JPH1054722A - 角速度検出装置 - Google Patents

角速度検出装置

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JPH1054722A
JPH1054722A JP8212614A JP21261496A JPH1054722A JP H1054722 A JPH1054722 A JP H1054722A JP 8212614 A JP8212614 A JP 8212614A JP 21261496 A JP21261496 A JP 21261496A JP H1054722 A JPH1054722 A JP H1054722A
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piezoelectric crystal
electrode
potential
voltage
electrodes
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JP8212614A
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Nobuyoshi Sugitani
伸芳 杉谷
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Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01CMEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
    • G01C19/00Gyroscopes; Turn-sensitive devices using vibrating masses; Turn-sensitive devices without moving masses; Measuring angular rate using gyroscopic effects
    • G01C19/56Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces
    • G01C19/5607Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces using vibrating tuning forks

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度に角速度を検出できる角速度検出装置
を提供する。 【解決手段】本角速度検出装置は、圧電性結晶からなる
第1圧電性結晶部4p、第1圧電性結晶部4pに設けら
れた第1及び第2電極4m,4u、圧電性結晶からなり
第1圧電性結晶部4pに機械的に結合した第2圧電性結
晶部6p及び第2圧電性結晶部6pに設けられた別の電
極6a,6cを有する振動子102と、所定の周期で変
動する電位VAを第1電極4mに与える励振手段103
a、第2電極4uの電位を所定値に固定する電位一定化
手段2及び別の電極6a,6c間に発生する電位差に対
応した信号成分を有する交流電圧信号VKを検出する検
出手段103bを有する回路103とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コリオリの力を検
出することにより運動中の被検出体の角速度を検出する
角速度検出装置に関するものであり、特に、高精度に角
速度を検出する技術に関する。本発明の角速度検出装置
は、車両、航空機若しくは船舶等の移動体のナビゲーシ
ョンシステム若しくは姿勢制御又は撮像機器の手ブレ補
正等に適用され得る。
【0002】
【従来の技術】圧電振動子を備えた所謂圧電振動ジャイ
ロは、角速度検出装置の一種である。このような圧電振
動子に電圧を印加すると、圧電振動子は逆圧電効果に基
づいて変形し、印加電圧が所定の発振条件を満たす場合
には、圧電振動子は振動する。
【0003】圧電振動子を被検出体に固定し、この圧電
振動子を振動させながら被検出体を回転させると、圧電
振動子の振動速度及び被検出体の回転角速度に基づくコ
リオリの力が圧電振動子に働く。圧電振動子はコリオリ
の力によって歪むので、この歪み量を圧電振動子の圧電
効果に基づいて検出すれば、コリオリの力を検知するこ
とができる。圧電振動子の振動が一定の場合、コリオリ
の力は移動体の回転角速度に比例する。したがって、被
検出体の回転角速度は検知されたコリオリの力から検出
することができる。
【0004】このような圧電振動ジャイロは、特開平5
−118857号公報に記載されている。同公報には、
例えば金属からなる四角柱部材、この四角柱部材の四側
面を覆う薄膜圧電材、圧電材の一側面に貼りつけられた
一対の駆動用電極及び他の側面に貼り付けられた一対の
検出用電極を備えた振動子が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような振動子を振
動させるためには、駆動用電極の一方の電位を所定値か
ら別の値に変化させつつ、この電位をインバータに入力
して反転させ、反転させた電位を他方の電極に印加する
ことにより、振動子を発振させる方法が考えられる。
【0006】しかしながら、このようにインバータを用
いて発振回路を構成することで、双方の電極の電位を変
動させて振動子を発振させると、双方の電極の電位が変
動するので、振動子の振動の振幅が変動しやすい。振動
子の振動の振幅が変化すると、振動速度も変化するの
で、この変動に伴って、振動子の振動速度と被検出体の
角速度に依存して振動子に働くコリオリの力が、角速度
が一定であっても変化する。角速度検出装置は、コリオ
リの力による振動子の歪み量を検出することにより、そ
のコリオリの力の大きさを測定しているので、電極間に
このように電位を印加する角速度検出装置によって検出
される角速度の検出精度は十分とは言えない。
【0007】本発明は、このような課題に基づいてなさ
れたものであり、高精度の角速度検出が可能な角速度検
出装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
解決するための角速度検出装置を提供する。本装置は、
圧電性結晶からなる第1圧電性結晶部、第1圧電性結晶
部に設けられた第1及び第2電極、及び第1圧電性結晶
部に機械的に結合した検出用振動片を有する振動子と、
所定の周期で変動する電位を第1電極に与える励振手
段、第2電極の電位を所定値に固定する電位一定化手段
及び検出用振動片に発生する歪み量を検出する検出手段
を有する回路とを備える。
【0009】本装置は、移動体又は電子情報機器等の被
検出体に設けられ、被検出体の角速度を検出する。励振
手段は、第1電極に所定の周期で変動する電位を与え、
電位一定化手段は第2電極の電位を所定値に固定するの
で、第1及び第2電極間には所定の周期で変動する電位
差、すなわち、交流電圧が与えられる。第1及び第2電
極は、第1圧電性結晶部に設けられているので、第1圧
電性結晶部は逆圧電効果に基づいて所定方向に振動す
る。
【0010】第1圧電性結晶部が振動している状態で、
被検出体が所定の角速度で運動すると、第1圧電性結晶
部には、第1圧電性結晶部の振動速度及び被検出体の角
速度に依存したコリオリの力が働き、第1圧電性結晶部
は所定方向と異なる方向に振動する。検出用振動片は、
第1圧電性結晶部に機械的に結合しているので、第1圧
電性結晶部のコリオリの力による振動は検出用振動片に
伝達され、検出用振動片は前記所定方向と異なる振動成
分を有する振動を行う。
【0011】なお、第1圧電性結晶部と検出用振動片
は、同一部であってもよく、この場合は、第1圧電性結
晶部のコリオリの力による振動は検出用振動片に伝達さ
れるので、これらは機械的に結合しているものと規定す
る。
【0012】検出用振動片の振動は、第1圧電性結晶部
のコリオリの力に基づく振動等が検出用振動片に伝達さ
れることによって発生しているので、この検出用振動片
の振動による歪み量を検出することで、コリオリの力の
大きさが検知され、したがって、被検出体の角速度の大
きさを検出することができる。本装置によれば、第2電
極の電位は電位一定化手段によって所定値に固定されて
いるので、第1圧電性結晶部の振動が安定し、第1圧電
性結晶部に機械的に結合した検出用振動片の振動も安定
する。
【0013】また、本装置の電位一定化手段は、反転入
力端子、非反転入力端子及び出力端子を有するオペアン
プと、前記オペアンプの出力端子と反転入力端子との間
に接続され、所定の抵抗値を有する抵抗とを有し、第2
電極は前記オペアンプの入力端子の一方に電気的に接続
され、オペアンプの入力端子の他方の電位は所定値に固
定されることが好ましい。オペアンプの反転入力端子及
び非反転入力端子は、イマジナルショートの状態にあ
り、反転入力端子の電位は非反転入力端子の電位に等し
い。第2電極はオペアンプの入力端子の一方に電気的に
接続され、入力端子の他方の電位は所定値に固定されて
いるので、第2電極の電位は所定値に固定される。第2
電極から入力端子の一方へ流れ込む電流は、この抵抗を
介して出力端子に流れるので、この電流は抵抗により生
じた電圧降下によって電流電圧変換される。
【0014】さらに、検出用振動片は、圧電性結晶から
なる第2圧電性結晶部と、第2圧電性結晶部に設けられ
た前記第1及び第2電極とは別の複数の電極とを有し、
励振手段は、この励振手段がオペアンプの出力信号から
所定の周期で変動する電位を生成するようにオペアンプ
に電気的に接続され、検出手段は、別の電極間に発生す
る電位差に対応した信号成分を有する交流電圧信号を検
出するものであって、この検出手段がオペアンプの出力
信号に同期した信号で交流電圧信号を同期検波するよう
