JPH108013A - アクリル系粘接着剤組成物 - Google Patents

アクリル系粘接着剤組成物

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JPH108013A
JPH108013A JP2253897A JP2253897A JPH108013A JP H108013 A JPH108013 A JP H108013A JP 2253897 A JP2253897 A JP 2253897A JP 2253897 A JP2253897 A JP 2253897A JP H108013 A JPH108013 A JP H108013A
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JP
Japan
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block
copolymer
alkyl
acrylate
meth
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JP2253897A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Miyashita
拓 宮下
Masateru Fukuoka
正輝 福岡
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被着体の極性を問わず良好な粘着性を示し、
また、ホットメルト接着剤としての使用にも適したアク
リル系粘接着剤組成物を提供する。 【解決手段】 組成が異なり、カルボキシル基を有する
ビニル系モノマーを含有するブロックA及びブロックB
からなり、重量平均分子量が1万〜400万であるブロ
ック共重合体(I)からなるアクリル系粘接着剤組成物
であって、上記ブロックB中のカルボキシル基を有する
ビニル系モノマーの共重合比率が、上記ブロックA中の
カルボキシル基を有するビニル系モノマーの共重合比率
より小さいことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアクリル系粘接着剤
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】粘着剤組成物は、粘着テープ、粘着シー
ト等の粘着剤層等に使用される。接着剤組成物は感圧性
接着剤やホットメルト型接着剤等として使用される。こ
のような粘着剤組成物、接着剤組成物は、その用途の広
がりに伴って要求される性能が高度化する傾向にある。
【0003】粘接着性組成物としては、従来、ゴム系の
ものが知られている。しかし、ゴム系粘着剤組成物は凝
集力、耐候性、耐油性等の性能が必ずしも充分ではな
く、高度化する要求性能に応えることが困難である。そ
こでゴム系粘着剤組成物に比べ、凝集力、耐候性、耐油
性等に優れる(メタ)アクリル酸エステル系ランダム共
重合体からなるアクリル系の粘着剤組成物が開発され、
各種用途に利用されている。
【0004】アクリル系ランダム共重合体はそれ自体に
タック感があり、粘着付与樹脂を添加しなくても粘着剤
となり得るが、ポリエチレンやポリプロピレン等の低極
性被着体に対しては良好な粘着性を発揮しにくい。ま
た、カルボキシル基含有モノマー等の極性モノマーを共
重合させる場合、このような極性モノマーの共重合量を
増やすと金属板等の高極性被着体に対する粘着性は向上
するが、ポリエチレンやポリプロピレン等の低極性被着
体に対する接着力は事実上許容できない程度に低下す
る。このため、低極性被着体に対する接着力の向上を目
的として粘着付与樹脂が添加される。
【0005】しかしながら、アクリル系ランダム共重合
体に粘着付与樹脂を添加して得られる粘着剤において
は、常温における低極性被着体に対する接着力の向上は
みられるものの、低温時のタックが著しく低下する。
【0006】このような問題を解決する方法としては、
特開平3−281587号公報には、特定の水酸基を有
するビニル系モノマー有する樹脂酸エステル化物を粘着
付与樹脂として使用するアクリル系粘着剤組成物が開示
されている。しかしながら、このものは低温における粘
着性は改善されるが、凝集力は必ずしも満足できるもの
ではない。
【0007】一方、近年、溶剤を用いる接着剤による環
境汚染問題が厳しく取り上げられるようになり、また、
省エネルギー、省資源の観点からも溶剤を使用しないホ
ットメルト型の接着剤組成物がクローズアップされてい
る。
【0008】現在、ホットメルト型接着剤組成物として
は、熱溶融性、流動性、他の樹脂との相溶性に優れてい
ることから、エチレン−酢酸ビニルランダム共重合体を
主成分とするものが主流である。
【0009】しかしながら、エチレン−酢酸ビニルラン
ダム共重合体を主成分とするホットメルト型接着剤組成
物はタックが充分ではなく、低温時における粘着性に劣
り、また、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィ
ン系共重合体等の低極性被着体に対する接着力が不充分
である。
【0010】オレフィン系共重合体等の低極性被着体へ
の粘着性を高めたホットメルト型接着剤組成物として、
特開昭54−91540号公報には、共役ジオレフィン
重合体及びモノビニル置換芳香族化合物重合体からなる
ブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン系樹脂、フェノール系樹脂、並びに、粘着付与樹
脂からなるものが開示されている。
【0011】特開昭54−127441号公報には、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、限定された分子量を有す
る液状ゴム、及び、粘着付与樹脂からなるものが開示さ
れている。しかし、これらのものは、その組成中に共役
二重結合を有するので、光や熱に対する耐劣化性におい
て満足できるものではない。
【0012】ホットメルト型接着剤組成物としてはアク
リル樹脂系のものも知られている。このものはタックに
優れ、また、ゴム系の接着剤と比較して耐候性や耐溶剤
性等に優れているので各種用途に広く使用されている。
【0013】アクリル系のホットメルト型接着剤組成物
として、特開昭59−75975号公報には、(メタ)
アクリル酸エステルを主成分とする主鎖に、重合性ポリ
マーをグラフト重合させたものが開示されている。
【0014】しかしながら、このものは熱溶融性と凝集
力とをバランスよく付与することが困難である。即ち、
このものをホットメルト型接着剤として使用した場合、
60℃以上の高温になると接着剤が流動して塗布部から
はみ出してしまう。また、流動性を制御するために凝集
力を高めると、溶融粘度が高くなりすぎて塗布が困難に
なる。
【0015】このように、低極性被着体に対しても、ま
