kiki KK filed Critical Toray Kiki KK
Priority to JP28770397A priority Critical patent/JPH11104639A/ja
Publication of JPH11104639A publication Critical patent/JPH11104639A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】医学界の要請に応えられる安定して高度にクリ
ーンな純水を供給出来る純水装置を提供すること、更に
は従来装置以上に操作性や経済性に優れた装置を提供す
ること。 【解決手段】原水中の残留塩素を除去する前処理部と、
RO供給ポンプ及び逆浸透膜を内蔵したROモジュール
により前記前処理部で処理された原水を精製する水精製
部と、前記水精製部で得られた精製水を貯溜するRO水
タンク部からなり、前記RO供給ポンプを吐出量可変装
置で駆動し、精製水の消費量に応じて前記吐出量可変装
置を操作し、2段階以上の造水量で運転するごとくなし
た逆浸透膜式純水製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透析等の医療分野
において、洗浄、配合、希釈用途に使用される高度に精
製された純水を製造するための逆浸透膜式純水製造装置
に関わり、特に細菌やエンドトキシン汚染のない透析用
純水製造装置を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】図4は従来の透析用逆浸透膜式純水製造
装置のフロー図の一例である。
【0003】図4において、水道水等の原水は原水ポン
プ(1)により昇圧され、軟水器(2)、活性炭濾過器(3)、
フィルター(4)の順で通水される。この(1)〜(4)で前処
理部(A)を形成し、原水中の懸濁物質や残留塩素等を
除去する。この前処理水は、RO供給ポンプ(5)で所定
の高圧に昇圧され、ROモジュール(6)に供給される。
ROモジュール(6)は、スパイラル状や中空糸状の逆浸
透(RO)膜からなるエレメント部とこれを収納するケ
ーシングから構成され、両者の間はOリング等の手段に
より、流密にシールされている。
【0004】逆浸透膜の表面を通過する前処理水の一部
は、逆浸透膜を透過し精製された純水となって流量計(1
4)に達する。一方塩分等の不純物が濃縮された濃縮水
は、圧力調節弁(18)を経て系外に排出される。このRO
モジュール(6)を中核とした部分が水精製部(B)であ
る。逆浸透膜で前処理水中の無機イオン、有機物、更に
は細菌を含めた微粒子を除去された高度の純水は、RO
水タンク(7)に貯溜される。
【0005】(8)は紫外線殺菌装置で、RO水タンク(7)
に貯溜された純水に紫外線を照射し、貯溜中に細菌が発
生することを抑止する。RO水タンク(7)からは、供給
ポンプ(9)及び供給ライン(10)を通って、中央透析液調
合装置や患者に接続された透析装置(末端ユースポイン
ト)(11)に純水が供給される。
【0006】一方RO水タンク(7)内の純水は、純水循
環ライン(12)により常時タンク循環されている。これ
は、ユースポイントでの純水消費がなくなった場合にタ
ンクや配管内の純水が長時間滞留して、細菌が繁殖した
り、配管からイオン成分が微量溶出し、水質が劣化する
ことを防止するためである。
【0007】RO水タンク(7)からの純水流量は、(11)
以降で透析治療が施される患者の数によって変動するた
め、RO水タンク(7)の液面計(13)により液面レベルを
検知し、RO供給ポンプ(5)の稼動を制御する。すなわ
ち液面計(13)からの信号は、ポンプ制御信号ライン(20)
によりRO供給ポンプ(5)に到来するが、設定下段(L
C)でRO供給ポンプ(5)を起動して造水を開始し、設
定上段(HC)でRO供給ポンプ(5)を停止して造水を
中断する。
【0008】水精製部(B)では、ROモジュール(6)
を所定の条件下で操作すべく、透過水流量計(14)及び濃
縮水流量計(15)を見ながらRO供給ポンプ(5)出の流量
調節弁(16)を操作し、圧力計(17)を見ながら圧力調節弁
(18)を操作する。なお濃縮液の一部は、所定のROモジ
ュール(6)内流速を得るため、濃縮液循環ライン(19)に
よりポンプ循環する。
【0009】周知の通り透析治療では、ダイアライザー
内の透析膜を介して血液と透析液(所定の電解質分を含
んだ原液に上記純水を調合して製造される)を接触さ
