JPH1089460A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JPH1089460A
JPH1089460A JP24828296A JP24828296A JPH1089460A JP H1089460 A JPH1089460 A JP H1089460A JP 24828296 A JP24828296 A JP 24828296A JP 24828296 A JP24828296 A JP 24828296A JP H1089460 A JPH1089460 A JP H1089460A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動変速もードと手動変速モードとを選択可能
な場合に、少なくとも手動変速モードでの旋回走行時の
シフト動作を適切に制御する。 【解決手段】セレクトレバーでオートモードが選択され
ているときには横加速度検出値G及び車速検出値Vをも
とに制御マップを参照してシフト許可か禁止かを判定し
てオート許可フラグFAPをシフト許可を表す“1”又は
禁止を表す“0”に設定し、これが“1”であるときに
自動変速制御を行い、“0”のときにはシフトを禁止す
る。また、マニュアルモードが選択されているときに
は、横加速度検出値G及び車速検出値Vをもとに制御マ
ップを参照してシフト許可か禁止かを判定してマニュア
ル許可フラグFMPをシフト許可を表す“1”又は禁止を
表す“0”に設定し、これが“1”であるときにアップ
シフト及びダウンシフトを許容し、“0”であるときに
警告信号ARを送出して運転者に報知する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行状態に基づい
て自動変速を行うオートモードと手動操作に基づいて変
速を行うマニュアルモードとを選択可能な自動変速機の
変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動変速機の変速制御装置として
は、例えば特開平2−125174号公報に記載されて
いるものがある。
【0003】この従来例は、通常の自動変速機に備えら
れているシフト装置に、アップシフト信号を出力するプ
ラス−センサとダウンシフト信号を出力するマイナス−
センサを有するマニュアルシフト機能を付加し、シフト
レバーを通常走行を選択するDレンジ位置からマニュア
ルシフト位置に移動し、ここでプラス−センサを動作さ
せることにより、変速機の変速段を1速分だけ高速側に
シフトアップし、逆にマイナス−センサを動作させるこ
とにより、変速段を1速分だけ低速側にシフトダウンす
るように構成されている。
【0004】ここで、手動で要請されるシフトアップ
は、内燃機関の回転数が次に高いギヤ変速段の最小回転
数を下回らないときのみに実行され、それ以外の場合に
は禁止され、シフトダウンは、次に低いギヤ変速段の機
関回転数が内燃機関の最大回転数を上回ることとなると
きに抑制され、それ以外の場合には許容される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の自動変速機の変速制御装置にあっては、Dレンジを
選択してオートモードで走行している状態で、マニュア
ルモードに切換えてアップシフト又はダウンシフトを行
うことができ、運転者の意図に応じた変速段を選択する
ことができる利点があるが、運転者の意図に従ってむや
みにアップシフト又はダウンシフトを許容するとトルク
変動乃至は速度変動による走行安定性に影響を与えるこ
とがあるという未解決の課題がある。
【0006】この未解決の課題を解決するためには、例
えば特公昭48−9729号公報に記載されているよう
に、曲り角検出装置を用いて、例えばハンドルの回動又
は車両の横加速度が予め設定した値以上となったとき
に、旋回走行状態と判断して変速を禁止したり、実開昭
60−157330号公報に記載されているように、操
舵角検出手段の出力信号が設定値以上のときシフトチェ
ンジを無効にする制御手段を設けることが考えられる
が、この場合には、車両の所定の旋回走行状態で、運転
者の意図しているシフトアップ又はシフトダウンが禁止
されることになり、運転者の意思が無視される割合が多
くなり、マニュアルモードを設けた意味合いが薄まると
いう新たな課題が生じる。
【0007】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、少なくともマニュ
アルモード時でのシフトアップ又はシフトダウンの禁止
を車両の走行状態に応じて適確に設定して、運転者の意
図する変速をできるかぎり許容することができる自動変
速機の変速制御装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、走行状態に基づいて自動的
に変速段を設定する自動変速手段と、手動操作で選択さ
れた変速段を設定する手動変速手段とを選択可能な自動
変速機の変速制御装置において、前記自動変速手段及び
手動変速手段で設定された変速段にシフトするシフト制
御手段と、車両の旋回走行状態を検出する旋回走行状態
検出手段と、該旋回走行状態検出手段の旋回走行状態検
出値をもとに予め設定された制御マップを参照してシフ
トを許可するか禁止するかを判定するシフト許可判定手
段と、該シフト許可判定手段の判定結果がシフト禁止で
あるときに前記シフト制御手段のシフトを禁止するシフ
ト禁止手段とを備えたことを特徴としている。
【0009】この請求項1の発明においては、シフト許
可判定手段て旋回走行状態検出手段の旋回走行状態検出
値をもとに制御マップを参照してシフトを許可するか禁
止するかを判定するので、制御マップを旋回走行状態に
応じてきめ細かく設定することにより、シフトを許可す
るか禁止するかを車両の旋回走行状態に応じてきめ細か
に判定することが可能となり、手動変速手段での運転者
の意図に応じた最適な変速制御を行うことができると共
に、自動変速手段での変速制御においても最適な変速制
御を行うことができる。
【0010】また、請求項2に係る発明は、請求項1の
発明において、前記旋回走行状態検出手段は、車速を検
出する車速検出手段と、操舵角を検出する操舵角検出手
段とで構成されていることを特徴としている。
【0011】この請求項2の発明においては、車速検出
