JP3137999B2 - 加工機に対するワーク搬出入装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、加工機へ素材を搬出
したり、加工機にて加工済の製品を搬出する加工機に対
するワーク搬出入装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、加工機としての例えばレーザ加工
機にワークである素材あるいは加工済の製品を搬出入す
る装置としては、ローダおよびアンローダを用いて素材
が収納された場所より加工機側へ搬送したり、加工済の
製品を収納場所へ搬出するワーク搬出入装置を用いてい
るのが一般的であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のレーザ加工機にワークを搬出入する装置にては、ロ
ーダおよびアンローダを用いているため、搬送操作が多
くワークの搬出入に多くの時間を要するという問題があ
った。

【０００４】この発明の目的は、上記問題点を改善する
ため、素材を積載した素材棚と加工された製品を集積す
る製品棚を複数段に設けたストッカと、加工機との間で
素材棚あるいは製品棚をマニピュレータにより短時間で
搬出入を行なえるようにした加工機に対するワーク搬出
入装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、加工機に隣接して素材を積載した第１
パレットを収納する素材棚と、加工された製品を集積す
る第２パレットを収納する製品棚を複数段に備えたスト
ッカを設け、このストッカに前記素材および製品を積載
した第１，第２パレットを収納あるいは排出を自在とす
る駆動手段を設け、前記加工機に近接して素材と製品を
積載した第１，第２パレットを載置する固定台を設け、
この固定台と前記ストッカとの間に左右方向および上下
方向へ移動自在なパレットマニピュレータを設けて加工
機に対するワーク搬出入装置を構成した。

【０００６】

【作用】この発明の加工機に対するワーク搬出入装置を
採用することにより、ストッカと固定台との間にパレッ
トマニピュレータを設け、加工機へ素材を搬入する場合
は、ストッカの素材棚に収納されている所望の素材を積
載した第１パレットを、ストッカに設けた駆動手段によ
りパレットマニピュレータ上へ搬出する。パレットマニ
ピュレータ上に第１パレットが搬出されたら、パレット
マニピュレータを固定台側へ移行させ、固定台上に第１
パレットが付置付けられたら、パレットマニピュレータ
を適量下降させて固定台上に第１パレットを載置する。
固定台上に載置された第１パレットより適宜手段により
素材を加工機側へ搬送する。

【０００７】なお、すべての素材が加工機側へ搬出され
空になった第１パレットは、上述した逆の動作を行なう
ことによりストッカ内へ収納される。

【０００８】また、加工機にて加工済の製品は固定台側
へ搬出され、固定台上にストッカよりパレットマニピュ
レータにより搬出された空の第２パレットが載置されて
いるので、この第２パレット上へ製品は積載される。第
２パレット上へ製品の積載が終了したら、パレットマニ
ピュレータを適量上昇させてパレットマニピュレータ上
へ第２パレットを移載し、ストッカの製品棚の収納位置
へパレットマニピュレータを移行し、ストッカに設けた
駆動手段によりストッカ内の製品棚へ第２パレットは収
納される。而して、素材あるいは製品の搬出入が短時間
で行われる。

【０００９】

【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。なお、加工機としてはレーザ加工機を例
にとって説明するが、これに限定するものではない。ま
た、レーザ加工機はすでに公知の構成であるため詳細な
説明を省略する。

【００１０】理解を容易にするため、先ず加工機に対す
るワーク搬出入装置の全体的配置構成について概略的に
説明する。

【００１１】図３を参照するに加工機として例えばレー
ザ加工機１が設けられ、このレーザ加工機１は門型状を
なしＸ軸方向（図３において上下方向）へ移動自在な門
型フレーム３を備えており、この門型フレーム３に設け
たレーザ加工ヘッド５はＹ軸方向（図３において左右方
向）へ移動自在となっており、ワークである素材Ｗａに
レーザ加工が施される。

【００１２】レーザ加工機１へ素材Ｗａを搬入したり、
加工済の製品Ｗｂを搬出するために、レーザ加工機１の
直下にＸ軸方向に延伸してシャトルテーブル７が設けら
れている。このシャトルテーブル７は素材Ｗａと製品Ｗ
ｂの搬出入を行なうものでシャトルテーブル７は、素材
Ｗａと製品Ｗｂの搬出入用位置７ａと前記レーザ加工機
１の直下に位置する加工位置７ｂとに、図示を省略した
が無端状のチェーンによる駆動系を介して、素材Ｗａあ
るいは製品Ｗｂを載置するパレット９が２段に移動自在
に設けられている。