せ、両液の物質濃度差により、透析患者の血液中の老廃
物を除去するとともに、透析液からは必要なイオン性電
解物質等が血液側に補給される。従って、当然ながらこ
の透析液には高い清浄度が要求される。
【0010】更に、透析治療技術法の発展に伴い、更に
高いレベルの清浄度を要求されるようになった。すなわ
ち、従来の透析療法が取除いていた成分より更に分子量
の大きい尿毒素成分が見出され、長期的な患者の様態の
改善には、このようなよりサイズの大きい物質を除去す
る必要が判明してきた。これには上記透析膜の孔径(ポ
アサイズ)を大きくしてやる必要がある。このことは、
逆に従来は透析膜で阻止されていた透析液中の微粒子等
の不純物が血液側に混入する危険性が高くなることを示
唆する。更にはオンライン・ヘモダイアフィルトレーシ
ョンと呼ばれる、血液中の血漿成分を積極的に取り出
し、それと当量の透析液を患者に注入する療法も普及し
始めている。
【0011】上記から明らかなように、これらの透析治
療で利用される水が従来以上に高清浄度(クリーン)で
あることが要求され始め、新たな技術課題が生じ始め
た。すなわち透析中の細菌のみならず、細菌の一種であ
るグラム陰性菌が死滅した後に、その細胞壁外膜から剥
離したエンドトキシン成分が問題となってきた。エンド
トキシンは、症状的にはパイロジェン物質とも呼ばれ、
患者に発熱を引起こす毒素成分である。これは謂わばO
−157におけるベロー毒素のように、細菌の死滅によ
って発生する非常に取扱の難しい物質である。エンドト
キシンが多量に血液に混入した場合の短期的な問題とし
ては患者に血圧低下や発熱等、患者にとって好ましくな
い症状をもたらす。
【0012】更に最近はこのエンドトキシンが更に細か
く***した破片(フラグメント)による慢性的な障害が
指摘されている。毎週10〜15時間の治療を生存期間
中受けねばならない透析患者にとっては、短期間の治療
では顕在しなくても、十年以上にも渡る長期治療での慢
性的な疾患を考慮すると、避けて通れない重大な問題で
ある。このフラグメントの最小分子量は5,000ダル
トンとされており、患者から除去すべき尿毒素成分のサ
イズ(分子量)に匹敵するか、さらには小さいものであ
る。例えば、現在50,000ダルトンの尿毒素成分を
透過させる透析膜が利用されている。従ってこのような
高性能な透析治療をより一層安全に実施するには、透析
液中のエンドトキシン量を極小化しなければならない。
【0013】一方このエンドトキシンを放出するグラム
陰性菌は特別な細菌ではなく、一般生活環境に生存して
いる常在菌であり、純水や透析液中で容易に増殖する。
従って一旦エンドトキシンを完全に除去しても、万一グ
ラム陰性菌が混入すれば急速に増殖し、新たにエンドト
キシンを発生させる。このように細菌に由来する問題
は、一般の無機・有機の不純物と異なって、混入した量
以上に増え、また滅菌処理もやり方を間違えれば、細菌
自体は滅菌出来ても逆効果となることにある。
【0014】これらの課題は、透析用の純水装置が置か
れた下記の状況を考慮すると、従来装置では解決が非常
に難しい問題であった。
【0015】(1)透析液中に塩素が残留していれば患
者の血液を損傷する(赤血球を破壊する)。従って、細
菌発生を抑制するため原水中に添加されている残留塩素
は、前処理部(A)の活性炭濾過器(3)で完全に除去さ
れる。そのため系全体が細菌汚染に弱い。一方病院施設
の環境は細菌的に必ずしも好ましいものではなく、大気
中やオペレータから細菌が混入する恐れがある。
【0016】(2)電子工業分野と異なって小規模であ
るため、精製水の無菌性を管理する専任の技術者を擁す
ることが難しい。
【0017】(3)当該純水装置は夜間停止する。更に
上述したように、治療中もユースポイントでの消費量に
合わせて断続の造水運転を行なう。またシステムが複雑
なこともあって、配管にデッドスペースを生じ易い。こ
のような水が滞留する箇所や時間帯では、容易に細菌が
増殖しやすい。
【0018】(4)ROモジュールは約10kg/cm2
程度の圧力で操作されるが、RO供給ポンプ(5)のオン
・オフに伴って逆浸透膜に圧力ショックが掛って膜が伸
張し、これが長期に繰返されると膜表面に亀裂が生じ、
細菌汚染のある前処理水がリークする恐れがある。RO
水タンク(7)の容量を大きくするとRO供給ポンプ(5)の
発停頻度を緩和出来るが、逆にタンク内での純水滞留時
間が長くなり、細菌発生防止の面から好ましくない。