手段と操舵角検出手段との安価な検出手段を用いて容易
に旋回走行状態を検出することができる。さらに、請求
項3に係る発明は、請求項1の発明において、前記旋回
走行状態検出手段は、車速を検出する車速検出手段と、
車両に生じる横加速度を検出する横加速度検出手段とで
構成されていることを特徴としている。
【0012】この請求項3の発明においては、横加速度
検出手段で車両に実際に生じる横加速度を検出するの
で、旋回走行状態をより正確に検出することができる。
さらにまた、請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の
発明において、前記シフト許可判定手段は、手動変速手
段が選択されているときに、前記制御マップが車速検出
手段の車速検出値が低車速域であるときに操舵状態閾値
が高い値に設定され、この低車速域から車速検出値の増
加に応じて徐々に操舵状態閾値が小さい値に設定された
構成を有し、操舵状態検出値が該当車速検出値での操舵
状態閾値以下であるときにシフトを許可するように設定
されていることを特徴としている。
【0013】この請求項4の発明においては、低車速走
行状態では、操舵状態検出手段の操舵状態検出値が比較
的大きい値であってもシフトアップ又はシフトダウンが
許容されるが、これより車速が増加するにつれてシフト
アップ又はシフトダウンが許容される操舵状態検出値の
閾値が小さくなることにより、シフト許容範囲が狭ま
り、シフトアップ又はシフトダウンが抑制される。
【0014】なおさらに、請求項5に係る発明は、請求
項1乃至3の発明において、前記シフト許可判定手段
は、自動変速手段が選択されているときに、前記制御マ
ップが車速検出手段の車速検出値が低車速域であるとき
に操舵状態閾値が高い値に設定され、この低車速域から
車速検出値が増加したときに操舵状態閾値が中間値に設
定され、以後車速検出値の増加に応じて徐々に操舵状態
閾値が小さい値に設定された構成を有し、操舵状態検出
値が該当車速検出値での操舵状態閾値以下であるときに
シフトを許可するように設定されていることを特徴とし
ている。
【0015】この請求項5の発明においては、上記請求
項4の発明における手動変速手段が選択されているとき
の制御マップに比較して自動変速手段が選択されている
ときの制御マップの方がシフト許可領域が狭くなって、
自動変速時にシフト禁止し易くなり、運転者の意図しな
い特にシフトダウンによる駆動トルク変動を抑制して走
行安定性を確保することができる。
【0016】また、請求項6に係る発明は、請求項1乃
至5の発明において、前記シフト許可判定手段は、ダウ
ンシフト時のみシフトを許可するか禁止するかの判定を
行ない、前記シフト禁止手段は前記シフト許可判定手段
の判定結果がシフト禁止であるときにシフト制御手段の
ダウンシフトを禁止するように構成されていることを特
徴としている。
【0017】この請求項6の発明においては、旋回走行
時にアップシフトについては全て許可するが、ダウンシ
フトについてはシフト許可判定手段でシフトを許可する
か禁止するかを判定するので、運転者の意図するシフト
範囲をより広げることができる。
【0018】さらに、請求項7に係る発明は、請求項1
乃至6の発明において、前記シフト禁止手段は、シフト
制御手段のシフトを禁止する際にこれを運転者に報知す
る報知手段を有することを特徴としている。
【0019】この請求項7の発明においては、シフト禁
止手段でシフトを禁止する際に報知手段で運転者に報知
するので、限界走行状態であることを運転者に認識させ
ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態を示
す概略構成図であり、エンジン1の出力側に自動変速機
2が接続されている。
【0021】自動変速機2は、エンジン1の出力側に接
続されたロックアップピストンを内蔵したトルクコンバ
ータTCと、このトルクコンバータTCの出力側に接続
された変速機構TMとで構成されている。
【0022】そして、自動変速機2の変速態様はセレク
ト機構4によって選択される。このセレクト機構4は、
図2に示すように、通常のパーキングレンジ“P”、リ
バースレンジ“R”、ニュートラルレンジ“N”、ドラ
イブレンジ“D”、セカンドレンジ“2”及びファース
トレンジ“1”をその順で車両前後方向に1列に配置し
たセレクトレバー4aを案内する主案内路4bと、この
主案内路4bにおけるドライブレンジ“D”に対応する
位置を中心として、主案内路4bと平行に配設されたア
ップシフトレンジ“+”及びダウンシフトレンジ“−”
を有する副案内路4cと、前記ドライブレンジ“D”に
対応する位置で前記主案内路4b及び副案内路4cを連
通する連通路4dとを備えている。
【0023】ここで、セレクトレバー4aは、図3に示
すように、下端部が二股状に形成され、この二股状部が
ケース体4eに左右方向に延長して回動自在に支持され
た回動軸4fに前後方向面内で回動可能に取付けられた
回動支持部材4gの回動軸4fの下側に前後方向に貫通
支持された回動軸4hに回動可能に支持されて、回動軸
4fを支点として主案内路4b及び副案内路4cに沿っ
て前後方向に回動し、且つ回動軸4hを支点として連通
路4dに沿って左右方向に回動可能に支持されている。
【0024】そして、セレクトレバー4aは、主案内路
4bに案内されている状態で、自身に配設された係合突
起4iが回動軸4fに形成された2面幅に係合して一体
に回動する回動レバー4jの係合溝4kに係合すること
により、回動軸4fを一体に回動させるが、そのドライ
ブレンジ“D”で回動軸4hを支点として時計方向に回
動させて、連通路4dを介して副案内路4c側に移動さ
せると、係合突起4iと係合溝4kとの係合状態が解除
されると共に、セレクトレバー4aの軸部が副案内路4
cに沿って対向配設されたスイッチ作動杆4m,4n間
に係合し、この状態で前後方向に回動させることによ
り、スイッチ作動杆4m(又は4n)を介し、さらにリ
ターンスプリング4o(又は4p)を介してアップシフ
トスイッチ5(又はダウンシフトスイッチ6)がオン状
態となる。
【0025】一方、回動軸4fには、その軸端に取付け
られた操作レバー4rがリンク4sを介して自動変速機
2に取付けられたインヒビタースイッチ7に連結され、