た、高極性被着体に対しても、ともに充分の粘着性を発
揮し、かつ、粘着特性、溶融特性のバランスに優れたア
クリル系粘着剤組成物及びアクリル系接着剤組成物はい
まだ完成されていない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、被着体の極性を問わず良好な粘着性を示し、また、
ホットメルト接着剤としての使用にも適したアクリル系
粘接着剤組成物を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明のアクリル系粘接
着剤組成物は、組成が異なり、カルボキシル基を有する
ビニル系モノマーを含有するブロックA及びブロックB
からなり、重量平均分子量が1万〜400万であるブロ
ック共重合体(I)からなるアクリル系粘接着剤組成物
であって、前記ブロック共重合体(I)は、一般式(A
−B)a−A、一般式(B−A)b−B、一般式(A−
B)c、一般式(A−B)m−X、一般式Ao−T−B
pで表されるそれぞれのブロック共重合体(II)の群
から選ばれる1種以上のブロック共重合体が、少なくと
も1個のAもしくはBを介して結合されているブロック
共重合体であり、前記ブロックB中のカルボキシル基を
有するビニル系モノマーの共重合比率が、前記ブロック
A中のカルボキシル基を有するビニル系モノマーの共重
合比率より小さいことを特徴とするものである。
【0018】式中、Aは、カルボキシル基を有するビニ
ル系モノマー及びアルキル基の炭素数が1〜12のアル
キル(メタ)アクリレートからなる共重合体(III)
を表し、Bは、アルキル基の炭素数が1〜12のアルキ
ル(メタ)アクリレートからなる重合体もしくは共重合
体(IV)、又はカルボキシル基を有するビニル系モノ
マーとアルキル基の炭素数が1〜12のアルキル(メ
タ)アクリレートからなる共重合体(V)を表す。
【0019】Xは複数個の共重合体(A−B)を結合す
ることのできる化合物残基、TはAとBとを結合するこ
とのできる化合物残基を表す。mは3〜30の整数を表
し、a、b、cは、同一又は異なって、1〜10の整数
を表す。o,pは同一又は異なって1以上の整数を表
し、o+p=3〜30の関係にある。
【0020】以下に本発明を詳述する。本発明で使用さ
れるブロック共重合体(I)は、重量平均分子量1万〜
400万のものである。重量平均分子量が1万未満であ
ると凝集力が充分でなく、400万を超えると粘度が上
昇し、塗工性が悪化するので上記範囲に限定される。好
ましい重量平均分子量は25万〜200万である。
【0021】本発明におけるブロック共重合体(I)
は、組成が異なるブロックA及びブロックBからなり、
ブロックA及びブロックBはカルボキシル基を有するビ
ニル系モノマーを含有するものである。上記ブロック共
重合体(I)は、一般式(A−B)a−A、一般式(B
−A)b−B、一般式(A−B)c、一般式(A−B)
m−X、及びAo−T−Bpで表されるブロック共重合
体の群から選択される1種以上のブロック共重合体であ
る。
【0022】上記各一般式で表されるそれぞれのブロッ
ク共重合体(II)は、上記ブロックAとして、カルボ
キシル基を有するビニル系モノマー及びアルキル基の炭
素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレートからな
る共重合体(III)を有する。
【0023】上記カルボキシル基を有するビニル系モノ
マーとしては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリ
ル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレ
イン酸、フマル酸等が挙げられる。
【0024】上記アルキル基の炭素数が1〜12のアル
キル(メタ)アクリレートとしては特に限定されず、例
えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソ
プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)ア
クリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブ
チル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)ア
クリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソ
オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、アダマンタン(メ
タ)アクリレート、ジメチルアダマンタン(メタ)アク
リレート、ボロニル(メタ)アクリレート、イソボロニ
ル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単
独で又は2種以上を併用することができる。
【0025】上記ブロックAを構成する共重合体(II
I)は、上記カルボキシル基を有するビニル系モノマー
と上記アルキル基の炭素数が1〜12のアルキル(メ
タ)アクリレートとの共重合割合が、上記カルボキシル
基を有するビニル系モノマー0.5〜60.0重量%、
上記アルキル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)
アクリレート99.5〜40.0重量%であることが好
ましい。
【0026】カルボキシル基を有するビニル系モノマー
が0.5重量%未満で、アルキル基の炭素数が1〜12
のアルキル(メタ)アクリレートが99.5重量%を超
えると、高極性の効果が現れず、充分な粘着性能が得ら
れず、上記カルボキシル基を有するビニル系モノマーが
60.0重量%を超え、上記アルキル基の炭素数が1〜
12のアルキル(メタ)アクリレートが40.0重量%
未満であると、組成物の極性が高くなりすぎ、従来のラ
ンダム共重合体からなる組成物の場合と同様に、低極性
被着体に対する粘着性が低下する。より好ましくは、カ
ルボキシル基を有するビニル系モノマーは1.0〜1
0.0重量%、アルキル基の炭素数が1〜12のアルキ
ル(メタ)アクリレートは99.0〜90.0重量%で
ある。
【0027】上記ブロックAを構成する共重合体(II
I)においては、上記カルボキシル基を有するビニル系
モノマー及び上記アルキル基の炭素数が1〜12のアル
キル(メタ)アクリレートに加えて、ガラス転移温度及
び粘着性能の調節のために、必要に応じて、更に、スチ
レン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、N−ビ
ニルピロリドン、アクリロイルモルホリン等の他のビニ
ル系モノマーを共重合させることができる。
【0028】この場合において、上記他のビニル系モノ
マーの配合量は59.5重量%以下が好ましい。59.