【0019】(5)同時に急激に高圧が付与される時の
ショックにより、デッドゾーンで生成した細菌やエンド
トキシンが一時的に多量に排出される恐れがある。。
【0020】(6)ROモジュールの逆浸透膜は耐塩素
性能が低いため、滅菌操作として簡便な塩素滅菌を定常
的に実施し難い。そのため長期に渡って滅菌処理されな
いことも稀ではなく、細菌が増殖し易い。
【0021】(7)同様に逆浸透膜が塩素に堪えないた
め、これに供給する水は活性炭濾過器(3)で原水中の塩
素除去処理を行なう。従って活性炭濾過器内では無塩素
状態となり、細菌の温床になり易く、またそれに付帯し
てエンドトキシンが発生する危険性が高い。そのため逆
浸透膜に僅かな欠陥があると、これが二次側(純水側)
にリークする。更に逆浸透膜には異常がなくても、エレ
メント部とケーシング部を流体的にシールするOリング
等の経時機能低下があると、ROポンプのオン・オフ稼
動時の急激な圧力ショックにより、汚染された一次原水
が洩れ込む。
【0022】(8)エンドトキシンは謂わば細菌の死骸
である。従って細菌発生が認められた場合には適切な滅
菌処理を施さないと、グラム陰性菌は死滅させても、か
えって高濃度なエンドトキシンをばら撒くことになる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来装置の
問題点を改善し、医学界の要請に応えられる安定して高
度な純水を供給出来る逆浸透膜式純水製造装置を提供す
ることにある。更には従来装置以上に操作性や経済性に
優れた逆浸透膜式純水製造装置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明者らが鋭意検討の
結果、本発明の上記課題は、次の構成を有する本発明に
よって工業的に有利に達成された。
【0025】すなわち、その構成とは、「原水中の残留
塩素を除去する前処理部と、RO供給ポンプ及び逆浸透
膜を内蔵したROモジュールにより前記前処理部で処理
された原水を精製する水精製部と、前記水精製部で得ら
れた精製水を貯溜するRO水タンク部からなり、前記R
O供給ポンプを吐出量可変装置で駆動し、精製水の消費
量に応じて前記吐出量可変装置を操作し、2段階以上の
造水量で運転するごとくなした逆浸透膜式純水製造装
置。」である。
【0026】本発明の最大の特徴は、RO供給ポンプを
吐出量可変装置で駆動し、精製水の消費量に応じてこの
吐出量可変装置を操作し、2段階以上の造水量で運転す
るごとくなした点にある。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明では、液面計(13)等からの
制御信号により、RO供給ポンプ(5)の回転速度を多段
階に制御し、ROポンプ(5)の停止頻度を大幅に低減す
るとともに、ROモジュール(6)の耐久性を向上させ、
精製される純水の向上及び安定化を図る。 [第一の実施態様]以下に本発明の第一の実施態様を図
1のフロー図により説明する。(1)から(12)、(14)(1
5)、(17)から(19)は、図4と全く同じ構成部材である。
図4に示された流量調節弁(16)は除外されている。(11
3)は液面計であるが、上段(HC)、下段(LC)に加
えて、中段(MC)の3点の検出信号を有する。この液
面計(113)の検出信号は、ポンプ制御信号ライン(120)を
経て、インバータ(121)に到来し、ROポンプ(5)の回転
速度を調節する。
【0028】以下図面に基づいて詳細にその動作を説明
する。今RO水タンク(7)には前処理部(A)及び水精
製部(B)で製造された純水が貯溜され、その液面はH
C〜LC間のいずれかの位置にあり、ROポンプ(5)は
停止している。ユースポイント(11)での純水消費に伴
い、タンク内の液面が低下し下段LCに達すると、液面
計(113)からの信号は信号ライン(120)を経てインバータ
(121)へRO供給ポンプ(5)の高速回転信号を送信する。
これにより所定の造水流量Q1で純水の製造を始め、タ
ンク内の液面は上昇(回復)し始める。これが中段MC
に達した時点で造水流量をQ2に低下させ、造水を継続
する。更に液面が上昇し上段HCに達すれば、ROポン
プ(5)を停止させる。
【0029】ここで使用されるインバータ(121)は特別
なものではなく、商用電源(50/60Hz)から任意
の周波数を作り出すことが出来ればよい。この周波数に
比例してROポンプ供給(5)が回転する。精製水切換え
