JPH1037733A - コネクティングロッド潤滑装置 - Google Patents
コネクティングロッド潤滑装置Info
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- JPH1037733A JPH1037733A JP19478996A JP19478996A JPH1037733A JP H1037733 A JPH1037733 A JP H1037733A JP 19478996 A JP19478996 A JP 19478996A JP 19478996 A JP19478996 A JP 19478996A JP H1037733 A JPH1037733 A JP H1037733A
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- Japan
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- piston
- oil
- connecting rod
- lubricating oil
- lubricating
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- Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 製作が容易でコスト低減を図る上で有効なコ
ネクティングロッド潤滑装置を提供する。 【解決手段】 ピストン3に連結されるコネクティング
ロッド6の小端部7を潤滑するためのコネクティングロ
ッド潤滑装置において、ピストン3の天井面14に、一
端がオイルリング溝10に連通し、他端が前記コネクテ
ィングロッド6の小端部7の上部と対向する給油溝15
を設けた。
ネクティングロッド潤滑装置を提供する。 【解決手段】 ピストン3に連結されるコネクティング
ロッド6の小端部7を潤滑するためのコネクティングロ
ッド潤滑装置において、ピストン3の天井面14に、一
端がオイルリング溝10に連通し、他端が前記コネクテ
ィングロッド6の小端部7の上部と対向する給油溝15
を設けた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、レシプロエンジ
ンのコネクティングロッド潤滑装置、特にピストンに連
結されるコネクティングロッド小端部の潤滑装置に関す
る。
ンのコネクティングロッド潤滑装置、特にピストンに連
結されるコネクティングロッド小端部の潤滑装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】コネクティングロッドの小端部は、ピス
トンピン又はブッシュメタルを圧入してピストンと連結
される。この小端部は高温・高圧に晒される箇所であ
り、摩耗の問題を解決するために様々な潤滑方式が講じ
られており、その方式としては、コネクティングロッド
の大端部に設けたオイルジェット孔から潤滑油を上向き
に噴射してピストン天井面に吹き付け、そこから滴下す
る潤滑油で小端部を潤滑する方式、コネクティングロッ
ドのコラム部内に大端部から小端部に通ずる油路を設
け、直接小端部に給油する方式、シリンダブロックに設
けたオイルホールから潤滑油を取出し、オイルジェット
ノズルを用いて潤滑油をピストン天井面に吹き付け、そ
こから滴下する潤滑油で小端部を潤滑する方式等があ
る。
トンピン又はブッシュメタルを圧入してピストンと連結
される。この小端部は高温・高圧に晒される箇所であ
り、摩耗の問題を解決するために様々な潤滑方式が講じ
られており、その方式としては、コネクティングロッド
の大端部に設けたオイルジェット孔から潤滑油を上向き
に噴射してピストン天井面に吹き付け、そこから滴下す
る潤滑油で小端部を潤滑する方式、コネクティングロッ
ドのコラム部内に大端部から小端部に通ずる油路を設
け、直接小端部に給油する方式、シリンダブロックに設
けたオイルホールから潤滑油を取出し、オイルジェット
ノズルを用いて潤滑油をピストン天井面に吹き付け、そ
こから滴下する潤滑油で小端部を潤滑する方式等があ
る。
【0003】ところが、上記した各方式は、そのいずれ
も強制給油方式であり、給油のためにポンプのような特
別の装置や孔明け加工が必要であり、コスト増加につな
がるという問題があり、特に大端部にオイルジェット孔
から潤滑油を噴射する方式及びコラム部内の油路を通し
て給油する方式では、コネクティングロッド自体に孔加
工を行うため、強度的配慮が必要となる。
も強制給油方式であり、給油のためにポンプのような特
別の装置や孔明け加工が必要であり、コスト増加につな
がるという問題があり、特に大端部にオイルジェット孔
から潤滑油を噴射する方式及びコラム部内の油路を通し
て給油する方式では、コネクティングロッド自体に孔加
工を行うため、強度的配慮が必要となる。