に励振手段に電気的に接続されることが好ましい。
【0015】第2圧電性結晶部が振動すると、圧電効果
に基づき、第2圧電性結晶部に設けられた電極間に電位
差が発生する。この電位差は、波形整形、増幅又は位相
変換等が行われることにより、この電位差に対応した信
号成分を有する交流電圧信号に変換される。なお、この
交流電圧信号は、上述の電位差そのものであってもよ
い。また、この電位差に基づいて流れる電流を電圧に変
換してた電圧も、この電位差に対応した信号成分と規定
する。
【0016】この場合、オペアンプは第2電極の電位を
所定値に固定しつつ、第1圧電性結晶部の振動に同期し
た信号を出力する。励振手段は、このオペアンプの出力
信号から所定の周期で変動する電位を第1電極に与え
る。したがって、励振手段、第1圧電性結晶部及びオペ
アンプは、ループを構成し、第2電極の電位が所定値に
固定された状態で、励振手段は第1圧電性結晶部の振動
に同期した電位を第1電極に与えることができ、第1圧
電性結晶部を安定させて振動させることができる。検出
手段は、オペアンプの出力信号に同期した信号で上記交
流電圧信号を同期検波する。
【0017】交流電圧信号及びオペアンプの出力信号に
同期した信号は、励振手段から出力され、所定の周期で
変動する電位に起因して発生しているので、それぞれの
信号の周期は略一致する。したがって、この交流電圧信
号は、オペアンプの出力信号に同期した信号で同期検波
される。この交流電圧信号は、第1圧電性結晶部に働い
たコリオリの力に起因して発生しているので、同期検波
された信号の直流成分の大きさは、コリオリの力の大き
さに依存する。したがって、例えば、積分回路を用いて
同期検波された信号を平滑化すれば、被検出体の角速度
を検出することができる。この装置によれば、1つのオ
ペアンプの出力信号を利用して、励振手段が第1圧電性
結晶部を振動させるとともに、検出手段が上記交流電圧
信号を同期検波することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る角速度検出装
置の一形態について、添付の図面を参照して説明する。
なお、以下の説明において、同一要素には同一符号を用
いるものとし、重複する説明は省略する。
【0019】図1は、実施の形態に係る角速度検出装置
を示す。本装置は、支持台101の表面に一端で固定さ
れた振動子102及び支持台101の裏面に取付けられ
た処理回路103を備える。なお、以下の説明におい
て、支持台101の裏面から表面に向かう方向を「上」
方向と規定し、これと逆向きの方向を「下」方向と規定
する。
【0020】支持台101は、主表面S1及び主表面S
1に平行であってこの主表面S1から上方に所定距離離
隔した設置表面S2を有し、主表面S1と設置表面S2
とはその境界で段差を形成する。
【0021】振動子102はその一端に固定部1を有
し、固定部1は支持台101の設置表面S2に接着剤等
で固定されている。振動子102は、この固定部1、支
持台101と所定の間隔を保持しつつ設置表面S2から
主表面S1へ向かう方向へ固定部1から延びる支持棒
2、支持棒2によって支持された基体3、基体3から固
定部1に対して離れる方向に延びた一対の励振用振動片
4,5及び基体3から固定部1に近付く方向に延びた一
対の検出用振動片6,7からなる。
【0022】また、固定部1、支持棒2、基体3及び振
動片4〜7は、一体の圧電性結晶部材及びこの圧電性結
晶部材に取付けられた複数の電極から構成される。本実
施の形態に係る圧電性結晶部材の材料は水晶である。
【0023】なお、天然の水晶は、一般に柱状結晶であ
り、この柱状結晶の縦方向の中心軸はZ軸又は光軸と規
定され、Z軸を通り、柱状結晶の各表面に垂直に交わる
線はY軸又は機械軸と規定される。また、Z軸を通り、
この柱状結晶の縦方向の稜線と直交する線はX軸又は電
気軸と規定される。本振動子102に用いられる水晶
は、人工水晶であるが、その構造は天然の水晶と同じで
あるので、説明において、それぞれの軸の方向は上記規
定に従う。すなわち、振動子102の厚み方向をZ軸と
規定し、このZ軸に直交し、互いに垂直な軸をそれぞれ
X軸及びY軸と規定する。
【0024】以下、この規定に基づき、振動子102に
ついてさらに詳細に説明する。
【0025】固定部1は、設置台101の設置表面S2
に固定される下面を有する。下面は、その長手方向がX
軸に沿っており、X軸及びY軸によって各辺が規定され
る長方形形状を有している。下面に対向する上面も下面
と略同一形状である。なお、上面と下面との間に位置す
る固定部1の外表面を固定部1の側面と規定する。支持
棒2の一端は、固定部1の一側面に連続し、固定部1か
らY軸に沿って延びている。基体3は支持棒2の他端に
連続し、X軸に沿って延びている。
【0026】図2は、図1に示した振動子102をA−
A線矢印の方向から見た振動子102の断面図である。
【0027】第1励振用振動片4は、基体3の一端から
Y軸に沿って固定部1から離れる方向に延びており、図
1及び図2に示すように、圧電性結晶部4pと、圧電性
結晶部4pの各側面に固定された上面電極4u、下面電
極4s、右面電極4m及び左面電極4hとから構成され
る。
【0028】圧電性結晶部4pのY軸に垂直な断面は、
四辺によって規定される概略長方形である。なお、説明
において、概略長方形とは、数学上に規定される厳密な
長方形を意味せず、圧電性結晶部4p製造時のエッチン
グに起因して正確な長方形が形成できない場合、例え
ば、四辺のうちの一辺が屈曲して五角形になったものも
概略四角形と規定する。圧電性結晶部4pは、これらの
四辺をそれぞれ含み、Y軸に平行な四側面を有する。こ
れらの圧電性結晶部4pの側面のうち、下面は支持台1
01の主表面S1に空間を介して対向し、上面は圧電性
結晶部4pの下面に対向する。また、圧電性結晶部4p
の残りの二側面は上面及び下面に垂直であり互いに対向
している。これらの二側面のうち、振動片4の先端方向
から見たときに右側に位置するものを右側面、左側に位
置するものを左側面と規定する。
【0029】上面電極4uは、圧電性結晶部4pの上面
のみに形成され、基体3とこの振動片4との境界近傍か
ら振動片4の先端方向に延びている。下面電極4sは、
圧電性結晶部4pの下面のみに形成され、基体3とこの
振動片4との境界近傍から振動片4の先端方向に延びて
いる。右面電極4mは、圧電性結晶部4pの右側面の一
部を覆っている。
【0030】右面電極4mは、上面電極4uと一定の間
隔を保持しつつ、この上面電極4uの長手方向に沿っ
て、基体3と振動片4との境界近傍から振動片4の先端
方向に延びており、上面電極4uと物理的に分離してい
る。左面電極4hは、圧電性結晶部4pの左側面の一部
を覆っている。
【0031】左面電極4hも、上面電極4uと一定の間
隔を保持しつつ、この上面電極4uの長手方向に沿っ
て、基体3と振動片4との境界近傍から振動片4の先端
方向に延びており、上面電極4uと物理的に分離してい
る。また、左右側面の電極4h,4mは、それぞれ、下
面電極4sとも一定の間隔を保持し、物理的に分離して
いる。
【0032】これらの電極4u,4s,4m,4hは、
圧電性結晶部4pの全表面を覆う電極を形成した後、各
電極間の領域の電極を除去するのみで、これらの電極を
物理的に分離することができる。すなわち、これらの電
極は、フォトリソグラフィ技術のエッチング工程を用い
ることにより分離できる。なお、左右側面の電極4h及
び4mのそれぞれは、上下面電極4u,4sとの間に電
圧を印加することにより、圧電性結晶部4pの中心を通
るYZ平面に対して垂直であって互いに逆向きの方向の
電界成分を圧電性結晶部4p内に発生させるように配置
されている。
【0033】第2励振用振動片5は、基体3の一端から
Y軸に沿って固定部1から離れる方向に延びており、図
1及び図2に示すように、圧電性結晶部5pと、圧電性
結晶部5pの各側面に固定された上面電極5u、下面電
極5s、右面電極5m及び左面電極5hとから構成され
る。支持棒2の中心線CLを含むYZ面と第2励振用振
動片5との間の最短距離は、この面と第1励振用振動片
4との間の最短距離に等しい。すなわち、励振用振動片
4及び5は、支持棒2に対して対称な位置に配置されて
いる。
【0034】なお、第2励振用振動片5は、第1励振用
振動片4と同一の構造を有するので、その構造の詳細に
ついては説明を省略する。
【0035】次に、検出用振動片6及び7について説明
する。
【0036】図3は、図1に示した振動子102をB−
B線矢印の方向から見た振動子102の断面図である。
【0037】第1検出用振動片6は、基体3の一端から
Y軸に沿って固定部1に近付く方向に延びており、図1
及び図3に示すように、圧電性結晶部6pと、圧電性結
晶部6pの各角部を覆う右上電極6a、右下電極6b、
左上電極6c及び左下電極6dとから構成される。第1
検出用振動片6の長手方向は、第1励振用振動片4の長
手方向に一致しており、また、これらの振動片6及び4
は、少なくともZ軸方向の振動が伝わるようにその形状
および重量等が調整されている。
【0038】圧電性結晶部6pのY軸に垂直な断面は、
四辺によって規定される概略長方形である。圧電性結晶
部6pは、これらの四辺をそれぞれ含み、Y軸に平行な
四側面を有し、圧電性結晶部6pの4つの角部は、それ
ぞれの四側面が交差することによって規定される。これ
らの圧電性結晶部6pの側面のうち、下面は支持台10
1の主表面S1に空間を介して対向し、上面は圧電性結
晶部6pの下面に対向する。また、圧電性結晶部6pの
残りの二側面は上面及び下面に垂直であり互いに対向し
ている。これらの二側面のうち、振動片4の先端方向か
ら見たときに右側に位置するものを右側面、左側に位置
するものを左側面と規定する。