【００１３】更に、シャトルテーブル７の素材Ｗａと製
品Ｗｂの搬出入位置７ａの直上に、Ｙ軸方向へ移動自在
となるマニピュレータ１１が設けられている。

【００１４】このマニピュレータ１１は、図１を併せて
参照するに、シャトルテーブル７テーブルフレーム１３
上にＹ軸方向へ延伸したレール１５に乗り、Ｙ軸方向へ
移動自在となっている。マニピュレータ１１の架台１７
には回動自在に支承された軸１９が装着されている。こ
の軸１９にはＸ軸方向へ移動自在となるマニピュレータ
本体２１が装着され、マニピュレータ本体２１には複数
の吸着パット２３を装着したパット支持部材２５が垂下
して設けてある。なお、パット支持部材２５はＺ軸方向
（図３において図面に直交した方向、図１において上下
方向）に移動自在に設けられている。

【００１５】上記構成により、後述するワーク搬出入装
置より送られた素材Ｗａをマニピュレータ１１の吸着パ
ット２３にて吸着し、シャトルテーブル７の搬出入位置
７ａにあるパレット９上に移載する。パレット９上に移
載された素材Ｗａは、シャトルテーブル７を駆動するこ
とにより加工位置７ｂにパレット９を位置決めし、レー
ザ加工が施される。

【００１６】加工が終了した製品Ｗｂは搬出入用位置７
ａへ移行し、この搬出入用位置７ａに搬出された製品Ｗ
ｂは、マニピュレータ１１の吸着パット２３により吸着
して後述するワーク搬出入装置側へ搬出される。

【００１７】ワーク搬出入装置２７は、図３に示されて
いるように、シャトルテーブル７の走行方向に直交し、
かつ隣接した固定台２９と、素材Ｗａを積載する第１パ
レット９ａと製品を集積する第２パレット９ｂとを収納
する素材棚４３ａ，製品棚４３ｂを複数段に備えたスト
ッカ３１と、このストッカ３１と前記固定台２９との間
に、第１パレット９ａ，第２パレット９ｂを搬出入する
パレットマニピュレータ３３とで構成されている。

【００１８】固定台２９は、図１および図４を参照する
に、Ｌ形状をしたフレーム３５ａ，３５ｂが立設されて
おり、このフレーム３５ａ，３５ｂを複数本のステー３
７にて結合して固定台２９は構成されている。更に、Ｌ
形状をしたフレーム３５ａ，３５ｂの内面側には製品Ｗ
ａを集積する第２パレット９ｂを支承する支持ブロック
３９ａ，３９ｂと、素材Ｗａが積載された第１パレット
９ａを支承する支持ブロック４１ａ，４１ｂが設けられ
ている。なお、ステー３７の取付位置は、後述するパレ
ットマニピュレータ３３のアームが挿入され支持ブロッ
ク３９ａ，３９ｂ，４１ａ，４１ｂに第１，第２パレッ
ト９ａ，９ｂを載置する時、若干量ステー３７を下降し
ても当接しない位置に取付ける必要がある。

【００１９】ストッカ３１は、図１および図２を参照す
るに、後述するパレットマニピュレータ３３の走行方向
（Ｙ軸方向）に平行してストッカ３１は設けられ、素材
Ｗａを積載したパレット９ａと製品Ｗｂを集積したパレ
ット９ｂを多数収納可能な複数段にして多数列な棚４３
としての素材棚４３ａ，製品棚４３ｂが設けられ、上段
の素材棚４３ａには複数箇所にレール４５がＸ軸方向に
延伸して設けられている。（図３参照）このレール４５
上に第１パレット９ａに装着された複数の車輪４７が乗
り、第１パレット９ａはＸ軸方向に移動自在となってい
るまた、中段の製品棚４３ｂにも同様にレール４５がＸ
軸方向に延伸し、このレール４５上に第２パレット９ｂ
の車輪４７が乗り、第２パレット９ｂはＸ軸方向へ移動
自在となっている。なお、本実施例では２段、２列のス
トッカ３１としたが、この数に限るものではない。

【００２０】ストッカ３１の素材棚４３ａ，製品棚４３
ｂには、第１，第２パレット９ａ，９ｂを搬出入する駆
動手段４９が設けられている。より詳細には、図５を参
照するに、駆動手段４９は、素材棚４３ａ，製品棚４３
ｂの下部にそれぞれ設けられていて、例えば、モータ５
１より伝達手段であるチェーン５３を介して素材棚４３
ａ，製品棚４３ｂのＸ軸方向両側に設けたプーリ５５に
回転を伝達する。プーリ５５にはベルト５７が掛回さ
れ、このベルト５７にはクランプ５９が装着されてい
る。

【００２１】クランプ５９は、詳細な図示を省略してあ
るが、公知の構成のもので例えば、流体圧作動のシリン
ダ等を駆動源として第１，第２パレット９ａ，９ｂの側
端部を爪等によりクランプしたりアンクランプする構成
となっている。また、素材棚４３ａ，製品棚４３ｂと後
述するパレットマニピュレータ３３との隙間を埋めるた
めに、流体圧作動のシリンダ６１により回動する補助レ
ール６３が素材棚４３ａ，製品棚４３ｂ側に設けられて
いる。

