JPH1073141A - 減衰力調整式油圧緩衝器 - Google Patents

減衰力調整式油圧緩衝器

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JPH1073141A
JPH1073141A JP8283114A JP28311496A JPH1073141A JP H1073141 A JPH1073141 A JP H1073141A JP 8283114 A JP8283114 A JP 8283114A JP 28311496 A JP28311496 A JP 28311496A JP H1073141 A JPH1073141 A JP H1073141A
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disk
seal
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passage
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孝雄 中楯
Akira Kashiwagi
明 柏木
Takashi Nezu
隆 根津
Naoki Makita
直樹 蒔田
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    • F16F9/00Springs, vibration-dampers, shock-absorbers, or similarly-constructed movement-dampers using a fluid or the equivalent as damping medium
    • F16F9/32Details
    • F16F9/44Means on or in the damper for manual or non-automatic adjustment; such means combined with temperature correction
    • F16F9/46Means on or in the damper for manual or non-automatic adjustment; such means combined with temperature correction allowing control from a distance, i.e. location of means for control input being remote from site of valves, e.g. on damper external wall
    • F16F9/465Means on or in the damper for manual or non-automatic adjustment; such means combined with temperature correction allowing control from a distance, i.e. location of means for control input being remote from site of valves, e.g. on damper external wall using servo control, the servo pressure being created by the flow of damping fluid, e.g. controlling pressure in a chamber downstream of a pilot passage

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 減衰力調整式油圧緩衝器において、減衰力特
性の調整範囲を広くし、かつ、安定した減衰力特性を得
る。 【解決手段】 アクチュエータ28への通電電流に応じて
スプール68を移動させてポート60,63の流路面積を変化
させ、シリンダ上下室2a,2b間の流路面積を直接変化さ
せることによりオリフィス特性を調整するとともに、そ
の圧力損失に応じてパイロット室58,59の内圧を変化さ
せてディスクバルブ46,47の開弁圧力を変化させること
によりバルブ特性を調整するので、減衰力特性の調整範
囲を広くすることができる。パイロット室58,59は、バ
ルブ部材26,27の側壁とディスクバルブ46,47とシール
ディスク54,55とシール部材28,29とで構成されてお
り、摺動部を有していないので、油液の漏れが少なく、
安定した減衰力特性を得ることができ、また、温度変化
による減衰力のばらつきを小さくすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両の
懸架装置等に装着される減衰力調整式油圧緩衝器に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両の懸架装置に装着される
油圧緩衝器には、路面状況、走行状況等に応じて乗り心
地や操縦安定性を向上させるために減衰力を適宜調整で
きるようにした減衰力調整式油圧緩衝器がある。
【0003】減衰力調整式油圧緩衝器は、一般に、油液
を封入したシリンダ内にピストンロッドを連結したピス
トンを摺動可能に嵌装してシリンダ内を2室に画成し、
ピストン部にシリンダ内の2室を連通させる主油液通路
およびバイパス通路を設け、主油液通路にはオリフィス
およびディスクバルブからなる減衰力発生機構を設け、
バイパス通路にはその流路面積を調整する減衰力調整弁
を設けた構成となっている。なお、シリンダ内の一方の
室には、ピストンロッドの伸縮にともなうシリンダ内の
容積変化をガスの圧縮、膨張によって補償するリザーバ
がベースバルブを介して接続されている。
【0004】そして、減衰力調整弁によってバイパス通
路を開いてシリンダ内の2室間の油液の流通抵抗を小さ
くすることにより減衰力を小さくし、また、バイパス通
路を閉じて2室間の流通抵抗を大きくすることにより減
衰力を大きくする。このように、減衰力調整弁の開閉に
より減衰力特性を適宜調整することができる。
【0005】しかしながら、上記のようにバイパス通路
の流路面積を変化させることによって減衰力を調整する
ものでは、ピストン速度の低速域においては、減衰力は
バイパス通路のオリフィス面積に依存するので減衰力特
性を大きく変化させることができるが、ピストン速度の
中高速域においては、減衰力が主油液通路の減衰力発生
機構(ディスクバルブ等)に依存するため、減衰力特性
を大きく変化させることができない。
【0006】そこで、従来、例えば実開昭62−155
242号公報に記載されているように、ピストン部に設
けられた主油液通路の減衰力発生機構であるメインバル
ブの背部に圧力室を形成し、この圧力室を固定オリフィ
スを介してメインバルブの上流側のシリンダ室に連通さ
せ、また、可変オリフィスを介してメインバルブの下流
側のシリンダ室に連通させるようにしたものが提案され
ている。
【0007】この減衰力調整式油圧緩衝器によれば、可
変オリフィスを開閉することにより、シリンダ内の2室
間の流路面積を調整するとともに、圧力室の圧力を変化
させてメインバルブの開弁初期圧力を変化させることが
できる。このようにして、オリフィス特性(減衰力がピ
ストン速度の2乗にほぼ比例する)およびバルブ特性
(減衰力がピストン速度にほぼ比例する)を調整するこ
とができ、減衰力特性の調整範囲を広くすることができ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の減衰力調整式油圧緩衝器では、バルブガイドに
メインバルブを摺動可能に嵌合させて圧力室を形成する
ようにしているので、バルブガイドとメインバルブとの
摺動部において油液の漏れが生じるため、安定した減衰
力が得にくくなる。特に、摺動部からの漏れは、油液の
温度による粘度の変化に大きな影響を受けるため、温度
変化による減衰力のばらつきが大きくなる。さらに、摺
動部分の加工には、高い工作精度が要求されるので製造
コストが高くなる。
【0009】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、減衰力特性の調整範囲が広く、しかも、安定した
減衰力を得ることができる減衰力調整式油圧緩衝器を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1の本発明は、油液が封入されたシリンダ
と、該シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、
