JPH10338381A - 板材加工機に対するワーク搬入方法及びその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 省スペース化を図り得る板材加工機に対する
ワーク搬入方法及びその装置を提供する。 【解決手段】 パレット移送手段のうちのリフタ４７に
より待機ステーションの素材パレットＰ_W がパレット支
持ステーションＳＴ０へ移送され、この素材パレット上
のワークＷがローダ５９の吸着装置６９で１枚だけ持ち
上げられる。前記素材パレットは移動リフタ装置４７に
より待機ステーションＳＴ１へ戻された後に、移動リフ
タ装置４７が再びパレット支持ステーションへ移動して
支持テーブル４９（原点位置決め用テーブル）が上昇す
る。この支持テーブル４９上に前記１枚のワークが載置
され、パレット支持ステーションで原点位置決めされ
る。このワークはローダ５９により板材加工機１へ搬入
され加工される。ワークの一枚取りと原点位置決めが上
下に整列されて自動的に行われるので、省スペース化と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、板材加工機に対す
るワーク搬入方法及びその装置に関し、例えばレーザ加
工機やパンチプレスのような板材加工機に対して板状の
ワークの搬入を行なうワーク搬入方法及びその装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えばレーザ加工機のような板材
加工機に対する板状のワークの搬入装置としては、板材
加工機の一側方には上下に複数段に備えたパレット収納
棚が隣接している。このパレット収納棚から取り出され
た素材パレットのワークから１枚のワークが板材加工機
の加工テーブルに搬入される。

【０００３】板材加工機でワークが自動的に加工される
ためには、加工すべきワークの原点位置決めも自動的に
行われる必要がある。通常、板材加工機の加工テーブル
上でワークの原点位置決めが行われるが、特にレーザ加
工機のような板材加工機では加工テーブルが例えば剣山
構造になっており、この剣山構造における剣山の上にワ
ークが支持される。もし、原点位置決めするためにこの
剣山の上でワークを移動するとワークの裏面に傷が発生
するので、このような加工テーブル上ではワークの原点
位置決めができない。

【０００４】そのために、板材加工機にワークの原点位
置決め装置が設けられていない場合には、板材加工機へ
ワークを搬入する前に他の場所で予めワークの原点位置
決めが行われている。

【０００５】ワークの原点位置決めをするためには、素
材パレットを収納するための収納スペースと、素材パレ
ット上のワークを１枚取りするための１枚取りスペース
と、この１枚取りされたワークを原点位置決めするため
の原点位置決めスペースとの３つのスペース、つまり合
計でワークサイズの３倍のスペースが必要である。

【０００６】そこで、収納スペースと１枚取りスペース
とを共通に設けて省スペース化を図る方法と、１枚取り
スペースと原点位置決めスペースとを共通に設けて省ス
ペース化を図る方法が取られていた。ちなみに、後者で
は空中でワークを原点位置決めする方法が取られてい
た。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の板材
加工機に対するワーク搬入装置において、前者の収納ス
ペースと１枚取りスペースとを共通に設けて省スペース
化を図る手段では、ワークを１枚取りするためのワーク
搬送装置がパレット収納棚内に設けられるので、素材パ
レットの収納能力に制限が生じてパレット収納棚の棚数
が少なくなるという問題点があった。

【０００８】また、後者の１枚取りスペースと原点位置
決めスペースとを共通に設けて省スペース化を図る手段
で、例えば空中でワークを原点位置決めする方法ではワ
ークが波打っている状態で原点位置決めされるので原点
位置決め精度に不安定な要素があるという問題点があっ
た。

【０００９】本発明は叙上の課題を解決するためになさ
れたもので、その目的は、板材加工の生産ラインにおけ
る種々の板材加工機の設置スペースの省スペース化を図
るというニーズに対応するために１枚取りスペースと原
点位置決めスペースとを共通化してワークサイズ分の省
スペース化を図り得る板材加工機に対するワーク搬入方
法及びその装置を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項１によるこの発明の板材加工機に対するワーク
搬入方法は、素材パレットをパレット支持ステーション
に載置し、このパレット支持ステーションに載置された
素材パレット上に積載されたワークのうちの１枚のワー
クを吸着装置で吸着して持ち上げ、前記素材パレットが
パレット支持ステーションから待機ステーションへ移動
すると、パレット支持ステーションに備えられた原点位
置決め用テーブルを露出せしめ、この原点位置決め用テ
ーブル上に前記吸着装置の１枚のワークを載置し、次い
でこの原点位置決め用テーブル上でワークを板材加工機
に対して原点位置決めし、この原点位置決めされたワー
クを前記吸着装置で再び吸着し持ち上げて板材加工機の
加工テーブルへ搬送してなることを特徴とするものであ
る。