【００２２】上記構成により、第１パレット９ａあるい
は第２パレット９ｂをストッカ３１の素材棚４３ａ，製
品棚４３ｂに収納する際は、シリンダ６１を作動させて
補助レール６３を水平状態に保持し、モータ５１を駆動
してクランプ５９を図５において左側へ移行させる。そ
して、クランプ５９にて第１パレット９ａあるいは第２
パレット９ｂを把持し、図５において右側へ移行させる
ことにより、第１パレット９ａあるいは第２パレット９
ｂをストッカ３１内へ収納することができる。第１パレ
ット９ａ，第２パレット９ｂをストッカ３１へ収納後、
シリンダ６１を作動させて補助レール６３を回動して退
避させる。

【００２３】ストッカ３１に収納されている第１パレッ
ト９ａあるいは第２パレット９ｂを搬出する際は、クラ
ンプ５９にて第１パレット９ａあるいは第２パレット９
ｂの側端部をクランプし、モータ５１を駆動するとチェ
ーン５３，ベルト５７を介してクランプ５９は前進（図
５において左方向）する。クランプ５９の前進と共に第
１，第２パレット９ａ，９ｂは前進する。なお、補助レ
ールに６３は車前にシリンダ６１を作動させて水平状態
としておく。

【００２４】前進限にて第１，第２パレット９ａ，９ｂ
は後述するパレットマニピュレータ３３のアーム上に移
載されるので、クランプ５９をアンクランプし、クラン
プ５９を退避位置（図５において実線で示す位置）へ戻
すと共に、補助レール６３も回動して退避させて搬出を
終了する。なお、駆動手段４９は各第１，第２パレット
９ａ，９ｂの収納部に設けられている。

【００２５】図１および図３を参照するに、Ｌ形状をし
たパレットマニピュレータ３３はＹ軸方向へ移動自在と
なっており、Ｙ軸方向へ延伸した複数本のレール６５上
をマニピュレータ本体６７に複数個備えた車輪６９を介
して、図示を省略したがモータ等の駆動によりパレット
マニピュレータ３３はＹ軸方向へ移動自在となってい
る。

【００２６】マニピュレータ本体６７にはアーム７１が
Ｚ軸方向（図２において上下方向）へ移動自在となって
いる。すなわち、マニピュレータ本体６７に垂直に設け
た案内板７３の両側面をガイドする複数個のローラ７５
が前記アーム７１に装着されている。アーム７１を上下
動させる駆動手段は、公知の構成のものを採用し図示を
省略したが、例えば流体圧作動のシリンダを用いるか、
あるいは、モータ駆動のピニオンとラックの組合せ等が
用いられている。なお、アーム７１の横幅は、第１，第
２パレット９ａ，９ｂを支承可能な幅とし、かつ、前記
固定体２９のフレーム３５ａ，３５ｂに当接しない幅と
する。

【００２７】上記構成により、アーム７１の高さ方向位
置を、前記ストッカ３１に収納された素材Ｗａを載置し
たパレット９ａを移載可能な位置に位置付けることも、
製品Ｗｂを集積したパレット９ｂをストッカ３１内へ収
納する高さ位置を自在に設定することができる。また、
アーム７１へ移載したパレット９ａを固定台２９へ載置
するには、モータを駆動し車輪６９を回転させてＹ軸方
向へマニピュレータ本体６７を移動させ、アーム７１が
固定台２９の所定位置まで進入されたら、アーム７１を
若干量下降して第１パレット９ａを固定台２９へ移載す
る。そしてマニピュレータ本体６７を後退させる。

【００２８】固定台２９上に載置された空の第１パレッ
ト９ａあるいは製品Ｗｂを集積した第２パレット９ｂを
ストッカ３１内へ収納するには、パレットマニピュレー
タ３３のアーム７１を固定台２９の支持ブロック３９
ａ，３９ｂあるいは支持ブロック４１ａ，４１ｂに載置
された空の第１パレット９ａあるいは製品Ｗｂを集積し
た第２パレット９ｂの下面に当接しない位置に位置決め
する。しかもアーム７１は固定台２９のステー３７にも
当接しない位置に位置決めされる。そして、アーム７１
を固定台２９内へ進入させ、若干量すなわち第１パレッ
ト９ａあるいは第２パレット９ｂが固定台２９より離れ
る位置までアーム７１を上昇させる。

【００２９】この状態で固定台２９より第１パレット９
ａあるいは第２パレット９ｂを搬出でき、マニピュレー
タ本体６７を所望のストッカ３１の収納位置へ移動して
第１，第２パレット９ａ，９ｂをストッカ３１内へ収納
する。