一端が該ピストンに連結され他端が前記シリンダの外部
まで延ばされたピストンロッドと、前記ピストンの摺動
によって油液を流通させる主通路と、前記主通路に設け
られ該主通路の流路面積を調整する主減衰弁と、該主減
衰弁の弁体の背面部に設けられ該弁体の閉弁方向に内圧
を作用させるパイロット室と、該パイロット室と前記主
通路の前記主減衰弁の上流側とを連通させる上流側通路
と、該上流側通路に設けられた固定オリフィスと、前記
パイロット室と前記主通路の前記主減衰弁の下流側とを
連通させる下流側通路と、前記下流側通路に設けられ該
下流側通路の流路面積を調整する可変オリフィスとを備
えてなる減衰力調整式油圧緩衝器において、有底筒状の
バルブ部材と、該バルブ部材の底部を軸方向に貫通する
油路と、前記底部の内壁の前記油路の内周側に突出する
環状の内側シール部と、前記内壁の前記油路の外周側に
突出する環状の弁座と、前記内壁の前記弁座の外周側に
突出する環状の外側シール部と、前記内壁の前記弁座と
前記外側シール部との間に開口する溝部と、内周部が前
記内側シール部に固定され外周部が前記弁座に当接する
ディスクバルブと、内周部が前記ディスクバルブの背面
部に当接し外周部が前記外側シール部に当接する環状の
シールディスクと、該シールディスクを前記ディスクバ
ルブおよび前記外側シール部に押圧するばね手段と、前
記バルブ部材の開口部に嵌合されるシール部材とを設
け、前記油路および溝部によって前記主通路を構成し、
前記ディスクバルブによって前記主減衰弁の弁体を構成
し、前記バルブ部材の側壁と前記ディスクバルブと前記
シールディスクと前記シール部材とによって前記パイロ
ット室を画成するようにしたことを特徴とする。
【0011】このように構成したことにより、可変オリ
フィスによって下流側通路の流路面積を変化させること
によって、シリンダ上下室間の流路面積を直接変化させ
て減衰力特性(オリフィス特性)を調整するとともに、
可変オリフィスによる圧力損失に応じてパイロット室の
内圧を変化させて減衰弁の開弁特性を変化させることに
よって減衰力特性(バルブ特性)を調整する。また、摺
動部を設けることなくパイロット室を形成しているの
で、パイロット室からの油液の漏れを小さくすることが
できる。さらに、バルブ部材の内側シール部と弁座と外
側シール部とを一体に形成することができるので、これ
らの突出高さの誤差を小さくすることができる。
【0012】請求項2の発明は、上記請求項1の構成に
おいて、ばね手段は、円板状の板ばねであり、該板ばね
には、ディスクバルブとシールディスクと前記板ばねと
で形成された空間と、パイロット室とを互いに連通させ
る油路が設けられていることを特徴とする。
【0013】このように構成したことにより、ディスク
バルブとシールディスクと板ばねとで形成された空間と
パイロット室とは、油路を介して連通されて常に同圧力
となるので、パイロット室の圧力が増加した際に、前記
空間が押しつぶされることがない。
【0014】請求項3の発明は、上記請求項1または2
の構成において、固定オリフィスへ流れる油液の圧力を
受けて開弁して、その開度に応じてバルブ特性の減衰力
を発生させる副減衰弁を設けたことを特徴とする。
【0015】このように構成したことにより、主減衰弁
の開弁前において、副減衰弁によってバルブ特性の減衰
力が発生する。
【0016】請求項4の発明は、上記請求項1ないし3
のいずれかの構成において、ディスクバルブの背面部
に、その周方向に沿って環状の突起部を設け、シールデ
ィスクの内周部を前記突起部に当接させたことを特徴と
する。
【0017】このように構成したことにより、シールデ
ィスクは突起部を介してディスクバルブに当接するの
で、パイロット室内の圧力の上昇によって、ディスクバ
ルブおよびシールディスクが撓んだ場合でも、ディスク
バルブとシールディスクとの当接部の直径が常に一定と
なる。
【0018】請求項5の発明は、上記請求項1ないし3
のいずれかの構成において、ディスクバルブとシールデ
ィスクとの間に、前記ディスクバルブよりもやや小径の
円板状のリテーナディスクを介装し、該リテーナディス
クの外周端部の近傍に、シールディスクの内周部が当接
するようにしたことを特徴とする。
【0019】このように構成したことにより、シールデ
ィスクは、リテーナディスクの外周端部の近傍に当接し
ているので、パイロット室内の圧力の上昇によって、デ
ィスクバルブおよびシールディスクが撓んだ場合でも、
シールディスクとリテーナディスクとの当接部の直径が
殆ど変化することがない。
【0020】請求項6の発明は、上記請求項1ないし3
のいずれかの構成において、外周部にディスクバルブの
外周面に当接する位置決め凸部が形成され、一側の面に
前記ディスクバルブに当接する環状の第1突起部が形成
され、他側の面にシールディスクに当接する第2突起部
が形成された環状のシート部材を前記ディスクバルブと
前記シールディスクとの間に介装したことを特徴とす
る。
【0021】このように構成したことにより、シート部
材は、第1突起部を介してディスクバルブに当接するの
で、パイロット室内の圧力の上昇によって、ディスクバ
ルブおよびシールディスクが撓んだ場合でも、シート部
材とディスクバルブとの当接部の直径が常に一定とな
る。また、シート部材の第1突起部によって、ディスク
バルブのシールディスクの内周端部より内周側の部位に
パイロット室内の圧力を作用させることができ、かつ、
シート部材は、ディスクバルブの開弁時に、その軸方向
に沿って平行移動するので、ディスクバルブの開弁時
に、ディスクバルブの外周部がシールディスクの中央部
に当接して、シールディスクを外側シール部からリフト
させることがない。
【0022】また、請求項7の発明は、上記請求項1な
いし6のいずれかの構成において、ディスクバルブの弁
座の内径daと外側シール部の内径dbとの比をdb/da≦1.
2 としたことを特徴とする。
【0023】このように構成したことにより、パイロッ
ト室に対するシールディスクの受圧面積を適度に小さく
してディスクバルブに作用するパイロット圧力を適正化
することができる。
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0024】本発明の第1実施形態について、図1およ
び図2を参照して説明する。図1および図2に示すよう
に、減衰力調整式油圧緩衝器1は、シリンダ2の外側に
外筒3が設けられた二重筒構造になっており、シリンダ
2と外筒3との間にリザーバ室4が形成されている。シ
リンダ2内には、ピストン5が摺動可能に嵌装されてお
り、このピストン5によってシリンダ2内がシリンダ上
室2aとシリンダ下室2bの2室に画成されている。ピスト
ン5には、ピストンロッド6の一端がナット7によって
連結されており、ピストンロッド6の他端側は、シリン
ダ上室2aを通り、シリンダ2および外筒3の上端部に装
着されたロッドガイドおよびシール部材(図示せず)に
挿通されてシリンダ2の外部へ延出されている。シリン
ダ2の下端部には、シリンダ下室2bとリザーバ室4とを
区画するベースバルブ8が設けられている。そして、シ
リンダ2内には油液が封入されており、リザーバ室4内
には油液およびガスが封入されている。
【0025】ピストン5には、シリンダ上下室2a,2b間
を連通させる油路9およびこの油路9のシリンダ下室2b
側からシリンダ上室2a側への油液の流通を許容する逆止
弁10が設けられている。また、ベースバルブ8には、シ
リンダ下室2bとリザーバ室4とを連通させる油路11およ
びこの油路11のリザーバ室4側からシリンダ下室2b側へ
の油液の流通を許容する逆止弁12が設けられている。
【0026】シリンダ2の中央部外周には、略円筒状の
通路部材13が嵌合されている。シリンダ2の上部外周に
は、アッパチューブ14が嵌合されて通路部材13に結合さ
れており、シリンダ2との間に環状油路15を形成してい
る。環状油路15は、シリンダ2の上端部付近の側壁に設
けられた油路16を介してシリンダ上室2aに連通されてい
る。また、シリンダ2の下部外周には、ロワチューブ17
が嵌合されて通路部材13に結合されており、シリンダ2
との間に環状油路18を形成している。環状油路18は、シ
リンダ2の下端部付近の側壁に設けられた油路19を介し
てシリンダ下室2bに連通されている。外筒3には、通路
部材13に対向させて接続プレート20が取付けられてい
る。接続プレート20および通路部材13には、環状油路1
5,18にそれぞれ連通する接続管21,22が挿通、嵌合さ
れている。さらに、接続プレート20には、リザーバ室4
に連通する接続孔23が設けられている。そして、接続プ
