JPH11100280A - タンディシュ内張り用不定形耐火物 - Google Patents

タンディシュ内張り用不定形耐火物

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JPH11100280A
JPH11100280A JP26381997A JP26381997A JPH11100280A JP H11100280 A JPH11100280 A JP H11100280A JP 26381997 A JP26381997 A JP 26381997A JP 26381997 A JP26381997 A JP 26381997A JP H11100280 A JPH11100280 A JP H11100280A
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alumina
magnesia
refractory
fumed silica
tundish
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JP26381997A
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Masahiko Amano
正彦 天野
Yasuhiro Yamada
泰宏 山田
Kiyohiro Hosokawa
清弘 細川
Hidetoshi Kamio
英俊 神尾
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Harima Ceramic Co Ltd
Nippon Steel Corp
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Harima Ceramic Co Ltd
Nippon Steel Corp
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱間で連続的に使用するタンディシュの内張り
用として、座屈破壊や亀裂拡大のない不定形耐火物を提
供する。 【手段】アルミナ80〜91重量%、マグネシア4〜1
4重量%、ヒュームシリカ3〜7重量%、アルミナセメ
ント2〜6重量%を含む配合組成を100重量%とし、
かつ重量比でヒュームシリカ/アルミナセメントを0.
75以上とする。ヒュームシリカ/アルミナセメントを
0.75以上としたことにより、受熱によって結合組織
にアノーサイト系組織が形成される割合が多くなるた
め、再加熱時の熱間膨張率が低くなって、アルミナ−マ
グネシア質の利点である耐食性、耐スラグ浸潤性を損な
うことなくヒュームシリカを増量できる。その結果、座
屈破壊や亀裂拡大を抑制し、内張りの耐用性を格段に向
上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タンディシュ内張
り用の不定形耐火物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、キャスタブルに代表されるタンデ
ィシュ内張り用の耐火物は、その表面に塩基性のコーテ
ィング材を塗布して使用されてきた。そのため、内張り
用耐火物は直接溶鋼に接することはないので、材質設計
は耐食性、溶鋼汚染の影響をあまり考慮することなく、
構造安定性に重点をおいて材質設計がなされてきた。こ
のため、タンディシュ内張りの材質としては、アルミナ
50〜70重量%のアルミナ−シリカ質キャスタブルが
使用されてきた。
【0003】しかし、最近になって、タンディシュ操業
の効率化、省エネルギー、低コスト化を目的にコーティ
ング材を使用せず、タンディシュを熱間で連続的に使用
する操業(熱間回転操業)がなされるようになってき
た。このような熱間回転タンディシュでは、その内張り