【００１１】したがって、素材パレットから取り出した
１枚のワークは、板材加工機へ搬入する前にパレット支
持ステーションでワークの原点位置決めが行われるの
で、特にレーザ加工機のように板材加工機の加工テーブ
ル面が円滑でない場合でも、ワークの原点位置決めが自
動的にされる。

【００１２】また、ワークの一枚取りとワークの原点位
置決めがパレット支持ステーションで上下に整列されて
行われるので、省スペース化となる。

【００１３】また、ワークが原点位置決め用テーブルで
支えられてワークの原点位置決めが行われるので、ワー
クの波打ちがないため空中原点位置決めと比べると高精
度な原点位置決めが行われる。

【００１４】請求項２によるこの発明の板材加工機に対
するワーク搬入装置は、素材パレットをパレット支持ス
テーションで支持するパレット支持手段と、前記パレッ
ト支持ステーションに載置された素材パレット上に積載
されたワークを吸着して持ち上げる吸着装置を備えると
共にこの吸着装置に吸着された１枚のワークを板材加工
機の加工テーブルへ搬入すべく前記加工テーブルの上方
まで移動するワーク搬送手段と、前記パレット支持ステ
ーションの上方でワークを板材加工機の加工テーブルに
対して原点位置決めする原点位置決め手段と、前記吸着
装置で一枚取りされたワークを原点位置決めするために
パレット支持ステーションの位置で支持すべく、前記原
点位置決め手段の直下に露出自在に設けた原点位置決め
用テーブルと、パレット支持ステーションの一側方に設
けられた待機ステーションと前記パレット支持ステーシ
ョンとの間で素材パレットを移送するパレット移送手段
と、からなることを特徴とするものである。

【００１５】したがって、請求項１記載の作用と同様で
あり、待機ステーションの素材パレットがパレット移送
手段によりパレット支持ステーションへ移送され、この
パレット支持ステーションで支持された素材パレット上
のワークは１枚だけワーク搬送手段の吸着装置で持ち上
げられる。次いで素材パレットがパレット移送手段によ
りパレット支持ステーションから待機ステーションへ移
送されると共に前記１枚のワークの下方に原点位置決め
用テーブルが露出する。この原点位置決め用テーブル上
に前記１枚のワークが載置され、板材加工機へ搬入され
る前にパレット支持ステーションで原点位置決めされ
る。この原点位置決めされたワークはワーク搬送手段に
より板材加工機の加工テーブルへ搬入される。したがっ
て、特にレーザ加工機のように板材加工機の加工テーブ
ル面が円滑でない場合でも、ワークの原点位置決めが自
動的にされる。

【００１６】また、ワークの一枚取りとワークの原点位
置決めがパレット支持ステーションで上下に整列されて
行われるので、省スペース化となる。

【００１７】また、ワークが原点位置決め用テーブルで
支えられてワークの原点位置決めが行われるので、ワー
クの波打ちがないため空中原点位置決めと比べると高精
度なワーク原点位置決めが行われる。

【００１８】請求項３によるこの発明の板材加工機に対
するワーク搬入装置は、請求項２記載の板材加工機に対
するワーク搬入装置において、前記パレット移送手段に
前記パレット支持手段と前記原点位置決め手段を上下動
せしめるリフタを備えてなることを特徴とするものであ
る。

【００１９】したがって、前記パレット移動手段に上下
動せしめるパレット支持手段と原点位置決め手段をリフ
タに備えているから、低コスト化と省スペース化と高精
度なワーク原点位置決めとなる。

【００２０】請求項４によるこの発明の板材加工機に対
するワーク搬入装置は、請求項２又は３記載の板材加工
機に対するワーク搬入装置において、前記原点位置決め
テーブルの上面に素材パレットを載置すべきエリアとこ
のエリアを除く部分に多数のフリーベアを備えた原点位
置決め用テーブルでなることを特徴とするものである。

【００２１】したがって、原点位置決め用テーブルでは
多数のフリーベアを備えている部分にワークが載置され
て原点位置決めが行なわれ、フリーベアが設けられてい
ないエリアに素材パレットが載置されるので、素材パレ
ットが滑ることなく安定した状態でワークの１枚取りが
行われ、この原点位置決め用テーブルは原点位置決め用
とワークの１枚取り用とが兼用される。

