JPH1080812A - 切削工具 - Google Patents

切削工具

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JPH1080812A
JPH1080812A JP25755296A JP25755296A JPH1080812A JP H1080812 A JPH1080812 A JP H1080812A JP 25755296 A JP25755296 A JP 25755296A JP 25755296 A JP25755296 A JP 25755296A JP H1080812 A JPH1080812 A JP H1080812A
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JP
Japan
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slider
pair
concave groove
tool
spacer
Prior art date
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JP25755296A
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Inventor
Hiroshi Shimomura
博 下村
Masaharu Takiguchi
正治 滝口
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 円錐状の工具本体1に形成された凹溝6にス
ライダー7が摺動自在に装着されて切刃チップ5Aがス
ライド可能とされた切削工具において、スライダー7の
ガタつきを抑える。 【解決手段】 凹溝6の一方の壁面6aとスライダー7
との間にセレーション溝8aを備えたスペーサー8を着
脱自在に介装するとともに、このスペーサー8に当接す
るスライダー7の一方の側面には、セレーション溝8a
に係合するセレーション溝7aを形成する一方、スライ
ダー7の他方の側面には、その一方の側面に対して凸と
なる断面V字状の凸部21を形成して、この他方の側面
と凹溝6の他方の壁面6bとの間に、凸部21のV字状
をなす一対の傾斜面21a,21aにそれぞれ密着する
一対のクサビ部材22,22をネジ部材23により互い
に離接可能として介装する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にエンジンのシ
リンダーヘッドにおけるバルブ穴の加工等に用いて最適
な切削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の切削工具として、本発明の発明
者等は、特開平7−241710号公報において、図2
ないし図5に示すようなものを提案している。これらの
図において工具本体1は略円錐状をなし、アダプタ2を
介して図示しない工作機械の主軸端等に装着され、その
軸線O回りに回転されて切削加工に供される。また、こ
の工具本体1の先端には上記軸線Oに沿ってブッシュ3
が装着されており、このブッシュ3には、ガンリーマ等
の穴加工工具(図示略)が嵌挿されて、軸4により工具
本体1に対して進退可能とされる。さらに、上記工具本
体1の先端部外周には3つの切刃チップ5A,5B,5
Cが設けられており、これらの切刃チップ5A,5B,
5Cのうち、二つの切刃チップ5B,5Cは工具本体1
に直接的に固定される一方、残りの一の切刃チップ5A
は、工具本体1がなす円錐の母線方向に沿ってスライド
可能に取り付けられている。
【0003】すなわち、工具本体1にはその円錐形状の
母線の方向に沿って、つまり軸線Oに斜交する方向に、
図2に示すように凹溝6が形成されており、この凹溝6
にはスライダー7が該凹溝6に沿って摺動可能に装着さ
れていて、上記切刃チップ5Aはこのスライダー7に着
脱自在に固定されているのである。ここで、この凹溝6
は、互いに平行な一対の対向する壁面6a,6bと、こ
れらの壁面6a,6bに直交する底面6cとにより画成
されてなるものであって、この凹溝6内には、工具回転
方向Tを向く壁面6a側にスペーサー8が、また工具回
転方向Tの後方側を向く壁面6b側にはクサビ部材9
が、それぞれクランプボルト10…,11…により着脱
自在に取り付けられており、上記スライダー7はこれら
スペーサー8とクサビ部材9との間に介装されている。
【0004】上記スペーサー8は、工具本体1への装着
