JPH1095539A - カード給送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カードの給送不良が低減でき、カードの給送
を１枚ずつ正確に行うことができるカード給送装置を提
供する。 【解決手段】 カード１１を繰り出す手段を、従来のピ
ックアップローラからピックアップベルト１５に変更す
ることにより、カード１１との接触方法が線接触から面
接触になり、摩擦力が従来より大きくなり、カードの手
垢や汚れ、ゴミ付着の影響でのカード給送不良を低減で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、カード状の媒体を
１枚ずつ確実に繰り出すカード給送装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来、このような分野の技術としては、
例えば、以下に示すようなものがあった。図２はかかる
従来のカード給送装置の構成図であり、図２（ａ）はそ
のカード給送装置の断面図、図２（ｂ）は図２（ａ）の
Ａ−Ａ線矢視図である。

【０００３】これらの図に示すように、従来のカード給
送装置は、カード１、カードを多数枚格納するホッパ
２、積層されたカード１を押圧する錘３、積層されたカ
ードの最下段のカードをホッパ２から送り出すピックア
ップローラ４、カード１の送り出し枚数を規制するスト
ッパ５、複数枚送り出されてきたカード１を１枚ずつに
分離する分離ローラ６とカード１をさらに前方へ搬送す
る送り出しローラ７、搬送ローラ対８ａ、８ｂとから構
成されている。

【０００４】このように、ホッパ２にカード１が多数枚
積層して格納され、この積層されたカード１の最上部に
載せた錘３により、積層されたカードの最下段のカード
１ａがピックアップローラ４に押圧される。この押圧力
により最下段のカード１ａは、図示した矢印方向に回動
するピックアップローラ４に密着し、このピックアップ
ローラ４との摩擦力でホッパ２から送り出される。この
とき複数枚のカード１がストッパ５をくぐり抜け、分離
ローラ６側へ送り出される。

【０００５】ストッパ５をくぐり抜けて分離ローラ６に
到達した複数枚のカード１の最下段のカード１ａは、ピ
ックアップローラ４と送り出しローラ７との摩擦力によ
り前方へ送り出される。ストッパ５をくぐり抜けたカー
ド１は、カード間の摩擦力で分離ローラ６側へ送り出さ
れる。ストッパ５をくぐり抜けた最下段のカード１ａ以
外のカード１は、分離ローラ６が図示しない動力により
カード１ａの搬送方向とは逆方向に回転されているの
で、分離ローラ６と接触し後方へ押し戻される。

【０００６】分離ローラ６とカード搬送の送り出しロー
ラ７は、最下段のカード１ａの厚み程度の間隙で対向配
置されているので、最下段のカード１ａは、ピックアッ
プローラ４と送り出しローラ７との摩擦力により、この
間隙の中を通過し、前方の搬送ローラ対８ａ、８ｂ側へ
送り出される。このようにして積層されたカードの最下
段のカードが、１枚ずつ順次分離給送される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のカード給送装置は、ピックアップローラとカー
ド及び送り出しローラとカードとの摩擦力でカードを搬
送するため、カードに人間の手垢等の付着物があると摩
擦力の低下が起こる。この影響でカードが滑り、正常な
カード搬送が行えないことがある。

【０００８】また“反り”を有するカードの場合、カー
ドとピックアップローラとの接触が線接触から点接触に
なり、摩擦力の低下でカードが滑り易く、カード搬送が
行えないことが起こるという問題点があった。特に、カ
ードに“反り”や“撓み”がある場合、ピックアップロ
ーラでの給送では、ピックアップローラとカードとの接
触部が極端に小となり、カードの給送不良が顕著であっ
た。

【０００９】本発明では、上記問題点を除去し、カード
の給送を確実に行うために、ピックアップベルトにより
カードとの接触面積を大きくし、また、錘がカード中央
部付近を押圧するように配設することにより、カードと
ピックアップベルトとの接触を確実にし、摩擦力を大き
くすることにより、カードの給送不良が低減でき、カー
ドの給送を１枚ずつ正確に行うことができるカード給送
装置を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、 （１）積層されたカードを最下段のカードから順次送り
出し、分離ローラでカードを１枚ずつに分離を行うカー
ド給送装置において、少なくとも１対のローラで巻回支
持されたピックアップベルトが、搬送するカードのカー
ド進行方向に平行に配設されると共に、積層されたカー
ドを押圧する錘を設けるようにしたものである。