【００２２】請求項５によるこの発明の板材加工機に対
するワーク搬入装置は、請求項２記載の板材加工機に対
するワーク搬入装置において、板材加工機へ搬入するワ
ークを積載した複数の素材パレットを収納する複数のパ
レット収納棚を上下に複数段に備え、且つ板材加工機の
一側方に配置されたワーク貯蔵装置を設けると共に、パ
レット支持手段を前記ワーク貯蔵装置の最下段のパレッ
ト支持ステーションに設け、前記ワーク貯蔵装置の適宜
のパレット収納棚から素材パレットを取り出すと共にこ
の素材パレットを前記パレット支持ステーションへ移送
し、或いはパレット支持ステーションの素材パレットを
待機ステーションへ引き戻すべく前記パレット移送手段
を備えていると共に前記パレット支持ステーションの一
側方に設けられた待機ステーションに上下動自在に設け
られたエレベータ装置とを設けてなることを特徴とする
ものである。

【００２３】したがって、ワーク貯蔵装置の最下段にパ
レット支持手段を設けてパレット支持ステーションと
し、また、エレベータ装置の位置を待機ステーションと
したので、ワーク貯蔵装置は板材加工機に隣接して設置
し得るため省スペース化となる。

【００２４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の板材加工機におけ
るワーク搬入装置の実施の形態の例について図面を参照
して説明する。

【００２５】図１及び図２を参照するに、本実施の形態
の例に係わる板材加工機としての例えばレーザ加工機１
は、ワークＷにレーザビームを照射しながら図１の紙面
上で直交する方向のＹ軸方向へ移動するレーザ加工ヘッ
ド３と、レーザ発振器（図示省略）と、ＮＣ装置（図示
省略）と、レーザ加工ヘッド３の下方に位置してワーク
ＷをＸ軸方向へ移動位置決めするワーク移動位置決め装
置５を備えた加工テーブル７とからなる。

【００２６】前記レーザ加工ヘッド３は加工テーブル７
に立設された加工機本体９に設けられており、前記ワー
ク移動位置決め装置５はワークＷをクランプするワーク
クランプ装置１１を備えたキャレッジ１３がＸ軸方向へ
移動自在に構成されている。

【００２７】前記ワーク移動位置決め装置５についてよ
り詳しくは、前記キャレッジ１３がガイドレール（図示
省略）上をＸ軸方向（図１において左右方向）へ走行自
在に設けられ、このキャレッジ１３の移動制御は加工テ
ーブル７内に設けたボールねじ１５を回転駆動するキャ
レッジ用モータ１７の正逆転により行われる。

【００２８】したがって、前記ワーククランプ装置１１
でクランプされたワークＷは、キャレッジ用モータ１７
の正逆転によるキャレッジ１３の移動によりＸ軸方向へ
移動すると共に、レーザ加工ヘッド３がＹ軸方向へ移動
されて、加工テーブル７上のワークＷにレーザ加工が行
われることになる。

【００２９】次に、上記のレーザ加工機１に対してワー
クＷを搬入するワーク搬入装置１９の詳細について説明
する。

【００３０】図１を参照するに、ワーク搬入装置１９は
レーザ加工機１の一側方に配置されている。このワーク
搬入装置１９には、レーザ加工機１へ搬入するワークＷ
を積載した素材パレットＰ_W を収納する複数のパレット
収納棚２１を上下に複数段に備えたワーク貯蔵装置２３
に設けられている。

【００３１】前記ワーク貯蔵装置２３は例えばチャンネ
ル材等よりなる複数本の支柱２５が立設され、且つ各支
柱２５が複数本の水平なビーム部材によって連結された
枠体フレーム２７を構成せしめている。

【００３２】また、枠体フレーム２７の内側には、図１
に示されているように、各素材パレットＰ_W の左右両側
に備えられた複数の車輪を案内支持すべく、断面形状が
Ｌ字形状のガイドレール２９が左右に対向して設けられ
ている。これらのガイドレール２９が上下に複数設けら
れることによって、枠体フレーム２７の上部側内部が、
素材パレットＰ_W を収納する複数のパレット収納棚２１
に区画されている。

【００３３】パレット収納棚２１とレーザ加工機１との
間には素材パレットＰ_W に積載されたワークＷを１枚取
りすると共にこの１枚取りされたワークＷをレーザ加工
機１へ搬入するために素材パレットＰ_W を支持するため
の領域としてパレット支持ステーションＳＴ０が設けら
れている。

【００３４】また、前記パレット収納棚２１の枠体フレ
ーム２７の最下段には、図１に示されているように、前
記パレット支持ステーションＳＴ０へ移動する素材パレ
ットＰ_W を支持して一時的に待機させるための待機ステ
ーションＳＴ１となるパレット支持ガイドレール３１が
設けられている。パレット支持ガイドレール３１は枠体
フレーム２７の内側に断面形状がＬ字形状のガイドレー
ルが左右に対向して設けられたものである。