状態において凹溝6の略全長に亙って延びるように形成
された板状の部材であって、凹溝6の上記壁面6aおよ
び底面6cに密着するように取り付けられているととも
に、このスペーサー8の凹溝6の内側を向く側面、すな
わち工具回転方向Tを向く側面には、上記母線方向に沿
って延びるように断面波型のセレーション溝8aが係合
部として形成されている。また、クサビ部材9もスペー
サー8と同様、工具本体1への装着状態において凹溝6
の全長に亙って延びるように形成されており、その工具
回転方向T側を向く側面9aが上記壁面6bに密着する
ようにして取り付けられるとともに、凹溝6の内側、す
なわち工具回転方向Tの後方側を向く側面9bは、凹溝
6の底面6c側に向かうに従い上記側面9a側に向かう
傾斜面とされている。
【0005】さらに上記スライダー7は、図2に示すよ
うに「く」字状に曲折する角柱状部材であって、その基
端側が凹溝6内に配置されるとともに、先端部には上記
切刃チップ5Aが着脱自在に取り付けられている。そし
て、このスライダー7の基端部には、上記壁面6a側を
向く一方の側面に、スペーサー8のセレーション溝8a
と密着する断面波型のセレーション溝7aが被係合部と
して形成される一方、反対側の壁面6b側を向く他方の
側面7bは、クサビ部材9の側面9bがなす傾斜に合わ
せて、凹溝6の底面6c側に向かうに従い上記一方の側
面側から離間する傾斜面とされている。なお、クサビ部
材9に挿通されたクランプボルト11には皿バネ12が
圧縮された状態で緩挿されており、この皿バネ12がク
サビ部材9を凹溝6の底面6c側に付勢することによ
り、スライダー7が常にスペーサー8側に押し付けられ
て両セレーション溝7a,8aが合致した状態が維持さ
れるようになされている。
【0006】一方、工具本体1およびアダプタ2の内部
には、それぞれ軸線Oに沿って取付穴1a,2aが形成
されており、これらの穴1a,2aにはスライド軸13
およびカップリング部材14が挿通されている。このカ
ップリング部材14はキー14aを介して上記取付穴1
aに嵌着されており、これによってカップリング部材1
4は、工具本体1と上記軸線O回りに一体的に回転可
能、かつスライド軸13を進退させることによって上記
取付穴1a内を進退可能とされている。さらに、工具本
体1の上記凹溝6と取付穴1aとは貫通穴6dを介して
連通している一方、スライダー7にはこの貫通穴6aを
通って取付穴1aに突出する連結ピン15が取り付けら
れており、この連結ピン15の先端がカップリング部材
14の斜孔14bに嵌挿されることによってスライダー
7はカップリング部材14に連結されていて、スライド
軸13によって上述のようにカップリング部材14を進
退させることにより、スライダー7が凹溝6内を摺動し
て切刃チップ5Aを軸線Oに斜交する方向にスライドさ
せるようになされている。
【0007】このような構成の切削工具によって上述し
たようなバルブ穴の加工を行うには、上記ブッシュ3に
穴加工工具を装着して軸4により工具本体1の基端側に
引き込んだ上で、工具本体1を軸線O回りに回転しつつ
該軸線O方向に送りを与え、まず固定された上記二つの
切刃チップ5B,5Cによって図5に示すように穴の開
口部に面取りC,Cを形成する。そして、このように面
取りC,Cが形成されたなら、工具本体1を回転させた
まま一旦工具本体1を僅かに後退させ、次いで上記スラ
イド軸13を突き出してカップリング部材14を前進さ
せることにより、上述のように連結ピン15を介してス
ライダー7をスライドさせ、切刃チップ5Aを上記移動
軌跡Rに沿って移動させて穴の開口部にテーパ面Pを形
成する。しかる後、なお工具本体1を回転させたまま、
軸4により上記穴加工工具を前進させてバルブ穴の内部
に挿入し、このバルブ穴自体の仕上げ加工を行う。
【0008】なお、上記図5は、切刃チップ5A,5
B,5Cの軸線O回りの回転軌跡を示すものであり、こ
の図5に示されるように上記二つの切刃チップ5B,5
Cは、その切削に供される切刃部分5b,5cが回転軌
跡において互いに鈍角に交差するように配置されてい
る。一方、切刃チップ5Aの切刃部分5aがスライダー
7を摺動させることにより移動する移動軌跡Rは、切刃
チップ5B,5Cの上記切刃部分5b,5cの間におい
て、両切刃部分5b,5cに鈍角に交差する方向に延び
るように配置されている。さらに図中符号Sで示すの
は、バルブ穴等の開口部周縁に嵌装される焼結合金等の
硬質部材である。
【0009】しかるに、このように構成された切削工具
では、切刃チップ5Aに作用する切削負荷は、スライダ
