JPH10315826A - 車両用チャイルドシート装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 幼児の乗り降りを簡単にすることができる構
造にした車両用チャイルドシート装置を提供する。 【解決手段】 幼児を拘束して保持するチャイルドシー
ト本体１２が、座席１の座部３上に載せられた状態で使
用される車両用チャイルドシート装置２において、チャ
イルドシート本体１２の下側に配置されて、座部３に着
脱可能に取り付けられる支持台１１と、支持台１１とチ
ャイルドシート本体１２との間に設けられてチャイルド
シート本体１２を支持台１１に対し車両の出入り口に向
かって横方向に摺動させるためのスライド手段２３，２
４及び１５，２６等と、チャイルドシート本体１２の前
記摺動を動かないようにしておくための解除可能な規制
手段１４とを備えた構造にした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両に
幼児を安全に同乗させるための車両用チャイルドシート
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】最近、核家族化が進むに従い、幼児を連
れて外出する機会も多くなって来ており、幼児一人だけ
で座席に座らせて車で外出することも多い。しかし、幼
児を一人だけで座らせておくと、悪路走行時や急ブレー
キを踏んだときにシートから脱落して思わぬ怪我をする
危険性がある。そこで、幼児を一人だけで座らせて同乗
させる場合、従来よりチャイルドシートが使用されてい
る。このチャイルドシートは、一般に、座席にベルト等
で固定して使用するようになっており、幼児の身体を保
護する上では非常に有効である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
チャイルドシートは、座席の同じ位置にベルト等で固定
された構造になっている。このため、幼児をチャイルド
シートに座らせるのに、ドアを開けて車の外から乗せる
場合に乗せずらいと言う問題点があった。これは、車の
入り口からチャイルドシートまでが離れていることによ
る。また、今日ではＲＶ車等、車高が高い車が普及して
いるが、車高が高くなると女性等、力の無い人には更に
幼児を乗り降りさせずらいと言う問題点があった。

【０００４】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的は幼児を乗り降りさせるのを簡単に
することができる構造にした車両用チャイルドシート装
置を提供することにある。さらに、他の目的は、以下に
説明する内容の中で順次明らかにして行く。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、図面に例示される如く、幼児を拘束して保持
するチャイルドシート本体１２が、座席１の座部３上に
載せられた状態で使用される車両用チャイルドシート装
置２において、チャイルドシート本体１２の下側に配置
されて、座部３に着脱可能に取り付けられる支持台１１
と、支持台１１とチャイルドシート本体１２との間に設
けられてチャイルドシート本体１２を支持台１１に対し
車両の出入り口に向かって横方向に摺動させるためのス
ライド手段２３，２４及び１５，２６等と、チャイルド
シート本体１２の前記摺動を動かないようにしておくた
めの解除可能な規制手段１４とを備えた構造である。こ
の構造を採用すると、幼児をチャイルドシート本体１２
に乗り降りさせる場合に、その幼児が座るチャイルドシ
ート本体１２を車の出入り口方向に移動させることが可
能となる。すなわち、車の出入り口（通常はドア）に最
も近い位置で幼児を乗り降りさせることができるので、
幼児を持ち上げて乗り降りさせる動作が楽になる。な
お、この構造においては、規制手段１４は、座席１に装
備される座者拘束用のシートベルトを代用し、そのシー
トベルトにてチャイルドシート本体１２の横方向の移動
を規制してもよい。

【０００６】以上の本発明は次のようにより具体化され
ることが好ましい。第１に、支持台１１は略コ字形をな
し、座席１の座部３に対しコ字形の中間本体部１１ａが
座部３上に配置され、かつコ字形の両側面１１ｂ，１１
ｃが座部３の各側部から下向きに配置される構造であ
る。この構造では、座部３に対する支持台１１の拘束な
いしは位置規制が構成簡易で、かつ容易になものとな
る。第２に、チャイルドシート本体１２は、支持台１１
に設けられたガイド孔１５に沿って摺動されると共に、
上記スライド手段を構成しているローラ２４を介して支
持台１１上を転動する構造である。この構造の場合は、
チャイルドシート本体１２の横方向の摺動範囲を簡易に
規制できることに加え、ローラ２４を介在することによ
り摺動操作性も良好なものとなる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の形態を添付図面に
基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる形態は、
本発明の好適な具体例であるから技術的に好ましい種々
の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明
において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、こ
れらの形態に限られるものではない。