【0004】そのため、上記強制給油方式の不具合を解
決するものとして、シリンダボア壁面の潤滑油を小端部
の潤滑油として利用するものが提案されており、例えば
実開昭63−52908号公報を挙げることができる。
上記公報に記載の潤滑装置は、ピストンに一端がオイル
リング溝に開口しかつ他端がコネクティングロッドの小
端部の側面に開口する給油孔を横向きに貫設し、ピスト
ン下降時にオイルリングによってシリンダボア壁面から
掻き落とされる潤滑油を給油孔内に取り込み、その潤滑
油をコネクティングロッドの小端部に貫設した導入孔を
通して摺動面に給油する方式である。
決するものとして、シリンダボア壁面の潤滑油を小端部
の潤滑油として利用するものが提案されており、例えば
実開昭63−52908号公報を挙げることができる。
上記公報に記載の潤滑装置は、ピストンに一端がオイル
リング溝に開口しかつ他端がコネクティングロッドの小
端部の側面に開口する給油孔を横向きに貫設し、ピスト
ン下降時にオイルリングによってシリンダボア壁面から
掻き落とされる潤滑油を給油孔内に取り込み、その潤滑
油をコネクティングロッドの小端部に貫設した導入孔を
通して摺動面に給油する方式である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記したシ
リンダボア壁面の潤滑油を利用する潤滑装置によると、
ポンプのような潤滑油を圧送する手段が不要となるとい
う利点を有するものの、孔を利用して潤滑油を導く方式
であるために、ピストン及びコネクティングロッドの小
端部に、面倒で手間の掛かるドリルによる孔明け加工が
必要であり、製作コストが高く付く上に強度的配慮が必
要であるという問題がある。
リンダボア壁面の潤滑油を利用する潤滑装置によると、
ポンプのような潤滑油を圧送する手段が不要となるとい
う利点を有するものの、孔を利用して潤滑油を導く方式
であるために、ピストン及びコネクティングロッドの小
端部に、面倒で手間の掛かるドリルによる孔明け加工が
必要であり、製作コストが高く付く上に強度的配慮が必
要であるという問題がある。
【0006】本発明は、上述の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、製作が容易でか
つコストの低減に有効なコネクティングロッド潤滑装置
を提供することにある。
ものであり、その目的とするところは、製作が容易でか
つコストの低減に有効なコネクティングロッド潤滑装置
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次のように構成したものである。即ち、請
求項1の発明はピストンに連結されるコネクティングロ
ッドの小端部を潤滑するためのコネクティングロッド潤
滑装置において、前記ピストンの天井面に、ピストン下
降時にオイルリングによってシリンダボア壁面から掻き
落とされてピストンのスカート部内面側へ戻される潤滑
油をピストン中央部側へ導く給油溝を設けたことを特徴
とする。
に、本発明は次のように構成したものである。即ち、請
求項1の発明はピストンに連結されるコネクティングロ
ッドの小端部を潤滑するためのコネクティングロッド潤
滑装置において、前記ピストンの天井面に、ピストン下
降時にオイルリングによってシリンダボア壁面から掻き
落とされてピストンのスカート部内面側へ戻される潤滑
油をピストン中央部側へ導く給油溝を設けたことを特徴
とする。
【0008】上記のように構成された請求項1の発明に
よると、ピストンの下降時において、オイルリングによ
ってシリンダボア壁面から掻き落とされる潤滑油が給油
溝によってピストン中央部へ導かれる。即ち、ピストン
は潤滑油の滴下速度を越える速度で下降することから、
潤滑油は給油溝に沿ってピストン中央部側へ押し流され
ることになり、そして、ピストンの下降速度の減速時に
或いは下降動作から上昇動作に転じる時に潤滑油は給油
溝からコネクティングロッドの小端部上に滴下してこれ
を潤滑する。
よると、ピストンの下降時において、オイルリングによ
ってシリンダボア壁面から掻き落とされる潤滑油が給油
溝によってピストン中央部へ導かれる。即ち、ピストン
は潤滑油の滴下速度を越える速度で下降することから、
潤滑油は給油溝に沿ってピストン中央部側へ押し流され
ることになり、そして、ピストンの下降速度の減速時に
或いは下降動作から上昇動作に転じる時に潤滑油は給油
溝からコネクティングロッドの小端部上に滴下してこれ
を潤滑する。
【0009】一般に、ピストンは鋳鉄あるいはアルミ合
金等からなる鋳造品である。従って、ピストン天井面に
給油溝を設ける請求項1の発明の場合は、ピストンの鋳
造時において、粗材に給油溝を同時に成形することが可
能となる。このため、製作が容易となり、従来のような
面倒でかつ手間の掛かる孔明け加工が不要なため、コス
トの低減につながる。