【0039】右上電極6aは、圧電性結晶部6pの上面
と右側面とが交差することにより規定される角部のみを
覆っており、右下電極6bは、圧電性結晶部6pの下面
と右側面とが交差することにより規定される角部のみを
覆っている。また、左上電極6cは、圧電性結晶部6p
の上面と左側面とが交差することにより規定される角部
のみを覆っており、左下電極6dは、圧電性結晶部6p
の下面と左側面とが交差することにより規定される角部
のみを覆っている。それぞれの電極6a〜6dは、互い
に所定の間隔を保持しながら、基体3とこの振動片6と
の境界近傍から振動片6の先端方向に延びており、互い
に物理的に分離している。
【0040】図4は、図1に示した振動片6をC−C線
矢印の方向から見た振動片6の断面図である。
【0041】振動片6の質量が変化すると、振動片の固
有振動数は変化する。振動片6の先端側の電極の質量及
び形状変化は、根元側のそれよりも振動片6の固有振動
数に対する影響が大きい。また、先端側に働く応力は根
元側のそれよりも小さいので、振動片6の先端側の電極
の質量及び形状変化は、検出感度への影響が根元側に較
べて小さい。したがって、固有振動数調整のため、図1
及び図4に示すように、振動片6の重心位置よりも先端
側の右上電極6a及び左上電極6cは、その一部分がト
リミングにより除去された領域TRを有する。換言すれ
ば、振動片6の先端の右上電極6aと左上電極6cとの
間の間隔は、振動片6の根元側の間隔よりも広い。な
お、このような電極の除去は、レーザ加工機を用いて行
うことができる。
【0042】第2検出用振動片7は、基体3の一端から
Y軸に沿って固定部1に近付く方向に延びており、図1
及び図3に示すように、圧電性結晶部7pと、圧電性結
晶部7pの各角部を覆う右上電極7a、右下電極7b、
左上電極7c及び左下電極7dとから構成される。支持
棒2の中心線CLを含むYZ面と第2検出用振動片7と
の間の最短距離は、この面と第1検出用振動片6との間
の最短距離に等しい。すなわち、これらの検出用振動片
6及び7は、励振用振動片4及び5と同様に、支持棒2
に対して対称な位置に配置されている。
【0043】なお、第2検出用振動片7は、この振動片
7の先端側の電極が第1検出用振動片6のように除去さ
れていない。この点を除いて、第2検出用振動片7は、
第1検出用振動片6と同一の構造を有するので、その構
造の詳細については説明を省略する。また、各振動片4
〜7が安定して振動するように、振動子102は、内部
の圧力が大気圧よりも低く設定された密閉容器内に配置
されることが望ましい。
【0044】次に、振動子102の励振及び角速度の検
出ついて説明する。
【0045】まず、各電極の接続関係について説明す
る。図5は、各振動片4〜7の電極4u,4s,4m,
4h,5u,5s,5m,5h,6a〜6d,7a〜7
dの接続関係及びこれらの電極に電気的に接続された処
理回路103を示す。
【0046】励振用振動片4の上下面電極4u,4s及
び励振用振動片5の左右面電極5h,5mは、配線W1
を介して端子T1に電気的に接続されている。また、励
振用振動片4の左右面電極4h,4m及び励振用振動片
5の上下面電極5u,5sは、配線W2を介して端子T
2に電気的に接続されている。
【0047】さらに、検出用振動片6の右上電極6a,
左下電極6d及び検出用振動片7の右下電極7b,左上
電極7cは、配線W3を介して端子T3に接続されてい
る。検出用振動片6の右下電極6b,左上電極6c及び
検出用振動片7の右上電極7a,左下電極7dは、配線
W4を介して端子T4に接続されている。なお、これら
の配線W1〜W4は、フォトリソグラフィ技術を用い、
図1に示した振動子102の支持棒2上の領域を通って
固定部1に至るように形成することが望ましい。
【0048】次に、励振用振動片4及び5の励振につい
て説明する。なお、図6は、処理回路103の各節点に
おける電圧波形を示すタイミングチャートである。図6
の(a)〜(r)は、それぞれ、図5の節点A〜Rの電
圧波形を示す。以下、図6を適宜参照しながら説明す
る。
【0049】処理回路(回路)103は、端子T2に周
期的に変動する電位を与える励振駆動回路(励振手段)
103a、端子T1からの電流信号を電圧信号に変換す
る電流電圧変換回路(電位一定化手段)2x、端子T
3,T4からの電流信号をそれぞれ電圧信号に変換する
チャージアンプ10x,11x、これらのチャージアン
プ10x,11xから出力された電圧信号の差分を出力
する差動増幅回路12x及び差動増幅回路12xから出
力された電圧信号を検出する検出回路(検出手段)10
3bからなる。
【0050】励振駆動回路103aは、比較器1x、反
転増幅回路3x,4x、コンデンサC31、比較器5
x、反転増幅回路6x、インバータ7x、反転増幅回路
8x及び積分回路9xから構成される。
【0051】比較器1xは、反転入力端子及び非反転入
力端子を有するオペアンプから構成され、非反転入力端
子は、所定の電圧レベル2.5Vに固定されている。比
較器1xは、この電圧レベルよりも低い電圧信号が入力
されたときにはハイレベルの電圧信号を出力し、所定の
電圧レベルよりも高い電圧信号が入力されたときにはロ
ーレベルの電圧信号を出力する。
【0052】比較器1xの反転入力端子には、図6
(e)に示す2.5Vを振幅中心とする正弦波電圧VE
が入力されるので、比較器1xからは、この正弦波電圧
Eに同期した方形波電圧VAが出力される。図6(a)
は、方形波電圧VAの波形を示す。すなわち、比較器1
xは、入力された交流電圧に同期した所定の周期で変動
する電位を端子T2に印加する。したがって、励振用振
動片4の左右面電極4h,4m及び励振用振動片5の上
下面電極5u,5sには、所定の繰り返し周期で変動す
る電位が与えられる。なお、方形波電圧VAの波高値は
Hである。この方形波電圧VAの波高値AHは、素子5
x〜9xによって構成される振幅一定回路によって一定
となるように帰還制御される。ここで、波高値AHは、
2.5V以上に設定される。
【0053】電流電圧変換回路2xは、反転入力端子2
1、非反転入力端子22及び節点Bで示される出力端子
を有するオペアンプA2と、反転入力端子21と出力端
子Bとの間に接続された帰還抵抗R2と、抵抗R2に並
列接続されたコンデンサC2とから構成される。オペア
ンプA2の反転入力端子21は端子T1に接続されてお
り、非反転入力端子22の電位は2.5Vに固定されて
いる。反転入力端子21と非反転入力端子22とは、イ
マジナルショートの状態にあり、したがって、反転入力
端子21の電位は非反転入力端子22の電位に等しい。
非反転入力端子22の電位は2.5Vに固定されている
ので、反転入力端子21の電位は2.5Vである。
【0054】励振用振動片4の上下面電極4u,4s及
び励振用振動片5の左右面電極5h,5mは、端子T1
を介してオペアンプ2の反転入力端子21に接続されて
いる。したがって、これらの電極群4u,4s,5h,
5mの電位は2.5Vに固定される。一方、励振用振動
片4及び5の電極群4h,4m,5u,5sには、端子
T2を介して比較器1xから方形波電圧VA、すなわ
ち、2.5Vに対して上下に変動する電位が与えられて
いる。よって、電極群4u,4s,5h,5mと電極群
4h,4m,5u,5sとの間には、方形波電圧VA
2.5Vとの間の電圧、すなわち、2.5Vに対して電
位が上下に変動する方形波電圧VAが印加される。換言
すれば、励振手段103aは、所定の周期で変動する電
位を電極群4h,4m,5u,5sに与え、電位一定化
手段2xは、電極群4u,4s,5h,5mの電位を所
定値に固定する。
【0055】電極群4u,4s,5h,5mと電極群4
h,4m,5u,5sとの間に方形波電圧VAが印加さ
れると、逆圧電効果により励振用振動片4及び5は、図
1の矢印V1及びV2に示すように、X軸に沿って互い
に逆方向に屈曲する。屈曲に伴って励振用振動片4及び
5の側面中心領域に誘起された電荷Q1は、電流電圧変
換回路2xによって電圧信号に変換される。すなわち、
電極4u,4s,5m,5hから反転入力端子21へ流
れ込む電流は、この抵抗R2を介して出力端子Bに流れ
るので、この電流は抵抗R2及びコンデンサC2により
生じた電圧降下によって電流電圧変換される。
【0056】時刻tにおける電荷をQ1(t)とする
と、電流電圧変換回路2xから出力される電圧VBは以
下の式で与えらる。なお、交流電圧VBの波形を図6
(b)に示す。
【0057】
【数1】 但し、jは虚数単位、ωは角周波数、R2は抵抗R2の
抵抗値、C2はコンデンサC2の容量である。ここで、
容量C2=0であれば、VBの位相はQ1(t)に対して
90°遅れ、振幅は抵抗値R2に比例する。なお、電流
電圧変換回路2xを構成する配線間には1pF以上の浮
遊容量がある。
【0058】本実施の態様に係る電流電圧変換回路2x
では、この浮遊容量を無視し、容量C2=10pFとす
る。また、励振用振動片4及び5のX軸方向の固有振動
数を8500Hzとし、比較器1xから出力される方形
波電圧VAの繰り返し周波数はこれに一致するものとす
る。
【0059】図7は、抵抗値R2と電圧VBの位相との
関係を示すグラフである。図7から明らかなように、抵
抗値R2が10kΩ以下のとき、位相は略90°(少な
くとも89°以上)となる。
【0060】電流電圧変換回路2xから出力された電圧
信号は、反転増幅回路3xに入力される。反転増幅回路
3xは、反転入力端子、非反転入力端子及び節点Cで示
される出力端子を有するオペアンプA3と、反転入力端
子と節点Bとの間に接続された抵抗R31と、反転入力
端子と出力端子Cとの間に接続された抵抗R32と、抵
抗R32に並列接続されたコンデンサC3とから構成さ
れる。なお、オペアンプA3の非反転入力端子の電位は
