JP3209401B2 - パウダースラッシュ成形方法およびその成形装置 - Google Patents

パウダースラッシュ成形方法およびその成形装置

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JP3209401B2 JP27166996A JP27166996A JP3209401B2 JP 3209401 B2 JP3209401 B2 JP 3209401B2 JP 27166996 A JP27166996 A JP 27166996A JP 27166996 A JP27166996 A JP 27166996A JP 3209401 B2 JP3209401 B2 JP 3209401B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末状の熱可塑性
樹脂を原料として、2個、またはそれ以上のパウダース
ラッシュ成形品を同時に形成することができるパウダー
スラッシュ成形方法およびその成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インストルメントパネルパッド、
コンソールボックス、その他の自動車内装品を中心とし
て、パウダースラッシュ成形による表皮材の需要が高く
なっている。
【0003】そして、この種の表皮材を効率的に大量生
産する方法として、2個、またはそれ以上の同形同大の
型部を繋ぎ合わせた成形金型を用い、同時に多数の表皮
材を成形する方法が採用されている。そのばあい、予熱
工程などにおいて、加熱炉内で成形金型が外方から均一
に予熱されるように、成形金型の形状は、図4に示され
るように、同形同大の2つの型部51a、51bを有し
ており、これらを左右対称形に接合した形状になってい
る。
【0004】この形状の成形金型51を用いて成形する
ばあい、粉末材料53を入れたパウダーボックス52を
適宜の固定手段により、予熱された成形金型51の下方
に固着し、これらを適宜の回転手段によって矢印54方
向に回転させ、成形金型51の内側に粉末材料を付着さ
せ、半溶融状態にするという工程を経て、成形金型51
からパウダーボックス52を取り外し、成形金型51を
加熱し、その後に冷却することによって、半溶融状態の
成形品が固化され、常温となってから成形金型51より
取り出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に
示されるように、前述の、成形金型51を矢印54方向
に回転させて粉末材料の樹脂を付着させる工程では、成
形金型51を局部的にみたばあい、右半分の型部51a
には、矢印55方向から粉末材料が入り込み、左半分の
型部51bには、矢印56方向から粉末材料が入り込
む。つまり、同形同大の右半分の型部51aと左半分の
型部51bに対して、粉末材料の入り込む方向が、相対
的には逆となっているのである。
【0006】したがって、破線で示されるように、たと
えば、一回転のあいだに、C部よりもA部に、長く多量
の粉末材料が留まり、厚い層を形成する。また、A部に
おいて発生を回避できる材料充填不足による欠肉、ピン
ホール不良がC部においては多発することになる。同様
のことが、B部とD部でも起こる。したがって、成形金
型51に付着する成形品の形状が左右対称にならず、右
半分の型部51aからできる製品と、左半分の型部51
bからできる製品とのあいだで厚さ分布、ピンホール不
良等の発生率および重量などが異なり、品質に著しい差
を生じさせていた。
【0007】本発明は、前記問題に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、同形の第1型部と第
2型部が左右対称に接合されてなる成形金型を用い、第
1型部と第2型部により成形される第1成形品と第2成
形品のあいだで仕上がりに差を生じさせないパウダース
ラッシュ成形方法およびその成形装置を提供するもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明のうちで請求項1記載の発明は、左右対
称形となるように第1型部と第2型部を向かい合わせて