弁(122)は3方弁であり、RO供給ポンプ(5)の運転開始
直後の精製水には、配管部滞留箇所で生成した不純物を
含む恐れがある。そのため運転開始後数分間は、生成水
を排水ライン(123)から系外に排出する。
【0030】なお、一般的にはユースポイントで定常的
に消費される純水流量Q0に対し、Q1>Q0>Q2と設定
されるのが好ましい。この場合は、RO供給ポンプ(5)
回転数はQ1とQ2に相当する回転速度で切換えられ、ほ
ぼ連続して運転される。
【0031】逆浸透膜の特性は、一般的には図2のよう
な圧力依存性がある。従ってRO供給ポンプ(5)の回転
数を低下させることにより、逆浸透膜に付与される圧力
が変わり、ROモジュールでの造水流量もほぼ圧力に比
例して低下する。一方この圧力の低下に伴い造水された
純水の電導度も悪化する。例えば操作圧力がK点の10
kg/cm2で運転されていたものがL点の5kg/c
2に低下すると、下図(E)に見られるように、造水
流量がほぼ半分になる。一方上図(D)に示すように、
1価イオンの代表物質であるNacl排除率は、K’点
の99.1%から98.7%に低下(透過率としては
0.9%から1.3%に上昇し、4割強透過量が上昇)
し、精製された純水の水質が変化する。そのため従来の
透析用純水装置は一定の圧力条件で運転させていた。
【0032】この一定条件での操業は、最終ユースポイ
ントにおいて比抵抗16MΩ・cm以上(電導度0.0
63μS/cm以下)のほぼ理論純水を必要とする電子
工業分野での運転ノウハウによるものである。この分野
では水質安定を最優先するため、水質変動は許容される
ものではない。そのため常に一定の条件で操業され、ユ
ースポイントで消費量変動が発生した場合は、純水をオ
ーバーフローさせて排水することが多い。
【0033】しかし透析医療用の純水製造装置において
は、この程度の電導度の変化は本質的に問題ない。何故
なら一般的な透析用RO装置においては、水道水の電導
度300μS/cmレベルのものを、ROモジュール
(6)出で3μS/cmレベル(排除率として99%)に
まで精製する。しかしRO水タンク(7)の下流側の透析
装置等のユースポイントにおいては、この純水に多量の
電解質成分(Nacl等)を注入し、血液と同レベルの
電導度を有した透析液に調整する。そのため最終的には
14mS/cm(=14,000μS/cm)に調合さ
れる。従ってROモジュールでの造水量低下に伴う操作
圧力低下により、若干Nacl分が純水中に透過し、4
μS/cm(従って3割強の透過量アップ)になって
も、最終の透析液としてはパーセント以下の変動であ
り、患者の電導度のばらつきや、電解質調合の精度から
して問題ないからである。
【0034】透析用RO装置における水精製の役割は、
アルミニウムイオン等の重金属イオン類、細菌やエンド
トキシンを確実にかつ安定して除去することにあり、ユ
ースポイントで多量に添加される1価の塩類の除去性能
のこの程度の変動は問題とならない。1価の塩分が測定
されるのは、電導度測定法が簡便でかつ装置が安価であ
るため、その便宜性から、逆浸透膜の性能劣化(例えば
逆浸透膜破損による一次側の水のリーク)の発生の異常
管理の指標とされるものである。すなわち、膜にリーク
が発生した結果に基づく電導度の低下を管理しているも
のであり、電導度の低下の全ての要因が膜リークではな
い。逆浸透膜が正常である限り、管理された圧力条件や
流水条件の変化による若干の1価イオンの透過量変動
(従って電導度)は、透析用のRO装置では問題とされ
ない。
【0035】以上のように本発明の装置によれば、1つ
にはインバータによりRO供給ポンプ(5)を可変制御す
ることにより、細菌繁殖やエンドトキシン発生の引金と
なる装置停止を極小にすることが出来るが、更に優れた
2、3の特徴を有する。
【0036】2つには、一般的に使用されている合成膜
使いの逆浸透膜は、全体としては約200μmの膜厚さ
があるが、純水製造に関わる脱塩素機能層はその僅か1
000分の1の表面の0.2μm程度であり、これが下
層の支持層或いは基材の上に塗布されている。従って頻
繁な圧力の繰返し付与の都度に、この脱塩素機能層に伸
張/収縮が起り、表面に皺を発生しその部分に亀裂を発
生したり、下層の支持層との界面で剥離が起る懸念があ
る。もしこの様な亀裂が発生すると、これらは一次側の
汚染された原水の二次側へのリークに繋がるものであ
る。
【0037】3つには、直接的には精製水のクリーン度
には関係しないが、これを利用する施設側への利点であ