金等からなる鋳造品である。従って、ピストン天井面に
給油溝を設ける請求項1の発明の場合は、ピストンの鋳
造時において、粗材に給油溝を同時に成形することが可
能となる。このため、製作が容易となり、従来のような
面倒でかつ手間の掛かる孔明け加工が不要なため、コス
トの低減につながる。
【0010】請求項2の発明は、請求項1記載のコネク
ティングロッド潤滑装置において、前記ピストン天井面
の略中央部には、前記給油溝によって導かれた潤滑油を
小端部の所定部位に向けて滴下するオイルガイドを設け
たことを特徴とする。従って、この構成によると、給油
溝のピストン中央部側へ導かれた潤滑油をオイルガイド
によってコネクティングロッドの小端部上の所定位置に
集中的に滴下することが可能となり、給油効率を向上す
ることができる。
ティングロッド潤滑装置において、前記ピストン天井面
の略中央部には、前記給油溝によって導かれた潤滑油を
小端部の所定部位に向けて滴下するオイルガイドを設け
たことを特徴とする。従って、この構成によると、給油
溝のピストン中央部側へ導かれた潤滑油をオイルガイド
によってコネクティングロッドの小端部上の所定位置に
集中的に滴下することが可能となり、給油効率を向上す
ることができる。
【0011】請求項3の発明は、請求項1又は2に記載
のコネクティングロッド潤滑装置において、前記給油溝
を、前記オイルリング側からピストン中央部に向かって
上り傾斜状に形成したことを特徴とする。従って、この
構成によると、オイルリング溝から給油溝に流れ込んだ
潤滑油は、潤滑油の滴下速度よりも高速で下降するピス
トンの下降時に、給油溝の傾斜に沿ってピストン中央部
側へよりスムースに流動される。このため、潤滑油の給
油がより積極的に行われる。
のコネクティングロッド潤滑装置において、前記給油溝
を、前記オイルリング側からピストン中央部に向かって
上り傾斜状に形成したことを特徴とする。従って、この
構成によると、オイルリング溝から給油溝に流れ込んだ
潤滑油は、潤滑油の滴下速度よりも高速で下降するピス
トンの下降時に、給油溝の傾斜に沿ってピストン中央部
側へよりスムースに流動される。このため、潤滑油の給
油がより積極的に行われる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて具体的に説明する。図1はコネクティングロ
ッド潤滑装置を示す縦断面図、図2はピストン天井面構
造を示す底面図、図3は図1のA−A線断面図、図4は
図1のB部詳細図である。図示のように、シリンダブロ
ック1のシリンダボア2内を往復動するピストン3は、
その下面側に中心を挟んで対向状に設けられたボス部4
を有し、その両ボス部4のピン孔に圧入されたピストン
ピン5にコネクティングロッド6の小端部7がブッシュ
メタル8を介して回動可能に連結されている。なお、図
示は省略するが、コネクティングロッド6の大端部は、
クランク軸のクランクピンに回動可能に連結されてい
る。
に基づいて具体的に説明する。図1はコネクティングロ
ッド潤滑装置を示す縦断面図、図2はピストン天井面構
造を示す底面図、図3は図1のA−A線断面図、図4は
図1のB部詳細図である。図示のように、シリンダブロ
ック1のシリンダボア2内を往復動するピストン3は、
その下面側に中心を挟んで対向状に設けられたボス部4
を有し、その両ボス部4のピン孔に圧入されたピストン
ピン5にコネクティングロッド6の小端部7がブッシュ
メタル8を介して回動可能に連結されている。なお、図
示は省略するが、コネクティングロッド6の大端部は、
クランク軸のクランクピンに回動可能に連結されてい
る。
【0013】ピストン3の頭部外周に設けられる複数の
リング溝のうち、最下段のオイルリング溝10の溝底に
は、ピストン下降時において、そのオイルリング溝10
に嵌合されたオイルリング11によってボア壁面から掻
き落とされる潤滑油の一部をピストン3のスカート部1
2の内面側に導くための複数のオイル戻し孔13が横向
きに貫設されている。
リング溝のうち、最下段のオイルリング溝10の溝底に
は、ピストン下降時において、そのオイルリング溝10
に嵌合されたオイルリング11によってボア壁面から掻
き落とされる潤滑油の一部をピストン3のスカート部1
2の内面側に導くための複数のオイル戻し孔13が横向
きに貫設されている。
【0014】ピストン3の天井面14において、図2に
示すように、ボス部4の中心線を挟んで左右両側には、
それぞれ複数本(図では3本の場合を示す)の給油溝1
5が対称形に形成されている。各給油溝15は放射状に
延在されるとともにその円周側端部がオイル戻し孔13
に連通され、中心側端部が右側と左側とを単位として相
互に連通されている。従って、ピストン3の下降時には
オイル戻し孔13からスカート部12の内面側に流入し
た潤滑油が給油溝15に沿ってピストン中心部側へ導か
れる。
示すように、ボス部4の中心線を挟んで左右両側には、