接合したものの一つ以上を前後に有する成形金型を用い
てスラッシュ成形品の2個以上を同時に成形するパウダ
ースラッシュ成形方法であって、前記第1型部に向けて
開口することができる第1収納部および前記第2型部に
向けて開口することができる第2収納部からなるパウダ
ーボックスを用い、該パウダーボックス上に予熱した前
記成形金型を載置して固着し、前記第2収納部を閉じ前
記第1収納部を開口した状態で、前記パウダーボックス
が固着された成形金型を回転させて、前記第1型部に粉
末材料を投入するとともに、余剰の粉末材料を排出して
前記第1型部の内表面に半溶融の第1成形品を形成する
第1成形工程、及び前記第1収納部を閉じ前記第2収納
部を開口した状態で、前記成形金型を前記第1工程とは
逆の方向に回転させ、前記第2型部に粉末材料を投入す
るとともに、余剰の粉末材料を排出して前記第2型部の
内表面に半溶融の第2成形品を形成する第2成形工程を
含んでなることを特徴とするパウダースラッシュ成形方
法である。ここで、粉末材料とは表皮材として使用され
る熱可塑性エラストマーのことであり、PVC、スチレ
ン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラ
ストマー(TPO)、ウレタン系熱可塑性エラストマー
(TPU)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(T
PAE)等が用いられる。このように第1成形工程と第
2成形工程に分けると、同形同大の第1型部と第2型部
に、形状から見て相対的に同方向となる方向から粉末材
料を投入し、かつ余剰の粉末材料を排除することができ
る。したがって、第1型部と第2型部の内部に形成され
る半溶融樹脂層の厚みの差が少なくなる。
【0009】請求項2記載の発明は、前記第1型部と前
記第2型部とをそれぞれの凸部が外方に突出するように
略円弧状に配設してなる請求項1記載のパウダースラッ
シュ成形方法である。この配置により、装置の幅を必要
最小限にとどめることができる。また、予熱工程におい
て、成形金型全体を早く均一な温度に上げやすい。した
がって、粉末材料が均等に付着して溶融する。
【0010】請求項3記載の発明は、前記成形金型の予
熱は、前記第1成形工程における前記第2型部の温度低
下を補うように、前記第2型部の型温度が前記第1型部
の型温度より高くなるように行われる請求項1又は2記
載のパウダースラッシュ成形方法である。これにより、
第1成形工程時の第1型部の金型温度と第2成形工程時
の第2金型温度との差が無くなる。
【0011】請求項4記載の発明では、左右対称形とな
るように第1型部と第2型部を向かい合わせに接合して
なるものの一つ以上を前後に有する成形金型と、該成形
金型の対称線上に設けられた仕切板によって区切られた
第1収納部および第2収納部を有するパウダーボックス
と、該パウダーボックスの上に予熱した前記成形金型を
載置して固着するとともに、当該パウダーボックスが固
着された成形金型を一方向およびその逆方向に回転させ
うる回転機構と、前記第1型部と前記第1収納部のあい
だに設けられる第1開閉機構と、前記第2型部と前記第
2収納部のあいだに設けられる第2開閉機構と、前記成
形金型を一方向に回転させているときは前記第2開閉機
構を閉じて前記第1開閉機構を開かせ、その逆方向に回
転させているときは前記第1開閉機構を閉じて前記第2
開閉機構を開かせ、粉末材料が第1型部に入り込む方向
と第2型部に入り込む方向とが相対的に同方向となるよ
うに前記回転機構を制御する制御機構と、を備えてなる
ことを特徴とするパウダースラッシュ成形装置である。
これにより、同形同大の第1型部と第2型部に、形状か
ら見て相対的に同方向となる方向から粉末材料を入り込
ませることができ、また取り去ることができる。パウダ
ーボックスの第1収納部と第2収納部は、対称線上に仕
切り板を設けただけで形成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図示例と
ともに説明する。図1は本発明のパウダースラッシュ成
形装置の概略図である。図2は図1の成形装置を用いた
パウダースラッシュ成形方法の概略図である。図3は予