【０００８】図２は本発明に係るチャイルドシート装置
を装備した自動車用座席座の外観を示す模式図である。
図２において、この自動車に設置された座席１は、車体
フロアに固定されており、座席１を構成している座部３
上に本発明形態のチャイルドシート装置２を着脱可能に
取り付けている。

【０００９】図１は、図２に示した自動車座席とチャイ
ルドシート装置の要部を左右方向に断面して正面側より
見た拡大断面図である。そこで、図１を用いて装置要部
構造をさらに説明する。座席１は、その座部３が左右一
対のシートスライド部材４を介して車体フロア５上に取
り付けられている。なお、シートスライド部材４は座部
１を車体前後方向に移動調整するものであり、間にボー
ルベアリング６を介してスライド自在に連結されている
アッパーレール７とロアレール８とを有してなる。そし
て、アッパーレール７が座部３のフレーム９と図示せぬ
取付ボルトを介して固定され、ロアレール８が図示せぬ
取付ボルトを介して車体フロア５上に固定されている。

【００１０】これに対し、チャイルドシート装置２は、
座部３に着脱可能に取り付けられる支持台１１と、幼児
を拘束して保持する椅子型をしたチャイルドシート本体
１２と、支持台１１とチャイルドシート本体１２との間
に設けられてチャイルドシート本体１２を支持台１１に
対し横方向（車体幅方向）に摺動させて出入り口方向
（ドア方向）にシフトするためのスライド手段１３と、
チャイルドシート本体１２の摺動をロックしておくため
の解除可能な規制手段１４等で構成されている。

【００１１】図３は、チャイルドシート装置２の要部構
成を芯材部分を取り出して示した概略斜視図である。そ
こで、図３を加えて、チャイルドシート装置２の要部構
造を詳述すると、支持台１１は、平板状の略コ字形の樹
脂成形体（金属製等であってもよい）であり、本体部１
１ａの両端１１ｂ，１１ｃをそれぞれ同じ下側に折り曲
げて略コの状に形成されている。その両端の部分１１ｂ
と部分１１ｃ（以下、「側面１１ｂ、側面１１ｃ」と言
う）と間の距離は、座部３のフレーム９の左右側面間の
寸法に略対応している。また、本体部１１ａには、左右
方向に大きく伸ばされた状態にして２つのスリット状の
ガイド孔１５が前後に分かれて形成されていると共に、
側面１１ｂに近い位置には規制手段１４用の穴１６（図
３参照）が設けられている。さらに、側面１１ｂと側面
１１ｃにおいて、側面１１ｂには一対の取付用のネジ１
７が設けられ、側面１１ｃには一対の係止用爪１８（図
１参照）が設けられている。なお、座部３のフレーム９
側には、取付ネジ１７に対応して、この取付ネジ１７を
ネジ止めすることができる取付穴１９が設けられている
と共に、係止用爪１８に対応して、この係止用爪１８を
外側から差し込んで掛け止めすることができる掛け止め
穴２０が形成されている。そして、この支持台１１は、
図１に示すように、一側面１１ｃ側の係止用爪１８をフ
レーム９の掛け止め穴２０に外側から差し込んで掛け止
めすると共に、他側面１１ｂ側の取付ネジ１７を取付穴
１９に対応させ、この取付ネジ１７を取付穴１９に螺合
させると、フレーム９に固定されて取り付けることがで
きる。反対に取り外す場合は、この逆の操作を行えば取
り外すことができる。