このインヒビタースイッチ7によって主案内路4bに形
成された各レンジ“P”、“R”、“N”、“D”、
“2”及び“1”に対応するスイッチ信号が出力され
る。
【0026】さらに、連通路4cには、セレクトレバー
4aが主案内路4b側から副案内路4c側に通過したと
きにオン状態となり、逆に通過したときにオフ状態とな
るマニュアル操作状態であるか否かを検出するマニュア
ルモードスイッチ8が配設されている。
【0027】さらにまた、回動レバー4jには、これを
ドライブレンジ“D”位置でロックするセレクトロック
ソレノイド9が配設されている。なおさらに、セレクト
レバー4aには、その下端側と回動支持部材4gとの間
にリターンスプリング4tが介装され、このリターンス
プリング4tによって主案内路4b側に付勢され、その
付勢位置が回動支持部材4gに突設されたストッパ部4
uに当接することにより規制されている。
【0028】また、自動変速機2の変速段は、図1に示
すように、その下部側に設けられたコントロールバルブ
ユニット10内に設けられた各種コントロールバルブを
制御するシフトソレノイドSSA ,SSB 、オーバーラ
ンクラッチソレノイドOS、ロックアップソレノイドR
Sとコントロールバルブユニット4内のライン圧を制御
するライン圧ソレノイドLSとによって切換え制御され
る。
【0029】ここで、シフトソレノイドSSA,SS
B は、後述するコントローラ11からの制御信号によっ
て自動変速機2の変速段即ち車両走行状態に応じた変速
点ギヤ位置を制御するものであり、ギヤ位置が両シフト
ソレノイドSSA,SSB がオン状態(通電状態)である
ときには1速位置となり、シフトソレノイドSSA がオ
フ状態(非通電状態)でシフトソレノイドSSB がオン
状態であるときには2速位置となり、両シフトソレノイ
ドSSA,SSB がオフ状態であるときには3速位置とな
り、シフトソレノイドSSA がオン状態でシフトソレノ
イドSSB がオフ状態であるときには4速状態となる。
【0030】また、オーバーランソレノイドOSは、同
様にコントローラ11からの制御信号によって車両走行
状態に応じたエンジンブレーキ効果を制御する。さら
に、ロックアップソレノイドRSは、同様にコントロー
ラ11からの制御信号によってデューティ制御され、こ
れによってロックアップコントロールバルブに供給する
パイロット圧を制御し、ロックアップ圧を調整する。
【0031】さらにまた、ライン圧ソレノイドLSは、
同様にコントローラ11からの制御信号によってデュー
ティ制御され、これによってプレッシャーモデファイヤ
バルブに供給するパイロット圧を制御し、コントロール
バルブユニット10内のポンプの吐出圧を車両走行状態
に応じたライン圧に調圧する。
【0032】そして、これら各ソレノイドSSA,
B 、OS、RS及びLSがコントローラ11によって
電気的に制御される。コントローラ11は、例えばマイ
クロコンピュータを含んで構成されており、その入力側
にはエンジン1に取付けたスロットルバルブ開度及び開
速度を検知するスロットルセンサ12、このスロットル
センサ12の異常時にスロットルバルブが全閉状態であ
ることを検知するアイドルスイッチ13、同様にスロッ
トルセンサ12の異常時にスロットルバルブが約1/2
開度以上であることを検知するフルスロットルスイッチ
14及びエンジン回転を検知するエンジン回転数検出手
段としてのエンジン回転センサ15が接続されている。
【0033】また、コントローラ11の入力側には、セ
レクトレバー4に関連するアップシフトスイッチ5、ダ
ウンシフトスイッチ6、インヒビタースイッチ7及びマ
ニュアルモードスイッチ8が接続され、さらに自動変速
機2のミッションオイルの温度を検知する油温センサ1
6、自動変速機2の出力軸の回転から車速を検知する車
速センサ17が接続されている。
【0034】さらに、コントローラ11の入力側には、
スロットルセンサ12の異常時にアクセルペダルが全開
であることを検知するキックダウンスイッチ18、運転
者がパワーモード及びオートモードの何れを選択してい
るかを検知するパワーシフトスイッチ19、車速センサ
17の異常時の代替え用のスピードメータに内蔵された
車速センサ20及び車両に生じる横加速度を検出する横
加速度検出手段としての横加速度センサ21が接続さ
れ、且つバッテリーから所定の電源電圧が印加されてい
る。
【0035】一方、コントローラ11の出力側には、前
述した自動変速機2の変速段即ちギヤ位置を制御するシ
フトソレノイドSSA 及びSSB 、自動変速機2のエン
ジンブレーキ効果を制御するオーバーランソレノイドO
S、ロックアップ圧を制御するロックアップソレノイド
RS及びライン圧ソレノイドLSが接続されている。こ
こで、ライン圧ソレノイドLSにはそのニードル弁始動
時には直接大電流を供給するが、始動後はドロッピング
レジスタDRを介して小電流を供給する。
【0036】そして、コントローラ11ではこれに含ま
れるマイクロコンピュータで、主にスロットルセンサ1
2のスロットル開度検出値をもとに予め設定されたスロ
ットル開度とライン圧との関係を示すライン圧制御マッ
プを参照してライン圧を設定するライン圧制御処理、パ
ワーシフトスイッチ19でオート及びパワーの何れが選
択されているかに応じて車速とスロットル開度に基づい
て変速ギヤ位置を設定する通常の経済走行に適したエコ
ノミーパターンと登坂時や加速時に適したパワーパター
ンとの2種類の走行パターンを選択するシフトパターン
制御処理、パワーシフトスイッチ19でオートが選択さ
れ、且つドライブレンジ“D”での4速走行時で設定車
速以上であるときにロックアップソレノイドのデューテ
ィ比のオフ時間を短くしてトルクコンバータ2内のロッ
クアップピストンを締結することにより、トルクコンバ
ータ2の滑りをなくすロックアップ制御処理、自動変速
機2内のフォワードワンウェイクラッチの空転を防止し
てエンジンブレーキを作用させるエンジンブレーキ制御
処理及び車速とスロットル開度に基づいて予め設定され
た変速特性制御マップを参照してシフトソレノイドSS
A,SSB を制御することにより変速段即ちギヤ位置を制
御する変速制御処理を実行する。
【0037】ここで、ライン圧制御処理、シフトパター
ン制御処理、ロックアップ制御処理及びエンジンブレー
キ制御処理については、通常の自動変速機の変速制御装