る。従来装置は図4の流量調節弁(16)で操作されてい
た。そのため流量調節弁(16)での圧力損失分を含めて更
に高い圧力、例えば15kg/cm2程度でRO供給ポ
ンプ(5)は操作されていた。従ってRO供給ポンプの回
転数が高くなり、RO供給ポンプ(5)自体の騒音が高く
なる。更に、流量調節弁(16)での急激な減圧に伴う金属
的なキャビテーション音がうるさく、装置のオペレータ
のみならず、病室で安静に治療を受けている患者からク
レームを受けることがあった。本発明はこのような問題
を解決するとともに、必要最低のエネルギーで操作され
るため、電力消費量も大幅に低減出来る。
【0038】なお透析治療は一般的には夜間は実施され
ない。特に土曜日の夜半から月曜日の早朝まで、連続し
て32時間以上、造水の要求はない。そのため排出弁(1
30)を設け、1時間以上連続して造水要求のない場合、
すなわちRO供給ポンプ(5)の稼動要求がない場合に、
排出弁(130)を約数分間だけ開放し、活性炭濾過器(3)内
の滞留水を系外に排出する。更に、当該装置の運転開始
に先立って、排出弁(130)を一時的に開放し、細菌等で
汚染された原水がROモジュールに供給されるのを抑制
している。また例えば4〜8時間に渡って連続して停止
した場合は、RO供給ポンプ(5)も十数分程度運転して
新しい原水を受入れ、系全体の滞留水を追出してやる。
これにより滞留中に発生する細菌増殖の影響を軽微にし
ている。 [第二の実施態様]全く装置を停止しない第二の実施態
様を、図3により説明する。
【0039】図3において、(1)〜(15)、(17)〜(19)
は、図4の同一番号の構成品と同じである。新たに原水
タンク(224)が設けられ、水道水は一旦この原水タンク
(225)に貯溜される。液面計(13)は図4と同様に2点と
なっている。従って、下限LCでRO水タンク(7)内へ
純水が供給されるが、上限HCに達すると、精製水切換
え弁(222)をライン(223)に切換え、精製水を原水タンク
(224)に還流するとともに、濃縮水切換え弁(225)をライ
ン(226)に切換え、同様に原水タンク(224)に還流する。
この時、各構成部材の寿命や電力消費量を低減させるた
め、信号ライン(220)を経てインバータ(221)へ送信し、
ROポンプ(5)の回転速度を低速にする。従って、水は
一旦ROモジュール(6)で精製水と濃縮水に分離される
が、原水タンク(224)で会合し、循環使用されることに
なる。
【0040】液面計(13)が再びLCに達した時、インバ
ータ(221)によりRO供給ポンプ(5)を高速回転させる。
同時に切換え弁(222)と切換え弁(225)を切換え、精製水
はRO水タンク(7)へ受入れられるとともに、流量計(1
5)を経た濃縮水は全量系外へ排水される。なお切換え弁
(222)は数分遅れて切換えてもよい。これにより全系が
高速条件下に安定した後に純水として受入れることが出
来、精製水の水質がより安定する。この切換え弁(222)
は第一の実施態様(図2)の切換え弁(122)と同様の作
動をさせるものであるが、第一の実施態様と違って、こ
の間の過渡的な純水は原水タンク(224)に戻るため、水
道水を有効に利用出来る。
【0041】なお、本発明の主旨は上記で判る通り、従
来は一定条件下での運転が常識とされ、これをオン・オ
フ運転していた透析用RO装置を、インバータにより多
段での変速運転を可能にしたことにある。従って上記の
実施態様に制限されるものではなく、下記の応用が可能
であり、これらも本発明に含まれるものである。
【0042】例えば、第一の実施態様の液面計(13)は3
点検出であるが、これ以上の多点検出であってもよく、
また連続的に液面を検出して、多段階でRO供給ポンプ
(5)の回転数を制御してもよい。更には透析装置(11)側
から所要流量の信号や治療中の患者数の信号を貰って、
連続的にRO供給ポンプ(5)の回転速度を制御してもよ
い。上述したように、この回転速度変化による水質の変
化は、透析医療分野においては許容されるものである
が、RO供給ポンプ(5)の高速回転速度と、低速回転速
度の比は、3:1、好ましくは2:1程度が望ましい。
【0043】またRO供給ポンプ(5)の運転或いは速度
変更時には、当該インバータの特性を利用して、スロー
スタート/スローダウンさせれば、急激な圧力ショック
をより緩和出来、一層逆浸透膜の耐久性向上に効果的で
ある。
【0044】更に逆浸透膜は供給される水の温度によ
