JPH1071624A - 多層パウダースラッシュ成形方法及びその装置 - Google Patents

多層パウダースラッシュ成形方法及びその装置

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JPH1071624A
JPH1071624A JP24889796A JP24889796A JPH1071624A JP H1071624 A JPH1071624 A JP H1071624A JP 24889796 A JP24889796 A JP 24889796A JP 24889796 A JP24889796 A JP 24889796A JP H1071624 A JPH1071624 A JP H1071624A
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JP
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mold
powder
layer
multilayer
powder box
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JP24889796A
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Koji Hayashi
公二 林
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単独のパウダーボックスで半溶融の多層を素
早く成形することで、従来のものより成形サイクルを短
縮することができる多層パウダースラッシュ成形方法及
びその装置を提供する。 【解決手段】 多層を構成する2種以上の前記粉末材料
を区分して収納する区分収納部25,26,27を有す
るとともに、前記区分収納部の一つを選択的に前記金型
に開口させ他の区分収納部を閉じることができるパウダ
ーボックス8を使う。そして、区分収納部25を開いた
前記パウダーボックス8の上に予熱した金型7を対面さ
せて対にし、天地を逆にして粉末材料9aを金型7内に
投入し、更に天地を逆にして余剰の粉末材料9aを排出
して金型7の内表面に半溶融の第1層を形成する第1工
程のあとに、区分収納部25を閉じるとともに区分収納
部26を開いて天地を逆にして粉末材料9bを金型7内
に投入し、更に天地を逆にして余剰の粉末材料9bを排
出して金型7の内表面に半溶融の第2層を形成する第2
工程の少なくとも一回以上を繰り返す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車内装部品等
を熱可塑性樹脂で成形するための多層パウダースラッシ
ュ成形方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の多層パウダースラシッシュ成形方
法の概略を図11により説明する。図11は特に3層の
成形品をうるための従来工程を示している。この従来工
程では、層の数だけのパウダーボックスを用意し、金型
に対して各パウダーボックスの着脱を繰り返すことによ
り成形が行われている。なお、図12は従来成形法にお
ける成形サイクルと金型温度の関係を示す図である。
【0003】図11において、予熱工程50では、金型
7の全体を予熱炉の中に入れ、金型7に熱を与えて特に
内表面温度を上昇させる。第1成形工程51では、金型
7と第1パウダーボックス58を一体にし、天地を反転
させると同時に第1パウダーボックス58内の第1粉末
材料を金型7の内表面に放出し、半溶融状態にして第1
層を成形する。そして金型7と第1パウダーボックス5
8を更に天地反転させ、残りの第1粉末材料を第1パウ
ダーボックス58内に回収したのち、両者を分離する。
【0004】第2成形工程52では、金型7と第2パウ
ダーボックス59を一体にし、天地反転させると同時に
第2パウダーボックス59内の第2粉末材料を金型7の
内表面の第1層のうえに放出し、半溶融状態にして第2
層を成形する。そして金型7と第2パウダーボックス5
9を更に天地反転させ、残りの第2粉末材料を第2パウ
ダーボックス59内に回収したのち、両者を分離する。
【0005】第1加熱工程53では、第1成形工程51
と第2成形工程52の成形をパウダーボックスの着脱を