レート20には、減衰力発生機構24が接続されている。
【0027】減衰力発生機構24は、有底筒状のケース25
内に2つの有底筒状のバルブ部材26,27が嵌合され、開
口部に比例ソレノイドアクチュエータ28A (以下、アク
チュエータ28A という)が螺着されており、ケース25内
がバルブ部材26,27によって3つの油室25a ,25b ,25
c に区画されている。バルブ部材26,27は、それぞれ開
口部に環状のシール部材28,29が嵌合され、略円筒状の
ガイド部材30を挿通させてその先端部をアクチュエータ
28A に螺着して、これらと共に固定されている。ケース
25の側壁には、油室25a ,25b ,25c にそれぞれ連通す
る接続孔31,32,33が設けられており、接続孔31,32,
33は、それぞれ接続プレート20に設けられた接続管21、
接続管22、接続孔23に接続されている。
【0028】バルブ部材26,27の底部には、それぞれ周
方向に沿って配置された複数の(2つのみ図示する)油
路34,35(主通路)が軸方向に貫通されている。また、
バルブ部材26,27の底部の内壁には、それぞれ油路34,
35の内周側に環状の内側シール部36,37が突設され、油
路34,35の外周側に環状の弁座38,39が突設され、さら
に、その外周側のバルブ部材26,27の側壁近傍に環状の
外側シール部40,41が突設されている。また、弁座38,
39と外側シール部40,41との間には、環状の溝部42,43
(主通路)が形成されており、溝部42,43は、それそれ
油路44,45を介して油室25b ,25c に連通されている。
【0029】バルブ部材26,27には、それぞれその内周
部が内側シール部36,37に固定され外周部が弁座38,39
に当接するディスクバルブ46,47(主減衰弁の弁体)が
設けられている。バルブ部材26,27内には、環状のシー
ルリング48,49(外側シール部)が嵌合されて外側シー
ル部40,41に当接されており、シールリング48,49は、
その上にシールリング48,49よりも内径の大きいリテー
ナリング50,51を積層し(図示のものでは2枚)、さら
に、内周部がガイド部材30に固定された円板状の板ばね
52,53が、その外周部をリテーナリング50,51に当接さ
せてバルブ部材26,27に固定されている。また、ディス
クバルブ46,47の背面部には、それぞれ環状のシールデ
ィスク54,55の内周部が当接され、シールディスク54,
55の外周部はリテーナリング50,51の内側に挿入されて
シールリング48,49の内周部に当接されている。すなわ
ち、シールディスク54,55は、それぞれシールリング4
8,49を介して外側シール部40,41に当接されている。
シールディスク54,55は、内周部がガイド部材30に固定
された円板状の弁ばね56,57(ばね手段)の外周部が当
接されてディスクバルブ46,47およびシールリング48,
49側へに押圧されている。そして、バルブ部材26,27の
側壁とディスクバルブ46,47とシールディスク54,55と
シール部材28,29とによって、それぞれパイロット室5
8,59が画成されている。
【0030】ガイド部材30の側壁には、パイロット室5
8,59にそれぞれ連通するポート60,61および油室25b
,25c にそれぞれ連通するポート62,63が設けられて
いる。また、バルブ部材26,27の内側シール部36,37に
は、それぞれ切欠64,65(固定オリフィス)が設けら
れ、切欠64,65は、それぞれガイド部材30の外周部に設
けられた溝66,67(上流側通路)を介してポート60,61
すなわちパイロット室58,59に連通されている。また、
ガイド部材30内には、ポート60,62間およびポート61,
63間の流路面積をそれぞれ調整するスプール68が摺動可
能に嵌装されている。スプール68は、圧縮ばね69によっ
てアクチュエータ28A 側に付勢されており、アクチュエ
ータ28A の作動ロッド70によってばね69の付勢力に抗し
て移動させることにより、ポート60,63(下流側通路、
可変オリフィス)のオリフィス面積を調整できるように
なっている。
【0031】以上のように構成した本実施形態の作用に
ついて次に説明する。図1および図2において、実線矢
印はピストンロッド6の伸び行程時の油液の流れを示
し、破線矢印は縮み行程時の油液の流れを示している。
【0032】ピストンロッド6の伸び行程時には、ピス
トン5の移動にともないピストン逆止弁10が閉じてシリ
ンダ上室2a側の油液が加圧され、図中に実線矢印で示す
ように、油路16、環状油路15、接続管21を通って減衰力
発生機構24の接続孔31へ流れ、さらに、接続孔31から油
室25a 、油路34、切欠64、溝66、ポート60、ポート62、
油室25b 、接続孔32、接続管22、環状油路18および油路
19を通ってシリンダ下室2bへ流れる。このとき、シリン
ダ上室2a側の圧力がディスクバルブ46の開弁圧力に達す
ると、ディスクバルブ46が開いて油液が油室25a から油
路34、溝部42および油路44を介して油室25b へ直接流れ
る。一方、ピストンロッド6がシリンダ2内から退出し
た分の油液がリザーバ室4からベースバルブ8の逆止弁
12を開いてシリンダ下室2bへ流れる。
【0033】よって、伸び行程時には、ピストン速度が
低くディスクバルブ46の開弁前には、切欠64、溝66およ
びポート60の流路面積に応じてオリフィス特性の減衰力
が発生し、ピストン速度が高くなり、シリンダ上室2a側
の圧力が上昇してディスクバルブ46が開くと、その開度
に応じてバルブ特性の減衰力が発生して減衰力の過度の
上昇を抑制する。
【0034】そして、アクチュエータ28A への通電によ
ってスプール68を移動させてポート60の流路面積を変化
させることによって減衰力を調整する。この場合、ポー
ト60の流路面積が小さい程、それによる圧力損失が大き
くなってその上流側のパイロット室58の圧力が高くなる
のでディスクバルブ46の開弁圧力が高くなり、また、ポ
ート60の流路面積が大きい程、それによる圧力損失が小
さくなってその上流側のパイロット室58の圧力が低くな
るのでディスクバルブ46の開弁圧力が低くなる。このよ
うにして、ポート60の流路面積を変化させることによ
り、同時にディスクバルブ46の開弁圧力が変化してオリ
フィス特性およびバルブ特性が変化するので、ピストン
速度の低速域から高速域にわたって減衰力特性を調整す
ることができる。
【0035】また、縮み行程時には、ピストン5の移動
にともない、ピストン5の逆止弁10が開いてシリンダ下
室2bの油液が油路9を通ってシリンダ上室2aに直接流入
することによってシリンダ上下室2a,2bがほぼ同圧力と
なるので、減衰力発生機構24の接続孔31,32間では油液
の流れが生じない。一方、ピストンロッド6のシリンダ
2内への侵入にともなってベースバルブ8の逆止弁12が
閉じ、ピストンロッド6が侵入した分、シリンダ2内の
油液が加圧されて、図中に破線矢印で示すように、シリ
ンダ下室2bから油路19、環状油路18および接続管22を通
って減衰力発生機構24の接続孔32へ流れ、さらに、接続
孔32から油室25b 、油路35、切欠65、溝67、ポート61、
ポート63、油室25c 、接続孔33および接続孔23を通って
リザーバ室4へ流れる。このとき、シリンダ2側の圧力
がディスクバルブ47の開弁圧力に達すると、ディスクバ
ルブ47が開いて油液が油室25b から油路35、溝部43およ
び油路45を介して油室25c へ直接流れる。
【0036】よって、縮み行程時には、ピストン速度が
低くディスクバルブ47の開弁前には、切欠65、溝67およ
びポート63の流路面積に応じてオリフィス特性の減衰力
が発生し、ピストン速度が高くなり、シリンダ2側の圧
力が上昇してディスクバルブ47が開くと、その開度に応
じてバルブ特性の減衰力が発生して減衰力の過度の上昇
を抑制する。
【0037】そして、上記伸び行程時と同様、スプール
68を移動させてポート63の流路面積を変化させることに
よってオリフィス特性を調整するとともに、その圧力損
失によってパイロット室59の圧力を変化させディスクバ
ルブ47の開弁圧力を変化させてバルブ特性を調整するの
で、ピストン速度の低速域から高速域にわたって減衰力
特性を調整することができる。
【0038】なお、スプール68の移動によってポート60
およびポート63の流路面積をそれぞれ変化させることに
より、伸び側と縮み側とでそれぞれ減衰力特性を調整す
ることができる。この場合、例えば、スプール68の位置
に応じて伸び側および縮み側のポート60,63の流路面積
が、一方が大のとき他方が小となり、一方が小のとき他