2.5Vに固定されている。電流電圧変換回路2xから
は90°位相の遅れた正弦波電圧VBが出力されている
ので、反転増幅回路3xにこの電圧VBが入力される
と、反転増幅回路3xからは電圧VBに対して位相が反
転した正弦波電圧VCが出力される。なお、交流電圧VC
の波形を図6(c)に示す。
【0061】反転増幅回路3xの出力電圧Vcは、コン
デンサC31を介して節点Dに入力される。コンデンサ
C31は、交流電圧Vcのオフセット成分を除去する。
節点Dにおける交流電圧VDの波形を図6(d)に示
す。なお、交流電圧VDの振幅はVCの振幅と同一であ
る。処理回路103を構成する各オペアンプには図示し
ないスイッチを介して図示しない5V電源から電圧が供
給されている。このスイッチを投入すると処理回路10
3は動作するが、スイッチの投入時の過渡現象により上
記オフセット成分が増大し、比較器1xの出力がハイレ
ベル又はローレベルに固定される。本処理回路103で
は、コンデンサC31が、このオフセット成分を除去す
るので、このような出力固定現象を防止することができ
る。
【0062】節点Dには、比較器5x、反転増幅回路6
x、インバータ7x、反転増幅回路8x及び積分回路9
xから構成される振幅一定回路と、反転増幅回路4xと
が接続されている。比較器5xは、節点Dに接続された
非反転入力端子及び2.5Vに電位が固定された反転入
力端子を有するオペアンプA5を含む。比較器5xは、
2.5Vよりも高い電圧信号が入力されたときにはハイ
レベルの電圧信号を出力し、2.5Vよりも低い電圧信
号が入力されたときにはローレベルの電圧信号を出力す
る。比較器5xの出力端子にはインバータ7xを介して
スイッチS1が接続されている。スイッチS1はハイレ
ベルの電圧信号が入力されたときに導通し、ローレベル
の電圧信号が入力されたとき切断される。このようなス
イッチS1は、例えば、そのゲートに印加される電圧に
よって導通/切断制御を行う電界効果トランジスタを用
いる。節点Dから出力された正弦波電圧が2.5Vより
も低いとき、比較器5xはローレベルの電圧信号を出力
するので、インバータ7xからはハイレベルの電圧信号
が出力される。スイッチS1にハイレベルの電圧信号が
入力されると、このスイッチS1は導通し、節点Dの電
圧信号VDがそのままスイッチS1を通過する。
【0063】反転増幅回路6xは、抵抗R61と、抵抗
R61を介して節点Dに接続された反転入力端子及び電
位が2.5Vに固定された非反転入力端子を有するオペ
アンプA6と、オペアンプA6の反転入力端子と出力端
子との間に接続された抵抗R62を有する。節点Dから
反転増幅回路6xに正弦波電圧VDが入力されると、反
転増幅回路6xはその位相を反転させて出力する。反転
増幅回路6xの出力端子にはスイッチS1と同一構造の
スイッチS2が接続されている。節点Dから出力された
正弦波電圧が2.5Vよりも高いとき、比較器5xはハ
イレベルの電圧信号を出力するので、インバータ7xか
らはローレベルの電圧信号が出力され、スイッチS1は
切断される。このとき、スイッチS2には、ハイレベル
の電圧信号が入力されるので、スイッチS2は導通し、
電圧信号VDの位相が反転した電圧信号がスイッチS2
を通過する。したがって、スイッチS1,S2を通過し
た電圧信号は、それぞれ、抵抗R81,R82を通過し
て節点Fで合成され、正弦波電圧VDは全波整流され
る。
【0064】節点Fには、反転増幅回路8xが接続され
ている。反転増幅回路8xは、節点Fに接続された反転
入力端子及び電位が2.5Vに固定された非反転入力端
子を有するオペアンプA8と、オペアンプA8の反転入
力端子と節点Gで示される出力端子間に接続された抵抗
R83とを備える。節点Fの電位はイマジナリショート
により2.5Vであり、この電圧VFの波形を図6
(f)に示す。反転増幅回路8xは、入力された電圧信
号の位相を反転させて出力する。したがって、節点Gか
らは、全波整流された正弦波電圧VDの位相が反転した
電圧信号VGが出力される。この電圧VGの波形を図6
(g)に示す。
【0065】節点Gには、積分回路9xが接続されてい
る。積分回路9xは、節点Gに接続された抵抗R91
と、節点Gに抵抗R91を介して接続された反転入力端
子及び抵抗R93を介してグランド及び5V電源に接続
された非反転入力端子を有するオペアンプA9と、オペ
アンプA9の反転入力端子と節点Hで示される出力端子
との間に接続された抵抗R92と、抵抗R92に並列に
接続されたコンデンサC9とを備える。オペアンプA9
の非反転入力端子の電位V1は、2.5Vよりも高く設
定される。電圧VGの交流成分の実効値Vgが、この電位
1よりも大きいとき、すなわち、励振用振動片4及び
5の振動の振幅が大きくなった場合、積分回路9xはV
1とVgとの差分に比例した電圧分だけV1よりも小さな
電圧信号VHを出力する。このとき、比較的小さな抵抗
値を有するプルアップ抵抗R1を介して、節点Hに接続
された比較器1xの出力端子Aの電位VAの波高値AH
低くなる。なお、プルアップ抵抗R1は、発振条件に影
響を与えないので、その抵抗値を低くすることにより、
振幅の大きな電圧VAを振動片4及び5に印加すること
ができる。
【0066】比較器1xの反転入力端子は反転増幅回路
4xの出力端子に接続されている。反転増幅回路4x
は、抵抗R41と、節点Dから抵抗R41を介して正弦
波電圧VDが入力される反転入力端子及び電位が2.5
Vが固定された非反転入力端子を有するオペアンプA4
と、オペアンプA4の出力端子と反転入力端子との間に
接続された抵抗R42及びコンデンサC4を備える。節
点Dから反転増幅回路4xに正弦波電圧VDが入力され
ると、反転増幅回路4xは電圧VDの位相が反転した正
弦波電圧VEを出力する。上述のように、比較器1x
は、この正弦波電圧VEに同期した方形波電圧VAを出力
する。
【0067】励振用振動片4及び5の振動の振幅は、波
高値AHに略比例する。励振用振動片4及び5の振動の
振幅が大きくなった場合、比較器1xの出力端子Aから
の出力電圧の波高値AHは低くなる。したがって、振動
片4及び5の振動の振幅が大きくなった場合、振動片4
及び5は、その振幅が小さくなるように帰還制御され
る。同様に、励振用振動片4及び5の振動の振幅が小さ
くなった場合、比較器1xの出力端子Aの波高値AH
高くなり、振動片4及び5は、その振幅が大きくなるよ
うに帰還制御される。
【0068】以上のように、電流電圧変換回路2x及び
励振駆動回路103aから構成される回路により、励振
用振動片4及び5は安定して振動する。なお、方形波電
圧VAは、実際の励振を代表する電荷から生成されてい
るので、圧電性結晶部4p及び5pが温度等によって変
化しても、方形波電圧VAはこの変化に追従することが
できる。なお、電圧VAの波形は、正弦波であってもよ
いが、方形波であれば振動片4及び5を1次の振動モー
ドで振動させることができる。すなわち、処理回路10
3の電源を投入すると、電圧VAのノイズ成分から振動
が立ち上がる。この時、高い周波数ではインピダンスが
低いので、振動片4及び5は高い周波数で発振しやす
く、したがって、振動片4及び5は高次振動モードで発
振しやすい。VAが方形波電圧でない場合、高次振動モ
ードで振動片4及び5が発振し、振動片4及び5の振動
がQ値の高い1次振動モードによって振動しやすいにも
拘らず、高次モードで発振する可能性がある。方形波を
フーリエ級数展開すると、基本波に複数の高調波が重畳
されたものであることがわかる。したがって、振動片4
及び5は、方形波電圧の高次高調波成分に誘発されて振
動を始めるが、その振動モードは、基本波成分と高次高
調波との間の高調波成分に対応する振動モードを介して
最も振動しやすい1次モードに移行することができる。
【0069】次に、角速度の検出について説明する。励
振用振動片対4及び5が速度VでX軸方向に沿って振動
している状態で、図1の矢印Ωで示す方向に振動子10
2が回転させられると、励振用振動片4及び5には、Z
軸方向に沿ってV×Ωに比例したコリオリの力が働き、
励振用振動片4及び5は、それぞれZ軸に沿った方向に
も振動する。
【0070】一方、検出用振動片6及び7は、それぞれ
励振用振動片4及び5にZ軸方向の振動が伝わる程度に
機械的に結合しているので、励振用振動片4及び5のZ
軸方向の振動に伴って検出用振動片6及び7がZ軸に沿
って振動する。なお、図1の矢印V3及びV4で示すよ
うに、検出用振動片6及び7は、互いに逆位相、すなわ
ち、振動中の任意の時間における各振動片6及び7のZ
軸方向の速度ベクトルが互いに逆向きになるように振動
する。
【0071】検出用振動片6及び7が、コリオリの力に
起因してZ軸方向に屈曲して振動すると、圧電効果によ
り、図5に示す検出用振動片6,7の圧電性結晶部6
p,7pの全ての角部に電荷が発生する。これらの電荷
は、角部を覆う電極6a〜6d及び7a〜7dによって
効率的に検知される。
【0072】前述のように、検出用振動片6及び7の電
極群6a,6d,7b,7c及び電極群6b,6c,7
a,7dは、それぞれ、端子T3及びT4を介してチャ
ージアンプ10x及び11xに接続されている。
【0073】チャージアンプ10xは、端子T3に接続
された反転入力端子及び電位が2.5Vに固定された非
反転入力端子を有するオペアンプA10と、反転入力端
子と節点Iで示される出力端子との間に接続された抵抗
R10と、抵抗R10に並列接続されたコンデンサC1
0とから構成される。オペアンプA10の反転入力端子
は端子T3に接続されており、非反転入力端子の電位は
2.5Vに固定されている。
【0074】チャージアンプ11xの構造はチャージア
ンプ10xの構造と同一である。チャージアンプ11x
は、端子T4に接続された反転入力端子及び電位が2.