繰り返しつつ行っている間に、金型温度が低下するた
め、所定厚みの半溶融の第3層を得るために必要な温度
になるまで金型の途中加熱を行う。そこで、第1層及び
第2層が形成された金型7を第1加熱炉の中に入れて、
金型7の全体の加熱を行う。
【0006】第3成形工程54では、金型7と第3パウ
ダーボックス60を一体にし、天地反転させると同時に
第3パウダーボックス60内の第3粉末材料を金型7に
放出し、半溶融状態にして第3層を成形する。そして金
型7と第3パウダーボックス60を更に天地反転させ、
残りの第3粉末材料を第3パウダーボックス60内に回
収したのち、両者を分離する。
【0007】第2加熱工程55では、金型7の内表面に
形成された半溶融状態の第1層、第2層、第3層を溶融
させて所定の第1層、第2層、第3層をうるために、金
型7を第2加熱炉の中に入れて、金型7の全体の加熱を
行う。冷却工程56では、3層成形されたパウダースラ
ッシュ成形品を金型7から脱離し易くするために、第2
加熱炉から出した金型7を急速冷却する。脱型工程57
では、金型7から成形されたパウダースラッシュ成形品
を脱離する。
【0008】なお、図11の従来工程は、第1加熱工程
53で金型7に熱量を補給し、所定厚みの第3層が形成
できるようにしたものであるが、第1成形工程51と第
2成形工程52と第3成形工程54を連続して行ったの
ち、特に第3成形工程54で不足する第3層の厚みを補
うために、第3成形工程54の後に第1加熱工程を入
れ、その後の更なる第3成形工程54の繰り返しによっ
て不足分の第3層を継ぎ足す方法や、第2加熱工程55
の加熱途中において、第3パウダーボックス60との一
体化を行い、第2加熱工程55の途中で不足分の第3層
を継ぎ足す方法等が行われている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来工
程での多層パウダースラッシュ成形の場合には、層の数
だけパウダーボックスを有しているので、層を形成する
毎にパウダーボックスを交換する必要がある。パウダー
ボックスの交換の際には、金型との着脱も必要となるた
めに少なくとも約30秒の時間を要し、金型温度の低下
を招いている(交換の度に約10℃低下する)。そのた
めに、第3層まで所定厚みに成形するために、付加的な
加熱工程又は成形工程が必要になっている。図11の成
形工程で第1加熱工程53を付加した温度−時間カーブ
が図12に模式的に示される。
【0010】図12の直線aは予熱工程50での金型7
の予熱を示す。直線bは金型7を第1成形工程51の状
態にセットするまでの温度降下を示す。直線cは第1成
形工程51における金型7の温度降下を示す。直線xは
第1成形工程51の終わりから第2成形工程52の始め
までの、パウダーボックス交換に伴う温度降下を示す。
直線dは第2成形工程52における金型7の温度降下を
示す。直線yは第1加熱工程53における金型7の温度
上昇を示す。直線zは金型7を第3成形工程54の状態
にセットするまでの温度降下を示す。直線eは第3成形
工程54における金型7の温度降下を示す。直線fは金
型7を第2加熱工程55の状態にセットするまでの温度
降下を示す。直線gは金型7を第2加熱工程55で加熱
する際の温度上昇を示す。直線hは冷却工程56での金
型7を冷却する際の温度降下を示す。
【0011】金型温度はパウダースラッシュの層の成形
肉厚と大きく関係しているので、金型温度の低下が目立
つ多層目以後(特に3層目以降)では層の肉厚を薄肉
(約0.5mm未満)にしか成形できない場合がある。
そのために、各層形成の間に加熱工程を設定し、金型温
度の低下を抑制しながら、薄肉にしか成形できなかった
層に対して、十分な肉厚成形を得られるまで加熱工程や
成形工程を付加しなければならない。以上より、従来の
多層パウダースラッシュ成形では、どうしても成形サイ
クルが長くなってしまうという問題があった。
【0012】本発明は、上記の問題を解決するためにな
されたもので、単独のパウダーボックスで半溶融の多層
を素早く成形することで、従来のものより成形サイクル
を短縮することができる多層パウダースラッシュ成形方
法及びその装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明のうち請求項1記載の発明は、予熱した
金型内に粉末材料を投入し充満し、余剰の前記粉末材料