【００３０】上述したごとき構成により、総体的な作用
としては、レーザ加工機１へ素材Ｗａを搬入する場合
は、ストッカ３１に収納されている所望の素材Ｗａが積
載されている第１パレット９ａの位置へパレットマニピ
ュレータ３３のアーム７１を位置決めする。ついで、ス
トッカ３１に設けた補助レール６３を水平状態にして、
駆動手段４９により第１パレット９ａをアーム７１上に
搬出する。

【００３１】パレットマニピュレータ３３のアーム７１
に第１パレット９ａが搬出されたら、パレットマニピュ
レータ３３を固定台２９側へ移行させ、固定台２９上に
第１パレット９ａを載置する。固定台２９上に載置され
た第１パレット９ａに載置された素材Ｗａは、図１に示
されているように、マニピュレータ１１を固定台２９側
へ移行させると共にパット支持部材２５を回動させ、吸
着パット２３にて素材Ｗａを吸着する。この状態を図１
において２点鎖線で示されている。

【００３２】吸着パット２３で素材Ｗａを吸着したら、
マニピュレータ１１をシャトルテーブル７の搬出入位置
７ａの直上に移行させ、回動と下降運動をしながら素材
Ｗａを搬出入位置７ａにあるパレット９上へ移載する。
パレット９上に移載された素材Ｗａはシャトルテーブル
７の駆動により加工位置７ｂに送られ、レーザ加工機１
にて熱切断加工が施される。

【００３３】上述した作動を繰返して素材Ｗａをすべて
加工機１側へ送り出し、空になった第１パレット９ａ
は、搬出時と逆の動作を行なうことによりストッカ３１
の所望の場所へ収納される。

【００３４】また、レーザ加工機１にて加工済みの製品
Ｗｂは、シャトルテーブル７により搬出入位置７ａへ搬
出され、マニピュレータ１１により製品Ｗｂを吸着保持
し、固定台２９上に載置されている空の第２パレット９
ｂ上へ順次積載される。

【００３５】第２パレット９ｂの所定量の製品Ｗｂが積
載されたならば、パレットマニピュレータ３３のアーム
７１を固定台２９内へ挿入し、若干量上昇させてアーム
７１上に第２パレット９ｂを支承する。そして、パレッ
トマニピュレータ３３をストッカ３１の所望位置へ移動
位置決めし、ストッカ３１の駆動手段４９にてストッカ
３１内へ第２パレット９ｂを収納する。

【００３６】而して、単純動作の繰返しにより素材Ｗａ
あるいは製品Ｗｂの搬出入を短時間で行なうことができ
る。

【００３７】なお、この発明は前述した実施例に限定さ
れることなく、適宜の変更を行なうことにより、その他
の態様で実施し得るものである。

【００３８】

【発明の効果】以上のごとき実施例の説明より理解され
るように、この発明によれば、加工機として例えばレー
ザ加工機に隣接して素材を積載した第１パレットと、加
工された製品を集積する第２パレットを収納する素材
棚，製品棚を複数段に備えたストッカと、加工機との間
で各第１，第２パレットをパレットマニピュレータによ
り搬出入を行なう。

【００３９】而して、簡単な設備構成で単純動作の繰返
しにより素材あるいは製品の搬出入を短時間で行なうこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の主要部を示し、図３におけるＩ矢視
部の拡大側面図である。

【図２】この発明の主要部を示し、図３におけるII矢視
部の拡大側面図である。

【図３】この発明を実施する一実施例のレーザ加工機と
ワーク搬出入装置の全体配置説明図である。

【図４】図１におけるIV−IV線に沿った拡大断面図であ
る。

【図５】図２におけるＶ−Ｖ線に沿った拡大断面図であ
る。

【符号の説明】

１ レーザ加工機 ９ａ 第１パレット ９ｂ 第２パレット ２７ ワーク搬出入装置 ２９ 固定台 ３１ ストッカ ３３ パレットマニピュレータ ４３ａ 素材棚 ４３ｂ 製品棚 ４９ 駆動手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B23K 37/00 B21D 43/24 B23K 26/10 B65G 1/00 - 1/04

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 加工機に隣接して素材を積載した第１パ
   レットを収納する素材棚と、加工された製品を集積した
   第２パレットを収納する製品棚を複数段に備えたストッ
   カを設け、このストッカに前記素材および製品を積載し
   た第１，第２パレットを収納あるいは排出を自在とする
   駆動手段を設け、前記加工機に近接して素材と製品を積
   載した第１，第２パレットを載置する固定台を設け、こ
   の固定台と前記ストッカとの間に左右方向および上下方
   向へ移動自在なパレットマニピュレータを設けてなるこ
   とを特徴とする加工機に対するワーク搬出入装置。