ー7を介して主にスペーサー8により受けとめられるこ
ととなり、またこのスライダー7の摺動による摩耗も専
らスペーサー8やクサビ部材9に生じるため、かかる切
削負荷やスライダー7の摺動によって工具本体1が損傷
したりすることがなく経済的であり、またスペーサー8
やクサビ部材9は交換可能であるので、これらに摩耗や
変形が生じた場合でも、容易かつ速やかに加工精度の回
復を図ることができる。さらに、上記切削工具では、皿
バネ12によってクサビ部材9が凹溝6の底面6c側に
付勢されるのに伴い、スライダー7も常にスペーサー8
側に押し付けられているため、スペーサー8とスライダ
ー7との両セレーション溝7a,8aに多少の摩耗が生
じても、スライダー7のガタつきを抑えることができる
という効果も奏されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記切削工
具では、このように皿バネ12によってクサビ部材9が
底面6c側に付勢されることにより、凹溝6の底面6c
側に向かうに従い壁面6b側に向かって傾斜したクサビ
部材9の側面9bがスライダー7の他方の側面7bを押
圧して、スライダー7をスペーサー8側に押し付けるた
め、スライダー7に、スペーサー8側に向かう押付力と
ともに凹溝6の底面6c側に向かう押付力が作用するこ
とは避けられない。そして、この後者の押付力により、
スライダー7の下面7cが凹溝6の底面6cに押し付け
られて両面が摩耗するおそれが生じるとともに、互いに
係合する上記セレーション溝7a,8aにおいても、セ
レーション溝7aの底面6c側を向く部分と、これに接
触するセレーション溝8aの工具外周側(図3において
上側)を向く部分との間で、他の部分よりも偏って摩耗
が促進されてしまうおそれもあった。
【0011】本発明は、このような背景の下になされた
もので、上述のような切刃チップがスライド可能とされ
た切削工具において、スライダーに凹溝の底面側に向か
う押付力を生じさせることがなく、スライダー下面と凹
溝底面との摩耗やセレーション溝(係合部および被係合
部)の偏摩耗を防いで、一層確実にスライダーのガタつ
きを抑えることが可能な切削工具を提供することを目的
としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、か
かる目的を達成するために、本発明は、工具本体の母線
方向に延びる凹溝の互いに対向する一対の壁面のうち、
一方の壁面とスライダーとの間に、上記母線方向に延び
る係合部を備えたスペーサーを着脱自在に介装するとと
もに、このスペーサーに当接せしめられる上記スライダ
ーの一方の側面には、上記係合部に係合する被係合部を
形成する一方、該スライダーの他方の側面には、上記一
方の側面に対して凸となる断面V字状の凸部または上記
一方の側面側に凹む断面V字状の凹部を形成し、この他
方の側面と上記凹溝の他方の壁面との間に、上記凸部ま
たは凹部のV字状をなす一対の傾斜面にそれぞれ密着す
る傾斜面を備えた一対のクサビ部材を互いに離接可能に
介装したことを特徴とするものである。従って、スライ
ダーは、その他方の側面に形成された断面V字状の凸部
または凹部の一対の傾斜面に、一対のクサビ部材の離接
によってその傾斜面がそれぞれ当接することにより凹溝
の一方の壁面側に押し付けられるので、これら一対のク
サビ部材によりスライダーに与えられる押付力のうち、
上記一対の傾斜面の二等分線に垂直な方向に作用する押
付力、すなわち凹溝の底面に垂直な方向の押付力は、互
いに反対向きとなって相殺されることとなり、このため
凹溝の底面側に作用する押付力を低減することができ
る。
【0013】ここで、上記一対のクサビ部材を互いに離
接可能とするには、例えば両クサビ部材を互いに逆方向
に捻れるネジ部を備えたネジ部材の両ネジ部に螺合すれ
ばよく、この際、上記スライダーの他方の側面と凹溝の
他方の壁面との間の間隙は、上記他方の側面に断面V字
状の凸部が形成される場合にはその工具内周側(凹溝の
底面側)の傾斜面が、また凹部が形成される場合にはそ
の工具外周側の部分(凹溝の底面とは反対側)がそれぞ
れ漸次幅狭となり、これにより上記ネジ部材によって連
結されたクサビ部材の工具径方向への動きが拘束される
ので、係止部材などを特に設けなくても、これらクサビ
部材やスライダーが工具の径方向にガタついたり、脱落
したりするようなことはない。また、上記凸部または凹
部のV字状をなす一対の傾斜面は、その断面においてこ
れら一対の傾斜面の二等分線に垂直な線に対する傾斜角
