JPH07126282A - 新規なチオヌクレオシド誘導体 - Google Patents

新規なチオヌクレオシド誘導体

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JPH07126282A
JPH07126282A JP5293805A JP29380593A JPH07126282A JP H07126282 A JPH07126282 A JP H07126282A JP 5293805 A JP5293805 A JP 5293805A JP 29380593 A JP29380593 A JP 29380593A JP H07126282 A JPH07126282 A JP H07126282A
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JP
Japan
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group
compound
derivative
deoxy
thio
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Pending
Application number
JP5293805A
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English (en)
Inventor
Junichi Uenishi
潤一 上西
Junichi Seki
淳一 関
Ryuji Ikeda
龍治 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07126282A publication Critical patent/JPH07126282A/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式(1) 【化1】 〔式中Bは核酸塩基誘導体であり、R1 、R3 は水素又
は通常の水酸基の保護基を示し、R2 は炭素数1〜4の
低級アルキル基を示す〕で表される新規なチオヌクレオ
シド誘導体又はこれら化合物の生理学的に許容される塩
を提供する。 【効果】本願化合物はHSV−1,HSV−2,HIV
等への抗ウイルス作用を発揮し、ウイルス性疾患治療薬
の有効成分として期待される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば抗ウイルス剤な
どの医薬品として期待される新規なチオヌクレオシド誘
導体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、ウイルスに起因する疾患に対して
臨床上治療に用いられている薬剤としては、ヘルペス属
ウイルスに有効なビダラビン(Ara−A)、アシクロ
ビル( ACV)、ガンシクロビル(GCV)、また、HIV
(エイズ原因ウイルス)に活性を示すジドブジン(AZ
T)、ジダノシン(DDI)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記抗
ウイルス薬は適用範囲が狭く、また溶解度、経口吸収
性、代謝などの影響により投与方法が限られる。また、
骨髄毒などの副作用のため長期投与が困難であるなど問
題点を多く残している。特に、エイズ治療薬であるAZ
T、DDIは、長期投与により筋肉炎、末梢神経炎、急
性膵炎などの遅延型毒性を誘発する事が明らかとなり、
また耐性ウイルスが出現するなどの問題を持っている。
エイズは全世界的に大流行しつつあることからも、新た
な抗ウイルス薬、特に抗エイズ薬の開発が望まれてい
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(1)
【0005】
【化4】 [式中Bは核酸塩基誘導体であり、R1 、R3 は水素又
は通常の水酸基の保護基を示し、R2 は炭素数1〜4の
低級アルキル基を示す]で表される新規なチオヌクレオ
シド誘導体及びこれら化合物の生理学的に許容される塩
に関する。一般式(1)において、Bの核酸塩基誘導体
としては、例えばピリミジン塩基やプリン塩基及びこれ
らに保護基が付いているものが挙げられる。ピリミジン
塩基としては例えば、
【0006】
【化5】 [ここで、R4 は、水素、メチル基、エチル基、ブチル
基、ベンジル基等のアルキル基、2−ブロモビニル、2
−ヨウドビニル等のビニル基、フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素等のハロゲンを示す]プリン塩基としては、例えば
【0007】
【化6】 [ここで、Y1 は水素、アミノ基、及び塩素、臭素、フ
ッ素等のハロゲンを示し、R5 は、メチル基、エチル
基、ブチル基、メトキシエチル基、ベンジル基等のアル
キル基を示す]で示される化合物が挙げられる。
【0008】通常の水酸基の保護基としては特に制限な
く、エステル型保護基例えば、アセチル基、ベンゾイル
基等のアシル基、ジメチルカルバモイル基、ジフェニル
カルバモイル基等のカルバモイル基または、エーテル型
保護基例えば、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチ
ルジフェニルシリル基等のシリル基または、メトキシメ
チル基等の(C1−C4アルコキシ)C1−C4アルキ
ル基、テトラヒドロピラニル基、ベンジル基、4−メト
キシベンジル基、トリチル基等の1つ以上の置換または
無置換フェニル基で置換されたメチル基が挙げられる。
炭素数1〜4の低級アルキル基としては、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル
基、イソブチル基等の直鎖状または、分枝鎖状アルキル
基が挙げられる。
【0009】また、生理学的に許容される塩とは、ナト
リウム、カリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、マ
グネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、
置換アンモニウム塩、塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸塩、酢
酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、メタンスルフォン
酸等の有機酸塩が挙げられる。一般式(1)で示される
化合物の具体例を次に示す。なおここに示した化合物に
ついて存在する全ての異性体、光学活性体、ラセミ体を
含む。また、塩についてはここに示していない。