【００３５】また、前記パレット支持ステーションＳＴ
０に対して反対側のパレット収納棚２１の一側方には、
このパレット収納棚２１から適宜の素材パレットＰ_W を
取り出して前記パレット支持ガイドレール３１上へ移送
するために、あるいはパレット支持ガイドレール３１上
のパレットをパレット収納棚２１へ収納するために、エ
レベータ装置３３が上下動自在に設けられている。

【００３６】より詳細には、前記エレベータ装置３３は
前記枠体フレーム２７の支柱２５に設けた垂直なガイド
レール（図示省略）に案内されて上下動するもので、こ
のエレベータ装置３３には、枠体フレーム２７の上部に
装着したウィンチ装置３５におけるスプロケット３７に
掛回されて上下動するチェーン３９が連結されている。

【００３７】上記構成により、ウィンチ装置３５の駆動
によりエレベータ装置３３は適宜に上下動され、エレベ
ータ装置３３は各パレット収納棚２１に対応した高さお
よびパレット支持ガイドレール３１に対してパレットの
送り出し等を行なう高さに位置決めされる。

【００３８】前記エレベータ装置３３には、トラバーサ
等のパレット移送装置４１がＸ軸方向（図１において左
右方向）へ往復動自在に備えられており、このパレット
移送装置４１により前記パレット収納棚２１およびパレ
ット支持ガイドレール３１に対して素材パレットＰ_W の
送り出しおよび引き込みが行われる。

【００３９】より詳細には、エレベータ装置３３にはパ
レットを支承するために前記パレット収納棚２１の複数
のガイドレール２９と同幅の位置に一対のガイドレール
４３が水平に備えられている。さらに、エレベータ装置
３３には前記パレット移送装置４１を案内する一対のガ
イドレール（図示省略）が水平に設けられている。そし
て、パレット移送装置４１にはパレットの端部に備えた
係合突出部と係脱自在なフック４５が設けられている。

【００４０】上記構成により、フック４５がパレットの
係合突出部に係合され、パレット移送装置４１が図１に
おいて左右方向に移動されることにより、各パレット収
納棚２１、パレット待機ステーションＳＴ１に対してパ
レットの送り込み及び引き出しが行なわれる。

【００４１】枠体フレーム２７の下部の床面には、図１
に示されるように、パレット支持ステーションＳＴ０と
待機ステーションＳＴ１との間を走行するリフタ４７が
配置されている。この移動リフタ装置４７は、Ｘ字形状
の一対のリンクにより支持テーブル４９が水平に支持さ
れ、この支持テーブル４９は通常の一般的なリフタ装置
の構造と同様に流体圧シリンダ（図示省略）によって上
記リンクを作動して上下動されるリフタを構成してお
り、パレットを支持して上下動するものである。

【００４２】より詳しくは、リフタ４７の下部には図１
に示されているように正逆転モータ（図示省略）により
駆動される車輪５１が設けられており、パレット支持ス
テーションＳＴ０と待機ステーションＳＴ１との間の床
上に延設されたレール５３上を図１において左右方向に
走行自在に設けられている。

【００４３】前記リフタ４７の支持テーブル４９の上面
には、図２に示されているように素材パレットＰ_W の底
面をなす枠部材５５の部分が載置されるエリアを除く他
のエリアに多数のフリーベア５７が設けられている。換
言すれば、素材パレットＰ_Wは支持テーブル４９の上面
のフリーベア５７の上に載置すると移動してしまうので
不安定であるが、フリーベア５７が設けられていないエ
リアに載置すれば滑らない。なお、支持テーブル４９の
上面のフリーベア５７のエリアは１枚のワークＷの原点
位置決め用テーブルとなる。

【００４４】パレット支持ステーションＳＴ０の上方位
置にはローダ５９（ワーク搬送手段）が設けられてお
り、このローダ５９は前記リフタ４７に支持された素材
パレットＰ_W に積載されているワークＷを１枚毎分離し
てレーザ加工機１へ搬入するものである。

【００４５】より詳しくは、図１に示されているように
枠体フレーム２７の外側の一側に、前記パレット支持ス
テーションＳＴ０の上方からレーザ加工機１の加工テー
ブル７の後部側の上方にまで延伸したローダレール６１
が水平に設けられており、このローダレール６１にロー
ダ５９が往復動自在に設けられている。このローダ５９
にはモータ６３が装着されており、このモータ６３によ
って回転されるピニオン６５がローダレール６１に設け
たラック６７に噛合されている。従って、ローダ５９は
モータ６３が正逆回転することにより、ローダレール６
１に沿ってＸ軸方向に往復動される。

