JPH10504021A - 肝細胞選択性水中油型乳剤 - Google Patents

肝細胞選択性水中油型乳剤

Info

Publication number
JPH10504021A
JPH10504021A JP7529797A JP52979795A JPH10504021A JP H10504021 A JPH10504021 A JP H10504021A JP 7529797 A JP7529797 A JP 7529797A JP 52979795 A JP52979795 A JP 52979795A JP H10504021 A JPH10504021 A JP H10504021A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
emulsion
water emulsion
water
triglyceride
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7529797A
Other languages
English (en)
Inventor
カウンセル,レイモンド,イー.
ロンジノ,マーク,エー.
ウェイチャート,ジャメイ,ピー.
バカン,ダグラス,エー.
Original Assignee
ザ ボード オブ リージェンツ オブ ザ ユニヴァーシティ オブ ミシガン
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ザ ボード オブ リージェンツ オブ ザ ユニヴァーシティ オブ ミシガン filed Critical ザ ボード オブ リージェンツ オブ ザ ユニヴァーシティ オブ ミシガン
Publication of JPH10504021A publication Critical patent/JPH10504021A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/10Dispersions; Emulsions
    • A61K9/107Emulsions ; Emulsion preconcentrates; Micelles
    • A61K9/1075Microemulsions or submicron emulsions; Preconcentrates or solids thereof; Micelles, e.g. made of phospholipids or block copolymers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K49/00Preparations for testing in vivo
    • A61K49/04X-ray contrast preparations
    • A61K49/0433X-ray contrast preparations containing an organic halogenated X-ray contrast-enhancing agent
    • A61K49/0438Organic X-ray contrast-enhancing agent comprising an iodinated group or an iodine atom, e.g. iopamidol
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K49/00Preparations for testing in vivo
    • A61K49/04X-ray contrast preparations
    • A61K49/0433X-ray contrast preparations containing an organic halogenated X-ray contrast-enhancing agent
    • A61K49/0447Physical forms of mixtures of two different X-ray contrast-enhancing agents, containing at least one X-ray contrast-enhancing agent which is a halogenated organic compound
    • A61K49/0461Dispersions, colloids, emulsions or suspensions
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K49/00Preparations for testing in vivo
    • A61K49/06Nuclear magnetic resonance [NMR] contrast preparations; Magnetic resonance imaging [MRI] contrast preparations
    • A61K49/18Nuclear magnetic resonance [NMR] contrast preparations; Magnetic resonance imaging [MRI] contrast preparations characterised by a special physical form, e.g. emulsions, microcapsules, liposomes
    • A61K49/1806Suspensions, emulsions, colloids, dispersions
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K51/00Preparations containing radioactive substances for use in therapy or testing in vivo
    • A61K51/12Preparations containing radioactive substances for use in therapy or testing in vivo characterised by a special physical form, e.g. emulsion, microcapsules, liposomes, characterized by a special physical form, e.g. emulsions, dispersions, microcapsules
    • A61K51/1217Dispersions, suspensions, colloids, emulsions, e.g. perfluorinated emulsion, sols
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/10Dispersions; Emulsions
    • A61K9/127Liposomes
    • A61K9/1275Lipoproteins; Chylomicrons; Artificial HDL, LDL, VLDL, protein-free species thereof; Precursors thereof
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S516/00Colloid systems and wetting agents; subcombinations thereof; processes of
    • Y10S516/922Colloid systems having specified particle size, range, or distribution, e.g. bimodal particle distribution
    • Y10S516/923Emulsion
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S516/00Colloid systems and wetting agents; subcombinations thereof; processes of
    • Y10S516/924Significant dispersive or manipulative operation or step in making or stabilizing colloid system
    • Y10S516/929Specified combination of agitation steps, e.g. mixing to make subcombination composition followed by homogenization
    • Y10S516/93Low shear followed by high shear

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Colloid Chemistry (AREA)
  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 組織または細胞選択性搬送剤として有用な、熱・保存安定性乳剤。放射性または非放射性、合成または半合成による、ポリハロゲン化トリグリセリド(2−オレオイルグリセロール−1,3−ビス[7−(3−アミノ−2,4,6−トリヨードフェニル)ヘプタノエート]または2−オレオイルグリセロール−1,3−ビス[ω−(3,5−ビス−トリフルオロメチル)−ヘプタノエート])またはフェニル酢酸塩をリポ蛋白様乳化粒子の親油性核の中に取り込ませることができる。この親油性核は、コレステロールとアポリポ蛋白類からなる燐脂質膜によって囲まれる。肝細胞選択性輸送のためには、該乳化剤はキロミクロン残渣と同様に、50−200nmの直径範囲を持ち、かつその直径分布が狭く(300nmより大きいものが<2%)、天然のキロミクロン残渣様の組成を有する。なお、直径分布は、重み付き個数分析法による。この乳化剤処方にコレステロールを用いるのは、アポリポ蛋白類、特にApo Eの付着を促進するためである。アポリポ蛋白類は、肝細胞によって認識され、それによって結合、取り込まれるのに必要である。該乳化剤を形成するにあたり、安定性および直径分布に関する必要条件は、超高エネルギー混合器、例えば、ミクロ・フルーダイザー(ミクロフルーディクス・コープ、ニュートン、マサチューセッツ州)を用いて実現できる。好ましい実施態様においては、乳化剤のオスモル濃度は、通常の生理食塩水でなく、グリセロールで調整される。