【0010】 化合物No 本発明化合物 1.1−(2−デオキシ−4−メチル−4−チオ−β−D−リボフラノシル) チミン 2.1−(2−デオキシ−4−エチル−4−チオ−β−D−リボフラノシル) チミン 3.1−(2−デオキシ−4−プロピル−4−チオ−β−D−リボフラノシル )チミン 4.1−(2−デオキシ−4−ブチル−4−チオ−β−D−リボフラノシル) チミン
【0011】 5.1−(2−デオキシ−4−メチル−4−チオ−β−D−リボフラノシル) シトシン 6.1−(2−デオキシ−4−エチル−4−チオ−β−D−リボフラノシル) シトシン 7.1−(2−デオキシ−4−プロピル−4−チオ−β−D−リボフラノシル )シトシン 8.1−(2−デオキシ−4−ブチル−4−チオ−β−D−リボフラノシル) シトシン
【0012】 9.1−(2−デオキシ−4−メチル−4−チオ−β−D−リボフラノシル) ウラシル 10.1−(2−デオキシ−4−エチル−4−チオ−β−D−リボフラノシル) ウラシル 11.1−(2−デオキシ−4−プロピル−4−チオ−β−D−リボフラノシル )ウラシル 12.1−(2−デオキシ−4−ブチル−4−チオ−β−D−リボフラノシル) ウラシル
【0013】 13.1−(2−デオキシ−4−メチル−4−チオ−β−D−リボフラノシル) アデニン 14.1−(2−デオキシ−4−エチル−4−チオ−β−D−リボフラノシル) アデニン 15.1−(2−デオキシ−4−プロピル−4−チオ−β−D−リボフラノシル )アデニン 16.1−(2−デオキシ−4−ブチル−4−チオ−β−D−リボフラノシル) アデニン
【0014】 17.1−(2−デオキシ−4−メチル−4−チオ−β−D−リボフラノシル) グアニン 18.1−(2−デオキシ−4−エチル−4−チオ−β−D−リボフラノシル) グアニン 19.1−(2−デオキシ−4−プロピル−4−チオ−β−D−リボフラノシル )グアニン 20.1−(2−デオキシ−4−ブチル−4−チオ−β−D−リボフラノシル) グアニン
【0015】一般式(1)で表される本発明化合物のう
ち好ましい化合物としては化合物No.1、5等が挙げ
られる。
【0016】本発明化合物の一般式(1)で表される化
合物は、例えば、一般式(2)
【化7】 [式中、Xは脱離基を示し、R1 、R3 は水素又は通常
の水酸基の保護基を示し、R2 は炭素数1〜4の低級ア
ルキル基を示す]で表わされる化合物と核酸塩基誘導体
とを反応することにより得られる一般式(3)
【化8】 [式中、B1 は保護されていても良い核酸塩基誘導体を
示しR1 、R3 は水素又は通常の水酸基の保護基を示
し。R2 は炭素数1〜4の低級アルキル基を示す]で表
される化合物に保護基または、容易に脱離する置換基が
存在する場合は、所望によりその保護基等を除去するこ
とにより製造される。一般式(2)に於ける脱離基
(X)としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基等の
炭素数1〜4の低級アルキルオキシ基、メタンスルホニ
ルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、トリフ
ルオロメタンスルホニルオキシ基等のスルホニルオキシ
基、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン等容易に脱離する
置換基が挙げられる。
【0017】核酸塩基誘導体としては、例えばウラシ
ル、チミン、シトシン、5−ヨードウラシル、5−フル
オロウラシル、5−(2−ブロモビニル)ウラシル等の
ピリミジン型塩基が挙げられる。これらの化合物は保護
基を有していても良い。例えば一般式(4)
【化9】 [式中、Y2 はOR5 、Y3 はOR5 、NHR6 、また
は1,2,4−トリアゾ−ル基を示す。R5 はメチル
基、エチル基、ブチル基、メトキシエチル基、ベンジル
基等のアルキル基を示す。R6 は水素、または保護基を
示す]を挙げることができる。本願におけるアミノ基の
保護基は、前述の水酸基の保護基として挙げたものと同
じである。または、アデニン、ヒポキサンチン、グアニ
ン、2−アミノ−6−クロロプリン、2−アミノプリ
ン、2,6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−エトキ
シプリン、2−アミノ−6−(2−メトキシエトキシ)
プリン等のプリン型塩基が挙げられる。これらの化合物
は保護基を有していても良い。
【0018】例えば一般式(5)
【化10】 [式中、R7 は水素または保護基を示す。Y4 、Y5
水素、NHR6 、またはOR8 を示し、R6 は水素、ま
たは保護基を示し、R8 は水素、ベンジル基、ブチル基
等C1−C5の低級アルキル基、メトキシエチル基等の
(C1 −C5 アルコキシ)C1−C5アルキル基、或い
は保護基を示す]に示されるような化合物を挙げること
ができる。
【0019】一般式(2)で表される化合物と、核酸塩
基、例えば一般式(4)または(5)の化合物との反応
に於て、一般式(2)の化合物と例えば一般式(4)ま
たは(5)の化合物の使用割合は、前者1当量に対し後
者約0.5−10倍当量、好ましくは約1−5当量程度
が良い。又、両者の反応は、酸触媒存在下、塩基触媒存
在、あるいは無触媒の何れかで行なわれる。酸触媒存在
下の反応としては、無水四塩化スズ、無水四塩化チタ
ン、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルエ
ステル等のルイス酸触媒か、塩酸、硫酸等の無機酸の何
れかを用い、無溶媒か、またはジクロロメタン、クロロ
ホルム、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジ
メチルスルホキシド(DMSO)、エタノ−ル、メタノ
−ル等の溶媒中、0℃から溶媒の還流温度、好ましく
は、0℃付近から170℃程度で行なわれる。酸触媒の
使用量は、例えば一般式(4)または(5)の化合物に
対して0当量から2倍当量、好ましくは、0.1から2
倍当量程度、さらに好ましくは、0.3から1.2倍当
量程度がよい。
【0020】塩基触媒存在下の反応としては、炭酸カリ
ウム、水素化リチウム、水素化ナトリウム等を用い、
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルス
ルホキシド(DMSO)、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリノン、ヘキサメチルフォスフォリック トリアミ
ド(HMPA)等の溶媒中、0℃から溶媒の還流温度、
好ましくは、室温付近から170℃程度で行なわれる。
塩基触媒の使用量は、例えば一般式(4)または(5)
