JPH1082428A - 転がり軸受のクリープ防止装置 - Google Patents
転がり軸受のクリープ防止装置Info
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- JPH1082428A JPH1082428A JP9169066A JP16906697A JPH1082428A JP H1082428 A JPH1082428 A JP H1082428A JP 9169066 A JP9169066 A JP 9169066A JP 16906697 A JP16906697 A JP 16906697A JP H1082428 A JPH1082428 A JP H1082428A
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- F16C35/06—Mounting or dismounting of ball or roller bearings; Fixing them onto shaft or in housing
- F16C35/067—Fixing them in a housing
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- F16C2360/00—Engines or pumps
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- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Rolling Contact Bearings (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ハウジング３に対する外輪５の回転防止効果
を向上させる。 【解決手段】 外輪５の外周面に偏心溝１０を形成し、
この偏心溝１０に嵌装した欠円環状の偏心リング１ａの
外周面を、ハウジング３の内周面に摩擦係合させる。こ
の偏心リング１ａの一部には、円周方向に亙り所定の長
さ寸法を有する弾性変形部を設ける。この弾性変形部
は、上記ハウジング３への装着状態で、上記偏心溝１０
の底面１１とハウジング３の内周面との間で突っ張る。
この結果、ハウジング３に対する外輪５の回転防止効果
が向上する。
を向上させる。 【解決手段】 外輪５の外周面に偏心溝１０を形成し、
この偏心溝１０に嵌装した欠円環状の偏心リング１ａの
外周面を、ハウジング３の内周面に摩擦係合させる。こ
の偏心リング１ａの一部には、円周方向に亙り所定の長
さ寸法を有する弾性変形部を設ける。この弾性変形部
は、上記ハウジング３への装着状態で、上記偏心溝１０
の底面１１とハウジング３の内周面との間で突っ張る。
この結果、ハウジング３に対する外輪５の回転防止効果
が向上する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明に係る転がり軸受のクリ
ープ防止装置は、例えばオルタネータやカーエアコン用
コンプレッサ等、自動車用の各種補機の回転支持部に組
み込む転がり軸受の外輪が、ハウジングの内側で回転す
る事を防止する為に利用する。
ープ防止装置は、例えばオルタネータやカーエアコン用
コンプレッサ等、自動車用の各種補機の回転支持部に組
み込む転がり軸受の外輪が、ハウジングの内側で回転す
る事を防止する為に利用する。
【０００２】
【従来の技術】自動車用各種補機はアルミニウム合金製
のハウジングの内側に、回転軸を支承する為の転がり軸
受を組み込む場合が多い。組み込み状態では、この転が
り軸受を構成する外輪を上記ハウジングの内側に、締ま
り嵌めにより内嵌固定する。ところで、ハウジングを構
成するアルミニウム合金の熱膨張率は、転がり軸受の外
輪を構成する軸受鋼の熱膨張率よりも大きい。この為、
何らの対策も施さなかった場合には、温度上昇時に上記
ハウジングに対する外輪の締め代が低下し（若しくは喪
失し）、ハウジングの内側で外輪が回転する、所謂クリ
ープが発生すると共に、転がり軸受による回転支持部に
がたつきが発生する。しかも、上記外輪の回転に伴って
ハウジングの内周面が摩耗するので、上記がたつきが次
第に大きくなる。
のハウジングの内側に、回転軸を支承する為の転がり軸
受を組み込む場合が多い。組み込み状態では、この転が
り軸受を構成する外輪を上記ハウジングの内側に、締ま
り嵌めにより内嵌固定する。ところで、ハウジングを構
成するアルミニウム合金の熱膨張率は、転がり軸受の外
輪を構成する軸受鋼の熱膨張率よりも大きい。この為、
何らの対策も施さなかった場合には、温度上昇時に上記
ハウジングに対する外輪の締め代が低下し（若しくは喪
失し）、ハウジングの内側で外輪が回転する、所謂クリ
ープが発生すると共に、転がり軸受による回転支持部に
がたつきが発生する。しかも、上記外輪の回転に伴って
ハウジングの内周面が摩耗するので、上記がたつきが次
第に大きくなる。
【０００３】この様な不都合の原因となる、ハウジング
の内側での外輪の回転を防止する為に従来から、例えば
実開昭５８−１０８６２６号公報、同６３−１７３５１
９号公報、実開平１−８５５２７号公報等に記載された
様な転がり軸受のクリープ防止装置が知られている。こ
れら各公報に記載された転がり軸受のクリープ防止装置
は何れも、外輪の外周面に偏心溝を、この偏心溝の底面
の中心軸をこの外輪の中心軸に対して偏心させた状態で
形成している。そして、弾性を有する合成樹脂により全
体を欠円環状に形成し、その内周面の中心軸とその外周
面の中心軸とを互いに偏心させた偏心リングを、上記偏
心溝の内側に嵌装している。転がり軸受をハウジングの
内側に嵌合固定する際には、上記偏心リングを上記ハウ
ジングの内周面に内嵌する。