を1°〜45°の範囲となるように設定するのが望まし
く、この傾斜角が上記範囲を下回るほど小さいと、両ク
サビ部材間の付勢力に対するスライダーの一方の壁面側
への押圧力が小さくなるため、より大きな付勢力が必要
とされることとなる一方、逆に上記傾斜角が上記範囲を
上回るほど大きいと、スライダーに形成される上記凹部
の一方の側面側への深さが大きくなり、これに伴いスラ
イダーの幅も大きくしなければならなくなってしまう。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態を示
すものであるが、本実施形態は、基本的構成については
図2ないし図5に示した従来の切削工具と同様であるの
で、共通する部分については同一の符号を配して説明を
簡略化する。すなわち、本実施形態では、凹溝6の底面
6cに直交する断面図である上記図1に示す通り、スラ
イダー7の工具回転方向Tを向く他方の側面に、工具回
転方向T後方側を向く一方の側面側に対して凸となる断
面V字状の凸部21が形成されているとともに、この他
方の側面と凹溝6の工具回転方向Tの後方側を向く他方
の壁面6bとの間に一対のクサビ部材22,22が工具
径方向(図1における上下方向)に並んで介装され、し
かもこれらのクサビ部材22,22が、両端に逆方向に
捻れるネジ部23a,23aを備えたネジ部材23にそ
れぞれ螺合された構成とされている。なお、凹溝6の工
具回転方向T側を向く壁面6aとスライダー7の上記一
方の側面との間にはスペーサー8が介装されてクランプ
ボルト10により固定され、互いに対向して接触するス
ペーサー8の側面とスライダー7の一方の側面とに、そ
れぞれセレーション溝8a,7aが係合部および被係合
部として形成されて互いに係合せしめられている点は、
上記従来の切削工具と同様である。
【0015】ここで、上記凸部21は、スライダー7の
上記他方の側面が、一方の側面側から離間する方向に向
かう従い互いに接近して交差する一対の傾斜面21a,
21aによって形成されることにより、上述のように断
面V字状に画成されてなるものであり、これらの傾斜面
21a,21aの断面がなすV字の二等分線は、凹溝6
の底面6cに密着するスライダー7の下面7cに平行と
なるように、かつスライダー7の厚さの1/2の位置を
通るように設定されている。また、この断面において上
記二等分線に垂直な直線L、すなわちスライダー7の下
面7cに直交する線に対し、上記傾斜面21a,21a
がなす傾斜角θは、本実施形態では1°〜45°の範囲
に設定されている。従って、傾斜面21a,21a同士
がなす交差角は、本実施形態では178°〜90°の範
囲に設定されることとなる。
【0016】一方、上記クサビ部材22,22は、図1
に示すように互いに略対称な台形断面を有する柱状の部
材であって、スライダー7と凹溝6の他方の壁面6bと
の間の工具内周側(図1において下側)と工具外周側
(図1において上側)とにそれぞれ介装されており、ス
ペーサー8と同じく工具本体1への装着状態において凹
溝6の略全長に亙って延びるように配設されている。ま
た、これらのクサビ部材22,22の厚さ(上記直線L
方向の厚さ)は、スライダー7の厚さの1/2よりもそ
れぞれ若干小さくなるように設定されており、これによ
り、工具本体1への装着状態において両クサビ部材2
2,22の間、および工具内周側のクサビ部材22と凹
溝6の底面6cとの間には、図示の通り小さな間隙が画
成されることとなる。そして、これらのクサビ部材2
2,22の側面のうちスライダー7側を向く一方の側面
22a,22aは、互いに他方のクサビ部材22側から
離間する方向に向かうに従い、すなわち工具内周側のク
サビ部材22にあっては工具内周側に向かうに従い、ま
た工具外周側のクサビ部材22にあっては工具外周側に
向かうに従い、それぞれ凹溝6の他方の壁面6b側を向
く該クサビ部材22の他方の側面22b側から離間する
方向に傾斜するように形成されており、その傾斜角は上
記傾斜角θと等しく設定されている。
【0017】さらに、これらのクサビ部材22,22に
は、それぞれの上記他方の側面22b,22bを凹溝6
の他方の壁面6bに密着させた状態で同軸となるように
ネジ穴22c,22cが形成されており、これらのネジ
穴22c,22cは図1に示すように当該クサビ部材2
2,22を装着した状態で、その捩れの方向が逆向きと
なるように形成されている。そして、これらのネジ穴2
2c,22cに上記ネジ部材23のネジ部23a,23
aがそれぞれ螺合しており、このネジ部材23を回動さ
