JPH1048443A - ポリマ導波路及びその製造方法 - Google Patents

ポリマ導波路及びその製造方法

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JPH1048443A
JPH1048443A JP20056296A JP20056296A JPH1048443A JP H1048443 A JPH1048443 A JP H1048443A JP 20056296 A JP20056296 A JP 20056296A JP 20056296 A JP20056296 A JP 20056296A JP H1048443 A JPH1048443 A JP H1048443A
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JP
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layer
polymer
irradiated
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core layer
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JP20056296A
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Katsuyuki Imoto
克之 井本
Yoshihiro Narita
善広 成田
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Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低損失、クラッド層の上面が平坦、高寸法精
度で、基板の厚さが極めて薄く、しかもプロセスが簡単
なポリマ導波路及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリマコア層34aのコア層33とすべ
き部分を除いて紫外線37を照射することにより、コア
層33の両側面に下部クラッド層34が形成されるの
で、コア層33及び下部クラッド層34を覆うように形
成される上部クラッド層35の上面が平坦となり、寸法
精度が高く、厚さが極めて薄いポリマ導波路30を得る
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマ導波路及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリマ導波路の研究開発が活発に
なってきた。これは低コスト光デバイスを実現するのに
有望であると考えられているためである。
【0003】図10はポリマ導波路の従来例を示す断面
図である。
【0004】同図に示すポリマ導波路は、基板(Si、
ガラス等)10上に、ポリマ材料からなるクラッド層1
1−1,11−2を形成し、そのクラッド層11−1,
11−2の中に、クラッド層11−1,11−2の屈折
率よりも高い屈折率を有するポリマ材料からなるコア層
12を埋め込んだ構造を有している。
【0005】コア層12及びクラッド層11−1,11
−2のポリマ材料としては、PMMA(ポリメチルメタ
クリレート)、ポリスチレン、ポリイミド、ポリガイ
ド、エポキシ樹脂、ポリシロキサン等が用いられる。
【0006】図11(a)〜図11(c)はポリマ導波
路の製造方法を示す従来例である。基板10の上に、紫
外線照射により屈折率が高くなる感光性のポリマ層15
を形成しておき、そのポリマ層15の上にマスク16を
配置し、マスク16の上から紫外線17を照射する(図
11(a))。
【0007】ポリマ層15のうちマスク16を透過した
紫外線17が照射された露光部15aは屈折率が高くな
り、マスク16で紫外線が照射されなかった未露光部1
5bは屈折率が変化せず低いままである(図11
(b))。
【0008】このような未露光部15bを光の導波層、
すなわちコア層12として用い、コア層12をクラッド
層11で被覆することによりポリマ導波路が形成される
(図11(c))。
【0009】図12(a)〜図12(d)はポリマ導波
路の製造方法を示す他の従来例である。