の化合物に対して0当量から2倍当量、好ましくは、
0.1から2倍当量程度、さらに好ましくは、0.3か
ら1.2倍当量程度がよい。
【0021】また、一般式(3)で示される化合物の保
護基及び容易に脱離する基の除去は、その保護基の違い
により適当な脱保護試剤、或いは、脱保護方法を用いる
ことで達成される。例えば、水酸化ナトリウム、ナトリ
ウムメチラート、アンモニア等のアルカリ、塩酸、硫酸
等の酸、三塩化ホウ素、三フッ化ホウ素等のルイス酸、
臭化トリメチルシリル、ヨウ化トリメチルシリル等のシ
リル化剤、フッ化テトラブチルアンモニウム等のフッ素
試剤、水素化分解等が挙げられる。
【0022】本発明に於いて一般式(2)の化合物は公
知化合物を原料として以下に示す反応式Aによる工程か
ら得られる。
【0023】反応式A
【化11】
【0024】
【化12】
【0025】この反応式において、Xは脱離基であり、
2 は炭素数1〜4の低級アルキル基であり、R1 、R
3 は水素又は通常の水酸基の保護基を示し、具体的には
前述に記載した通りである。
【0026】例えば、公知化合物のマロンアルデヒドモ
ノアセタール(化合物a;X=OEt)をトリエチル2
−ホスホノプロピネートとによるHemer−Emmo
ns反応に付し化合物b(R2 =Me、X=OEt)を
E−、Z−の異性体として得る。この異性体をシリカゲ
ルクロマトグラフィーにより、E−アイソマーを得、次
いで還元反応により化合物C(R2 =Me、X=OE
t)が得られる。次いで式Cの化合物をSharple
ssらの方法によるエポキシ化反応(J.Am.Che
m.Soc.,102、5974、1980)に付し化
合物d(R2 =Me,X=OEt)が光学活性体として
得られる。
【0027】更に、式dの化合物は、次の3段階の反応
を行うことより式eを経て化合物f(R2 =Me、R3
=t−ブチルジメチルシリル、X=OEt)が誘導され
る。 1)NaH及びCS2 存在下による還状キサンテート
2)水酸基のt−ブチルジメチルシリル化 3)炭酸カ
リウムを触媒とするアルコリシスによるエピスルフィド
の生成。最後にエピスルフィド(化合物f)をKOA
c、Ac2 O存在下酢酸中で加熱することにより、式2
(R1 =Ac、R2 =Me、R3 =t−ブチルジメチル
シリル、X=OEt)の化合物が得られる。
【0028】
【作用】本発明化合物は次の実験例から、強い抗ウイル
ス作用を発揮することがわかる。 実験例 A DNAウイルスである単純ヘルペス1型ウイルス(HS
V−1)に対する抗ウイルス作用を下記の方法で試験し
た。 (方法)Vero細胞(アフリカミドリザル腎細胞由
来)の単層を有する6穴のマルチプレートにウイルス1
00−150PFU(Plaque Forming Unit)を感染さ
せ、37℃で1時間吸着後、各濃度の試料を含むイーグ
ルMEM培地(1%または3%の牛血清を含む)1ml
を重層し、37℃、5%(v/v)の炭酸ガスフ卵器中で
24〜48時間培養した後プラーク(Plaque)の形成を
測定し、50%抑制値(IC50)を求めた。 実験例 B レトロウイルスであるHIV(Human Immun
odeficiency Virus)に対する作用を
下記の方法で試験した。48穴トレーにMT−4細胞約
5万個/0.5ml入れ、さらに本発明化合物の一定量
を含む溶液50μlを加え、37℃、5%(v/v)炭
酸ガス孵卵器中にて2時間培養した後、5.0×104
から1.0×105PFU/mlのHIVを50μl加
え、4日間培養後、培養液の一部をスライドグラスに塗
布し、アセトン固定をした後、間接蛍光抗体法にてウイ
ルス抗原の発現を観測した。なお、蛍光抗体法の1次抗
体にはエイズ患者の血清、2次抗体にはFITCをラベ
ルした抗ヒトIgGを用いた。
【0029】実験結果を以下に示す。 化合物No IC50(μg/ml) HSV-1 HSV-2 HIV 1 0.081 2.450 0.70 5 0.064 0.072 0.0055 AZT 0.0055 ACV 0.220 0.210
【0030】
【発明の効果】以上の実験結果から明らかなように、本
発明の一般式(1)で表される化合物は強い抗ウイルス
作用を持つことから、***、性器ヘルペス、AIDS
(HIV)帯状疱疹、免疫抑制時の単純ヘルペスウイル
ス−1型、2型(HSV−1,2)、バリセラゾスター
ウイルス(VZV)、サイトメガロウイルス(CM
V)、エプスタイン−バールウイルス(EBV)感染
症、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス等によるウイ
ルス性肝炎、ウイルス性呼吸器疾患、ウイルス性消化器
疾患、ATL等の多くのウイルス性疾患に有効であるこ
とが期待される。また、制癌剤としても期待される。
【0031】以上のようにして得られた本発明化合物を
抗ウイルス剤或は制癌剤として使用する場合、経口投
与、静脈内投与、経皮投与することができる。投与量は
投与する患者の症状、年齢、投与方法によっても異なる
が、通常0.1−500mg/kg/日である。本発明
化合物は、適当な製剤用担と混合して調整した製剤の形
で投与される。製剤の形としては、錠剤・顆粒剤・細粒
剤・散剤・カプセル剤・注射剤・クリーム・坐剤等が用
いられる。製剤中に含まれる有効成分の量は、0.01
%から99%好ましくは0.1%から70%程度であ
る。
【0032】
【実施例】次に、実施例、参考例を挙げて本発明化合物
の製造について具体的に説明する。
【0033】参考例1 化合物b(R2 =Me、X=OEt)の合成 無水THF(300ml)中でトリエチルホスフォノプ
ロピオネートのナトリウム塩(60mmol)を調製
し、この中にTHF(15ml)に溶解させたマロジア
ルデヒドモノジエチルアセタール(7.9g、54mm
ol)を室温にて、5分間で滴下した。15分間攪拌し
た後、反応液をエーテル(400ml)で希釈し、続い
て、水(10ml)、飽和食塩水(10ml)で洗浄
後、無水MgSO4 で乾燥させた。溶媒を留去し、残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製し
た。酢酸エチル:ヘキサン(1:50)の留出分よりシ
ス体が340mg、3%の収率で得られ、酢酸エチル:
ヘキサン(1:13)の留出分より目的の化合物b(R
2 =Me、X=OEt)が6.96g、収率67%で得
られた。
【0034】Oil,Rf=0.31(10%EtOA
cin in hexane)1 HNMR(CDCl3 ) δ=6.78(1H,t,J=7.2 Hz),4.5
9(1H,t,J=5.7Hz),4.20(2H,
q,J=7.1Hz),3.65(2H,m,J=7.