Description

【発明の詳細な説明】 肝細胞選択性水中油型乳剤 発明の背景 本発明は一般に、水中油型乳剤に関わる。特に、親油性または両親媒性である 診断薬、治療薬、または、その他の生物活性剤ないし非活性剤の組織特異的搬送 剤として機能する水中油型乳剤に関わる。 画像診断剤(Imaging agent)が、コンピュータ断層撮影法(CT)、核磁気 共鳴法(MR)、超音波医学や、核種医学のような診断法に用いられている。こ れは、各組織タイプ間の画像コントラストを強調するためである。しかしながら 、現在用いられる画像診断剤の多くは、その作用が、血管および/または細胞外 区域に限定されている。これは現今技術の欠点である。このため、正常の血液補 給を受けるすべての組織が同じように診断薬を受けとることになる。したがって 、組織特異的画像の強調が危うくなる。細胞外空間に留まる非特異的診断薬は、 主として各組織、各構造体の解剖学的特質を識別するには有用である。しかしな がら、診断剤を標的組織の細胞内環境に輸送することのできる画像診断剤がもし あるならば、それは従来の細胞外画像診断剤で得られる通常の解剖的な視覚化に 加えて、さらに、その標的組織の代謝性、および・または、生化学的活動を評価 する一手段を与えることになろう。 前記に加えてさらに、細胞外空間に局在する画像診断薬は生体からきわめて速 やかに排除される。画像用機器の限界から、診断画像を形成するのに使用される データを収集するには、あらかじめ決められた時間が最低必要である。したがっ て、生体から急速に排除される造影剤の場合、良質の画像を実現するのに十分な 濃度勾配を維持するためには、大用量を投与しなければならない。したがって、 現在用いられている画像診断剤の多くの場合、その投与は複雑な工程となる。な ぜなら、短時間に、大用量の物質を生体に注入するという危険に対して、画像強 調の利点のバランスを取らなければならないからである。CT画像の場合、画像 診断剤は、通常、150から250mlという大用量を、1.5から2.5ml /秒の速度で患者に投与することになる。現在市販されている薬剤をこの速度で 注入すると、悪心、頭痛、痙攣や、その他の不快なかつ危険な副作用を招くこと がある。したがって、画像診断剤を一個の標的器官ないし組織タイプに濃縮させ ることができるので、実質的小用量をより低速で調節的に注入すればよい組織特 異的搬送剤が必要とされる。用量が少なければ高価な動力インジェクターが不要 であるとともに、毒性や副作用の可能性を最小にするであろうことは言うまでも ない。 放射性治療剤輸送などのような治療目的のためには、特定の組織に狙いを定め 、放射性薬剤の周囲組織に対する破壊作用を抑さえることができたら有利であろ う。家系性高コレステロール血症、肝炎、または、ヘパトーマのような病気治療 のために遺伝子治療が盛んに議論されている。しかしながら、遺伝物質を特定組 織を標的として搬送できないために、あるいは、遺伝子の異常型と代替できるほ ど十分な量を標的に搬送できないために、異常組織に対する修正的遺伝物質の輸 送はしばしば失敗している。したがって、関係分野においては、遺伝子治療を施 すのに十分な濃度で遺伝物質を、組織に対して輸送することのできる搬送剤が要 求されている。 組織特異的輸送を実現するために従来既知の方法がいくつかあるが、それらに おいては、リポソーム、抗体結合複合体、および、搬送化合物の炭水化物誘導体 が利用されている。しかしながら、これら従来の搬送剤の多くは、輸送すべき部 分と生体受容性の複合体の形を取ることができないか、または、その複合体化し た部分を、画像撮影および/または治療に有効なほど十分な量として標的組織に 蓄積することができない。 肝臓臓器の画像診断のために、現在実行可能なもっとも正確で非侵襲的なX線 検査法の一つとして、水溶性、尿路撮影用造影剤を使用したCTがある。しかし ながら、この著名な方法で通常使用される造影剤にも、他の、既知の造影剤に見 られた典型的な限界がある。それは、例えば、大用量を投与しなければならない こと、生体内で非特異的に分布すること、肝臓中にきわめて短時間(<2分)し か留まらないことである。そのため、直径約2cmより小さい病変を検出する場 合、常に成功というわけにはいかない。既知の診断薬にはこのように重大な限界 があったために、癌の早期発見や治療が不可能であった。なぜなら、多くの転移 癌は、この方法の検出限界よりも小さいからである。 水溶性の尿路造影剤が、直径2cm未満の病変部を満足できる確度で検出でき ないのは、おそらくその一部は、本剤が血管から間質空間に急速に拡散してしま うために、正常肝組織と腫瘍の間のコントラストの差が急速に失われるためであ ろう。したがって、診断用の造影剤、または、その造影剤のための搬送剤であっ て、造影剤を、特定の標的組織、例えば、肝組織の細胞内空間に輸送し、それに よって、選択的視覚化を向上させ、さらには、CTの検出限界を高めることので きる搬送剤に対しては需要がある。CTのための肝臓用造影剤として、水溶性造 影剤に代わる候補がいくつか研究されている。その中には、例えば、X線不透過 リポソーム、ヨード添加澱粉粒子、パーフルオロオクチルブロミド(perfluoroc tylbromide)、イオジパミド(iodipamide)エチルエステル類、エチオ化油乳剤 (EOE−13)がある。これらの造影剤はすべてその性質上粒状であって、そ の大きさが、肝特異性を得るためには、主に、細網内皮系(RES)による封鎖 作用を介して行なわれなければならない大きさである。 リポソームは人工的に調製した脂質小胞で、内部に水溶液区画を持った単層ま たは複数の脂質二重層によって形成されるが、これは、その性質上粒状であり、 したがって、包含する薬剤をRESに輸送する能力を持っている。これまで研究 者たちは、リポソームに、イオン性や非イオン性の水溶性尿路撮影用造影剤ない し肝胆撮影用造影剤を負荷すること、または、臭化ホスファチジルコリンを二重 層膜内部に取り込ませようと試みてきた。しかしながら、造影剤が二重層から失 われることを防ぐため得られたリポソームを安定化することが大きな問題である ことが判明した。さらに、中性の親油性造影剤を二重層に挿入することは、膜礎 質に対する親油性造影剤の低溶解度、またリポソーム自体の負荷能力の小ささと いう制限がある。 モノ臭化パーフルオロカーボン類の内のいくつかは、動物において、造影剤と して有効であると評価されている。これらの内、もっとも一般的なものはパーフ ルオロクチルブロミドであるが、これは、肝臓、脾臓、その他の臓器の細網内皮 細胞中に濃縮することが明らかにされている。適当なX線不透性を得るには、長 期の滞留時間(数週から数か月)と大用量(5−10g/kg)が必要であるが 、これだけで、画像診断の目的でモノ臭化パーフルオロカーボン類をヒトに使用 する可能性はほとんどなくなるであろう。もっとも、小用量を標的器官に特定的 に輸送する手段が開発されれば別の話である。 前記の調査造影剤の内でもっとも有望なのはEOE−13であって、これは、 アメリカにおいて動物とヒトで広範に調べられている。EOE−13は生理食塩 水中に懸濁させたヨウ化けし油(ヨウ素含量は37重量%)乳剤であるが、従来 の水溶性尿路撮影用造影剤に比べて、肝・脾臓中の実体的病変部の検出に相当有 利であることが証明された。臨床診断効力の点で受容できるものであるにも拘わ らず、発熱、悪寒、血小板減少症、低血圧、呼吸低下のような副作用が頻発する ことが報告されている。さらに、EOE−13調剤の滅菌過程において、問題が 生ずる。上記の問題のために、ヒトに対するEOE−13の使用は中断された。 近年、乳剤の粒径とマクロファージ活動の間に直接の関係があることが研究者 たちによって証明された。この研究者たちは、EOE−13を含む、三種のヨウ 化脂質乳剤について調べた。これらは、400−2000nmの平均粒径を持っ ていた。彼らの観察によれば、クッパー細胞が著明に膨張し、これは類洞内皮の 傷害と一緒になると、類洞の鬱血を招いた。類洞の鬱血は、しばしば、マクロフ ァージを活性化し、毒性のメディエーターを放出させる。これが、比較的径の大 きい粒子調剤を投与した場合に見られる副作用の原因の一部である。これに基づ き、研究者たちは、けし油(リピオドールUF、ラボラトワール・ギュベー、フ ランス−LipiodolUF,Laboratoire Guebet,France)から得た脂肪酸のヨウ化エ チルエステルを、卵黄リン脂質で乳化し、これによって、より径の小さいより粒 径の均一な調剤を得、イントライオドール(Intraiodol)(市販されていない。 これに関しては、例えば、Acta Radiologica,Vol.30,p.407-412 & 449-457,1989 を参照のこと)と名づけた。動物およびヒトで、イントライオドールについて得 られた初期の結果では、EOE−13で観察されたものに比べて副作用が有意に 減少した。しかしながら、イントライオドールも、従来技術に観察されたたくさ んの欠点をそのまま継承している。その欠点として、まず、リポソーム(粒状) の混入によってRESに輸送されてしまうために、また、径や組成のために、真 の特異性を発揮できないこと、および、長期保存・熱安定性を実現できないこと がある。さらに、CT不透性に必要なヨウ素が脂肪結合に付加されていることで 、これが細胞内安定性の低下をしめすことはよく知られている。 イントライオドールを始めとして、その他の同様の水中油型乳剤も、「キロミ クロン残渣様」とか「肝細胞特異的」と呼ばれているけれども、これらの薬剤の 相当程度が、肝細胞を含んでいない脾臓にも局在する。最初の受容体を介した過 程が飽和に達して、輸送がRES細胞の方に変った場合を除き、真の肝細胞特異 的造影剤は実質的に脾臓やその他のRES関連器官に局在するものではない。さ らに、真の肝細胞特異的造影剤は主に胆汁系を通じて排除されるものである。前 記の乳剤はいずれも、胆汁系クリアランステストでは、肝細胞特異性を証明して いない。 したがって、この分野においては、診断薬、治療薬、その他生物活性剤ないし 非活性剤搬送のための、造影性水中油型乳剤を含む標的特異的搬送剤ないし組成 物が強く求められている。 それに基づき、本発明の目的は、改良搬送剤を提供することである。すなわち 、造影剤のような親油性剤または、水溶性薬剤の親油性誘導体を標的組織の細胞 内空間に搬送するのに有効な改良搬送剤、特に標的選択性水中油型乳剤を提供す ることである。 本発明のもう一つの目的は、標的特異的搬送剤、特に肝細胞特異的水中油型乳 剤を提供することである。すなわち、径と生体内分布特性に関してキロミクロン 残渣様の乳剤である。 さらに、本発明のもう一つの目的は、標的特異的水中油型乳剤であるが、長期 保存と、熱に対してきわめて安定であるために加熱滅菌が可能である乳剤を提供 することである。 本発明のさらにもう一つの目的は、キロミクロン残渣様で、長期保存と熱に安 定で、実質的にリポソーム混入の見られない標的特異的水中油型乳剤の調製法を 提供することである。 発明の要約 本発明は、水中油型合成乳剤であって、生体内在性リポ蛋白と類似しており、 それによって、生体の自然の脂質輸送系を利用しようとするものであるが、これ により前記およびその他の目的が達成される。本発明の水中油型乳剤は、標的選 択性搬送剤として有用である。個別の実施態様において、この水中油型乳剤は、 キロミクロン残渣をシミュレートし、それによって、乳剤の脂質核、または、周 囲の単層のいずれかに挿入された親油性ないし両親媒性化合物を、受容体を介し た経路を経て肝細胞に選択的に輸送する。ここで用いる「受容体を介した」とは 、本発明の水中油型乳剤の代謝が、自然のキロミクロン残渣の取り込みと排出を そのままなぞることを意味する。 自然の脂質輸送系を簡単に要約すると、脂質は、血漿中を主に遊離脂肪酸、ト リグリセリド、コレステロールエステルの形で輸送される。遊離脂肪酸は、血漿 アルブミンとの複合体として輸送されるが、一方トリグリセリドとコレステロー ルエステルは、血漿リポ蛋白の親油性核中に取り込まれて運ばれる。血漿リポ蛋 白の表面は、リン脂質、コレステロール、および、アポリポ蛋白という名で呼ば れる特定の蛋白から成る単分子層でできている。この蛋白は、特定の標的におい て特定の脂質の出入りを調節している。食物由来のコレステロールとトリグリセ リドは、小腸で吸収され、キロミクロンに取り込まれ、次いでこのキロミクロン が胸管に分泌されてその中を運ばれて最後に循環系に達する。一旦循環系に入る と、循環する高密度リポ蛋白のうちからアポ蛋白C−IIがキロミクロンに急速に 積換えられるされる。一旦アポ蛋白C−IIと一緒になると、このキロミクロンは いくつかの末梢組織において、例えば、脂肪、筋(骨格筋と心筋)や肺のような 組織の毛細血管床で、リポ蛋白リパーゼの作用を受ける。リポ蛋白リパーゼは核 のトリグリセリドの大部分を加水分解して、グリセロールと遊離脂肪酸に変える が、その生成物の大部分は組織に取り込まれ、貯蔵または酸化される。残余のト リグリセリドを欠いたキロミクロンは、キロミクロン残渣と呼ばれるが、これは もはやトリグリセリドをあまり含有せず、主要脂質成分としてはコレステロール エステルを、主なアポ蛋白成分としてはアポ蛋白B(APO B)とアポ蛋白E(Ap o E)を含有するようになる。 キロミクロン残渣は、肝臓によって、Apo BとApo Eを認識する受容体を介し た過程を通じて、循環系から急速に排除される。肝臓外組織においてはリポ蛋白 リパーゼが、血漿トリグリセリドの加水分解にあずかる酵素であるが、肝臓での トリグリセリドの加水分解とその残渣の肝細胞による取り込みには肝臓トリグリ セリドリパーゼがあずかる。肝臓による循環系からのキロミクロン残渣の排除は 、クッパー細胞(非実質細胞)ではなく、主に肝細胞(実質細胞)によって行な われる。 したがって、本発明の水中油型合成乳剤は、Apo BやApo Eのような血漿アポ 蛋白と結合するよう設計されたものであり、これによって「肝細胞選択的」とな るようにしたものである。本発明の水中油型乳剤は、「肝細胞特異的」に対し、 「肝細胞選択的」と名づけることにする。なぜなら、前者は、定義なしにこの分 野で従来用いられているからである。 しかしながら、Apo E結合を実現するには、油相粒子は適正な径と組成を持っ ていなければならず、また、滅菌後、および・または、保存期間を通じて適正な 径を保持していなければならない。本発明によれば、油相粒子の平均粒径は50 から200nmであり(重み付き数)、狭い粒径分布を持つ(50から300n m)。すなわち、この分布において、この範囲から外れた直径を有する(すなわ ち、径が300nmを越える)粒子は2%以下である。この乳剤において直径1 μmを越える粒子が検出されてはならない。さらに、乳剤にはリポソーム混入し ていてはならない。 上記に加えて、この組成は、重量にして5%までのステロール、好ましくはコ レステロールを含んでいなければならない。これは乳剤を安定化させ、Apo Eと の結合を容易にするためであるが、ヨウ化トリグリセリドの肝細胞選択的輸送の ためには、0.4から0.5%(w/v、重量/容量比)の範囲にあることが望ま しい。本発明の好ましい実施態様によれば、乳化剤に対するコレステロールのモ ル比が、粒径および粒子の形状安定に直接影響することが判明した。なお、乳化 剤は、リン脂質を用いるが、天然のものでも、合成でも、半合成でもどれでもよ い。キロミクロン残渣を上手に模倣する乳剤を得るためには、リン脂質に対する コレステロールのモル比は、できれば0.05から0.70の範囲にあることが 好ましく、特に、ヨウ化トリグリセリドの肝細胞選択的輸送のためには0.40 であることが望ましい。 ここで用いる「肝細胞選択性」とは、注入後30分時において、%用量/臓器 値(下記の実施例2参照)と、胆汁クリアランスと排除曲線(第11図、および 、13−16図参照)に基づいて、肝臓と脾臓の取り込み量比を求めた時、その 比が>4:1になった時に実証されるものである。肝細胞、および、それを取り 巻 く類洞空間の解剖的特徴を記載する科学文献総体を勘案すれば、約300nmを 越える径を持つ粒子は、肝細胞の表面に達することができない。肝細胞選択的搬 送剤は、主に化合物を標的組織の細胞内に輸送するものであって、細胞表面(細 胞外)や、細胞間の類洞に非特異的に組成物を輸送することはほとんどない(第 17、18図参照)。 本発明を組成面からみると、本発明の熱安定性、肝細胞選択的、水中油型合成 乳剤は下記の一般処方を有する。 1.50%(w/v)以下の、親油性核成分、 2.10%以下の乳化剤(w/v)、 3.5%以下のコレステロール(w/v)、 4.5%以下の浸透圧調節剤(w/v)、 5.必要に応じて、5%以下の抗酸化剤(w/v)、および 6.滅菌蒸留水を最終容量まで加える。 本発明の水中油型合成乳剤の親油性核に取り込まれて肝細胞に輸送される薬剤 のタイプは、親油性および/または両親媒性化合物であって、この化合物は生物 活性があっても不活性であってもよい。親油性核成分は乳剤の最大で50%を占 めるが、約10%と30%の間であることが望ましい。この親油性核は、水中油 型乳剤の親油性核に局在できる製薬学的に不活性な非極性液体からなり、製薬学 的に受容可能な油脂ならば何でもよく、天然のものでも合成のものでも半合成の ものでもよい。特定の例としては、トリグリセリド類、実例としては、高純度の 天然トリグリセリドであるトリオレイン(シグマ化学、セントルイス、ミズーリ 州、から入手可能。Sigma Chemical Company,St.Louis,Mo.)、または、動物性 ・植物性の油脂、例えば、大豆油、サフラワー油、綿実油、魚油などが挙げられ るが、これらに限定されるものではない。 その他の好ましい実施態様として親油性核は、診断または治療のために使用で きる親油性活性剤または両親媒性活性剤を含む。診断目的の薬剤としては、ハロ ゲンが安定元素または放射性同位元素のどちらであってもよいハロゲン化トリグ リセリド、例えば、ヨウ化またはフッ化トリグリセリドが挙げられるが、これら に限定されるものではない。 特に好ましい実施態様としては、親油性核は少なくとも1種の薬理学的に不活 性な油と、生体内で活性ないし不活性の薬剤をモル比で0.3から2の範囲で、 さらに好ましくは1:1の割合で含む。できれば各核成分の親油性は脂質成分の 適正な混合を保証する程度であることがよい。 ヨウ化物の実施態様において、この分野において既知のヨウ素含有脂質類を使 用できる。このような脂質類は、グリセロールまたはアルキルエステルの形でヨ ウ化脂肪酸を含む。しかしながら、特に好ましい実施態様においては、ヨウ素含 有脂質類は純度のわかった合成芳香族化合物で、ヨウ素結合を分解しようとする 生体内作用に対して安定なものである。