の内側での外輪の回転を防止する為に従来から、例えば
実開昭５８−１０８６２６号公報、同６３−１７３５１
９号公報、実開平１−８５５２７号公報等に記載された
様な転がり軸受のクリープ防止装置が知られている。こ
れら各公報に記載された転がり軸受のクリープ防止装置
は何れも、外輪の外周面に偏心溝を、この偏心溝の底面
の中心軸をこの外輪の中心軸に対して偏心させた状態で
形成している。そして、弾性を有する合成樹脂により全
体を欠円環状に形成し、その内周面の中心軸とその外周
面の中心軸とを互いに偏心させた偏心リングを、上記偏
心溝の内側に嵌装している。転がり軸受をハウジングの
内側に嵌合固定する際には、上記偏心リングを上記ハウ
ジングの内周面に内嵌する。
【０００４】上記偏心リングを構成する合成樹脂の熱膨
張率は、上記ハウジングを構成するアルミニウム合金の
熱膨張率よりも大きい。この為、温度上昇に伴って上記
ハウジングに対する外輪の締め代が低下する傾向となっ
ても、上記偏心リングの直径方向に亙る厚さ寸法が増大
する事により、この締め代の低下を補償する。又、上記
偏心溝の底面及び偏心リングの内周面は、上記外輪及び
偏心リングの外周面に対し偏心しているので、上記外輪
に対して偏心リングが回転する事もない。これらによ
り、温度上昇時にも、アルミニウム合金製のハウジング
の内側で軸受鋼製の外輪が回転する事がなくなる。
張率は、上記ハウジングを構成するアルミニウム合金の
熱膨張率よりも大きい。この為、温度上昇に伴って上記
ハウジングに対する外輪の締め代が低下する傾向となっ
ても、上記偏心リングの直径方向に亙る厚さ寸法が増大
する事により、この締め代の低下を補償する。又、上記
偏心溝の底面及び偏心リングの内周面は、上記外輪及び
偏心リングの外周面に対し偏心しているので、上記外輪
に対して偏心リングが回転する事もない。これらによ
り、温度上昇時にも、アルミニウム合金製のハウジング
の内側で軸受鋼製の外輪が回転する事がなくなる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】従来から知られている
転がり軸受のクリープ防止装置の場合には、偏心リング
の外周面とハウジングの内周面との間の滑り防止を、こ
のハウジングに対する偏心リングの圧入に伴う摩擦力に
よってのみ図っている。この為、構成各部の寸法精度を
厳密に規制しなければならず、寸法誤差により、ハウジ
ングの内径寸法に対する外輪の外径寸法が小さくなった
場合には、上記滑り防止の効果が不十分になる。
転がり軸受のクリープ防止装置の場合には、偏心リング
の外周面とハウジングの内周面との間の滑り防止を、こ
のハウジングに対する偏心リングの圧入に伴う摩擦力に
よってのみ図っている。この為、構成各部の寸法精度を
厳密に規制しなければならず、寸法誤差により、ハウジ
ングの内径寸法に対する外輪の外径寸法が小さくなった
場合には、上記滑り防止の効果が不十分になる。
【０００６】この様な問題に対応する為に、例えば図１
０（Ａ）〜（Ｃ）に示す様に、偏心リング１の１乃至複
数個所に、この偏心リング１の外周面から直径方向外方
に突出する、円弧形の弾性変形部２、２を設ける事が考
えられる。この様な弾性変形部２、２は、ハウジングへ
の装着状態で、このハウジングの内周面と外輪の外周面
に形成した偏心溝の底面との間で弾性的に押し潰され
て、上記ハウジングの内周面に対し弾性的に当接する。
従って、多少の寸法誤差に拘らず、上記滑り防止の効果
を発揮できる。
０（Ａ）〜（Ｃ）に示す様に、偏心リング１の１乃至複
数個所に、この偏心リング１の外周面から直径方向外方
に突出する、円弧形の弾性変形部２、２を設ける事が考
えられる。この様な弾性変形部２、２は、ハウジングへ
の装着状態で、このハウジングの内周面と外輪の外周面
に形成した偏心溝の底面との間で弾性的に押し潰され
て、上記ハウジングの内周面に対し弾性的に当接する。
従って、多少の寸法誤差に拘らず、上記滑り防止の効果
を発揮できる。
【０００７】但し、図１０（Ａ）〜（Ｃ）に示す様な円
弧形の弾性変形部２、２の場合、この弾性変形部２、２
の外周面とハウジングの内周面との接触面積が狭く、上
記寸法誤差が大きくなった場合等、条件によっては上記
滑り防止の効果が不十分になる事が考えられる。滑り防
止効果を確保する為には、上記偏心リング１の外径を大
きくし、自由状態で上記各弾性変形部２、２の先端部が
外輪の外周面から突出する量を多くする事が考えられ
る。但し、この様な構造を採用した場合には、上記偏心
リング１をハウジング内に押し込む作業が面倒になる
為、実際に採用する事は難しい。本発明の転がり軸受の
クリープ防止装置は、この様な事情に鑑みて発明したも
のである。
弧形の弾性変形部２、２の場合、この弾性変形部２、２
の外周面とハウジングの内周面との接触面積が狭く、上
記寸法誤差が大きくなった場合等、条件によっては上記
滑り防止の効果が不十分になる事が考えられる。滑り防
止効果を確保する為には、上記偏心リング１の外径を大
きくし、自由状態で上記各弾性変形部２、２の先端部が
外輪の外周面から突出する量を多くする事が考えられ
る。但し、この様な構造を採用した場合には、上記偏心
リング１をハウジング内に押し込む作業が面倒になる
為、実際に採用する事は難しい。本発明の転がり軸受の
クリープ防止装置は、この様な事情に鑑みて発明したも
のである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明の転がり軸受のク
リープ防止装置は何れも、前述した各公報等に記載され
て従来から知られている転がり軸受のクリープ防止装置
と同様に、内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に