置と同様の制御を行っているので、これらについての詳
細説明は省略する。
【0038】変速制御処理は、図4に示すように、マニ
ュアルモードスイッチ8がオフ状態であるときには、横
加速度検出値G及び車速検出値Vをもとに予め設定され
た制御マップを参照してオート許可フラグFAPを設定
し、このフラグFAPがシフトを許可する“1”に設定さ
れているときには通常の変速特性制御マップを参照して
ギヤ位置を設定し、これに応じてシフトソレノイドSS
A,SSB のオン・オフ状態を制御することにより、設定
されたギヤ位置に自動変速機2を変速制御する通常変速
制御処理を行い、フラグFAPが“0”に設定されている
ときには、シフトを禁止し、マニュアルモードスイッチ
8がオン状態であるときには、横加速度検出値G及び車
速検出値Vをもとに予め設定された制御マップを参照し
てマニュアル許可フラグFMPを設定し、アップシフト又
はダウンシフト要求時にマニュアル許可フラグFMPがシ
フトを許可する“1”に設定されているときには、アッ
プシフト又はダウンシフトを許可し、フラグFMP
“0”に設定されているときには、警告信号ARを出力
して警告回路22で運転者に対して警報を発するマニュ
アル変速制御処理を行う。
【0039】次に、上記実施形態の動作をコントローラ
11に含まれるマイクロコンピュータの変速制御処理手
順を示す図4を伴って説明する。この変速制御処理は、
例えば10msec毎のタイマ割込処理として実行さ
れ、先ず、ステップS1で車速センサ17の車速検出値
V及び横加速度センサ21の横加速度検出値Gを読込
み、次いでステップS2に移行してマニュアルモードス
イッチ8のスイッチ信号がオン状態であるか否かを判定
する。
【0040】この判定は、セレクトレバー4aが主案内
部4bで案内されているオート変速モードから副案内部
4cで案内されるマニュアル変速モードに変更されたか
否かを判定するものであり、スイッチ信号がオフ状態で
あるときには、オート変速モードであると判断してステ
ップS3aに移行し、セレクトロックソレノイド9に対
する所定値の電流の通電を停止してこれを非作動状態と
することにより、回動レバー4j及び回動軸4fの回動
を許容してからステップS3bに移行し、ステップS1
で読込んだ車速検出値V及び横加速度検出値Gをもとに
図5に示すオート許可制御マップを参照してオート許可
フラグFAPをシフト許可を表す“1”又はシフト禁止を
表す“0”に設定する。
【0041】ここで、図5のオート許可制御マップは、
横軸に車速Vを縦軸に横加速度検出値Gを夫々とり、シ
フトを許可するオート許可フラグFAPを“1”にセット
する領域と、シフトを禁止するオート許可フラグFAP
“0”にリセットする領域とが閾値特性線LA によって
区画されている。
【0042】すなわち、閾値特性線LA は、車速検出値
Vが低い低車速設定値VL に達するまでの間は横加速度
検出値Gが比較的大きい一定値GH を維持する線分LA1
と、車速検出値Vが低車速設定値VLAに達したときに設
定値GM1まで急激に低下する線分LA2と、車速検出値V
が低車速設定値VLAより増加すると、車速検出値Vの増
加に応じて比較的急な右下がりの勾配で低下する線分L
A3と、車速検出値Vが中車速設定値VMAを越えると線分
A3より勾配が緩やかな線分LA4と、車速検出値Vが高
速設定値VHAを越えると線分LA2よりも急峻な勾配で低
下する線分LA5とで形成され、車速検出値Vと横加速度
検出値Gとが横軸及び縦軸と閾値特性線LA とで囲まれ
る領域内にあるときに、シフトを許可するオート許可フ
ラグFAPを“1”にセットし、それ以外の領域にあると
きにオート許可フラグFAPを“0”にリセットする。
【0043】次いで、ステップS4に移行して、上記ス
テップS3bで設定されたオート許可フラグFAP
“1”にセットされているか否かを判定し、これが
“0”であるときには直接ステップS6にジャンプし、
“1”であるときには、ステップS5に移行して、通常
自動変速制御処理を実行してからステップS6に移行す
る。
【0044】この通常自動変速制御処理は、インヒビタ
ースイッチ7からのレンジ位置に応じたスイッチ信号に
基づいて該当するレンジに対応するシフトパターン制御
マップを選択し、選択されたシフトパターン制御マップ
が“D”レンジ用制御マップであるときには前述したシ
フトパターン制御処理で選択されたエコノミーパターン
及びパワーパターンの変速制御マップの何れかを参照す
ることにより、スロットルセンサ12のスロットル開度
検出値及び車速センサ19の車速検出値をもとにその走
行条件に合致したギヤ位置GPを求め、求めたギヤ位置
GPを内蔵メモリの予め設定されたギヤ位置記憶領域に
更新記憶すると共に、エンジン回転数N E を監視し、こ
れが予め設定された過回転数NOVを越えたときには現在
のギヤ位置GPに“1”を加算した値を新たなギヤ位置
GPとして算出し、これをギヤ位置記憶領域に更新記憶
する。
【0045】ステップS6では、内蔵メモリのギヤ位置
記憶領域に記憶されているギヤ位置GPを読込み、この
ギヤ位置GPに応じたシフトソレノイドSSA,SSB
対する制御信号のオン・オフ状態を設定し、設定された
制御信号をシフトソレノイドSSA,SSB に出力してか
らタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに
復帰する。
【0046】一方、ステップS2の判定結果がマニュア
ルモードスイッチ8のスイッチ信号がオン状態であると
きには、セレクトレバー4aが連通路4dを介して副案
内部4c側に移動されてマニュアルモードが選択された
ものと判断してステップS7に移行する。
【0047】このステップS7では、セレクトロックソ
レノイド9に所定値の電流を通電してこれを作動状態と
することにより、回動レバー4j及び回動軸4fの回動
を阻止し、インヒビタースイッチ7のスイッチ信号をド
ライブレンジ“D”に相当するスイッチ信号に固定して
からステップS8に移行する。
【0048】このステップS8では、ステップS1で読
込んだ車速検出値V及び横加速度検出値Gをもとに図6
に示すマニュアル許可制御マップを参照してマニュアル
許可フラグFMPを設定する。
【0049】ここで、図6のマニュアル許可制御マップ