5Vに固定された非反転入力端子を有するオペアンプA
11と、反転入力端子と節点Jで示される出力端子との
間に接続された抵抗R11と、抵抗R11に並列接続さ
れたコンデンサC11とから構成される。オペアンプA
11の反転入力端子は端子T4に接続されており、非反
転入力端子の電位は2.5Vに固定されている。
【0075】検出用振動片6,7がコリオリの力に起因
してZ軸方向に振動することにより、その圧電性結晶部
6p,7pの角部に発生した電荷Q2は、これらのチャ
ージアンプ10x及び11xによって電圧信号に変換さ
れる。
【0076】時刻tにおける電荷をQ2(t)とする
と、チャージアンプ10xから出力される電圧VIは以下
の式で与えらる。なお、交流電圧VIの波形を図6
(i)に示す。
【0077】
【数2】 但し、R10は抵抗R10の抵抗値、C10はコンデン
サC10の容量である。ここで、抵抗値R10=無限大
であれば、式2は以下の式で与えられる。
【0078】
【数3】 すなわち、抵抗値R10=無限大であれば、電圧VI
位相はQ2(t)と一致する。なお、チャージアンプ1
0xが構成される基板の絶縁抵抗は、非常に大きいが、
この絶縁抵抗は温度等により変動する。この変動の影響
を小さくするためには、R10の値は小さくする必要が
あるが、抵抗値が零の場合はオペアンプA10の入力端
子の電位が不安定となる。したがって、抵抗値R10
は、可能な限り高い方がよく、30MΩ程度が適当であ
る。したがって、本実施の態様に係るチャージアンプ1
0xでは、例えば、抵抗値R10=30MΩとする。ま
た、検出用振動片6及び7のZ軸方向の固有振動数を8
500Hzとする。本実施例では、X軸方向の固有振動
数とZ軸方向の固有振動数を一致させているが、これは
異ならせてもよい。なお、チャージアンプ10x及び1
1xの抵抗及びコンデンサR10,C10,R11,C
11は、ローパスフィスタとしても機能するので、これ
らのアンプ10x及び11xに入力される信号の高周波
ノイズ成分を除去することができる。
【0079】図8は、容量C10と電圧VIの位相との
関係を示すグラフである。図8から明らかなように、容
量C10が70pF以上のとき、位相は略0°(少なく
とも0.5°以下)となる。なお、チャージアンプ10
xから出力される交流電圧VIの振幅中心は、抵抗値R
10が高いため、2.5Vよりも低くなる。また、チャ
ージアンプ11xの構造はチャージアンプ10xの構造
と同一であるので、VIの位相のみが反転した電圧信号
Jが出力される。交流電圧VJの波形を図6(j)に示
す。
【0080】コリオリの力の大きさは、励振用振動片4
及び5の振動の速度に略比例する。励振用振動片4及び
5の中立位置において、その振動の速度は最大となる。
したがって、励振用振動片4及び5の振動の速度が最大
となるときに、検出用振動片6及び7には最も大きなコ
リオリの力による振動が伝達され、検出用振動片6及び
7の振動の振幅は最大となる。すなわち、励振用振動片
4及び5が中立位置にあるとき、検出用振動片6及び7
はその中立位置から最も変位する。換言すれば、励振用
振動片4及び5において発生する電荷Q1(t)の位相
は、コリオリの力に基づいて検出用振動片6及び7に発
生する電荷Q2(t)の位相と90°ずれている。一
方、励振側の電流電圧変換回路2xでは電荷Q1に対し
て90°の位相変換を行い、検出側のチャージアンプ1
0xでは電荷Q2に対して位相変換を行わないので、こ
れらから出力された電圧VB及びVIの位相差は180°
である。また、電圧VBは、反転増幅回路3xによって
その位相が反転させられているので、反転増幅回路3x
の出力電圧VCの位相は、チャージアンプ10xの出力
電圧VIの位相に一致する。なお、検出用振動片6及び
7は、X軸方向の振動成分を含むが、各電極6a〜6
d,7a〜7dは、X軸方向の振動によって発生した電
荷の極性が逆になるように端子T3及びT4に接続され
ているので、X軸方向の振動成分は相殺される。
【0081】チャージアンプ10x及び11xの出力端
子には、抵抗R120及びR121を介して差動増幅回
路12xが接続されている。差動増幅回路12xは、抵
抗R120に接続された非反転入力端子及び抵抗R12
1に接続された反転入力端子を有するオペアンプA12
と、オペアンプA12の反転入力端子と出力端子間に接
続された抵抗R12とを備える。なお、非反転入力端子
は抵抗R122を介して2.5Vの電源に接続されてい
る。差動増幅回路12xは、入力された電圧信号VI
びVJの差分を出力する。電圧信号VIとVJとは、位相
が反転しているので、差動増幅回路12xからは電圧信
号VIと位相が等しく振幅が増幅された交流電圧信号VK
が出力される。電圧信号VI及びVJは共に正弦波電圧信
号であるので、電圧VKの波形も正弦波である。電圧VK
の波形を図6(k)に示す。
【0082】差動増幅回路12xの出力端子には比較器
13x、インバータI13、反転増幅回路14x、スイ
ッチS3,S4及び抵抗R151,R152から構成さ
れる同期検波回路が接続されている。反転増幅回路14
xは、抵抗R141と、抵抗R141を介して節点Kに
接続された反転入力端子及び電位が2.5Vに固定され
た非反転入力端子を有するオペアンプA14と、オペア
ンプA14の反転入力端子と出力端子との間に接続され
た抵抗R142を有する。
【0083】節点Kから反転増幅回路14xに正弦波電
圧VKが入力されると、反転増幅回路14xはその位相
を反転させて出力する。反転増幅回路14xから出力さ
れる電圧VLの波形を図6(l)に示す。
【0084】反転増幅回路14xの出力端子にはスイッ
チS1と同一構造のスイッチS4が接続されている。な
お、スイッチS3の構造もスイッチS4と同一である。
節点Dから出力された正弦波電圧が2.5Vよりも高い
とき、比較器13xはハイレベルの電圧信号VMを出力
するので、インバータI13からはローレベルの電圧信
号VNが出力され、スイッチS3は切断される。比較器
13x及びインバータI13から出力される電圧信号V
M及びVNをそれぞれ図6(m)及び(n)に示す。
【0085】このとき、スイッチS4には、ハイレベル
の電圧信号が入力されるので、スイッチS4は導通し、
電圧信号VKの位相が反転した電圧信号VLがスイッチS
4を通過する。同様に、節点Dから出力された正弦波電
圧が2.5Vよりも低いときには、スイッチS4が切断
され、スイッチS3が導通するので、電圧信号VKはそ
のままスイッチS3を通過する。
【0086】上述のように、励振側の反転増幅回路3x
から出力される電圧信号VCと検出側の差動増幅回路1
2xから出力される電圧信号VKの位相は一致している
ので、スイッチS3,S4を通過した電圧信号は、それ
ぞれ、抵抗R151,R152を通過して節点Oで合成
される。すなわち、検出側の差動増幅回路12xから出
力された電圧信号VKは、励振側の反転増幅回路3xか
ら出力された電圧信号VCに同期した方形波電圧信号VN
で同期検波され、電圧信号VKの位相が反転した電圧信
号VLは、励振側の反転増幅回路3xから出力された電
圧信号VCに同期した方形波電圧信号VMで同期検波され
る。換言すれば、正弦波電圧Vkのコリオリの力に基づ
いて発生した電圧成分は全波整流される。なお、正弦波
電圧Vk中の検出用振動片6及び7のX軸方向の振動に
よる電圧成分は、コリオリの力に基づいて発生した電圧
成分と位相が90°ずれているので、この同期検波によ
りその積分値が零となる。
【0087】節点Oには、反転増幅回路15xが接続さ
れている。反転増幅回路15xは、節点Oに接続された
反転入力端子及び電位が2.5Vに固定された非反転入
力端子を有するオペアンプA15と、オペアンプA15
の反転入力端子と出力端子との間に接続された抵抗R1
53を有する。節点Oで示される反転増幅回路15xの
反転入力端子の電圧は、イマジナルショートにより2.