本発明を実施する上において有用な、放 射性・非放射性ハロゲン化トリグリセリドの実例としては、1989年10月1 0日発行米国特許No.4,873,075、1990年9月18日発行米国特 許No.4,957,729、および、1992年3月3日発行米国特許No. 5,093,043記載のタイプのヨウ化トリグリセリドが挙げられるが、これ らに限定されるものではない。ヨウ化トリグリセリドの実例としては、2−オレ オイルグリセロール−1,3−ビス[7−(3−アミノ−2,4,6−トリヨー ドフェニル)ヘプタノエート](2-oleoylglycerol-1,3-bis[7-(3-amino-2,4,6 -triiodophenyl)hepatanoate](DHOG)、および、2−オレオイルグリセロ ール−1,3−ビス[4−(3−アミノ−2,4,6−トリヨードフェニル)ブ タノエート](2-oleoylglycerol-1,3-bis[4-(3- amino-2,4,6-triiodophenyl )butanoate](DBOG)が挙げられる。 臨床的には、現在市販の走査装置でもっとも頻繁に使用されるヨウ素放射性同 位元素は122I、123I、125Iおよび131Iである。もちろん、この分野において はよく知られているように、131I標識のトリグリセリドを治療目的に使用して も よい。ヨウ素のどのような放射性同位元素も、本発明の考慮の中にある。全ヨウ 素同位元素のリストについては、「化学・物理学ハンドブック」B−303−B −305の頁、38版、CRCプレス、1977−1978(Handbook of Chem istry and Physics,38th edition,CRC Press,1977-1978)に記載されている 。なお、127Iは天然に見られる安定同位元素であり、「放射性」とは見なされ ない。 フッ化物の実施態様として、特定の実例を挙げるならば、前述のヨウ化トリグ リセリドに類似の、安定ないし放射性(19F)フッ化トリグリセリド、例えば、 グリセリル−2−オレオイル−1,3−ビス(トリフルオロメチル)フェニルア セテート(glyceryl-2-oleoyl-1,3-bis(trifluoromethyl)phenyl acetate)が ある。本発明のまた別の態様として、フッ素含有脂質類は、パーフルオロ−t− ブチル含有脂肪酸化合物のエステル類またはトリグリセリド類、例えば、米国特 許No.5,116,599およびNo.5,234,680に記載されている もの、実例を挙げれば、7,7,7−トリフルオロ−6,6−ビス(トリフルオ ロメチル)−ヘプタン酸(7,7,7-trifluoro-6,6-bis(trifluoromethyl)-hepaton ic acid)や、8,8,8−トリフルオロ−7,7−ビス(トリフルオロメチル )−オクタン酸(8,8,8-trifluoro-7,7-bis(trifluoromethyl)-octanoic acid) がある。もちろん、これらの実例は、本発明を実行する際に使用するのが相応し い親油性または両親媒性フッ化化合物の多くの特定の実例の中から、単に例示の ために挙げたものであって、いかなる点においても排除的限定的意味を持つもの ではない。 本発明のさらに別の態様として、生物活性剤は、臭素添加化合物、例えば、脂 肪酸の臭化エチルエステル類、または、モノ臭化パーフルオロカーボン類であっ てもよい。 本発明の、水中油型合成乳剤の親油性核に含まれる可能性のある治療薬として は、オリゴヌクレオチドや核酸の親油性誘導体、または、抗癌剤の親油性および /または両親媒性誘導体、例えば、メトトレキセート、マイトマイシンC、フル オロデオキシウリジン、または、ドキソルビシンのエステル類がある。 非極性親油性核を取り巻く単分子層は、約10%以下の極性脂質単分子成分か らなるが、これは乳化剤でもよい。本発明の実施に使用するには、天然、合成、 または、半合成のリン脂質が好適である。従来の生物活性剤搬送用の脂質乳剤に おいては、天然のリン脂質、例えば、大豆レシチンや卵ホスファチジルコリン( 例えば、イントラリピド)が用いられている。本発明の好ましい実施態様におい ては乳剤成分は起源、純度、相対濃度のわかった合成、半合成および/または、 天然の成分である。従来方式の乳剤においては、卵レシチン(リン脂質の混合物 )、および・または、未精製油(綿実、ケシなど)を不適正に使用すると、変動 しやすい再現性のない組成物ができることがある。 特に好ましい態様においては、ジオレオイルホスファチジルコリン(dioleoyl phosphatidylcholine,DOPC)を、乳化剤、すなわち、単分子層表面活性剤 として用いる。DOPCは、半合成の化学的に定義された高純度のリン脂質乳化 剤である(アバンティ・ポーラー・リピド、アラバスター、アラバマ州、Avanti Polar Lipids,Alabaster,AL から入手できる)。もちろん、非経口投与に使 用できる他の表面活性剤をもって、この極性液体単分子層成分の全部または一部 を代替してもよい。天然のリン脂質が有利である。なぜなら、これらのリン脂質 は、アポリポ蛋白と相互作用を持つ可能性が高く、かつ、適当な転移温度を持っ ている、すなわち、生理的温度ではこれらのリン脂質は液状だからである。 乳剤のオスモル濃度は、5%以下の浸透圧調節剤、例えば、USPグリセロー ルやグルコースによって400−500mOsm/kg に調節される。本発明の水中油 型乳剤は、血液とほぼ等張の搬送剤を提供する。これは、従来もっともよく使用 されるイオン性造影剤と好対照をなす。すなわち、従来の造影剤は血液よりも3 から5倍もオスモル濃度が高いので、注入部位に痛みや組織傷害を引き起こすこ とがあった。 この乳剤処方の中の残余のものは、バルク相、すなわち、水相から成る。本発 明の好ましい実施態様を実行する場合、水相は、非経口的投与に相応しい等級の 滅菌水である。例えば0.9%生理食塩水を用て、水相に食塩(NaCl)が含まれて いると、得られる乳剤の平均粒径は、食塩無添加乳剤のものの2倍もの大きさに なる。さらに、処方中に食塩が含まれていると、オートクレーブ殺菌後の乳剤の 時間的安定性に悪影響を及ぼすばかりか、本乳剤が平均粒径に大きな変化を起こ すことなくオートクレーブ殺菌に耐えることができるという能力に悪影響を及ぼ す。 NaClに加えてさらに非経口乳剤処方の場合しばしばpH調節剤が用いられる。 例えば、NaOHや、大抵の水性バッファーのナトリウム塩がそれであるが、これら は、バルク相に過量のナトリウム・イオンを導入する。これらの薬剤は、粒径、 安定性および耐オートクレーブ性に対し有害作用をおよぼすことが判明している 。 その他の通例の添加物、例えば抗酸化剤類、バッファー類、防腐剤類、粘度調 節剤類などを組成の中に含めてもよい。特に、5%w/v 以下の抗酸化剤、例えば 、α−トコフェロール、フラビノイド類、BHTやBHAの添加は望ましい。し かしながら、添加剤は、この乳剤の物理的特性、例えば、粒径、長期保存安定性 や熱安定性を損なうものであってはならない。 本発明の、水中油型乳剤を処方するのに用いられる方法は、小粒径、径の均一 分布、リポソーム混入のないことを実現する上で重要である。これらの性質は皆 、肝細胞選択性と熱安定性に貢献する。 本発明の製法に関わる方法によれば、非極性核脂質、極性脂質乳化剤、および 、その他の親油性成分(生物活性剤または不活性剤等)を含む水中油型乳剤の親 油性成分を混合し、予備混合脂質相を形成する。水溶液成分を混合してからこれ を先の予備混合脂質相に加える。予備混合脂質相と水溶液成分とをホモジネート し、水中油型粗製乳剤を形成する。この水中油型粗製乳剤を超高エネルギー乳化 処理にかけ、油相の平均粒径が50から200nmで、粒子の98%以上が30 0nm未満である水中油型乳剤を形成する。本発明の好ましい実施態様において は、この水中油型微細乳剤を次にフィルターでろ過する。 本発明の好ましい製法においては、脂質成分は最初に高速ミキサー、例えば、 ポリトロンホモジナイザー(Polytron homogenizer)(キネマチカ社、ルツェル ン、スイス、Kinematica GmbH,Lucerne,Switzerland)、または、ウルトラツ ーラックス(Ultra Turrax)、(イカ・ワークス、シンシナチ、オハイオ州、IK A-Works,Cincinati,OH)を用いて混合ないしホモジネートする。操作は12,5 00rpm、55℃で、少なくとも5分間行なう。次に、水溶液成分を、この本 格混合前の脂質成分に加え、同一ないし類似条件で、高速混合または25,00 0rpmでホモジネートして乳化前処理し粗製乳剤を形成する。最終処理は超高 エネルギー混合装置、例えば、ミクロフルイダイザー(Microfluidizer)高速ホ モジナイザー(モデル110S、ミクロフルイズ社、ニュートン、マサチューセ ッツ州、Model 110S、Microfluids Corp.,Newton,MA、米国特許No.4,5 33,254参照)、または、それと等価の装置、例えば、エマルジフレックス (Emulsiflex)(アベスチン社、オタワ、オンタリオ州、カナダ、Avestin Inc. ,Ottawa,Onatario,Canada)や、マントン−ゴーリン(Manton-Gaulin)(A PVゴーリン・ラニー、セント・ポール、APV Gaulin Rannie,St.Paul,MN)を 用いて行なう。操作は、再循環モードで、30−60℃で、10,000から3 0,000psi、好ましくは、約12,500−18,200psiで、約2 0分以下で行なう。処理後、乳剤を滅菌0.45μm フィルターと0.22μ mフィルターを連続的に通過させる。この連続濾過により大きい粒子を除去する と共に、乳剤を部分的に滅菌する。 高エネルギー混合の際の温度は例示的なものであって、実際には生物活性剤に 相応しいものを選ばなければならない。言い換えればこの温度は生物活性剤の転 移点あるいは融点温度以上でなければならない。一方、上限はその温度で組成中 の何らかの成分の変性または分解が起こるかどうかで決められる。 超高圧ホモジェナイザーを使用すると粒径分布の狭い小粒径が得られるので、 得られる乳剤はキロミクロン残渣にほぼ類似する。乳剤形成のために使用される 従来の装置、例えば、ホモジェナイザー、ソニケーター、ミルおよび震盪装置は 、脂質成分に剪断力を与えるが、超高エネルギー混合装置では乳剤成分に圧力を かけ、小孔を無理矢理通過させることによって粒径を下げる。粒径分布は、ニコ ンプ370ダイナミック・レーザー光線散乱オートコリレーター(Nicomp 370 D ynamic Laser Light Scattering Autocorrelator)(ニコンプ・パーティクル・ サイジング・システムズ社、サンタ・バーバラ、カリフォルニア州、Nicomp Par ticle Sizing Systems,Santa Barbara,CA)、または、同様の装置を用いて測 定することができる。本発明の実施に好適な脂質乳剤は、その平均粒径が、ニコ ンプ個数計量法による測定で、約300nm未満、できれば50から200nm の範囲にあることが好ましい。粒子は、狭い粒径分布を持ち、粒子の約98%が 50から300nmの範囲になければならない。1μmを越える径を持つ粒子が 検出されてはならない。 粒径分布は、最低でも90日の保存期間の間安定でなければならない。ここで 「保存安定性」というのは、乳剤粒径の平均径が、90日の処方後期間において 、15%を越える変化を示さない、またはその保存期間を過ぎた場合でも20% を越える変化を示さないということである。乳剤は室温で2年以下の期間保存で きる。理想的な条件としては、乳剤を4から8℃で窒素雰囲気下にできれば光を 遮蔽して保存する。 好ましい実施態様では、乳剤は、例えば、熱、または冷濾過によって滅菌可能 である。121℃の加圧蒸気に20分間暴露するような標準もしくは間欠オート クレーブ法が、乳剤の粒径分布に悪影響を及ぼしてはならない。ここで用いる「 熱安定性」という用語は、乳剤が標準の加熱滅菌(例えば、121℃の蒸気に2 0分暴露する)を平均粒径分布に大きな変化をこうむらずに耐えることのできる 能力を意味する。本発明の組成・処方工程の重要な特性は、乳剤がオートクレー ブ後も、アポEに結合する能力を保持しているということである。したがって本 発明の微小乳剤を定義するためにここで用いる「熱安定性」という用語は、加 熱滅菌後のアポEに対する結合能力を含む(第3表参照)。 本発明の使用法においては、本発明の造影剤を含む水中油型乳剤は哺乳動物に 投与され、その哺乳動物はその乳剤が標的部位に到達した後X線コンピュータ断 層撮影にかけられる。また別の使用法として他の診断法、例えば、陽子磁気共鳴 画像法(MRI)、19F−MRI、または、シンチグラフィーに好適な生物活性 剤を含む適当な水中油型乳剤を、画像撮影のためおよび/または検出のために投 与してもよい。さらにまた別の使用法として、131I含有トリグリセリドのよう な治療薬を、本発明の水中油型乳剤に載せて標的部位に輸送してもよい。 図面の簡単な説明 付属の図面と一緒に下記の詳細な説明を読むと本発明を理解する助けになる。 その図面は、 第1図は、本発明の水中油型乳剤の、油相粒子の模式図である。 第2図は、一連のフッ化ないしヨウ化トリグリセリド、特に、1,3−ジ置換 トリアシルグリセロール類の製造スキームの例である。この化合物は本発明を実 施するのに好適である。 第3図は、本発明の乳剤について、nmで表わした油相粒径の典型的な分布を 表わすグラフである。粒径は、ニコンプ重み付き個数分析法で測定した。 第4図は、本発明の乳剤について、nmで表わした油相粒径の典型的な分布を 表わすグラフである。粒径は、ニコンプ重み付き強度分析法で測定した。 第5図は、微小乳剤について平均粒径(nm)を表わしたグラフであるが、こ の場合、乳剤は10%(w/v)核脂質(5%トリオレインと5%ヨウ化トリグリ セリド(DHOG)、2.4%(w/v)リン脂質(DPOC)、および、様々な 量のコレステロールを含む)を含むので、リン脂質に対するコレステロールのモ ル比が0.3から0.69の範囲にある。 第6図は、第5図に示した微小乳剤でリン脂質に対するコレステロールのモル 比が0.4であるものについて、平均粒径(nm)を製造後の日数の関数として 表わしたグラフである。 第7図は、第5図に示した微小乳剤で、平均粒径(nm)をオートクレーブに よる蒸気滅菌前後の時間の関数として表わしたグラフである。 第8図は、CT造影剤投与後60分時における、腫瘍ラット(モリス・ヘパト ーマ7777)軸性CT画像(スライス厚3mm)である。造影剤は、本発明に よる水中油型乳剤である。 第9図は、CT造影剤投与後1時間時における、腫瘍ラット(モリス・ヘパト ーマ7777)軸性CT画像(スライス厚3mm)である。造影剤は、本発明に よる水中油型乳剤である。 第10図は、本発明の放射性ヨウ化水中油型乳剤注入後の組織内の濃度(%投 与用量/臓器)を注入後時間の関数として表わした組織内の分布プロフィルのグ ラフであって、(■)は肝臓、(○)は血漿のものである。 第11図は、本発明の放射性ヨウ化水中油型乳剤注入後の糞・尿による放射能 の累積排除を投与用量の%として表わし、これを注入後の時間(時間)の関数と して表わしたグラフである。 第12図は、本発明の放射性ヨウ化水中油型乳剤のボーラス静注後において、 肝臓のCT画像強度を、ハウンスフィールド単位(Hounsfield Units)(HU) による画像強度として表わし、これを、注入後の経過時間(時間)の関数として 表わしたグラフである。 第13−16図は、本発明による水中油型乳剤であるCT造影剤投与後24時 間時において、イヌの肝胆系について得たCT画像である。 第17および18図は、搬送剤(コントロール)または本発明の放射性ヨウ化 トリグリセリド含有水中油型乳剤投与後3時間時における、コントロール動物お よび試験動物の肝臓組織のオートラジオグラフィー顕微鏡図である。 第19図は、本発明の放射性ヨウ化水中油型乳剤の注入後において、放射性ヨ ウ化水中油型乳剤および/またはその代謝産物を、ラットの胆管と尿管に直接挿 入したカニューレを通じて採取し、胆管排出(■)、尿管排出(▼)による累積 排出(%用量)として表わし、かつ、胆汁流量(●)(ml/min)を求め、それら を、該乳剤注入後の時間(分)の関数として表わしたグラフである。 発明の詳細な説明 第1図は、本発明の油相粒子10の模式図である。親油性脂質核12は、乳化 剤とコレステロール13から成る単分子層11によって取り囲まれている。脂質 核は、薬理学的に不活性な脂肪または油、例えばトリグリセリド(例として、ト リオレイン)、および/または、親油性ないし両親媒性、生物活性ないし非活性 薬剤、例えば、放射線剤を含む。単分子層の極性部分(球体14、例えば、燐脂 質乳化剤の極性頭部)は、基質バルクを形成する水相(特に図示せず)に面して おり、一方、単分子層の非極性部分(尾部15)は、脂質核の方に向いている。 本発明の原理にそって輸送される、純粋親油性化合物は、単分子層下部の脂質粒 子の核の中に完全に仕舞いこまれている。一方、親油性成分と疎水性成分の両方 を持つ両親媒性化合物は、核と単分子層の両方と相互作用を持つことによって粒 子中に存在する。例えば、そのような両親媒性薬剤は、長い親油性尾部を持ち、 それによって、疎水性部分を粒子につなぎ止めていることもあろう。この親油性 尾部は、単分子層の燐脂質/コレステロール成分の親油性尾部と相互に交じり合 ったり、または、核の中に伸びることもあろう。第1図にはまた、大きな非晶構 造16が示してある。これは、アポリポ蛋白を表わす。 下記の特定実施例において、本発明の原理に基づいて調製できる、たくさんの 水中油型乳剤の内からいくつかを例示する。 ヨウ素態様: 本発明の実施に特に好適な、放射性ないし非放射性ポリ・ハロゲン化トリグリ セリドの実例は、1989年10月10日発行米国特許No.4,873,07 5、1990年9月18日発行米国特許No.4,957,729、および、1 992年3月3日発行米国特許No.5,093,043に記載されている。こ こに引用することによって、その開示全体をここに含める。前記特許の、ヨウ化 アリール脂肪族トリグリセリド類似体は、下記のトリグリセリドの骨格を持つ。 すなわち、その骨格は3−置換 2,4,6−トリヨードフェニル脂肪鎖(3-su bstituted 2,4,6-triiodophenyl aliphatic chain)またはモノ・ヨウ素フェニ ル脂肪鎖で1,3−ジ置換または1,2,3−トリ置換されている。