は、横軸に車速Vを縦軸に横加速度検出値Gを夫々と
り、シフトを許可するマニュアル許可フラグFMP
“1”にセットする領域と、シフトを禁止するマニュア
ル許可フラグFMPを“0”にリセットする領域とが閾値
特性線LM によって区画されている。
【0050】すなわち、閾値特性線Lは、車速検出値V
が前述したオート許可制御マップにおける低い低車速設
定値VL よりは高い低車速設定値VL1 に達するまでの
間は横加速度検出値Gが比較的大きい一定値GH を維持
する線分LM1と、車速検出値Vが低車速設定値VL1より
増加すると、車速検出値Vの増加に応じて比較的急な右
下がりの勾配で低下する線分LM2と、車速検出値Vが中
車速設定値VMMを越えると線分LM2より勾配が緩やかな
線分LM3と、車速検出値Vが高速設定値VH に達したと
きに“0”となる線分LM4とで形成され、車速検出値V
と横加速度検出値Gとが横軸及び縦軸と閾値特性線LM
とで囲まれる領域内にあるときに、シフトを許可するオ
ート許可フラグFAPを“1”にセットし、それ以外の領
域にあるときにオート許可フラグFAPを“0”にリセッ
トする。
【0051】次いでステップS9に移行して、運転者の
意図するシフト要求があったか否かを判定する。この判
定は、アップシフトスイッチ5又はダウンシフトスイッ
チ6のスイッチ信号がオン状態となっているか否かを判
定することにより行い、両スイッチ5,6のスイッチ信
号が共にオフ状態であるときには、シフト要求が行われ
ていないものと判断してそのまま前記ステップS6に移
行し、何れかのスイッチ信号がオン状態であるときに
は、シフト要求があったものと判断してステップS10
に移行する。
【0052】このステップS10では、前記ステップS
8で設定したマニュアル許可フラグFMPが“1”にセッ
トされているか否かを判定し、これが“0”にリセット
されているときには、シフト動作を禁止するものと判断
してステップS11に移行し、警告回路22に警告信号
ARを所定時間出力して、シフト禁止状態にあることを
運転者に報知してからタイマ割込処理を終了して所定の
メインプログラムに復帰する。
【0053】一方、ステップS10の判定結果が、マニ
ュアル許可フラグFMPが“1”にセットされているもの
であるときには、ステップS12に移行して、シフト要
求がアップシフト要求であるか否かを判定する。この判
定は、アップシフトスイッチ5のスイッチ信号がオン状
態であるかダウンシフトスイッチ6のスイッチ信号がオ
ン状態であるかを判定することにより行い、アップシフ
トスイッチ5のスイッチ信号がオン状態であるときには
アップシフト要求であるものと判断してステップS13
に移行して、ギヤ位置記憶領域に記憶されている現在の
ギヤ位置GPを読出し、これに“1”を加算した値を新
たなギヤ位置GPとし、これをギヤ位置記憶領域に更新
記憶してから前記ステップS6に移行し、ダウンシフト
スイッチ6のスイッチ信号がオン状態であるときにはダ
ウンシフト要求であるものと判断してステップS14に
移行して、ギヤ位置記憶領域に記憶されている現在のギ
ヤ位置GPを読出し、これから“1”を減算した値を新
たなギヤ位置GPとし、これをギヤ位置記憶領域に更新
記憶してから前記ステップS6に移行する。
【0054】この図4の変速制御処理において、ステッ
プS5の処理が自動変速手段に対応し、ステップS2、
ステップS7,S9,S12〜S14の処理が手動変速
手段に対応し、ステップS4及びS10の処理がシフト
禁止手段に対応し、ステップS3b及びS8の処理がシ
フト許可判定手段に対応している。
【0055】したがって、今、車両がセレクトレバー4
aでドライブレンジ“D”を選択して、直進走行してい
るものとすると、この直進走行状態では、図4の変速制
御処理が実行されたときに、ステップS1で読込んだ横
加速度検出値Gが略“0”でとなっていると共に、マニ
ュアルモードスイッチ8がオフ状態であるので、ステッ
プS2からステップS3aに移行してセレクトロックソ
レノイド9を非作動状態としてからステップS3bに移
行する。このとき、横加速度検出値Gが略“0”である
ので、図5のオート許可制御マップを参照したときに、
オート許可フラグFAPがシフトを許可する“1”に設定
されることにより、ステップS4を経てステップS5に
移行して、現在の車速センサ17の車速検出値Vとスロ
ットルセンサ12のスロットル開度検出値THとをもと
に変速制御マップを参照してギヤ位置GPを設定し、こ
れをギヤ位置記憶領域に更新記憶してからステップS6
に移行する。
【0056】このため、ステップS6では、自動変速機
2の変速歯車機構TMがギヤ位置記憶領域に更新記憶さ
れたギヤ位置GPに応じたギヤ位置となるようにシフト
ソレノイドSSA,SSB の制御信号をオン・オフ制御す
る。例えばギヤ位置GPが4速であるときには、シフト
ソレノイドSSA に対する制御信号CSAをオン状態とす
ると共に、シフトソレノイドSSB に対する制御信号C
SBをオフ状態として変速歯車機構TMのギヤ位置を4速
に制御する。
【0057】このドライブレンジ“D”での4速直進走
行中に、例えば他の車両の追い越しを行うために急加速
したいときには、セレクトレバー4aを回動軸4hを支
点として図3で見て時計方向にリターンスプリング4t
に抗して回動させて、連通路4dを介して副案内路4c
側に移動させることによりマニュアルモードスイッチ8
をオン状態とし、この状態でセレクトレバー4aを回動
軸4fを支点として後方側に回動させて、スイッチ作動
杆4nを介してダウンシフトスイッチ6をオン状態とす
る。
【0058】このため、図4の変速制御処理が実行され
るタイミングで、マニュアルモードスイッチ8がオン状
態であることにより、ステップS2からステップS7に
移行し、セレクトロックソレノイド9を作動状態とし
て、回動レバー4jをロック状態とし、インヒビタース
イッチ7をドライブレンジ“D”に対応するスイッチ信
号が出力されている状態にロックする。
【0059】次いで、ステップS8に移行して、マニュ
アル許可制御マップを参照するが、直進走行状態であっ
て、横加速度検出値Gが略“0”であることにより、マ
ニュアル許可フラグFMPをシフトを許可する“1”に設
定し、シフト要求があるので、ステップS10に移行し
て、マニュアル許可フラグFMPが“1”にセットされて