0Hz),3.54(2H,m,J=6.9Hz),
2.50(2H,t,J=6.0Hz),1.85(3
H,s),1.30(3H,t,J=7.1Hz),
1.21(6H,t,J=7.0Hz)
【0035】参考例2 化合物C(R2 =Me,X=OEt)の合成 化合物b(R2 =Me,X=OEt)(5.8g,2
5.2mmol)の無水メチレンクロリド(310m
l)溶液にドライアイスアセトン浴上−78℃にてジイ
ソブチルアルミニウムヒドリド(1Mヘキサン溶液、7
5.5ml)を10分間で滴下した。混合液を10分間
−78℃にて反応後、メタノール(2ml)を加え、ド
ライアイスアセトン浴を取り除いた。これに塩化アンモ
ニウム飽和水溶液(80ml)を加え、室温にて30分
間激しく攪拌した。反応液を酢酸エチル(400ml)
にて希釈し、全体をセライトパットを通して吸引ろ過し
た。有機層を飽和食塩水(10ml×2)で洗浄し、無
水MgSO4 で乾燥、溶媒を減圧留去した。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、酢酸エチ
ル:ヘキサン(4:6〜6:4)の留出分より化合物C
(R2 =Me,X=OEt)を3.9g、収率83%で
得た。
【0036】Oil,Rf=0.31(30%EtOA
c in hexane)1 HNMR(CDCl3 ) δ=5.45(1H,t,J=7.6Hz),4.51
(1H,t,J=6.9Hz),4.02(2H,br
s),3.70〜3.60(2H,m),3.65〜
3.55(2H,m),2.40(2H,t,J=5.
5Hz),1.69(3H,s),1.48(1H,b
rs),1.21(6H,t,J=7.0)
【0037】参考例3 化合物d(R2 =Me,X=OEt)の合成 テトライソプロピルチタン(13.2ml,44.4m
mol)と(+)−酒石酸ジエチルエステル(7.60
ml,44.4mmol)を−20℃にて無水メチレン
クロリド(200ml)中、15分攪拌した。続いて、
無水メチレンクロリド(30ml)に溶解させた化合物
C(R2 =Me,X=OEt)(3.8g,20.18
mmol)、t−ブチルヒドロペルオキシド(3Mトル
エン溶液、20.9ml、62.7mmol)を加え、
−20℃にて更に30分間攪拌した。その後、10%酒
石酸水溶液(61ml)を加え、−20℃にて30分
間、室温にて2時間激しく攪拌した。有機層を水(10
ml)で洗浄後、無水MgSO4 で乾燥させた。溶媒を
減圧留去した後、残渣をエーテル(450ml)に溶解
させ、氷浴し、これに水酸化ナトリウム水溶液(2N、
66ml)を加え、30分間激しく攪拌した。有機層を
分離し、水層は酢酸エチル(50ml×3)で抽出し
た。抽出液を合わせ、飽和食塩水(10ml×3)で洗
浄、無水MgSO4 で乾燥させた。溶媒を減圧留去後、
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
した。酢酸エチル:ヘキサン(1:2〜1:1)の留出
分より化合物d(R2 =Me,X=OEt)を収量3.
1g、収率76%で得た。
【0038】Oil,Rf=0.38(50%EtOA
c in hexane);[α]D 24−31.3°
(c2.0,CHCl3 1 HNMR(CDCl3 ) δ=4.70(1H,t,J=7.0Hz),3.75
〜3.50(6H,m),3.17(1H,t,J=
4.1Hz),2.00〜1.80(2H,m),1.
75(1H,dd,J=8.5 and 4.7H
z),1.58(3H,s),1.23(6H,t,J
=7.0Hz)
【0039】参考例4 化合物e(R2 =Me,R3 =H,X=OEt)の合成 NaH(60%ミネラルオイル中、573mg、14.
3mmol)をTHF(39ml)と二硫化炭素(39
ml)中に懸濁させ、−42℃まで冷却させた。これに
THF(5ml)に溶解させたエポキシアルコール化合
物d(R2 =Me,X=OEt)(1.95g,9.5
5mmol)を5分間で滴下した。滴下終了後、約1時
間半で−5℃までゆっくり温度を上昇させた。反応液を
氷冷した飽和炭酸水(150ml)を加え、5分間激し
く攪拌した。酢酸エチル(200ml)を加え抽出し、
抽出液を水(10ml)、飽和食塩水(10ml)で洗
浄後、無水MgSO4 で乾燥させた。溶媒を減圧留去
後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより
精製した。酢酸エチル:ヘキサン(1:3〜1:15)
の留出分より環状キサンテート化合物e(R2 =Me、
3 =H,X=OEt)を収量2.18g、収率82%
で得た。
【0040】Oil,Rf=0.52(40%EtOA
c in hexane);[α]D 24+11.0°
(c2.0,CHCl3 1 HNMR(CDCl3 ) δ=4.98(1H,d,J=9.9Hz),4.72
(1H,dd,J=6.3and2.7Hz),4.4
8(1H,d,J=9.9Hz),4.12(1H,d
d,J=14.0 and 7.1Hz),3.81〜
3.62(2H,m),3.60〜3.49(2H,
m),1.90〜1.78(2H,m),1.55(3
H,s),1.25(3H,t,J=7.1Hz),
1.22(3H,t,Hz)
【0041】参考例5 化合物e(R2 =Me,R3 =t−ブチルジメチルシリ
ル,X=OEt)の合成 化合物e(R2 =Me,R3 =H,X=OEt)(3.