内輪軌道を有する内輪と、上記外輪軌道と内輪軌道との
間に転動自在に設けた複数の転動体と、上記外輪の外周
面にこの外周面から凹入した状態で、且つ、底面の中心
軸をこの外輪の中心軸に対し偏心させた状態で形成した
偏心溝と、弾性を有する合成樹脂製で全体を欠円環状に
形成し、その内周面の中心軸とその外周面の中心軸とを
互いに偏心させた偏心リングと、円筒状の内周面を有す
るハウジングとを備える。そして、上記偏心溝の内側に
上記偏心リングを嵌装した状態で、この偏心リングを上
記ハウジングの内周面に内嵌固定して成る。
リープ防止装置は何れも、前述した各公報等に記載され
て従来から知られている転がり軸受のクリープ防止装置
と同様に、内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周面に
内輪軌道を有する内輪と、上記外輪軌道と内輪軌道との
間に転動自在に設けた複数の転動体と、上記外輪の外周
面にこの外周面から凹入した状態で、且つ、底面の中心
軸をこの外輪の中心軸に対し偏心させた状態で形成した
偏心溝と、弾性を有する合成樹脂製で全体を欠円環状に
形成し、その内周面の中心軸とその外周面の中心軸とを
互いに偏心させた偏心リングと、円筒状の内周面を有す
るハウジングとを備える。そして、上記偏心溝の内側に
上記偏心リングを嵌装した状態で、この偏心リングを上
記ハウジングの内周面に内嵌固定して成る。
【０００９】特に、本発明の転がり軸受のクリープ防止
装置のうち、請求項１に記載した転がり軸受のクリープ
防止装置に於いては、上記偏心リングの一部に、この偏
心リングの直径方向外方に突出する弾性変形部を設けて
いる。そして、この弾性変形部の中間部に、上記偏心リ
ングの外周面と同心円弧状で円周方向に長く、上記ハウ
ジングの内周面とその全長に亙ってほぼ均等に当接する
円弧状当接部を存在させている。
装置のうち、請求項１に記載した転がり軸受のクリープ
防止装置に於いては、上記偏心リングの一部に、この偏
心リングの直径方向外方に突出する弾性変形部を設けて
いる。そして、この弾性変形部の中間部に、上記偏心リ
ングの外周面と同心円弧状で円周方向に長く、上記ハウ
ジングの内周面とその全長に亙ってほぼ均等に当接する
円弧状当接部を存在させている。
【００１０】更に、請求項２に記載した転がり軸受のク
リープ防止装置に於いては、上記偏心リングの一部に、
この偏心リングの直径方向外方に突出する弾性変形部を
設けている。そして、この弾性変形部の中間部に、上記
偏心リングの外周面と同心円弧状で円周方向に長い円弧
状当接部を存在させると共に、この円弧状当接部の円周
方向中間部に、直径方向外方に突出する突起を形成して
いる。
リープ防止装置に於いては、上記偏心リングの一部に、
この偏心リングの直径方向外方に突出する弾性変形部を
設けている。そして、この弾性変形部の中間部に、上記
偏心リングの外周面と同心円弧状で円周方向に長い円弧
状当接部を存在させると共に、この円弧状当接部の円周
方向中間部に、直径方向外方に突出する突起を形成して
いる。
【００１１】
【作用】上述の様に構成される本発明の転がり軸受のク
リープ防止装置の場合、偏心リングに形成した弾性変形
部は、ハウジングへの装着状態で、このハウジングの内
周面と外輪の外周面に形成した偏心溝の底面との間で弾
性的に押し潰され、上記ハウジングの内周面に対し弾性
的に当接する。従って、多少の寸法誤差に拘らず、上記
滑り防止の効果を発揮できる。
リープ防止装置の場合、偏心リングに形成した弾性変形
部は、ハウジングへの装着状態で、このハウジングの内
周面と外輪の外周面に形成した偏心溝の底面との間で弾
性的に押し潰され、上記ハウジングの内周面に対し弾性
的に当接する。従って、多少の寸法誤差に拘らず、上記
滑り防止の効果を発揮できる。
【００１２】しかも、本発明の転がり軸受のクリープ防
止装置を構成する偏心リングに設けた弾性変形部のう
ち、請求項１に記載した転がり軸受のクリープ防止装置
の場合には、上記弾性変形部の中間部に円弧状当接部が
存在し、この円弧状当接部の外周面が上記ハウジングの
内周面とその全長に亙ってほぼ均等に当接する。この
為、上記各弾性変形部の外周面とハウジングの内周面と
の接触面積を十分に広くできる。従って、寸法誤差が大
きくなった場合等、条件が厳しい場合でも、上記ハウジ
ングに対する上記偏心リングの滑り防止の効果を十分に
確保できる。
止装置を構成する偏心リングに設けた弾性変形部のう
ち、請求項１に記載した転がり軸受のクリープ防止装置
の場合には、上記弾性変形部の中間部に円弧状当接部が
存在し、この円弧状当接部の外周面が上記ハウジングの
内周面とその全長に亙ってほぼ均等に当接する。この
為、上記各弾性変形部の外周面とハウジングの内周面と
の接触面積を十分に広くできる。従って、寸法誤差が大
きくなった場合等、条件が厳しい場合でも、上記ハウジ
ングに対する上記偏心リングの滑り防止の効果を十分に
確保できる。
【００１３】更に、請求項２に記載した転がり軸受のク
リープ防止装置の場合には、円弧状当接部の円周方向中
間部に直径方向外方に突出する状態で形成した突起とハ
ウジングの内周面との係合に基づき、偏心リングの滑り
防止効果を確保できる。即ち、上記ハウジングの内周面
に、キー溝、スプライン溝の如く、軸方向に亙る凹溝が
存在する場合には、上記突起とこの凹溝との係合に基づ
き、上記偏心リングの滑り防止を確実に図れる。又、凹
溝が存在しない場合でも、上記突起の先端面部分とハウ
ジングの内周面との当接部の面圧が上昇する事により、
この当接部に作用する摩擦力を上昇させて、上記偏心リ
ングの滑り防止を図れる。尚、上記円弧状当接部の円周
方向中間部に上記突起を設ける事に基づき、上記偏心リ
ングの寸法並びに形状精度が多少悪くても、必要とする
滑り防止効果を得られる効果も有する。