せることで両クサビ部材22,22は互いに離接可能と
され、両クサビ部材22,22を接近させることによ
り、各クサビ部材22は、その一方の側面22aがスラ
イダー7の凸部21の傾斜面21aに密着してスライダ
ー7を凹溝6の一方の壁面6a側に押し付けるととも
に、他方の側面22bが凹溝6の他方の壁面6bに密着
した状態とされ、一方スライダー7は、これらクサビ部
材22,22によって凹溝6の一方の壁面6a側に押し
付けられ、その一方の側面に形成されたセレーション溝
7aがスペーサー8のセレーション溝8aに確実に噛み
合わされることになる。
【0018】しかるに、このように構成された切削工具
では、上記クサビ部材22,22からスライダー7に作
用する押付力のうち、このスライダー7を凹溝6の上記
一方の壁面6a側に押し付ける方向の成分に直交する方
向の成分、すなわち上記直線L方向に作用する成分は、
両クサビ部材22,22同士で大きさが等しく、方向が
逆となるため互いに相殺されることとなり、スライダー
7にこれを凹溝6の底面6c側に押し付けようとする力
が作用することはない。このため、上記構成の切削工具
によれば、上記一方の壁面6a側への押付力によって常
にセレーション溝7a,8aを確実に噛み合わせること
によりスライダー7のガタつきが防止されるのは勿論の
こと、上記底面6c側への押付力によってスライダー7
の下面7cと上記底面6cとの間の摩耗が促進された
り、セレーション溝7a,8aの間に偏摩耗が生じたり
するのを防いで、このような摩耗によるスライダー7の
ガタつきをも防止することができ、従って各部材の寿命
を延長せしめて当該切削工具のメインテナンスフリー化
を促しつつも、高精度の切削加工を図ることができる。
【0019】また、本実施形態では、上記クサビ部材2
2,22が、これらクサビ部材22,22のネジ穴22
c,22cに螺合するネジ部23a,23aを備えたネ
ジ部材23により互いに離接可能とされており、両クサ
ビ部材22,22を離接せしめるための構造が比較的簡
単であるとともに、スライダー7やスペーサー8、ある
いはクサビ部材22,22を交換する際でも、スペーサ
ー8を固定するクランプボルト10…のみを取り外せば
良く、交換作業を容易とすることができる。しかも、こ
のようにクランプボルト10…だけでスライダー7、ス
ペーサー8、およびクサビ部材22,22が取り付けら
れているにも拘わらず、スライダー7はセレーション溝
7a,8aによってスペーサー8に係合し、またスライ
ダー7とクサビ部材22,22とは、スライダー7の凸
部21の工具内周側(凹溝6の底面6c側)の傾斜面2
1aと凹溝6の他方の壁面6bとの間が工具外周側に向
かうに従い漸次幅狭となることにより、この工具内周側
のクサビ部材22が工具外周側に係止された状態となる
とともに、工具外周側のクサビ部材22はネジ部材23
によって内周側のクサビ部材22に連結されているの
で、特に係止部材等を設けずともこれらスライダー7や
クサビ部材22,22が切削加工時等に工具本体1の径
方向にガタついたり、凹溝6から脱落したりすることが
なく、安定した切削を促すことができる。
【0020】さらに本実施形態では、上記凸部21を画
成する傾斜面21a,21aがその二等分線に直交する
直線Lに対してなす傾斜角θが1°〜45°の範囲に設
定されており、これにより、凸部21がスライダー7の
一方の側面側に深くなり過ぎて、スライダー7自体の幅
が大きくなってしまうのを防ぐことができる一方、逆に
これらの傾斜面21a,21aの傾斜角θが小さくなり
過ぎて、上記コイルスプリング23によるクサビ部材2
2,22の付勢力に対し、スライダー7のスペーサー8
側への押付力が小さくなってしまうのも防ぐことができ
る。
【0021】なお、本実施形態では、スライダー7の他
方の側面に断面V字状の凸部21を形成するとともに、
この凸部21の傾斜面21a,21aに密着する側面2
2a,22aを有するクサビ部材22,22をネジ部材
23によって互いに接近させることにより、スライダー
7を凹溝6の一方の壁面6a側に押し付けるようにして
いるが、これとは逆に、スライダーの他方の側面に一方
の側面側に向かって凹む断面V字状の凹部を形成すると
ともに、この凹部の一対の傾斜面にそれぞれ密着する傾
斜した側面を備えたクサビ部材を、逆ネジ部を備えたネ
ジ部材等によって離間させることにより、スライダーを
凹溝の一方の壁面側に押し付けて、スペーサーとの間で
セレーション溝等の係合部と被係合部を係合させるよう
にしてもよい。また、これら係合部と被係合部について