【0010】基板10の上に、光の伝搬するコア用ポリ
マ導波層19を形成しておき、その上にマスク16を置
いて紫外線17を照射する(図12(a))。
【0011】マスク16を透過した紫外線17が照射さ
れた露光部19aはエッチングにより除去され、マスク
16で紫外線17が照射されなかった未露光部19bは
略矩形断面形状のコア層12として残る(図12
(b)、(c))。
【0012】略矩形断面形状のコア層12を、コア層1
2の屈折率より低い屈折率のポリマからなるクラッド層
11で覆うことにより、ポリマ導波路が形成される(図
12(d))。
【0013】図13(a)〜図13(d)はポリマ導波
路の製造方法を示すさらに他の従来例である。
【0014】基板10の上に、光の伝搬するコア用ポリ
マ導波層19を形成し、そのコア用ポリマ導波層19の
上にマスクパターン20を形成する。このマスクパター
ン20の材質はレジスト材料、酸化膜材料或いはメタル
材料が用いられる。次いでマスクパターン20の上から
紫外線17を照射する(図13(a))。
【0015】コア用ポリマ導波層19のうちマスクパタ
ーン20が形成されなかった部分は紫外線17が照射さ
れ、マスクパターン20が形成された部分は紫外線17
が照射されない。コア用ポリマ導波層19の紫外線17
が照射された露光部をエッチングにより除去する(図1
2(b))。
【0016】コア用ポリマ導波層19の未露光部19b
上に残ったマスクパターン20を剥離し、コア層12及
び基板10の表面を、コア層12の屈折率より低い屈折
率のポリマからなるクラッド層11で覆うことによりポ
リマ導波路が形成される(図12(c))。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図11
(a)〜図11(c)、図12(a)〜図12(d)、
図13(a)〜図13(d)に示した従来の方法で形成
したポリマ導波路には以下のような問題があった。
【0018】(1) 図10に示したコア層12とクラッド
層11−1,11−2と間の界面14−1,14−2,
14−3が不均一になり、これによる光の散乱損失を無
視することができなかった。このような界面の不整は、
コア層12をエッチングしたり、クラッド層11−1,
11−2で被覆する際に避けられないものであった。
【0019】(2) また、図10に示すようにクラッド層
11−2の上面の平坦性が悪いという問題があった。特
に図12、図13のように、略矩形断面形状のコア層1
2を形成した後に、その上面をクラッド層11で覆う方
法を用いている限りクラッド層11−2の上面を平坦化
することが困難であることが分かった。
【0020】このように平坦度が悪いと図14に示すよ
うに、クラッド層11−2の上に薄膜ヒータ21を設け
るのが困難なことが分かる。なぜならば、この薄膜ヒー
タ21は、まず、ポリマクラッド層11−2上に金属膜
を蒸着によって形成し、その後、その金属膜上にレジス
トパターンを形成し、このレジストパターンをマスクに
してエッチング加工により形成されるが、クラッド層1
1−2の上面が平坦でないと、金属膜の蒸着が困難なこ
と、レジスト膜を均一膜厚に塗布することが困難なこ
と、さらにエッチングによる微細な薄膜ヒータ21のパ
ターンを加工することが困難なためである。尚、図14
(a)は従来のポリマ導波路上に薄膜ヒータを設けた場
合の平面図であり、同図(b)は同図(a)のA−A線
断面図である。22は電源、23はスイッチであり、2
4〜26は信号光である。
【0021】(3) 製造工程数が多いため、ポリマ導波路
の低コスト化が困難である。
【0022】(4) 高寸法精度が要求される高性能のシン
グルモード伝送用ポリマ導波路型光部品を実現すること
ができない。例えば、Nチャンネル波長多重伝送用光分
波器、1×M(或いはN×M)型光スターカプラ等の光
部品を高性能(低損失性、中心波長の制御性、高アイソ
レーション特性、低分配偏差特性等)に実現するのが困
難である。
【0023】(5) 基板10の厚さを極めて薄くした(1
00μm以下)、いわゆるフレキシブルポリマ導波路型
光部品を高性能、高寸法精度で形成するのが困難であ
る。なぜならば、エッチング等の加工プロセスがあるた
め、薄い基板では高寸法精度に保って加工することが困
難なためである。