5重量%を超えると粘着剤組成物が硬くなり過ぎ、特に
低極性被着体に対する粘着力が低下する。
【0029】上記ブロック共重合体(I)をアクリル系
接着剤組成物として使用する場合には、上記他のビニル
系モノマーの配合量は59.5重量%以下が好ましい。
59.5重量%を超えると接着剤組成物が硬くなり過
ぎ、特に低極性被着体に対する接着力が低下する。
【0030】上記共重合体(III)は、ガラス転移温
度が−100〜20℃のものが好ましい。−100℃未
満であると、粘着性、タック、保持力等の粘着物性をバ
ランス良く発揮させることができず、20℃を超えると
特に低極性被着体に対する粘着性能が低下する。より好
ましくは−50〜20℃のものである。
【0031】上記共重合体(III)は重量平均分子量
500〜30万のものが好ましい。重量平均分子量が5
00未満であるとブロックとしての機能が発現せず、3
0万を超えると低極性被着体に対する粘着性能が低下す
る。より好ましくは1000〜30万のものである。
【0032】上記各一般式で表されるそれぞれのブロッ
ク共重合体(II)は、上記ブロックBとしてアルキル
基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレート
からなる重合体もしくは共重合体(IV)、又はカルボ
キシル基を有するビニル系モノマーとアルキル基の炭素
数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレートからなる
共重合体(V)を有する。
【0033】上記ブロックBのカルボキシル基を有する
ビニル系モノマーの重合比率は、上記ブロックA中のカ
ルボキシル基を有するビニル系モノマーの重合比率より
小さい。上記ブロックB中のカルボキシル基を有するビ
ニル系モノマーの重合比率が、上記ブロックA中のカル
ボキシル基を有するビニル系モノマーの重合比率以上で
あると、被着体の極性に対応する粘着性を発現すること
ができず、被着体の極性を問わず良好な粘着性を発揮す
るということができないので、上記範囲内に限定され
る。
【0034】上記カルボキシル基を有するビニル系モノ
マーとしては特に限定されず、例えば、上記ブロックA
を構成する上記カルボキシル基を有するビニル系モノマ
ー及びアルキル基の炭素数が1〜12のアルキル(メ
タ)アクリレートからなる共重合体(III)において
例示したものと同様のものが挙げられる。
【0035】上記ブロックBを構成するビニル系モノマ
ーを有するアルキル基の炭素数が1〜12のアルキル
(メタ)アクリレートからなる重合体もしくは共重合体
(IV)を構成するアルキル基の炭素数が1〜12のア
ルキル(メタ)アクリレートとしては特に限定されず、
例えば、上記ブロックAを構成する共重合体(III)
において例示したものと同様のものが挙げられる。
【0036】ブロックBを構成するビニル系モノマーを
有する共重合体(IV)においては、ガラス転移温度及
び粘着性能の調節のために、必要に応じて、更に、スチ
レン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、N−ビ
ニルピロリドン、アクリロイルモルホリン等の他のビニ
ル系モノマーを共重合させることができる。
【0037】ブロックBを構成する共重合体(IV)
は、ガラス転移温度が−100〜20℃のものが好まし
い。−100℃未満であると、粘着性、タック、保持力
等の粘着物性をバランス良く発揮させることができず、
20℃を超えると特に低極性被着体に対する粘着性能が
低下する。より好ましいガラス転移温度は−100〜0
℃である。
【0038】上記ブロックBを構成する共重合体(I
V)は、重量平均分子量が9500〜300万のものが
好ましい。9500未満であると凝集力が充分でなく、
300万を超えると粘度上昇等の問題が生じる。より好
ましい重量平均分子量は10万〜100万である。
【0039】本発明においては、上記一般式(A−B)
a−A、一般式(B−A)b−B、一般式(A−B)
c、一般式(A−B)m−X、一般式Ao−T−Bpで
表されるブロック共重合体(II)のいずれにおいて
も、上記Aで表されるブロックと上記Bで表されるブロ
ックとは、組成が互いに異なるものである。例えば、上
記ブロックA及び上記ブロックBが共に2種以上のモノ
マーよりなる共重合体であって、構成モノマーが異なる
場合等が挙げられる。
【0040】上記各一般式で表されるそれぞれのブロッ
ク共重合体のいずれにおいても、ブロックAを形成する
カルボキシル基を有するビニル系モノマー及びアルキル
基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレート
からなる共重合体(III、IV、V)の含有量はそれ
ぞれ0.5〜60.0モル%が好ましい。0.5モル%
未満であると被着体の極性に対応する粘着性能を発揮す
ることができず、60.0モル%を超えると低極性被着
体に対する粘着性能が充分でなくなる。
【0041】上記一般式(A−B)a−A、一般式(B
−A)b−B、一般式(A−B)cで表されるブロック
共重合体において、a、b、cは、同一又は異なって、
1〜10の整数である。10を超えると粘度が上昇し、