【００４６】また、前記ローダ５９の下部には、ワーク
Ｗを吸着する吸着装置６９が設けられている。この吸着
装置６９はローダ５９の下部に上下シリンダ７１を介し
てストレッチ７３が上下動自在に設けられ、このストレ
ッチ７３に複数の吸着パッド７５が垂設されている。し
たがって、上昇したリフタ４７の素材パレットＰ_W 上の
最上部の１枚のワークＷが上下シリンダ７１の作動によ
り下降して吸着パッド７５により吸着されて、下側の他
のワークＷから分離される。

【００４７】図１を参照するに、枠体フレーム２７の外
側の一側には、レーザ加工機１に対してワークＷの原点
を位置決めする原点位置決め装置７７（原点位置決め手
段）がローダレール６１の下に位置して設けられてい
る。つまり、前述したリフタ４７がパレット支持ステー
ションＳＴ０の位置で上昇し、このリフタ４７の支持テ
ーブル４９の上面のフリーベア５７上に載置された１枚
のワークＷの原点を位置決めするものである。

【００４８】原点位置決め装置７７としては、Ｘ軸方向
の原点に位置決めするための第１ロケートピンとＹ軸方
向の原点に位置決めするための第２ロケートピンとから
なるロケートピン７９が枠体フレーム２７の外側の一側
に設けられている。この第１ロケートピンと第２ロケー
トピンにワークＷを突き当てるための原点引き寄せパッ
ド８１が設けられている。

【００４９】より詳しくは、前記原点引き寄せパッド８
１は、図１に示されているように取付アーム８３がロケ
ートピン７９の上方に位置して枠体フレーム２７の外側
の一側に設けられ、この取付アーム８３には移動リフタ
装置４７のワーク支持テーブル４９面とほぼ平行に第１
ロケートピンと第２ロケートピンに突き当てる方向に引
き寄せるべく作動するピストンロッド（図示省略）を備
えた引き寄せシリンダ８５が設けられている。この引き
寄せシリンダ８５のピストンロッドの先端には吸着パッ
ド８７がパレット支持テーブル４９上のワークＷを吸着
すべく設けられている。

【００５０】以上のような構成において、先ず、パレッ
ト収納棚２１の素材パレットＰ_W がエレベータ装置３３
のパレット移送装置４１により待機ステーションＳＴ１
のパレット支持ガイドレール３１上に移送される。リフ
タ４７は待機ステーションＳＴ１に位置しており、リフ
タ４７の支持テーブル４９が僅かに上昇して前記パレッ
ト支持ガイドレール３１に待機している素材パレットＰ
_W が持ち上げられ、図３（Ａ）に示されているようにリ
フタ４７が走行して素材パレットＰ_W がパレット支持ス
テーションＳＴ０へ移送される。

【００５１】図３（Ｂ）を参照するに、パレット支持ス
テーションＳＴ０においてリフタ４７の支持テーブル４
９が上昇し、素材パレットＰ_W が持ち上げられるのと同
時に、上下シリンダ７１が下降して素材パレットＰ_W の
最上部のワークＷが吸着装置６９の吸着パッド７５に当
接する。

【００５２】この素材パレットＰ_W の最上部の1 枚のワ
ークＷが吸着パッド７５により吸着された後に、リフタ
４７の支持テーブル４９が下降することにより、前記最
上部の1 枚のワークＷが他の下層側のワークＷから分離
される。

【００５３】図３（Ｃ）を参照するに、リフタ４７はパ
レット支持ステーションＳＴ０から待機ステーションＳ
Ｔ１へ移動し、リフタ４７の支持テーブル４９が下降す
ることにより素材パレットＰ_W がパレット支持ガイドレ
ール３１へ載置される。

【００５４】その後、図４（Ｄ）に示されているように
リフタ４７は再び待機ステーションＳＴ１からパレット
支持ステーションＳＴ０へ移動し、前述したように吸着
装置６９の吸着パッド７５に吸着されている１枚のワー
クＷの位置までリフタ４７が上昇する。換言すれば、リ
フタ４７は支持テーブル４９のフリーベア５７の頂点の
高さがロケートピン７９と同じ高さの位置まで上昇して
停止する。