り、造水量及びNacl排除率は変化する。従って第一
の実施態様におけるQ1及びQ2の精製水流量を得るため
の圧力従ってRO供給ポンプ(5)の回転速度は、外部か
ら設定可能とし、夏・冬で変更可能としてもよい。また
病院での治療患者数は曜日や時間帯で異なる。従ってそ
れに合わせた標準流量QSに相当する回転速度を外部か
ら入力し、その値を中心に上下にある幅をもった2種の
回転速度に切換えるようにしてもよい。
【0045】第二の実施態様においては、ROモジュー
ル(6)の入口や循環ライン、或いは原水タンク(224)にU
V滅菌灯を設けることが出来る。これによりROモジュ
ール(6)へ供給される原水中の細菌を極小化出来る。更
に図では原水タンク(224)は軟水器(2)及び活性炭濾過器
(3)の上流側にあるが、これを下流側とすることも出来
る。この場合は、ライン(223)及び(226)の循環水は活性
炭濾過器(3)を経由しないため、純水造水の要求のない
時に、この原水タンク(224)にホルマリン等の滅菌剤を
添加して洗浄用薬液タンクとして利用し、ROモジュー
ル(6)の滅菌・洗浄に供することが出来る。
【0046】
【発明の効果】原水中のエンドトキシン量が10,00
0IU/mlレベルのものに対し、従来は透析用RO装
置では50IU/mlレベルであり、時には200IU
/mlに達することもあった精製純水中のエンドトキシ
ン量を、上記第一及び第二の実施態様に示した装置によ
り、滅菌操作等の煩雑な作業を伴わずに、長期的に安定
して5IU/ml以下に維持することが可能になった。
【0047】これは透析患者の治療安全性を確実するた
めに大きさ成果が得られたが、これに留らない。上述し
たごとく現在検討中の種々の新しい治療法は透析液のク
リーン化を必然的に伴うものであり、これらの高性能な
治療法を実用化するのに役立つ。
【0048】更に施設側にとっては、省エネルギー化
(電力・水の消費量低減)を可能にするとともに、高価
なROモジュールの耐久性を向上させる等、経済的な効
果も大きい。また低騒音化により、病室の環境を改善出
来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】:本発明にかかる第一の実施態様のフローであ
る。
【図2】:逆浸透膜の性能説明図である。
【図3】:本発明にかかる第二の実施態様のフローであ
る。
【図4】:従来の装置のフローである。
【符号の説明】
1:原水ポンプ 2:軟水器 3:活性炭濾過器 4:フィルター 5:RO供給ポンプ 6:ROモジュール 7:RO水タンク 13:液面計 113:液面計 120:ポンプ制御信号ライン 121:インバータ 220:ポンプ制御信号ライン 221:インバータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原水中の残留塩素を除去する前処理部と、
    RO供給ポンプ及び逆浸透膜を内蔵したROモジュール
    により前記前処理部で処理された原水を精製する水精製
    部と、前記水精製部で得られた精製水を貯溜するRO水
    タンク部からなり、前記RO供給ポンプを吐出量可変装
    置で駆動し、精製水の消費量に応じて前記吐出量可変装
    置を操作し、2段階以上の造水量で運転するごとくなし
    た逆浸透膜式純水製造装置。
JP28770397A 1997-10-03 1997-10-03 逆浸透膜式純水製造装置 Pending JPH11104639A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28770397A JPH11104639A (ja) 1997-10-03 1997-10-03 逆浸透膜式純水製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28770397A JPH11104639A (ja) 1997-10-03 1997-10-03 逆浸透膜式純水製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11104639A true JPH11104639A (ja) 1999-04-20

Family

ID=17720653