それぞれ複数本(図では3本の場合を示す)の給油溝1
5が対称形に形成されている。各給油溝15は放射状に
延在されるとともにその円周側端部がオイル戻し孔13
に連通され、中心側端部が右側と左側とを単位として相
互に連通されている。従って、ピストン3の下降時には
オイル戻し孔13からスカート部12の内面側に流入し
た潤滑油が給油溝15に沿ってピストン中心部側へ導か
れる。
【0015】ピストン天井面14の中心部には、左右の
給油溝15を仕切る形で突起16が設けられ、その突起
16によって潤滑油をコネクティングロッド6の小端部
7に設けた給油用のオイル孔9へ集中して滴下させるよ
うにしている。即ち、突起16は給油溝15に沿ってピ
ストン天井面14の中心部側へ集められた潤滑油をオイ
ル孔9へ滴下するためのオイルガイドを構成している。
給油溝15を仕切る形で突起16が設けられ、その突起
16によって潤滑油をコネクティングロッド6の小端部
7に設けた給油用のオイル孔9へ集中して滴下させるよ
うにしている。即ち、突起16は給油溝15に沿ってピ
ストン天井面14の中心部側へ集められた潤滑油をオイ
ル孔9へ滴下するためのオイルガイドを構成している。
【0016】なお、突起16は給油溝15と対向する面
が凹状の湾曲面とされ、油切れが良好となるようにその
先端面(下端面)が天井面14の表面に対して段差を有
している、即ちやや凹んだ位置に設定されている。
が凹状の湾曲面とされ、油切れが良好となるようにその
先端面(下端面)が天井面14の表面に対して段差を有
している、即ちやや凹んだ位置に設定されている。
【0017】本実施の形態に係るコネクティングロッド
潤滑装置は上述のように構成したものである。従って、
クランク軸の回転により、コネクティングロッド6を介
して作動されるピストン3の下降時には、シリンダボア
2の壁面に付着している潤滑油がオイルリング11によ
って掻き落とされてクランク室に戻される。また、一部
の潤滑油はオイルリング溝10の溝底からオイル戻し孔
13を通って各給油溝15へ流入する。
潤滑装置は上述のように構成したものである。従って、
クランク軸の回転により、コネクティングロッド6を介
して作動されるピストン3の下降時には、シリンダボア
2の壁面に付着している潤滑油がオイルリング11によ
って掻き落とされてクランク室に戻される。また、一部
の潤滑油はオイルリング溝10の溝底からオイル戻し孔
13を通って各給油溝15へ流入する。
【0018】この場合、ピストン3の下降速度は、潤滑
油の滴下速度よりも高速であることから、潤滑油は各給
油溝15に沿ってピストン3の中心部側へ押し流され、
そして、その給油溝15の端部において合流するととも
に、オイルガイドとしての突起16によってせき止めら
れて流れ方向が下向きに転換される。ピストン3は下降
端に近づくにつれてその下降速度を減速後、上昇動作に
転ずるので、下降端付近で多くの潤滑油が突起16に沿
って下方へ滴下し、コネクティングロッド6の小端部7
に設けられたオイル孔9を通ってブッシュメタル8とピ
ストンピン5との摺動面に給油され、該摺動面を潤滑す
る。
油の滴下速度よりも高速であることから、潤滑油は各給
油溝15に沿ってピストン3の中心部側へ押し流され、
そして、その給油溝15の端部において合流するととも
に、オイルガイドとしての突起16によってせき止めら
れて流れ方向が下向きに転換される。ピストン3は下降
端に近づくにつれてその下降速度を減速後、上昇動作に
転ずるので、下降端付近で多くの潤滑油が突起16に沿
って下方へ滴下し、コネクティングロッド6の小端部7
に設けられたオイル孔9を通ってブッシュメタル8とピ
ストンピン5との摺動面に給油され、該摺動面を潤滑す
る。
【0019】このように、本実施の形態によれば、オイ
ルリング11によってシリンダボア2の壁面から掻き取
られた潤滑油を給油溝15及び突起16に沿ってコネク
ティングロッド6の小端部7へ導くようにしたことによ
り、従来のような強制的給油方式で必要なポンプを用い
ることなく給油が可能となる。しかも、オイル戻し孔1
3からスカート部12の内面側へ流入した潤滑油を給油
溝15にて案内することによりピストン天井面14やス
カート部12内面への潤滑油の広がりを防止し、少ない
潤滑油であっても有効に活用することが可能となり、ま
た突起16にて指向性が付与され、オイル孔9に集中的
に流下させることができる。
ルリング11によってシリンダボア2の壁面から掻き取
られた潤滑油を給油溝15及び突起16に沿ってコネク
ティングロッド6の小端部7へ導くようにしたことによ
り、従来のような強制的給油方式で必要なポンプを用い
ることなく給油が可能となる。しかも、オイル戻し孔1
3からスカート部12の内面側へ流入した潤滑油を給油
溝15にて案内することによりピストン天井面14やス
カート部12内面への潤滑油の広がりを防止し、少ない