方が大となるように各ポート60,63およびスプール68の
ランドを配置することにより、伸び側と縮み側とで大小
異なる種類の減衰力特性の組合せ(例えば、伸び側がハ
ードで縮み側がソフトまたは伸び側がソフトで縮み側が
ハードの組合せ)を同時に選択することができる。
【0039】また、摺動部を設けることなくパイロット
室58,59を形成しているので、パイロット室58,59から
の油液の漏れを少なくして安定した減衰力特性を得るこ
とができ、また、温度変化による減衰力のばらつきを小
さくすることができる。そして、高い工作精度を要する
摺動部分の加工が不要となるため、製造コストを低減す
ることができる。さらに、内側シール部36,37、弁座3
8,39および外側シール部40,41は、バルブ部材26,27
に一体に形成することができるので、これらの突出高さ
の誤差を小さくすることができ、ディスクバルブ46,47
の開弁圧力のばらつきを小さくすることができる。
【0040】なお、上記実施形態では、バルブ部材26,
27の外側シール部40,41にシールリング48,49を当接さ
せて、シールリング48,49にシールディスク54,55を当
接させるようにしているが、シールリング48,49を省略
してシールディスク54,55を外側シール部40,41に直接
当接させるようにすることもできる。
【0041】次に、本発明の第2実施形態について、図
3および図4を参照して説明する。なお、第2実施形態
は、上記第1実施形態の構成に対して、減衰力発生機構
のパイロット室のバルブ部材の底部側のシール構造およ
び弁ばねの構造が異なる以外は、概して同様に構成され
ているので、減衰力発生機構についてのみ図示し、図1
および図2に示すものと同様の部分には同一の番号を付
して異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0042】図3および図4に示すように、第2実施形
態に係る減衰力発生機構71では、図1および図2に示す
第1実施形態の減衰力発生機構24の構成に対して、シー
ルリング48,49、リテーナリング50,51および板ばね5
2,53を省略して、シールディスク54,55を外側シール
部40,41に直接当接させるようになっている。また、円
板状の弁ばね56,57(板ばね)の外周部に切欠56a ,57
a (油路)が形成されており、この切欠56a ,57a によ
って、ディスクバルブ46,47とシールディスク54,55と
弁ばね56,57との間に形成された空間S1,S2と、パイロ
ット室58,59とがそれぞれ互いに連通されている。
【0043】この構成により、空間S1,S2とパイロット
室58,59とは、切欠56a ,57a を介して連通されて常に
同圧力となるので、パイロット室58,59の圧力が増加し
た際に、空間S1,S2が押しつぶされることがないので、
空間S1,S2の圧縮にともなう弁ばね56,57とシールディ
スク54,55とディスクバルブ46,47との当接部の摩擦力
の増大を抑制することができ、ディスクバルブ46,47の
作動を円滑にして安定した減衰力を得ることができる。
また、当該減衰力調整式油圧緩衝器の組立時に、切欠56
a ,57a によって空間S1,S2内の空気を排出することが
できるので、容易にエア抜きを行うことができる。な
お、弁ばね56,57には、空間S1,S2とパイロット室58,
59とを連通させる油路として、切欠56a ,57a の代わり
に貫通孔を設けてもよい。
【0044】次に、本発明の第3実施形態について、図
5および図6を参照して説明する。なお、第3実施形態
は、上記第2実施形態の構成に対して、減衰力発生機構
のパイロット室58,59に連通する上流側通路を構成する
油路の構造が異なる以外は、概して同様に構成されてい
るので、減衰力発生機構についてのみ図示し、図3およ
び図4に示すものと同様の部分には同一の番号を付して
異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0045】図5および図6に示すように、第3実施形
態に係る減衰力発生機構72では、図3および図4に示す
第2実施形態の減衰力発生機構71の構成に対して、バル
ブ部材の内側シール部36,37に設けられた切欠64,65お
よびガイド部材30に設けられた溝66,67を省略して、そ
の代わりに、ディスクバルブ46,47に、油路34,35と空
間S1,S2とを連通させるオリフィス通路73,74(固定オ
リフィス)が設けられている。そして、弁ばね56,57の
切欠56a ,57a 、空間S1,S2およびオリフィス通路73,
74によって、パイロット室58,59とディスクバルブ46,
47の上流側とを連通させる上流側通路が構成されてい
る。
【0046】この構成により、油路34,35からオリフィ
ス通路73,74を介してパイロット室58,59に油液を流通
させることができ、上記第1および第2実施形態と同様
の作用、効果を奏することができる。また、オリフィス
通路73,74によって、空間S1,S2およびパイロット室5
8,59を直接油液が流通するため、空間S1,S2およびパ
イロット室58,59の油液の流動を円滑にすることができ
るので、当該減衰力調整式油圧緩衝器の組立時のエア抜
き作業を容易に行うことができる。さらに、バルブ部材
およびガイド部材に切欠および溝を加工して上流側通路
および固定オリフィスを設ける場合に比して、ディスク
バルブを打ち抜くだけで簡単に上流側通路および固定オ
リフィスを形成することができ、オリフィス通路73,74
の径を変更することにより、減衰力特性の設定を容易に
変更することができる。
【0047】なお、本実施形態では、ディスクバルブ4
6,47のオリフィス通路73,74を上流側通路の固定オリ
フィスとしているが、弁ばね56,57の切欠56a ,57a を
固定オリフィスとしてもよく、また、これらの両方を固
定オリフィスとして用いることもできる。
【0048】次に、本発明の第4実施形態について図7
ないし図9を参照して説明する。なお、第4実施形態
は、上記第3実施形態の構成に対して、減衰力発生機構
の固定オリフィスの上流側に副減衰弁が設けられている
以外は、概して同様に構成されているので、減衰力発生
機構についてのみ図示し、図5および図6に示すものと
同様の部分には同一の番号を付して異なる部分について
のみ詳細に説明する。
【0049】図7および図8に示すように、第4実施形
態に係る減衰力発生機構75では、バルブ部材26,27の底
部の内壁には、それぞれ、弁座38,39の内周側に、弁座
38,39よりも突出高さの小さい環状の弁座76,77が突設
されており、さらに、内周部がディスクバルブ46,47と
共に内側シール部36,37に固定されて、外周部が弁座7
6,77に着座する副ディスクバルブ78,79(副減衰弁)
が設けられている。副ディスクバルブ78,79は、油路3
4,35の油室25a ,25b 側の圧力を受けて撓んで開弁し
て、その開度に応じてバルブ特性の減衰力発生させるよ
うになっており、また、外周部に設けられた切欠78a ,
79a によって、油路34,35の流通を常時許容するオリフ
ィス通路を形成している。なお、副ディスクバルブ78,
79の開弁圧力は、ディスクバルブ46,47の開弁圧力に対
して充分低く設定されている。
【0050】この構成により、上記第3実施形態の作
用、効果に加えて、ピストンロッド6の伸縮行程時に、
ディスクバルブ46,47の開弁前(ピストン速度の低速
域)において、ピストン速度の極低速域では、副ディス
クバルブ78,79の切欠78a ,79aが形成するオリフィス
通路によって、オリフィス特性の減衰力が発生し、ピス
トン速度が大きくなると、副ディスクバルブ78,79が開
いて、その開度に応じてバルブ特性の減衰力が発生す
る。
【0051】よって、減衰力特性は、図9中に実線で示
すように、副ディスクバルブ78,79の開弁点Aまでは、
切欠78a ,79a が形成するオリフィス通路によってオリ
フィス特性となり、開弁点A以降は、副ディスクバルブ
78,79の開度に応じたバルブ特性となり、さらに、ディ
スクバルブ46,47の開弁点B以降は、ディスクバルブ4
6,47の開度に応じたバルブ特性となる。このようにし
て、副ディスクバルブ78,79によって、ピストン速度の
低速域の減衰力特性に折曲点(開弁点A)を設定するこ
とにより、低速域の減衰力特性を適正化するとともに、
極低速域の減衰力を充分に確保することができる。な
お、図9中の破線は、副ディスクバルブを持たない第1
ないし第3実施形態の減衰力特性を示している。
【0052】なお、上述した各実施形態の減衰力発生機