【００１１】このように、カードを繰り出す手段を、従
来のピックアップローラからピックアップベルトに変更
することにより、カードとの接触方法が線接触から面接
触になり、摩擦力が大きくなり、カードの手垢や汚れ、
ゴミ付着の影響でのカード給送不良を低減できる。 （２）上記（１）記載のカード給送装置において、前記
錘は突出部を有し、積層されたカードの最上部のカード
に当接し、かつピックアップベルトの１対のローラと当
接する部分以外の撓み可能な部分の任意な位置で対向す
るように配設するようにしたものである。

【００１２】このように、ピックアップベルトが搬送さ
れるカード搬送方向の両側に配置されていることで、カ
ードに“反り”や“撓み”があっても、カードとピック
アップベルトの接触部は、錘の突出部がピックアップベ
ルトの中心部に加重がかかる構造であるため、ベルトと
面接触することで極端に小にならない。このようにピッ
クアップベルトとカードとの密着性が保たれ、カードの
給送を安定して行うことができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。図１は本発明の実施
例を示すカード給送装置の構成図であり、図１（ａ）は
そのカード給送装置の断面図、図１（ｂ）は図１（ａ）
のＡ−Ａ線矢視図である。これらの図に示すように、こ
のカード給送装置は、カード１１を多数枚積層し格納す
るホッパ１２、積層されたカードを下方に押圧する錘１
３、カードの送り出し枚数を規制するストッパ１４、カ
ードを給送するピックアップベルト１５、ピックアップ
ベルト１５を回動させるローラ１６ａ，１６ｂ、ストッ
パ１４をくぐり抜けたカードを１枚ずつ供給するための
分離ローラ１７、カードを前方へ送り出す送り出しロー
ラ１８、送り出しローラ１８から送り出されたカードを
前方へ搬送する搬送ローラ対１９ａ，１９ｂとから構成
されている。

【００１４】錘１３には、カードを給送する長さ方向の
幅の略中心位置に突出部が設けられており、カード送り
出し方向の垂直方向にカードを押圧する。ローラ１６
ａ，１６ｂは、カードの進行方向の長さの中心を基準に
し、カードの長さの概略１／２の位置に配設され、ピッ
クアップベルト１５がカードの概略１／２の幅にわたり
接触するように配設されている。

【００１５】また、ピックアップベルト１５ａ，１５ｂ
は、最下段のカード１１ａの走行幅に対して端部近傍の
両側に配設されている。分離ローラ１７と送り出しロー
ラ１８は、搬送するカードの厚みとほぼ同程度の間隙を
有するように配設されている。送り出しローラ１８の表
面の摩擦係数が、分離ローラの表面の摩擦係数より大き
いものとして、カードの送り出しを確実にしている。

【００１６】本発明のカード給送装置は、まず、カード
搬送用のピックアップベルト１５、送り出しローラ１
８、分離ローラ１７、搬送ローラ対１９ａ，１９ｂが図
示しない動力により、矢印方向に回転駆動される。ホッ
パ１２に積層されたカード１１は、カード１１の最上段
に載せた錘１３により、下方のピックアップベルト１５
に押圧される。すると、最下段のカード１１ａは、ピッ
クアップベルト１５との摩擦力により前方の送り出しロ
ーラ１８へ搬送される。

【００１７】最下段のカード１１ａは、中央部に突出部
を有する錘１３によってカード中心部が押下され、ピッ
クアップベルト１５との密着性を保持し、大きな摩擦力
で搬送される。このとき、カード間の摩擦力により複数
枚のカードがストッパ１４をくぐり抜け搬送ローラ対１
９ａ、１９ｂ側へ搬送される。このくぐり抜けたカード
１１は、送り出しローラ１８の搬送速度より遅い速度で
カード搬送方向に対して逆方向に回転する分離ローラ１
７に到達する。