潤滑油であっても有効に活用することが可能となり、ま
た突起16にて指向性が付与され、オイル孔9に集中的
に流下させることができる。
【0020】ところで、オイルリング11によって掻き
落とされる潤滑油の一部をスカート部12の内面側へ逃
がすためのオイル戻し孔13は、従来の通常のピストン
3にも設けられており、そのオイル戻し孔13は鋳鉄又
はアルミ合金等から製作されるピストン3の鋳造時に同
時に形成されている。従って、給油溝15についてもこ
のオイル戻し孔13と同様にピストン3の鋳造時に粗材
に給油溝14を成形することができる。そのため、製作
が容易であり、ピストンの製作後、ドリルを用いて給油
用の孔を明けている従来のような面倒でかつ手間の掛か
る孔明け加工が不要となってコストの低減につながる。
落とされる潤滑油の一部をスカート部12の内面側へ逃
がすためのオイル戻し孔13は、従来の通常のピストン
3にも設けられており、そのオイル戻し孔13は鋳鉄又
はアルミ合金等から製作されるピストン3の鋳造時に同
時に形成されている。従って、給油溝15についてもこ
のオイル戻し孔13と同様にピストン3の鋳造時に粗材
に給油溝14を成形することができる。そのため、製作
が容易であり、ピストンの製作後、ドリルを用いて給油
用の孔を明けている従来のような面倒でかつ手間の掛か
る孔明け加工が不要となってコストの低減につながる。
【0021】次に、本発明の他の実施の形態について説
明する。オイルリング11にて掻き落とされる潤滑油を
できるだけ多量に集める手段として、図5の(a),
(b)に示す実施の形態は各オイル戻し孔13を周方向
に広げたテーパ状に形成したものであり、また、図6の
(a),(b)に示す実施の形態はオイル孔13を周方
向に長いスリット状に形成するとともに、給油溝15を
それに対応した幅広に形成している。このような構成と
したときは、コネクティングロッド6の小端部7により
多くの潤滑油を給油して潤滑効果を上げることができ
る。
明する。オイルリング11にて掻き落とされる潤滑油を
できるだけ多量に集める手段として、図5の(a),
(b)に示す実施の形態は各オイル戻し孔13を周方向
に広げたテーパ状に形成したものであり、また、図6の
(a),(b)に示す実施の形態はオイル孔13を周方
向に長いスリット状に形成するとともに、給油溝15を
それに対応した幅広に形成している。このような構成と
したときは、コネクティングロッド6の小端部7により
多くの潤滑油を給油して潤滑効果を上げることができ
る。
【0022】また、図7に示す実施の形態はオイル戻し
孔13及び給油溝15を、オイルリング溝11側からピ
ストン中心部に向けて上り傾斜状に形成したものであ
る。従って、この実施の形態によれば、ピストン3の下
降時において、下降速度が潤滑油の滴下速度よりも速い
ことに伴って、潤滑油が傾斜面に沿ってピストン中心部
側へ流れ易くなり、潤滑油の給油をより積極的に行うこ
とができる。
孔13及び給油溝15を、オイルリング溝11側からピ
ストン中心部に向けて上り傾斜状に形成したものであ
る。従って、この実施の形態によれば、ピストン3の下
降時において、下降速度が潤滑油の滴下速度よりも速い
ことに伴って、潤滑油が傾斜面に沿ってピストン中心部
側へ流れ易くなり、潤滑油の給油をより積極的に行うこ
とができる。
【0023】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明に
よれば、ピストン天井面に、コネクティングロッドの小
端部に潤滑油を給油するための給油溝を設けたことによ
り、製作が容易でかつコスト低減に有効なコネクティン
グロッド潤滑装置を提供することができる。また、請求
項2の発明によれば、潤滑油をオイルガイドによってコ
ネクティングロッドの小端部上の所定位置に集中的に滴
下できるため、給油効率を向上することができる。請求
項3の発明によれば、潤滑油をピストン中央部側へより
スムースに流動させることができる。
よれば、ピストン天井面に、コネクティングロッドの小
端部に潤滑油を給油するための給油溝を設けたことによ
り、製作が容易でかつコスト低減に有効なコネクティン
グロッド潤滑装置を提供することができる。また、請求
項2の発明によれば、潤滑油をオイルガイドによってコ
ネクティングロッドの小端部上の所定位置に集中的に滴
下できるため、給油効率を向上することができる。請求
項3の発明によれば、潤滑油をピストン中央部側へより
スムースに流動させることができる。
【図1】実施の形態に係るコネクティングロッド潤滑装
置を示す縦断面図である。
置を示す縦断面図である。
【図2】ピストン天井面構造を示す底面図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】図1のB部詳細図である。
【図5】他の実施の形態を示す説明図であり、(a)は