構24,71,72,75の要部の各寸法は、図4を代表図面と
して参照して説明すると、例えば環状の弁座38,39の直
径D1を28.7mmとした場合、シールディスク54,55の内径
D2を24.0〜26.0mm程度とし、弁ばね(ばね手段)56,57
の外径D3を26.0〜30.0mm程度とし、外側シール部40,41
の内径D4を31.0〜33.0mm程度とし、また、弁座38,39と
外側シール部40,41との段差Hを0.2 〜0.5mm 程度とす
ることが最適化を図る上で望ましく、これらの数値
(D2,D3,D4)は比例関係にあることが実験により得ら
れた。
【0053】次に、本発明の第5実施形態について、図
10ないし図13を参照して説明する。なお、第5実施形態
の減衰力調整式油圧緩衝器は、上記図1に示す第1実施
形態のものに対して、シリンダ部およびリザーバについ
ては概して同様の構造となっているので、以下、図1の
ものと同様の部分には同一の番号を付して異なる部分に
ついてのみ詳細に説明する。
【0054】図10ないし図12に示すように、第5実施形
態の減衰力調整式油圧緩衝器80では、シリンダ2には、
チューブ81が外嵌されて、シリンダ2とチューブ81との
間に環状通路82が形成されている。環状通路82は、シリ
ンダ2の上端部付近の側壁に設けられた油路16によって
シリンダ上室2aに連通されている。また、チューブ81の
側壁には開口部83が設けられている。なお、減衰力調整
式油圧緩衝器80では、図1に示すシリンダ2の油路19は
設けられていない。
【0055】外筒3の側面部には、減衰力発生機構84が
取付けられている。減衰力発生機構84は、円筒状のケー
ス85のフランジ部85a を有する一端開口部が外筒3の側
壁に溶接されている。ケース85内には、フランジ部85a
側から順に互いに当接するように、通路部材86、バルブ
部材本体87、円筒部材88およびガイド部材89(シール部
材)が挿入されている。そして、ケース85の他端開口部
内には、比例ソレノイド90が嵌合され、リテーナ91にね
じ込まれて固定されており、比例ソレノイド90をガイド
部材89に当接させることによって、通路部材86、バルブ
部材本体87、円筒部材88およびガイド部材89が固定され
ている。
【0056】通路部材86は、一端側の小径開口部86a が
チューブ81の開口部83に嵌合されており、通路部材86内
に形成された油室92が環状通路82に連通されている。通
路部材86および円筒部材88とケース85との間には、環状
油路93が形成されており、環状油路93は、ケース85のフ
ランジ部85a に設けられた油路94を介してリザーバ室4
に連通されている。
【0057】バルブ部材本体87は、略円板状の部材で、
円筒部材88が結合されて有底筒状のバルブ部材が形成さ
れている。バルブ部材の底部、すなわち、バルブ部材本
体87には、周方向に沿って配置された複数(2つのみ図
示する)の油路95が軸方向に貫通されている。バルブ部
材本体87の一端部には、複数の油路95の内周側に環状の
内側シール部96が突設され、複数の油路95の外周側に環
状の弁座97が突設され、弁座97の外周側に環状溝98(溝
部)が形成され、さらに、環状溝98の外周側に環状の外
側シール部 122が突設されている。外側シール部99の外
周部は、バルブ部材の側壁、すなわち、円筒部材88の内
周面に当接している。また、環状溝98は、油路100 によ
って環状油路93に連通されている。
【0058】バルブ部材本体87には、内周部が内側シー
ル部96に固定され、外周部が弁座97に着座するディスク
バルブ101 が設けられている。ディスクバルブ101 の背
面部には、環状のシールディスク102 の内周部が当接さ
れ、シールディスク102 の外周部が外側シール部99に当
接されている。シールディスク102 は、内周部がバルブ
部材本体87に固定された円板状の弁ばね103 (ばね手
段)の外周部が当接されて、ディスクバルブ101 および
外側シール部99側へ押圧されている。ディスクバルブ10
1 および弁ばね103 は、バルブ部材本体87の中央開口部
に挿通されるピン104 にナットを105 を螺着してバルブ
部材本体87に取付けられている。
【0059】ディスクバルブ101 の背面部には、その周
方向に沿って環状の突起部107 が形成されており、シー
ルディスク102 の内周部が突起部107 の先端部に当接し
ている。
【0060】そして、ディスクバルブ101 、シールディ
スク102 、円筒部材88およびガイド部材89によってパイ
ロット室106 が画成されており、パイロット室106 は、
ピン104 に設けられた油路104a(上流側通路)によって
固定オリフィス104bを介して油室92に連通されている。
【0061】バルブ部材本体87、ディスクバルブ101 、
シールディスク102 およびパイロット室106 によって主
減衰弁A(パイロット型主減衰弁)が構成されており、
主減衰弁Aは、ディスクバルブ101 が油路95からの油液
の圧力を受けて開弁して、その開度に応じた減衰力を発
生させ、パイロット室106 の内圧を閉弁方向に作用する
パイロット圧力としてその開弁圧力を調整するようにな
っている。
【0062】ガイド部材89には、比例ソレノイド90のソ
レノイド108 に対向させて、パイロット室106 に連通す
るボア109 が設けられている。ボア109 の内周面には、
環状溝110 が形成されており、環状溝110 は、油路111
(下流側通路)によって環状油路93に連通されている。
ボア109 には、スプール112 が摺動可能に嵌装されてい
る。そして、ボア109 とスプール112 とで流量制御弁B
(可変オリフィス)を構成しており、比例ソレノイド90
のソレノイド108 への通電電流に応じてスプール112 が
ばね113 およびばね114 の付勢力に抗して移動して環状
溝110 を開閉することによってボア109 と油路111 との
間の流路面積を調整するようになっている。比例ソレノ
イド90には、ばね113 のスプール112 への初期荷重を調
整する調整ねじ115 が設けられている。
【0063】上記の構成において、油路16、環状通路8
2、小径開口部86a 、油室92、油路95、環状溝98、油路1
00 、環状油路93および油路94によって、シリンダ上室2
aとリザーバ室4とを連通させる主通路を構成してい
る。
【0064】以上のように構成した本実施形態の作用に
ついて次に説明する。
【0065】ピストンロッド6の伸び行程時には、ピス
トン5の移動にともない、ピストン5の逆止弁が閉じ、
シリンダ上室2a内の油液が加圧されて、油路16、環状通
路82および小径開口部86a を通って減衰力発生機構84の
油室92へ流れ、さらに、油路104a、固定オリフィス104
b、パイロット室106 、ボア109 、環状溝110 、油路111
、環状油路93および油路94を通ってリザーバ室4へ流
れる。このとき、シリンダ上室2a側の圧力が主減衰弁A
の開弁圧力に達すると、主減衰弁Aが開いて油液が油室
92 から油路95、環状溝98および油路100 を通って環状
油路93へ流れる。一方、ピストン3が移動した分の油液
がリザーバ室4からベースバルブ8の逆止弁12を開いて
シリンダ下室2bへ流れる。
【0066】ピストン速度が小さく、主減衰弁Aの開弁
前は、固定オリフィス104bおよび流量制御弁Bの流路面
積によって減衰力が発生する。ピストン速度が大きくな
り、シリンダ上室2a内の圧力が上昇して主減衰弁Aが開
弁すると、その開度に応じた減衰力が発生する。このと
き、流量制御弁Bの流路面積が小さいほど、圧力損失が
大きく、その上流側のパイロット室106 内の圧力が高く
なるので、主減衰弁Aのパイロット圧力が高くなり、こ
のパイロット圧力は、ディスクバルブ101 を閉弁させる
方向に作用するので、主減衰弁Aの開弁圧力が高くな
る。したがって、ソレノイド108 への通電電流によって
流量制御弁Bの流路面積を変化させることにより、直接
オリフィス特性を調整するとともに、パイロット室106
の圧力を変化させ主減衰弁Aの開弁圧力を変化させてバ
ルブ特性を調整することができるので、ピストン速度の
低速域から高速域にわたって減衰力特性を調整すること
ができる。
【0067】また、ピストンロッド6の縮み行程時に
は、ピストン5の移動にともない、ベースバルブ8の逆
止弁12が閉じ、シリンダ下室2bの油液がピストン5の逆
止弁10を開いてシリンダ上室2aに流入して、ピストンロ
ッド6がシリンダ2内に侵入した分の油液が、シリンダ
上室2a側から、上記伸び行程時と同様の流路を通って、
リザーバ4側へ流れる。