を排出して前記金型の内表面に半溶融して付着して前記
粉末材料の層を形成することを2回以上繰り返して多層
を形成し、次いで前記多層を溶融せしめ、その後金型を
冷却して得られた成形体を脱型する多層パウダースラッ
シュ成形方法であって、前記多層を構成する2種以上の
前記粉末材料を区分して収納する区分収納部を有すると
ともに、前記区分収納部の一つを選択的に前記金型に開
口させ他の区分収納部を閉じることができるパウダーボ
ックスを用い、前記特定の区分収納部を開いた前記パウ
ダーボックスの上に予熱した金型を対面させ、天地を逆
にして特定の粉末材料を金型内に投入し、更に前記天地
を逆にして余剰の粉末材料を排出して金型の内表面に半
溶融の第1層を形成する第1工程と、前記特定の区分収
納部を閉じるとともに他の区分収納部を開いて天地を逆
にして他の粉末材料を金型内に投入し、更に天地を逆に
して余剰の他の粉末材料を排出して金型の内表面に半溶
融の第2層を形成する第2工程の少なくとも一回以上と
を含んでなることを特徴としたものである。パウダーボ
ックスと金型の天地の逆転と、パウダーボックスの区分
収納部の選択的な開閉とによって、短時間に金型内表面
に半溶融の粉末材料からなる多層を形成する。
【0014】また請求項2記載の発明は、請求項1にお
いて、前記多層は、ソリッドの表面層である第1層と、
クッション性付与の発泡層である第2層と、芯材に対す
る接着性付与のための内側層である第3層からなるもの
である。この多層成形品は、芯材に接着による一体成形
できる発泡層付きスラッシュ表皮である。
【0015】また請求項3記載の発明は、適宜のクラン
プ手段によって互いに結合されて対になる金型及びパウ
ダーボックスと、前記対の天地を逆転するための回転手
段とからなる多層パウダースラッシュ成形装置であっ
て、前記パウダーボックスは、前記多層を構成する2種
以上の前記粉末材料を区分して収納する複数の区分収納
部と、前記区分収納部の一つを選択的に前記金型に開口
させ他の区分収納部を閉じることができる開閉手段とを
有し、前記開閉手段は、前記対を回転させる回転手段と
同期して、前記対の回転毎に特定の区分収納部が順に前
記金型の内表面に対面するようにしたものであることを
特徴としたものである。一つのパウダーボックスを金型
に対面させ、パウダーボックスと金型の対の天地の逆転
と、パウダーボックスの区分収納部の選択的な開閉とに
よって、金型内表面に半溶融の粉末材料からなる多層を
形成する。
【0016】また請求項4記載の発明は、請求項3記載
の構成のうち、前記開閉手段は前記パウダーボックスが
前記金型に対面する共通の開口と複数の前記区分収納部
との間を選択的に仕切り、前記開口に対して特定の区分
収納部を連通させ、他の区分収納部を閉じる遮断部材で
構成されていることを特徴としたものである。パウダー
ボックスの開口の全部を使って粉末材料を選択的に投入
する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図示例と
ともに説明する。図1は、本発明の多層パウダースラシ
ュ成形工程の概略図である。図2は、多層連続成形を示
す作動図である。図3は、3層用のパウダーボックスを
示す図である。図4は、3層パウダースラッシュの断面
図である。
【0018】本発明の多層パウダースラシュ成形の全工
程1は、図1に示すように、予熱工程2、成形工程3、
加熱工程4、冷却工程5、脱型工程6の5工程からなっ
ている。予熱工程1では、金型7の全体を温めて特に金
型7の内側表面の温度を上昇させ後述する粉末材料を順
に付着させ半溶融状態にし易くする。
【0019】成形工程3では、金型7とパウダーボック
ス8との対を適宜のクランプ手段22によって一体にな
るようにし、適宜の回転手段23によって金型7とパウ
ダーボックス8との対の天地を逆転させるようにしてい
る。すなわち、金型7が上(天)になり、パウダーボッ
クス8が下(地)になって、粉末材料をパウダーボック
ス8に収納したり戻したりする状態や、金型7が下
(地)になり、パウダーボックス8が上(天)になっ
て、粉末材料を金型7内に充填された状態に180°前
後の回転の天地逆転で切り換えることができるようにな
っている。
【0020】回転手段23の作動は、パウダーボックス
8の内部の開閉手段21に連動していて、金型7とパウ