基材への塗工性が悪くなるので上記範囲に限定される。
好ましくは1〜8である。
【0042】本発明においては、上記各一般式で表され
るそれぞれのブロック共重合体(II)の構造としては
特に限定されず、例えば、直鎖状構造のもの、櫛形構造
のもの、星形構造のもの等が挙げられる。好ましくは直
鎖状構造のものである。
【0043】しかしながら、櫛形構造を得るためにマク
ロモノマーを用いることは好ましくない。これはマクロ
モノマーの製造過程に由来するものであり、以下の3つ
が問題点として挙げられる。 (1)マクロモノマー自体に副反応生成物としての2量
体が存在しているため、重合工程でゲルが発生するとい
う問題があり、ゲル化を抑制するためにマクロモノマー
の配合量を低減すると、必然的に目的の性能が得られな
い。 (2)高分子量の枝を有する櫛形構造の共重合体を得る
ためにマクロモノマーの分子量を数万以上数万以上にし
ようとすると、付加重合に必要な末端反応基の導入が困
難となり、多量に副生成する未反応オリゴマーのために
所望の物性が得られなくなる。 (3)マクロモノマーは一般にアニオン重合で合成され
るので、使用できるモノマーの種類が限定され、特に極
性基を少量しか導入できないので設計自由度が狭くなる
という欠点もある。
【0044】これらのブロック共重合体(II)が星形
構造である場合においては、上記ブロックAが内側にあ
って上記ブロックBが外側にある構造であってもよく、
上記ブロックBが内側にあって上記ブロックAが外側に
ある構造であってもよい。
【0045】上記各一般式で表されるそれぞれのブロッ
ク共重合体(II)の合成方法としては特に限定され
ず、例えば、リビング重合法、反応性の異なる開始点を
有する開始剤を用いる方法、紫外線重合法等を採用する
ことができる。
【0046】上記リビング重合法によれば、リビング重
合性の開始剤を用いて、先ず、例えば、上記ブロック
A、又は、上記ブロックBのいずれか一方の重合を行
い、上記ブロックA又は上記ブロックBの重合が完結し
た時点で他のブロックを構成するモノマーを添加し、成
長鎖末端に更に続けて重合反応を行い、上記ブロックB
又は上記ブロックAの重合を行うことができる。
【0047】上記リビング重合法としては特に限定され
ず、例えば、N,N,N′,N′−テトラエチルリチウ
ムジスルフィド、ベンジル−N,N−ジエチルジチオカ
ルバメート、p−キシレンビス(N,N−ジエチルジチ
オカルバメート)等のイニフィータを開始剤として用い
る方法;有機ランタノイド化合物を開始剤として用いる
方法;アルキルリチウム等を開始剤として用いるアニオ
ン重合法;シリルケテンアセタール等を開始剤として用
いるグループトランスファー法;アルミニウムポルフィ
リンを開始剤として用いる方法;メタルフリーリビング
アニオン法;リビングラジカル法等の公知の各手法を採
用することができる。
【0048】上記反応性の異なる開始点を有する開始剤
を用いる方法としては特に限定されず、例えば、ラジカ
ル発生温度の異なるパーオキサイド基を少なくとも2つ
有する開始剤を用いる方法、ラジカル発生機構の異なる
パーオキサイド基を少なくとも2つ有する開始剤を用い
る方法等を採用することがでる。
【0049】上記ラジカル発生温度の異なるパーオキサ
イド基を少なくとも2つ有する開始剤を用いる方法によ
れば、例えば、低温側開始点から、上記ブロックAを構
成するモノマー、又は、上記ブロックBを構成するモノ
マーのいずれか一方の重合を開始させ、上記ブロックA
又は上記ブロックBの重合を開始させた後、高温側開始
点から、他のブロックを構成するモノマーの重合を開始
させることにより、上記ブロックB又は上記ブロックA
の重合を行うことができる。
【0050】上記ラジカル発生機構の異なるパーオキサ
イド基を少なくとも2つ有する開始剤を用いる方法によ
れば、例えば、一方の開始点に還元剤を用いてラジカル
を発生させて、上記ブロックAを構成するモノマー、又
は、上記ブロックBを構成するモノマーのいずれか一方
の重合を開始させ、上記ブロックA又は上記ブロックB
の重合を開始させた後、温度を上げて他方の開始点から
他のブロックを構成するモノマーの重合を開始させて、
上記ブロックB又は上記ブロックAの重合を行うことが
できる。
【0051】具体的には、例えば、先ず、上記ブロック
Aを構成するモノマー、及び、一分子中に2つ以上のパ
ーオキサイド基を有するラジカル重合開始剤を、設定さ
れた温度レベル1で加熱反応させて上記ブロックAを重
合し、次いで、上記ブロックBを構成するモノマーを加
え、上記温度レベル1より高温に設定された温度レベル
2で加熱反応させることにより、上記一般式(A−B)
cで表されるブロック共重合体を合成することができ
る。
【0052】1分子中に反応性基と開始点を有する開始
剤を用いる方法は特に限定はなく、例えば、1分子中に
パーオキサイド基とビニル基を少なくとも1つずつ有す
る開始剤(D)を用いる方法などを採用できる。1分子
中にパーオキサイド基とビニル基を少なくとも1つずつ
有する開始剤(D)を用いる方法は、前記と異なる光開
始剤あるいは低温活性を有する開始剤によって、ビニル
系モノマー又はアルキル基の炭素数が1〜12のアルキ
ル(メタ)アクリレートと開始剤(D)のビニル基部分