【0068】よって、上記伸び行程時と同様、ピストン
速度が小さく主減衰弁Aの開弁前は、固定オリフィス10
4bおよび流量制御弁Bの流路面積によってオリフィス特
性の減衰力が発生し、ピストン速度が大きくなり、シリ
ンダ上室2a側の圧力が上昇して主減衰弁Aが開弁する
と、その開度に応じてバルブ特性の減衰力が発生して減
衰力の過度の上昇を抑制する。
【0069】そして、ソレノイド108 への通電電流によ
って流量制御弁Bの流路面積を変化させることにより、
直接オリフィス特性を調整するとともに、パイロット室
106の圧力を変化させてバルブ特性を調整することがで
き、ピストン速度の低速域から高速域にわたって減衰力
特性を調整することができる。なお、縮み行程時は、上
記伸び行程時に対してピストンロッド6の受圧面積が小
さいので、その分だけ上記伸び行程時よりも減衰力が小
さくなる。
【0070】上記第1ないし第4実施形態と同様に、摺
動部を設けることなくパイロット室106 を形成している
ので、パイロット室106 からの油液の漏れを少なくして
安定した減衰力特性を得ることができ、また、温度変化
による減衰力のばらつきを小さくすることができる。そ
して、高い工作精度を要する摺動部分の加工が不要とな
るため、製造コストを低減することができる。さらに、
内側シール部96、弁座97および外側シール部99は、バル
ブ部材本体87に一体に形成することができるので、これ
らの突出高さの誤差を小さくすることができ、ディスク
バルブ101 の開弁圧力のばらつきを小さくすることがで
きる。
【0071】ここで、図13に示すように、ディスクバル
ブ101 に、突起部107 を設けない場合には、シールディ
スク102 とディスクバルブ101 との当接部の直径は、通
常状態の直径d1(図13の下部参照)に対して、パイロッ
ト室106 内の圧力の上昇によってディスクバルブ101 お
よびシールディスク102 がバルブ部材本体87側へ撓んだ
場合には、直径d2(図13の上部参照)となり、通常状態
の直径d1よりも大きくなる。これによって、ディスクバ
ルブ102 のより外周側が閉弁方向に押圧されることにな
り、結果的にディスクバルブ102 のパイロット室106 の
内圧に対する受圧面積が増大するので、ディスクバルブ
102 が開弁しにくくなる。このように、パイロット室10
6 の内圧によるディスクバルブ101 およびシールディス
ク102 の撓みによって、ディスクバルブ101 の開弁圧力
にばらつきが生じて安定した減衰力が得にくくなる。
【0072】これに対して、本実施形態においては、主
減衰弁Aでは、シールディスク102の内周部がディスク
バルブ101 の背面部に設けられた環状の突起部107 の先
端部に当接しているので、パイロット室106 内の圧力が
上昇して、その圧力によって、ディスクバルブ101 およ
びシールディスク102 が、バルブ部材本体87側へ撓んだ
場合でも、シールディスク102 とディスクバルブ101 と
の当接部、すなわち、突起部101 の先端部の直径d1(図
12参照)は変化せず一定であるから、パイロット室106
の内圧に対するディスクバルブ101 の開弁圧力のばらつ
きを防止して安定した減衰力を得ることができる。
【0073】なお、上記第5実施形態の突起部107 は、
前記第1ないし第4実施形態の各ディスクバルブ46,47
に設けてもよい。
【0074】また、上記第5実施形態では、ディスクバ
ルブ101 を1枚のディスクで構成した例を例を示した
が、これに限らず、ディスクバルブ101 を複数のディス
クで構成し、シールディスク 102に対向するディスクの
みに突起部107 を設けてもよい。このように、ディスク
バルブ101 を複数枚のディスクで構成した場合には、デ
ィスク一枚一枚の厚さを薄くでき、突起部107 の加工が
容易になる。さらに、弁座79に対向するディスクを外周
部に切欠を有するディスクとして、オリフィスを形成す
ることもできる。
【0075】次に、本発明の第6実施形態について、図
14を参照して説明する。なお、第6実施形態は、上記第
2実施形態の構成に対して、減衰力発生機構の主減衰弁
を構成するディスクバルブとシールディスクとの間にリ
テーナディスクが介装されている点のほかは、概して同
様に構成されているので、主減衰弁およびパイロット室
の部分のみを図示し、図3および図4に示すものと同様
の部分には同一の番号を付して異なる部分についてのみ
詳細に説明する。
【0076】図14に示すように、第6実施形態に係る減
衰力調整式油圧緩衝器では、ディスクバルブ46,47の上
に、このディスクバルブ46,47よりもやや小径の円板状
のリテーナディスク 120,121 が積層されている。リテ
ーナディスク 120,121 は、内周部がディスクバルブ4
6,47と共にクランプされており、ディスクバルブ46,4
7とともに撓むようになっている。そして、シールディ
スク54,55の内周端部がリテーナディスク 120,121 の
外周端部に当接されている。すなわち、シールディスク
54,55は、リテーナディスク 120,121 を介してディス
クバルブ46,47に当接されている。
【0077】ここで、リテーナディスク 120,121 とシ
ールディスク54,55との当接部の重ねしろWは、充分小
さく設定されている。また、リテーナディスク 120,12
1 のシールディスク54,55との当接部と、外側シール部
40,41との段差hは、ディスクバルブ46,47の最大リフ
ト量よりも大きく設定されており、常時、シールディス
ク54,55の内周縁下端部がリテーナディスク 120,121
の上面に当接するようになっている。
【0078】なお、第6実施形態では、パイロット室5
8,59に連通する上流側通路の固定オリフィス 123,124
が、切欠64,65とは別体に設けられている。
【0079】この構成により、上記第2実施形態の作
用、効果に加えて、ディスクバルブ46,47とシールディ
スク54,55との間に、リテーナディスク 120,121 が介
装され、シールディスク54,55とリテーナディスク 12
0,121 との重ねしろWが充分小さくなっているので、
パイロット室58,59の圧力が上昇して、その圧力によっ
て、ディスクバルブ46,47、リテーナディスク 120,12
1 およびシールディスク54,55がバルブ部材26,27の底
部側へ撓んだり、ディスクバルブ46,47の開弁(リフ
ト)によってシールディスク54,55とリテーナディスク
120,121 との接触角度が小さくなった場合でも、シー
ルディスク54,55とリテーナディスク 120,121 との当
接部の直径D2の変化を充分小さく抑えることができる。
その結果、上記第5実施形態と同様に、パイロット室5
8,59の圧力に対するディスクバルブ46,47の開弁圧力
のばらつきを小さくして、安定した減衰力を得ることが
できる。
【0080】この場合、リテーナディスク 120,121
は、円板状の部材であるから、所望の精度で容易に加工
することができ、充分な強度を得ることができるので、
製造コストが安価で、かつ、経時的な劣化が少なく、耐
久性が高い。
【0081】次に、本発明の第7実施形態について、図
15を参照して説明する。なお、第7実施形態は、上記第
2実施形態に対して、減衰力発生機構の主減衰弁を構成
するディスクバルブとシールディスクとの間にシート部
材が介装され、外側シール部とシールリングとの間にシ
ールリングが介装されている点のほかは、概して同様に
構成されているので、主減衰弁およびパイロット室の部
分のみを図示し、図3および図4に示すものと同様の部
分には同一の番号を付して異なる部分についてのみ詳細
に説明する。
【0082】図15に示すように、第7実施形態に係る減
衰力調整式油圧緩衝器では、ディスクバルブ46,47とシ
ールディスク54,55との間に、環状のシート部材 125,
126が介装され、また、外側シール部40,41とシールデ
ィスク54,55との間に、環状のシールリング 127, 128
が介装されている。
【0083】シート部材 125,126 は、外周縁部が下方
へ突出されて環状の位置決め凸部 129,130 が形成さ
れ、位置決め凸部 129,130 の内周部をディスクバルブ
46,47の外周面に当接させることによって、ディスクバ
ルブ46,47上に位置決めされている。シート部材 125,
126 の下面の内周側には、ディスクバルブ46,47に当接
する環状の突起部 131,132 (第1突起部)が形成され
ている。また、シート部材 125,126 の上面には、位置
決め凸部 129,130 と突起部 131,132 との中間の部位
