JPH1095783A - イソ−4’−チオヌクレオシド - Google Patents

イソ−4’−チオヌクレオシド

Info

Publication number
JPH1095783A
JPH1095783A JP8271429A JP27142996A JPH1095783A JP H1095783 A JPH1095783 A JP H1095783A JP 8271429 A JP8271429 A JP 8271429A JP 27142996 A JP27142996 A JP 27142996A JP H1095783 A JPH1095783 A JP H1095783A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
thio
anhydro
arabitol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8271429A
Other languages
English (en)
Inventor
Kohei Yamada
浩平 山田
Yuichi Yoshimura
祐一 吉村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamasa Shoyu KK
Original Assignee
Yamasa Shoyu KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamasa Shoyu KK filed Critical Yamasa Shoyu KK
Priority to JP8271429A priority Critical patent/JPH1095783A/ja
Publication of JPH1095783A publication Critical patent/JPH1095783A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Landscapes

  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 イソ−4’−チオヌクレオシドの合成法
を確立し、従来のものとは構造の異なる有用なイソ−
4’−チオヌクレオシドを提供する。 【解決手段】 式[I]で表されるイソ−4’−チオヌ
クレオシドに関する。 【化1】 (式中、Bはピリミジン、プリン、アザプリンおよびデ
アザプリンからなる群から選択された塩基を示し、それ
らはハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アル
ケニル基、ハロアルケニル基、アルキニル基、アミノ
基、アルキルアミノ基、水酸基、ヒドロキシアミノ基、
アミノキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、アルキル
メルカプト基、アリール基、アリールオキシ基またはシ
アノ基によって置換されていてもよい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】本発明は、イソ−4’−チオヌク
レオシドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、イソヌクレオシドの合成法もしく
はその生物活性に関しては種々報告がなされている(J.
Org. Chem., 43, 541(1978)、Tetrahedron, 50, 10167
(1994)、J. Am. Chem. Soc., 114, 7951(1992)、J. Me
d. Chem., 35, 2347(1992)、J.Med. Chem., 36, 1221(1
993)、特開平6−263756など参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、イソヌクレオ
シドの4’位酸素原子を硫黄原子に変換したイソ−4’
−チオヌクレオシドに関しては、1つを除いて現時点ま
でほとんど報告されていない(Tetrahedron Letters, 3
2, 247(1991))。この理由としては、イソ−4’−チオ
ヌクレオシドはイソヌクレオシドと同様の、あるいはそ
れ以上の優れた生物活性が期待できる化合物であるもの
の、上述したように既知のイソヌクレオシドとは糖部分
で相違しており、目的とするイソ−4’−チオヌクレオ
シドを合成するためにはチオ糖部分の構築というイソヌ
クレオシドの合成には見られない新しい課題を克服しな
ければならないということが挙げられる。したがって、
本発明はイソ−4’−チオヌクレオシドの合成法を確立
し、従来のものとは構造の異なる有用なイソ−4’−チ
オヌクレオシドを提供することを目的とするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の目
的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、公知のチオ
糖を出発原料としたイソ−4’−チオヌクレオシドの新
規な合成法を確立し、この方法により種々のイソ−4’
−チオヌクレオシドを簡単に合成できることを見いだ
し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、下記式
[I]で表されるイソ−4’−チオヌクレオシドに関す
るものである。
【0005】
【化2】
【0006】(式中、Bはピリミジン、プリン、アザプ
リンおよびデアザプリンからなる群から選択された塩基
を示し、それらはハロゲン原子、アルキル基、ハロアル
キル基、アルケニル基、ハロアルケニル基、アルキニル
基、アミノ基、アルキルアミノ基、水酸基、ヒドロキシ
アミノ基、アミノキシ基、アルコキシ基、メルカプト
基、アルキルメルカプト基、アリール基、アリールオキ
シ基またはシアノ基によって置換されていてもよい。)
【0007】
【発明の実施の形態】
(1)化合物 本発明化合物は、前記式[I]で表されるものであり、
式中のBで表される塩基としてはピリミジン、プリン、
アザプリンおよびデアザプリンからなる群から選択され
る。これらの塩基は、ハロゲン原子、アルキル基、ハロ
アルキル基、アルケニル基、ハロアルケニル基、アルキ
ニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、水酸基、ヒドロ
キシアミノ基、アミノキシ基、アルコキシ基、メルカプ