【0024】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、低損失、クラッド層の上面が平坦、高寸法精度で、
基板の厚さが極めて薄く、しかもプロセスが簡単なポリ
マ導波路及びその製造方法を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のポリマ導波路は、基板と、基板上に形成され
た低屈折率nb のバッファ層と、バッファ層の上に形成
され紫外線が照射されると屈折率が低下するポリマから
なり、紫外線が照射されない略矩形断面形状のコア層
(屈折率nw 、nw >nb )と、コア層の両側で紫外線
が照射された下部クラッド層(屈折率np 、np
w )と、ポリマのコア層の両側で紫外線が照射された
下部クラッド層と、下部クラッド層及びコア層の上面を
覆う上部クラッド層(nc 、nc <nw )とを備えたも
のである。
【0026】本発明は、基板と、基板上に形成され紫外
線が照射されると屈折率が低下するポリマからなり、紫
外線が照射されない略矩形断面形状のコア層(屈折率n
w 、nw >nb )と、コア層の両側で紫外線が照射され
た下部クラッド層(屈折率np 、np <nw )と、ポリ
マのコア層の両側で紫外線が照射された下部クラッド層
と、下部クラッド層及びコア層の上面を覆う上部クラッ
ド層(nc 、nc <nw )とを備えたものである。
【0027】上記構成に加え本発明のポリマ導波路は、
バッファ層及び上部クラッド層にSiO2 系の材料か或
いはポリマ材料のいずれかを用いてもよい。
【0028】上記構成に加え本発明のポリマ導波路は、
コア層及び下部クラッド層を、屈折率がni (ni <n
w )で所望の厚さを有する中間層で上下に仕切ってもよ
い。
【0029】上記構成に加え本発明のポリマ導波路は、
基板にプラスチック材料を用いてもよい。
【0030】本発明のポリマ導波路の製造方法は、基板
上にバッファ層、紫外線が照射されると屈折率が低下す
るポリマ層及び上部クラッド層を順次形成する第1工程
と、上部クラッド層の上面に紫外線非透過部及び紫外線
透過部のパターンが形成されたフォトマスクを配置し、
フォトマスクの上から紫外線を照射することにより、紫
外線の照射されないポリマからなるコア層と紫外線が照
射されたポリマからなる下部クラッド層とを形成する第
2工程と、コア層及び下部クラッド層の上面に上部クラ
ッド層を形成する第3工程とからなるものである。
【0031】上記構成に加え本発明のポリマ導波路の製
造方法は、第1工程において、ポリマ層と上部クラッド
層との間に、他のポリマ層と中間層とを順次形成し、第
2工程において、紫外線の照射されないポリマからなる
コア層及び他のコア層と紫外線が照射されたポリマから
なる下部クラッド層及び他のクラッド層とを形成しても
よい。
【0032】本発明によれば、紫外線が照射されると屈
折率が低下するポリマコア層を用い、そのポリマコア層
のうちコア層とすべき部分を除いて紫外線を照射するこ
とにより、紫外線露光部の屈折率が低下するので紫外線
露光部をクラッド層として用いることができる。このた
めポリマコア層の上を上部クラッド層で覆っても平坦性
が確保でき、コア層と上部クラッド層との間の界面の不
均一性がなくなり低損失性が得られる。また、上部クラ
ッド層の表面が平坦なため、薄膜金属ヒータの搭載等が
容易となる。しかも紫外線を照射するという簡単なプロ
セスのため高性能なポリマ導波路が低コストに実現でき
る。さらに基板の厚さを極めて薄くすることができるの
でフレキシブルなポリマ導波路を形成することができ
る。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて詳述する。
【0034】図1は本発明のポリマ導波路の一実施の形
態を示す断面図である。
【0035】同図に示すポリマ導波路30は、基板31
(Si等の半導体材料、ガラス材料、プラスチック材料
或いは磁性材料等が用いられる)上に形成されたSiO
2 からなるバッファ層(屈折率nb )32と、バッファ
層32の上に形成され略矩形断面形状のポリマからなる
コア層(屈折率nw 、nw >nb )33と、コア層33
の両側面に形成された下部クラッド層(屈折率np 、n
p <nw )34と、コア層33及び下部クラッド層34