を共重合させ、ブロックA又はブロックBを重合させた
後、開始剤(D)のパーオキサイド基によって他のブロ
ックを構成するモノマーの重合を行うことにより、ブロ
ックA又はブロックBの重合を行うことができる。
【0053】上記紫外線重合法によれば、例えば、先
ず、上記ブロックBを構成するモノマーとベンジル−
N,N−ジエチルジチオカルバメートとを混合し、反応
容器内を窒素パージした後、紫外線(UV)ランプにて
UV照射して上記ブロックBを重合させ、次いで、上記
ブロックAを構成するモノマーを加え、更にUV照射し
て上記ビニル系共重合体を重合させることにより、上記
一般式(A−B)a−Aで表されるブロック共重合体を
合成することができる。
【0054】その他の方法としては、上記ブロックAで
あってアゾ基を有するもの、又は、上記ブロックBであ
ってアゾ基を有するものを重合し、上記アゾ基を開始点
として他のブロックを構成するモノマーを重合させる方
法、予め通常のラジカル重合等で上記ブロックA、及
び、上記ブロックBを重合した後、これらを混合して紫
外線、電子線、放射線等を照射することにより、上記ブ
ロックAと上記ブロックBとをブロック重合させる方法
等を採用することもできる。
【0055】上記ブロック共重合体(I)においては、
凝集力向上のために架橋剤を添加することができる。上
記架橋剤としては特に限定されず、例えば、N,N′−
ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボ
アミド)、N,N′−ジフェニルメタン−1,6−ビス
(1−アジリジンカルボアミド)、トリメチロール−ト
リ−β−アジリジニルプロピオネート等の2官能以上の
アジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、
トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付
加物等のイソシアネート系化合物;N,N,N′,N′
−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン等のエポキ
シ樹脂;アルキルエーテル化メラミン樹脂;多価金属
塩;金属キレート等が挙げられる。
【0056】前記ブロック共重合体(I)には、90重
量%までの範囲でランダム共重合体(VI)あるいは単
独重合体が含まれてもよい。ランダム共重合体(VI)
あるいは単独重合体は、アルキル基の炭素数が1〜12
のアクリル(メタ)アクリレートからなる重合体、又は
該アルキル(メタ)アクリレートモノマー、ビニル系モ
ノマーの中から選ばれる2種以上のモノマーを共重合し
たものが用いられるが、ブロック共重合体(I)の組成
に近い方が好ましい。
【0057】複数個の共重合体(A−B)を結合するこ
とのできる化合物残基Xとしては、例えば、共重合体
(A−B)をアニオン重合などのリビング重合で得た場
合、テトラクロロシランあるいはトリクロロメチルベン
ゼン、テトラクロロメチルベンゼン、ペンタクロロメチ
ルベンゼン、ヘキサクロロメチルベンゼンなど含ハロゲ
ン基が1分子中に3個以上含まれる多官能開始剤などが
挙げられる。該化合物残基Xは共重合体(A−B)の重
合停止剤として添加することで(A−B)m−Xブロッ
ク共重合体が得られる。
【0058】又、AとBとを結合することのできる化合
物残基Tとしては、例えば、1分子中にパーオキサイド
基を3個以上含む開始剤〔2,2−Bis(4,4−d
i−t−butylperoxycyclohexy
l)propane(日本油脂社製,商品名「パーテト
ラA」)〕、あるいはO−allylOO−t−but
ylmonoperoxycarbonate(日本油
脂社製,商品名「ペロマーAC」)、あるいはO−vi
nylOO−t−butylmonoperoxyca
rbonateなどビニル基含有パーオキサイドをブロ
ックAあるいはブロックBの構成モノマーと共重合させ
た共重合体が挙げられる。
【0059】本発明のアクリル系粘着剤組成物及び本発
明のアクリル系接着剤組成物においては、必要に応じ
て、更に、粘着付与樹脂、充填剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、カルボン酸金属塩等を添加することができる。
【0060】上記粘着付与樹脂としては特に限定され
ず、例えば、C5 系(水添)石油樹脂、C9 系(水添)
石油樹脂、(水添)ロジン樹脂、(水添)ロジンエステ
ル樹脂、(水添)テルペン樹脂、(水添)テルペンフェ
ノール樹脂、(水添)クマロンインデン樹脂、不均化ロ
ジン樹脂、不均化ロジンエステル樹脂、重合ロジン樹
脂、重合ロジンエステル樹脂等が挙げられる。これらは
単独で又は2種以上を併用することができる。
【0061】上記充填剤としては特に限定されず、例え
ば、炭酸カルシウム、酸化チタン、マイカ、タルク等が
挙げられる。
【0062】上記酸化防止剤としては特に限定されず、
例えば、フェノール系のもの、アミン系のもの等が挙げ
られる。
【0063】上記紫外線吸収剤としては特に限定され
ず、例えば、ベンゾトリアゾール系のもの等が挙げられ
る。
【0064】上記カルボン酸金属塩としては特に限定さ