ト基、アルキルメルカプト基、アリール基、アリールオ
キシ基、シアノ基などの置換基を有していてもかまわな
い。置換基の数及び置換位置は特に制限されるものでは
ない。
【0008】置換基としてのハロゲン原子としては、塩
素、フッ素、ヨウ素、臭素が例示される。アルキル基と
しては、メチル、エチル、プロピルなどの炭素数1〜7
の低級アルキル基が例示される。ハロアルキル基として
は、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロ
メチル、ブロモメチル、ブロモエチルなどの炭素数1〜
7のアルキルを有するハロアルキル基が例示される。ア
ルケニル基としては、ビニル、アリルなどの炭素数2〜
7のアルケニル基が例示される。ハロアルケニル基とし
ては、ブロモビニル、クロロビニルなどの炭素数2〜7
のアルケニルを有するハロアルケニル基が例示される。
アルキニル基としては、エチニル、プロピニルなどの炭
素数2〜7のアルキニル基が例示される。アルキルアミ
ノ基としては、メチルアミノ、エチルアミノなどの炭素
数1〜7のアルキルを有するアルキルアミノ基が例示さ
れる。
【0009】アルコキシ基としては、メトキシ、エトキ
シなどの炭素数1〜7のアルコキシ基が例示される。ア
ルキルメルカプト基としては、メチルメルカプト、エチ
ルメルカプトなどの炭素数1〜7のアルキルを有するア
ルキルメルカプト基が例示される。アリール基として
は、フェニル基;メチルフェニル、エチルフェニルなど
の炭素数1〜5のアルキルを有するアルキルフェニル
基;メトキシフェニル、エトキシフェニルなどの炭素数
1〜5のアルコキシを有するアルコキシフェニル基;ジ
メチルアミノフェニル、ジエチルアミノフェニルなどの
炭素数1〜5のアルキルアミノを有するアルキルアミノ
フェニル基;クロロフェニル、ブロモフェニルなどのハ
ロゲノフェニル基などが例示される。
【0010】ピリミジン塩基を具体的に例示すれば、シ
トシン、ウラシル、5ーフルオロシトシン、5ーフルオ
ロウラシル、5ークロロシトシン、5ークロロウラシ
ル、5ーブロモシトシン、5ーブロモウラシル、5ーヨ
ードシトシン、5ーヨードウラシル、5ーメチルシトシ
ン、5ーメチルウラシル(チミン)、5ーエチルシトシ
ン、5ーエチルウラシル、5ーフルオロメチルシトシ
ン、5ーフルオロウラシル、5ートリフルオロシトシ
ン、5ートリフルオロウラシル、5ービニルウラシル、
5ーブロモビニルウラシル、5ークロロビニルウラシ
ル、5ーエチニルシトシン、5ーエチニルウラシル、5
ープロピニルウラシル、ピリミジンー2ーオン、4ーヒ
ドロキシアミノピリミジンー2ーオン、4ーアミノオキ
シピリミジンー2ーオン、4ーメトキシピリミジンー2
ーオン、4ーアセトキシピリミジンー2ーオン、4ーフ
ルオロピリミジンー2ーオン、5ーフルオロピリミジン
ー2ーオンなどが挙げられる。
【0011】プリン塩基を具体的に例示すれば、プリ
ン、6ーアミノプリン(アデニン)、6ーヒドロキシプ
リン、6ーフルオロプリン、6ークロロプリン、6ーメ
チルアミノプリン、6ージメチルアミノプリン、6ート
リフルオロメチルアミノプリン、6ーベンゾイルアミノ
プリン、6ーアセチルアミノプリン、6ーヒドロキシア
ミノプリン、6ーアミノオキシプリン、6ーメトキシプ
リン、6ーアセトキシプリン、6ーベンゾイルオキシプ
リン、6ーメチルプリン、6ーエチルプリン、6ートリ
フルオロメチルプリン、6ーフェニルプリン、6ーメル
カプトプリン、6ーメチルメルカプトプリン、6ーアミ
ノプリンー1ーオキシド、6ーヒドロキシプリンー1ー
オキシド、2ーアミノー6ーヒドロキシプリン(グアニ
ン)、2,6−ジアミノプリン、2ーアミノー6ークロ
ロプリン、2ーアミノー6ーヨードプリン、2ーアミノ
プリン、2ーアミノー6ーメルカプトプリン、2ーアミ
ノー6ーメチルメルカプトプリン、2ーアミノー6ーヒ
ドロキシアミノプリン、2ーアミノー6ーメトキシプリ
ン、2ーアミノー6ーベンゾイルオキシプリン、2ーア
ミノー6ーアセトキシプリン、2ーアミノー6ーメチル
プリン、2ーアミノー6ーサイクロプロピルアミノメチ
ルプリン、2ーアミノー6ーフェニルプリン、2ーアミ
ノー8ーブロモプリン、6ーシアノプリン、6ーアミノ
ー2ークロロプリン(2ークロロアデニン)、6ーアミ
ノー2ーフルオロプリン(2ーフルオロアデニン)など
が挙げられる。
【0012】アザプリン塩基およびデアザプリン塩基を
具体的に例示すれば、6ーアミノー3ーデアザプリン、
6ーアミノー8ーアザプリン、2ーアミノー6ーヒドロ
キシー8ーアザプリン、6ーアミノー7ーデアザプリ
ン、6ーアミノー1ーデアザプリン、6ーアミノー2ー
アザプリンなどが挙げられる。
【0013】本発明化合物のいくつかを具体的に例示す
れば、たとえば以下に示すものをあげることができる。 (2S)-1,4-アンヒドロ-2-デオキシ-2-C-(5-
メチルウラシル-1-イル)-4-チオ-D-アラビトール (2S)-1,4-アンヒドロ-2-デオキシ-2-C-(5-
フルオロウラシル-1-イル)-4-チオ-D-アラビトール (2S)-1,4-アンヒドロ-2-C-(5-ブロモビニル
ウラシル-1-イル)-2-デオキシ-4-チオ-D-アラビト
ール (2S)-1,4-アンヒドロ-2-C-(シトシン-1-イ
ル)-2-デオキシ-4-チオ-D-アラビトール (2S)-1,4-アンヒドロ-2-C-(5-フルオロシト
シン-1-イル)-2-デオキシ-4-チオ-D-アラビトール (2S)-2-C-(アデニン-9-イル)-1,4-アンヒ
ドロ-2-デオキシ-4-チオ-D-アラビニト−ル (2S)-1,4-アンヒドロ-2-デオキシ-2-C-
(2,6-ジアミノプリン-9-イル)-4-チオ-D-アラ
ビトール (2S)-1,4-アンヒドロ-2-デオキシ-2-C-(グ
アニン-9-イル)-4-チオ-D-アラビトール
【0014】本発明の化合物は、塩、水和物または溶媒
和物の形態であってもよい。そのような塩としては、無
機酸(塩酸、硫酸、リン酸など)または有機酸(フマル
酸、酒石酸、コハク酸など)との酸付加塩、ナトリウム
塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、
マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、またはアン
モニウム塩など薬学的に許容される塩を例示することが
できる。また、水和物または溶媒和物としては、本発明
の化合物またはその塩1分子に対し、0.1〜3.0分