16g、11.3mmol)と2.6−ルチジン(1
0.96ml,94.1mmol)の無水メチレンクロ
リド(95ml)溶液に室温にて、t−ブチルジメチル
シリルトリフルオロメタンスルホン酸エステル(12.
05ml,56.3mmol)を加え、3時間攪拌し
た。反応液をエーテル(200ml)で希釈し、これを
飽和炭酸水素ナトリウム溶液(5ml×3)、水(5m
l)、飽和食塩水(5ml)の順で洗浄した。抽出分を
無水MgSO4 で乾燥後、溶媒を減圧留去し、残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。酢
酸エチル:ヘキサン(1:24〜1:9)の留出分よ
り、シリルエーテル化合物e(R2 =Me,R3 =t−
ブチルジメチルシリル、X=OEt)を収量3.64
g、収率82%で得た。
【0042】Oil,Rf=0.44(10%EtOA
c in hexane);[α]D 24+3.33°
(c1.9,CHCl3 1 HNMR(CDCl3 ) δ=4.77(1H,d,J=9.8Hz),4.61
(1H,dd,J=6.5 and 4.6Hz),
4.45(1H,d,J=9.8Hz),4.04(1
H,dd,J=6.9 and 4.9Hz),3.6
9〜3.58(2H,m),3.51〜3.43(2
H,m),1.78〜1.62(2H,m),1.21
(6H,t,J=7.1Hz),0.91(3H,
s),0.89(9H,s),0.14(3H,s),
0.13(3H,s)
【0043】参考例6 化合物f(R2 =Me,R3 =t−ブチルジメチルシリ
ル,X=OEt)の合成 環状キサンテート、化合物e(R2 =Me,R3 =t−
ブチルジメチルシリル,X=OEt)(3.51g,
8.89mmol)のメタノール(117ml)溶液を
無水炭酸カリウム(1.84g,13.3mmol)を
加え、室温にて2時間攪拌した。メターノルを減圧留去
後、酢酸エチル(80ml)、水(5ml)を加え抽出
した。酢酸エチル層を水(5ml)、飽和食塩水(5m
l)で洗浄し、無水MgSO4 で乾燥させた。溶媒を減
圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
を用い精製した。酢酸エチル:ヘキサン(1:30〜
1:19)の留出分よりエピスルフィド、化合物f(R
2 =Me,R3 =t−ブチルジメチルシリル,X=OE
t)を2.62g、収率88%で得た。
【0044】Oil,Rf=0.41(5%EtOAc
in hexane);[α]D 24−8.89°(c
1.9,CHCl3 1 HNMR(CDCl3 ) δ=4.67(1H,dd,J=8.5 and 3.
1Hz),3.67〜3.38(4H,m),3.24
(1H,dd,J=9.4 and 3.0Hz),
2.36(2H,d,J=4.9Hz),2.11〜
2.03(1H,m),1.99〜1.90(1H,
m),1.20(3H,t,J=7.1Hz),1.1
7(3H,t,J=7.1Hz),0.90(9H,
s),0.89(3H,s),0.08(2H,s),
0.06(3H,s)
【0045】参考例7 式2(R1 =Ac,R2 =Me,R3 =t−ブチルジメ
チルシリル,X=OEt)の化合物の合成 エピスルフィド、化合物f(R2 =Me,R3 =t−ブ
チルジメチルシリル,X=OEt)(1.52g,4.
54mmol)、無水酢酸カリウム(1.99g,1
9.64mmol)の酢酸(5.1ml)および無水酢
酸(5.9ml)の混合物を110℃にて1時間40分
間加熱還流させた。冷却後、エーテル(100ml)に
て希釈し、これを水(5ml×4)、飽和食塩水(5m
l)で洗浄し、無水MgSO4 で乾燥させた。溶媒およ
び酢酸を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーで精製した。酢酸エチル:ヘキサン(1:3
2〜1:19)の留出分より式2(R1 =Ac,R2
Me,R3 =t−ブチルジメチルシリル,X=OET)
の化合物をα体β体の混合物として1.18g、収率7
5%で得ることが出来た。
【0046】α:β=1:1 Oil,Rf=0.42(7.5%EtOAc in
hexane);[α]D 24 +43.1°(c2.
0,CHCl3 1 HNMR(CDCl3 ) δ=5.10(1H,dd,J=7.1 and 5.
4Hz),5.01(1H,t,J=3.4Hz),
4.40(1H,dd,J=8.5 and 6.1H
z),4.22〜4.13(2H,m),4.07(1
H,dd,J=9.9 and 6.7Hz),3.9
9〜3.87(1H,m),3.67〜3.55(2
H,m),3.32〜3.20(2H,m),2.62
(1H,dt,J=13.6 and 6.7Hz),
2.30〜2.25(1H,m),2.19〜2.10
(3H,m),2.08(6H,s),1.42(3
H,s),1.29(3H,s),1.20(3H,
t,J=7.0Hz),1.17(3H,t,J=7.