ダーボックス8の対の360°前後の回転毎又は180
°前後の天地逆転の2回目毎に、パウダーボックス8の
区分収納部25,26,27のうち特定のものを金型7
の内表面に対面させるように同期している。
【0021】開閉手段21は、図3に示すように、パウ
ダーボックスの中心軸の左右対象に一対の遮蔽シート1
0A,10Bと固定軸11A,11Bを備えている。一
対の遮蔽シート10A,10Bは、その引回し方によっ
て、粉末材料9a〜9cを個々に収納する第1区分収納
部25と第2区分収納部26と第3区分収納部27とを
区画する。
【0022】遮蔽シート10A,10Bの上下両端部
は、それぞれ保持部12a,12b,12c,12dと
なっていて、下側の保持部12a,12cはシートを巻
き込み方向に付勢する機能を有してパウダーボックス8
の底面に密着して備え付けられている。上側の保持部1
2b,12dは、パウダーボックス8の上側端に密着す
るホームポジションと、回転軸11で遮蔽シート10を
折り曲げるようにして水平方向aに往復移動して、上側
の保持部12b,12dの他方に密着するようになって
いる。
【0023】保持部12b,12dのそれぞれが実線表
示のようにパウダーボックス8の上側端に密着すると、
第1区分収納部25がパウダーボックス8の開口の全部
で金型に対面できる。保持部12dが実線表示の位置に
あり、保持部12bが二点鎖線のように右移動して保持
部12dと密着すると、第2区分収納部26がパウダー
ボックス8の開口の全部で金型に対面できる。保持部1
2bが実線表示の位置にあり、保持部12dが二点鎖線
のように左移動して保持部12bと密着すると、第3区
分収納部27がパウダーボックス8の開口の全部で金型
に対面できる。以上により、開閉手段21を構成する遮
蔽シート10A,10Bの遮蔽位置の切換とパウダーボ
ックス8と金型7の対の天地逆転によって、粉末材料9
a〜9cが選択的に金型7の内表面に充填可能になる。
【0024】なお、上記の場合3層のパウダースラッシ
ュ成形のパウダーボックス8であるが、2層のパウダー
スラッシュ成形では、図5に示すように、パッキン材1
7を先端に有して他端のヒンジ機構で開閉可能な遮蔽板
16を有する形にしたものでも良い。パッキン材17が
ボックス壁に密着するように左右に開閉させることよっ
て、遮蔽板18が粉末材料9a,9bを区画して、個々
の粉末材料9a,9bに対応し且つパウダーボックスの
開口の全部が開いた区分収納部を形成し、所定の粉末材
料9a,9bを選択して金型に供給されるようになって
いる。
【0025】図1に示す成形工程3の金型7とパウダー
ボックス8の対が適宜のクランプ手段22で一体となっ
たものは、3層のパウダースラッシュを成形する前後を
示すものである。実際には、この間3段階に分けて3層
を成形されるようになっている。以下、この成形工程に
ついて図2を用いて説明する。
【0026】予熱工程2で温められた金型を、成形工程
3へと移動させる。この成形工程3において金型7の内
表面に3層の半溶融層を形成するための成形へと入って
いく。図2において、まず、 (1) 金型7とパウダーボックス8との両端をクランプ手
段22で保持し、これらを一体にする。この状態では第
1区分収納部25の粉末材料9aが金型7の内表面に対
面している。 (2) 一体となった金型7とパウダーボックス8は(1) に
対して天地を逆にさせ、第1区分収納部25の粉末材料
9aを金型7の内部に充填させる。付着した粉末材料9
aは、金型7の内表面で半溶融状態となり第1層を成形
する。 (3) 金型7とパウダーボックス8の天地を(2) に対して
更に逆転してもとの位置に戻す。すると、パウダーボッ
クス8の第1区分収納部25に粉末材料9aが戻る。こ
の時、金型7の表面には第1層31が成形されて残って
いる。 (4) 遮蔽シート10Aを折り曲げるようにして、遮蔽シ
ートの保持部12bが右側に移動する。そして、第2区
分収納部26の粉末材料9bを金型7に対して開口状態
にする。 (5) 金型7とパウダーボックス8は、その天地を逆にさ
せ、金型7の内表面に粉末材料9bを付着させる。付着
した粉末材料9bは、金型7の内表面で半溶融状態とな
り第2層を成形する。 (6) 金型7とパウダーボックス8を更に天地逆転させて
もとの位置に戻す。すると、パウダーボックス8の第2