に、シールディスク54,55に当接する環状の突起部 13
3,134 (第2突起部)が形成されている。すなわち、
シールディスク54,55は、シート部材 125,126 を介し
てディスクバルブ46,47に当接されている。
【0084】シールリング 127,128 は、シート部材 1
25,126 を設けたことによって、内周部が持ち上げられ
たシールディスク54,55の外周部を持ち上げることによ
り、シールディスク54,55の取付け角度を適正化するた
めのものである。よって、外側シール部40,41の高さを
シート部材 125,126 に合わせて設定する、すなわち、
シールリングを外側シール部に一体に形成することによ
り、シールリング 127,128 を省略することもできる。
【0085】この構成により、上記第2実施形態の作
用、効果に加えて、シールディスク54,55がシート部材
125,126 の突起部 131,132 を介してディスクバルブ
46,47に当接しているので、パイロット室58,59の圧力
が上昇して、その圧力によって、ディスクバルブ46,47
およびシールディスク54,55がバルブ部材26,27の底部
側へ撓んだ場合でも、シールディスク54,55とシート部
材 125,126 との当接部、すなわち、突起部 131,132
の先端部の直径D5は、変化せず一定である。その結果、
上記第5実施形態と同様に、パイロット室58,59の圧力
に対するディスクバルブ46,47の開弁圧力のばらつきを
小さくして、安定した減衰力を得ることができる。
【0086】また、シート部材 125,126 の突起部 13
1,132 (直径D5)によって、ディスクバルブ46,47の
シールディスク54,55の内周端部(直径D6)よりも内周
側の部位にパイロット室58,59の圧力を作用させること
ができ、かつ、シート部材 125,126 は、ディスクバル
ブ46,47の開弁(リフト)時に、その軸方向に沿って平
行移動するので、ディスクバルブ46,47の開弁(リフ
ト)時に、ディスクバルブの46,47の外周部がシールデ
ィスク54,55の中央部に当接して、シールディスクを5
4,55を外側シール部40,41(シールリング 127,128
)からリフトさせることがないので、パイロット室5
8,59の圧力に対するディスクバルブ46,47の開弁圧力
を小さく設定することができ、減衰力特性の設定の自由
度を広げることができる。
【0087】なお、シールディスク54,55の内周端部を
ディスクバルブ46,47の内周側の部位に直接当接させる
ようにした場合、ディスクバルブ46,47の開弁(リフ
ト)時に、ディスクバルブの46,47の外周部がシールデ
ィスク54,55の中央部に当接して、シールディスク54,
55が外側シール部40,41(シールリング 127,128 )か
らリフトして、パイロット室58,59と主通路の下流側と
が連通状態となり、パイロット圧が急激に低下し、減衰
力が急激に低下することになる。
【0088】次に、本発明の第8実施形態について、図
16を参照して説明する。なお、第8実施形態は、上記第
5実施形態に対して、減衰力発生機構の主減衰弁を構成
する外側シール部とシールリングとの間にリテーナリン
グが介装されている点のほかは、概して同様に構成され
ているので、主減衰弁およびパイロット室の部分のみを
図示し、図10ないし図12に示すものと同様の部分には同
一の番号を付して異なる部分についてのみ詳細に説明す
る。
【0089】図16に示すように、第8実施例に係る減衰
力調整式油圧緩衝器では、外側シール部99とシールディ
スク 102との間に、環状のリテーナリング 135が介装さ
れている。リテーナリング 135は、外周部が円筒部材88
に嵌合され、また、その内径db(シールディスク 102と
の内側接線の直径)とディスクバルブ 101の弁座97の内
径da(弁座97とディスクバルブ 101との内側接線の直
径)との比がdb/da≦1.2 となるようになっている。
【0090】この構成により、リテーナリング 135によ
って、シールディスク 102の受圧面積を実質的に適度に
小さくすることができ、ディスクバルブ 101に作用する
パイロット圧力を適正化して、ハード時の減衰力特性を
最適化することができる。
【0091】なお、上記第8実施形態では、別体のリテ
ーナリング 135によって外側シール部の内径d3を設定す
るようにしているが、リテーナリング 135を外側シール
部99と一体に形成するようにしてもよい。また、ほかの
第1ないし第7実施形態においても、上記第8実施形態
と同様に、主減衰弁のディスクバルブの弁座の内径D1
外側シール部の内径D4との比をD4/D1≦1.2 とすること
により(図4参照)、ハード時の減衰力特性を最適化す
ることができる。
【0092】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の減衰力
調整式油圧緩衝器によれば、可変オリフィスによって下
流側通路の流路面積を変化させることによって、シリン
ダ上下室間の流路面積を直接変化させて減衰力特性(オ
リフィス特性)を調整するとともに、可変オリフィスに
よる圧力損失に応じてパイロット室の内圧を変化させて
減衰弁の開弁特性を変化させることによって減衰力特性
(バルブ特性)を調整するので、減衰力特性の調整範囲
を広くすることができる。また、摺動部を設けることな
くパイロット室を形成しているので、パイロット室から
の油液の漏れを小さくして安定した減衰力特性を得るこ
とができ、温度変化による減衰力のばらつきを小さくす
ることができる。そして、高い工作精度を要する摺動部
分の加工が不要となるため、製造コストを低減すること
ができる。さらに、バルブ部材の内側シール部と弁座と
外側シール部とを一体に形成することができるので、こ
れらの突出高さの誤差を小さくして、ディスクバルブの
開弁圧力のばらつきを小さくすることができる。
【0093】請求項2の減衰力調整式油圧緩衝器によれ
ば、ディスクバルブとシールディスクと板ばねとで形成
された空間とパイロット室とは、油路を介して連通され
て常に同圧力となるので、パイロット室の圧力が増加し
た際に、前記空間が押しつぶされることがない。その結
果、前記空間の圧縮にともなう板ばねとシールディスク
とディスクバルブとの当接部の摩擦力の増大を抑制する
ことができ、ディスクバルブの作動を円滑にして安定し
た減衰力を得ることができる。さらに、減衰力調整式油
圧緩衝器の組立時に、油路によって前記空間内の空気を
排出することができるので、容易にエア抜き作業を行う
ことができる。
【0094】請求項3の減衰力調整式油圧緩衝器によれ
ば、主減衰弁の開弁前において、副減衰弁によってバル
ブ特性の減衰力を発生させることができ、低速域の減衰
力特性を適正化するとともに、極低速域の減衰力を充分
に確保することができる。
【0095】請求項4の減衰力調整式油圧緩衝器によれ
ば、ディスクバルブの背面部に突起部を設けたことによ
り、パイロット室内の圧力の上昇によって、ディスクバ
ルブおよびシールディスクが撓んだ場合でも、シールデ
ィスクは突起部を介してディスクバルブに当接するの
で、ディスクバルブとシールディスクとの当接部の直径
が常に一定となり、パイロット室の内圧に対するディス
クバルブの開弁圧力のばらつきを防止して安定した減衰
力を得ることができる。
【0096】請求項5の減衰力調整式油圧緩衝器によれ
ば、ディスクバルブとシールディスクとの間に、リテー
ナディスクを介装し、該リテーナディスクの外周端部の
近傍に、シールディスクの内周部が当接するようにした
ことにより、パイロット室内の圧力の上昇によって、デ
ィスクバルブおよびシールディスクが撓んだ場合でも、
シールディスクとリテーナディスクとの当接部の直径が
殆ど変化することがないので、パイロット室の内圧に対
するディスクバルブの開弁圧力のばらつきを防止して安
定した減衰力を得ることができる。
【0097】請求項6の減衰力調整式油圧緩衝器によれ
ば、位置決め凸部、第1突起部および第2突起部を有す
るシート部材をディスクバルブとシールディスクとの間
に介装したことにより、シート部材は、第1突起部を介
してディスクバルブに当接するので、パイロット室内の
圧力の上昇によって、ディスクバルブおよびシールディ
スクが撓んだ場合でも、シート部材とディスクバルブと
の当接部の直径が常に一定となるので、パイロット室の
内圧に対するディスクバルブの開弁圧力のばらつきを防
止して安定した減衰力を得ることができる。また、シー
ト部材の第1突起部によって、ディスクバルブのシール
ディスクの内周端部より内周側の部位にパイロット室内
の圧力を作用させることができ、かつ、シート部材は、