用耐火物は直接溶鋼に接すると同時に高温で連続的に使
用されるため、構造安定性、耐食性、さらには溶鋼汚染
への影響を考慮して低シリカ化が要求される。そこで、
さらなるキャスタブルのハイアルミナ化がはかられ、ア
ルミナ70〜90重量%の高アルミナ質キャスタブルが
適用された。
【0004】しかしながら、この材質においてもまだ耐
用不十分であり、その結果、高耐食性低シリカ質キャス
タブルとして、耐食性、耐スラグ浸潤性に優れたアルミ
ナ−マグネシア質またはアルミナ−スピネル質が注目さ
れ、これらを熱間回転タンディシュ内張り用耐火物に対
して適用することが検討された。しかし、従来のアルミ
ナ−マグネシア質またはアルミナ−スピネル質のキャス
タブルは、耐食性、耐スラグ浸潤性、溶鋼汚染での問題
はなかったものの、亀裂、剥離が大きく発生し、長期間
の使用はできない欠点があった。そのため、これらの材
質でタンディシュ内張り構造にあったキャスタブル物性
の改善が要求されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】アルミナ−マグネシア
質キャスタブルは現在、溶鋼取鍋内張り用耐火物として
非常に好成績を収めている。それにもかかわらずこの材
質をタンディシュ内張り用耐火物に適用した場合に亀
裂、剥離が大きくなる原因は、その容器形状の違いにあ
ると考えられる。
【0006】すなわち、溶鋼取鍋容器は水平断面が円形
の樽型構造であるため、容器が加熱されてキャスタブル
が熱膨脹すると、これによって発生したセリ応力はキャ
スタブルが背面に移動することによって緩和、吸収さ
れ、このため座屈による破壊は発生しにくくなる。ま
た、容器の冷却時には、キャスタブルが稼働面側に移動
することで収縮亀裂の幅が減少する。このため、キャス
タブルに亀裂や剥離が生じることを抑制して、高い耐用
性を確保できる。
【0007】一方、タンディシュ容器は水平断面が四角
形の箱形構造であるため、換言するとキャスタブルは直
線構造であるため、キャスタブルはその両端が鉄皮で拘
束された状態で壁面方向に沿って熱膨脹することにな
り、このため、熱膨脹によるセリ応力によってキャスタ
ブルが加熱面にせり出したり座屈を起こしたりして、キ
ャスタブルが破壊されるのであった。また、冷却時には
収縮による亀裂の拡大があり、さらには、稼働面から背
面までの温度勾配を生じているため、材料強度が低下す
る温度域があるとそこに応力が集中して剥離に至る場合
が多い。そしてこのような組織劣化は繰り返し使用によ
って増幅される。
【0008】アルミナ−マグネシア質やアルミナ−スピ
ネル質キャスタブルは、従来タンディシュ内張り耐火物
に使用されてきたアルミナ−シリカ質キャスタブルに比
較して高膨脹性であるため、上記の傾向はいっそう顕著
なものとなった。特にアルミナ−マグネシア質キャスタ
ブルはアルミナとマグネシアが反応して二次スピネルを
生成するときに膨脹が大きく変化するため、亀裂の拡
大、座屈、剥離がより進行していた。
【0009】一方、アルミナ−スピネル質キャスタブル
は線変化率が収縮傾向を呈するため、亀裂を解消ができ
なかった。そのため、アルミナ−マグネシア質キャスタ
ブルでタンディシュ内張り材に適用できる材質の開発が
要求されていた。本発明は、この要求に応えるべくなさ
れたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】アルミナ−マグネシア質
の亀裂、せり出し、座屈、剥離を防止するための材質改
善としては従来、クリープ性の付与、加熱による焼成収
縮の防止、中間温度や背面の強度を高めることが推奨さ
れているが、本発明者たちがタンディシュ内張りの損傷
原因を調査した結果、これらの改善策に加えて、再加熱
時の低膨脹化が有効であることがわかった。
【0011】本発明者たちは、アルミナ−マグネシア質
において結合部の配合組成を検討することにより、上記