区分収納部26に粉末材料9bが戻る。この時、金型7
の表面には第1層31の上に第2層32が成形されて残
っている。 (7) 遮蔽シート10Bを折り曲げるようにして、遮蔽シ
ート10Bの保持部12dが左側に移動する。そして、
第3区分収納部27の粉末材料9cを金型7に対して開
口状態にする。 (8) 金型7とパウダーボックス8はその天地を逆にさ
せ、金型7の内表面に粉末材料9cを付着させる。付着
した粉末材料9cは、金型7の内表面で半溶融状態とな
り第3層を成形する。 (9) 金型7とパウダーボックス8を更に天地逆転させて
もとの位置に戻す。すると、パウダーボックス8の第3
区分収納部27に粉末材料9cが戻る。この時、金型7
の表面には第1層31及び第2層32の上に第3層33
が成形されて残っている。 (10)クランプ手段22を外し、金型7を取り外す。同時
にパウダーボック8の折れ曲がった遮蔽シート10Bを
もとの位置に戻し、(1) の状態にして次の成形に備え
る。
【0027】図1に戻り、成形工程3の次の加熱工程4
では、金型7の全体を加熱することにより、半溶融で成
形された第1層乃至第3層に受熱させる。半溶融状態の
第1層乃至第3層が完全に溶融して所定の多層成形品に
なる。
【0028】冷却工程5では、金型7を急速に冷却する
ことで、金型7の内表面に付着した多層成形品を冷却す
る。脱型工程6では、金型7の内表面から多層成形品と
を脱離させて取り出すようになっている。
【0029】脱型工程6で脱離された多層成形品の好適
例を図4で説明する。この多層成形品は、射出成形法で
成形された芯材に発泡層付きスラッシュ表皮を一体成形
することができるものであって、表面層13,発泡層1
4と内側層15から構成されている。表面層13は、革
シボやステッチを有するソリッドの表皮となっていて、
使用する熱可塑性エストラマーとして、PVCスチレン
系熱可塑性エストラマー、オレフィン系熱可塑性エスト
ラマー(TPO)、ウレタン系熱可塑性エストラマー
(TPU)、ポリエステル系熱可塑性エストラマー(T
PAE)等がある。また表面層13の厚さは0.2〜
1.0mmとしている。発泡層14は、クッション性を
有しており、厚さを1.0〜5.0mmとしている。発
泡層を厚くする場合、図1の加熱4の後に適宜、#3成
形及び加熱IIを付加設定するケースも考えられる。内側
層15は、発泡層14の保護を兼ねた接着性を保つため
に、使用する材料として、PVCポリプロピレン(P
P)、ポリスチレン(PS)、ABS,ノリル樹脂等及
びそれらを適宜混合した材料がある。また内側層15の
厚さは、0.4〜1.2mmとしている。
【0030】次に、図6ないし、図9を用いてパウダー
ボックスとスライド自在な閉鎖部材又はスライド自在な
パウダーボックスと閉鎖部材との組み合わせたものにつ
いて説明する。図6は、3層用パウダーボックスと一体
型閉鎖部材との組合わさったものを示す図である。図7
は、2層用パウダーボックスと一体型閉鎖部材との組合
わさったものを示す図である。図8は、3層用パウダー
ボックスと個別閉鎖部材が組み合わさったものを示す図
である。図9は、2層用パウダーボックスと個別閉鎖部
材が組み合わさったものを示す図である。開閉手段又は
パウダーボックスがスライドという簡単な機構で構成す
ることができる。ただし、スライド方向に長くなるとい
う難点とパウダーボックスの一部の開口が金型に対向す
るためパウダーボックスが大きくなるという難点を有し
ている。
【0031】3層用の場合は、図6に示すように、パウ
ダーボックス8には仕切り板が垂直に取り付けられてお
り、3種類の粉末材料9a〜9cを収納する3つの区分
収納部に仕切っている。パウダーボックス8の上部に
は、閉鎖部材18を仕切り板に対してシール可能且つス
ライド可能に取付けられている。閉鎖部材18は1つの
開口部19aと層の数プラス一つ以上の閉口部19bと
を有しており、区分方向と直交する水平方向aに移動す
ることができるようになっている。なお、パウダーボッ
クス8が水平方向bに移動するようにしてもよい。閉鎖
部材18が水平方向aにスライド移動することで、3種
類の粉末材料9a〜9cのいずれかの区分収納部に対し
て開口部19aを位置するようになり、他の区分収納部
は閉口部19bで密閉状態にされる。そのために、パウ
ダーボックスを逆にした時に、所定の粉末材料9a〜9