子程度の水または溶媒が付着したものを例示することが
できる。さらに、本発明の化合物には、互変異性体など
の各種異性体も包含されうる。
【0015】(2)製造法 本発明化合物は、以下に説明する工程より合成すること
ができる。 第1工程;第1工程は、式[II]で表される化合物の
水酸基に保護基を導入後、光延反応に付して式[II
I]で表される化合物を得る工程である。
【0016】
【化3】
【0017】(式中、R1およびR2は水酸基の保護基を
示し、Bは前記と同意義。) 原料化合物である式[II]で表される化合物は公知化
合物であり、常法により調製することができる(WO9
6/01834)。R1およびR2で表される水酸基の保
護基としては、通常使用されるものであればよく、メチ
ル、エチルなどの炭素数1〜3程度の低級アルキル基お
よびベンジル、メトキシベンジルなどの置換もしくは非
置換のベンジル基などのアルキル基、t−ブチルジフェ
ニルシリル、t−ブチルジメチルシリルなどのシリル
基、アセチル、ベンゾイル、ピバロイルなどのアシル基
などを例示することができる。
【0018】水酸基への保護基の導入は常法によって行
うことができる。例えば、シリル系保護基の場合、イミ
ダゾール、2,6−ルチジンなどの塩基存在下、ジメチ
ルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジクロロメタ
ン、ピリジンなどの有機溶媒中(ただし、ピリジンを使
用する場合には、必ずしも塩基を共存させなくてもよ
い)、式[II]で表される化合物1モルに対して1〜
5モル、好ましくは1〜1.5モルのシリル化剤(たと
えば、t−ブチルジフェニルシリルクロリド、t−ブチ
ルジメチルシリルクロリドなど)を用い、0〜100℃
で1〜24時間程度攪拌反応させることにより実施する
ことができる。このようにして得られた化合物は、通常
の分離精製手段を用いればよく、例えば酢酸エチルと水
で分配後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、n-ヘキサン−酢酸エチルなどの有機溶媒で溶出し
精製することができる。
【0019】引き続き、このようにして得られた化合物
を光延反応に付し、糖部2位にBで表される塩基を導入
して式[III]で表される化合物を得る。Bで表され
る塩基は、上述した塩基の無保護のものをそのまま使用
してもよく、必要によりアセチル、ベンゾイルなどのア
シル基で保護されたものを使用してもかまわない。反応
は、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ベンゼンな
どの溶媒中、トリフェニルホスフィンなどのトリアルキ
ルホスフィンとアゾジカルボン酸ジエチルなどのアゾジ
カルボン酸ジエステルおよびBで表される塩基を上記で
得られた化合物1モルに対し、それぞれ1〜3モル使用
し、0〜80℃で1〜24時間攪拌処理することによっ
て実施できる。このようにして得られた式[III]の
化合物の単離は、ヌクレオシドの通常の分離精製手段を
適宜選択して用いればよく、例えば反応溶媒を留去した
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n-
ヘキサン−酢酸エチルなどの有機溶媒で溶出することに
より単離精製することができる。
【0020】第2工程;本発明の第2工程は、式[II
I]で表される化合物の保護基を除去し、必要によりア
ミノ化処理または加水分解処理に付して式[I]で表さ
れる化合物を得る工程である。
【0021】
【化4】
【0022】(式中、B、R1及びR2は前記と同意
義。) 糖部水酸基の保護基を除去する方法としては、使用した
保護基に応じて酸性加水分解、アルカリ性加水分解、フ
ッ化水素アンモニウム処理、ルイス酸処理など、通常ヌ
クレオチドの糖部水酸基の保護基を除去するのに使用す
る方法の中から、適宜選択して行うことができる。たと
えば、ベンジル系保護基の場合には、ジクロロメタンな
どの溶媒中、アルゴン、窒素などの不活性ガス気流下、
−100℃〜50℃で10分〜6時間、三塩化ホウ素と
反応させることにより実施することができる。
【0023】このようにして得られた化合物は、必要に
より塩基部のアミノ化処理もしくは加水分解処理を施
す。アミノ化の方法としては、通常ヌクレオチド化合物
をアミノ化する際に使用する方法に従って行なえばよ
い。例えば、ウラシル誘導体の4位をアミノ化する場合
には、アセトニトリルなどの溶媒中、2,4,6−トリ
イソプロピルベンゼンスルホニルクロライド(TPSC
l)と処理し、4位を一旦TPS化した後、0〜100
℃で、1〜48時間、アンモニア水あるいはアンモニア
ガスと反応させることにより、実施することができる。
また、6−クロロプリン誘導体の6位をアミノ化する場
合には、メタノールなどの溶媒中、0〜100℃で、1
〜48時間、アンモニア水あるいはアンモニアガスと反
応させることにより、実施することができる。
【0024】加水分解する方法としては、特に制限され
るものではないが、酸触媒を用いる加水分解法が一般的
である。酸触媒としては、塩酸、硫酸等の無機酸、酢
酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸を使用することができ
る。加水分解反応は、テトラヒドロフラン、ジオキサン
などの水溶性溶媒中、上記酸触媒存在下、0〜100℃
で1〜24時間程度攪拌反応させることにより実施する
ことができる。アミノ化あるいは加水分解後、さらに塩
基部の保護基を除去する必要がある場合には、上述の水
酸基の保護基を除去する方法と同様の方法で行うことが
できる。
【0025】このようにして得られた本発明化合物は、
一般のヌクレオチドの単離精製に使用されている方法
(例えば、再結晶法、各種クロマトグラフィーなど)を
適宜組み合せて分離精製することができる。また、この
ようにして得られた本発明化合物は、必要に応じて塩型
とすることもできる。
【0026】(3)用途 本発明化合物は、抗ウイルス、抗腫瘍活性などの薬理効
果の期待される新規なイソ−4’−チオヌクレオシドで
ある。本発明化合物の投与量は、患者の年齢、体重、疾
病、患者の重篤度、薬物による忍容性、投与方法などに
より異なり、これらの条件を総合した上で適宜決定され
るものであるが、通常1日当たり0.001〜1000
mg/kg体重、好ましくは0.01〜100mg/k
g体重の範囲内から選ばれ、一回または複数回に分けて
投与される。投与方法は、経口、非経口、経腸、局所投