好ましい実 施態様では、脂肪族鎖はすべて、このトリグリセリド骨格のヨウ化部分に結合し ようと、開放位置にあろうと、天然脂肪酸に見られる型の、飽和ないし不飽和脂 肪族炭化水素鎖である。天然の脂肪酸としては、約4−20個の炭素を含むもの であり、例えば、パルミチン酸(16)、パルミトレイン酸(16:1)、オレ イン酸(18:1)、リノレイン酸(18:2)、アラキドン酸(20:4)な どがある。 個々の実例としては、次のものがあるが、それらに限定されるものではない。 すなわち、グリセリル−2−パルミトイル−1,3−ジ−(3−アミノ−2,4 ,6−トリヨードフェニル)イオパノエートグリセリル−2−パルミトイル−1 ,3−ジ−(3−アミノ−2,4,6−トリヨードフェニル)ドデカノエート( glyceryl-2-palmitoyl-1,3-di-(3-amino-2,4,6-triiodophenyl)iopanoateglycer yl-2-palmitoyl-1,3-di-(3-amino-2,4,6-triiodophenyl)dodecanoate)、グリセ リル−2−パルミトイル−1,3−ジ−(3−アミノ−2,4,6−トリヨード フェニル)アセテート(glyceryl-2-palmitoyl-1,3-di-(3-amino-2,4,6-triiodo phenyl)acetate)、グリセリル−2−パルミトイル−1,3−ジ−(3−アミノ −2,4,6−トリヨードフェニル)プロピオネート(glyceryl-2-palmitoyl-1 ,3-di-(3-amino-2,4,6-triiodophenyl)propionate)、グリセリル−1,2,3 −トリイオパノエート(glyceryl-1,2,3-triiopanoate)、グリセリル−1,2 ,3−トリ−12−(3−アミノ−2,4,6−トリヨードフェニル)ドデカノ エ ート、グリセリル−1,3−ジ−17−(3−アミノ−2,4,6−トリヨード フェニル)ヘプタデカノエート、グリセリル−1,2,3−トリ−3−(3−ア ミノ−2,4,6−トリヨードフェニル)プロピオネート、グリセリロール−2 −パルミトイル−1,3−ジ−15−(p−ヨードフェニル)ペンタデカノエー ト(glyceryl-1,2,3-tri-12-(3-amino-2,4,6-triiodophenyl)dodecanoateglycer yl-1,2,3-tri-3-(3-amino-2,4,6- triiodophenyl)propionateglycerol-2-palmit oyl-1,3-di-15-(p-iodophenyl)pentadecanoate)、グリセリル−2−オレオイル −1,3−ジ−(3−アミノ−2,4,6−トリヨードフェニル)−ブチレート (glyceryl-2-oleoyl-1,3-di-(3-amino-2,4,6-triiodophenyl)butylate)、グリ セリル−2−オレオイル−1,3−ジ−(3−アミノ−2,4,6−トリヨード フェニル)−ペンタノエート、(glyceryl-2-oleoyl-1,3-di-(3-amino-2,4,6-tr iiodophenyl)pentanoate)、グリセリル−2−オレオイル−1,3−ジ−(3− アミノ−2,4,6−トリヨードフェニル)−ヘキサノエート(glyceryl-2-ole oyl-1,3-di-(3-amino-2,4,6-triiodophenyl)hexanoate)、グリセリル−2−オ レオイル−1,3−ジ−(3−アミノ−2,4,6−トリヨードフェニル)−オ クタノエート(glyceryl-2-oleoyl-1,3-di-(3-amino-2,4,6-triiodophenyl)octa noate)、グリセリル−2−オレオイル−1,3−ジ−(3−アミノ−2,4, 6−トリヨードフェニル)−ヘプタノエート(glyceryl-2-oleoyl-1,3-di-(3-am ino-2,4,6-triiodophenyl)heptanoate)、などである。 ここで報告する実験では、ヨウ化トリグリセリドは、この分野で既知の方法に したがって、合成後、ピバリン酸溶解物中で放射性同位元素置換法を用い、12 51によって放射化した。もちろん、ヨウ化トリグリセリド類の放射化、または 、その合成経路における中間産物の一つの放射化は、その分野に習熟した人にと っては既知の、様々なやり方で実行することができる。実施例1: 下記の一般式を持つ、一連のヨウ化トリグリセリド類、特に、表1において化 合物1−7と特定した1,3−二置換トリアシルグリセロール類を、第2図に示 す調製設計に基づいて合成した。 第2図に、本発明の実施に好適な、一連のヨウ化ないしフッ化トリグリセリド 、 特に1,3−二置換トリアシルグリセロール(化合物22)の、一般的反応設計 が示してある。実施例1の実際例では、化合物22は、2−オレオイルグリセロ ール−1,3−ビス−[3−アミノ−2,4,6−トリヨードフェニル)アルカ ノエート類であって、これは、表1では化合物1−7と命名されているものであ る。これは、下記のように、2−モノオレイン(化合物21)を、対応するω− (3−アミノ−2,4,6−トリヨードフェニル)アルカン酸(ω-(3-amino-2, 4,6-triiodophenyl)alkanoic acid)(化合物20)の2当量と結合させて、ジ シクロヘキシルカルボジイミド/4−ジメチルアミノピリジン(DCC/DMA P)の介在の下で合成した。ω−(3−アミノ−2,4,6−トリヨードフェニル)アルカン酸の調製: ω−(3−アミノ−2,4,6−トリヨードフェニル)アルカン酸(化合物2 0)の合成は、既存の文献法(例えば、Weichert,et al.,J.Med.Chem.,Vol.29, p.1674とp.2457(1986)参照)と同様のやり方で行なった。イオパノ酸は市販され ており、シーテーシー・オーガニックス、アトランタ、ジョージャ州(CTC Orga nics,Atlanta,GA)から購入した。2−オレオイルグリセロール−1,3−ビス−[3−アミノ−2,4,6−トリ ヨードフェニル)アルカノエートの調製: 2−モノオレイン(1,2,3−トリヒドロキシプロパン 2−オレエート、 1.0当量)、ω−(3−アミノ−2,4,6−トリヨードフェニル)アルカン 酸(2.05−2.1当量)、および、触媒量のDMAP(0.1当量)を、無 水CH2Cl2(アルコール1mmolに対し5ml)中に投じて急速に撹拌し懸濁させ、 これを、DCC(酸に対して1.1当量)で処理した。得られた混合物を、N2雰 囲気下室温で一晩撹拌し、CH2Cl2で希釈し、濾過してジシクロヘキシル尿素の沈 殿を取り除いた。瀘液を0.5N HCl、飽和 NaHCO3水溶液、H2O で洗い、乾燥し た(MgSO4)。溶媒を減圧蒸発し、残留をカラム・クロマトで精製して、所望の トリアシルグリセロール類を得た。化合物1:2−オレオイルグリセロール−1,3−ビス[2−(3−アミノ−2 ,4,6−トリヨードフェニル)アセテート] 前記の方法にしたがって、2−(3−アミノ−2,4,6−トリヨードフェニ ル)酢酸(1.50g、2.8mmol)、2−モノオレイン(481mg、1.3 5mmol)、および、DMAP(37mg)を無水CH2Cl2(20ml)に懸濁した 混合物をDCC(635mg、3.1mmol)で処理すると、固体残留物(1.5 6g)が得られ、これを、シリカゲル(4.5×30cm)とヘキサン/EtOAc /CHCl3(35:10:5)溶出によるカラム・クロマトで精製し、化合物1を 得た。これは、結晶化の難しいわずかに黄色を帯びた油状体であった。収量60 0mg(32%)。IR(CHCl3)3435、3325(アミン)、2900、 2830(脂肪族 CH)、1730(エステル C=0)cm-11H NMR(270MHz 、CDCl3)、8.05(s、2H、アリール 5-H's)、5.4−5.2(m、3H、CH= CH、グリセロール 2-H)、4.80(s、4H、NH2)、4.32(dd、2H、グリセ ロール OCHAHBCH(O)CHAHBO)、4.24(s、4H、PhCH2's)、4.15(dd、2H 、グリセロール OCHAHBCH(O)CHAHBO)、2.30(m、6H、CH2CO2および =CHCH2 's)、2.0−1.0(m、22H、CH2エンベロープ)、0.88(t、3H、CH3) 。分析(C37H48O6N2I6)C、H.化合物2:2−オレオイルグリセロール−1,3−ビス[3−(3−アミノ−2 ,4,6−トリヨードフェニル)プロピオネート] 前記の方法にしたがって、3−(3−アミノ−2,4,6−トリヨードフェニ ル)プロピオン酸(1.16g、2.1mmol)、2−モノオレイン(356mg 、1.0mmol)、および、DMAP(24mg)を無水CH2Cl2(15ml)に懸 濁した混合物をDCC(444mg、2.15mmol)で処理すると、残留物(1 .50g)が得られ、これを、シリカゲル(4.5×30cm)とヘキサン/Et OAc/CHCl3(16:2:1)溶出によるカラム・クロマトで精製し、化合物2を 得た。これは、結晶化の難しいわずかに黄色を帯びた油状体であった。収量1. 3 0g(92%)。IR(CHCl3)3440、3330(アミン)、2905、2 830(脂肪族 CH)、1732(エステル C=0)cm-11H NMR(270MHz、 CDCl3)8.05(s、2H、アリール 5-H's)、5.4−5.2(m、3H、CH=CH、 グリセロール2-H)、4.83(s、4H、NH2's)、4.34(dd、2H、グリセロ ール OCHAHBCH(O)CHAHBO)、4.15(dd、2H、グリセロール OCHAHBCH(O)CHAHB O)、3.38(dt、4H、PhCH2's)、2.55(dt、4H、OC(O)CH2's)、2. 35(t、6H、オレオイル CH2CO2および =CHCH2's)、1.99(pst、4H、CH2' s)、1.29(m、22H、CH2エンベロープ)、0.88(t、3H、CH3)。分析( C39H52O6N2I6)C、H.化合物3:2−オレオイルグリセロール−1,3−ビス[イオパノエート] 前記の方法にしたがって、イオパノ酸(8.41g、14.7mmol)、2−モ ノオレイン(2.50g、7.0mmol)、および、DMAP(170mg)を無 水 CH2Cl2(70ml)に懸濁したものにDCC(3.33g、16.0mmol) を添加した混合物を約3日間撹拌すると、残留物(12.6g)が得られ、これ を、シリカゲル(10×23cm)とヘキサン/EtOAc/CHCl3(35:10:5 )溶出によるカラム・クロマトで精製し、化合物3を得た。これは、結晶化の難 しいほぼ無色の油状体であった。収量5.37g(53%)。IR(CHCl3)3 4703370(アミン)、2930、2860(脂肪族 CH)、1740(エ ステル C=0)cm-11H NMR(270MHz、CDCl3)、8.07(d、2H、アリー ル 5-H's)、5.32(m、2H、CH=CH)、5.19(m、1H、グリセロール CH) 、4.85(s、4H、NH2)、4.30(m、2H、グリセロール OCHAHBCH(O)CHAHB O)、4.10(m、2H、グリセロール OCHAHBCH(O)CHAHBO)、3.32(dq、4H 、PhCH2's)、2.78(m、2H、イオパノイル CHCO2)、2.28(t、2H、オ レオイル CH2CO2)、2.05(m、4H、アリル性 CH2's)、1.85(m、2H、 イオパノイル CHCHAHBCH3)、1.56(m、2H、イオパノイル CHCHAHBCH3) 、1.4−1.2(m、20H、CH2エンベロープ)、0.88(t、9H、CH3)。分 析(C43H60O6N2I6)C、H.化合物4:2−オレオイルグリセロール−1,3−ビス[4−(3−アミノ−2 ,4,6−トリヨードフェニル)ブタノエート] 前記の方法にしたがって、4−(3−アミノ−2,4,6−トリヨードフェニ ル)ブタン酸(7.00g、12.6mmol)、2−モノオレイン(2.19g、 6.1mmol)、および、DMAP(168mg)を無水CH2Cl2(80ml)に懸 濁したものにDCC(2.85g、13.8mmol)を添加した混合物を約3日間 撹拌すると、残留物(12.5g)が得られ、これを、シリカゲル(10×25 cm)カラムにおいて、最初に1リットルのヘキサン/EtOAc(5:1)、次に ヘキサン/EtOAc/CHCl3(75:15:10)溶出によるカラム・クロマトで精 製し、化合物4を得た。これは、結晶化の難しいわずかに黄色を帯びた油状体で あった。収量5.08g(58%)。IR(CHCl3)3470、3370(アミ ン)、2930、2860(脂肪族 CH)、1740(エステル C=0)cm-11 H NMR(270MHz、CDCl3)、8.04(s、2H、アリール 5-H's)、5.33( m、3H、CH=CH および、グリセロール 2-H)、4.81(s、4H、NH2)、4.3 3(m、2H、グリセロール OCHAHBCH(O)CHAHBO)、4.20(m、2H、グリセロー ル OCHAHBCH(O)CHAHBO)、3.06(m、4H、PhCH2's)、2.48(t、4H)O2C CH2's)、2.33(t、2H、オレエート O2CCH2)、2.00(m、4H、アリル性 CH2's)、1.84(m、4H、PhCH2CH2)、1.26(d、CH2、エンベロープ) 、0.89(t、3H、CH3)。分析(C41H56O6N2I6)C、H.化合物5:2−オレオイルグリセロール−1,3−ビス[5−(3−アミノ−2 ,4,6−トリヨードフェニル)ペンタノエート] 前記の方法にしたがって、5−(3−アミノ−2,4,6−トリヨードフェニ ル)ペンタン酸(1.60g、2.8mmol)、2−モノオレイン(480mg、 1.3mmol)、および、DMAP(50mg)を無水CH2Cl2(45ml)に懸濁 し、約36時間撹拌したものにDCC(635mg、3.1mmol)を添加した。 処置後、残留物(12.5g)が得られ、これを、シリカゲル(4.6×42 cm)とヘキサン/EtOAc/CHCl3(80:15:5)溶出によるカラム・クロマ トで精製し、化合物5を得た。これは、結晶化の難しいわずかに黄色を帯びた油 状体であった。収量1.35g(71%)。IR(CHCl3)3475、3375 (アミン)、2940、2850(脂肪族 CH)、1738(エステル C=0)c m-11H NMR(360MHz、CDCl3)、8.03(s、2H、アリール 5-H's)、5 .26(m、3H、CH=CH および、グリセロール 2-H)、4.79(s、4H、NH2) 、4.31(m、2H、グリセロール OCHAHBCH(O)CHAHBO)、4.16(m、2H、グ リセロール OCHAHBCH(O)CHAHBO)、3.02(m、4H、PhCH2's)、2.43(t 、4H、O2CCH2's)、2.30(t、2H、オレエート O2CCH2)、2.01(m、4H 、アリル性 CH2's)、1.80(m、4H、PhCH2CH2's)、1.62−1.24(m 、CH、エンベロープ)、0.86(t、3H、CH3)。分析(C43H60O6N2I6)C、 H.化合物6:2−オレオイルグリセロール−1,3−ビス[6−(3−アミノ−2 ,4,6−トリヨードフェニル)ヘキサノエート] 前記の方法にしたがって、6−(3−アミノ−2,4,6−トリヨードフェニ ル)ヘキサン酸(2.14g、3.7mmol)、2−モノオレイン(620mg、 1.7mmol)、および、DMAP(70mg)を無水CH2Cl2(45ml)に懸濁 し、約48時間撹拌したものにDCC(801mg、3.9mmol)を添加した。 処置後、残留物(3.26g)が得られ、これを、シリカゲル(3×25cm) とヘキサン/EtOAc/CHCl3(80:15:5)溶出によるカラム・クロマトで精 製し、化合物6を得た。これは、結晶化の難しいわずかに黄色を帯びた油状体で あった。収量2.04g(81%)。IR(CHCl3)3475、3375(アミ ン)、2940、2850(脂肪族 CH)、1738(エステル C=0)cm-11 H NMR(360MHz、CDCl3)、8.03(s、2H、アリール 5-H's)、5.30( m、3H、CH=CH および、グリセロール 2-H)、4.79(s、4H、NH2)、4.3 1(m、2H、グリセロール OCHAHBCH(O)CHAHBO)、4.16(m、2H、グリセロー ルOCHAHBCH(O)CHAHBO)、3.01(m、4H、PhCH2's)、2.34(m、6H、O2CC H2'sおよび オレエート O2CCH2)、2.00(m、4H、アリル性 CH2's)、1. 72(m、4H、PhCH2CH2's)、1.60、1.50、1.27(m、CH2、エンベ ロープ)、0.87(t、3H、CH3)。分析(C45H64O6N2I6)C、H.化合物7:2−オレオイルグリセロール−1,3−ビス[7−(3−アミノ−2 ,4,6−トリヨードフェニル)ヘプタノエート] 前記の方法にしたがって、7−(3−アミノ−2,4,6−トリヨードフェニ ル)ヘプタン酸(10.0g、16.7mmol)、2−モノオレイン(2.83g 、7.9mmol)、および、DMAP(180mg)を無水CH2Cl2(120ml) に懸濁し、約24時間撹拌したものにDCC(3.62g、17.5mmol)を添 加した。処置後、残留物(14.7g)が得られ、これを、シリカゲル(10× 25cm)とヘキサン/EtOAc/CHCl3(80:15:5)溶出によるカラム・ク ロマトで精製し、化合物7を得た。これは、結晶化の難しいわずかに黄色を帯び た油状体であった。収量9.45g(79%)。IR(CHCl3)3450、33 59(アミン)、2915、2840(脂肪族 CH)、1740(エステル C=0 )cm-11H NMR(360MHz、CDCl3)、8.03(s、2H、アリール 5-H's) 、5.30(m、3H、CH=CH および、グリセロール 2-H)、4.79(s、4H、NH2 )、4.31(m、2H、グリセロール OCHAHBCH(O)CHAHBO)、4.16(m、2H 、グリセロール OCHAHBCH(O)CHAHBO)、3.00(m、4H、PhCH2's)、2.32 (m、6H、O2CCH2'sおよび オレエート O2CCH2)、2.00(m、4H、アリル性 C H2's)、1.72(m、4H、PhCH2CH2's)、1.61−1.26(m、CH2、エン ベロープ)、0.88(t、3H、CH3)。分析(C47H68O6N2I6)C、H. 実施例1のヨウ化トリグリセリドを、本発明の処方によって、水中油型乳剤の 脂質核の中に取り込んだ。