ディスクバルブの開弁時に、その軸方向に沿って平行移
動するため、ディスクバルブの開弁時に、ディスクバル
ブの外周部がシールディスクの中央部に当接して、シー
ルディスクを外側シール部からリフトさせることがない
ので、パイロット室の圧力に対するディスクバルブの開
弁圧力を小さく設定することができ、減衰力特性の設定
の自由度を広げることができる。
【0098】また、請求項7の減衰力調整式油圧緩衝器
によれば、ディスクバルブの弁座の内径daと外側シール
部の内径dbとの比をdb/db≦1.2 としたことにより、パ
イロット室に対するシールディスクの受圧面積を適度に
小さくしてディスクバルブに作用するパイロット圧力を
適正化することができ、減衰力特性を最適化することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の要部の縦断面図であ
る。
【図2】図1の減衰力発生機構の拡大図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る減衰力調整式油圧
緩衝器の減衰力発生機構の縦断面図である。
【図4】図3の主減衰弁およびパイロット室の部分を拡
大して示す図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る減衰力調整式油圧
緩衝器の減衰力発生機構の縦断面図である。
【図6】図5の主減衰弁およびパイロット室の部分を拡
大して示す図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係る減衰力調整式油圧
緩衝器の減衰力発生機構の縦断面図である。
【図8】図7の主減衰弁、副減衰弁およびパイロット室
の部分を拡大して示す図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る減衰力調整式油圧
緩衝器の減衰力特性を示す図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係る減衰力調整式油
圧緩衝器の縦断面図である。
【図11】図10の装置の要部の縦断面図である。
【図12】図10の装置の主減衰弁の拡大図である。
【図13】図12の主減衰弁において、ディスクバルブに
突起部を設けない場合のパイロット室の内圧によるディ
スクバルブおよびシールディスクの変形を示す図であ
る。
【図14】本発明の第6実施形態に係る減衰力調整式油
圧緩衝器の主減衰弁およびパイロット室の部分を拡大し
て示す縦断面図である。
【図15】本発明の第7実施形態に係る減衰力調整式油
圧緩衝器の主減衰弁およびパイロット室の部分を拡大し
て示す縦断面図である。
【図16】本発明の第8実施形態に係る減衰力調整式油
圧緩衝器の主減衰弁およびパイロット室の部分を拡大し
て示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 減衰力調整式油圧緩衝器 2 シリンダ 5 ピストン 6 ピストンロッド 26,27 バルブ部材 28,29 シール部材 34,35 油路(主通路) 36,37 内側シール部 38,39 弁座 40,41 外側シール部 42,43 溝部 46,47 ディスクバルブ 48,49 シールリング(外側シール部) 54,55 シールディスク 56,57 弁ばね(ばね手段、板ばね) 56a,57a 切欠(油路) 58,59 パイロット室 64,65 切欠(固定オリフィス) 66,67 溝(上流側通路) 60,63 ポート(下流側通路、可変オリフィス) 78,79 副ディスクバルブ(副減衰弁) 107 突起部 120,121 リテーナディスク 125,126 シート部材 129,130 位置決め凸部 131,132 突起部(第1突起部) 133,134 突起部(第2突起部) da ディスクバルブの弁座の内径 db リテーナリング(外側シール部)の内径 S1,S2 空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蒔田 直樹 神奈川県綾瀬市小園1116番地 トキコ株式 会社相模工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油液が封入されたシリンダと、該シリン
    ダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、一端が該ピス
    トンに連結され他端が前記シリンダの外部まで延ばされ
    たピストンロッドと、前記ピストンの摺動によって油液
    を流通させる主通路と、前記主通路に設けられ該主通路
    の流路面積を調整する主減衰弁と、該主減衰弁の弁体の
    背面部に設けられ該弁体の閉弁方向に内圧を作用させる
    パイロット室と、該パイロット室と前記主通路の前記主
    減衰弁の上流側とを連通させる上流側通路と、該上流側
    通路に設けられた固定オリフィスと、前記パイロット室
    と前記主通路の前記主減衰弁の下流側とを連通させる下
    流側通路と、前記下流側通路に設けられ該下流側通路の
    流路面積を調整する可変オリフィスとを備えてなる減衰
    力調整式油圧緩衝器において、 有底筒状のバルブ部材と、該バルブ部材の底部を軸方向
    に貫通する油路と、前記底部の内壁の前記油路の内周側
    に突出する環状の内側シール部と、前記内壁の前記油路
    の外周側に突出する環状の弁座と、前記内壁の前記弁座
    の外周側に突出する環状の外側シール部と、前記内壁の
    前記弁座と前記外側シール部との間に開口する溝部と、
    内周部が前記内側シール部に固定され外周部が前記弁座
    に当接するディスクバルブと、内周部が前記ディスクバ
    ルブの背面部に当接し外周部が前記外側シール部に当接
    する環状のシールディスクと、該シールディスクを前記
    ディスクバルブおよび前記外側シール部に押圧するばね
    手段と、前記バルブ部材の開口部に嵌合されるシール部
    材とを設け、 前記油路および溝部によって前記主通路を構成し、前記
    ディスクバルブによって前記主減衰弁の弁体を構成し、
    前記バルブ部材の側壁と前記ディスクバルブと前記シー
    ルディスクと前記シール部材とによって前記パイロット
    室を画成するようにしたことを特徴とする減衰力調整式
    油圧緩衝器。
  2. 【請求項2】 ばね手段は、円盤状の板ばねであり、該
    板ばねには、ディスクバルブとシールディスクと前記板
    ばねとで形成された空間と、パイロット室とを互いに連
    通させる油路が設けられていることを特徴とする請求項
    1に記載の減衰力調整式油圧緩衝器。
  3. 【請求項3】 固定オリフィスへ流れる油液の圧力を受
    けて開弁して、その開度に応じてバルブ特性の減衰力を
    発生させる副減衰弁を設けたことを特徴とする請求項1
    または2に記載の減衰力調整式油圧緩衝器。
  4. 【請求項4】 ディスクバルブの背面部に、その周方向
    に沿って環状の突起部を設け、シールディスクの内周部
    を前記突起部に当接させたことを特徴とする請求項1な
    いし3のいずれかに記載の減衰力調整式油圧緩衝器。
  5. 【請求項5】 ディスクバルブとシールディスクとの間
    に、前記ディスクバルブよりもやや小径の円板状のリテ
    ーナディスクを介装し、該リテーナディスクの外周端部
    の近傍に、シールディスクの内周部が当接するようにし
    たことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載
    の減衰力調整式油圧緩衝器。
  6. 【請求項6】 外周部にディスクバルブの外周面に当接
    する位置決め凸部が形成され、一側の面に前記ディスク
    バルブに当接する環状の第1突起部が形成され、他側の
    面にシールディスクに当接する第2突起部が形成された
    環状のシート部材を前記ディスクバルブと前記シールデ
    ィスクとの間に介装したことを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれかに記載の減衰力調整式油圧緩衝器。
  7. 【請求項7】 ディスクバルブの弁座の内径daと外側シ
    ール部の内径dbとの比をdb/da≦1.2 としたことを特徴
    とする請求項1ないし6のいずれかに記載の減衰力調整
    式油圧緩衝器。
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