与などのいずれの経路によっても投与することができ
る。
【0027】本発明化合物の製剤化に際しては、通常使
用される製剤用担体、賦形剤、その他の添加剤を使用す
ることができる。担体としては、乳糖、カオリン、ショ
糖、結晶セルロース、コーンスターチ、タルク、寒天、
ペクチン、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、
レシチン、塩化ナトリウムなどの個体状担体、グリセリ
ン、落花生油、ポリビニルピロリドン、オリーブ油、エ
タノール、ベンジルアルコール、プロピレングリコー
ル、水などの液状担体を例示することができる。剤型と
しては任意の形態を採ることができ、たとえば個体状担
体を使用する場合には錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル化
剤、座剤、トローチ剤などを、液状担体を使用する場合
にはシロップ、乳液、軟ゼラチンカプセル、クリーム、
ゲル、ペースト、スプレー、注射などをそれぞれ例示す
ることができる。
【0028】
【発明の効果】本発明により、医薬品として開発が期待
される新規なイソ−4’−チオヌクレオシドが提供され
た。また、本発明方法は、安価な物質を原料とし、簡単
な操作で行うことができる方法であるため、イソ−4’
−チオヌクレオシドの合成方法として極めて実用的なも
のである。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例をあげて具体的に説明
するが、本発明はこれらによって何等限定されるもので
はない。 実施例1;(2S)-1,4-アンヒドロ-2-デオキシ-
2-C-(5-フルオロウラシル-1-イル)-4-チオ-D-
アラビトール〔式[I]B=5-フルオロウラシル〕の合
成 1)(2S)-1,4-アンヒドロ-3-O-ベンジル-5-
O-t-ブチルジフェニルシリル-2-デオキシ-2-C-
(N3-ベンゾイル-5-フルオロウラシル-1-イル)-4-
チオ-D-アラビトール〔式[III]R1=Bn,R2=
TBDPS,B=N3-ベンゾイル-5-フルオロウラシ
ル〕の合成
【0030】1−1)1,4-アンヒドロ-3-O-ベンジ
ル-5-O-t-ブチルジフェニルシリル-4-チオ-D-アラ
ビトールの合成 3−O−ベンジル−1−デオキシ−4−チオ−D−アラ
ビノフラノース〔式[II]R1=Bn〕3.75g(1
5.6mmol)とイミダゾール1.20g(17.2m
mol)をDMF100mlに溶解し、氷冷下でTBD
PSCl 4.30g(17.2mmol)を滴下した。
室温で一晩攪拌した後、反応液に水を注ぎ、減圧下で溶
媒を留去し、酢酸エチルで目的物を抽出した。有機層を
水で洗浄し乾燥した後、溶媒を留去した。残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトにより精製し、30%酢酸エチル−
n-ヘキサンで溶出された部分を集めた後濃縮し、目的
物5.01g(収率67%)を得た。
【0031】1H-NMR(CDCl3)δ7.72〜
7.64(4H,m),7.46〜7.26(11H,
m),4.59(1H,d,J=12.0Hz),4.
54(1H,d,J=12.0Hz),4.40(1
H,brt,J=2.4Hz),4.00(1H,t,
J=2.0Hz),3.74(1H,dd,J=4.4
Hz,10.7Hz),3.69(1H,dd,J=
5.4Hz,10.7Hz),3.56(1H,dt,
J=2.0Hz,4.9Hz),3.24〜3.20
(2H,m),2.90(1H,dd,J=2.4H
z,11.2Hz),1.07(9H,s)
【0032】1−2)(2S)-1,4-アンヒドロ-3-
O-ベンジル-O-5-t-ブチルジフェニルシリル-2-デ
オキシ-2-C-(N3-ベンゾイル-5-フルオロウラシル-
1-イル)-4-チオ-D-アラビトールの合成 上記で得られた1,4-アンヒドロ-3-O-ベンジル-5-
O-t-ブチルジフェニルシリル-4-チオ-D-アラビトー
ル1.91g(4.0mmol)とN3-ベンゾイル-5-
フルオロウラシル1.40g(6.0mmol)、トリ
フェニルホスフィン3.14g(12.0mmol)を
アセトニトリル64mlに溶解させ、氷冷下で40%ア
ゾジカルボン酸ジエチルトルエン溶液2.9ml(7.
37mmol)を滴下した。70℃で1.5時間攪拌し
た後、反応液にエタノールを注ぎ、減圧下で溶媒を留去
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトにより精製し、2
0%酢酸エチル−n-ヘキサンで溶出された部分を集め
た後濃縮し、目的物0.50g(収率18%)を得た。
【0033】1H-NMR(CDCl3)δ7.88〜
7.18(21H,m),4.98〜4.92(1H,
m),4.63(1H,d,J=11.7Hz),4.
42(1H,d,J=11.7Hz),4.28(1
H,dd,J=5.9Hz,6.9Hz),3.87
(1H,dd,J=5.9Hz,10.7Hz),3.
81(1H,dd,J=5.9Hz,10.7Hz),
3.53(1H,q,J=5.9Hz),3.08(1
H,dd,J=7.3Hz,11.7Hz),3.00
(1H,dd,J=8.3Hz,11.7Hz),1.
08(9H,s)
【0034】2)(2S)-1,4-アンヒドロ-2-デオ
キシ-2-C-(5-フルオロウラシル-1-イル)-4-チオ
-D-アラビトールの合成 (2S)-1,4-アンヒドロ-3-O-ベンジル-O-5-t
-ブチルジフェニルシリル-2-デオキシ-2-C-(N3-ベ
ンゾイル-5-フルオロウラシル-1-イル)-4-チオ-D-
アラビトール490mg(0.71mmol)をメタノ
ール-THF(4:5)18mlに溶解し、濃アンモニ
ア水9mlを加えた。室温で2時間攪拌した後、減圧下
で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトに
より精製し、30%酢酸エチル−n-ヘキサンで溶出さ
れた部分を集めた後濃縮した。これをジクロロメタン1
3mlに溶解し、-78℃で1.0M三塩化ホウ素-ジク
ロロメタン溶液3.4ml(3.4mmol)を滴下し
た。同温で1時間攪拌した後、ピリジン-メタノール
(2:1)4.5mlを加え、更に1時間攪拌した。減
圧下で溶媒を留去しクロロホルムで抽出し、有機層を水
で洗浄乾燥した後、溶媒を留去した。残渣をDMF8m
lに溶解し、フッ化水素アンモニウム356mg(6.