いるので、ステップS12に移行し、ダウンシフトスイ
ッチ6のスイッチ信号がオン状態であるので、ステップ
S14に移行して、現在のギヤ位置GP(=4)から1
速分を減算した値GP=3を算出し、これをギヤ位置記
憶領域に更新記憶してステップS6に移行して、ギヤ位
置記憶領域に記憶されている3速を表すギヤ位置GPに
応じてシフトソレノイドSSA 及びSSB に対する制御
信号CSA , SBをオフ状態とする。
【0060】このため、シフトソレノイドSSA 及びS
B が共に非通電状態となって、自動変速機2における
変速歯車機構TMのギヤ位置が3速にシフトダウンさ
れ、追い越しに必要な急加速状態を得ることができる。
【0061】同様に、下り坂走行状態となって、一時的
にエンジンブレーキを必要とする場合にも、セレクトレ
バー4aでシフトダウンスイッチ6をオン状態とするこ
とにより、所望のギヤ位置GPにシフトダウンさせるこ
とができる。
【0062】その後、急加速状態を終えて通常走行状態
に戻るか又は下り坂走行状態を終えて平地走行状態に戻
って、アップシフトしたいときには、セレクトレバー4
aでアップシフトスイッチ5をオン状態とすることによ
り、直進走行状態を継続していることから、マニュアル
許可フラグFMPは“1”にセットされた状態を継続する
ため、ステップS9,S10を経てステップS12から
ステップS13に移行して、ギヤ位置記憶領域に記憶さ
れているギヤ位置GP(=3)を読出し、これに“1”
を加算した値を新たなギヤ位置GP(=4)とし、これ
を所定記憶領域に更新記憶してからステップS6に移行
する。
【0063】このため、ギヤ位置記憶領域に記憶されて
いるギヤ位置GP(=4)に応じたオン状態の制御信号
SA及びオフ状態の制御信号CSBを夫々シフトソレノイ
ドSSA 及びSSB に出力して、自動変速機2のギヤ位
置を3速から4速にシフトアップする。
【0064】このように、直進走行状態では、運転者の
意思による手動シフト要求によるダウンシフト及びアッ
プシフトと自動変速処理における走行状態に応じたダウ
ンシフト及びアップシフトが許容される。
【0065】ところが、直進走行状態からステアリング
ホイールを右切り又は左切りして旋回走行状態に移行
し、セレクトレバー4aでドライブレンジ“D”を選択
しており、且つマニュアルモードスイッチ8がオフ状態
であるオートモードにあるものとすると、走行開始直後
では、車速センサ17の車速検出値Vが低速設定値VLA
未満であるため、オート許可制御マップの横加速度閾値
がGHAと大きく、一方横加速度センサ21で検出される
横加速度検出値Gはあまり大きな値にならないので、ス
テップS3bでオート許可フラグFAPが“1”にセット
され、ステップS4を経てステップS5に移行して、セ
レクト位置、車速センサ17の車速検出値V及びスロッ
トルセンサ12のスロットル開度検出値THに基づいて
所定の制御マップを参照してギヤ位置GPが設定され、
次いでステップS6に移行して、設定されたギヤ位置G
Pに応じた制御信号CSA及びCSBがシフトソレノイドS
A及びSSB に出力されて、自動変速機2の変速歯車
機構TMのギヤ位置が自動制御される。
【0066】ところが、車速検出値Vが低速設定値VLA
に達する状態となると、図5に示すように、オート許可
制御マップにおける横加速度閾値が低速域の半分程度に
低下することになる。このため、オート許可フラグFAP
が“1”にセットされる領域に比較して“0”にリセッ
トされる領域が大きくなると共に、車速が速くなる分車
両に生じる横加速度も大きくなるので、オート許可フラ
グFAPが“0”にリセットされる割合が図6に示すマニ
ュアル許可制御マップに比較して高くなる。
【0067】この状態で、横加速度センサ21の横加速
度検出値Gが横加速度閾値を越えるとオート許可フラグ
APが“0”にリセットされ、これによってステップS
4からステップS5に移行することなく直接ステップS
6に移行し、内蔵メモリのギヤ位置記憶領域に記憶され
ているギヤ位置GPがそのまま維持されて、変速歯車機
構TMのギヤ位置が維持される。
【0068】このように、オート許可制御マップにおけ
るオート許可フラグFAPが“1”にセットされる領域が
マニュアル許可制御マップにおけるマニュアル許可フラ
グF MPが“1”にセットされる領域より狭く設定されて
いるので、旋回走行時にオートモードでのギヤ位置GP
の変更が抑制されることになり、運転者の意図していな
いオートモードでのシフトが抑制されて旋回走行時の走
行安定性を確保することができる。
【0069】一方、旋回走行時にセレクトレバー4aで
ドライブレンジ“D”を選択している状態からセレクト
レバー4aを回動させて、マニュアルモードに移行する
と、マニュアルモードスイッチ8がオン状態となり、ス
テップS2からステップS7を経てステップS8に移行
する。
【0070】このステップS8では、車速検出値V及び
横加速度検出値Gをもとに図6のマニュアル許可制御マ
ップを参照してマニュアル許可フラグFMPを設定する
が、このマニュアル許可制御マップは、前述したよう
に、図5のオート許可制御マップに比較してシフトを許
可するマニュアル許可フラグFMPを“1”に設定する領
域が広いので、運転者の意思によるアップシフトスイッ
チ5又はダウンシフトスイッチ6の操作によるシフト動
作を行える範囲が多くなり、操縦の自由度が広がること
になり、この場合には、アップシフト又はダウンシフト
による車両の挙動を運転者がある程度承知しているの
で、操縦安定性を踏まえながら自動変速機2を運転者の
意思に応じたシフト状態に制御することができる。
【0071】すなわち、低速走行状態では、横加速度閾
値が大きい値GH の範囲がオート許可制御マップの倍程
度に広がるため、運転者の意図する変速が許容される範
囲が大幅に増加し、同様に中高速走行状態でも、横加速
度閾値がオート許可制御マップの倍以上となって、運転
者の意図する変速が許容される範囲が大幅に増加するこ
とになり、旋回走行時における運転者の意思によるシフ
ト動作を適切に行うことができる。
【0072】このように、上記実施形態によると、旋回
走行状態を車速検出値Vと横加速度検出値Gとで検出す
るので、実際の車両の旋回状態を正確に検出することが
でき、これら検出値をもとにオート許可制御マップ及び