れず、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸
マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸バリウム、パルミチン酸ナトリウム
等が挙げられる。
【0065】本発明のアクリル系粘着剤組成物は、例え
ば、粘着テープ、粘着シート等の粘着剤層として好適に
用いることができる。
【0066】上記粘着テープ、上記粘着シート等を製造
する方法は特に限定されず、例えば、基材の少なくとも
1面に、溶剤塗工、熱溶融塗工等の方法により塗工する
方法を採用することができる。
【0067】上記溶剤塗工による方法も特に限定され
ず、例えば、本発明のアクリル系粘着剤組成物を溶剤に
溶解し、基材フィルムに塗工後、溶剤を乾燥させる方法
等を採用することができる。
【0068】上記熱溶融塗工による方法も特に限定され
ず、例えば、本発明のアクリル系粘着剤組成物を基材フ
ィルム、及び、必要に応じてプライマー樹脂と共に、多
層共押出成型法によって一体的に製造する方法等を採用
することができる。上記多層共押出成型法によれば、基
材フィルム、アクリル系粘着剤組成物及びプライマー樹
脂をそれぞれ別々の押出機によって可塑化し、インフレ
ーション法、Tダイ法等の多層押出用金型を用いて、熱
溶融方式で共押出することによって基材層/プライマー
層/粘着剤層を順に積層することができる。
【0069】上記熱溶融塗工による方法のひとつとし
て、ホットメルト塗工法により製造する方法を採用する
こともできる。上記ホットメルト塗工法によれば、必要
に応じて予め基材フィルムの片面にプライマー層を適宜
の方法によって形成しておき、上記プライマー層のうえ
からホットメルトコーターによって熱溶融塗工すること
ができる。
【0070】また、本発明のアクリル系粘着剤組成物の
みをシート状に成型することにより、基材層を有さない
ノンサポートタイプの両面粘着テープとすることもでき
る。
【0071】本発明のアクリル系接着剤組成物は、例え
ば、溶剤に溶かした溶剤型アクリル系接着剤組成物、水
に分散させたエマルジョン型アクリル系接着剤組成物等
として好適に用いることができる。具体的には、例え
ば、本発明のアクリル系接着剤組成物を溶剤に溶解さ
せ、又は、水に分散させた後、被着体に直接塗布し、被
着体同士を貼り合わせた後、溶剤又は水を乾燥除去させ
ることにより被着体同士を接着することができる。
【0072】また、本発明のアクリル系接着剤組成物は
ホットメルト型接着剤組成物として好適に用いることが
できる。具体的には、例えば、無溶剤で加熱溶融させた
後、被着体に塗布し、被着体同士を貼り合わせた後に冷
却することにより被着体同士を接着することができる。
【0073】本発明のアクリル系粘着剤組成物及び本発
明のアクリル系接着剤組成物は、その他、例えば、塗
料、コーティング剤等の用途に好適に用いることができ
る。
【0074】本発明のアクリル系粘着剤組成物及び本発
明のアクリル系接着剤組成物は、高極性な上記ブロック
Aと低極性な上記ブロックBとを併せ持つので、被着体
の表面極性に応じて組成物の表面極性を制御することが
できる。従って、ガラス、金属等の高極性な被着体に対
しても、また、ポリエチレン、ポリプロピレン等の低極
性な被着体に対しても、被着体の極性を問わずに良好な
粘着性を発揮する。
【0075】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0076】モノマー混合物(A1)〜(A3)、(B
1)〜(B3)の調製 表1に示した配合に従って、各モノマーを均一に混合
し、モノマー混合物(A1)、モノマー混合物(A
2)、モノマー混合物(A3)、モノマー混合物(B
1)、モノマー混合物(B2)及びモノマー混合物(B
3)を調製した。
【0077】
【表1】
【0078】(実施例1)ブロック共重合体の合成 モノマー混合物(B1)95重量部、開始剤としてベン
ジル−N,N−ジエチルジチオカルバメート0.2重量
部、及び、溶剤としてエチルアセテート30重量部を三
ツ口フラスコに投入し20分間窒素パージを行った。ス
リーワンモータを用いて攪拌翼を回転させながら、10
ワットの紫外線(UV)ランプを48時間照射してBブ
ロックの重合を行った。反応終了後、反応混合物中にビ
ニル基が存在しないことをNMRによって確認した。
【0079】得られた反応混合物に、モノマー混合物
(A1)5重量部、溶剤としてエチルアセテート20重
量部を加えて、10ワットの紫外線(UV)ランプを4
8時間照射してAブロックをBブロックにブロック重合
させ、A−B−A型のブロック共重合体を合成した。反
応終了後、反応混合物中にビニル基が存在しないことを
NMRによって確認した。
【0080】粘着テープの作製 得られたブロック共重合体100重量部に対して、架橋
剤としてトリレンジイソシアネートのトリメチロールプ
ロパン付加物のエチルアセテート溶液(コロネートL5
5E、固形分55重量%、日本ポリウレタン工業社製)
1.0重量部を添加して均一に混合した後、厚さ38μ
mのポリエステルフィルム(♯3811、リンテック社
製)の一面に、乾燥後の厚みが50μmとなるように塗