側面視、(b)は(a)のC−C断面を示す。
側面視、(b)は(a)のC−C断面を示す。
【図6】さらに他の実施の形態を示す説明図であり、
(a)は側面視、(b)は(a)のD−D断面を示す。
(a)は側面視、(b)は(a)のD−D断面を示す。
【図7】さらに他の実施の形態を示す説明図である。
2…シリンダボア 3…ピストン 6…コネクティングロッド 7…小端部 8…ブッシュメタル 9…給油孔 10…オイルリング溝 11…オイルリング 13…オイル戻し孔 14…ピストン天井面 15…給油溝 16…突起
Claims (3)
- 【請求項1】 ピストンに連結されるコネクティングロ
ッドの小端部を潤滑するためのコネクティングロッド潤
滑装置において、 前記ピストンの天井面に、ピストン下降時にオイルリン
グによってシリンダボア壁面から掻き落とされてピスト
ンのスカート部内面側へ戻される潤滑油をピストン中央
部側へ導く給油溝を設けたコネクティングロッド潤滑装
置。 - 【請求項2】 前記ピストン天井面の略中央部には、前
記給油溝によって導かれた潤滑油を小端部の所定部位に
向けて滴下するオイルガイドを設けた請求項1記載のコ
ネクティングロッド潤滑装置。 - 【請求項3】 前記給油溝を、前記オイルリング側から
ピストン中央部に向かって上り傾斜状に形成した請求項
1又は2に記載のコネクティングロッド潤滑装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19478996A JPH1037733A (ja) | 1996-07-24 | 1996-07-24 | コネクティングロッド潤滑装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19478996A JPH1037733A (ja) | 1996-07-24 | 1996-07-24 | コネクティングロッド潤滑装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1037733A true JPH1037733A (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=16330295
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19478996A Pending JPH1037733A (ja) | 1996-07-24 | 1996-07-24 | コネクティングロッド潤滑装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1037733A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1085784C (zh) * | 1998-08-10 | 2002-05-29 | 日野自动车工业株式会社 | 发动机的活塞 |
EP1408204A1 (en) * | 2002-10-07 | 2004-04-14 | Siegfried Meyer | A connecting rod structure for an internal combustion engine |
JP2008223796A (ja) * | 2007-03-08 | 2008-09-25 | Nissan Diesel Motor Co Ltd | コネクティングロッドの潤滑構造 |
JP2009281387A (ja) * | 2009-06-01 | 2009-12-03 | Toyota Motor Corp | 内燃機関用エンジンのピストン及び内燃機関用エンジンのピストンとピストンリングの組合せ |
JP2015025424A (ja) * | 2013-07-26 | 2015-02-05 | 三菱自動車工業株式会社 | エンジン |
CN106121853A (zh) * | 2016-08-31 | 2016-11-16 | 重庆长安汽车股份有限公司 | 一种汽车发动机活塞回油孔布置结构 |
DE102017100153A1 (de) | 2016-01-21 | 2017-07-27 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Pleuelstange mit variabler Länge und Brennkraftmaschine mit variablem Verdichtungsverhältnis |
-
1996
- 1996-07-24 JP JP19478996A patent/JPH1037733A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
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