も、上記セレーション溝7a,8a以外に、例えば断面
V字状の凹部と凸部とにより両者を係合させるようにし
てもよい。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
互いに離間する方向に付勢された一対のクサビ部材を、
スライダーに形成された断面V字状の凸部または凹部の
一対の傾斜面にそれぞれ密着させることにより、スライ
ダーをスペーサー側に押し付けて互いの係合部と被係合
部とを確実に係合させることができる上、このスライダ
ーを凹溝の底面側に押し付ける押付力が作用するのを抑
えることができる。従って、これによりスライダー下面
と凹溝底面との摩耗や上記係合部と被係合部との偏摩耗
を防いで、各部材の寿命の延長を図ることができるとと
もに、かかる摩耗によるスライダー等のガタつきをも防
止して高精度の切削加工を促すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す、図2におけるZ
Z断面に相当する断面図である。
【図2】 従来の切削工具を示す断面図である。
【図3】 図2に示す切削工具の正面図である。
【図4】 図2に示す切削工具のZZ断面図である。
【図5】 図2に示す切削工具の切刃チップ5A,5
B,5Cの軸線O回りの回転軌跡を示す図である。
【符号の説明】
1 工具本体 5A,5B,5C 切刃チップ 6 凹溝 6a 凹溝6の工具回転方向Tを向く一方の壁面 6b 凹溝6の工具回転方向T後方側を向く他方の壁面 6c 凹溝6の底面 7 スライダー 7a セレーション溝(被係合部) 8 スペーサー 8a セレーション溝(係合部) 21 凸部 21a 凸部21の傾斜面 22 クサビ部材 22a クサビ部材22の工具回転方向T後方側を向く
一方の側面 23 ネジ部材 T 工具回転方向 L 傾斜面21a,21aの二等分線に垂直な直線 θ 直線Lに対する傾斜面21aの傾斜角

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線回りに回転される略円錐状の工具本
    体に、この円錐の母線方向に沿って凹溝が形成され、こ
    の凹溝内には切刃チップを備えたスライダーが該凹溝に
    沿って摺動可能に装着されてなる切削工具において、 上記凹溝の互いに対向する一対の壁面のうち、一方の壁
    面と上記スライダーとの間には、上記母線方向に延びる
    係合部を備えたスペーサーが着脱自在に介装されるとと
    もに、このスペーサーに当接せしめられる上記スライダ
    ーの一方の側面には、上記係合部に係合する被係合部が
    形成される一方、該スライダーの他方の側面には、上記
    一方の側面に対して凸となる断面V字状の凸部または上
    記一方の側面側に凹む断面V字状の凹部が形成されてお
    り、この他方の側面と上記凹溝の他方の壁面との間に
    は、上記凸部または凹部のV字状をなす一対の傾斜面に
    それぞれ密着する傾斜面を備えた一対のクサビ部材が互
    いに離接可能に介装されていることを特徴とする切削工
    具。
  2. 【請求項2】 上記一対のクサビ部材は、互いに逆方向
    に捻れるネジ部を備えたネジ部材に螺合することによ
    り、離接可能とされていることを特徴とする請求項1に
    記載の切削工具。
  3. 【請求項3】 上記凸部または凹部のV字状をなす一対
    の傾斜面は、その断面においてこれら一対の傾斜面の二
    等分線に垂直な線に対する傾斜角が1°〜45°の範囲
    となるように設定されていることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の切削工具。
JP25755296A 1996-09-06 1996-09-06 切削工具 Withdrawn JPH1080812A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009178814A (ja) * 2008-01-31 2009-08-13 Mitsubishi Materials Corp 切削工具

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JP2009178814A (ja) * 2008-01-31 2009-08-13 Mitsubishi Materials Corp 切削工具

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