リープ防止装置の場合には、円弧状当接部の円周方向中
間部に直径方向外方に突出する状態で形成した突起とハ
ウジングの内周面との係合に基づき、偏心リングの滑り
防止効果を確保できる。即ち、上記ハウジングの内周面
に、キー溝、スプライン溝の如く、軸方向に亙る凹溝が
存在する場合には、上記突起とこの凹溝との係合に基づ
き、上記偏心リングの滑り防止を確実に図れる。又、凹
溝が存在しない場合でも、上記突起の先端面部分とハウ
ジングの内周面との当接部の面圧が上昇する事により、
この当接部に作用する摩擦力を上昇させて、上記偏心リ
ングの滑り防止を図れる。尚、上記円弧状当接部の円周
方向中間部に上記突起を設ける事に基づき、上記偏心リ
ングの寸法並びに形状精度が多少悪くても、必要とする
滑り防止効果を得られる効果も有する。
【００１４】
【発明の実施の形態】図１〜２は、請求項１に対応す
る、本発明の実施の形態の第１例を示している。本発明
の転がり軸受のクリープ防止装置は、アルミニウム合金
製で円筒状の内周面を有するハウジング３の内側に嵌合
固定した転がり軸受４の外輪５が、このハウジング３に
対して回転（クリープ）する事を防止するものである。
上記転がり軸受４は、内周面に外輪軌道６を有する外輪
５と、外周面に内輪軌道７を有する内輪８と、上記外輪
軌道６と内輪軌道８との間に転動自在に設けられた複数
の転動体９、９とを備える。又、上記外輪５の外周面に
は偏心溝１０を、この外周面から凹入する状態で形成し
ている。この偏心溝１０の底面１１の中心軸は、上記外
輪５の中心軸に対し偏心している。
る、本発明の実施の形態の第１例を示している。本発明
の転がり軸受のクリープ防止装置は、アルミニウム合金
製で円筒状の内周面を有するハウジング３の内側に嵌合
固定した転がり軸受４の外輪５が、このハウジング３に
対して回転（クリープ）する事を防止するものである。
上記転がり軸受４は、内周面に外輪軌道６を有する外輪
５と、外周面に内輪軌道７を有する内輪８と、上記外輪
軌道６と内輪軌道８との間に転動自在に設けられた複数
の転動体９、９とを備える。又、上記外輪５の外周面に
は偏心溝１０を、この外周面から凹入する状態で形成し
ている。この偏心溝１０の底面１１の中心軸は、上記外
輪５の中心軸に対し偏心している。
【００１５】一方、上記偏心溝１０に嵌装する偏心リン
グ１ａは、例えば図２に示す様に、弾性を有する合成樹
脂製で全体を欠円環状に形成している。この偏心リング
１ａは、その内周面１２の中心軸とその外周面１３の中
心軸とが互いに偏心している。これら両周面の中心軸を
偏心させる方向は、内周面１２の中心軸を外周面１３の
中心軸に対して、上記偏心リング１ａの不連続部１４側
に偏らせる方向としている。従って、上記偏心リング１
ａの直径方向に亙る厚さ寸法は、その中央部で最も大き
く、その両端部に向かう程次第に小さくなる。尚、上記
偏心リング１ａを構成する合成樹脂材料は、用途に応じ
設計的配慮に基づいて選択使用するが、例えばガラス繊
維を１０〜４０容量％含むポリフェニレンサルファイド
樹脂（ＰＰＳ）が、２００℃以上の耐熱温度を有し、機
械的強度も優れている為、好ましく使用できる。尚、こ
の様なガラス繊維により強化したＰＰＳの場合、このガ
ラス繊維の含有量が１０容量％未満の場合には、ガラス
繊維を混入する事による強度向上効果が弱くて潰れ易く
なり、反対に、このガラス繊維の含有量が４０容量％を
越える場合には、弾性が低くなり過ぎて割れ易くなる。
この為、上述の様なガラス繊維を含んだＰＰＳは、ガラ
ス繊維の含有量が１０〜４０容量％、更に好ましくは２
０〜３０容量％のものが、強度確保並びにコスト低減の
面から好適である。尚、上記偏心リング１ａを構成する
材料としては、ＰＰＳの他、ポリアミド１１、ポリアミ
ド４６、ポリアミド６６、ポリブチレンテレフタレート
（ＰＢＴ）、変性ポリフェニレンオキサイド（ＰＰＯ）
等の樹脂系材料、ＰＢＴエラストマー、ポリアミドエラ
ストマー等のゴム系材料等も使用できる。更に、ＰＰＳ
と同様に、これら各材料を、１０〜４０容量％のガラス
繊維により補強する事もできる。
グ１ａは、例えば図２に示す様に、弾性を有する合成樹
脂製で全体を欠円環状に形成している。この偏心リング
１ａは、その内周面１２の中心軸とその外周面１３の中
心軸とが互いに偏心している。これら両周面の中心軸を
偏心させる方向は、内周面１２の中心軸を外周面１３の
中心軸に対して、上記偏心リング１ａの不連続部１４側
に偏らせる方向としている。従って、上記偏心リング１
ａの直径方向に亙る厚さ寸法は、その中央部で最も大き
く、その両端部に向かう程次第に小さくなる。尚、上記
偏心リング１ａを構成する合成樹脂材料は、用途に応じ
設計的配慮に基づいて選択使用するが、例えばガラス繊
維を１０〜４０容量％含むポリフェニレンサルファイド
樹脂（ＰＰＳ）が、２００℃以上の耐熱温度を有し、機
械的強度も優れている為、好ましく使用できる。尚、こ
の様なガラス繊維により強化したＰＰＳの場合、このガ
ラス繊維の含有量が１０容量％未満の場合には、ガラス
繊維を混入する事による強度向上効果が弱くて潰れ易く
なり、反対に、このガラス繊維の含有量が４０容量％を
越える場合には、弾性が低くなり過ぎて割れ易くなる。
この為、上述の様なガラス繊維を含んだＰＰＳは、ガラ
ス繊維の含有量が１０〜４０容量％、更に好ましくは２
０〜３０容量％のものが、強度確保並びにコスト低減の
面から好適である。尚、上記偏心リング１ａを構成する
材料としては、ＰＰＳの他、ポリアミド１１、ポリアミ
ド４６、ポリアミド６６、ポリブチレンテレフタレート
（ＰＢＴ）、変性ポリフェニレンオキサイド（ＰＰＯ）
等の樹脂系材料、ＰＢＴエラストマー、ポリアミドエラ
ストマー等のゴム系材料等も使用できる。更に、ＰＰＳ