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28770397A Pending JPH11104639A (ja) 1997-10-03 1997-10-03 逆浸透膜式純水製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11104639A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001353214A (ja) * 2000-06-14 2001-12-25 Toray Medical Co Ltd 透析システム
JP2006305499A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Miura Co Ltd 膜濾過システムの運転方法
JP2006305500A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Miura Co Ltd 水処理方法
JP2006305498A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Miura Co Ltd 膜濾過システムの運転方法
JP2007175603A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Miura Co Ltd 膜濾過システムの運転方法
WO2009087828A1 (ja) * 2008-01-07 2009-07-16 Olympus Corporation 分析装置および管理方法
JP2011245371A (ja) * 2010-05-24 2011-12-08 Tohzai Chemical Industry Co Ltd 純水製造装置及び純水製造方法
JP2012196678A (ja) * 2012-07-25 2012-10-18 Miura Co Ltd 膜濾過システムの運転方法および膜濾過システム
JP2014188437A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Miura Co Ltd 膜分離装置
CN109399825A (zh) * 2018-12-26 2019-03-01 中山市史麦斯净水科技有限公司 出水量可调的***及其水量调节控制方法
JP2019089018A (ja) * 2017-11-14 2019-06-13 オルガノ株式会社 純水製造装置の運転方法および純水製造装置
JP2019107612A (ja) * 2017-12-19 2019-07-04 ダイセン・メンブレン・システムズ株式会社 排水処理方法と排水のリサイクル方法
JP2021003368A (ja) * 2019-06-26 2021-01-14 日機装株式会社 水処理装置

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001353214A (ja) * 2000-06-14 2001-12-25 Toray Medical Co Ltd 透析システム
JP4544020B2 (ja) * 2005-04-28 2010-09-15 三浦工業株式会社 膜濾過システムの運転方法
JP2006305500A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Miura Co Ltd 水処理方法
JP2006305498A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Miura Co Ltd 膜濾過システムの運転方法
JP2006305499A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Miura Co Ltd 膜濾過システムの運転方法
JP2007175603A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Miura Co Ltd 膜濾過システムの運転方法
WO2009087828A1 (ja) * 2008-01-07 2009-07-16 Olympus Corporation 分析装置および管理方法
JP2011245371A (ja) * 2010-05-24 2011-12-08 Tohzai Chemical Industry Co Ltd 純水製造装置及び純水製造方法
JP2012196678A (ja) * 2012-07-25 2012-10-18 Miura Co Ltd 膜濾過システムの運転方法および膜濾過システム