この方法については、下記の実施例でもっと詳細に説 明する。実施例2: 個別の実際例として、実施例1の化合物7、すなわち、DHOGを、水中油型 乳剤に取り込み、肝細胞選択的CT剤として用いた。一般的処方は下記の通り。 10%(w/v)全脂質 トリオレイン(TO)+DHOG TO:DHOG(w/w)=1:1 2.4%(w/v)燐脂質 DOPC 0.5%(w/v)コレステロール コレステロール:DOPC(モル比)=0.4 5%(w/v)USPグリセロール 0.6%(w/v)α−トコフェロール 滅菌水を基質バルクの水性相として。 実際量で表わすと、前記濃度と比率は次のように書き換えられる。 トリオレイン 500.00mg DHOG 500.00mg DOPCの無水エタノール溶液100mg/ml を 2.40ml コレステロール 47.10mg USPグリセロール 500.00mg α−トコフェロール(コレステロールの直後に添加) 61.90mg 全体を滅菌水で10mlにする。 固相脂質と精製油を秤量し、50mlのガラス管に投入し、次に、DOPCの エタノール液100mg/ml の2.40mlと5mlの酢酸エチルを添加した。溶 媒を、回転蒸発装置により、40℃で約10分間減圧蒸発させて除去した。ガラ ス管を蒸発装置から下ろし、500.0mgのトリオレインをDOPCの上部に 加えた。次に、47.10mgのコレステロールを、DOPC/TOの混合物に 加えた。次に、500mgのDHOGをこの脂質混合物に加えた。最後に、約3 mlのCHCl3をガラス管に加え、脂質同士が完全に混合するのを助けた。エタノ ール、酢酸エチル、または、クロロホルムのような有機溶媒は、親油性、疎油性 、または、両親媒性成分を乳剤に導入するのに必要なときにのみ用いた。 脂質の、管の壁に付着したものは、酢酸エチル:エタノール(2:1)液1m lで洗い、管を回転蒸発装置に戻し、40℃で約30分間減圧蒸発させて溶媒を 除去した。この回転蒸発装置を、さらに40−45分間、高真空度ラインに接続 した。 この脂質混合物に、グリセロールの500mg分液を加えた。この成分を、窒 素ガス流体の下においてポリトロンで処理した。この混合物の最初の乳化は、5 5℃未満で、5分間12,500rpm で行ない、次に、水相(約6mlの滅菌水 )を加えた。この水を添加した後、ポリトロンを用い、乳剤を、5分間フルスピ ード(25,000rpm)で処理した。動力器から取り出した乳剤を、小量の滅 菌水ですすぎ、内容物を、気密注射筒に移した。滅菌水を加えて、最終容量10 mlの乳剤を得た。 この乳剤を、ミクロフルーダイザー110Sの標本槽に移し、連続通過モード 下、34−36℃で、10分間14,700psi で処理した。処理後の乳剤を装 置から集め、0.45μmアクロディスク(Arodisc)フィルターで濾過し、さ らに、0.22μmアクロディスク滅菌フィルターで濾過し、滅菌した多数回投 与用瓶に直接導いた。この瓶を室温で一晩保存し、粒径測定に用いた。 本発明によれば、油相粒子の平均直径は、50と200nmの間にあり(計量 数)、しかも、その分布は狭い。すなわち、前記の範囲(すなわち、300nm を越えるもの)から外れる径を持つ粒子は2%以下である。本発明の乳剤の粒径 分布の典型例を第3図(ニコンプ重み付き個数分析法)と、第4図(ニコンプ重 み付き強度分析法)に示す。粒子のほとんどが存在し有している直径(個数計量 )のみならず、大きな粒子の、少量ではあるが重要な数の存在(強度計量)を決 定 することができるように、データはニコンプ強度およびニコンプ個数重み付き形 式の両方で示す。分布において、1μmを越える粒子があってはならない。また 、乳剤は、極小量以上のリポソームを含んでいてはならない。 乳化剤(この場合はDOPC)に対するコレステロールのモル比は、直接粒径 に影響する。キロミクロン残留物をそのままなぞる乳剤を得るためには、燐脂質 に対するコレステロールのモル比は0.05から0.70の範囲にあることが好 ましく、特に、第5図、第6図に例示するように、ヨウ化トリグリセリドを肝細 胞選択的に輸送するには、0.40であることが望ましい。 第5図は、10%トリグリセリド乳剤について平均粒径(nm)を表わしたグ ラフであるが、この場合、乳剤は、5%(w/v)トリオレインと5%(w/v)ヨウ 化トリグリセリド(DHOG)、2.4%(w/v)燐脂質(DPOC)、および 、様々な量のコレステロールを含むので、燐脂質に対するコレステロールのモル 比が0.3から0.69の範囲に広がる。モル比0.4の微小乳剤は、ここで示 した中でもっとも小さい平均粒径(202.4nm)を持ち、その他の微小乳剤 の粒径も受容可能であった。 第6図は、10%乳剤で、平均粒径(nm)を、処方後の時間(日数)の関数 として表わしたグラフであって、この乳剤は、5%トリオレインと5%ヨウ化ト リグリセリド(DHOG)、2.4%(w/v)燐脂質、および、様々な量のコレ ステロールを含む。第6図において、燐脂質に対するコレステロールのモル比が 0.4("*")である微小乳剤は、90日の試験期間にわたって保存安定性を示 したが、コレステロールを含まない微小乳剤("■")や、燐脂質に対するコレス テロールのモル比が0.1である("◇")ものでは保存安定性がなかった。この ように、適当な量のコレステロールは保存安定性に寄与している。 コレステロールはさらに単分子層を安定化し、加熱滅菌後の直径変化を起こり にくくする。第7図は、実施例2の乳剤について、平均粒径(nm)を、オート クレーブによる蒸気滅菌前後の時間の関数として表わしたグラフである。データ は、重み付き強度計量法、重み付き個数計量法の両方で表わしてある。コレステ ロール無しで調製した乳剤は、オートクレーブ滅菌に耐えられなかった。実施例3: 生体内分布試験 実施例1(第1表参照)のヨウ化トリグリセリド化合物の放射性乳剤を、実施 例2に記載した方法を用いて調製した。この微小乳剤を、正常の、雌の、スプレ イグ・ドーリー(Sprague-Dawley)ラットに、25−45mgI/kg体重の放射線量 で静注(尾静脈)し、生体内分布試験に供した。注入後、様々な時点において( 30分、3時間、および、24時間)、動物を屠殺し、適当な組織を取り出し、 血液を洗い流し、放射能を分析した。肝臓、脾臓、血液における、器官当りの投 与用量%±SEM数値(各動物n=3の実際の臓器重量に基づく、また、血液に ついては、全体重の%を文献値から求めた)を第2表に載せる。腎、肺、骨髄、 卵巣、副腎、甲状腺、心臓、脂肪、および、筋を含むその他の組織は、一般に、 低レベルの放射能しか含んでいなかった。 7個の類似体のいずれも、第2表に掲げる組織分布結果から明らかなように、 高度の肝特異性を示した。注入用量の放射能の65から78%が、投与30分後 に肝臓に局在した。3時間では、放射能の46から93%が肝臓に存在した。3 時間時における肝臓対血液比は、組織1g当りの注入用量の計算に基づくと、1 1から400の範囲にあった。長鎖類似体(化合物5−7)は、ある程度の代謝 を受け、3時間までに肝臓から排出された。一方、短鎖類似体(化合物1−4) の方は生体内代謝や、肝からの排出に対してより抵抗性が高いようであった。こ れは、24時間時に比べて、3時間時における肝放射能の減少が比較的少ないこ とから明らかである。したがって、肝臓による摂取は、主に、乳剤搬送剤の性質 に依存するが、打ち込まれたトリグリセリド類似体がその後肝臓で代謝され、排 出されるのは、少なくともその一部は、アルキル鎖の長さを含む、そのトリグリ セリドの化学的構造によって左右されるのであろう。短鎖類似体が比較的生体内 変性に対して抵抗力が強いのは、一部は、肝リパーゼ、リソームの酸性ヒドロラ ーゼの、あまり有効な基質ではないためである。 生体内画像試験 化合物3および7を含む水中油型乳剤を、20から70mgI/kg 体重の用量レ ベルで、正常ラットと腫瘍ラット(モリス・ヘパトーマ7777)に投与し、C T評価を行なった。腫瘍の形態的特徴は、、肉眼病理解剖検査によって検証した 。 正常ラットにおいては、両化合物とも、肝臓に急速に取り込まれたので、肝臓 濃度は、58HUの平均基礎値から、60分までにはほぼ100HUまで増加し た。化合物7(DHOG)では、3時間後にはCT濃度が減少し始めたが、立体 障害を受けた化合物3においては高濃度のままであった。化合物3においては、 24時間後には、肝臓濃度はやや減少しただけだが、化合物7ではほぼ基礎値に 戻った。 直径1から15mmの範囲を持つ、低濃度性肝臓腫瘍の存在は、腫瘍ラット (モリス・ヘパトーマ7777)のCT試験ですぐに検出することができた。ピ ーク肝臓濃度は、化合物7では2時間まで持続したが、化合物3では24時間以 上持続した。いずれの場合も、画像特性は、コントロールの尿路造影剤(オムニ パック300、サノフィ/ウィンスロップ、ニューヨーク、ニューヨーク州、Om nipaque 300、Sanofi/Winthrop、New York,NY、600mgI/kg 体重の用量で)投 与後に観察されたものと、同等以上であった。しかも、本発明の造影剤は、1/ 10未満のヨウ素用量でこの画像を造りだしたのである。 第8図は、実施例2の組成物投与後60分のときにおける、一匹の腫瘍ラット の、軸性CT画像(スライス厚3mm)である。腫瘍細胞は、肝細胞とは生理的 にはっきりと異なるので、腫瘍細胞は強調されず、強調される肝細胞に比べて低 濃度に見える。この対比差により、小さな障害部位の特定と位置決めがさらに簡 単になる。この特定例では、腫瘍の直径は4mmである。第9図は、投与後1時 間時における、別の腫瘍ラットの軸性CT画像である。2個の腫瘍の存在がはっ きりと示されている。左の腫瘍は、直径10mm、右のものは6mmである。 代謝/排出試験 下記に記載する組織分布/排出試験には、実施例2に従って調製した脂質乳剤 (全核脂質含量10%)を用いた。絶食させた、雌のスプレイグ・ドーリー・ラ ットに、放射性(125I−ITG)乳剤を、25−35mg I/kg の用量で、尾静 脈静注によって投与した。13個の組織における放射能量を、注入後の時間の関 数として求めた。結果を第10図に示す。すなわち、この図は、肝および血漿中 の組織内生分布を表わすグラフである。組織内の濃度を器官当りの投与用量の% として(平均±SEM)表わし、注入後の時間(時間)の関数としてプロットし た。(■)は肝臓、(○)は血漿のものである。 第10図から明らかなように、雌ラットを使った組織内分布試験においても、 ITGの優れた肝臓選択輸送性が観察された。注入後30分で、全用量の65% 以上が肝臓に蓄積した。その他の臓器は、通常、注入用量の2%未満しか含んで いなかった。もっとも脾臓には、全用量のほぼ12%が蓄積した。24時間まで には、注入用量の5%未満が肝臓に残っているだけであった。 さらに、放射性(125I−ITG)乳剤を雌ラットに投与し、その後ラットを 代謝ケージに9日間入れた。糞と尿を毎日収集し、その放射能を測定した。第1 1図に、%投与用量で表わした、糞および尿による放射能累積排出量を、放射性 乳剤注入後の時間(日数)の関数としてプロットした。第11図において、各線 のマークは以下の通り。糞による排出と尿による排出とを加えたもの(■)、糞 による排出(○)、尿による排出(▼)。排出試験の成績から、ITGの大部分 は肝臓によって代謝され、胆管を通じで排出されるのは明らかである。糞による 排出は、全排出量のちょうど80%を越えた量であるが、尿による排出は、全体 排出量の20%に満たない。全部を合わせると、注入量の94%を越えるものが 実験の終了時に回収され、80%を越えるものが2日目までに排出された。 本発明の水中油型乳剤の、組織選択性CT画像性能を評価するために、絶食さ せた、一匹の雌イヌについて、実施例2の乳剤の団塊投与後24時間まで各時点 で画像撮影を行なった。強調された肝臓像は、ラットで観察された組織分布像と 類似していた。第12図は、肝臓のCT画像強度(HU)を、注入後の時間(時 間)の関数としてプロットしたグラフである。第12図で明らかなように、肝臓 画面の強調は、投与後60分までに最大値に向かって上昇し、2時間まで高いレ ベルに留まっていた。しかしながら、注入後24時間までに、肝臓の画像強度は 、造影剤注入前の値に戻った。胆嚢画像の強度は、時間と共に単調に増加し、注 入後24時間では、CT強度は、造影剤注入前の値よりも642%増加した。第 12図にプロットした数値は、肝臓の3回の連続スキャンから得た10−15R OI測定の平均±SEMを表わす。すべてのスキャンについてスライス厚は5m mであった。 第13−16図は、投与後24時間時におけるCT画像である。第13図では 、左上隅の胆嚢が非常に強調されている。第14図は、ほぼ同じ時間に、同じ動 物 の、解剖学的にさらに低いレベルで取った画像を表わす。胆嚢が最大径を示し、 非常に強調されている。コレシストキニンをこのイヌに投与し、胆嚢を空にさせ た。第15図は、コレストキニン投与5分後に得られた画像である。今度は、胆 嚢管と総胆管が不透過になっている。第16図は、同じイヌで、コレシストキニ ン投与20分後で見たさらに低いレベルのスライスである。対比強調は、今度は 、腸管に局在する。肝細胞から胆汁に排出された物質は集められ、胆嚢で濃縮さ れる。したがって、肝細胞で処理され、胆汁に排出されたDHOGおよび/また は、その代謝産物は胆嚢に蓄積する。本発明の水中油型乳剤に溶解させたDHO Gの投与後、肝組織と胆汁系の両方が、CT画像において強調された。 この生体内分布試験によって、標的組織特異性が優れること、ならびに、注入 用量の大部分が肝臓に局在することが明らかになった。代謝性クリアランス試験 のデータからは、ITGが肝細胞に輸送されることが示された。なぜなら、注入 用量の80%以上が、胆汁を通じて糞の中に速やかに排出されたからである。肝 細胞への集中性は、CT画像試験でも確かめられた。すなわち、胆嚢の内容が、 時間と共に画像強度を驚くほど増した。これは、ITGが胆嚢の胆汁に蓄積した ためである。 本発明の乳剤の肝細胞選択性は、肝・胆系の画像撮影に好適である。したがっ て、この乳剤の使用は、肝臓リパーゼやリソーム酸性リパーゼの作用に影響を及 ぼす病気の診断、および/または、治療に特に有利である。そのような病気には 、例えば、糖尿病、癌、硬変、アルコール中毒、一次肝臓癌・転移肝臓癌、肝炎 、胆嚢炎、閉塞性黄疸、肝臓移植機能評価、繊維肝、脂肪肝、その他いろいろあ る。 前記に加え、本発明の乳剤の使用は、腎疾患に悩む患者の診断、および/また は、治療に特に好ましい。乳剤の肝細胞選択性、ならびに、その結果、前述した ように、肝細胞から選択的に胆汁に排出されることにより、投与薬に対する暴露 から腎臓が守られる。しかも、この投与薬は、ある場合には、ヨー化トリグリセ リドであるかもしれない。現在入手可能な水溶性X線造影剤は、一般に、腎臓に よって急速に体外に排除される。これら既知の薬剤の多くは、腎毒性を引き起こ す。これは、基礎疾患として腎臓病を持っている患者にとってはさらに重大な問 題となる。 さらに、本発明の乳剤の大きさ、安定性、形は、糸球体濾過によっては排除さ れない程度のものであり、また、腎の排出機構のいずれにも有利な性質を持って いない。この化合物類は、主に血管プール内に存在し、周囲の腎細胞間空間に拡 散しない。したがって、血液プール診断薬としても機能する。これによってさら に、この化合物が肝臓によって排出される間、血管漏洩を通じて腎臓組織に暴露 されることが少なくなる。腎臓の実質組織への暴露はさらに次のようにしても回 避される。すなわち、この化合物は血管床に包まれているので、腎臓の実質組織 細胞に接触することがない。実施例4: 比較のために、水中油型乳剤を、超音波微粒子法(処方4a)、ポリトロンに よる高速混合法プラス超音波微粒子法(処方4b)によって調製した。処方4a 、4bの成分は下記の通り。 トリオレイン 500.0mg DHOG 506.6mg DOPCのCHCl3溶液100mg/ml を 2.40ml コレステロール 47.1mg USPグリセロール 500.00mg α−トコフェロール 11.9mg 全体を滅菌水で10mlにする。 処方4a: 溶媒、特に、CHCl3に溶解した100mg/ml DOPC2.40mlをコーレッ クス管に加えた。溶媒を窒素雰囲気下に蒸発させ、管の底部に残留が形成するま で続けた。500mgのトリオレインをDOPCの上層に加え、47.1mgの コレステロールを、DOPC/TOの混合物に加えた。抗酸化剤として、α−ト コフェロールを、コレステロールの後に加えた。 別の小さなガラス瓶中で、506.6mgのDHOGを、パーオキシド非含有 エーテルに溶解し、コーレックス管の脂質混合物に定量的に加えた。この管にさ らにエーテルを加え、脂質同士が完全に混合するのを助けた。この脂質を、窒素 ガスの流体下、ゆるやかに加熱しながら、エーテルを飛ばした。エーテルのほと んどが飛び去ってから、混合物を、小量の追加のエーテル中に再懸濁し、気密な ハミルトン注射筒に移した。コーレックス管をエーテルですすぎ、その洗水を注 射筒の中味に加えた。全部で約5ml容量が得られた。この内、2mlが実際の 脂質成分であった。 この注射筒をシリンジ・ポンプに接続し、内容物を、0.57ml/minの一定速 度で輸送するようにセットした。滅菌水に溶解した無水グリセロール約 5.0 mlを、ストッパー付きガラス瓶に入れ、マグネット撹拌棒を用いて、加熱プレ ートの上に置いた溶液を混ぜ合わせた。グリセロール水溶液の温度が 37−4 0℃になったら、脂質を、ポリエチレン管を通じて、この瓶に加えた。瓶に針で 穴を開け、窒素ガスの流れに暴露した。0.57ml/minという特定の流速で、脂 質の添加が約10分間行なわれた。定常に撹拌を続けると、粗製乳剤が形成され た。エーテルの痕跡が完全に消失した後、注射筒からの管を外し、瓶を窒素雰囲 気下で密封した。密封した乳剤を、定速で、はげしく撹拌しながら、37−40 ℃で1時間混合した。 この粗製乳剤を、瓶から気密注射筒に移し、瓶は、小量の無水グリセロールで 2度すすいだ。この乳剤と洗水を、注射筒の中で混ぜ合わせた。無水グリセロー ルを加え、最終的に10.0mlの容量を得た。乳剤は、反転によって、注射筒 中で直接混合した。 この乳剤を、二つの、別々の、5mlずつの等量分液に分けた。5ml分液の 一方は、超音波微粒子法によって乳化した。この粗製乳剤を室温で水浴に入れ、 その浴中に超音波装置の振動子を浸した。超音波装置は、出力を6に合わせ、5 分間連続モードで作動するようにセットした。この設定では、超音波装置の指針 計器上で70−80%の出力が得られた。この乳剤を収集し、ガラス・ストッパ ー付き瓶に窒素雰囲気下で保存した。 