と同様に、これら各材料を、１０〜４０容量％のガラス
繊維により補強する事もできる。
【００１６】更に、上記偏心リング１ａの一部には、こ
の偏心リング１ａの直径方向外方に突出する弾性変形部
２ａを設けている。そして、この弾性変形部２ａの中間
部に、円弧状当接部１５を設けている。この円弧状当接
部１５の外周面１７は、上記偏心リング１ａの外周面１
３と同心円弧状で円周方向に長い。上記弾性変形部２ａ
は、この様な円弧状当接部１５と上記偏心リング１ａの
本体部分とを、この円弧状当接部１５の円周方向両端部
に設けた折れ曲がり部１６、１６を介して連続させて成
る。従って、上記偏心リング１ａを上記ハウジング３に
内嵌した状態で上記円弧状当接部１５の外周面１７は、
このハウジング３の内周面とその全長に亙ってほぼ均等
に当接する。
の偏心リング１ａの直径方向外方に突出する弾性変形部
２ａを設けている。そして、この弾性変形部２ａの中間
部に、円弧状当接部１５を設けている。この円弧状当接
部１５の外周面１７は、上記偏心リング１ａの外周面１
３と同心円弧状で円周方向に長い。上記弾性変形部２ａ
は、この様な円弧状当接部１５と上記偏心リング１ａの
本体部分とを、この円弧状当接部１５の円周方向両端部
に設けた折れ曲がり部１６、１６を介して連続させて成
る。従って、上記偏心リング１ａを上記ハウジング３に
内嵌した状態で上記円弧状当接部１５の外周面１７は、
このハウジング３の内周面とその全長に亙ってほぼ均等
に当接する。
【００１７】上述の様な転がり軸受４と偏心リング１ａ
とを備えた本発明の転がり軸受のクリープ防止装置を組
み立てるには、先ず、上記転がり軸受４を構成する外輪
５の外周面の偏心溝１０の内側に、上記偏心リング１ａ
を嵌装する。この際、これら偏心溝１０の偏心方向と偏
心リング１ａの偏心方向とを互いに一致させ、この偏心
リング１０の外周面１３で上記弾性変形部２ａを除く部
分と上記外輪５の外周面との直径方向に亙る位置関係
を、全周に亙ってほぼ均一にする。この様にして上記偏
心リング１ａを上記偏心溝１０の内側に嵌装したなら
ば、この偏心リング１ａを上記外輪５と共に、上記ハウ
ジング３の内周面に内嵌する。
とを備えた本発明の転がり軸受のクリープ防止装置を組
み立てるには、先ず、上記転がり軸受４を構成する外輪
５の外周面の偏心溝１０の内側に、上記偏心リング１ａ
を嵌装する。この際、これら偏心溝１０の偏心方向と偏
心リング１ａの偏心方向とを互いに一致させ、この偏心
リング１０の外周面１３で上記弾性変形部２ａを除く部
分と上記外輪５の外周面との直径方向に亙る位置関係
を、全周に亙ってほぼ均一にする。この様にして上記偏
心リング１ａを上記偏心溝１０の内側に嵌装したなら
ば、この偏心リング１ａを上記外輪５と共に、上記ハウ
ジング３の内周面に内嵌する。
【００１８】上述の様に構成各部材を組み立てて成る本
発明の転がり軸受のクリープ防止装置の場合、上記偏心
リング１ａに形成した弾性変形部２ａは、上記ハウジン
グ３への装着状態で、このハウジング３の内周面と上記
偏心溝１０の底面１１との間で弾性的に押し潰される。
この結果、上記弾性変形部２ａの中間部を構成する円弧
状当接部１５の外周面１７が、上記ハウジング３の内周
面に対し弾性的に当接する。従って、このハウジング３
の内周面の直径寸法と上記偏心溝１０の底面１１の直径
寸法との間に多少の誤差が存在した場合でも、上記ハウ
ジング３の内周面に対する上記偏心リング１ａの滑り防
止の効果を発揮できる。
発明の転がり軸受のクリープ防止装置の場合、上記偏心
リング１ａに形成した弾性変形部２ａは、上記ハウジン
グ３への装着状態で、このハウジング３の内周面と上記
偏心溝１０の底面１１との間で弾性的に押し潰される。
この結果、上記弾性変形部２ａの中間部を構成する円弧
状当接部１５の外周面１７が、上記ハウジング３の内周
面に対し弾性的に当接する。従って、このハウジング３
の内周面の直径寸法と上記偏心溝１０の底面１１の直径
寸法との間に多少の誤差が存在した場合でも、上記ハウ
ジング３の内周面に対する上記偏心リング１ａの滑り防
止の効果を発揮できる。
【００１９】しかも、本発明の転がり軸受のクリープ防
止装置を構成する偏心リング１ａに設けた弾性変形部２
ａの場合、その中間部に円弧状当接部１５が存在し、こ
の円弧状当接部１５の外周面１７が上記ハウジング３の
内周面とその全長に亙ってほぼ均等に当接する。この
為、上記弾性変形部２ａを構成する円弧状当接部１５の
外周面１７とハウジング３の内周面との接触面積を十分
に広くできる。従って、寸法誤差が大きくなった場合
等、条件が厳しい場合でも、上記ハウジング３に対する
上記偏心リング１ａの滑り防止の効果を十分に確保でき
る。この結果、上記ハウジング３の内側で上記外輪５が
回転する事を、より確実に防止できる。
止装置を構成する偏心リング１ａに設けた弾性変形部２
ａの場合、その中間部に円弧状当接部１５が存在し、こ
の円弧状当接部１５の外周面１７が上記ハウジング３の
内周面とその全長に亙ってほぼ均等に当接する。この
為、上記弾性変形部２ａを構成する円弧状当接部１５の
外周面１７とハウジング３の内周面との接触面積を十分
に広くできる。従って、寸法誤差が大きくなった場合
等、条件が厳しい場合でも、上記ハウジング３に対する
上記偏心リング１ａの滑り防止の効果を十分に確保でき
る。この結果、上記ハウジング３の内側で上記外輪５が
回転する事を、より確実に防止できる。
【００２０】尚、上記弾性変形部２ａは、少なくとも１
個設ければ足りるが、複数個設ける事もできる。この弾
性変形部２ａを１個のみ設ける場合には、図２に示す様
に、偏心リング１ａの中央部にこの弾性変形部２ａを設
けるが、２個設ける場合には、図３に示した実施の形態
の第２例の様に、外輪５（図１）への装着状態でほぼ直
径方向反対側となる、偏心リング１ａの両端部近傍に設