【００５５】次いで、吸着装置６９の吸着パッド７５に
吸着されている１枚のワークＷが解放されて支持テーブ
ル４９のフリーベア５７上へ載置される。このとき、ワ
ークＷの端縁は第１ロケートピン及び第２ロケートピン
から少し離れた位置にある。なお、吸着装置６９の上下
シリンダ７１は上昇して待機する。

【００５６】次に、リフタ４７の支持テーブル４９が僅
かに上昇することにより、支持テーブル４９のフリーベ
ア５７上のワークＷは原点引き寄せパッド８１の吸着パ
ッド８７に吸着される。次いで引き寄せシリンダ８５が
ワークＷを第１ロケートピン及び第２ロケートピンの原
点位置に突き当てるべく作動し、ワークＷは原点方向へ
移動され原点位置決めされる。

【００５７】以上のように、パレット移送手段にはパレ
ット支持手段と原点位置決め用テーブルを上下動せしめ
るリフタ４７を備えていることになる。

【００５８】図４（Ｅ）を参照するに、吸着装置６９の
上下シリンダ７１が下降してロケートピン７９に突き当
てられたワークＷは吸着パッド７５に吸着され、前記原
点引き寄せパッド８１の吸着パッド８７がワークＷを解
放する。再び、吸着装置６９の上下シリンダ７１が上昇
してワークＷが持ち上げられる。

【００５９】図４（Ｆ）を参照するに、その後、ローダ
５９が図４（Ｆ）において右方向へ移動することによ
り、ワークＷがレーザ加工機１の加工テーブル７上へ搬
入される。なお、引き寄せシリンダ８５は原位置に戻る
ことにより吸着パッド８７が原位置に復帰する。

【００６０】レーザ加工機１の加工テーブル７上のワー
クＷはワーククランプ装置１１によりクランプされ、キ
ャレッジ１３の移動によりＸ軸方向へ移動すると共に、
レーザ加工ヘッド３はＹ軸方向へ移動されて、このレー
ザ加工ヘッド３でレーザ加工される。

【００６１】上述したようにレーザ加工機１においてワ
ークＷのレーザ加工が行われている間に、前記ローダ５
９は原位置のパレット支持ステーションＳＴ０へ戻ると
共に、再びリフタ４７が待機ステーションＳＴ１へ移動
し支持テーブル４９が上昇して素材パレットＰｗがパレ
ット支持ガイドレール３１から僅かに持ち上げられ、リ
フタ４７がパレット支持ステーションＳＴ０へ走行し、
前述した工程を繰り返して次のワークＷが吸着装置６９
により素材パレットＰ_W の他のワークＷから分離され、
原点位置決めされた後にローダ５９によりレーザ加工機
１の加工テーブル７へ搬入される。

【００６２】以上のように、上記の工程が繰り返され、
素材パレットＰ_W のワークＷが１枚ずつ原点位置決めさ
れた後にレーザ加工機１の加工テーブル７へ搬入され
る。

【００６３】本発明の板材加工機におけるワーク搬入装
置の他の実施の形態の例について図面を参照して説明す
る。なお、前述したワーク搬入装置と同様の部材や構成
の説明は省略する。

【００６４】図５を参照するに、ワーク貯蔵装置２３の
パレット収納棚２１はレーザ加工機１に隣接した位置に
設置されており、パレット収納棚２１の最下段には、原
点引き寄せパッド８１とロケートピン７９（第１ロケー
トピン及び第２ロケートピン）とからなる原点位置決め
装置７７が設けられ、この原点位置決め装置７７の上方
にはレーザ加工機１の加工テーブル７の上方まで延伸さ
れたローダレール６１が設けられ、このローダレール６
１にはローダ５９が走行自在に設けられている。

【００６５】また、パレット収納棚２１には前述した実
施の形態と同様なエレベータ装置３３が設けられてい
る。

【００６６】さらに、パレット収納棚２１の最下段の床
面にはリフタ８９が設けられている。このリフタ装置８
９は移動式ではなく床面に固定されていることを除い
て、他は前述したリフタ４７とは基本的に同様の構造で
ある。

【００６７】なお、パレット収納棚２１の最下段にパレ
ット支持ガイドレール３１が設けられていることは前述
した実施の形態の例と同様である。

【００６８】図５に示されている実施の形態の例の場合
は、パレット収納棚２１の最下段の位置がパレット支持
ステーションＳＴ０となり、エレベータ装置３３の位置
が待機ステーションＳＴ１となる。さらに、エレベータ
装置３３のパレット移送装置４１が素材パレットＰ_W を
パレット支持ステーションＳＴ０と待機ステーションＳ
Ｔ１との間に移送せしめるパレット移送手段となる。吸
着装置６９によりワークＷの一枚取りを終えた後、素材
パレットＰ_W はパレット移送装置４１によりエレベータ
３３へ移送され、空になったリフタ８９が上昇し、一枚
取りされたワークＷを支持し、原点引寄せパット８１に
より原点方向へ移動され、原点位置決めされる。