熱工程の概略説明図である。
【0013】本発明のパウダースラッシュ成形方法は、
図1に示される成形金型を用いて、同形同大の成形品を
2個同時に形成するものである。まず、図1に基づいて
成形装置の説明をする。
【0014】図1において、パウダースラッシュ成形装
置は、第1型部1および第2型部2を有する成形金型3
と、該成形金型3の下方に連結されるパウダーボックス
4を備えてなるものである。
【0015】パウダーボックス4は、仕切板5によって
第1収納部6および第2収納部7に区切られており、そ
の開口部には第1開閉機構8および第2開閉機構9が設
けられている。また、成形金型3とパウダーボックス4
は、クランプ等の適宜の固着手段10により固着され、
固着手段10を回動軸に連結する等の適宜の回転機構3
1により矢印11または12方向に、制御機構32の指
令によって天地を逆にするための逆方向の回動が可能で
ある。なお、制御機構32は、第1開閉機構8の開閉の
制御を行う第1開閉機構用制御装置33と、第2開閉機
構9の開閉の制御を行う第2開閉機構用制御装置34
と、回転機構31の回動の制御を行う回転機構用制御装
置35と、第1開閉機構8の開閉のタイミング、第2開
閉機構9の開閉のタイミング、回転機構31の回動の向
きとタイミングを制御する制御装置36とからなってい
る。
【0016】図1において、成形金型3は、内側に粉末
材料を付着させて凸形の成形品を2つ形成するものであ
り、同形同大の第1型部1と第2型部2を、それぞれの
凸部が外方に向けて突出するように略円弧状に配設して
あり、全体として左右対称形の山型を呈している。図3
に示されるように、左右対称の金型3は加熱炉30にお
いて、温度分布も左右対称となるように予熱されるの
で、粉末材料を左右対称に付着させることができる。ま
た、各型部1、2の凸部が外方に突出する山型としたこ
とにより、外方より矢印30aで示される熱風が、ほぼ
均一に当たるので、各部分の温度が等しくなるように予
熱することができる。また、内面より熱風を流入させ、
昇温を行う方法においても、略円弧状であれば、障害が
なく、熱風の流れがスムーズに行われ、早く均一に温度
を上げることができる。この金型3をパウダーボックス
4に固着するときは、その中央部13が、両端部14、
15よりも上方に位置するように、つまり上に凸となる
ように固着する。このように配設することによって、パ
ウダーボックス4の幅を必要最小限にとどめることがで
きる。
【0017】なお、左右対称形の金型としては、それぞ
れの凸部が内側を向くような谷型に各型部1、2を突き
合わせることも可能である。しかしながら、そのような
谷型の金型では、向き合わされた凸部が重ならないよう
に、または、熱風が谷の深部に当たりやすいように、あ
る程度の距離をおいて第1型部と第2型部を配設しなけ
ればならず、金型の横幅が大きくなるおそれもある。し
たがって、金型、パウダーボックスおよび装置全体の小
型化を図るためには、凸部が外方を向く山型(図1例の
ほか図4例のように、下向きにパウダーボックスに固着
する場合も含む)とすることが好ましい。
【0018】図1に戻り、パウダーボックス4の内部に
設けられる仕切板5は、成形金型3の対称線上にあり、
その上端にパッキン16が、成形金型3がパウダーボッ
クス4の上に固着された場合に隙間を生じないように取
り付けられている。パウダーボックス4の左右壁の上端
にも隙間が生じないようにパッキン17、18が設けら
れている。第1収納部6および第2収納部7には、同種
同量の粉末材料が収納される。また、それぞれの内部に
第1型部1および第2型部2に通じる第1開閉機構8お
よび第2開閉機構9が設けられる。
【0019】第1開閉機構8は、第1収納部6と第1型
部1のあいだにあり、粉末材料の投入排出を制御する。
第2開閉機構9も同様であり、第1開閉機構8と第2開
閉機構9も左右対称に構成されることが好ましい。たと
えば、図1例の開閉機構8、9は、並設される鎧戸19
を一斉に回転させるルーバ方式のものであり、全開させ
やすく、また開口したばあいに各鎧戸19が粉末材料の
投入および排出のじゃまにならないという点から好まし
い。また、金型各部位へ均一に粉末材料が投入される点