0Hz),0.89(9H,s),0.88(9H,
s),0.08(6H,s),0.06(3H,s),
0.05(3H,s)
【0047】1−(2−デオキシ−3−O−tert−
ブチルジメチルシリル−4−メチル−4−チオ−5−O
−アセチル−β−D−リボフラノシル)チミンの製造
(化合物No21)
【0048】無水アセトニトリル(6ml)に1−O−
エチル−2−デオキシ−3−O−ter−ブチルジメチ
ルシリル−4−メチル−4−チオ−5−O−アセチル−
α、β−D−リボフラノ−ス(化合物22;344m
g,0.99mmol)およびビス トリメチルシリル
チミン(534μl、1.97mmol)を加え、室温
にて、撹拌しながら、無水四塩化スズ(174μl、
1.48mmol)を加え、2時間反応を行った。その
後、反応液を氷冷し、氷冷却した飽和炭酸水素ナトリウ
ム溶液(3ml)を加え、激しく撹拌した。この混合物
をエ−テル(70mlx2)で抽出し、エ−テル層を
水、飽和食塩水で洗浄後、無水MgSO4で乾燥させ
た。エ−テルを減圧留去後、シリカゲルカラムクロマト
グラフィ−により精製し、エ−テル:メチレンクロリド
(1:19〜1:3)にて留出させ、1−(2−デオキ
シ−3−O−tert−ブチルジメチルシリル−4−メ
チル−4−チオ−5−O−アセチル−β−D−リボフラ
ノシル)チミン(化合物No21)を141mg、収率
33%、そしてα体を184mg、収率43%で得た。
【0049】1H NMR(CDCl3 ) δ= 8.79(1H,brs),7.64(1H,
d,J=1.5Hz)、6.42(1H,t,J=7.
0Hz),4.22〜4.16(3H,m),2.44
(1H,ddd,J=13.5,6.5 and 1.
4Hz),2.22〜2.15(1H,m),2.14
(3H,s),1.97(3H,d,J=1.5H
z),1.40(3H,s),0.91(9H,S),
0.09(3H,s),0.08(3H,s)
【0050】実施例 2 1−(2−デオキシ−4−メチル−4−チオ−5−O−
アセチル−β−D−リボフラノシル)チミン(化合物N
o23)の製造
【0051】実施例1で得られた化合物No21(12
0 mg,0.280mmol)をTHFおよびアセト
ニトリル(2ml)に溶解させた中に、室温にて、テト
ラブチルアンモニウムフロリド(1M THF溶液、4
50μl,1.55mmol)を加え、1時間撹拌し
た。反応液を酢酸エチル(100ml)で希釈後、水
(5ml),飽和食塩水(5ml)で洗浄した。抽出液
を無水MgSO4で乾燥後、溶媒を減圧留去し、残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィ−で精製した。酢酸
エチル:ヘキサン(2.7:1〜4:1)の留出分か
ら、78.3mgのアルコ−ル体1−(2−デオキシ−
4−メチル−4−チオ−5−O−アセチル−β−D−リ
ボフラノシル)チミン(化合物No23)を収率89%
で得た。
【0052】1H NMR(CDCl3 ) δ=8.80(1H,brs),7.95(1H,d,
J=1.2Hz), 6.46(1H,t,J=6.9H
z),4.33(1H,d,J=11.6Hz),4.
25(1H,t,J=5.0Hz),4.15(1H,
d,J=11.6Hz),2.61(1H,ddd,J
=13.9,7.0 and 5.5Hz),2.29
(1H,ddd,J=13.9,7.0 and 4.
5 Hz),2.16(3H,s),1.97(3H,
d,J=1.2 Hz),1.48(3H,s)
【0053】実施例 3 1−(2−デオキシ−4−メチル−4−チオ−β−D−
リボフラノシル)チミン(化合物No1)の製造
【0054】実施例2で得られた化合物No23(78
mg,0.248mmol)をメタノ−ル(3ml)
中、無水炭酸カリウム(103mg,0.745mmo
l)の存在下、室温にて30分間撹拌した。反応液を酢
酸エチル(100ml)で希釈後、水(3mlx2),
飽和食塩水(3ml)で洗浄後、無水MgSO4 で乾燥
させた。酢酸エチルを減圧留去後、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィ−により精製し、酢酸エチル:メタノ−
ル (100:0〜19:1)の流出分から、目的とす
る1−(2−デオキシ−4−メチル−4−チオ−β−D
−リボフラノシル)チミン(化合物No1)を50.4
mg,収率70%で得た。
【0055】Rf=0.24(100%EtoAc);
[α]D 24−17.9°(c1.0,EtOH)1 H NMR(DMSO−d6 ) δ=8.90(1H,brs),7.95(1H,
s),6.23 (1H,t,J=7.1Hz),5.
31(1H,t,J=5.5Hz),5.21(1H,
d,J=4.9Hz),4.18(1H,m),3.4
6〜3.41(2H,m),2.92〜2.21(2
H,m),1.80(3H,s),1.24(3H,
s)
【0056】実施例 4 1−(2−デオキシ−3−O−tert−ブチルジメチ
ルシリル−4−メチル−4−チオ−5−O−アセチル−
β−D−リボフラノシル)ウラシルの製造(化合物No
24)
【0057】無水アセトニトリル(9.5ml)に1−
O−エチル−2−デオキシ−3−−tert−ブチルジ
メチルシリル−4−メチル−4−チオ−5−O−アセチ
ル−α、β−D−リボフラノ−ス(500mg,1.4
3mmol)およびビス−O−トリメチルシリルウラシ
ル(774μl、2.86 mmol)を加え、室温に
し、撹拌しながら、無水四塩化スズ(252μl,2.