の特性、特に再加熱時の低膨脹化の検討を進め、タンデ
ィシュ内張り用耐火物を完成したものである。その特徴
とするところは、アルミナ80〜91重量%、マグネシ
ア4〜14重量%、ヒュームシリカ3〜7重量%、アル
ミナセメント2〜6重量%を含む配合組成を100重量
%とし、かつ重量比でヒュームシリカ/アルミナセメン
トが0.75以上の組成を持つアルミナ−マグネシア質
タンディシュ内張り用不定形耐火物である。
【0012】ところで、従来、取鍋で使用されているア
ルミナ−マグネシア質キャスタブルはセメント結合品で
あり、ヒュームシリカは使用しないか、使用しても3%
未満の量であり、ヒュームシリカを増量するという発想
はなかった。例えば特開平7−242470号公報で
は、ヒュームシリカの添加量が2重量%を超えると高温
での過焼結が問題であるとしている。また、特開平7−
330447号公報では、ヒュームシリカが3重量%を
超えると過度の焼結と収縮亀裂の拡大が問題になると報
告している。しかしながら、内張り背面の組織強度の向
上を考慮すると、ヒュームシリカの増量は良い結果をも
たらす。
【0013】本発明は、このような知見と実験に基づ
き、アルミナ−マグネシア質不定形耐火物を上記した組
成とすることにより、ヒュームシリカ多量添加の問題点
を解決すると共に組織強度を高め、さらにクリープ特性
の付与と同時に再加熱時の膨脹を低くするよう改善し
て、タンディシュ内張り材の耐用性向上を成し遂げたも
のである。
【0014】本発明においては、上記のヒュームシリカ
とアルミナセメントとの配合比(ヒュームシリカ/アル
ミナセメント)が重量比で0.75以上であることが必
須条件となる。この理由について図1を参照に述べる。
ヒュームシリカ/アルミナセメントが0.75の場合、
その焼成後の熱間線膨脹率は0.95%/1000℃で
あり、また、0.75を超えると0.95%/1000
℃より小さい膨脹率となる。この場合、この膨脹率はハ
イアルミナ質のそれとほぼ同等であり、不定形耐火物が
この程度の膨脹率であると、タンディシュに使用された
時、座屈、せり出し、剥離が小さくなる傾向にあり、十
分に実用にたえる。
【0015】一方、ヒュームシリカ/アルミナセメント
が0.75より小さくなると、焼成後の熱間線膨脹率は
0.95%/1000℃より急激に大きくなり、再加熱
時の座屈、せり出し、剥離が発生しやすくなり、耐用性
が低下する。ヒュームシリカ/アルミナセメントが0.
75以上で再加熱時に低膨脹率となる膨脹特性を示す理
由は完全には明確でないが、以下の理由が考えられる。
【0016】アルミナセメントは硬化時に配合中のヒュ
ームシリカへの凝集に関与するため、その鉱物組成とし
ては通常のカルシウム−アルミニウム系水和物のほかに
いわゆるポゾラン反応によるCaO−SiO2 −H2
系水和物を生成する。その生成比率はヒュームシリカと
アルミナセメントの配合比に影響され、ヒュームシリカ
が多い場合にはCaO−SiO2 −H2 O系水和物が、
アルミナセメントが多い場合にはカルシウム−アルミニ
ウム系水和物がそれぞれ多く生成する。
【0017】その結果、これらの結合が受熱すると、カ
ルシウム−アルミニウム系水和物はCaO・6Al2
3 を、CaO−SiO2 −H2 O系水和物はアノーサイ
ト系ガラスを生成する。このうちCaO・6Al2 3
は高温で不定形耐火物の膨脹を大きくし、クリープ性も
少ない。一方、アノーサイト系ガラスは低膨脹率で変形
能を有する。
【0018】アルミナ−マグネシア質不定形耐火物の焼
成後の鉱物組成は、コランダム、アルミナマグネシアス
ピネル、CaO・6Al2 3 、アノーサイト系ガラス
よりなり、結合組成となるCaO・6Al2 3 とアノ
ーサイト系ガラスの生成比が、焼成後の不定形耐火物の
膨脹率に影響を与えているものと思われる。そして、本
発明のようにヒュームシリカ/アルミナセメントが0.