の上面を覆う上部クラッド層(nc 、nc <nw )35
とで構成されている。
【0036】コア層33及び下部クラッド層34は、紫
外線が照射されると屈折率が低下するポリマ材料(ポリ
マコア層)からなり、このうちコア層33は紫外線の照
射されていないポリマ材料からなり、下部クラッド層3
4は紫外線の照射された、いわゆるフォトブリーチング
されたポリマ材料からなっている。
【0037】ここでポリマ材料としては、例えばDMA
PN{α−(4−dimethlaminophenyl)−N−phenylni
tron}が用いられる。これは化学式(1)で表される。
【0038】
【化1】
【0039】このポリマ材料の光化学的転位は、波長3
80nmでフォトブリーチングされて、波長270nm
にオキサジリデン光生成物の新しい吸収が行われる。波
長380nmの紫外線照射によるフォトブリーチングは
全露光量100mJ/cm2 で略完了する(図2及び図
3参照、参考文献;フォトポリマ技術の新展開、東レリ
サーチ)。尚、図2はDMAPNの吸収スペクトルを示
す図であり、横軸が波長であり、縦軸が光学密度であ
る。図3はフォトブリーチング前後の屈折率の波長依存
性を示す図であり、横軸が波長であり、縦軸が屈折率で
ある。
【0040】図1に示すポリマ導波路30のコア層33
及びフォトブリーチングした下部クラッド層34の膜厚
は、数μmから数十μmの範囲にあるので、上記露光量
で十分である。未露光のコア層33は波長815nmで
1.553であり、フォトブリーチングした下部クラッ
ド層34の屈折率は波長815nmで1.537であ
る。上記コア層33と下部クラッド層34との間の比屈
折率差Δ1 は約1.28%である。バッファ層32及び
上部クラッド層35は、SiO2 からなっている。コア
層33と上部クラッド層35(バッファ層32)との比
屈折率差Δ2 は約5.2%となり、光はコア層33内に
十分に閉じ込められて伝送される。コア層33には前述
したDMAPNの他にdyepolymer,4−alkoxy−4´−
alkylsulfone stilbene PMMA side −chain,4−dialky
lamino−4´−nitro −stilbene等を用いることができ
る。
【0041】図1に示したポリマ導波路は、比屈折率差
Δ1 ,Δ2 が1%以上のマルチモード伝送用の導波路で
あるが、他の実施の形態について述べる。尚、図1に示
した実施の形態と同様の部材には共通の符号を用いた。
【0042】図4は本発明のポリマ導波路の他の実施の
形態を示す断面図である。
【0043】同図に示すポリマ導波路40は、シングル
モード伝送用のポリマ導波路であり、バッファ層41と
上部クラッド層42にPoly−furfuryl methacrylate
(PFFMA、屈折率約1.536)を用いたものであ
る。比屈折率差Δ1 、Δ2 を1.3%前後とすることに
より、シングルモード伝送用導波路としたものである。
尚、バッファ層41及び上部クラッド層42には上記ポ
リマ材料の他に種々のポリマ材料、例えばdiethylene g
lycore bisallyl caronate(屈折率1.517)等を用
いることができる。
【0044】図5は本発明のポリマ導波路の他の実施の
形態を示す断面図である。
【0045】同図に示すポリマ導波路50は、基板51
にポリカーボネート、ポリイミド、エポキシ、ポリスチ
レン等のプラスチックフィルムを用いたものである。こ
のフィルムの厚さは100μmから数百μm程度であ
り、このような薄いものを用いることにより、ポリマ導
波路50自体にフレキシビリティを持たせたものであ
る。このプラスチックフィルム状の基板51を用いるこ
とにより、ガラス、半導体、磁性体の基板に比し、弾力
性を持たせることができる。また、ある程度の曲げに対
してもコア層33が折れるようなことがない。さらに、
軽量であるため、装置内に実装した場合の装置の軽量化
を図ることができる。また、大幅な低コスト化も期待で
きる。尚、同図に示したポリマ導波路において、プラス
チックからなる基板51の屈折率がコア層33の屈折率
よりも低い場合には、バッファ層32はなくてもよい。
【0046】図6は本発明のポリマ導波路の他の実施の
形態を示す断面図である。