15mmol)を加え、20分間撹拌を続けた。反応液
を氷冷し、氷冷却した飽和炭酸水素ナトリウム溶液(4
ml)を加え、激しく撹拌した。この混合物をエ−テル
(70mlx2)で抽出した後、水(5ml)、飽和食
塩水(5ml)で洗浄した。この抽出物を無水MgSO
4 で乾燥させ、エ−テルを減圧留去後、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィ−により精製した。、酢酸エチル:
ヘキサン (3:7〜4:6)にて留出したところ、1
−(2−デオキシ−3−O−ter−ブチルヂメチルシ
リル−4−メチル−4−チオ−5−O−アセチル−β−
D−リボフラノシル)ウラシル(化合物No24)を1
43mg 、収率24%、そしてα体を220mg,
収率37%得た。
【0058】1H NMR(CDCl3 ) δ=9.21(1H,brs),7.96(1H,d,
J=8.2Hz)、6.34(1H,t,J=6.4H
z),5.78(1H,d,J=8.4Hz),4.2
0(1H,dd,J=6.1and4.4Hz),4.
15(2H,s),2.47(1H、ddd、J=1
3.6,6.7 and 6.5Hz),2.20〜
2.13(1H, m),2.12(3H,s),1.
38(3H,s),0.90(9H,s),0.06
(3H,s),0.05(3H、s)
【0059】実施例 5 1−(2−デオキシ−4−メチル−4−チオ−5−O−
アセチル−β−D−リボフラノシル)ウラシルの製造
(化合物No25)
【0060】実施例4で得られた化合物No24(15
0mg,0.362mmol)をTHF(2.5ml)
およびアセトニトリル(2.5ml)の混合溶媒に溶解
させた中に、テトラブチルアンモニウムフロリド(1M
THF溶液、577μl,1.99mmol)を加え
た。2時間半撹拌後、反応液を酢酸エチル(100m
l)で希釈し、水(5ml),飽和食塩水(5ml)で
洗浄した。抽出液を無水MgSO4で乾燥後、溶媒を減
圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−
で精製した。 酢酸エチル:ヘキサン(9:1〜10
0:0)の留出分から、目的とするアルコ−ル体1−
(2−デオキシ−4−メチル−4−チオ−5−O−アセ
チル−β−D−リボフラノシル)ウラシル(化合物No
25)を106mg、 収率98%で得た。
【0061】1H NMR(CDCl3 ) δ=7.95(1H,d,J=8.1Hz),6.36
(1H,t,J=6.3Hz),5.79(1H,d,
J=8.1Hz),4.28(1H,d,J=11.7
Hz),4.24(1H,dd,J=6.3 and
4.1Hz),4.17(1H,d,J=11.7H
z),2.64〜2.56(1H,m),2.38〜
2.25(1H,m),2.14(3H,s),1.4
7(3H,s)
【0062】実施例 6 1−(2−デオキシ−4−メチル−4−チオ−β−D−
リボフラノシル)ウラシル(化合物No9)の製造
【0063】実施例5で得られた化合物No25(90
mg,0.300mmol)をメタノ−ル(4.5m
l)に溶解させた中に、無水炭酸カリウム(120m
g)を加え、10分間撹拌した。反応液を酢酸エチル
(70ml)で希釈後、水(2ml), 飽和食塩水
(2ml)で洗浄後、無水MgSO4 で乾燥させた。酢
酸エチルを減圧留去後、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィ−により精製し、酢酸エチル:メタノ−ル(19:
1〜10:1)の間の留出分を取り、目的とする1−
(2−デオキシ−4−メチル−4−チオ−β−D−リボ
フラノシル)ウラシル(化合物No9)を70mg,収
率90%で得ることができた。
【0064】mp.191〜194℃,[α]D 24−1
1.4°(c1.0,EtoH)1 H NMR(DMSO−d6 ) δ=11.31(1H,s),8.11(1H,d,J
=8.0Hz),6.21(1H,t,J=7.0H
z),5.66(1H,d,J=8.1Hz),5.2
7(1H,t,J=5.5Hz),5.22(1H,
d,J=4.9Hz),4.16(1H,dd、J=
9.4 and 4.8Hz),3.55(1H,d
d,J=11.3 and 5.3Hz),3.45
(1H,dd,J=11.4 and 5.5 H
z),2.28(2H,dd,J=6.9 and4.