処方4b: 粗製乳剤のもう一つの5ml分液をポリトロン・ホモジナイザーでホモジェネ ートし、最終的に乳剤とした。この乳剤をガラス・コーレックス管に入れ、小容 量のポリトロン・モーターによって、窒素雰囲気下に、25,000rpm で5分 間ホモジネートした。実施例5: 下記の組成を持った、水中油型乳剤を、実施例2の調製法を用いて作製した。 トリオレイン 800mg DHOG 200mg 卵ホスファチド 120mg コレステロール 10mg グリセロール 225mg 全体を0.9%生理食塩水で10mlにする。 100mg/ml の卵ホスファチドの1.20mlを50mlのガラス管に加えた 。溶媒を、回転蒸発装置により、40℃で約45分間減圧蒸発させて除去した。 ガラス管を回転蒸発装置から取りはずし、800mgのトリオレインを卵ホスフ ァチドの上層に加えた。次に、10mgのコレステロールを、DOPC/TOの 混合物に加えた。次に、200mgのDHOGをこの脂質混合物に加えた。最後 に、約3mlの CHCl3をガラス管に加え、脂質同士が完全に混合するようにした 。 脂質を撹拌して混合し、さらに1mlの CHCl3を加え、管の壁に付着した材料 を洗った。脂質混合物を回転蒸発装置に戻し、40℃で減圧下 CHCl3を除去した 。溶媒の大部分が除去された後、真空吸引源を、直接駆動真空ポンプに切り替え 、 さらに45分吸引した。この管を、回転蒸発装置から、高真空度ラインに移し、 さらに1.5時間吸引した。管を密栓し、窒素でフラッシュし8℃で一晩保存し た。 管と内容物を37℃に温め、高真空度ラインに接続し、溶媒の最後の痕跡を除 去した。この脂質混合物に、グリセロールの225.6mg分液を加えた。この 成分を、窒素流体の下においてポリトロンで処理した。この混合物の最初の乳化 は、55℃未満で、5分間12,500rpm で行ない、次に、水相をゆっくり加 えた。この水の添加後、標準ポリトロン発動機を用い、乳剤を、5分間25,0 00rpm で処理した。発動機から取り出した乳剤を、小量の滅菌水ですすぎ、内 容物を、気密注射筒に移した。水を加えて、最終容量10.0mlの乳剤を得た 。 この乳剤を、ミクロフルーダイザー110Sの標本槽に移し、連続通過モード 下、10分間14,700psiで処理した。処理後の乳剤を装置から集め、0 .45μmアクロディスク(Arodisc)フィルターで濾過し、さらに、0.22 μmアクロディスク滅菌フィルターで濾過し、滅菌した多数回投与用瓶に直接導 いた。この瓶を窒素雰囲気下に保存した。実施例6: コレステロールは、単分子層を安定化し、加熱滅菌後における粒径変化を抑さ えるだけでなく、乳剤を肝細胞にぶつけるのに必要なアポ蛋白質、特に、Apo E と乳剤が会合するのを助ける。しかしながら、もっと大事なことは、本発明によ って調製される乳剤は、下記の第3表に見られるように、加熱殺菌後も、Apo E との会合能力を保持することである。実施例2−5で調製された乳剤をリポ蛋白 欠損血漿でインキュベートし、その後再単離した。ローリー法を用い、1mlの 乳剤あたりのμg蛋白質量を測定した。なぜなら、蛋白質量は、Apo AI、Apo AIVとの会合を包括するからである。実施例2と実施例5の乳剤試料を標準オ ートクレーブで処理し、平均粒径を調べた。 実施例7: もう一つの具体的な実際例として、DHOG(実施例1表1の化合物7)を、 20%の核全脂質含量を持つ水中油型乳剤に取り込み、肝細胞選択的CT用造影 剤として用いた。一般処方は下記の通りであった。 20%(w/v)全脂質 トリオレイン(TO)+DHOG TO:DHOG(w/w)=1:1 3.6%(w/v)燐脂質 DOPC 0.5%(w/v)コレステロール コレステロール:DOPC(モル比)=0.4 5%(w/v)USPグリセロール 0.6%(w/v)α−トコフェロール 滅菌水を基質バルクの水相として使用。 実際量で表わすと、 DHOG 1000.3mg トリオレイン 1002.7mg コレステロール 71.1mg α−トコフェロール 61.2mg DOPC 360mg グリセロール 500.7mg 滅菌水 7.40ml 脂質核成分を溶媒に溶かし、その溶媒を、実施例2で記した方法で除去した。 USPグリセロールを、この脂質混合物に混ぜ、ポリトロンにより、12,50 0rpm で5分間窒素雰囲気下で乳化した。滅菌水の5.5ml分液を加え、乳化 を、<55℃で5分間25,000rpm で行なった。粗製乳剤と、動力器の洗水 を混ぜ、滅菌水で10mlに調整し、これを、ミクロフルーダイザー、モデル1 10Sで、34.4−35.4℃で、10分間14,700psi で乳化した。こ の乳剤を、孔径0.45pmと0.2pmの滅菌フィルターで濾過し、滅菌した 多数回投与用瓶に導いた。実施例8: さらにもう一つの具体的な実際例として、DBOG(実施例1表1の化合物4 )を、20%の核全脂質含量と3.6%DOPCを持ち、かつ、DOPCに対す るコレステロールのモル比が0.27である水中油型乳剤に取り込んだ。一般処 方 は下記の通りであった。 DBOG 1000.5mg トリオレイン 1004.3mg コレステロール 47.5mg α−トコフェロール 66.2mg DOPC 360mg グリセロール 502.6mg 滅菌水 7.4ml この水中油型乳剤を、実施例7で記したものと同じ条件で処理した。実施例9: 第17と18図は、それぞれ、コントロール動物と試験動物の肝臓組織のオー トラジオグラフィーの顕微鏡写真である。このオートラジオグラフィーは、TO 乳剤(コントロール)、または、本発明の水中油型乳剤(試験)を生きている動 物に注入後、3時間の生体内分布期間を置き、その後肝臓を灌流、固定処置を施 した後に取ったものである。第18図のオートラジオグラフィー画像を取るため に用いた試験用水中油型乳剤は、10%w/v の全脂質核含量を持っていた。その 内容は、実施例2と同様の処方の中に5%放射性ヨウ化2−オレオイルグリセロ ール−1,3−ビス[イオパノエート](DIOGすなわち、表1の化合物3で ある)と、5%TOを含むものである。コントロールの乳剤は、脂質核の中に1 0%w/v TOを含み、乳剤それ自体が、肝組織に対し形態的な損傷を与えるかど うか評価するために用いた。 第17図は、生体組織に通常見られる背景放射能のみを表わしているが、形態 的損傷は示していない。第18図は、本発明の水中油型乳剤の肝細胞選択的輸送 、すなわち、ヨウ化トリグリセリドの細胞内局在を示している。第18図を見る と、ヨウ化トリグリセリドに伴う放射性粒子は、細胞表面や、肝臓類洞空間や、 クッパー細胞の中ではなくて、主に、肝細胞の形態学的境界内部に局在する。し たが って、このオートラジオグラフィー試験の結果からも、本発明の水中油型乳剤は 、その内容物を、主に、肝細胞に輸送するという結論が支持される。さらに、第 18図の肝組織は、本発明の水中油型乳剤の投与に起因する形態的な損傷を示し ていない。実施例10: 純粋成分から成る乳剤と、天然成分から成る乳剤との比較試験 大豆油/卵ホスファチドによる処方と、トリオレイン/DOPCによる処方を 用いて、生体内CT画像試験を行なった。これは、本発明の水中油型乳剤におい て、純粋な、合成化合物を使用する方が相対的に有利なのかどうかを評価するた めである。予備のCT試験で、大豆油/卵ホスファチド処方でも結果はほとんど 変わらないということが判明した。しかしながら、CT画像では、肝細胞に輸送 される物質と、クッパー細胞に輸送される物質とを直接区別することはできない 。 もしも肝臓機能の評価を望むのであれば、造影剤は、クッパー細胞や、肝臓の その他の細胞でなく、肝細胞に輸送されなければならない。肝細胞に対する集中 輸送に関しては、肝臓の初期強調における相対的な差と、それに続く、肝臓から の強化造影剤の排出は、CT画像で観察することができ、代謝機能と関連させる ことができる。下記に記載する、生体内分布と排出試験から、大豆油/卵ホスフ ァチドによる処方は、本発明のトリオレイン/DOPCによる処方と同じ様には 、肝細胞に向かわないことが明らかになった。 トリオレイン/DOPC処方と比較した場合の、大豆油/卵ホスファチド処方 によるヨウ化トリグリセリド局在曲線を評価するために、組織内生体分布試験を 行なった。大豆油/卵ホスファチド処方を選んだのは、典型的な従来の非経口栄 養補給剤、例えば、リポシン(Liposyn、アボット・ラボラトリー、ノース・シ カゴ、イリノイ州、Abbott Laboratories,North Chicago,IL)や、イントラリピ ド(Intralipid、カビビトラムAB、ストックホルム、スウェーデン、Kabivitr um AB,Stockholm,Sweden)と類似のものを得るためである。実施例10の試験で 用いた、大豆油/卵ホスファチド処方の組成は次の通りであった。 DHOG 500mg 大豆油 500mg 卵ホスファチド 120mg グリセロール 250mg 滅菌水 10mlの最終容量まで。 大豆油/卵ホスファチドによる水中油型乳剤は、実施例2と同様にして調製し た。この試験で用いたトリオレイン/DOHC処方は、実施例2のものと同一で ある。両乳液に痕跡量の放射性ITGを加え、その後、絶食雌ラットに、24− 26mgI/kgの用量で投与した。動物を様々な時点で屠殺し(30分、3時間、2 4時間)、13個の組織について放射能を測定した。大豆油/卵ホスファチド処 方の結果を第4Aから4C表に示す。トリオレイン/DOPC処方(実施例2) の結果を第4Dから4F表に示す。 第4A表を見ると、注入後30分の時点における肝臓でのヨウ化トリグリセリ ドの平均蓄積量は、器官当り注入量の76%であった。全用量の4%未満が脾臓 に存在し、血液は注入量の2%未満しか含んでいなかった。その他の臓器の蓄積 量は、投与量の2.5%未満であった。しかしながら、注入3時間後では(第4 B表)、大豆油/卵ホスファチド乳剤として輸送されたヨウ化トリグリセリドは あまり肝臓から排除されなかった。すなわち、注入量の65%を越えるトリグリ セリドが、この時点で、肝臓に滞在していた。一方、第4E表に見られるように 、TO/DOPC乳剤によって運ばれた場合、注入用量のわずか35%しか肝臓 に残っていなかった。 生体分布動的曲線に見られるこの差は次の事実によって説明できるであろう。 すなわち、大豆油/卵ホスファチド乳剤として搬送されるヨウ化トリグリセリド の大部分は、肝細胞ではなく、RES細胞に輸送されるのである。もしこの放射 性物質がクッパー細胞に輸送されるのだとすれば、第1回通過排除後、画像にお いても、生体分布曲線においても、早い時点で著明な肝臓局在を示すはずである 。しかしながら、時間と共に、物質は、肝細胞に輸送されたときとほぼ同じ早さ では肝臓から排除されていない。第4C表と第4F表とを比較すれば、TO/D OpC乳剤の方が、大豆油/卵ホスファチド乳剤よりも速やかに肝臓から排除さ れることは明らかである。 さらに、肝臓と血漿標本について、フォルクの脂質抽出分析を行ない、各標本 において、ヨウ化トリグリセリド由来の放射能がどのような形を取るのかについ てデータを集めた。 第5表のデータから、二つの処方が代謝されるやり方には違いのあることが確 実である。注入後30分、3時間のいずれにおいても、肝臓関連の全放射能の平 均1%が水溶性で、12%が蛋白関連であり、87%が有機体溶解性であった。 したがって、肝臓関連トリグリセリドの大部分は、母型トリグリセリドであるこ とはまず間違いない。TO/DOPCでの結果も同様であった。一方、血漿では 、大豆油/卵ホスファチド処方によって運ばれるヨウ化トリグリセリドの代謝が 時間と共に進行することを示すものは見られなかった。言い換えると、血漿中の 放射能の大部分(全用量の62%)は、投与後30分でも3時間でも依然として 有機体溶解性であった。一方、TO/DOPC乳剤において輸送されるITGは 、時間と共に変位を示した。すなわち、有機体溶解分画から、蛋白質関連分画、 さらには、水溶性分画へと局在部位を移動させた。 前記に加えてさらに、ラットの胆管と尿管に直接カニューレを挿入し、このラ ットに実施例2の放射標識乳剤を投与して(27.8mgI/kg体重)、胆汁排出と 尿排出とを調べた。この方法によれば、試験化合物の投与後、胆汁と尿を、3時 間まで直接かつ連続的に収集することができた。この化合物の全体排出に対する 、胆管、尿管の相対的貢献度を測定した。結果を第19図に挙げる。第19図は 、実施例2の組成物の排出曲線を表わすグラフである。すなわち、胆管経由(■ )、尿管経由(▼)による累積排出(%用量)、および、胆汁流量(●)(ml/m in)を、放射標識水中油型乳剤注入後の時間(分)の関数として示した。ヨウ化 トリ グリセリドの大部分は、胆管経由で排出され、これがまた、ヨウ化トリグリセリ ドが主に肝細胞に輸送されるというさらなる証拠となる。フッ素による実施態様 従来、肝臓の、非陽子性磁気共鳴画像は、乳化したパーフルオロカーボンを用 いて行なっていた。例えば、フルオソル(Fluosol)やパーフルオロオクチル・ ブロミドがそれである。これらは、肝臓のクッパー細胞ばかりでなく、脾臓や骨 髄の細網内皮系細胞によっても封鎖される。本発明の実施態様では、対称的に置 換されたポリフッ化トリグリセリドを、磁気共鳴造影剤と同様に効果的な形で、 キロミクロン様微小乳剤に取り込んだ。実施例11: 別の具体的な実際例では、水中油型乳剤はフッ化トリグリセリド(FTG)を 含有している。ただし、FTGは、グリセリル−2−オレオイル−1,3−ビス (トリフルオロメチル)フェニル・アセテートである。この水中油型乳剤は、1 0%の全核脂質と2.4%DOPCを含み、DOPCに対するコレステロールの 比は0.4である。 核脂質同士を混ぜ合わせ、酢酸エチル:エタノール(2:1、v/v)に溶解し 、 回転蒸発装置に置き、減圧下に溶媒混合液を除去した。この脂質混合物にグリセ ロールを添加した後に、実施例2に記載した方法で乳化を行ない、水中油型乳剤 の最終製品を得た。実施例12: さらに別の具体的な例として、米国特許No.5,116,599とNo.5 ,234,680に示されているタイプのフッ化化合物を、本発明の水中油型乳 剤の中に取り込ませることができる。特に、脂質核成分は、フッ素含有脂質、例 えば、パーフルオロ−t−ブチル含有脂肪酸化合物のエステルやトリグリセリド 、例えば、7,7,7−トリフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)− ヘプタン酸(7,7,7-trifluoro-6,6-bis(trifluoromethyl)-heptanoic acid)、 または、8,8,8−トリフルオロ−7,7−ビス(トリフルオロメチル)−オ クタン酸(8,8,8-trifloro-7,7-bis(trifluoromethyl)-octanoic acid)を含ん でいてもよい。 本発明の水中油型乳剤は、ほ乳動物に対し、通常、非経口投与、静注によって 投与するのに好適である。しかしながら、筋中、皮下、腹腔内、その他の輸送経 路も、本発明の考慮の内にある。さらに、本発明の水中油型乳剤は、その他の経 路から、例えば、経口から投与してもよい。 予想される用量レベルは、kg体重当り20から150mgI である。ここに報 告した放射能標識例においては、放射性形態の比活性は16から20μCi/ml の 範囲である。 本発明の使用法の一面として、組織内の特定細胞種の細胞内空間に薬剤を輸送 することができれば、その組織の代謝性、および/または、生化学的活性を測定 するためのプローブを提供することとなろう。本発明のこのような応用例として 、代謝的に活性な画像診断薬の細胞内輸送がある。正常状態、および、病的状態 における、細胞内薬剤と画像強調のクリアランス速度を比較することによって、 その組織の生理状態に関する情報が得られるであろう。もしも、組織から排除さ れ るのに、例えば酵素による加水分解を必要とするような化合物を、組織に輸送さ れる薬剤として選べば、その化合物は、その特定の代謝性酵素のレベルないし活 性を低下させる特定の病的条件下では、排除が有効に行なわれなくなるであろう 。 酵素濃度、および/または、活性の低下は、多くの肝臓疾患と関連するから、 本発明による化合物の細胞内輸送は、肝臓組織の代謝機能を評価する上で有力な 手段となり得よう。 本発明からさらに考慮されるものとして、この粒子の両親媒性単分子層にアポ リポ蛋白質の関連認識部位および標的部位を取り込んだアポリポ蛋白質またはペ プチドを加えれば、さらに別様の標的持異性を得ることができよう。例えば、粒 子の核にステリル・エステルを加えるならば、LDLないしHDLを含む他のリ ポ蛋白の類型となるから、それによって、特定組織に対する搬送剤の標的活動に 影響を及ぼすことが考えられる。ここに、LDLないしHDLを挙げたのは例示 のためであって、これに限定されるものではない。 本発明は、肝細胞選択性搬送剤として提示されているけれども、本発明の原理 を、他の組織、例えば、脾臓、副腎、前立腺、卵巣、リンパ節などに対する、組 織特異的搬送剤の製造に応用することは可能である。組織特異的標的化合物は、 各組織タイプに固有の、既存の細胞摂取経路を利用している。すなわち、その方 法は肝細胞におけるキロミクロン残留物受容体を用いて、肝臓組織の脂質代謝を 利用した場合と同様である。 さらに注意しなければならないことは、ここに示した試験において選択され、 使用された動物モデル、具体的に言えばラットとイヌであるが、これらが、ヒト の肝臓ときわめてよく似た肝臓生理を持っていることは周知のことだということ である。 本発明はこれまで特定の実施態様と応用に関連して説明されてきたけれども、 この分野に熟練した人ならば、ここに教示されていることに鑑みて、請求の範囲 に記載された発明の範囲を逸脱することなく、その精神から遊離することなく、 別様の態様を生み出すことは可能である。したがって、この開示における図面お よび説明は、発明の理解を促進するために提出されたものであって、本発明の範 囲を制限するためのものではないと理解されなければならない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロンジノ,マーク,エー. アメリカ合衆国.48108 ミシガン,アン アーバー,カールトン ドライヴ 2829 (72)発明者 ウェイチャート,ジャメイ,ピー. アメリカ合衆国.48103 ミシガン,アン アーバー,ワインズ ドライヴ 1230 (72)発明者 バカン,ダグラス,エー. アメリカ合衆国.9211−2789 カリフォル ニア,サンディエゴ,バーンズ キャニオ ン ロード 10030 モレキュラー バイ オシステムズ,インク.