ける。更に、３個設ける場合には、図４に示した実施の
形態の第３例の様に、偏心リング１ａの中央部に加え
て、両端部近傍に設ける。又、更に多くの弾性変形部２
ａ、２ａを設ける場合には、図５に示した実施の形態の
第４例（図示の例では、弾性変形部２ａ、２ａを５個記
載。）の様に、円周方向に亙り等間隔に設ける。尚、図
５に示した偏心リング１ａを組み込んだ転がり軸受のク
リープ防止装置の場合、単に外輪５の外周面に合成樹脂
リングを設けただけの構造に比べて、（温度条件により
異なるが）３〜６倍以上のクリープ防止効果を得られ
た。
個設ければ足りるが、複数個設ける事もできる。この弾
性変形部２ａを１個のみ設ける場合には、図２に示す様
に、偏心リング１ａの中央部にこの弾性変形部２ａを設
けるが、２個設ける場合には、図３に示した実施の形態
の第２例の様に、外輪５（図１）への装着状態でほぼ直
径方向反対側となる、偏心リング１ａの両端部近傍に設
ける。更に、３個設ける場合には、図４に示した実施の
形態の第３例の様に、偏心リング１ａの中央部に加え
て、両端部近傍に設ける。又、更に多くの弾性変形部２
ａ、２ａを設ける場合には、図５に示した実施の形態の
第４例（図示の例では、弾性変形部２ａ、２ａを５個記
載。）の様に、円周方向に亙り等間隔に設ける。尚、図
５に示した偏心リング１ａを組み込んだ転がり軸受のク
リープ防止装置の場合、単に外輪５の外周面に合成樹脂
リングを設けただけの構造に比べて、（温度条件により
異なるが）３〜６倍以上のクリープ防止効果を得られ
た。
【００２１】更に、外輪の外周面に形成する偏心溝の位
置並びに幅寸法も、必要とするクリープ防止性能や転が
り軸受の構造に応じて、適宜変更できる。前述した実施
の形態の第１例の場合には、図６（Ａ）に示す様に、外
輪５の外周面の片側に偏らせて、幅の狭い偏心溝１０を
１本設けている。これに対して、同図（Ｂ）に示す様に
外輪５の外周面の両側に幅の狭い偏心溝１０、１０を２
本設けたり、或は同図（Ｃ）に示す様に外輪５の外周面
中央部に幅の広い偏心溝１０ａを１本設けたりして、ク
リープ防止性能を向上させる事もできる。更には、転が
り軸受４ａが同図（Ｄ）に示す様な複列玉軸受の場合に
は、外輪５ａの外周面の両側に幅の狭い偏心溝１０、１
０を２本設け、必要とするクリープ防止性能を確保す
る。
置並びに幅寸法も、必要とするクリープ防止性能や転が
り軸受の構造に応じて、適宜変更できる。前述した実施
の形態の第１例の場合には、図６（Ａ）に示す様に、外
輪５の外周面の片側に偏らせて、幅の狭い偏心溝１０を
１本設けている。これに対して、同図（Ｂ）に示す様に
外輪５の外周面の両側に幅の狭い偏心溝１０、１０を２
本設けたり、或は同図（Ｃ）に示す様に外輪５の外周面
中央部に幅の広い偏心溝１０ａを１本設けたりして、ク
リープ防止性能を向上させる事もできる。更には、転が
り軸受４ａが同図（Ｄ）に示す様な複列玉軸受の場合に
は、外輪５ａの外周面の両側に幅の狭い偏心溝１０、１
０を２本設け、必要とするクリープ防止性能を確保す
る。
【００２２】次に、図７、請求項２に対応する、本発明
の実施の形態の第５例を示している。本例の場合には、
偏心リング１ａの一部にこの偏心リング１ａの直径方向
外方に突出する１乃至複数（図示の例では３個）の弾性
変形部２ａ、２ａを設けている。そして、これら各弾性
変形部２ａ、２ａのうちの全部又は一部（図示の例では
中央の弾性変形部２ａ）を構成する円弧状当接部１５の
円周方向中間部に、直径方向外方に突出する突起１８を
形成している。尚、この突起１８としては、例えば上記
偏心リング１ａを合成樹脂により射出成形する際にキャ
ビティ内に溶融樹脂を送り込む為のゲート部分に残留す
る合成樹脂を使用する事ができる。即ち、ゲート部分に
存在する合成樹脂を、根本部分（上記円弧状当接部１５
の外周面部分）から切除せず、少し直径方向外寄り部分
で切除する事により、上記突起１８とする事もできる。
この様にして突起１８を形成すれば、この突起１８を設
ける事で、上記偏心リング１ａの製作費が嵩む事はな
い。
の実施の形態の第５例を示している。本例の場合には、
偏心リング１ａの一部にこの偏心リング１ａの直径方向
外方に突出する１乃至複数（図示の例では３個）の弾性
変形部２ａ、２ａを設けている。そして、これら各弾性
変形部２ａ、２ａのうちの全部又は一部（図示の例では
中央の弾性変形部２ａ）を構成する円弧状当接部１５の
円周方向中間部に、直径方向外方に突出する突起１８を
形成している。尚、この突起１８としては、例えば上記
偏心リング１ａを合成樹脂により射出成形する際にキャ
ビティ内に溶融樹脂を送り込む為のゲート部分に残留す
る合成樹脂を使用する事ができる。即ち、ゲート部分に
存在する合成樹脂を、根本部分（上記円弧状当接部１５
の外周面部分）から切除せず、少し直径方向外寄り部分
で切除する事により、上記突起１８とする事もできる。
この様にして突起１８を形成すれば、この突起１８を設
ける事で、上記偏心リング１ａの製作費が嵩む事はな
い。
【００２３】上述の様な偏心リング１ａを使用する本例
の転がり軸受のクリープ防止装置の場合には、上記円弧
状当接部１５の円周方向中間部に形成した突起１８とハ
ウジング３（図１）の内周面との係合に基づき、上記偏
心リング１ａの滑り防止効果を確保できる。即ち、上記
ハウジング３の内周面に、キー溝、スプライン溝の如
く、軸方向に亙る凹溝が存在する場合には、上記突起１
８とこの凹溝との係合に基づき、上記偏心リング１ａの
滑り防止を確実に図れる。又、凹溝が存在しない場合で
も、上記突起１８の先端面部分とハウジング３の内周面
との当接部の面圧が上昇する事により、この当接部に作
用する摩擦力を上昇させて、上記偏心リング１ａの滑り
防止を図れる。更に、上記円弧状当接部１５の円周方向