9Hz),1.24(3H、s)
【0065】実施例 7 1−(2−デオキシ−3,5−ジアセチル−4−メチル
−4−チオ−β−D−リボフラノシル)ウラシル(化合
物No26)の製造
【0066】実施例6で得られた化合物No9(100
mg,0.33mmol)を無水ピリジン(0.7m
l)に溶解させた中に、4−ジメチルアミノピリジン
(3mg)、無水酢酸(157μl,1.67mmo
l)を加え、15分間室温にて撹拌した。反応終了後、
酢酸エチル(30ml)で希釈し、5%希塩酸(5ml
x2),水(3mlx2)、飽和食塩水(5ml)の順
に洗浄し、無水MgSO4 で乾燥させた。溶媒を減圧留
去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−を用
いて精製し、酢酸エチル:ヘキサン (7:3〜9:
1)の留出分より目的とするジアセテ−ト体1−(2−
デオキシ−3,5−ジアセチル−4−メチル−4−チオ
−β−D−リボフラノシル)ウラシル(化合物No2
6)を108mg、収率95%で得た。
【0067】1H NMR(CDCl3 ) δ=7.88(1H,d,J=8.7Hz),6.46
(1H,t,J=7.3Hz),5.85(1H,d,
J=8.7Hz),5.37(1H,t,J=4.4H
z),4.21(2H,s),2.92(1H,br
s),2.65〜2.56(1H,m),2.43〜
2.34(1H,m),2.15(3H,s),2.1
4(3H,s),1.42(3H、s)
【0068】実施例 8 1−(2−デオキシ−3,5−ジアセチル−4−メチル
−4−チオ−β−D−リボフラノシル)−4−(1,
2,4−トリアゾロ)−2−オキソ(1H)−ピリミジ
ン(化合物No27)の製造
【0069】よく乾燥させた1,2,4−トリアゾ−ル
(102 mg,1.48mmol)を無水アセトニト
リル(0.4ml)に溶解させ、氷冷下オキシ塩化リン
(29μl,0.31mmol)を加えた。続いてトリ
エチルアミン(198μl,1.41mmol)を加え
た後、氷冷浴を取り除いた。この中へ、無水アセトニト
リル(1ml)に溶解させた実施施例7で得られた化合
物No26(56mg,0.164mmol)を滴下し
た。混合物を室温にて1時間半反応後、更にトリエチル
アミン(136μ,0.97mmol)、水(35m
l)を加え、10分間激しく撹拌した。溶媒を減圧留去
し、クロロホルム(50ml)を加えた。これを水(3
ml)で洗浄後、無水MgSO4 により乾燥した。クロ
ロフォルムを減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィ−により精製し、酢酸エチル:ヘキサン
(7:3〜9:1)の留出分から目的物1−(2−デオ
キシ−3,5−ジアセチル−4−メチル−4−チオ−β
−D−リボフラノシル)−4−(1,2,4−トリアゾ
ロ)−2−オキソ(1H)−ピリミジン(化合物No2
7)を46mg、収率72%で得た。
【0070】1H NMR(CDCl3 ) δ=9.27(1H,s),8.77(1H、d,J=
5.3 Hz),8.14(1H,s),7.13(1
H,d,J=7.5Hz),6.52(1H,t,J=
6.5Hz),5.36(1H,dd,J=6.2 a
nd 1.4Hz),4.24(2H,dd,J=6.
1 and 1.7Hz),2.84(1H,dt,J
=14.1 and 6.5Hz),2.44(1H,
ddd,J=14.2,6.0 and 4.6H
z),2.16(3H,s),2.15(3H,s),
1.47(3H,s)
【0071】実施例 9 1−(2−デオキシ−4−メチル−4−チオ−β−D−
リボフラノシル)シトシン(化合物No5)の製造
【0072】実施例8で得られた1−(2−デオキシ−
3,5−ジアセチル−4−メチル−4−チオ−β−D−
リボフラノシル)−4−(1,2,4−トリアゾロ)−
2−オキソ(1H)−ピリミジン(46 mg,0.1
17mmol)のジオキサン(0.35ml)溶液に濃
アンモニア水(95μl)を加え、3時間撹拌した。そ
の後、溶媒を減圧留去し、残渣にメタノ−ル性飽和アン
モニア溶液(1ml)を加え、ラバ−ストパ−を付け一
晩放置した。シリカゲルカラムクロマトグラフィ−によ
り精製し、酢酸エチル:メタノ−ル(9:1〜7:3)
の留出分を取り、これをさらにセレファデックスLH−
20の分子ふるいクロマトグラフィ−により再精製を行
った。酢酸エチル:メタノ−ル (8:2〜6:4)の
留出分より目的の1−(2−デオキシ−4−メチル−4
−チオ−β−D−リボフラノシル)シトシンを29.8
mg,収率99%で得た。
【0073】1H NMR (DMSO−d6 ) δ=7.96 (1H,d,7.5 Hz),7.07
(1H,s),7.02(1H,brs),6.18
(1H,t,J=6.6 Hz),5.67(1H,
d,J=7.5Hz),5.13(1H,t,5.6H
z)、5.08(1H,d,J=4.9Hz),4.0
6(1H,dd,J=9.4 and 4.5Hz),
3.49〜3.22(2H,m),2.20〜2.11
(2H,m),1.15(3H,s) 13C NMR(DMSO−d6 ) δ=165.4,155.6,94.6,74.1,6
8.9,63.1,59.5,42.44,42.3
9,20.6

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 [式中Bは核酸塩基誘導体であり、R1 、R3 は水素又
    は通常の水酸基の保護基を示し、R2 は炭素数1〜4の
    低級アルキル基を示す]で表される新規なチオヌクレオ
    シド誘導体又はこれら化合物の生理学的に許容される塩
  2. 【請求項2】Bがチミン、シトシン、ウラシル、アデニ
    ン、又はグアニンであり、R1 及びR3 が水素であり、
    2 がメチル、エチル、プロピル、ブチルである請求項
    1記載のチオヌクレオシド誘導体又はこれら化合物の生
    理学的に許容される塩
  3. 【請求項3】Bがチミン、シトシン又はウラシルであ
    り、R1 及びR3 が水素であり、R2 がメチルである請
    求項1記載のチオヌクレオシド誘導体又はこれら化合物
    の生理学的に許容される塩
  4. 【請求項4】一般式(2) 【化2】 [式中Xは脱離基を示し、R1 、R3 は水素又は通常の
    水酸基の保護基を示し、R2 は炭素数1〜4の低級アル
    キル基を示す]で表される化合物と核酸塩基誘導体とを
    反応させ、得られる化合物に保護基または容易に脱離す
    る置換基が存在する場合は、所望によりその保護基等を
    除去することを特徴とする一般式(1) 【化3】 [式中Bは核酸塩基誘導体であり、R1 、R3 は水素又
    は通常の水酸基の保護基を示し、R2 は炭素数1〜4の
    低級アルキル基を示す]で表される新規なチオヌクレオ
    シド誘導体の製造法
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