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.親油性核が極性脂質の単分子層で取り囲まれた水中油型乳剤であって、乳剤 の油相の、平均粒径が50から200nmの間にあり、かつ、粒子の98%を越 えるものが300nm未満であり、親油性核が、診断的に、治療的に、生物学的 に、活性なまたは非活性な少なくとも一つの親油性ないし両親媒性薬剤を含んで おり、単分子層が乳化剤と、アポ蛋白Eとの会合を促進するのに十分な量のコレ ステロールとを含むことを特徴とする水中油型乳剤。 2.親油性核が乳剤の50%(w/v)以下を形成することを特徴とする請求項1 の水中油型乳剤。 3.親油性核が乳剤の約10から30%(w/v)を形成することを特徴とする請 求項2の水中油型乳剤。 4.少なくとも一つの親油性ないし両親媒性薬剤が製薬学的に受容可能な非極性 脂質であることを特徴とする請求項1の水中油型乳剤。 5.製薬学的に受容可能な非極性脂質がトリグリセリドであることを特徴とする 請求項4の水中油型乳剤。 6.トリグリセリドが、大豆油、サフラワー油、綿実油、および、魚油からなる 群から選ばれた動物性ないし植物性起源の油であることを特徴とする請求項5の 水中油型乳剤。 7.トリグリセリドが、合成ないし半合成脂質であることを特徴とする請求項5 の水中油型乳剤。 8.合成ないし半合成脂質がトリオレインであることを特徴とする請求項7の水 中油型乳剤。 9.トリグリセリドがハロンゲン化トリグリセリドであることを特徴とする請求 項7の水中油型乳剤。 10.親油性核が少なくとも一つの薬理学的に不活性な非極性脂質、および、親 油性ないし両親媒性薬剤を含むことを特徴とする請求項1の水中油型乳剤。 11.親油性核が少なくとも一つの薬理学的に不活性な、受容可能な非極性脂質 、および、ハロゲン化トリグリセリドを含むことを特徴とする請求項10の水中 油型乳剤。 12.乳剤の10%(w/v)以下が乳化剤であることを特徴とする請求項1の水 中油型乳剤。 13.乳剤の約2.4%から4.8%(w/v)が乳化剤であることを特徴とする 請求項12の水中油型乳剤。 14.乳化剤が、天然、合成、または、半合成の燐脂質であることを特徴とする 請求項12の水中油型乳剤。 15.燐脂質が合成ないし半合成であることを特徴とする請求項14の水中油型 乳剤。 16.燐脂質がジオレオイルホスファチジルコリンであることを特徴とする請求 項15の水中油型乳剤。 17.アポ蛋白Eとの会合を促進するのに十分な量のコレステロールが、乳剤の 約5%(w/v)以下であることを特徴とする請求項1の水中油型乳剤。 18.乳剤が、さらに、400−500mOsm/kgの浸透圧モル濃度を得るのに十 分な量の浸透圧モル濃度調節剤を含むことを特徴とする請求項1の水中油型乳剤 。 19.浸透圧モル濃度調節剤が、5%(w/v)以下の無水グリセロールであるこ とを特徴とする請求項18の水中油型乳剤。 20.さらに、乳剤の酸化を防ぐのに十分な量の抗酸化剤を含むことを特徴とす る請求項1の水中油型乳剤。 21.抗酸化剤がα−トコフェロールであることを特徴とする請求項20の水中 油型乳剤。 22.a)50%(w/v)以下の製薬学的に受容可能な、天然、合成ないし半合 成起源の脂肪、または、油であって、薬理学的に不活性な非極性脂質、および/ または、親油性ないし両親媒性の、診断的、治療的、生物学的に活性ないし 非活性な薬剤、 b)10%(w/v)以下の燐脂質乳化剤、 c)約5%(w/v)以下のコレステロール、 d)5%(w/v)以下の浸透圧モル濃度調節剤、および、 e)残分の残分は水、 からなることを特徴とする熱安定、肝細胞選択的水中油型乳剤。 23.さらに、抗酸化剤を含むことを特徴とする請求項22の水中油型乳剤。 24.a)10%と20%(w/v)の間の薬理学的に不活性なトリグリセリドと ポリ・ハロゲン化トリグリセリドであって、ポリ・ヨー化トリグリセリドに対す る薬理学的に不活性なトリグリセリドのモル比が1に対して0.3−3.0の範 囲にあるもの、 b)約2.4%(w/v)のジオレオイルホスファチヂルコリン、 c)5%(w/v)以下のコレステロールであって、ジオレオイルホスファ チヂルコリンに対するコレステロールのモル比が0.05から0.70の範囲に あり、 d)5%(w/v)グリセロール、 e)0.1%α−トコフェロール、および、 f)乳剤の残りは水からなり、乳剤の油相の平均粒径が50から200n mの間にあり、粒子の98%を越えるものが300nm未満であることを特徴と する熱安定、肝細胞選択的水中油型乳剤。 25.薬理学的に不活性なトリグリセリドとポリハロゲン化トリグリセリドのモ ル比が1:1であることを特徴とする請求項24の熱安定、肝細胞選択的水中油 型乳剤。 26.コレステロールの量が0.4から0.5%(w/v)の範囲にあることを特 徴とする請求項24の熱安定、肝細胞選択的水中油型乳剤。 27.ジオレオイルホスファチヂルコリンに対するコレステロールのモル比が0 . 4であることを特徴とする請求項24の熱安定、肝細胞選択的水中油型乳剤。 28.ポリハロゲン化トリグリセリドが、3−置換−2,4,6−トリヨードフ ェニル脂肪鎖、または、モノヨードフェニル脂肪鎖を持つ1,3−二置換トリグ リセリド骨格を有するヨウ化アリール脂肪族トリグリセリド類似体からなる群か ら選ばれた親油性の診断薬剤であることを特徴とする請求項24の熱安定、肝細 胞選択的水中油型乳剤。 29.ポリハロゲン化トリグリセリドが 2−オレオイルグリセロール−1,3 −ビス[7−(3−アミノ−2,4,6−トリヨードフェニル)ヘプタノエート ]であることを特徴とする請求項28の熱安定、肝細胞選択的水中油型乳剤。 30.ポリハロゲン化トリグリセリドが 2−オレオイルグリセロール−1,3 −ビス[7−(3−アミノ−2,4,6−トリヨードフェニル)ブタノエート] であることを特徴とする請求項29の熱安定、肝細胞選択的水中油型乳剤。 31.ポリハロゲン化トリグリセリドが、3−置換−2,4,6−トリヨードフ ェニル飽和ないし不飽和脂肪鎖、または、モノヨードフェニル脂肪鎖を持つ1, 2,3−三置換トリグリセリド骨格を有することを特徴とする請求項24の熱安 定、肝細胞選択的水中油型乳剤。 32.ポリハロゲン化トリグリセリドが、フッ化トリグリセリドであることを特 徴とする請求項24の熱安定、肝細胞選択的水中油型乳剤。 33.フッ化トリグリセリドが、グリセリル−2−オレオイル−1,3−ビス( トリフルオロメチル)フェニル・アセテートであることを特徴とする請求項32 の熱安定、肝細胞選択的水中油型乳剤。 34.フッ化トリグリセリドが、グリセリル−2−オレオイル−1,3−ビス( 3,5−ビス−ヘキサフルオロイソプロピル)フェニル・ヘプタノエートである ことを特徴とする請求項32の熱安定、肝細胞選択的水中油型乳剤。 35.ポリハロゲン化トリグリセリドのハロゲン類の少なくとも一つは放射性で あることを特徴とする請求項24の熱安定、肝細胞選択的水中油型乳剤。 36.次の諸工程: a)磁気共鳴画像用診断剤を含む、請求項24の水中油型乳剤の画像量を 投与すること、および b)水中油型乳剤の画像量が画像を取るべき部位に達したとき、その部位 の磁気共鳴画像撮影を行うこと、 からなる磁気共鳴画像法。 37.次の諸工程: a)請求項24の水中油型乳剤の画像量を哺乳動物に投与する、ここに、 水中油型乳剤はコンピュータ断層撮影用画像診断剤を含んでおり、 b)水中油型乳剤の画像量が画像を取るべき部位に達したとき、その部位 のコンピュータ断層画像撮影を行うこと、 からなるコンピュータ断層画像撮影法。 38.治療を要する生物の治療法であって、治療的に活性な、親油性ないし両親 媒性薬剤を含む、請求項22の水中油型乳剤の有効量を投与する工程からなるこ とを特徴とする治療法。 39.次の諸工程: a)非極性脂質、極性脂質乳化剤、および、その他の親油成分を含む水中 油型乳剤の親油成分をあらかじめ混合して予備混合脂質相を形成し、 b)予備混合脂質相と水性成分をホモジェネートして粗製水中油型乳剤を 形成し、および、 c)粗製水中油型乳剤を超高エネルギー混合処理し、油相の平均粒径が5 0から200nmの間にあり、かつ、粒子の98%を越えるものが300nm未 満である微細な水中油型乳剤を生成する、 からなることを特徴とする熱安定性、肝細胞選択的水中油型乳剤の製造法 40.さらに、微細な水中油型乳剤を、連続濾過処理する工程を含むことを特徴 とする請求項39の方法。 41.次の諸工程: a)水中油型乳剤の親油性成分であって、トリオレインとポリハロゲン化 トリグリセリドをモル比1:1で含む親油成分、燐脂質乳化剤を含む全乳剤の5 0%(w/v)以下の量を占めるトリオレインとポリハロゲン化トリグリセリド、 10%(w/v)の以下の量である燐脂質、および、コレステロールを予備混合し 、コレステロールが約5%(w/v)未満を形成し、そして燐脂質に対するモル比 が0.4として存在するようにする、 b)親油成分の予備混合体に水性成分を加えるが、その水性成分が5%( w/v)以下のグリセロールと残余の水からなるものであり、 c)予備混合脂質相と水性成分とをホモジェネートして、粗製水中油型乳 剤を形成し、 d)粗製水中油型乳剤を、超高エネルギー混合法で処理し、油相の平均粒 径が50から200nmの間にあり、かつ、粒子の98%を越えるものが300 nm未満である、微細な水中油型乳剤を生成し、および、 e)微細な水中油型乳剤を、小孔径を持つフィルターに連続的に通過させて 濾過することからなる、 方法によってつくられた熱安定性、肝細胞選択性の水中油型乳剤。
JP7529797A 1994-05-16 1995-05-16 肝細胞選択性水中油型乳剤 Pending JPH10504021A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/243,596 US5851510A (en) 1994-05-16 1994-05-16 Hepatocyte-selective oil-in-water emulsion
US08/243,596 1994-05-16
PCT/US1995/005974 WO1995031181A1 (en) 1994-05-16 1995-05-16 Hepatocyte-selective oil-in-water emulsion