JP2014188437A (ja) * 2013-03-27 2014-10-06 Miura Co Ltd 膜分離装置
JP2019089018A (ja) * 2017-11-14 2019-06-13 オルガノ株式会社 純水製造装置の運転方法および純水製造装置
JP2019107612A (ja) * 2017-12-19 2019-07-04 ダイセン・メンブレン・システムズ株式会社 排水処理方法と排水のリサイクル方法
CN109399825A (zh) * 2018-12-26 2019-03-01 中山市史麦斯净水科技有限公司 出水量可调的***及其水量调节控制方法
JP2021003368A (ja) * 2019-06-26 2021-01-14 日機装株式会社 水処理装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001000969A (ja) 逆浸透膜式精製水製造装置
US5032265A (en) Method and system for producing sterile aqueous solutions
CN1119291C (zh) 医疗用电解水的制造方法及利用该水作透析液的透析装置
US20130126430A1 (en) Systems, Apparatus, and Methods for a Water Purification System
JPH11104639A (ja) 逆浸透膜式純水製造装置
JP2000126767A (ja) 精製水の製造方法および装置
JP2007252396A (ja) 医療用透析液の製造装置および製造方法
JP2010279870A (ja) 精製水の製造方法
Kawanishi et al. The central dialysis fluid delivery system (CDDS): is it specialty in Japan?
JP5028397B2 (ja) 医療用精製水の製造方法
JP4174753B2 (ja) 透析システム
JP2001293471A (ja) 精製水製造装置
JP2606910B2 (ja) 超純水製造供給装置
CN113105042A (zh) 一种医院用中央纯水集中分质供水***
JP4332829B2 (ja) 透析システム
CN205528194U (zh) 一种二级医药纯化水设备
Martin et al. Design and technical adjustment of a water treatment system: 15 years of experience
JP3299093B2 (ja) 純水の製造方法及び純水製造装置
CN211078757U (zh) 一种瓶装饮用水生产***
JP6956223B2 (ja) 精製水供給システムおよびその運転方法
JP2004049977A (ja) 逆浸透膜モジュール式による精製水製造方法および製造装置
JP2997099B2 (ja) 無菌水溶液を製造する系
JP2020156674A (ja) 人工透析用水処理ユニット及び人工透析用水処理装置
Aoike Characteristics of central dialysis fluid delivery system and single patient dialysis machine for HDF
Ward et al. Water treatment and safety requirements

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20040421

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Effective date: 20040421

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040421

A977 Report on retrieval

Effective date: 20051005

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20051108

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20060328

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02