でも好ましい。このほか、第1収納部6と第2収納部7
とで粉末材料の投入および排出の流れが異なることのな
いような構造を取りうるように構成できれば、観音開き
や、アコーディオンカーテン方式、スライド式など、従
来公知の開口機構を適宜利用することができる。
【0020】制御機構32は、例えば、第1開閉機構8
を閉じ、第2開閉機構9を開いて、パウダーボックス4
が固着された成形金型3を、矢印11方向に一回転させ
るように制御する。このとき、第2型部2には、矢印2
0方向に粉末材料が入り込み、D部からC部へと付着が
進む。次に、第2開閉機構9を閉じ、第1開閉機構8を
開いて、パウダーボックス4が固着された成形金型3
を、矢印12方向に一回転させる。このとき、第1型部
1には、矢印21方向に粉末材料が入り込み、B部から
A部へと付着が進む。したがって、A部とC部、および
B部とD部が同条件で形成され、厚さ等を等しくするこ
とができる。
【0021】つぎに、本発明のパウダースラッシュ成形
方法を、図2に基づいて説明する。本発明のパウダース
ラッシュ成形方法の全工程は、図2に示すように、成形
金型の温度をあげる予熱工程(9)、第1成形工程
(1)〜(3)、第2成形工程(4)〜(6)、スラッ
シュ成形品に対する加熱工程および冷却工程(7)、脱
型工程(8)の6工程からなっている。
【0022】金型の温度を上げる予熱工程(9)は、ス
ラッシュ成形品が取り除かれた成形金型3を温める工程
であり、成形金型3の内側に粉末材料を付着させて半溶
融状態にすることができる程度まで成形金型3の温度を
上げる。本発明では、図3に示されるように、各型部
1、2の凸部を外方に向けて突出させた山型を呈する金
型を用いているため、この予熱工程において、金型の外
表面全体に渡って熱風が当たり易く、金型全体の温度を
早く均一に上げることができる。各型部1、2の凸部を
内側に向けて対向させた谷型の金型のばあい、外側から
の熱風だけでは谷の深部の温度が上がりにくいばあいも
あるので、内側からも熱風を当てるようにすればよい。
予熱し易い金型の形状としては、要は軸対称に両型部
を、できるだけ半円周状に配置し接合することが重要で
ある。
【0023】図2において、第1成形工程(1)〜
(3)は、第2型部2に半溶融樹脂を溶着させる工程で
ある。第1成形工程(1)に示されるように、まず予熱
された成形金型3をパウダーボックス4の上に載せ、固
着手段10で両者を固着し、回転手段31に連結する。
第1成形工程(2)に示されるように、第1開閉機構8
を閉じ、第2開閉機構9を開く。第1成形工程(3)に
示されるように、パウダーボックス4が固着された成形
金型3を、反時計方向に一回転させる。すると、第1型
部2に対して、対称線から端に向かう矢印のような粉末
樹脂の出入りが生じ、第2型部2の内面に所定厚みの半
溶融状態の粉末材料層が形成される。
【0024】つぎの第2成形工程(4)〜(6)は、第
1型部1に半溶融樹脂を溶着させる工程である。第1成
形工程(4)に示されるように、第2開閉機構9を閉
じ、第1開閉機構8を開く。第2成形工程(5)に示さ
れるように、パウダーボックス4に固着された成形金型
3を、時計方向に一回転させる。すると、第1型部1に
対して、対称線から端に向かう矢印のような粉末樹脂の
出入りが生じ、第1型部1の内面に所定厚みの半溶融状
態の粉末材料層が形成される。
【0025】そののち、両型部1、2に半溶融樹脂を溶
着された成形金型3は、パウダーボックス4から外さ
れ、加熱冷却工程(7)、および脱型工程(8)に至
り、2個のスラッシュ完成品が成形金型3から取り外さ
れる。成形金型3は再び予熱のための予熱工程(9)に
回される。
【0026】ところで、第1成形工程(1)〜(3)で
第2型部2に半溶融樹脂層を形成したのち、第2成形工
程(4)〜(6)で第1型部1に半溶融樹脂層を形成す
るため、第1成形工程(1)〜(3)から遅れて第2成
形工程(4)〜(6)が行われることになる。したがっ
て、第2型部2に対する第1成形工程(1)〜(3)が
行われている間に、第1型部1の温度が若干下がる。こ
のような第1型部1と第2型部2の金型温度差に起因し
て、スラッシュ成形品の厚みが差が生じることがある。