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10504021A true JPH10504021A (ja) 1998-04-14

Family

ID=22919378

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7529797A Pending JPH10504021A (ja) 1994-05-16 1995-05-16 肝細胞選択性水中油型乳剤

Country Status (8)

Country Link
US (4) US5851510A (ja)
EP (1) EP0871431B1 (ja)
JP (1) JPH10504021A (ja)
AT (1) ATE299695T1 (ja)
AU (1) AU2549095A (ja)
CA (1) CA2190509C (ja)
DE (1) DE69534326T2 (ja)
WO (1) WO1995031181A1 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016010111A1 (ja) * 2014-07-17 2016-01-21 富士フイルム株式会社 脂質粒子の製造法および脂質粒子を有する核酸送達キャリア
WO2016010110A1 (ja) * 2014-07-17 2016-01-21 富士フイルム株式会社 脂質粒子および核酸送達キャリア
JP2018016642A (ja) * 2017-10-20 2018-02-01 富士フイルム株式会社 脂質粒子の製造法および脂質粒子を有する核酸送達キャリア
JP2018024699A (ja) * 2017-11-02 2018-02-15 富士フイルム株式会社 脂質粒子および核酸送達キャリア
JPWO2022202566A1 (ja) * 2021-03-26 2022-09-29

Families Citing this family (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6645463B1 (en) * 1994-05-16 2003-11-11 The Board Of Regents Of The University Of Michigan Blood-pool selective carrier for lipophilic imaging agents
US5851510A (en) * 1994-05-16 1998-12-22 The Board Of Regents Of The University Of Michigan Hepatocyte-selective oil-in-water emulsion
US6149891A (en) * 1995-05-31 2000-11-21 Israel Humanitarian Foundation Ltd. X-ray contrast medium and method for protecting against harmful effects thereof
JP2001503735A (ja) * 1996-07-03 2001-03-21 ユニバーシティ オブ ピッツバーグ 親水性活性試薬のためのエマルジョン処方物
TW396510B (en) * 1998-06-03 2000-07-01 United Microelectronics Corp Shallow trench isolation formed by chemical mechanical polishing
US6475800B1 (en) * 1999-07-22 2002-11-05 Instrumentation Metrics, Inc. Intra-serum and intra-gel for modeling human skin tissue
US7485454B1 (en) 2000-03-10 2009-02-03 Bioprocessors Corp. Microreactor
US6733099B2 (en) * 2000-10-24 2004-05-11 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Waveform generating circuit, inkjet head driving circuit and inkjet recording device
US20020155161A1 (en) * 2000-12-29 2002-10-24 Deckelbaum Richard J. Use of IV emulsions with different triglyceride composition, particle size and apolipoprotein E for targeted tissue delivery of hydrophobic compounds
US20030077343A1 (en) * 2001-03-16 2003-04-24 Martin Katharine M. Composition containing feverfew extract and use thereof
NO20015802D0 (no) * 2001-11-28 2001-11-28 Amersham Health As Diagnostisk metode
AU2003219554A1 (en) * 2002-03-27 2003-10-08 Fuji Photo Film Co., Ltd. Iodinated triglyceride analogs
WO2003086468A1 (en) * 2002-04-10 2003-10-23 Cargill, Incorporated Aqueous dispersible steryl ester compositions
KR101186210B1 (ko) * 2002-12-03 2012-10-08 블랜체트 록펠러 뉴로사이언시즈 인스티튜트 혈뇌장벽을 통과하는 물질 수송용 인공 저밀도 지단백질 운반체
US7803400B2 (en) * 2002-12-03 2010-09-28 Blanchette Rockefeller Neurosciences Institute Artificial low-density lipoprotein carriers for transport of substances across the blood-brain barrier
WO2005014051A1 (en) * 2003-08-08 2005-02-17 Barnes-Jewish Hospital Emulsion particles for imaging and therapy and methods of use thereof
TWI365075B (en) * 2004-09-22 2012-06-01 Kao Corp Microemulsion
KR20070095494A (ko) * 2005-09-28 2007-10-01 세원셀론텍(주) 지방 조직 수복용 반고형성 젤 조성물의 제조방법
EP2234648A1 (en) * 2007-12-03 2010-10-06 Eran Ben-Shmuel Treating mixable materials by radiation
US20140065067A1 (en) 2010-12-17 2014-03-06 Universite De Strasbourg Radiopaque iodinated products intended for use medical imaging and their methods
WO2013121284A1 (en) 2012-02-14 2013-08-22 Universite De Strasbourg Iodinated products intended for a use for the medical imaging and their methods of preparation
WO2020251271A1 (ko) * 2019-06-13 2020-12-17 부산대학교 산학협력단 W/o/w형 트리올레인 에멀전을 이용한 간의 약물전달 증진 플랫폼

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63500456A (ja) * 1985-08-13 1988-02-18 カリフオルニア バイオテクノロジ− インコ−ポレイテツド 薬剤に用いるミクロエマルジョン
US4873075A (en) * 1985-09-10 1989-10-10 The University Of Michigan Polyiodinated triglyceride analogs as radiologic agents
JPH02203A (ja) * 1987-10-28 1990-01-05 Nippon Shinyaku Co Ltd 薬物担体
WO1993018749A1 (de) * 1992-03-17 1993-09-30 MAX-PLANCK-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V. Liposomen mit negativer überschussladung
JPH06506932A (ja) * 1991-04-23 1994-08-04 カビ ファーマシア アクチボラーグ 器官特異性エマルジョン

Family Cites Families (36)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE1792410B2 (de) * 1967-09-01 1980-03-13 Apoteksvarucentralen Vitrum Apotekareaktiebolaget, Stockholm Arzneimittelzubereitung zur intravenösen Injektion
US4073943A (en) * 1974-09-11 1978-02-14 Apoteksvarucentralen Vitrum Ab Method of enhancing the administration of pharmalogically active agents
US3992513A (en) * 1975-01-07 1976-11-16 Atomic Energy Of Canada Limited Labelled phospholipid material colloidially dispersed and sized to localize at preselected organs
GB1600371A (en) * 1978-01-31 1981-10-14 Whatman Reeve Angel Ltd Oil coalescing filter cartridge
JPS59216820A (ja) * 1983-05-20 1984-12-06 Taisho Pharmaceut Co Ltd プロスタグランジン脂肪乳剤
US5023271A (en) * 1985-08-13 1991-06-11 California Biotechnology Inc. Pharmaceutical microemulsions
US4957729A (en) * 1985-09-10 1990-09-18 The University Of Michigan Polyiodinated triglyceride analogs as radiologic agents
US5093042A (en) * 1985-09-10 1992-03-03 The University Of Michigan Polyiodinated triglyceride analogs as radiologic agents
US4816247A (en) * 1985-09-11 1989-03-28 American Cyanamid Company Emulsion compositions for administration of sparingly water soluble ionizable hydrophobic drugs
SE8505047L (sv) * 1985-10-25 1987-04-26 Nutritional Int Res Inst Fettemulsion
US5080885A (en) * 1986-01-14 1992-01-14 Alliance Pharmaceutical Corp. Brominated perfluorocarbon emulsions for internal animal use for contrast enhancement and oxygen transport
DE3785849T2 (de) * 1987-06-11 1993-08-26 Kabi Pharmacia Ab Jod enthaltende emulsion.
IL88076A (en) * 1987-10-28 1993-01-14 Nippon Shinyaku Co Ltd Fat emulsions as drug carriers
SE467861B (sv) * 1987-12-18 1992-09-28 Kabi Pharmacia Ab Emulsion foer parenteral administrering
JP2847783B2 (ja) * 1988-08-11 1999-01-20 日清製粉株式会社 抗癌活性増強剤
SE8803141L (sv) * 1988-09-07 1990-03-08 Kabivitrum Ab Naeringsmedel foer maenniskor och djur
FR2640123B1 (fr) * 1988-12-09 1991-08-23 Salomon Sa Chaussure de ski alpin
US5055303A (en) * 1989-01-31 1991-10-08 Kv Pharmaceutical Company Solid controlled release bioadherent emulsions
US5039527A (en) * 1989-02-24 1991-08-13 Medicontrol Corporation Hexamethylmelamine containing parenteral emulsions
US5171737A (en) * 1989-03-03 1992-12-15 The Liposome Company, Inc. Emulsions
US5114703A (en) * 1989-05-30 1992-05-19 Alliance Pharmaceutical Corp. Percutaneous lymphography using particulate fluorocarbon emulsions
CH677886A5 (ja) * 1989-06-26 1991-07-15 Hans Georg Prof Dr Weder
US5234680A (en) * 1989-07-31 1993-08-10 Johns Hopkins Univ. Perfluoro-t-butyl-containing compounds for use in fluorine-19 NMR and/or MRI
US5116599A (en) * 1989-07-31 1992-05-26 Johns Hopkins Univ. Perfluoro-t-butyl-containing compounds for use in fluorine-19 nmr and/or mri
JP2785981B2 (ja) * 1989-11-20 1998-08-13 株式会社資生堂 乳化組成物
GB9007052D0 (en) * 1990-03-29 1990-05-30 Skua Investments Ltd Pharmaceutical formulations
WO1992004886A1 (en) * 1990-09-26 1992-04-02 Meito Sangyo Co., Ltd. Fat emulsion for intravenous injection
WO1992007551A1 (en) * 1990-11-06 1992-05-14 Nippon Shinyaku Co., Ltd. Process for producing fat emulsion
US5164191A (en) * 1991-02-12 1992-11-17 Micro Vesicular Systems, Inc. Lipid vesicles having an alkyd as a wall-forming material
WO1992015283A1 (en) * 1991-03-01 1992-09-17 Novo Nordisk A/S Parenteral emulsion
WO1992017162A1 (en) * 1991-04-05 1992-10-15 Warner-Lambert Company Lyophilized emulsion
SE9101709L (sv) * 1991-06-03 1992-12-04 Karlshamns Lipidteknik Ab Lipidderivat som diagnostikum eller kontrastmedel
US5206219A (en) * 1991-11-25 1993-04-27 Applied Analytical Industries, Inc. Oral compositions of proteinaceous medicaments
US6241967B1 (en) * 1992-10-16 2001-06-05 Andreas Sachse Process and device for the production of liquid, disperse systems
US5851510A (en) * 1994-05-16 1998-12-22 The Board Of Regents Of The University Of Michigan Hepatocyte-selective oil-in-water emulsion
US5654452A (en) * 1995-06-07 1997-08-05 Molecular Biosystems, Inc. Lipophilic contrast agents for use in hepatocyte-selective oil-in-water emulsions

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63500456A (ja) * 1985-08-13 1988-02-18 カリフオルニア バイオテクノロジ− インコ−ポレイテツド 薬剤に用いるミクロエマルジョン
US4873075A (en) * 1985-09-10 1989-10-10 The University Of Michigan Polyiodinated triglyceride analogs as radiologic agents
JPH02203A (ja) * 1987-10-28 1990-01-05 Nippon Shinyaku Co Ltd 薬物担体
JPH06506932A (ja) * 1991-04-23 1994-08-04 カビ ファーマシア アクチボラーグ 器官特異性エマルジョン
WO1993018749A1 (de) * 1992-03-17 1993-09-30 MAX-PLANCK-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V. Liposomen mit negativer überschussladung

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016010111A1 (ja) * 2014-07-17 2016-01-21 富士フイルム株式会社 脂質粒子の製造法および脂質粒子を有する核酸送達キャリア
WO2016010110A1 (ja) * 2014-07-17 2016-01-21 富士フイルム株式会社 脂質粒子および核酸送達キャリア
JP2016023148A (ja) * 2014-07-17 2016-02-08 富士フイルム株式会社 脂質粒子の製造法および脂質粒子を有する核酸送達キャリア
JP2016023147A (ja) * 2014-07-17 2016-02-08 富士フイルム株式会社 脂質粒子および核酸送達キャリア
US9974862B2 (en) 2014-07-17 2018-05-22 Fujifilm Corporation Lipid particles and nucleic acid delivery carrier
JP2018016642A (ja) * 2017-10-20 2018-02-01 富士フイルム株式会社 脂質粒子の製造法および脂質粒子を有する核酸送達キャリア
JP2018024699A (ja) * 2017-11-02 2018-02-15 富士フイルム株式会社 脂質粒子および核酸送達キャリア
JPWO2022202566A1 (ja) * 2021-03-26 2022-09-29

Also Published As

Publication number Publication date
EP0871431B1 (en) 2005-07-20
US6103216A (en) 2000-08-15
WO1995031181A1 (en) 1995-11-23
CA2190509C (en) 2008-09-30
EP0871431A2 (en) 1998-10-21
ATE299695T1 (de) 2005-08-15
US5851510A (en) 1998-12-22
US5985941A (en) 1999-11-16
CA2190509A1 (en) 1995-11-23
DE69534326D1 (de) 2005-08-25
US6126946A (en) 2000-10-03
AU2549095A (en) 1995-12-05
DE69534326T2 (de) 2006-04-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10504021A (ja) 肝細胞選択性水中油型乳剤
AU660974B2 (en) Organ specific emulsion
US7582279B2 (en) Blood-pool carrier for lipophilic imaging agents
JP2688605B2 (ja) よう素含有エマルジヨン
KR0160127B1 (ko) 혈관 x선 촬영 보조제
Bakan et al. Imaging efficacy of a hepatocyte-selective polyiodinated triglyceride for contrast-enhanced computed tomography
US5654452A (en) Lipophilic contrast agents for use in hepatocyte-selective oil-in-water emulsions
JP2001524957A (ja) 親油性画像診断剤用の血液プール運搬体
US20140065067A1 (en) Radiopaque iodinated products intended for use medical imaging and their methods
JP2005263647A (ja) エマルション粒子含有造影剤
Davis et al. The evaluation of parenterally administered emulsion formulations
JPH036126B2 (ja)
JP2009143879A (ja) リポソーム及びx線用造影剤
JP2005170807A (ja) 抗体を含むリポソーム
JP2004115378A (ja) 水溶性ヨード化合物を含むリポソーム
Schwinke Liposomes: Investigations of a Potential Oral Dosage Form--baseline Studies

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061128

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20070227

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20070416

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070528

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070717

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20101222

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20101228