3mmol)を加えた。室温で一晩攪拌した後、減圧下
で溶媒を留去した。残渣シリカゲルカラムクロマトによ
り精製し、20%メタノール−クロロホルムで溶出され
た部分を集め濃縮し、目的物126mg(収率78%)
を得た。
【0035】1H-NMR(DMSO-d6)δ12.10
〜11.55(1H,br),8.17(1H,d,J
=7.3Hz),5.58(1H,brs),4.90
(1H,brs),4.69〜4.62(1H,m),
4.03(1H,t,J=9.3Hz),3.87(1
H,dd,J=3.4Hz,10.7Hz),3.42
〜3.36(1H,m),3.14(1H,dt,J=
3.4Hz,9.3Hz),2.91(1H,t,J=
10.7Hz),2.80(1H,dd,J=7.3H
z,10.7Hz)
【0036】実施例2;(2S)-1,4-アンヒドロ-
2-C-(5-ブロモビニルウラシル-1-イル)-2-デオ
キシ-4-チオ-D-アラビトール〔式[I]B=5-ブロモ
ビニルウラシル〕の合成 1)(2S)-1,4-アンヒドロ-2-C-(N3-ベンゾ
イル-5-ブロモビニルウラシル-1-イル)-3-O-ベン
ジル-5-O-t-ブチルジフェニルシリル-2-デオキシ-
4-チオ-D-アラビトール〔式[III]R1=Bn,R2
=TBDPS,B=N3-ベンゾイル-5-ブロモウラシル〕
の合成 実施例1の1−1)と同様にして1,4-アンヒドロ-3
-O-ベンジル-5-O-t-ブチルジフェニルシリル-4-チ
オ-D-アラビトールを得、実施例1の1−2)における
3-ベンゾイル-5-フルオロウラシルの代わりにN3-ベ
ンゾイル-5-ブロモビニルウラシルを用い、同様の方法
条件にて目的物を得た。ただし、得られた化合物は(2
S)-1,4-アンヒドロ-2-O-(N3-ベンゾイル-5-
ブロモビニルウラシル-2-イル)-3-O-ベンジル-O-
t-ブチルジフェニルシリル-2-デオキシ-4-チオ-D-
アラビトールとの混合物(1.5:1)であった。
【0037】1H-NMR(CDCl3)δ7.88〜
7.16(22H+22H×1.5,m),6.79
(1H,d,J=13.2Hz),6.45(1H×
1.5,d,J=13.7Hz),5.60〜5.55
(1H,m),5.00〜4.93(1H×1.5,
m),4.69(1H,d,J=11.7Hz),4.
61(1H+1H×1.5,d,J=11.7Hz),
4.42(1H×1.5,d,J=11.7Hz),
4.36〜4.31(1H+1H×1.5,m),3.
87(1H×1.5,dd,J=5.9Hz,10.7
Hz),3.81(1H×1.5,dd,J=5.9H
z,10.7Hz),3.71〜3.51(3H+1H
×1.5,m),3.36(1H,dd,J=4.9H
z,12.2Hz),3.08(2H×1.5,d,J
=8.3Hz),2.95(1H,dd,J=3.4H
z,12.2Hz),1.08(9H×1.5,s),
1.04(9H,s)
【0038】2)(2S)-1,4-アンヒドロ-2-C-
(5-ブロモビニルウラシル-1-イル)-2-デオキシ-4
-チオ-D-アラビトールの合成 上記1)で得られた混合物を用い、実施例1の2)と同
様の方法条件にて目的物を得た。1 H-NMR(DMSO-d6)δ11.54(1H,br
s),8.01(1H,s),7.26(1H,d,J
=13.2Hz),6.84(1H,d,J=13.2
Hz),5.58(1H,d,J=5.9Hz),4.
91(1H,t,J=4.9Hz),4.69(1H,
dt,J=7.3Hz,10.7Hz),4.07〜
4.01(1H,m),3.89〜3.84(1H,
m),3.43〜3.38(1H,m),3.15(1
H,dt,J=3.4Hz,8.3Hz),2.90
(1H,t,J=10.7Hz),2.83(1H,d
d,J=7.3Hz,10.7Hz)
【0039】実施例3;(2S)-1,4-アンヒドロ-
2-C-(シトシン-1-イル)-2-デオキシ-4-チオ-D-
アラビトール〔式[I]B=シトシン〕の合成 1)(2S)-1,4-アンヒドロ-2-C-(N3-ベンゾ
イルウラシル-1-イル)-3-O-ベンジル-5-O-t-ブ
チルジフェニルシリル-2-デオキシ-4-チオ-D-アラビ
トール〔式[III]R1=Bn,R2=TBDPS,B=
3-ベンゾイルウラシル〕の合成 実施例1の1−1)と同様にして1,4-アンヒドロ-3
-O-ベンジル-5-O-t-ブチルジフェニルシリル-4-チ
オ-D-アラビトールを得、実施例1の1−2)における
3-ベンゾイル-5-フルオロウラシルの代わりにN3-ベ
ンゾイルウラシルを用い、同様の方法条件にて目的物を
得た。ただし、得られた化合物は(2S)-1,4-アン
ヒドロ-2-O-[4-O-(N3-ベンゾイル-ウラシル-2-
イル)-ウラシル-2-イル]-3-O-ベンジル-O-t-ブ
チルジフェニルシリル-2-デオキシ-4-チオ-D-アラビ
トールとの混合物(1.2:1)であった。
【0040】1H-NMR(CDCl3)δ8.54(1
H,d,J=5.4Hz),8.44(1H,d,J=
8.3Hz),7.97〜7.17(21H+21H×
1.2,m),6.02(1H,d,J=8.3H
z),5.71〜5.68(1H,m),5.65(1
H×1.2,d,J=7.8Hz),4.95〜4.8
9(1H×1.2,m),4.72(1H,d,J=1
1.7Hz),4.67(1H,d,J=12.2H
z),4.59(1H×1.2,d,J=11.7H
z),4.48〜4.45(1H+1H×1.2,
m),4.38〜4.35(1H×1.2,m),3.