5Vに固定される。節点Oの電圧の波形を図6(o)に
示す。反転増幅回路15xは、正弦波電圧VK及びその
反転電圧VLを同期検波した電圧信号の位相を反転させ
て出力する。節点Pで示される反転増幅回路15xの出
力端子の電圧VPの波形を図6(p)に示す。
【0088】節点Pで示される反転増幅回路15xの出
力端子には、積分回路16xが接続されている。積分回
路16xは、節点Pに接続された抵抗R161と、節点
Pに抵抗R161を介して接続された反転入力端子及び
電位が2.5Vに固定された非反転入力端子を有するオ
ペアンプA16と、オペアンプA16の反転入力端子と
節点Qで示される出力端子との間に接続された抵抗R1
62と、抵抗R162に並列に接続されたコンデンサC
16とを備える。積分回路16xは、節点Pから出力さ
れた電圧VPの交流成分の実効値を反転増幅させて出力
する。積分回路16xの直流出力電圧VQの波形を図6
(q)に示す。なお、同期検波回路により、検出用振動
片6及び7のX軸方向の振動成分に基づく信号成分は積
分値が零となるようにされているので、積分回路16x
の直流出力電圧VQからは、この信号成分が除去され
る。
【0089】節点Qで示される積分回路16xの出力端
子には、増幅回路17xが接続されている。増幅回路1
7xは、抵抗R171と、抵抗R171を介して節点Q
に接続された反転入力端子及び非反転入力端子を有する
オペアンプA17と、オペアンプA17の反転入力端子
と出力端子との間に接続された抵抗R17とを有する。
さらに、増幅回路17xの非反転入力端子は、抵抗R1
72を介して2.5Vの電源に接続されており、また、
この非反転入力端子は抵抗R173及び可変抵抗R17
4を介してグランド及び5Vの電源に接続されている。
増幅回路17xの出力端子の電圧VRの波形を図6
(r)に示す。なお、増幅回路17xの可変抵抗R17
4を調整することにより、直流出力電圧VRのオフセッ
トを調整することができる。
【0090】直流出力電圧VRの大きさは、振動子10
2に働いたコリオリの力の大きさに比例する。すなわ
ち、検出用振動片6及び7がコリオリの力に起因してZ
軸方向に振動すると、振動による歪み量に比例して圧電
性結晶部6p,7pに電荷が発生する。換言すれば、圧
電性結晶部6p,7pがコリオリの力によって歪むこと
により、圧電効果に基づく電位差が電極群6a,6d,
7b,7cと電極群6b,6c,7a,7dとの間に発
生する。差動増幅回路12からは、この電位差に対応す
る交流電圧VKが出力され、交流電圧VKのコリオリの力
に基づく成分は、同期検波回路によって全波整流され、
積分回路16xによって全波整流された信号VPの交流
成分の実効値に比例した電圧信号VQが出力されるの
で、直流出力電圧VRを検出すれば、振動子102に働
いたコリオリの力を検出することができる。上記角速度
検出装置は、自動車等の被検出体に搭載され、コリオリ
の力は被検出体の角速度に比例して働くので、本角速度
検出装置によれば被検出体の角速度を検出できる。
【0091】なお、上記角速度検出装置を自動車等の被
検出体に搭載した場合には、必ずしも被検出体の回転中
心軸が支持棒2の中心線CLと一致するとは限らない
が、被検出体の運動に支持棒2の中心線CLを中心とす
る回転成分が含まれれば、被検出体の角速度は検出する
ことができる。
【0092】さらに、本装置の振動子102は、4つの
振動片4〜7を用いたが、これは、2つの振動片のみを
用い、それぞれの振動片に励振用の電極及び検出用の電
極を配置してもよい。
【0093】図9は、このような振動子102Aの平面
図であり、図10は図9のA−A線矢印及びB−B線矢
印で振動子102Aを切ったときの振動子102Aの断
面及びこれに接続された処理回路103を示す。以下、
この振動子102Aを用いた角速度検出装置について説
明するが、同一要素には同一符号を用いているので、重
複する説明は省略する。
【0094】振動子102Aは、固定部1A及び所定の
間隔離隔して固定部1Aから平行に延びた1対の振動片
L1及びR1を備える。本角速度検出装置は、図1に示
した振動子102を振動子102Aで置き換えたもので
あり、振動子102Aの固定部1Aは、図1の設置台1
01の設置表面S2に固定される。この振動子102A
は、水晶に設けられた複数の電極4u,4s,4m,4
h,5u,5s,5m,5h,6a〜6d,7a〜7d
からなる。振動片R1及びL1は、励振用の電極4u,
4s,4m,4h,5u,5s,5m,5hに、処理回
路103から交流電圧を印加すると、振動片R1及びL
1はX軸方向に沿って振動する。このとき、Y軸に平行
な中心軸を有する回転が振動子102Aに加わると、振
動片R1及びL1にコリオリの力が働き、振動片R1及
びL1はZ軸方向に沿って振動する。圧電性結晶部4
p,5pは圧電性結晶部6p,7pに機械的に結合して
いるので、このZ軸方向の振動は圧電性結晶部4p,5
pから6p,7pへと伝達され、圧電結晶部6p,7p
はZ軸方向に沿って歪む。したがって、処理回路103
は、検出用の電極6a〜6d,7a〜7dを介して、こ
の歪み量を検知するので、振動子102Aに働いたコリ
オリの力を検出することができる。
【0095】さらに、上記振動子102及び102Aで
は、励振用の圧電性結晶部4p,5p及び検出用の圧電
性結晶部6p,7pは、異なる部分であったが、これら
は同一部であってもよい。換言すれば、振動片のY軸に
垂直な単一の断面内に、励振用の電極及び検出用の電極
を配置してもよい。
【0096】図11は、このような振動子102Bの平
面図であり、図12は図11のA−A線矢印で振動子1
02Bを切ったときの振動子102Bの断面及びこれに
接続された処理回路103を示す。以下、この振動子1
02Bを用いた角速度検出装置について説明するが、同
一要素には同一符号を用いているので、重複する説明は
省略する。
【0097】振動子102Bは、固定部1B及び所定の
間隔離隔して固定部1Bから平行に延びた1対の振動片
L2及びR2を備える。本角速度検出装置は、図1に示
した振動子102を振動子102Bで置き換えたもので
あり、振動子102Bの固定部1Bは、図1の設置台1
01の設置表面S2に固定される。
【0098】振動片R2は、圧電性結晶からなる圧電性
結晶部4pと、圧電性結晶部4pの各側面に固定された
上面電極4a,4d、下面電極4c,4f、右面電極4
b及び左面電極4eとから構成される。
【0099】上面電極4a,4dは、それぞれ、圧電性
結晶部4pの上面のみに互いに物理的に分離して形成さ
れ、固定部1Bとこの振動片R2との境界近傍から振動
片R2の先端方向に延びている。下面電極4c,4f
は、圧電性結晶部4pの下面のみに互いに物理的に分離
して形成され、固定部1Bとこの振動片R2との境界近
傍から振動片R2の先端方向に延びている。右面電極4
bは、圧電性結晶部4pの右側面の一部を覆っている。
【0100】右面電極4bは、右側に位置する上面電極
4aと一定の間隔を保持しつつ、この上面電極4aの長
手方向に沿って、固定部1Bと振動片R2との境界近傍
から振動片R2の先端方向に延びており、上面電極4a
と物理的に分離している。左面電極4eは、圧電性結晶
部4pの左側面の一部を覆っている。
【0101】左面電極4eも、左側に位置する上面電極
4dと一定の間隔を保持しつつ、この上面電極4dの長
手方向に沿って、固定部1Bと振動片R2との境界近傍
から振動片R2の先端方向に延びており、上面電極4d
と物理的に分離している。また、左右側面の電極4b,
4eは、それぞれ、下面電極4c,4fとも一定の間隔
を保持し、物理的に分離している。
【0102】これらの電極4a〜4fは、圧電性結晶部
4pの全表面を覆う電極を形成した後、各電極間の領域
の電極を除去するのみで、これらの電極を物理的に分離
することができる。すなわち、これらの電極4a〜4f
は、フォトリソグラフィ技術のエッチング工程を用いる
ことにより分離できる。
【0103】振動片L2は、圧電性結晶からなる圧電性
結晶部5pと、圧電性結晶部5pの各側面に固定された
上面電極5a,5d、下面電極5c,5f、右面電極5
b及び左面電極5eとから構成される。振動片L2は、
振動片R2と同一の構造を有するので、その構造の詳細
については説明を省略する。
【0104】振動片R2及びL2は、励振用の電極4a
〜4c、5d〜5fに、処理回路103から交流電圧を
印加すると、振動片R1及びL1はX軸方向に沿って振
動する。このとき、Y軸に平行な中心軸を有する回転が
振動子102Bに加わると、振動片R2及びL2にコリ
オリの力が働き、振動片R2及びL2はZ軸方向に沿っ
て振動する。圧電性結晶部4p,5pはZ軸方向に沿っ
て歪む。したがって、処理回路103は、検出用の電極
4d〜4f、5a〜5cを介して、この歪み量を検知す
るので、振動子102Bに働いたコリオリの力を検出す
ることができる。本装置では、圧電性結晶部4p,5p
のY軸に垂直な単一の断面内に、励振及び検出用の電極
が設けられているので、電極数を減らすことができる。
【0105】さらに、次のように励振用の電極及び検出
用の電極を配置してもよい。
【0106】図13は、このような振動子102Cの平
面図であり、図14は図13のA−A線矢印で振動子1
02Cを切ったときの振動子102Cの断面及びこれに
接続された処理回路103を示す。以下、この振動子1
02Cを用いた角速度検出装置について説明するが、同
一要素には同一符号を用いているので、重複する説明は
省略する。
【0107】振動子102Cは、固定部1C及び所定の
間隔離隔して固定部1Cから平行に延びた1対の振動片
L3及びR3を備える。本角速度検出装置は、図1に示
した振動子102を振動子102Cで置き換えたもので
あり、振動子102Cの固定部1Cは、図1の設置台1
01の設置表面S2に固定される。
【0108】振動片R3は、圧電性結晶からなる圧電性
結晶部4pと、圧電性結晶部4pの各側面に固定された
上面電極41、下面電極42、右面電極43,44及び
左面電極45,46とから構成される。
【0109】上面電極41は、圧電性結晶部4pの上面
のみに形成され、固定部1Cとこの振動片R3との境界
近傍から振動片R3の先端方向に延びている。下面電極
42は、圧電性結晶部4pの下面のみに形成され、固定
部1Cとこの振動片R3との境界近傍から振動片R3の
先端方向に延びている。右面電極43,44は、互いに
物理的に分離しており、圧電性結晶部4pの右側面の一
部を覆っている。
【0110】上側の右面電極43は、上面電極41と一
定の間隔を保持しつつ、この上面電極41の長手方向に
沿って、固定部1Cと振動片R3との境界近傍から振動
片R3の先端方向に延びており、上面電極41と物理的
に分離している。左面電極45,46は、圧電性結晶部
4pの左側面の一部を覆っている。
【0111】上側の左面電極45も、上面電極41と一
定の間隔を保持しつつ、この上面電極41の長手方向に
沿って、固定部1Cと振動片R3との境界近傍から振動
片R3の先端方向に延びており、上面電極41と物理的
に分離している。また、下側の左右側面の電極44,4
6は、それぞれ、下面電極42とも一定の間隔を保持
し、物理的に分離している。
【0112】振動片L3は、圧電性結晶からなる圧電性
結晶部5pと、圧電性結晶部5pの各側面に固定された
上面電極51、下面電極52、右面電極53,54及び
左面電極55,56とから構成される。振動片L3は、
振動片R3と同一の構造を有するので、その構造の詳細
については説明を省略する。
【0113】端子T3及びT4は、図5に示したチャー
ジアンプ10x及び11xの反転入力端子に接続されて
おり、イマジナルショートにより、これらの電位は2.