マニュアル許可制御マップを参照してシフトを許可する
か禁止するかを判定するので、旋回走行状態に最適なシ
フト制御を行うことができ、しかも、オート許可制御マ
ップの方がマニュアル許可制御マップに比較してシフト
を禁止する範囲が広いので、運転者の意図しないオート
モードでの自動変速機のシフトを効果的に抑制して操縦
安定性を確保することができる。
【0073】さらに、マニュアルモードでのシフト禁止
時には警告信号ARが警告回路22に出力されて、運転
者に警告が報知されるので、運転者にシフト禁止する旋
回状態即ち限界走行状態近傍であることを報知すること
ができ、走行安定性確保することができる。
【0074】なお、上記実施形態においては、オートモ
ード及びマニュアルモードであるときに、横加速度検出
値が横加速度閾値を越えたときにアップシフト及びダウ
ンシフトの何れのシフトも禁止する場合について説明し
たが、これに限定されるものではなく、旋回走行時のダ
ウンシフトでは、駆動輪に駆動トルク変化を生じ走行安
定性に影響を与えることになるが、アップシフトでは、
走行安定性に対する影響が殆どないので、上記実施形態
の制御をダウンシフトについてのみ適用するようにして
もよい。
【0075】また、上記実施形態においては、マニュア
ルモード及びオートモードの双方において、シフトを許
可するか禁止するかの判定を行う場合について説明した
が、これに限定されるものではなく、マニュアルモード
及びオートモードの何れか一方でシフト許可判定を行う
ようにしてもよい。
【0076】さらに、上記実施形態においては、車両の
旋回走行状態を、車速検出値Vと横加速度検出値Gとか
ら検出する場合について説明したが、これに限定される
ものではなく、横加速度検出値Gに代えてステアリング
ホイールの操舵角あるいは転舵輪の転舵角を検出するよ
うにしてもよく、これらの場合には高価な横加速度セン
サ21を設ける必要がなく、この分全体を廉価に構成す
ることができる利点がある。
【0077】さらにまた、上記実施形態においては、セ
レクト機構をシフトレバー4の回動によってパーキング
レンジ“P”、リバースレンジ“R”、ニュートラルレ
ンジ“N”、ドライブレンジ“D”、セカンドレンジ
“2”、ファーストレンジ“1”をその順に選択する場
合について説明したが、これに限定されるものではな
く、ドライブレンジ“D”を一番最後とし、これに応じ
てマニュアルモードを選択する連通路4dも一番最後に
設けるようにしてもよく、レンジ位置の配置は任意に設
定することができる。
【0078】なおさらに、上記実施形態においては、セ
レクトレバー4aを主案内路4b及び副案内路4cとの
間で移動可能に構成した場合につい説明したが、これに
限定されるものではなく、例えばセレクトレバー4aの
把持部にオート/マニュアル切換スイッチを設け、この
スイッチがオフ状態であるときにはオートモードとして
選択レンジに応じた変速制御を行い、オン状態であると
きにはマニュアルモードとしてセレクトレバー4aの回
動又は別途設けたマニュアルモードレバーの回動によっ
てアップシフト又はダウンシフトを選択するようにして
もよい。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、自動変速手段及び手動変速手段で設定され
た変速段にシフトするシフト制御手段と、車両の旋回走
行状態を検出する旋回走行状態検出手段と、該旋回走行
状態検出手段の旋回走行状態検出値をもとに予め設定さ
れた制御マップを参照してシフトを許可するか禁止する
かを判定するシフト許可判定手段と、該シフト許可判定
手段の判定結果がシフト禁止であるときに前記シフト制
御手段のシフトを禁止するシフト禁止手段とを備えた構
成を有するので、制御マップを旋回走行状態に応じてき
め細かく設定することにより、シフトを許可するか禁止
するかを車両の旋回走行状態に応じてきめ細かに判定す
ることが可能となり、操縦安定性を確保しながら手動変
速手段での運転者の意図に応じた最適な変速制御を行う
ことができると共に、自動変速手段での変速制御におい
ても最適な変速制御を行うことができるという効果が得
られる。
【0080】また、請求項2に係る発明によれば、請求
項1の発明において、旋回走行状態検出手段を、車速を
検出する車速検出手段と、操舵角を検出する操舵角検出
手段とで構成したので、安価な検出手段を用いて容易に
旋回走行状態を検出することができるという効果が得ら
れる。
【0081】さらに、請求項3に係る発明によれば、請
求項1の発明において、旋回走行状態検出手段を、車速
を検出する車速検出手段と、車両に生じる横加速度を検
出する横加速度検出手段とで構成したので、横加速度検
出手段で車両に実際に生じる横加速度を検出することが
でき、車両の旋回走行状態をより正確に検出することが
できるという効果が得られる。
【0082】さらにまた、請求項4に係る発明によれ
ば、請求項1乃至3の発明において、シフト許可判定手
段を、手動変速手段が選択されているときに、前記制御
マップが車速検出手段の車速検出値が低車速域であると
きに操舵状態閾値が高い値に設定され、この低車速域か
ら車速検出値の増加に応じて徐々に操舵状態閾値が小さ
い値に設定された構成を有し、操舵状態検出値が該当車
速検出値での操舵状態閾値以下であるときにシフトを許
可するように設定したので、低車速走行状態では、操舵
状態検出手段の操舵状態検出値が比較的大きい値であっ
ても運転者の意図するシフトアップ又はシフトダウンが
許容されるが、これより車速が増加するにつれてシフト
アップ又はシフトダウンが許容される操舵状態検出値の
閾値が小さくなることにより、シフト許容範囲が狭ま
り、シフトアップ又はシフトダウンが抑制されて操縦安
定性を確保することができるという効果が得られる。
【0083】なおさらに、請求項5に係る発明によれ
ば、請求項1乃至4の発明において、シフト許可判定手
段を、自動変速手段が選択されているときに、前記制御
マップが車速検出手段の車速検出値が低車速域であると
きに操舵状態閾値が高い値に設定され、この低車速域か
ら車速検出値が増加したときに操舵状態閾値が中間値に
設定され、以後車速検出値の増加に応じて徐々に操舵状
態閾値が小さい値に設定された構成を有し、操舵状態検
出値が該当車速検出値での操舵状態閾値以下であるとき
にシフトを許可するように設定したので、上記請求項4