95〜3.49(3H+3H×1.2,m),3.40
(1H,dd,J=5.4Hz,11.7Hz),3.
12〜3.09(2H×1.2,m),3.05(1
H,dd,J=4.4Hz,11.7Hz),1.06
(9H×1.2,s),1.02(9H,s)
【0041】2)(2S)-1,4-アンヒドロ-2-C-
(シトシン-1-イル)-2-デオキシ-4-チオ-D-アラビ
トールの合成 上記1)で得た混合物1.10g(1.54mmol)を
メタノール-THF(3:4)45mlに溶解し、濃ア
ンモニア水23mlを加えた。室温で2時間攪拌した
後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラム
クロマトにより精製し、50%酢酸エチル−n-ヘキサ
ンで溶出された部分を集め濃縮した。これをアセトニト
リル34mlに溶解し、氷冷下で4-ジメチルアミノピ
リジン295mg(2.42mmol)、TPSCl
733mg(2.42mmol)、およびトリエチルア
ミン0.34ml(2.42mmol)を加えた。室温で
2時間攪拌した後、氷冷下で濃アンモニア水20mlを
加え、更に室温で1.5時間攪拌した。減圧下で溶媒を
留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトにより精製
し、10%メタノール−クロロホルムで溶出された部分
を集め濃縮し、保護基を有する目的物を得た。続けて実
施例1の2)と同様に糖部の脱保護を行ない目的物93
mg(収率20%)を得た。
【0042】1H-NMR(DMSO-d6)δ7.60
(1H,d,J=7.3Hz),7.03(2H,br
d,J=21.0Hz),5.67(1H,d,J=
7.3Hz),5.38(1H,d,J=6.8H
z),4.85(1H,dd,J=4.4Hz,6.8
Hz),4.63(1H,dt,J=7.8Hz,1
0.7Hz),4.12〜4.06(1H,m),3.
86(1H,dt,J=4.4Hz,10.8Hz),
3.39(1H,ddd,J=6.4Hz,8.3H
z,10.8Hz),3.18〜3.12(1H,
m),2.85(1H,t,J=10.7Hz),2.
80(1H,dd,J=7.8Hz,10.7Hz)
【0043】実施例4;(2S)-2-C-(アデニン-9
-イル)-1,4-アンヒドロ-2-デオキシ-4-チオ-D-
アラビニト−ル〔式[I]B=アデニン〕の合成 1)(2S)-1,4-アンヒドロ-3-O-ベンジル-5-
O-t-ブチルジフェニルシリル-2-C-(6-クロロプリ
ン-9-イル)-2-デオキシ-4-チオ-D-アラビトール
〔式[III]R1=Bn,R2=TBDPS,B=6-ク
ロロプリン〕の合成 実施例1の1−1)と同様にして調製した1,4-アン
ヒドロ-3-O-ベンジル-5-O-t-ブチルジフェニルシ
リル-4-チオ-D-アラビトール1.20g(2.5mmo
l)と6-クロロプリン1.16g(7.5mmol)、
トリフェニルホスフィン2.00g(7.5mmol)を
THF42mlに懸濁させ、氷冷下でアゾジカルボン酸
ジエチル1.2ml(7.5mmol)を滴下した。室温
で一晩攪拌した後、反応液にエタノールを注いだ。減圧
下で溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトに
より精製し、30%酢酸エチル−n-ヘキサンで溶出さ
れた部分を集め濃縮し、目的物0.23g(収率15
%)を得た。
【0044】1H-NMR(CDCl3)δ8.59(1
H,s),8.08(1H,s),7.70〜7.68
(4H,m),7.47〜7.37(6H,m),7.
09〜6.99(3H,m),6.81〜6.79(2
H,m),5.01〜4.95(1H,m),4.74
(1H,dd,J=5.9Hz,8.3Hz),4.4
8(1H,d,J=11.7Hz),4.19(1H,
d,J=11.7Hz),3.89(1H,dd,J=
5.9Hz,10.8Hz),3.85(1H,dd,
J=5.9Hz,10.8Hz),3.75(1H,
t,J=10.7Hz),3.59(1H,q,J=
5.9Hz),3.08(1H,dd,J=6.8H
z,10.7Hz)
【0045】2)(2S)-2-C-(アデニン-9-イ
ル)-1,4-アンヒドロ-2-デオキシ-4-チオ-D-アラ
ビトールの合成 上記1)で得られた(2S)-1,4-アンヒドロ-3-O
-ベンジル-5-O-t-ブチルジフェニルシリル-2-C-
(6-クロロプリン-9-イル)-2-デオキシ-4-チオ-D
-アラビトール227mg(0.37mmol)をジクロ
ロメタン7.5mlに溶解し、-78℃で1.0M三塩化
ホウ素-ジクロロメタン溶液3.0ml(3.0mmo
l)を滴下した。室温で30分間攪拌した後、-78℃
でピリジン-メタノール(2:1)4.5mlを加え1時
間攪拌した。減圧下で溶媒を留去し、酢酸エチルで抽出
し、有機層を水で洗浄、乾燥した後、溶媒を留去した。
残渣をメタノール5.5mlに溶解し、フッ化水素アン
モニウム253mg(4.44mmol)を加え室温で
40時間攪拌した。減圧下で溶媒を留去し、シリカゲル
カラムクロマトにより精製し、10%メタノール−クロ
ロホルムで溶出された部分を集め濃縮した。得られた結
晶を飽和アンモニア−エタノール10mlに懸濁させ、