5Vに固定されているので、端子T2を介して電極5
1,52に周期的に変動する電位を与えると、電極群5
1,52と電極群53〜56との間に電位差が与えら
れ、逆圧電効果に基づいて圧電性結晶部5pは、X軸方
向に沿って振動する。圧電性結晶部4pは固定部1Cを
介して圧電性結晶部5pに機械的に結合しているので、
圧電性結晶部5pの振動に伴って圧電性結晶部4pがX
軸方向に振動する。圧電性結晶部4pがX軸方向に振動
すると、圧電性結晶部4p部の側面中央領域に電荷が発
生する。この電荷は端子T1を介して電流電圧変換され
るので、振動片R3及びL3は持続振動する。
【0114】このとき、Y軸に平行な中心軸を有する回
転が振動子102Cに加わると、振動片R3及びL3に
コリオリの力が働き、振動片R3及びL3はZ軸方向に
沿って振動し、圧電性結晶部4p,5pはZ軸方向に沿
って歪む。電極43〜46,53〜56は、それぞれ、
図5の電極6a〜6d,7a〜7dと同一の機能を有す
る。したがって、処理回路103は、検出用の電極43
〜46,53〜56を介して、この歪み量を検知するの
で、振動子102Cに働いたコリオリの力を検出するこ
とができる。
【0115】また、次のように励振用の電極及び検出用
の電極を配置してもよい。
【0116】図15は、このような振動子102Dの平
面図であり、図16は図15のA−A線矢印で振動子1
02Dを切ったときの振動子102Dの断面及びこれに
接続された処理回路103を示す。以下、この振動子1
02Dを用いた角速度検出装置について説明するが、同
一要素には同一符号を用いているので、重複する説明は
省略する。
【0117】振動子102Dは、固定部1D及び所定の
間隔離隔して固定部1Dから平行に延びた1対の振動片
L4及びR4を備える。本角速度検出装置は、図1に示
した振動子102を振動子102Dで置き換えたもので
あり、振動子102Dの固定部1Dは、図1の設置台1
01の設置表面S2に固定される。
【0118】振動片R4は、圧電性結晶からなる圧電性
結晶部4pと、圧電性結晶部4pの各側面に固定された
上面電極141、下面電極142、右面電極143及び
左面電極144,145とから構成される。
【0119】上面電極141は、圧電性結晶部4pの上
面のみに形成され、固定部1Dとこの振動片R4との境
界近傍から振動片R4の先端方向に延びている。下面電
極142は、圧電性結晶部4pの下面のみに形成され、
固定部1Dとこの振動片R4との境界近傍から振動片R
4の先端方向に延びている。右面電極143は、圧電性
結晶部4pの右側面の一部を覆っている。
【0120】右面電極143は、上面電極141と一定
の間隔を保持しつつ、この上面電極141の長手方向に
沿って、固定部1Dと振動片R4との境界近傍から振動
片R4の先端方向に延びており、上面電極141と物理
的に分離している。左面電極144,145は、互いに
物理的に分離しており、圧電性結晶部4pの左側面の一
部を覆っている。
【0121】上側の左面電極144は、上面電極141
と一定の間隔を保持しつつ、この上面電極141の長手
方向に沿って、固定部1Dと振動片R4との境界近傍か
ら振動片R4の先端方向に延びており、上面電極141
と物理的に分離している。また、下側の左側面の電極1
45は、下面電極142とも一定の間隔を保持し、物理
的に分離している。なお、上面電極141と右面電極1
43との間の最短距離は、上面電極141と上側の左面
電極144との間の最短距離よりも短い。また、下面電
極142と右面電極143との間の最短距離も、下面電
極142と下側の左面電極145との間の最短距離より
も短い。
【0122】振動片L4は、圧電性結晶からなる圧電性
結晶部5pと、圧電性結晶部5pの各側面に固定された
上面電極151、下面電極152、左面電極153及び
右面電極154,155とから構成される。振動片R4
とL4とは、これらの振動片R4とL4との中間位置に
位置するYZ平面を境界として鏡像の関係を有する。し
たがって、振動片L4は、振動片R4と同一の構造を有
するので、その構造の詳細については説明を省略する。
【0123】本装置では、端子T1を介して励振用の電
極141,142,153に周期的に変動する電位を与
えると、端子T2〜T4の電位は、2.5Vに固定され
ているので、電極群141,142,153と電極群1
43〜145,151,152〜155との間に電位差
が与えられ、逆圧電効果に基づいて振動片R4及びL4
はX軸方向に沿って振動する。この振動は端子T2に接
続された電極143,151,152を通して検知さ
れ、この振動は持続する。
【0124】このとき、Y軸に平行な中心軸を有する回
転が振動子102Dに加わると、振動片R4及びL4に
コリオリの力が働き、振動片R4及びL4はZ軸方向に
沿って振動し、圧電性結晶部4p,5pはZ軸方向に沿
って歪む。このZ軸方向の歪に伴って発生した電荷は、
検出用の電極144,145,154,155を介し
て、処理回路103内に導入される。したがって、処理
回路103は、検出用の電極144,145,154,
155を介して、この歪み量を検知するので、振動子1
02Dに働いたコリオリの力を検出することができる。
【0125】また、次のように励振用の電極及び検出用
の電極を配置してもよい。
【0126】図17は、このような振動子102Eの平
面図であり、図18は図17のA−A線矢印で振動子1
02Eを切ったときの振動子102Eの断面及びこれに
接続された処理回路103を示す。以下、この振動子1
02Eを用いた角速度検出装置について説明するが、同
一要素には同一符号を用いているので、重複する説明は
省略する。
【0127】振動子102Eは、固定部1E及び所定の
間隔離隔して固定部1Eから平行に延びた1対の振動片
L5及びR5を備える。本角速度検出装置は、図1に示
した振動子102を振動子102Eで置き換えたもので
あり、振動子102Eの固定部1Eは、図1の設置台1
01の設置表面S2に固定される。振動子102Eは、
振動子102Bから電極4e及び5bを除いたものであ
り、他の構造は102Bと同一であるので、説明を省略
する。
【0128】なお、上記実施の態様に係る圧電性結晶部
の材料は、水晶を用いたが、これはLiTaO3等の圧
電性結晶を代りに用いてもよい。さらに、圧電性結晶の
材料として、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等を用
い、この圧電性結晶を電極で挟んで金属等に貼り着けて
振動片としてもよい。
【0129】振動子102を用いた角速度検出装置にお
いては、圧電性結晶部4p及び5pの振動に伴って、圧
電性結晶部4p及び5pに設けられた電極4a〜4f,
5a〜5f間には、圧電効果に基づく電位差が発生す
る。この実施の態様に係る角速度検出装置では、この電
位差に基づいて流れる電流を電圧に変換し、変換された
電圧を差動増幅回路12xで増幅し、交流電圧として出
力したが、この電位差は、波形整形、増幅又は位相変換
等が行われてもよく、また、交流電圧は、この電位差そ
のものであってもよい。
【0130】また、第2圧電性結晶部6pが振動する
と、圧電効果に基づき、少なくとも第2圧電性結晶部6
pに設けられた電極6aと電極6cとの間に電位差が発
生する。この電位差は、波形整形、増幅又は位相変換等
が行われることにより、この電位差に対応した信号成分
を有する交流電圧信号VKに変換される。なお、この交
流電圧信号VKは、上述の電位差そのものであってもよ
い。また、この電位差に基づいて流れる電流を電圧に変
換してた電圧も、この電位差に対応した信号成分と規定
する。
【0131】さらに、各実施の態様に係る電流電圧変換
回路2xのオペアンプA2には、その反転入力端子21
を介して端子T1からの信号を入力させたが、これは非
反転入力端子22に入力してもよい。
【0132】以上、説明したように、上記実施の態様に
係る角速度検出装置は、圧電性結晶からなる第1圧電性
結晶部4p、第1圧電性結晶部4pに設けられた第1及
び第2電極4m,4u、及び第1圧電性結晶部4pに機
械的に結合した検出用振動片6を有する振動子102
と、所定の周期で変動する電位VAを第1電極4mに与
える励振手段103a、第2電極4uの電位を所定値に
固定する電位一定化手段2x及び検出用振動片6に発生
する歪み量を検出する検出手段103bを有する回路1
03を備える。
【0133】検出用振動片6に発生する歪み量、すなわ
ち、交流電圧信号VKは、第1圧電性結晶部4pのコリ
オリの力に基づく振動等が検出用振動片6に伝達される
ことによって発生しているので、コリオリの力による電