の発明における手動変速手段が選択されているときの制
御マップに比較して自動変速手段が選択されているとき
の制御マップの方がシフト許可領域が狭くなって、自動
変速時にシフト禁止し易くなり、運転者の意図しないシ
フトアップ又はシフトダウンによるトルク変動を抑制し
て走行安定性を確保することができるという効果が得ら
れる。
【0084】また、請求項6に係る発明によれば、請求
項1乃至5の発明において、シフト許可判定手段を、ダ
ウンシフト時のみシフトを許可するか禁止するかの判定
を行ない、前記シフト禁止手段は前記シフト許可判定手
段の判定結果がシフト禁止であるときにシフト制御手段
のダウンシフトを禁止するように構成したので、旋回走
行時にアップシフトについては全て許可するが、ダウン
シフトについてはシフト許可判定手段でシフトを許可す
るか禁止するかを判定するので、運転者の意図するシフ
ト範囲をより広げることができるという効果が得られ
る。
【0085】さらに、請求項7に係る発明によれば、請
求項1乃至6の発明において、シフト禁止手段は、シフ
ト制御手段のシフトを禁止する際にこれを運転者に報知
する報知手段を有するので、シフト禁止手段でシフトを
禁止する際に報知手段で運転者に報知するので、限界走
行状態を認識させて走行安定性を確保することができる
という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】セレクト機構を示す平面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】コントローラの変速制御処理の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図5】オート許可制御マップを示す特性線図である。
【図6】マニュアル許可制御マップを示す特性線図であ
る。
【符号の説明】
1 エンジン 2 トルクコンバータ 3 自動変速機 4 セレクト機構 4a セレクトレバー 4b 主案内路 4c 副案内路 4d 連通路 5 アップシフトスイッチ 6 ダウンシフトスイッチ 7 インヒビタースイッチ 8 マニュアルモードスイッチ 11 コントローラ 12 スロットルセンサ 17 車速センサ 21 横加速度センサ 22 警告回路 SSA,SSB シフトソレノイド
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16H 59:58

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行状態に基づいて自動的に変速段を設
    定する自動変速手段と、手動操作で選択された変速段を
    設定する手動変速手段とを選択可能な自動変速機の変速
    制御装置において、前記自動変速手段及び手動変速手段
    で設定された変速段にシフトするシフト制御手段と、車
    両の旋回走行状態を検出する旋回走行状態検出手段と、
    該旋回走行状態検出手段の旋回走行状態検出値をもとに
    予め設定された制御マップを参照してシフトを許可する
    か禁止するかを判定するシフト許可判定手段と、該シフ
    ト許可判定手段の判定結果がシフト禁止であるときに前
    記シフト制御手段のシフトを禁止するシフト禁止手段と
    を備えたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 前記旋回走行状態検出手段は、車速を検
    出する車速検出手段と、操舵角を検出する操舵角検出手
    段とで構成されていることを特徴とする請求項1記載の
    自動変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 前記旋回走行状態検出手段は、車速を検
    出する車速検出手段と、車両に生じる横加速度を検出す
    る横加速度検出手段とで構成されていることを特徴とす
    る請求項1記載の自動変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 前記シフト許可判定手段は、手動変速手
    段が選択されているときに、前記制御マップが車速検出
    手段の車速検出値が低車速域であるときに操舵状態閾値
    が高い値に設定され、この低車速域から車速検出値の増
    加に応じて徐々に操舵状態閾値が小さい値に設定された
    構成を有し、操舵状態検出値が該当車速検出値での操舵
    状態閾値以下であるときにシフトを許可するように設定
    されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに
    記載の自動変速機の変速制御装置。
  5. 【請求項5】 前記シフト許可判定手段は、自動変速手
    段が選択されているときに、前記制御マップが車速検出
    手段の車速検出値が低車速域であるときに操舵状態閾値
    が高い値に設定され、この低車速域から車速検出値が増
    加したときに操舵状態閾値が中間値に設定され、以後車
    速検出値の増加に応じて徐々に操舵状態閾値が小さい値
    に設定された構成を有し、操舵状態検出値が該当車速検
    出値での操舵状態閾値以下であるときにシフトを許可す
    るように設定されていることを特徴とする請求項1乃至
    4の何れかに記載の自動変速機の変速制御装置。
  6. 【請求項6】 前記シフト許可判定手段は、ダウンシフ
    ト時のみシフトを許可するか禁止するかの判定を行な
    い、前記シフト禁止手段は前記シフト許可判定手段の判
    定結果がシフト禁止であるときにシフト制御手段のダウ
    ンシフトを禁止するように構成されていることを特徴と
    する請求項1乃至5の何れかに記載の自動変速機の変速
    制御装置。
  7. 【請求項7】 前記シフト禁止手段は、シフト制御手段
    のシフトを禁止する際にこれを運転者に報知する報知手
    段を有することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに
    記載の自動変速機の変速制御装置。
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