cが選択的に金型7に供給されるのである。図8の場合
は、一体型の閉鎖部材に代わり、3種類の粉末材料9a
〜9cを収納する3つの区分収納部に対応する、個別の
専用閉鎖部材22a,22b,22cを相対的に区分方
向に沿って移動可能に設けたものである。
【0032】2層用の場合は、図7に示すように、3層
用と比較して殆ど同じで異なるところは、パウダーボッ
クス8内の仕切り板の数が一つ少なく、閉鎖部材20の
閉口部20bの数が二つ少ないという点である。動作は
3層用のものと同じで、閉鎖板20を区分方向に直交す
る水平方向a又はパウダーボックス8を水平方向bにス
ライド移動させることで、粉末材料9a,9bの供給を
個々に分けているようにしている。図9の場合は、一体
型の閉鎖部材に代わり、2種類の粉末材料9a,9bを
収納する2つの区分収納部に対応する個別の専用閉鎖部
材21a,21bを相対的に区分方向に沿って移動可能
に設けたものである。
【0033】次に図1の成形方法で図4の如き多層成形
品を成形した場合における金型温度の低下と成形サイク
ルについて説明する。図8は本発明の多層パウダースラ
ッシュ成形と金型温度変化を示した図である。
【0034】直線aは予熱工程2での金型7の予熱を示
す。直線bは金型7を成形工程3の状態にセットするま
での温度降下を示す。直線cは成形工程3における金型
7の第1回の天地逆転による第1層形成時の温度降下を
示す。直線dは成形工程3の第2回の天地逆転による第
2層形成時の温度降下を示す。直線eは成形工程3の第
3回の天地逆転による第3層形成時の温度降下を示す。
第1層、第2層、第3層の形成は金型7とパウダーボッ
クス8の一体化したものを連続的に回転させつつ短時間
に行われるため、温度降下は少ない。直線fは金型7を
加熱工程4の状態にセットするまでの温度降下を示す。
直線gは金型7を加熱工程4で加熱する際の温度上昇を
示す。直線hは冷却工程5での金型7を冷却する際の温
度降下を示す。
【0035】図10と比較すると、連続成形の間加熱工
程及びパウダーボックスの交換時間が無いために、成形
サイクルが全体的に短くなっていることが容易に理解で
きる。また、短時間の半溶融層の成形によって、第3層
形成時の金型7の温度の降下が抑えられ、第3層の所望
厚み(少なくとも0.5mm以上)を一回の金型予熱に
よって確保することが可能になる。さらに、図10のよ
うに第1層と第2層を形成した後に加熱することがない
ため、第1層と第2層の熱履歴による劣化を防止するこ
ともできる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1記載の発明は、パウダーボックスと金型の対の天地
の逆転と、パウダーボックスの区分収納部の選択的な開
閉とによって、短時間に金型内表面に半溶融の粉末材料
からなる多層を形成することができ、成形サイクルを短
縮できる。また、金型に対して複数のパウダーボックス
を取り替える場合は、多層を形成するまでに金型が冷え
て所定厚みの層が形成できなくなるため、途中の加熱が
必要になるが、本発明方法では、金型が冷えないうちに
多層を形成することができるので、途中の加熱工程が不
用になるという効果を奏する。
【0037】また、請求項2記載の発明は、射出成形法
による芯材に一体成形可能な発泡層付きスラッシュ表皮
を、各層の厚みを所定に制御して、劣化のない良品を効
率的に製造できるという効果を奏する。
【0038】また、請求項3記載の発明は、各層毎にパ
ウダーボックスを取り替えて金型に対面させる従来の装
置に比較して、一つのパウダーボックスを金型に対面さ
せるだけで多層が形成でき、システム構成が簡単になる
という効果を奏する。
【0039】また、請求項4記載の発明は、請求項2記
載の発明の効果に加えて、パウダーボックスの開口の全
部を使って粉末材料を選択的に投入でき、開閉手段もコ
ンパクトに形成できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層パウダースラシュ成形の概略図で
ある。
【図2】本発明の多層連続成形を示す作動図である。
【図3】3層用のパウダーボックスを示す図である。
【図4】3層パウダースラッシュ成形品の断面図であ
る。
【図5】2層用のパウダーボックスを示す図である。
【図6】3層用パウダーボックスと一体型閉鎖板との組
合わさったものを示す図である。