75であると、アノーサイト系ガラスの生成比が増大す
ることにより、焼成後の不定形耐火物の低膨脹率化及び
変形能向上に寄与しているものと思われる。
【0019】以上のように本発明では、アルミナ−マグ
ネシア質不定形耐火物の結合部にアノーサイト系組成を
形成することによって、従来のCaO・6Al2 3
結合のアルミナ−マグネシアよりは再加熱時の熱間膨脹
率を低くできた。また、この組成においてヒュームシリ
カ添加量を3重量%以上の使用とすることで、不定形耐
火物の組織強度を改善し、残存膨脹性の適正化も相まっ
て、タンディシュ用アルミナ−マグネシア質内張りの高
寿命を達成できた。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明のアルミナ−マグネシア質
不定形耐火物において、アルミナは純度99%以上の焼
結または電融の高純度品を使用するのが好ましい。その
純度が低い場合、耐食性の低下がおきて好ましくない。
また、添加量は80〜91重量%となる。80重量%未
満では容積安定性が低下するだけでなく、耐食性が低下
する。また、91重量%を超えるとその他の成分、特に
マグネシアの添加量が少なくなり、二次スピネルの生成
量が少なくなって残存膨脹が小さくなったり、スラグが
浸潤しやすくなる。
【0021】マグネシアは純度95%以上の焼結または
電融品を使用するのが好ましい。その純度が低い場合、
スピネル生成反応が不十分となり、耐食性の低下がおき
るため好ましくない。また、添加量は4〜14重量%と
なる。4重量%未満であれば耐スラグ浸潤に効果がない
だけでなく、本発明の不定形耐火物の基本特性である焼
成後残存膨脹性を確保することができない。また、14
重量%を超えると二次スピネルの多量生成によって残存
膨脹が大きくなりすぎたり、耐食性が低下したりする。
【0022】また、マグネシアは粒度(粒径)が1mm
以下のものを使用することが好ましい。従来のアルミナ
−マグネシア質不定形耐火物は0.15mm以下の粒度
のマグネシア微粉を使用している。しかし、本発明の配
合組成の下で粒径0.15mm以下のマグネシア微粉だ
けを使用したところ、ヒュームシリカの増加によって焼
成収縮、過焼結が進行し、耐スポーリング性が低下し
た。
【0023】一方、1〜0.15mmを含む粒度のマグ
ネシアを併用したところ、ヒュームシリカの添加量が増
加しても焼成収縮は認められず、耐スポーリング性も改
善された。しかし、さらに粗粒の粒度である3〜1mm
のマグネシアを使用した場合は、収縮傾向の防止に効果
があるもののマグネシア粒界に空隙ができ、この空隙に
よって組織が緩むと同時に二次スピネルの生成量が減少
して、組織劣化と耐スラグ性が低下した。
【0024】以上の結果より、本発明のアルミナ−マグ
ネシア質不定形耐火物のマグネシアは1mm以下の粒度
のものを使用するのが好適であり、その粒度と添加量と
を調整することにより、ヒュームシリカが3重量%以上
添加されても残存膨脹性を保持するように調整するもの
である。より具体的には、マグネシアとしては、1mm
以下の粒度のものをいくつか組み合わせることにより、
焼成後線変化率が収縮にならないよう考慮する。この場
合、1mm以下で種々の粒径からなるマグネシア粉末を
単独で一定量添加しても良いし、例えば1〜0.3mm
の整粒品と0.15mm以下の微粉マグネシアを二種類
組み合わせるというようにして、粒度が1mm以下の複
数種のマグネシアを併用使用しても良い。
【0025】アルミナセメントとしては、12CaO・
7Al2 3 、CaO・Al2 3、CaO・2Al2
3 鉱物を主体とした高純度アルミン酸カルシウム組成
物のものを使用するのが好ましい。本発明のアルミナセ
メントは、配合物を混練後、養生中にすみやかにカルシ
ウム、アルミニウムイオンが水中に拡散していくように
よく整粒され、分散性の良い高純度微粉末がよい。その
添加量は2〜6重量%の範囲で使用される。2重量%未
満であると施工後の硬化や乾燥後強度が低く、少しの外
的応力で組織破壊が発生するため、好ましくない。ま
た、この添加量が6重量%を超えると耐食性の低下や焼
成後の熱間膨脹率が大きくなる。
【0026】ヒュームシリカは別名気化性シリカとも言
い、金属シリコン、ジルコニア製造時に発生する球状の
シリカを主成分とする極微粉である。そしてその添加量