【0047】同図に示すポリマ導波路60は、バッファ
層32に光の伝搬するコア層61,62を低屈折率の中
間層63を介して積層させた構造の導波路であり、例え
ば2つのコア層61,62間で光の結合を利用した方向
性結合器、光フィルタ等の光回路を実現するのに有効な
光導波路構造のものである。中間層63の屈折率ni
コア層61(62)の屈折率nw よりも低い値とし、上
部クラッド層35の屈折率nc 、フォトブリーチングし
た下部クラッド層64,65の屈折率np 、バッファ層
32の屈折率nb と同程度の値に選ばれる。この実施の
形態ではコア層61,62が2つの場合であるが、さら
に中間層を設けて多数のコア層を積層させてもよい。
【0048】図7(a)は本発明のポリマ導波路を用い
た光分岐回路の一実施の形態を示す側面図であり、同図
(b)は(a)のB−B線断面図(すなわち、コア層の
パターン図)である。
【0049】同図に示す光分岐回路70は、入射光71
をコア層72内へ入射させ、コア層73及びコア層74
に光信号を分配し、矢印75,76のように入射光71
を等分配するための光分岐回路であるが、この等分配を
低過剰損失で実現するためには、分岐部のδとLとを精
密に形成しなければならない。
【0050】特に、δの値は1μm前後の値が好ましい
値であるが、従来の製造方法では、δの値を実現するこ
とは極めて困難であったが、本発明のフォトブリーチン
グによれば、1μm前後の微細な寸法を要求する光回路
パターンを実現することができる。例えば、2つのコア
層を1〜2μmの間隔で平行に所望長さだけ配置させて
光を二等分に分岐したり、波長の異なる光信号を分波さ
せたりする光方向性結合回路や光の伝搬方向に屈折率の
異なるコア層を交互に設けて所望の波長の光信号のみを
反射させたり、或いは透過させる光グレーティング回路
や光フィルタ回路を実現するのに好適である。
【0051】図8は本発明のポリマ導波路の製造方法の
一実施の形態を示す工程図である。
【0052】まず同図(a)に示すように、基板31上
にバッファ層32を形成する。バッファ層23はSiO
2 或いはSiO2 にB、F、P、Ti、Ge、Al等屈
折率制御用添加物を少なくとも一種類含んだものの場合
には、このバッファ層32はCVD法、プラズマCVD
法、スパッタリング法、電子ビーム蒸着法或いはスピン
コーティング法等によって形成する。バッファ層32が
ポリマからなる場合にはスピンコーティング法、真空蒸
着法等によって形成する。バッファ層32の上にフォト
ブリーチング用ポリマコア層34aを形成する。このフ
ォトブリーチング用ポリマコア層34aはスピンコーテ
ィング法、真空蒸着法等によって形成される。尚、ポリ
マのスピンコーティング法は、溶剤に溶かしたポリマ液
をスピンコーティング法によって塗布した後、プリベー
ク、ポストベークを経て乾燥、硬化させる。
【0053】次に同図(b)に示すように、フォトブリ
ーチング用ポリマコア層34aの上に上部クラッド層3
5を形成する。この上部クラッド層35はバッファ層3
2と同様の材質を用い、同様の方法で形成する。
【0054】同図(c)に示すように上部クラッド層3
5の上にフォトマスク36を配置し、このフォトマスク
36の上から紫外線37を照射する。フォトブリーチン
グ用ポリマ層34aが、例えば前述したDMAPNの場
合には、紫外線37の波長は380nmの光を照射す
る。紫外線の照射量は100mJ/cm2 とする。紫外
線37を照射すると、紫外線非透過部36a以外の紫外
線透過部36bに対応する部分はフォトブリーチングに
より屈折率が低下し(屈折率1.537)、同図(d)
に示すようにフォトブリーチングした下部クラッド層3
4になる。紫外線37の照射されなかった部分はコア層
33となり、図1に示したポリマ導波路が形成される
(屈折率1.553)。
【0055】以上のように、膜の形成と紫外線の照射と
でポリマ導波路を実現することができるので、従来のポ
リマ導波路で問題となっていた、ポリマコア層14の界
面14−1,14−2,14−3の荒れは生じない(図
10参照)。また上部クラッド層35の上面にも平坦さ
をそのまま維持することができるので、上部クラッド層
35の上面にさらに光導波路を形成したり、薄膜ヒータ
を設けたり、光部品や電子部品を搭載することが容易と