中間部に上記突起１８を設ける事に基づき、上記偏心リ
ング１ａの寸法並びに形状精度が多少悪くても、必要と
する滑り防止効果を得られる効果も有する。即ち、上記
突起１８の先端面とハウジング３の内周面との当接部の
面圧は相当に高くなる為、上記突起１８の突出量が多少
大きくなっても、この突起１８を変形させつつハウジン
グ３内に押し込む事ができる。従って、偏心リング１ａ
を装着した外輪をハウジング３内に装着自在で、しかも
この外輪の回り止めを図れる寸法の許容差を大きくでき
る。
の転がり軸受のクリープ防止装置の場合には、上記円弧
状当接部１５の円周方向中間部に形成した突起１８とハ
ウジング３（図１）の内周面との係合に基づき、上記偏
心リング１ａの滑り防止効果を確保できる。即ち、上記
ハウジング３の内周面に、キー溝、スプライン溝の如
く、軸方向に亙る凹溝が存在する場合には、上記突起１
８とこの凹溝との係合に基づき、上記偏心リング１ａの
滑り防止を確実に図れる。又、凹溝が存在しない場合で
も、上記突起１８の先端面部分とハウジング３の内周面
との当接部の面圧が上昇する事により、この当接部に作
用する摩擦力を上昇させて、上記偏心リング１ａの滑り
防止を図れる。更に、上記円弧状当接部１５の円周方向
中間部に上記突起１８を設ける事に基づき、上記偏心リ
ング１ａの寸法並びに形状精度が多少悪くても、必要と
する滑り防止効果を得られる効果も有する。即ち、上記
突起１８の先端面とハウジング３の内周面との当接部の
面圧は相当に高くなる為、上記突起１８の突出量が多少
大きくなっても、この突起１８を変形させつつハウジン
グ３内に押し込む事ができる。従って、偏心リング１ａ
を装着した外輪をハウジング３内に装着自在で、しかも
この外輪の回り止めを図れる寸法の許容差を大きくでき
る。
【００２４】次に、図８〜９は、やはり請求項２に対応
する、本発明の実施の形態の第６例を示している。本例
の場合、各弾性変形部２ａ、２ａのうちの全部又は一部
（図示の例では中央の弾性変形部２ａ）を構成する円弧
状当接部１５に設ける突起１８ａの先端面を、傾斜面１
９としている。又、本例の場合、偏心リング１ａには、
前述の図５に示した第４例の場合と同様に、多数（図示
の例では５個）の弾性変形部２ａ、２ａを、円周方向に
亙り等間隔に設けている。この様に構成する本例の偏心
リング１ａを嵌装した転がり軸受４の場合、この転がり
軸受４の偏心溝１０（図１、６）内に嵌装した偏心リン
グ１ａを、ハウジング３（図１）に内嵌する作業を容易
に行なえる。即ち、上記偏心リング１ａは、上記突起１
８ａのうち、傾斜面１９により高さが低くなっている側
を上記転がり軸受４の挿入方向前側に向けた状態で、上
記ハウジング３内に挿入する。この様に上記突起１８ａ
の向きを規制して挿入する事により、上記転がり軸受４
を構成する外輪５の外周面から突出する部分である、上
記突起１８ａは、上記傾斜面１９を上記ハウジング３の
開口周縁部に押し付けつつ弾性変形して、このハウジン
グ３の内側に進入する。この為、上記突起１８ａを形成
した部分を上記ハウジング３内に内嵌する作業を、容易
に行なえる。その他の構成及び作用は、上述の第５例の
場合と同様である。
する、本発明の実施の形態の第６例を示している。本例
の場合、各弾性変形部２ａ、２ａのうちの全部又は一部
（図示の例では中央の弾性変形部２ａ）を構成する円弧
状当接部１５に設ける突起１８ａの先端面を、傾斜面１
９としている。又、本例の場合、偏心リング１ａには、
前述の図５に示した第４例の場合と同様に、多数（図示
の例では５個）の弾性変形部２ａ、２ａを、円周方向に
亙り等間隔に設けている。この様に構成する本例の偏心
リング１ａを嵌装した転がり軸受４の場合、この転がり
軸受４の偏心溝１０（図１、６）内に嵌装した偏心リン
グ１ａを、ハウジング３（図１）に内嵌する作業を容易
に行なえる。即ち、上記偏心リング１ａは、上記突起１
８ａのうち、傾斜面１９により高さが低くなっている側
を上記転がり軸受４の挿入方向前側に向けた状態で、上
記ハウジング３内に挿入する。この様に上記突起１８ａ
の向きを規制して挿入する事により、上記転がり軸受４
を構成する外輪５の外周面から突出する部分である、上
記突起１８ａは、上記傾斜面１９を上記ハウジング３の
開口周縁部に押し付けつつ弾性変形して、このハウジン
グ３の内側に進入する。この為、上記突起１８ａを形成
した部分を上記ハウジング３内に内嵌する作業を、容易
に行なえる。その他の構成及び作用は、上述の第５例の
場合と同様である。
【００２５】尚、上述した第５〜６例の場合には、何れ
も突起１８、１８ａは、偏心リング１ａの中央部に形成
した弾性変形部２ａの円弧状当接部１５にのみ設けてい
るが、この様な突起１８、１８ａは、偏心リング１ａに
形成した各弾性変形部２ａ、２ａの円弧状当接部１５
に、それぞれ１個ずつ設ける事もできる。この様な場合
には、ハウジング３内での外輪５の回り止めを、より効
果的に図れる。
も突起１８、１８ａは、偏心リング１ａの中央部に形成
した弾性変形部２ａの円弧状当接部１５にのみ設けてい
るが、この様な突起１８、１８ａは、偏心リング１ａに
形成した各弾性変形部２ａ、２ａの円弧状当接部１５
に、それぞれ１個ずつ設ける事もできる。この様な場合
には、ハウジング３内での外輪５の回り止めを、より効
果的に図れる。
【００２６】
【発明の効果】本発明の転がり軸受のクリープ防止装置
は、以上に述べた通り構成され作用するので、ハウジン
グに対する外輪のクリープを確実に防止して、転がり軸
受を組み込んだ回転支持部の信頼性及び耐久性の向上を
図れる。
は、以上に述べた通り構成され作用するので、ハウジン
グに対する外輪のクリープを確実に防止して、転がり軸
受を組み込んだ回転支持部の信頼性及び耐久性の向上を
図れる。