【００１２】チャイルドシート本体１２は、シートクッ
ション部１２ａとシートバック部１２ｂと前側ガード部
１２ｃ等で構成されており、またシートクッション部１
２ａとシートバック部１２ｂとの間にはチャイルドシー
ト用の拘束ベルト２１が設けられている。そして、この
チャイルドシート本体１２には、シートバック部１２ｂ
とシートクッション部１２ａとの間から幼児を乗せてシ
ートクッション部１２ａ上に座らせた後、拘束ベルト２
１を装着することにより、幼児を安全に保持ないしは拘
束することができる。

【００１３】スライド手段１３は、前記したガイド孔１
５に加え、チャイルドシート本体１２のフレーム２２の
下面に溶接により取り付けられている基板２３と、この
基板２３に取り付けられている複数（本例では５つ）の
ローラ２４等で構成されている。このうち、基板２３は
支持台１１の本体部１１ａに形成されているガイド孔１
５と対応して片側２つづつ、合計４つの取付孔２５が設
けられている。この取付孔２５には、支持台１１の下側
からガイド孔１５を通って差し込まれるリベットピン２
６が取り付けられ、このリベット結合により基板２３と
支持台１１との間が左右方向にスライド可能に結合され
ている。また、基板２３の中央部分には大きな開口２７
が設けられており、この開口２７の前後の部分がそれぞ
れ直角に切り起こされてローラ支持壁２３ａとして形成
され、この前後のローラ支持壁２３ａに跨った状態にし
て上記ローラ２４が回転可能に取り付けられている。そ
して、このローラ２４は、基板２３と支持台１１との間
がリベット結合された状態において、支持台１１上に当
接し、基板２３を支持台１１上に支えた状態になってい
る。したがって、基板２３を左右方向に押すと、ローラ
２４が支持台１１上で転動し、チャイルドシート本体１
２と一体に動くことができる。そして、この時の動きは
ガイド孔１５とリベットピン２６との係合により案内さ
れる。したがって、チャイルドシート本体１２は左右方
向にしか動けず、また移動量はガイド孔１５の端にリベ
ットピン２６がぶつかることによって規制される。

【００１４】規制手段１４は、チャイルドシート本体１
２のフレーム２２にブラケット２８を介して回転可能に
取り付けられている軸部材２９と、この軸部材２９に固
定して取り付けられている操作レバー３０及びロック爪
３１と、図示せぬ付勢手段であるスプリングとで構成さ
れている。このうち、ロック爪３１は支持台１１の穴１
６と対応しており、基板２３が座席１上に正しく乗った
状態にある「セット位置」（図１に示す状態）に配置さ
れたときに穴１６内に挿入係合されて、基板２３が左右
方向に移動するのをロックすることができる構造になっ
ており、軸部材２９は上記スプリングによりロック爪３
１が穴１６と係合し得る方向に回動付勢されている。一
方、操作レバー３０は一端（操作部）が上方に突き出さ
れており、この操作レバー３０を手で持って部材２９を
回転させると、ロック爪３１を穴１６から退避させて上
記ロックを一時的に解除することができる。そして、こ
うして規制手段１４のロックを解除した状態では、基板
２３をチャイルドシート本体１２と共に左右方向に動か
すことができる。

【００１５】したがって、このように構成されたチャイ
ルドシート装置を使用した場合では、基板２３がチャイ
ルドシート本体１２と共に上記「セット位置」に配置さ
れ、またロック爪３１が穴１６内に係合されてロックさ
れている。このロック状態では、チャイルドシート本体
１２及び基板２３は左右に動かず、固定された状態に置
かれる。