封管中80℃で一晩反応させた。減圧下で溶媒を留去
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトにより精製し、1
0%メタノール−クロロホルムで溶出された部分を集め
濃縮し、目的物65mg(収率67%)を得た。
【0046】1H-NMR(DMSO-d6)δ8.18
(1H,s),8.12(1H,s),7.19(1
H,brs),5.56(1H,d,J=6.8H
z),4.92(1H,dd,J=4.9Hz,5.9
Hz),4.78(1H,dt,J=7.3Hz,1
0.3Hz),4.43(1H,dt,J=6.8H
z,10.3Hz),3.88〜3.83(1H,
m),3.46〜3.21(3H,m),3.03(1
H,dd,J=7.3Hz,10.3Hz)
【0047】実施例5;(2S)-1,4-アンヒドロ-
2-デオキシ-2-C-(グアニン-9-イル)-4-チオ-D-
アラビトール〔式[I]B=グアニン〕の合成 1)(2S)-1,4-アンヒドロ-3-O-ベンジル-5-
O-t-ブチルジフェニルシリル-2-デオキシ-2-C-
(2-N-アセチルアミノ-6-クロロプリン-9-イル)-
4-チオ-D-アラビトール〔式[III]R1=Bn,R2
=TBDPS,B=2-N-アセチルアミノ-6-クロロプリ
ン〕の合成 実施例1の1−1)と同様にして1,4-アンヒドロ-3
-O-ベンジル-5-O-t-ブチルジフェニルシリル-4-チ
オ-D-アラビトールを得、実施例4の1)における6-
クロロプリンの代わりに2-N-アセチルアミノ-6-クロ
ロプリンを用い、同様の方法条件にて目的物を得た。た
だし、得られた化合物は(2R)-1,4-アンヒドロ-
3-O-ベンジル-5-O-t-ブチルジフェニルシリル-2-
デオキシ-2-C-(2-N-アセチルアミノ-6-クロロプ
リン-9-イル)-4-チオ-D-リビトールとの混合物
(1.8:1)であった。
【0048】1H-NMR(CDCl3)δ8.28(1
H,s),7.95(1H×1.8,s),7.91
(1H×1.8,brs),7.88(1H,br
s),7.69〜6.80(15H+15H×1.8,
m),5.12〜5.05(1H,m),4.91〜
4.85(1H,m),4.60(1H,d,J=1
1.7Hz),4.54〜4.48(2H×1.8,
m),4.36〜4.33(2H,m),4.22(1
H×1.8,d,J=12.2Hz),4.13〜3.
56(3H+4H×1.8,m),3.49(1H,
t,J=10.3Hz),3.21(1H,dd,J=
6.3Hz,10.3Hz),3.09(1H×1.
8,dd,J=7.3Hz,11.2Hz),2.45
(3H×1.8,s),2.44(3H,s),1.1
0(9H+9H×1.8,s)
【0049】2)(2S)-1,4-アンヒドロ-2-デオ
キシ-2-C-(グアニン-9-イル)-4-チオ-D-アラビ
トールの合成 上記混合物を実施例4の2)と同様の方法条件にて糖部
保護基を除去後、この糖部脱保護体100mg(0.3
0mmol)をトリフルオロ酢酸-水(3:1)3.5m
lに溶解し、室温で一晩攪拌した。減圧下で溶媒を留去
し、残渣を濃アンモニア水-メタノール(2:1)24
mlに溶解し、封管中80℃で5時間反応させた。溶媒
を留去し、残渣を吸着樹脂(SP206)にて精製し、
目的物70.6mg(収率83%)を得た。
【0050】1H-NMR(DMSO-d6)δ10.60
(1H,brs),7.78(1H,s),6.45
(2H,brs),5.58(1H,d,J=5.8H
z),4.92(1H,brs),4.59(1H,d
t,J=7.3Hz,10.3Hz),4.32〜4.
26(1H,m),3.89〜3.87(1H,m),
3.46〜3.40(1H,m),3.23〜3.17
(2H,m),2.97(1H,dd,J=7.3H
z,10.3Hz)
【0051】実施例6;(2S)-1,4-アンヒドロ-
2-デオキシ-2-C-(2,6-ジアミノプリン-9-イ
ル)-4-チオ-D-アラビトール〔式[I]B=2,6-ジ
アミノプリン〕の合成 実施例1の1−1)と同様にして1,4-アンヒドロ-3
-O-ベンジル-5-O-t-ブチルジフェニルシリル-4-チ
オ-D-アラビトールを得、実施例5の1)と同様にして
(2S)-1,4-アンヒドロ-3-O-ベンジル-5-O-t
-ブチルジフェニルシリル-2-デオキシ-2-C-(2-N-
アセチルアミノ-6-クロロプリン-9-イル)-4-チオ-
D-アラビトールを得、この化合物を実施例4の2)と
同様の方法条件にて糖部保護基を除去し、得られた糖部
脱保護体26mg(0.08mmol)をメタノール2
mlに懸濁し、これに濃アンモニア水4mlを加え、封
管中60℃で11時間反応させた。溶液を留去後、残渣
をシリカゲルカラムクロマトにより精製し、20%メタ
ノール−クロロホルムで溶出される部分を濃縮して目的
物15mg(収率69%)を得た。
【0052】1H-NMR(DMSO-d6)δ7.77
(1H,s),6.63(2H,brs),5.76
(2H,brs),5.56(1H,d,J=6.4H
z),4.91(1H,t,J=4.9Hz),4.6
0(1H,dt,J=7.3Hz,10.3Hz),
4.37〜4.31(1H,m),3.90〜3.86
(1H,m),3.46〜3.38(1H,m),3.