は3〜7重量%である。3重量%未満では稼働面の焼結
強度に比較して組織中間部、背面の強度が低くなり、タ
ンディシュ内張り材の使用で剥離を軽減するのに有効で
はない。また、7重量%を超えると耐火度の低下で耐食
性が低下し、好ましくない。また、稼働面部の過焼結も
進行する。
【0027】以上が本発明の主要構成ではあるが、本発
明の効果をさらに発揮するために分散剤を使用しても良
く、本発明者らはこの分散剤の種類と組織強度の関係も
調査した。不定形耐火物のうちキャスタブルに通常使用
する分散剤には、有機、無機系の各種のものがある。そ
して、分散剤の適用は一般にキャスタブルの流動性や硬
化性で選択されている。しかし、本発明者らは、それら
の微量な分散剤が低セメント系キャスタブルにおいて
は、その結合組成に大きな影響を与えて組織強度に変化
を与えることを見いだした。
【0028】すなわち、有機系分散剤よりは無機系分散
剤、特に縮合リン酸塩を使用したキャスタブルが組織強
度の改善に有効であった。このような効果がある理由は
完全には明確ではないが以下のことが考えられる。すな
わち、ヒュームシリカの添加量の多いキャスタブルの結
合組織は、前述したようにポゾラン反応によるCaO−
SiO2 −H2 O系結合を形成しているが、縮合リン酸
塩を分散剤に使用すると、CaO−SiO2 −H2 O系
結合と縮合リン酸塩とが反応してCaO−SiO2 −P
2 5 −H2 O系結合を生成するためと考えられる。
【0029】さらに述べると、CaO−SiO2 −H2
O系は加熱による結合水の消失時に結合鎖が切れてしま
うのに対して、CaO−SiO2 −P2 5 −H2 O系
は結合水の離脱が漸次的で、加熱による結合鎖の消失が
ない。その結果、キャスタブルの乾燥から加熱後の各温
度域において安定した強度を保持できるものと考えられ
る。
【0030】これらの縮合リン酸塩としては、トリポリ
リン酸ソーダ、テトラポリリン酸ソーダ、ヘキサメタリ
ン酸ソーダ、酸性ヘキサメタリン酸ソーダ、ウルトラポ
リリン酸ソーダなどが使用される。また、これらの縮合
リン酸塩に加えてポリカルボン酸、スルホン酸その他の
有機系分散剤を併用しても良い。また、硬化調整剤とし
ては例えば硼酸、硼酸アンモニウム、シュウ酸、酒石
酸、炭酸ソーダ、炭酸リチウムなどが使用される。
【0031】さらに、タンディシュ内張り材の構造安定
性を向上させるために、アルミナ−マグネシア質無定形
耐火物の特性を阻害しない範囲で粒径50〜10mm程
度の粗骨材を外掛けで加えても良い。これらの粗骨材は
電融及び焼結のアルミナやスビネルが適している。ま
た、天然アルミナやボーキサイトでも有効である。ま
た、構造安定性や耐乾燥爆裂性の改善を目的に金属ファ
イバー、有機ファイバー、セラミックファイバー、アル
ミニウム粉、アルミニウム合金粉、ガラス粉などを添加
しても良い。
【0032】本発明品を使用したタンディシュ内張りの
施工は定法どうりで、流し込み工法の場合であると、以
上の配合物に外掛けで4〜8重量%程度の施工水を添加
し、型枠を用いて空隙に不定形耐火物を流し込み、養生
させてから乾燥させるという工程を経て行われる。施工
の際には充填性を向上させるため、一般には型枠にバイ
ブレーターを取り付けるか、あるいは耐火物中に棒状バ
イブレーターを挿入する。
【0033】タンディシュ容器に不定形耐火物を直接流
し込むだけでなく、不定形耐火物で予め任意の形状のブ
ロックを成形し、これを内張り材として使用しても良
い。
【0034】
【実施例】以下に、本発明の実施例を具体的に説明す
る。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】表1は実施例及び比較例に使用したアルミ
ナの化学成分表、表2は同じくマグネシアの化学成分
表、表3は同じくヒュームシリカの化学成分表、表4は
同じくアルミナセメントの化学成分表、表5は本発明の
実施例並びに比較例の成分と試験結果の表である。各実
施例及び比較例とも、配合物に所定量の水を加えて混練
し、型枠内に流し込んで乾燥させることによって試験片
を製造し、これについて曲げ強度、線変化率、耐食性、
再加熱熱間線膨脹率の試験・測定を行った。曲げ強度の
測定はJIS R 1601に準じて行った。耐食性
は、回転侵食テストにて溶鋼取り鍋スラグを使用して1
600℃×5hrおこない、その溶損量と浸透量を測定