【図１】本発明の実施の形態の第１例を示す断面図。
【図２】第１例に使用する偏心リングを、図１の側方か
ら見た図。
ら見た図。
【図３】偏心リングの第２例を示す、図２と同様の図。
【図４】同じく第３例を示す、図２と同様の図。
【図５】同じく第４例を示す、図２と同様の図。
【図６】偏心溝の形成位置の４例を示す、部分断面図。
【図７】本発明の実施の形態の第５例を示す、図２と同
様の図。
様の図。
【図８】同じく第６例を示す、図２と同様の図。
【図９】図８のＡ−Ａ断面図。
【図１０】本発明に先立って考えた偏心リングの３例を
示す、図２と同様の図。
示す、図２と同様の図。
１、１ａ 偏心リング ２、２ａ 弾性変形部 ３ ハウジング ４、４ａ 転がり軸受 ５、５ａ 外輪 ６ 外輪軌道 ７ 内輪軌道 ８ 内輪 ９ 転動体 １０、１０ａ 偏心溝 １１ 底面 １２ 内周面 １３ 外周面 １４ 不連続部 １５ 円弧状当接部 １６ 折れ曲がり部 １７ 外周面 １８、１８ａ 突起 １９ 傾斜面
Claims (2)
- 【請求項１】 内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周
面に内輪軌道を有する内輪と、上記外輪軌道と内輪軌道
との間に転動自在に設けた複数の転動体と、上記外輪の
外周面にこの外周面から凹入した状態で、且つ、底面の
中心軸をこの外輪の中心軸に対し偏心させた状態で形成
した偏心溝と、弾性を有する合成樹脂製で全体を欠円環
状に形成し、その内周面の中心軸とその外周面の中心軸
とを互いに偏心させた偏心リングと、円筒状の内周面を
有するハウジングとを備え、上記偏心溝の内側に上記偏
心リングを嵌装した状態で、この偏心リングを上記ハウ
ジングの内周面に内嵌固定して成る転がり軸受のクリー
プ防止装置に於いて、上記偏心リングの一部に、この偏
心リングの直径方向外方に突出する弾性変形部を設け、
この弾性変形部の中間部に、上記偏心リングの外周面と
同心円弧状で円周方向に長く、上記ハウジングの内周面
とその全長に亙ってほぼ均等に当接する円弧状当接部を
存在させた事を特徴とする転がり軸受のクリープ防止装
置。 - 【請求項２】 内周面に外輪軌道を有する外輪と、外周
面に内輪軌道を有する内輪と、上記外輪軌道と内輪軌道
との間に転動自在に設けた複数の転動体と、上記外輪の
外周面にこの外周面から凹入した状態で、且つ、底面の
中心軸をこの外輪の中心軸に対し偏心させた状態で形成
した偏心溝と、弾性を有する合成樹脂製で全体を欠円環
状に形成し、その内周面の中心軸とその外周面の中心軸
とを互いに偏心させた偏心リングと、円筒状の内周面を
有するハウジングとを備え、上記偏心溝の内側に上記偏
心リングを嵌装した状態で、この偏心リングを上記ハウ
ジングの内周面に内嵌固定して成る転がり軸受のクリー
プ防止装置に於いて、上記偏心リングの一部に、この偏
心リングの直径方向外方に突出する弾性変形部を設け、
この弾性変形部の中間部に、上記偏心リングの外周面と
同心円弧状で円周方向に長い円弧状当接部を存在させる
と共に、この円弧状当接部の円周方向中間部に、直径方
向外方に突出する突起を形成した事を特徴とする転がり
軸受のクリープ防止装置。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9169066A JPH1082428A (ja) | 1996-07-17 | 1997-06-25 | 転がり軸受のクリープ防止装置 |
| US08/895,892 US5785433A (en) | 1996-07-17 | 1997-07-07 | Rolling bearing creep prevention device |
| GB9715115A GB2315524B (en) | 1996-07-17 | 1997-07-17 | Rolling bearing creep prevention device |
| DE19730749A DE19730749C2 (de) | 1996-07-17 | 1997-07-17 | Vorrichtung zum Verhindern des Wanderns eines Wälzlagers |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8-187768 | 1996-07-17 | ||
| JP18776896 | 1996-07-17 | ||
| JP9169066A JPH1082428A (ja) | 1996-07-17 | 1997-06-25 | 転がり軸受のクリープ防止装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1082428A true JPH1082428A (ja) | 1998-03-31 |
Family
ID=26492533
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9169066A Pending JPH1082428A (ja) | 1996-07-17 | 1997-06-25 | 転がり軸受のクリープ防止装置 |
Country Status (4)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5785433A (ja) |
| JP (1) | JPH1082428A (ja) |
| DE (1) | DE19730749C2 (ja) |
| GB (1) | GB2315524B (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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