【００１６】次に、チャイルドシート本体１２に幼児を
乗り降りさせる場合は、操作レバー３０を持って軸部材
２９を回転させ、ロック爪３１を穴１６から抜き、規制
手段１４によるロックを解除した状態にしたまま、チャ
イルドシート本体１２を車の出入り口（通常、ドア）側
に引く（図１の矢印Ａ方向）。すると、支持台１１上に
おいて、ローラ２４の転動を伴ってリベットピン２６が
ガイド１５の対応する端部にぶつかって規制される図１
中に２点鎖線で示す「乗降位置」に配置されるまで、基
板２３がチャイルドシート本体１２と共に出入り口側に
移動する。すると、この「乗降位置」に移動された後の
状態では、チャイルドシート本体１２は出入り口側に大
きく寄っているので、座席１が高い位置にあっても、幼
児を乗せたり降ろしたりするのが楽に行える。なお、図
２はチャイルドシート本体１２が「乗降位置」に配置さ
れた状態を示している。

【００１７】また、幼児の乗り降りを終えたら、操作レ
バー３０をロック解除させた方向に回転させた状態のま
ま、上記「乗降位置」から上記「セット位置」に向かっ
て押す（図１の矢印Ｂ方向）。そして、上記「セット位
置」まで戻したら操作レバー３０を前記スプリングの付
勢圧に抗して一旦引いて放すと、ロック爪３１が前記ス
プリング圧にて穴１６内に再び挿入係合されてロック状
態になる。

【００１８】なお、チャイルドシート装置２を取り外し
て座席１を使用したい場合には、支持台１１の取付ネジ
１７を緩めて取付穴１９から外した後、係止用爪１８の
掛け止め穴２０に対する係合を解除して支持台１１を含
めて全体をシートフレーム９から取り除くと、チャイル
ドシート装置２の全体を座席１から取り外すことができ
る。したがって、支持台１１をシートフレーム９に着脱
させるだけで、チャイルドシート装置２を座席１に取り
付けたり、取り外したりすることが簡単にできる。

【００１９】なお、本発明は、上記した形態に何ら限定
されるものではなく、例えば、チャイルドシート本体１
２の構成や規制手段１４の構成等について必要に応じ他
の構造に変えることができるものである。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
幼児をチャイルドシートに乗り降りさせる場合に、その
幼児が座るチャイルドシート本体を車の出入り口（ド
ア）方向に移動させて、車の出入り口に近い位置で乗り
降りさせることができるので、幼児を持ち上げて乗り降
りさせるときの動作が楽になる。これにより、本発明の
チャイルドシート装置は、特にＲＶ車等、車高が高い自
動車向きに好適なものとなり、女性等にとって使い勝手
及び商品価値を向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明装置の要部断面図である。

【図２】本発明装置を使用した自動車用座席を含む外観
を示す概略構成図である。

【図３】本発明装置の要部構成を示す概略斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 座席 ２ チャイルドシート装置 ３ 座部 １１ 支持台 １１ａ 本体部 １１ｂ，１１ｃ 側面 １２ チャイルドシート本体 １３ スライド手段 １４ 規制手段 １５ ガイド孔 ２４ ローラ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 幼児を拘束して保持するチャイルドシー
   ト本体が、座席の座部上に載せられた状態で使用される
   車両用チャイルドシート装置において、 前記チャイルドシート本体の下側に配置されて、前記座
   席の座部に着脱可能に取り付けられる支持台と、 前記支持台と前記チャイルドシート本体との間に設けら
   れて前記チャイルドシート本体を前記支持台に対し車両
   の出入り口に向かって横方向に摺動させるためのスライ
   ド手段と、 前記チャイルドシート本体の前記摺動を動かないように
   しておくための解除可能な規制手段、 とを備えたことを特徴とする車両用チャイルドシート装
   置。
2. 【請求項２】 前記支持台は略コ字形をなし、前記座席
   の座部に対しコ字形の中間本体部が前記座部上に配置さ
   れ、かつコ字形の両側面が座部の各側部から下向きに配
   置される請求項１に記載の車両用チャイルドシート装
   置。
3. 【請求項３】 前記チャイルドシート本体が、前記支持
   台に設けられたガイド孔に沿って摺動されると共に、前
   記スライド手段を構成しているローラを介して前記支持
   台上を転動する請求項１又は２に記載の車両用チャイル
   ドシート装置。