【図7】2層用パウダーボックスと一体型閉鎖板との組
合わさったものを示す図である。
【図8】3層用パウダーボックスと個別閉鎖板との組合
わさったものを示す図である。
【図9】2層用パウダーボックスと個別閉鎖板との組合
わさったものを示す図である。
【図10】本発明の多層パウダースラッシュ成形と金型
温度変化を示した図である。
【図11】従来の多層パウダースラシュ成形の概略図で
ある。
【図12】従来の多層パウダースラッシュ成形と金型温
度変化を示した図である。
【符号の説明】
1 多層パウダー成形の全工程 2 予熱工程 3 成形工程 4 加熱工程 5 冷却工程 6 脱型工程 7 金型 8 パウダーボックス 9a 粉末材料 9b 粉末材料 9c 粉末材料 18 閉鎖部材 20 閉鎖部材 21 開閉手段 22 クランプ手段 23 回転手段 25 第1区分収納部 26 第2区分収納部 27 第3区分収納部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予熱した金型内に粉末材料を投入し充満
    し、余剰の前記粉末材料を排出して前記金型の内表面に
    半溶融して付着して前記粉末材料の層を形成することを
    2回以上繰り返して多層を形成し、次いで前記多層を溶
    融せしめ、その後金型を冷却して得られた成形体を脱型
    する多層パウダースラッシュ成形方法であって、 前記多層を構成する2種以上の前記粉末材料を区分して
    収納する区分収納部を有するとともに、前記区分収納部
    の一つを選択的に前記金型に開口させ他の区分収納部を
    閉じることができるパウダーボックスを用い、 前記特定の区分収納部を開いた前記パウダーボックスの
    上に予熱した金型を対面させ、天地を逆にして特定の粉
    末材料を金型内に投入し、更に前記天地を逆にして余剰
    の粉末材料を排出して金型の内表面に半溶融の第1層を
    形成する第1工程と、 前記特定の区分収納部を閉じるとともに他の区分収納部
    を開いて天地を逆にして他の粉末材料を金型内に投入
    し、更に天地を逆にして余剰の他の粉末材料を排出して
    金型の内表面に半溶融の第2層を形成する第2工程の少
    なくとも一回以上とを含んでなる多層パウダースラッシ
    ュ成形方法。
  2. 【請求項2】 前記多層は、ソリッドの表面層である第
    1層と、クッション性付与の発泡層である第2層と、芯
    材に対する接着性付与のための内側層である第3層から
    なる請求項1記載の多層パウダースラッシュ成形方法。
  3. 【請求項3】 適宜のクランプ手段によって互いに結合
    されて対になる金型及びパウダーボックスと、前記対の
    天地を逆転するための回転手段とからなる多層パウダー
    スラッシュ成形装置であって、 前記パウダーボックスは、前記多層を構成する2種以上
    の前記粉末材料を区分して収納する複数の区分収納部
    と、前記区分収納部の一つを選択的に前記金型に開口さ
    せ他の区分収納部を閉じることができる開閉手段とを有
    し、 前記開閉手段は、前記対を回転させる回転手段と同期し
    て、前記対の回転毎に特定の区分収納部が順に前記金型
    の内表面に対面するようにしたものである多層パウダー
    スラッシュ成形装置。
  4. 【請求項4】 前記開閉手段は、前記パウダーボックス
    が前記金型に対面する共通の開口と複数の前記区分収納
    部との間を選択的に仕切り、前記開口に対して特定の区
    分収納部を連通させ、他の区分収納部を閉じる遮断部材
    で構成されている請求項2記載の多層パウダースラッシ
    ュ成形装置。
JP24889796A 1996-08-29 1996-08-29 多層パウダースラッシュ成形方法及びその装置 Pending JPH1071624A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004500263A (ja) * 2000-03-20 2004-01-08 テクストロン オートモーティブ カンパニー インク. ダブルキャストスラッシュ成形方法及び装置

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