なる。さらに、従来のようなエッチングプロセスがない
ので、製造方法が簡単で、かつ安価に製造することがで
きる。
【0056】図9は本発明のポリマ導波路の製造方法の
他の実施の形態を示す工程図である。
【0057】まず同図(a)に示すように、基板31上
にバッファ層32、フォトブリーチング用ポリマ層64
a、中間層63、ブリーチング用ポリマ層65a及び上
部クラッド層35を順次堆積させておく。バッファ層3
2、フォトブリーチング用ポリマ層64a,65a、上
部クラッド層35は図8に示した製造方法の場合と同様
の方法で形成する。中間層63は、材料がSiO2 或い
はSiO2 にB、F、P、Ti、Ge、Al等屈折率制
御用添加物を少なくとも一種類含んだものの場合には、
CVD法、プラズマCVD法、電子ビーム蒸着法が用い
られる。材料がスピンオングラス液のような材料や溶剤
に溶けたポリマ液のような材料の場合にはスピンコーテ
ィング、プリベーク、ポストベークによって形成する。
【0058】次に同図(b)に示すように、上部クラッ
ド層35の上にフォトマスク66を配置し、そのフォト
マスク66の上面から紫外線67を照射する。紫外線6
7は紫外線透過部67aを透過して上部クラッド層3
5、フォトブリーチング用ポリマ層65a、中間層6
3、フォトブリーチング用ポリマ層64a、バッファ層
32及び基板31に到達する。フォトブリーチング用ポ
リマ層64a,65aをフォトブリーチングするとその
ポリマ層の屈折率が低下し、フォトブリーチングした下
部クラッド層64,65が形成される。
【0059】他方、フォトマスク66の紫外線非透過部
66bの下のフォトブリーチング用ポリマ層64a,6
5aの部分は未露光部として屈折率は低下せずそのまま
コア層61,62となる。コア層61,62の形状は、
下部クラッド層64,65、フォトブリーチング用ポリ
マ層64a,65a、中間層63のそれぞれの厚さの総
和が30μm以下の場合には、略等しい寸法形状とな
る。上記各層のそれぞれの層の厚さの総和が35μm以
上の場合には、コア層61,62の形状が若干異なって
いる。フォトブリーチング用ポリマ層64a,65aの
厚さが厚い場合、すなわち、マルチモード伝送用の場合
には、上部クラッド層35を形成する前に、フォトブリ
ーチング用ポリマ層65aの上にフォトマスク66を配
置してフォトブリーチングを行い、その後で上部クラッ
ド層35を形成するようにすれば、コア層61,62を
より精度良く形成することができると共に、フォトブリ
ーチングした下部クラッド層64,65の屈折率が均一
なポリマ導波路60が得られる。
【0060】尚、図8に示したポリマ導波路の製造方法
を用いる場合も同様にしてフォトブリーチングしてもよ
い。
【0061】以上において本発明によれば、 (1) ポリマからなるコア層とクラッド層との界面の不均
一性がほとんどなくなり、低損失の光導波路を実現する
ことができる。
【0062】(2) 上部クラッド層の上面が平坦なため、
薄膜金属ヒータや薄膜磁性体の形成等が容易となる。ま
た光部品や電子部品の搭載も容易となる。
【0063】(3) プロセスが簡単で、かつ高寸法精度の
コアパターン層を形成することができるので、高性能な
導波路型光部品を低コストで実現することができる。
【0064】(4) 基板の厚さを極めて薄くした、いわゆ
るフレキシブルポリマ導波路型光部品を高性能、高寸法
精度で製造することができる。しかも曲げて折れること
がなく、装置内への実装も容易である。
【0065】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
【0066】紫外線が照射されると屈折率が低下するポ
リマコア層のコア層とすべき部分を除いて紫外線を照射
することにより、コア層の両側面にクラッド層が形成さ
れるので、クラッド層の上面が平坦となり、高寸法精度
の極めて薄いポリマ導波路を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリマ導波路の一実施の形態を示す断
面図である。
【図2】DMAPNの吸収スペクトルを示す図である。
【図3】フォトブリーチング前後の屈折率の波長依存性
を示す図である。
【図4】本発明のポリマ導波路の他の実施の形態を示す
断面図である。
【図5】本発明のポリマ導波路の他の実施の形態を示す