【００６９】この実施の形態の例は最下段にローダ５９
と原点位置決め装置７７を設けたのでワーク貯蔵装置２
３におけるパレット収納棚２１の段数は少なくなるが、
その代わりに前述した実施の形態の例に比べると、さら
に省スペース化となる。

【００７０】なお、この発明は前述した実施の形態の例
に限定されることなく、適宜な変更を行うことによりそ
の他の態様で実施し得るものである。本実施の形態の例
では板材加工機としてレーザ加工機を例にとって説明し
たがその他の板材加工機であっても構わない。

【００７１】図６には他の第３の実施の形態が示されて
いる。図６において、図５に示した第２の他の実施の形
態の部品と同じ部品には同一の符して重複する説明を省
略する。第２の他の実施例と異なるところは、パレット
支持ステーションＳＴ０のリフタ８９及びその上の素材
パレットＰ_W を包囲するように、チェーンを２条、紙面
に直交するパレットＰ_W の巾位置よりやや外側より循環
させている。この２条のチェーン間には、ワークの左右
方向長さに相当する長さ分だけ桟が掛け渡され、桟の上
面にはフリーベア５７が設けられている。

【００７２】以上の構成により、ワークＷを一枚取りす
る時には、チェーン間の桟が、素材パレットＰ_W 上に位
置しないようにしておく。ワークＷの一枚取りを終える
と、リフタ８９及び素材パレットＰ_W が下降し、チェー
ンが循環し、素材パレットＰ_W 上を桟がおおう。桟上に
一枚取りされたワークＷを降ろし、原点引き寄せパット
８１により原点方向へ移動され、原点位置決めされる。

【００７３】

【発明の効果】以上のごとき実施の形態の例から理解さ
れるように、請求項１の発明によれば、素材パレットか
ら取り出した１枚のワークは、板材加工機へ搬入される
前にパレット支持ステーションでワークの原点位置決め
をするので、特にレーザ加工機のように板材加工機の加
工テーブル面が円滑でない場合でも、ワークの原点位置
決めを自動的に行える。

【００７４】また、ワークの一枚取りとワークの原点位
置決めを同じパレット支持ステーションで上下に整列し
て行えるので、省スペース化を図ることができる。

【００７５】さらに、１枚取りしたワークを原点位置決
め用テーブルで支えた上でワークの原点位置決めを行な
うので、ワークの波打ちがないため空中原点位置決めと
比べると高精度なワーク原点位置決めを行える。

【００７６】請求項２の発明によれば、請求項１記載の
効果と同様であり、素材パレットからワーク搬送手段の
吸着装置で持ち上げて取り出した１枚のワークは、板材
加工機へ搬入される前にパレット支持ステーションでワ
ークの原点位置決めをするので、特にレーザ加工機のよ
うに板材加工機の加工テーブル面が円滑でない場合で
も、ワークの原点位置決めを自動的に行える。

【００７７】また、ワークの一枚取りとワークの原点位
置決めを同じパレット支持ステーションで上下に整列し
て行えるので、省スペース化を図ることができる。

【００７８】さらに、１枚取りしたワークを原点位置決
め用テーブルで支えた上でワークの原点位置決めを行な
うので、ワークの波打ちがないため空中原点位置決めと
比べると高精度なワーク原点位置決めを行える。

【００７９】請求項３の発明によれば、パレット移送手
段にはリフタがパレット支持手段と原点位置決め用テー
ブルを上下動せしめるリフタを備えているので、低コス
ト化と省スペース化と高精度なワーク原点位置決めを図
ることができる。

【００８０】請求項４の発明によれば、原点位置決め用
テーブルでは多数のフリーベアが備えられている部分に
ワークを載置して原点位置決めを行なうことができ、フ
リーベアが設けられていないエリアに素材パレットを載
置するので、素材パレットが滑ることなく安定した状態
でワークの１枚取りを行なうことができ、この原点位置
決め用テーブルで原点位置決め用とワークの１枚取り用
を兼用でき、省スペース化を図ることができる。

【００８１】請求項５の発明によれば、ワーク貯蔵装置
の最下段にパレット支持手段を設けてパレット支持ステ
ーションとし、また、エレベータ装置の位置を待機ステ
ーションとしたので、ワーク貯蔵装置を板材加工機に隣
接して設置できるため省スペース化を図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の例を示すもので、ワーク
搬入装置の全体を示す側面図である。