30〜3.16(1H,m),2.98(1H,dd,
J=7.3Hz,10.3Hz)
【0053】実施例7;(2S)-1,4-アンヒドロ-
2-C-(5-メチルウラシル-1-イル)-2-デオキシ-4
-チオ-D-アラビトール〔式[I]B=5-メチルウラシ
ル〕の合成 1)(2S)-1,4-アンヒドロ-2-C-(N3-ベンゾ
イル-5-メチルウラシル-1-イル)-3-O-ベンジル-5
-O-t-ブチルジフェニルシリル-2-デオキシ-4-チオ-
D-アラビトール〔式[III]R1=Bn,R2=TBD
PS,B=N3-ベンゾイル-5-メチルウラシル〕の合成 実施例1の1−1)と同様にして1,4-アンヒドロ-3
-O-ベンジル-5-O-t-ブチルジフェニルシリル-4-チ
オ-D-アラビトールを得、実施例1の1−2)における
3-ベンゾイル-5-フルオロウラシルの代わりにN3-ベ
ンゾイル-5-メチルウラシルを用い、同様の方法条件に
て目的物を得た。ただし、得られた化合物は(2S)-
1,4-アンヒドロ-2-O-(N3-ベンゾイル-5-メチル
ウラシル-2-イル)-3-O-ベンジル-O-t-ブチルジフ
ェニルシリル-2-デオキシ-4-チオ-D-アラビトールと
の混合物(1.3:1)であった。
【0054】1H-NMR(CDCl3)δ7.88〜
7.06(21H+21H×1.3,m),5.56〜
5.53(1H,m),4.96〜4.90(1H×
1.3,m),4.68(1H,d,J=12.2H
z),4.62(1H,d,J=12.2Hz),4.
60(1H×1.3,d,J=12.2Hz),4.4
3(1H×1.3,d,J=12.2Hz),4.37
(1H×1.3,dd,J=5.9Hz,7.3H
z),4.32(1H,t,J=3.4Hz),3.8
8(1H×1.3,dd,J=5.9Hz,10.7H
z),3.79(1H×1.3,dd,J=5.9H
z,10.7Hz),3.74〜3.66(2H,
m),3.63〜3.59(1H,m),3.52(1
H×1.3,q,J=5.9Hz),3.35(1H,
dd,J=4.9Hz,12.2Hz),3.12(1
H×1.3,dd,J=9.3Hz,11.2Hz),
3.04(1H×1.3,dd,J=7.3Hz,1
1.2Hz),2.95(1H,dd,J=3.4H
z,12.2Hz),1.96(3H,d,J=1.0
Hz),1.83(3H×1.3,s),1.07(9
H×1.3,s),1.03(9H,s)
【0055】2)(2S)-1,4-アンヒドロ-2-C-
(5-メチルウラシル-1-イル)-2-デオキシ-4-チオ-
D-アラビトールの合成 上記1)で得られた混合物を用い、実施例1の2)と同
様の方法条件にて目的物を得た。1 H-NMR(DMSO-d6)δ11.05〜11.48
(1H,br),7.63(1H,s),5.51(1
H,d,J=6.4Hz),4.88(1H,dd,J
=4.4Hz,6.3Hz),4.70〜4.63(1
H,m),4.04(1H,dt,J=6.4Hz,1
0.3Hz),3.90〜3.85(1H,m),3.
44〜3.37(1H,m),3.17〜3.12(1
H,m),2.90(1H,dt,J=10.3Hz,
11.2Hz),2.80(1H,dd,J=7.3H
z,10.3Hz),1.77(3H,s)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式[I]で表されるイソ−4’−チオヌ
    クレオシド。 【化1】 (式中、Bはピリミジン、プリン、アザプリンおよびデ
    アザプリンからなる群から選択された塩基を示し、それ
    らはハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アル
    ケニル基、ハロアルケニル基、アルキニル基、アミノ
    基、アルキルアミノ基、水酸基、ヒドロキシアミノ基、
    アミノキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、アルキル
    メルカプト基、アリール基、アリールオキシ基またはシ
    アノ基によって置換されていてもよい。)
JP8271429A 1996-09-20 1996-09-20 イソ−4’−チオヌクレオシド Pending JPH1095783A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8271429A JPH1095783A (ja) 1996-09-20 1996-09-20 イソ−4’−チオヌクレオシド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8271429A JPH1095783A (ja) 1996-09-20 1996-09-20 イソ−4’−チオヌクレオシド

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1095783A true JPH1095783A (ja) 1998-04-14

Family

ID=17499918

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8271429A Pending JPH1095783A (ja) 1996-09-20 1996-09-20 イソ−4’−チオヌクレオシド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1095783A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6403566B1 (en) Nucleosides having bicyclic sugar moiety
EP1177202B1 (en) 4'-c-ethynyl purine nucleosides
JPH06100562A (ja) 二環を含む炭素環式ヌクレオシド、それからのオリゴヌクレオチド、それらの製造方法並びにそれらの用途及び中間体
JPH07300492A (ja) ▲n4▼−アシル−5’−デオキシ−5−フルオロシチジン誘導体の新規製造法
JP2011256173A (ja) 4’−c−置換−2−ハロアデノシン誘導体
US20060167241A1 (en) Method for synthesizing cyclic bisdinucleoside
AU636678B2 (en) Nucleoside derivatives
JPH06228186A (ja) 2’−デオキシ−(2’s)−アルキルピリミジンヌクレオシド誘導体
JP4076114B2 (ja) 4’−c−エチニルプリンヌクレオシド化合物
JP7478660B2 (ja) 修飾ヌクレオシドホスホロアミダイト
JPH0853490A (ja) 2’−デオキシ−2’,2’−ジハロゲノ−4’−チオヌクレオシド
JPH09328497A (ja) 4’−フルオロメチルヌクレオシド
JPH1095783A (ja) イソ−4’−チオヌクレオシド
US5144018A (en) 2',3'-dideoxy-adenosine derivatives
JP4039790B2 (ja) 4’−c−エチニルピリミジンヌクレオシド化合物
JPH09249690A (ja) 4’−チオアラビノプリンヌクレオシド
JPH07126282A (ja) 新規なチオヌクレオシド誘導体
JP4383126B2 (ja) 4’−c−エチニル−2’−デオキシプリンヌクレオシドの製造法
WO1990004603A1 (en) Nucleoside derivatives
JPWO2003068796A1 (ja) 4’−c−シアノ−2’−デオキシプリンヌクレオシド
JP4126823B2 (ja) ヌクレオシド誘導体及びその製造方法
JP2002293792A (ja) ヌクレオシド又は糖のフッ素化誘導体の製造方法
JPH10168096A (ja) 2’−アジド−2’−デオキシ−4’−チオリボヌクレオシド
JPH0446244B2 (ja)
JPH0692393B2 (ja) ジデヒドロヌクレオシド類の製造方法