工し、110℃で5分間乾燥して粘着テープを得た。得
られた粘着テープのステンレス板に対する粘着力、ポリ
エチレン粘着力及びタックについて下記方法により評価
した。結果を表2に示した。
【0081】評価方法 1.ステンレス板に対する粘着力 JIS Z 0237に準拠して、SUS304板に、
得られた粘着テープを25mm幅で貼り付け、23℃で
20分間放置後、測定温度23℃、180°方向、引張
速度300mm/分の条件で剥離強度を測定した。
【0082】2.ポリエチレン樹脂板に対する粘着力 低極性被着体であるポリエチレン樹脂板(ハイゼックス
1300J、三井石油化学工業社製)に、得られた粘着
テープを25mm幅で貼り付け、23℃で20分間放置
後、測定温度23℃、180°方向、引張速度300m
m/分の条件で剥離強度を測定した。
【0083】3.タック JIS Z 0237に準拠して、測定温度23℃でボ
ールタックを測定した。
【0084】(実施例2)モノマー混合物(A1)の代
わりにモノマー混合物(A2)を用い、モノマー混合物
(B1)の代わりにモノマー混合物(B2)を用いたこ
と以外は実施例1と同様にして粘着テープを得、評価し
た。結果を表2に示した。
【0085】(実施例3)モノマー混合物(A1)の代
わりにモノマー混合物(A3)を用い、モノマー混合物
(B1)の代わりにモノマー混合物(B3)を用いたこ
と以外は実施例1と同様にして粘着テープを得、評価し
た。結果を表2に示した。
【0086】(比較例1)モノマー混合物(A1)5重
量部、モノマー混合物(B1)95重量部、及び、開始
剤としてアゾイソブチロニトリル(AIBN)を用いて
ラジカル重合を行い、ランダム共重合体を得た。得られ
たランダム共重合体を用いたこと以外は実施例1と同様
にして粘着テープを得、評価した。結果を表2に示し
た。
【0087】(比較例2)モノマー混合物(A2)5重
量部、モノマー混合物(B2)95重量部、及び、開始
剤としてアゾイソブチロニトリル(AIBN)を用いて
ラジカル重合を行い、ランダム共重合体を得た。得られ
たランダム共重合体を用いたこと以外は実施例1と同様
にして粘着テープを得、評価した。結果を表2に示し
た。
【0088】(比較例3)モノマー混合物(A3)5重
量部、モノマー混合物(B3)95重量部、及び、開始
剤としてアゾイソブチロニトリル(AIBN)を用いて
ラジカル重合を行い、ランダム共重合体を得た。得られ
たランダム共重合体を用いたこと以外は実施例1と同様
にして粘着テープ得、評価した。結果を表2に示した。
【0089】
【表2】
【0090】(実施例4) ホットメルト型接着剤への応用 ブチルアクリレート80重量部、開始剤としてベンジル
−N,N−ジエチルジチオカルバメート0.2重量部、
及び、溶剤としてエチルアセテート30重量部を三ツ口
フラスコに投入し、20分間窒素パージを行った。スリ
ーワンモータを用いて攪拌翼を回転させながら、10ワ
ットの紫外線(UV)ランプを48時間照射してBブロ
ックの重合を行った。反応終了後、反応混合物中にビニ
ル基が存在しないことをNMRによって確認した。
【0091】得られた反応混合物に、メチルメタクリレ
ート90重量%及びアクリル酸10重量%からなるモノ
マー混合物20重量部、溶剤としてエチルアセテート2
0重量部を加えて、10ワットの紫外線(UV)ランプ
を48時間照射してAブロックをBブロックにブロック
重合させ、A−B−A型のブロック共重合体を合成し
た。反応終了後、反応混合物中にビニル基が存在しない
ことをNMRによって確認した。
【0092】得られたブロック共重合体から溶剤である
エチルアセテートを除去し、ホットメルト型接着剤とし
た。得られたホットメルト型接着剤の凝集力、190℃
溶融粘度、接着力及び耐酸化性について下記方法により
評価した。結果を表3に示した。
【0093】評価方法 1.凝集力 得られたホットメルト型接着剤を5×5×5mm角に切
断して試験片を作り、垂直に保持したアルミニウム板に
得られた試験片を貼付し、80℃のオーブン中で12時
間放置した後、試験片の垂れ長さを測定し凝集力とし
た。
【0094】2.190℃溶融粘度 B型粘度計(東京計器社製)(回転数:2.5rpm、
ロータ:♯HH4)を使用して、190℃における粘度
を測定した。
【0095】3.接着力 表面が清浄なポリエチレン板(厚さ:1.5mm、幅:
20mm)に、190℃に加熱したホットメルト型接着
剤を、厚さ1mm、10×20mmの面積で塗布した
後、剪断接着強度を測定し接着力とした。
【0096】4.耐酸化性 得られたホットメルト型接着剤を10×10×2mm角
に切断して試験片を作り、ガラス板に得られた試験片を
貼付し、200℃のオーブン中で8時間放置した後、試
験片の色の変化を観察し耐酸化性とした。評価基準は、
色の変化がなかったものを「良好」とし、色の変化があ
ったものを「劣る」とした。
【0097】(比較例4)n−ブチルリチウム触媒を用
いて、イソプレンをn−ヘプタン溶媒中で重合すること
により、シス−1、4結合量が80%であり、分子量が
39000の液状シス−1、4−ポリイソプレンゴム、
及び、分子量が231000のシス−1、4−ポリイソ
プレンゴムを得た。得られた液状シス−1、4−ポリイ