【００１８】この分離ローラ１７に到達したカードのう
ち最下段のカード１１ａ以外は、逆回転する分離ローラ
１７により後方へ押し戻される。従って、送り出しロー
ラ１８と最下段のカード１１ａとの摩擦力を、逆回転す
る分離ローラ１７と最下段のカード１１ａとの摩擦力よ
り大きく設定する構成により、最下段のカード１１ａの
みがカードの厚み幅の間隙の中を、送り出しローラ１８
との摩擦力により通過し、搬送ローラ対１９ａ，１９ｂ
側へ送り出される。同様にして、ホッパ１２に積層され
たカードの最下段のカード１１ａが１枚ずつ順次分離給
送される。

【００１９】上記したように、カードを繰り出す手段
を、従来のピックアップローラからピックアップベルト
に変更することにより、カードとの接触方法が線接触か
ら面接触になり、摩擦力が従来より大きくなり、カード
の手垢や汚れ、ゴミ付着の影響でのカード給送不良を低
減できる。また、ピックアップベルトを搬送されるカー
ド搬送方向の両側に配置することにより、カードに“反
り”や“撓み”があっても、カードとピックアップベル
トの接触部は、錘の突出部がピックアップベルトの中心
部に加重がかかる構造となるため、ベルトと面接触する
ことになり接触部が極端に小にならない。このようにピ
ックアップベルトとカードとの密着性は保たれ、カード
の給送を安定して行うことが可能となるという効果があ
る。

【００２０】本発明は、更に以下のような利用形態を有
する。本発明の実施例では、ピックアップベルトがカー
ドの両端近傍部の２箇所に配設された例で説明を行った
が、２箇所以上複数個のピックアップベルト、あるいは
中央部に１箇所のピックアップベルトを配設しても、同
様な効果が得られることは言うまでもない。

【００２１】また、錘１３の突出部は、前記実施例で示
した例の他に、ピックアップベルト１５のローラ１６
ａ、１６ｂと当接する部分以外の撓み可能な部分の任意
な位置で対向するように配設しても良い。錘１３のカー
ドと当接する部分は、前記例の突出部の他に、ある任意
の幅を有しカードを押圧するような構造でも良い。

【００２２】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能
であり、これらを本発明の範囲から排除するものではな
い。

【００２３】

【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、次のような効果を奏することができる。 （１）請求項１記載の発明によれば、カードを繰り出す
手段を、従来のピックアップローラからピックアップベ
ルトに変更することにより、カードとの接触方法が線接
触から面接触になり、摩擦力が従来より大きくなり、カ
ードの手垢や汚れ、ゴミ付着の影響でのカード給送不良
を低減できる。

【００２４】（２）請求項２記載の発明によれば、ピッ
クアップベルトを搬送されるカード搬送方向の両側に配
置することにより、カードに“反り”や“撓み”があっ
ても、カードとピックアップベルトの接触部は、錘の突
出部がピックアップベルトの中心部に加重がかかる構造
であるため、ベルトと面接触することで接触部が極端に
小にならない。したがって、ピックアップベルトとカー
ドとの密着性は保たれ、カードの給送を安定して行うこ
とが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示すカード給送装置の構成図
である。

【図２】従来のカード給送装置の構成図である。

【符号の説明】

１１ カード １１ａ 最下段のカード １２ ホッパ １３ 錘 １４ ストッパ １５，１５ａ，１５ｂ ピックアップベルト １６ａ，１６ｂ ローラ １７ 分離ローラ １８ 送り出しローラ １９ａ，１９ｂ 搬送ローラ対

フロントページの続き (72)発明者 加藤 博代 東京都港区虎ノ門１丁目７番12号 沖電気 工業株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 積層されたカードを最下段のカードから
   順次送り出し、分離ローラでカードを１枚ずつに分離を
   行うカード給送装置において、 少なくとも１対のローラで巻回支持されたピックアップ
   ベルトが搬送するカードのカード進行方向に平行に配設
   されると共に、積層されたカードを押圧する錘を具備す
   ることを特徴とするカード給送装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載のカード給送装置におい
   て、前記錘は突出部を有し、積層されたカードの最上部
   のカードに当接し、かつピックアップベルトの１対のロ
   ーラと当接する部分以外の撓み可能な部分の任意な位置
   で対向するように配設することを特徴とするカード給送
   装置。