した。また、再加熱熱間線膨脹率は1500℃×3hr
焼成後の試料で測定した。
【0041】本発明の実施例はいずれも乾燥後の曲げ強
度ならびに1000℃焼成後の曲げ強度が高く、また、
1500℃×3hr焼成後線変化率も小さく、わずかの
残存膨脹性を示す。さらに1500℃×3hr焼成後再
加熱時の膨脹率も低く、組織安定性に有効な特性を示
す。これに対して比較例1〜3は乾燥後の曲げ強度なら
びに1000℃焼成後の曲げ強度が低く、また、再加熱
後の膨脹も大きい。比較例4は再加熱後の膨張も小さく
耐スポーリング性に優れるが、アルミナ−シリカ質であ
るため耐食性に劣る。
【0042】また、実機テストは60トン熱間回転タン
ディシュの内張り材として使用し、そのスラグラインの
溶損速度、剥離の開始時期を測定した。従来使用品のア
ルミナ80重量%クラスのハイアルミナ質不定形耐火物
(実施例4)ではスラグラインの溶損速度が1mm/c
hであり、剥離、亀裂は少ないものの150ch(チャ
ージ)の寿命が限界であった。また、比較例1に示した
アルミナ−マグネシア質キャスタブルは、スラグライン
の溶損速度は0.5mm/chであったものの剥離、亀
裂が大きく、100chの寿命であった。それに比較し
て本発明の実施例3のキャスタブルは、スラグラインの
溶損速度は0.6mm/chで比較例2のキャスタブル
に比較してやや大きかったものの剥離、亀裂は少なく、
250chの使用に耐え、従来品に比較して大幅な耐用
性向上を示した。
【0043】
【発明の効果】このように本発明のアルミナ−マグネシ
ア質不定形耐火物は、結合部の組成を検討することによ
り、組織強度の向上、残存線変化率の適正化、再加熱時
の膨脹率の低下を達成し、従来、溶損と同時に亀裂や剥
離で損傷していた熱間回転タンディシュ内張りの寿命を
飛躍的に延長せしめたものである。近年、タンディシュ
操業はコーティング操業から熱間回転操業に変化しつつ
あり、それに伴ってそこに使用される内張り用耐火物の
高耐用化は強く要求されている実状から、本発明の価値
はおおきい。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒュームシリカ/アルミナセメント比と再加熱
後の膨脹率との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細川 清弘 兵庫県高砂市荒井町新浜1丁目3番1号 ハリマセラミック株式会社内 (72)発明者 神尾 英俊 兵庫県高砂市荒井町新浜1丁目3番1号 ハリマセラミック株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミナ80〜91重量%、マグネシア4
    〜14重量%、ヒュームシリカ3〜7重量%、アルミナ
    セメント2〜6重量%を含む配合組成を100重量%と
    し、かつ重量比でヒュームシリカ/アルミナセメントが
    0.75以上の組成を持つアルミナ−マグネシア質タン
    ディシュ内張り用不定形耐火物。
JP26381997A 1997-09-29 1997-09-29 タンディシュ内張り用不定形耐火物 Pending JPH11100280A (ja)

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JP26381997A JPH11100280A (ja) 1997-09-29 1997-09-29 タンディシュ内張り用不定形耐火物

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015166290A (ja) * 2014-03-03 2015-09-24 黒崎播磨株式会社 タンディッシュ内張り用不定形耐火物
JP2020059611A (ja) * 2018-10-04 2020-04-16 日本製鉄株式会社 アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の耐剥離性の評価方法
JP2020059610A (ja) * 2018-10-04 2020-04-16 日本製鉄株式会社 アルミナ−マグネシア質キャスタブル耐火物の耐剥離性の評価方法

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