ソプレンゴム35重量部に、エバフレックス210(酢
酸ビニル含有量28重量%、メルトインデックス(AS
TM−D−1238)400、三井ポリケミカル社製)
65重量部、YSPX1150(ポリテルペン系樹脂、
ヤスハラケミカル社製)65重量部、及び、ノクラック
NS−6(フェノール系老化防止剤、大内新興化学社
製)2重量部を配合し、150℃の混合槽で30分間攪
拌することによりEVA系接着剤を得た。得られたEV
A系接着剤について実施例3と同様にして評価した。結
果を表3に示した。
【0098】(比較例5)ガラス及びステンレス鋼製の
反応器に、分子ふるいにより予備乾燥したシクロヘキサ
ン110g、及び、活性化アルミナにより精製したスチ
レン400gを投入し、反応器の温度を70℃に上げ、
s−ブチルリチウム溶液(シクロヘキサン中、1.4
M)を徐々に加えた。淡い赤みがかかったオレンジ色が
得られたら、、更に、s−ブチルリチウム溶液(0.1
40モル)100mlを直ちに加えた。次に、スチレン
1680gを30分間にわたって反応器中に加えた。温
度を30分間70℃に保ち、酸化エチレン(0.28モ
ル)12.3gを加えて溶液を無色とした。得られた溶
液に塩化メタクロイル(0.154モル)16.1gを
加えて、GPCにより測定した分子量が12000の高
分子単量体を得た。
【0099】冷却器、温度計、滴下ロート及び攪拌器を
備えた樹脂容器にメチルエチルケトン200gを投入
し、加熱して還流させた。得られた高分子単量体(乾燥
重量50.0g)85.3g、2−エチルヘキシルアク
リレート150.0g、n−ブチルアクリレート50.
0g、及び、開始剤としてアゾイソブチロニトリル1.
00gの混合物を30分間以上にわたって徐々に反応器
に加え、2時間還流を行った。反応終了後、重合体溶液
は50.4%の全固体含量を示した。真空下、溶剤を除
去して90500の分子量を有する透明な接着剤を得
た。得られた接着剤について実施例3と同様にして評価
した。結果を表3に示した。
【0100】
【表3】
【0101】
【発明の効果】本発明のアクリル系粘接着剤組成物は上
述の構成よりなるので、金属等の高極性な被着体からプ
ラスチック等の低極性な被着体にいたるまで、被着体の
極性を問わずに良好な粘着性を示す。
【0102】更に、アクリル系の組成物であるので、耐
候性、耐溶剤性等に優れている。また、ブロック共重合
体からなるものであるから溶融粘度と凝集力とを高度に
バランスさせることができ、溶融特性に優れているので
ホットメルト接着剤としての使用にも適している。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成が異なり、カルボキシル基を有する
    ビニル系モノマーを含有するブロックA及びブロックB
    からなり、重量平均分子量が1万〜400万であるブロ
    ック共重合体(I)からなるアクリル系粘接着剤組成物
    であって、上記ブロック共重合体(I)は、一般式(A
    −B)a−A、一般式(B−A)b−B、一般式(A−
    B)c、一般式(A−B)m−X、及び一般式Ao−T
    −Bpで表されるそれぞれのブロック共重合体(II)
    の群から選ばれる1種以上のブロック共重合体が、少な
    くとも1個のAもしくはBを介して結合されているブロ
    ック共重合体であり、 上記ブロックB中のカルボキシル基を有するビニル系モ
    ノマーの共重合比率が、上記ブロックA中のカルボキシ
    ル基を有するビニル系モノマーの共重合比率より小さい
    ことを特徴とするアクリル系粘接着剤組成物。式中、A
    はカルボキシル基を有するビニル系モノマー及びアルキ
    ル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレー
    トからなる共重合体(III)を表し、Bはアルキル基
    の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレートか
    らなる重合体もしくは共重合体(IV)、又はカルボキ
    シル基を有するビニル系モノマーとアルキル基の炭素数
    が1〜12のアルキル(メタ)アクリレートからなる共
    重合体(V)を表す。Xは複数個の共重合体(A−B)
    を結合することのできる化合物残基、TはAとBとを結
    合することのできる化合物残基を表す。mは3〜30の
    整数を表し、a、b、cは、同一又は異なって、1〜1
    0の整数を表す。o,pは同一又は異なって1以上の整
    数を表し、o+p=3〜30の関係にある。
  2. 【請求項2】 カルボキシル基を有するビニル系モノマ
    ー及びアルキル基の炭素数が1〜12のアルキル(メ
    タ)アクリレートからなる共重合体(III)が、カル
    ボキシル基を有するビニル系モノマー0.5〜60.0
    重量%、及び、アルキル基の炭素数が1〜12のアルキ
    ル(メタ)アクリレート99.5〜40重量%の共重合
    体である請求項1記載のアクリル系粘接着剤組成物。
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