【図２】移動リフタ装置の一部を示す斜視図である。

【図３】図３（Ａ）〜図３（Ｃ）は本発明の実施の形態
に係わるワーク搬入装置における動作を示す動作説明図
である。

【図４】図４（Ｄ）〜図４（Ｆ）は本発明の実施の形態
に係わるワーク搬入装置における動作を示す動作説明図
である。

【図５】本発明の他の実施の形態の例を示すもので、ワ
ーク搬入装置の全体を示す側面図である。

【図６】本発明の他の実施の形態の例を示すもので、ワ
ーク搬入装置の全体を示す側面図である。

【符号の説明】

１ レーザ加工機 ７ 加工テーブル １９ ワーク搬入装置 ２１ パレット収納棚 ２３ ワーク貯蔵装置 ３１ パレット支持ガイドレール ３３ エレベータ装置 ４１ パレット移送装置 ４７ 移動リフタ装置 ４９ 支持テーブル ５７ フリーベア ５９ ローダ ６１ ローダレール ６９ 吸着装置 ７５ 吸着パッド ７７ 原点位置決め装置 ７９ ロケートピン ８１ 原点引き寄せパッド ８５ 引き寄せシリンダ ８７ 吸着パッド

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 素材パレットをパレット支持ステーショ
   ンに載置し、このパレット支持ステーションに載置され
   た素材パレット上に積載されたワークのうちの１枚のワ
   ークを吸着装置で吸着して持ち上げ、前記素材パレット
   がパレット支持ステーションから待機ステーションへ移
   動すると、パレット支持ステーションに備えられた原点
   位置決め用テーブルを露出せしめ、この原点位置決め用
   テーブル上に前記吸着装置の１枚のワークを載置し、次
   いでこの原点位置決め用テーブル上でワークを板材加工
   機に対して原点位置決めし、この原点位置決めされたワ
   ークを前記吸着装置で再び吸着し持ち上げて板材加工機
   の加工テーブルへ搬送してなることを特徴とする板材加
   工機に対するワーク搬入方法。
2. 【請求項２】 素材パレットをパレット支持ステーショ
   ンで支持するパレット支持手段と、 前記パレット支持ステーションに載置された素材パレッ
   ト上に積載されたワークを吸着して持ち上げる吸着装置
   を備えると共にこの吸着装置に吸着された１枚のワーク
   を板材加工機の加工テーブルへ搬入すべく前記加工テー
   ブルの上方まで移動するワーク搬送手段と、 前記パレット支持ステーションの上方に設けられワーク
   を板材加工機の加工テーブルに対して原点位置決めする
   原点位置決め手段と、 前記吸着装置で一枚取りされたワークを原点位置決めす
   るためにパレット支持ステーションの位置で支持すべ
   く、前記原点位置決め手段の直下に露出自在に設けた原
   点位置決め用テーブルと、 パレット支持ステーションの一側方に設けられた待機ス
   テーションと前記パレット支持ステーションとの間で素
   材パレットを移送するパレット移送手段と、からなるこ
   とを特徴とする板材加工機に対するワーク搬入装置。
3. 【請求項３】 前記パレット移送手段に前記パレット支
   持手段と前記原点位置決め手段を上下動せしめるリフタ
   を備えてなることを特徴とする請求項２記載の板材加工
   機に対するワーク搬入装置。
4. 【請求項４】 前記原点位置決めテーブルの上面に素材
   パレットを載置すべきエリアとこのエリアを除く部分に
   多数のフリーベアを備えなることを特徴とする請求項２
   又は３記載の板材加工機に対するワーク搬入装置。
5. 【請求項５】 板材加工機へ搬入するワークを積載した
   複数の素材パレットを収納する複数のパレット収納棚を
   上下に複数段に備え、且つ板材加工機の一側方に配置さ
   れたワーク貯蔵装置を設けると共に、パレット支持手段
   を前記ワーク貯蔵装置の最下段のパレット支持ステーシ
   ョンに設け、前記ワーク貯蔵装置の適宜のパレット収納
   棚から素材パレットを取り出すと共にこの素材パレット
   を前記パレット支持ステーションへ移送し、或いはパレ
   ット支持ステーションの素材パレットを待機ステーショ
   ンへ引き戻すべく前記パレット移送手段を備えていると
   共に前記パレット支持ステーションの一側方に設けられ
   た待機ステーションに上下動自在に設けられたエレベー
   タ装置とを設けてなることを特徴とする請求項２記載の
   板材加工機に対するワーク搬入装置。