このようなばあい、図3において、加熱炉37として、
左半分の第1加熱ゾーン38と右半分の第2加熱ゾーン
39との区分できるものを用いる。そして、第1加熱ゾ
ーン38から吹き出る熱風の温度を第2加熱ゾーン39
から吹き出る熱風の温度より高くし、第1型部1の金型
温度が第2型部2の金型温度より高くなるように予熱す
る。第1型部1の金型温度と第2型部2の金型温度の差
は、第2型部2の一回転後の第1型部1の温度降下を補
償する程度にする。すると、第1型部1と第2型部2の
成形時の金型温度は略同一になる。
【0027】また、金型を回転させながら熱風を当てて
予熱を行う方法もある。そのばあい、加熱炉内での温度
の高低を考慮に入れて、回転途中に適宜、停止位置と停
止時間の設定を行っている。この方法で、各型部1、2
に温度差を与えるには、相対応する停止位置で、停止時
間の設定を変えるようにすればよい。
【0028】さらに、図3に示される矢印40のように
熱風を当てたばあい、熱風の入ってくる側の型部1の方
が、出ていく側の型部2よりも若干高くなることを利用
して熱風の吹き出し向き、速度などを適宜調整し、適当
な温度差を各型部1、2に与えるようにすることができ
る。
【0029】なお、以上の実施形態の説明では、一度に
2個のスラッシュ成形品を得る場合を説明したが、左右
対称形となるように第1型部と第2型部を向かい合わせ
て接合したものの二つ以上を前後方向に連結して用いる
と、同時に4個、6個、8個・・の多数の偶数個のスラ
ッシュ成形品を同時に得ることが出来る。
【0030】次に、凹形の成形品を2つ成形するばあい
の装置を図4に基づいて説明する。図1〜図3に示され
る金型3は、図2の脱型工程(8)に示されるように、
表面側が凸形となっている凸成形品を2つ形成するもの
である。図4に示される金型43は、図4(b)に示さ
れるように、表面23側が凹形の凹成形品を2つ形成す
るものである。この金型43も、第1型部41と第2型
部42とを、それぞれの凸部が外方に突出するように略
円弧状に配置したものであり、パウダーボックス44に
固着するばあいには、下に凸となるように配設する。こ
の金型43は上下を逆転させれば、前述の金型3とほぼ
同じ形状であり、予熱工程では、図3に示される金型3
と同様な方法で予熱することができる。また、山型の外
側に粉末材料を付着させるために、山型を下向きにして
パウダーボックス44に固着させるのであるが、そのば
あいも、金型の大きさは必要最小限であるので、装置の
小型化を図ることができる。
【0031】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明のうち請
求項1記載の発明は、左右対称形となるように第1型部
と第2型部を向かい合わせて接合した成形金型の成形を
逆回転による第1成形工程と第2成形工程に分けたの
で、同形同大の第1型部と第2型部に、形状から見て相
対的に同方向となる方向から粉末材料を投入し、かつ余
剰の粉末材料を排除して、第1型部と第2型部の形状に
起因する製品厚みむらを無くして、第1成形品と第2成
形品の仕上がりを均一にすることができるという効果を
奏する。
【0032】請求項2記載の発明は、請求項1の効果に
加えて、それぞれの凸部が外方に突出するように略円弧
状に第1型部と第2型部を配設したものであり、装置の
小型化が図れる。
【0033】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明の効果に加えて、第2型部の型温度が第1型部
の型温度より高くなるように予熱することによって、第
1成形工程時の第1型部の金型温度と第2成形工程時の
第2金型温度との差を無くするので、粉末材料が均等に
付着して溶融し、第1成形品と第2成形品の仕上がりが
更に均一になるという効果を奏する。
【0034】請求項4記載の発明は、左右対称形となる
ように第1型部と第2型部を向かい合わせて接合した成
形金型の成形を逆回転によって第1型部の成形と第2型
部の成形とを分けれる機器構成にしたので、請求項1の
発明と同様に、同形同大の第1型部と第2型部に、形状
から見て相対的に同方向となる方向から粉末材料を投入