圧成分を含む。検出手段103bは、この交流電圧信号
K、すなわち、検出用振動片6に発生する歪み量を検
出するので、コリオリの力の大きさが検知され、したが
って、被検出体の角速度の大きさを検出することができ
る。
【0134】本装置によれば、第2電極4uの電位は電
位一定化手段2xによって所定値に固定されているの
で、第1圧電性結晶部4pの振動が安定する。第1圧電
性結晶部4pの振動が安定すると、この振動及びコリオ
リの力に基づく振動が安定する。したがって、第1圧電
性結晶部4pに機械的に結合した検出用振動片6の振動
が安定し、検出手段103bによって検出される角速度
の精度を向上させることができる。
【0135】また、本装置の電位一定化手段2xは、反
転入力端子21、非反転入力端子22及び出力端子Bを
有するオペアンプA2と、オペアンプA2の出力端子B
と反転入力端子21との間に接続され、所定の抵抗値を
有する抵抗R2とを有し、第2電極4uはオペアンプA
2の入力端子の一方21に電気的に接続され、オペアン
プA2の入力端子の他方22の電位は所定値に固定され
ることが好ましい。
【0136】本装置によれば、反転入力端子21及び非
反転入力端子22は、イマジナルショートの状態にあ
り、反転入力端子21の電位は非反転入力端子22の電
位に等しい。また、抵抗R2による電圧降下によって、
第1電極4m及び第2電極4u間の電位差に対応する電
流信号は電圧信号VBに変換される。
【0137】さらに、検出用振動片6は、圧電性結晶か
らなる第2圧電性結晶部6pと、第2圧電性結晶部6p
に設けられた前記第1及び第2電極4m,4uとは別の
複数の電極と6a,6cを有し、上記励振手段103a
は、この励振手段103aがオペアンプA2の出力信号
Bから上記所定の周期で変動する電位VAを生成するよ
うにオペアンプA2に電気的に接続され、検出手段10
3bは、別の電極間6a,6cに発生する電位差に対応
した信号成分を有する交流電圧信号Vkを検出するもの
であって、この検出手段103bがオペアンプA2の出
力信号VBに同期した信号VM,VNで上記交流電圧信号
Kを同期検波するように励振手段103aに電気的に
接続されることが好ましい。
【0138】この場合、オペアンプA2は第2電極4u
の電位を所定値に固定しつつ、第1圧電性結晶部4pの
振動に同期した信号VBを出力し、励振手段103がオ
ペアンプA2の出力信号VBを利用して、第1圧電性結
晶部4pを振動させる電位VAを第1電極4mに印加す
る。また、検出手段103bは、オペアンプA2の出力
信号VBに同期した信号VM,VNで交流電圧信号VKを同
期検波する。したがって、本構成によれば、これらの機
能を1つオペアンプA2に基づく出力VBを用いて達成
することができる。
【0139】さらに、本装置は、別の電極の一方6aに
接続された第1チャージアンプ10xと、別の電極の他
方6cに接続された第2チャージアンプ11xと、前記
第1及び第2チャージアンプ10x,11xの出力端子
に接続された差動増幅回路12xと、を備え、前記交流
電圧信号VKは、前記差動増幅回路12xから出力さ
れ、前記第1及び第2チャージアンプ10x,11x
は、前記差動増幅回路12xから出力される交流電圧信
号VKの位相と、前記電位一定化手段2xから出力され
る交流電圧信号VBと位相とが一致又は180°異なる
ように設定されることが好ましい。
【0140】第1圧電性結晶部4pの振動速度と第1圧
電性結晶部4pに働くコリオリの力は位相が90°異な
っている。このコリオリの力に基づいて第2圧電性結晶
部6pは振動するので、第1及び第2圧電性結晶部の振
動速度の位相は90°異なっている。したがって、第1
圧電性結晶部4pからの信号VBを用いて、第2圧電性
結晶部6pからの信号VKを同期検波する場合には、一
方の位相を90°変換する移相回路が必要である。しか
しながら、本装置では、差動増幅回路12xから出力さ
れた信号VKの位相は、交流電圧信号VBの位相に一致又
は180°異なっているので、90°移相回路を用いる
ことなく同期検波を行うことができる。
【0141】さらに、図1〜3に示した第1及び第2圧
電性結晶部4p,6pは、例えば図12に示すように、
同一部4pであってもよい。この場合、第1電極4b、
第2電極4a及び別の電極4d,4fは、同一部に形成
されるので、装置の構成が単純化される。
【0142】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る角速度検出
装置によれば、第2電極の電位は電位一定化手段によっ
て所定値に固定されているので、第1圧電性結晶部の振
動が安定し、検出手段によって検出される角速度の精度
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る角速度検出装置の斜
視図。
【図2】図1に示した振動子をA−A線矢印に沿って切
った断面図。
【図3】図1に示した振動子をB−B線矢印に沿って切
った断面図。
【図4】図1に示した振動片をC−C線矢印に沿って切
った断面図。
【図5】本発明の実施の形態に係る角速度検出装置のシ
ステムを示すブロック図。
【図6】図5に示したシステムの各節点における電圧波
形を示すタイミングチャート。
【図7】電流電圧変換回路の抵抗値(MΩ)と位相
(度)との関係を示すグラフ。
【図8】チャージアンプの容量(pF)と遅れ角(度)
との関係を示すグラフ。
【図9】別の振動子の平面図。
【図10】図9の振動子の断面及びこの振動子に接続さ
れた処理回路を示す図。
【図11】別の振動子の平面図。
【図12】図11の振動子の断面及びこの振動子に接続
された処理回路を示す図。
【図13】別の振動子の平面図。
【図14】図13の振動子の断面及びこの振動子に接続
された処理回路を示す図。
【図15】別の振動子の平面図。
【図16】図15の振動子の断面及びこの振動子に接続
された処理回路を示す図。
【図17】別の振動子の平面図。
【図18】図17の振動子の断面及びこの振動子に接続
された処理回路を示す図。
【符号の説明】
4p…第1圧電性結晶部、4m…第1電極、4u…第2
電極、6…検出用振動片、6p…第2圧電性結晶部、6
a,6c…別の電極、102…振動子、103a…励振
手段、2…電位一定化手段、103b…検出手段、10
3…回路、21…反転入力端子、22…非反転入力端
子、B…出力端子、A2…オペアンプ、R2…抵抗。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電性結晶からなる第1圧電性結晶部、
    前記第1圧電性結晶部に設けられた第1及び第2電極、
    及び前記第1圧電性結晶部に機械的に結合した検出用振
    動片を有する振動子と、 所定の周期で変動する電位を前記第1電極に与える励振
    手段、前記第2電極の電位を所定値に固定する電位一定
    化手段、及び前記検出用振動片に発生する歪み量を検出
    する検出手段を有する回路と、を備える角速度検出装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の角速度検出装置であっ
    て、 前記電位一定化手段は、反転入力端子、非反転入力端子
    及び出力端子を有するオペアンプと、前記オペアンプの
    前記出力端子と前記反転入力端子との間に接続され、所
    定の抵抗値を有する抵抗とを有し、前記第2電極は前記
    オペアンプの前記入力端子の一方に電気的に接続され、
    前記オペアンプの前記入力端子の他方の電位は前記所定
    値に固定される角速度検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の角速度検出装置であっ
    て、 前記検出用振動片は、圧電性結晶からなる第2圧電性結
    晶部と、前記第2圧電性結晶部に設けられた前記第1及
    び第2電極とは別の複数の電極とを有し、 前記励振手段は、この励振手段が前記オペアンプの出力
    信号から前記所定の周期で変動する電位を生成するよう
    に前記オペアンプに電気的に接続され、 前記検出手段は、前記別の電極間に発生する電位差に対
    応した信号成分を有する交流電圧信号を検出するもので
    あって、この検出手段が前記オペアンプの前記出力信号
    に同期した信号で前記交流電圧信号を同期検波するよう
    に前記励振手段に電気的に接続される角速度検出装置。
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