断面図である。
【図6】本発明のポリマ導波路の他の実施の形態を示す
断面図である。
【図7】(a)は本発明のポリマ導波路を用いた光分岐
回路の一実施の形態を示す側面図であり、(b)は
(a)のB−B線断面図である。
【図8】本発明のポリマ導波路の製造方法の一実施の形
態を示す工程図である。
【図9】本発明のポリマ導波路の製造方法の他の実施の
形態を示す工程図である。
【図10】ポリマ導波路の従来例を示す断面図である。
【図11】(a)〜(c)はポリマ導波路の製造方法を
示す従来例である。
【図12】(a)〜(d)はポリマ導波路の製造方法を
示す他の従来例である。
【図13】(a)〜(d)はポリマ導波路の製造方法を
示すさらに他の従来例である。
【図14】(a)は従来のポリマ導波路上に薄膜ヒータ
を設けた場合の平面図であり、(b)は(a)のA−A
線断面図である。
【符号の説明】
30 ポリマ導波路 31 基板 32 バッファ層 33 コア層 34 下部クラッド層 34a ポリマコア層 35 上部クラッド層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、該基板上に形成された低屈折率
    b のバッファ層と、該バッファ層の上に形成され紫外
    線が照射されると屈折率が低下するポリマからなり、紫
    外線が照射されない略矩形断面形状のコア層(屈折率n
    w 、nw >nb )と、該コア層の両側で紫外線が照射さ
    れた下部クラッド層(屈折率np 、np <nw )と、上
    記ポリマの該コア層の両側で紫外線が照射された下部ク
    ラッド層と、該下部クラッド層及び上記コア層の上面を
    覆う上部クラッド層(nc 、nc <nw )とを備えたこ
    とを特徴とするポリマ導波路。
  2. 【請求項2】 基板と、該基板上に形成され紫外線が照
    射されると屈折率が低下するポリマからなり、紫外線が
    照射されない略矩形断面形状のコア層(屈折率nw 、n
    w >nb )と、該コア層の両側で紫外線が照射された下
    部クラッド層(屈折率np 、np <nw )と、上記ポリ
    マの該コア層の両側で紫外線が照射された下部クラッド
    層と、該下部クラッド層及び上記コア層の上面を覆う上
    部クラッド層(nc 、nc <nw )とを備えたことを特
    徴とするポリマ導波路。
  3. 【請求項3】 上記バッファ層及び上記上部クラッド層
    にSiO2 系の材料か或いはポリマ材料のいずれかを用
    いた請求項1又は2に記載のポリマ導波路。
  4. 【請求項4】 上記コア層及び上記下部クラッド層を、
    屈折率がni (ni <nw )で所望の厚さを有する中間
    層で上下に仕切った請求項1から3のいずれかに記載の
    ポリマ導波路。
  5. 【請求項5】 上記基板にプラスチック材料を用いた請
    求項1から4のいずれかに記載のポリマ導波路。
  6. 【請求項6】 基板上にバッファ層、紫外線が照射され
    ると屈折率が低下するポリマ層及び上部クラッド層を順
    次形成する第1工程と、上記上部クラッド層の上面に紫
    外線非透過部及び紫外線透過部のパターンが形成された
    フォトマスクを配置し、該フォトマスクの上から紫外線
    を照射することにより、紫外線の照射されないポリマか
    らなるコア層と紫外線が照射されたポリマからなる下部
    クラッド層とを形成する第2工程と、上記コア層及び下
    部クラッド層の上面に上部クラッド層を形成する第3工
    程とからなることを特徴とするポリマ導波路の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 上記第1工程において、ポリマ層と上部
    クラッド層との間に、他のポリマ層と中間層とを順次形
    成し、上記第2工程において、紫外線の照射されないポ
    リマからなるコア層及び他のコア層と紫外線が照射され
    たポリマからなる下部クラッド層及び他のクラッド層と
    を形成する請求項6に記載のポリマ導波路の製造方法。
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