し、第1型部と第2型部の形状に起因する製品厚みむら
を無くして、かつ余剰の粉末材料を排除して、第1成形
品と第2成形品の仕上がりを均一にすることができると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパウダースラッシュ成形装置の一実施
例の概略図である。
【図2】図1の装置を用いたパウダースラッシュ成形方
法の概略図である。
【図3】予熱工程の概略説明図である。
【図4】本発明のパウダースラッシュ成形装置の他の実
施例の概略図である。
【図5】従来のパウダースラッシュ成形装置の説明図で
ある。
【符号の説明】
1 第1型部 2 第2型部 3 成形金型 4 パウダーボックス 6 第1収納部 7 第2収納部 8 第1開閉機構 9 第2開閉機構 10 固着手段 31 回転手段 32 制御機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 41/18 B29C 41/22 B29C 41/52

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右対称形となるように第1型部と第2
    型部を向かい合わせて接合したものの一つ以上を前後に
    有する成形金型を用いてスラッシュ成形品の2個以上を
    同時に成形するパウダースラッシュ成形方法であって、 前記第1型部に向けて開口することができる第1収納部
    および前記第2型部に向けて開口することができる第2
    収納部からなるパウダーボックスを用い、 該パウダーボックス上に予熱した前記成形金型を載置し
    て固着し、 前記第2収納部を閉じ前記第1収納部を開口した状態
    で、前記パウダーボックスが固着された成形金型を回転
    させて、前記第1型部に粉末材料を投入するとともに、
    余剰の粉末材料を排出して前記第1型部の内表面に半溶
    融の第1成形品を形成する第1成形工程、及び前記第1
    収納部を閉じ前記第2収納部を開口した状態で、前記成
    形金型を前記第1工程とは逆の方向に回転させ、前記第
    2型部に粉末材料を投入するとともに、余剰の粉末材料
    を排出して前記第2型部の内表面に半溶融の第2成形品
    を形成する第2成形工程を含んでなることを特徴とする
    パウダースラッシュ成形方法。
  2. 【請求項2】 前記第1型部と前記第2型部とをそれぞ
    れの凸部が外方に突出するように略円弧状に配設してな
    る請求項1記載のパウダースラッシュ成形方法。
  3. 【請求項3】 前記成形金型の予熱は、前記第1成形工
    程における前記第2型部の温度低下を補うように、前記
    第2型部の型温度が前記第1型部の型温度より高くなる
    ように行われる請求項1又は2記載のパウダースラッシ
    ュ成形方法。
  4. 【請求項4】 左右対称形となるように第1型部と第2
    型部を向かい合わせに接合してなるものの一つ以上を前
    後に有する成形金型と、 該成形金型の対称線上に設けられた仕切板によって区切
    られた第1収納部および第2収納部を有するパウダーボ
    ックスと、 該パウダーボックスの上に予熱した前記成形金型を載置
    して固着するとともに、当該パウダーボックスが固着さ
    れた成形金型を一方向およびその逆方向に回転させうる
    回転機構と、 前記第1型部と前記第1収納部のあいだに設けられる第
    1開閉機構と、 前記第2型部と前記第2収納部のあいだに設けられる第
    2開閉機構と、 前記成形金型を一方向に回転させているときは前記第2
    開閉機構を閉じて前記第1開閉機構を開かせ、その逆方
    向に回転させているときは前記第1開閉機構を閉じて前
    記第2開閉機構を開かせ、粉末材料が第1型部に入り込
    む方向と第2型部に入り込む方向とが相対的に同方向と
    なるように前記回転機構を制御する制御機構と、 を備えてなることを特徴とするパウダースラッシュ成形
    装置。
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