JPH0713245U - シートのクッション長さ調整装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 外観性や着座感が向上するシートのクッショ
ン長さ調整装置を提供する。 【構成】 クッション１０の前部を前方に延長して、該
前部と一体の延長部１０ｃを、操作部材１６の前動操作
により、ローラ１４で前方に押し出してクッション長さ
Ｌ２を長くし、操作部材１６の後動操作により、ローラ
１４を後退させて、クッション１０の延長部１０ｃをス
プリング１９の付勢力で後方に引き込んでクッション長
さＬ１を短くする一方、操作部材１６を所定の操作位置
でロック部材１７によりロックする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、シートのクッションの前部を前後方向に移動させて、クッション長 さを調整する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

シート、特に自動車用シートでは、図６に示すように、着座者の体格や好み等 に応じてシート１のクッション２の長さＬを調整し、着座者の着座姿勢や安定感 を向上させるのが好ましい。

【０００３】 従来、上記のような装置としては、図７（Ａ）に示すように、クッション２Ａ を前部２ａと後部２ｂとに２分割して、図７（Ｂ）に示すように、前部２ａを前 方に移動させることにより、クッション２Ａの長さをＬ１とＬ２の範囲（Ｌ１＜ Ｌ２）で調整できるようにしたものがある。

【０００４】 また、図８（Ａ）に示すように、クッション２Ｂのパッドを前部２ｃと後部２ ｄとに２分割して、前後のパッド２ｅ，２ｆを１枚の表皮２ｇで被覆し、図８（ Ｂ）に示すように、前部２ｃを前方に移動させることにより、クッション２Ｂの 長さをＬ１とＬ２の範囲（Ｌ１＜Ｌ２）で調整できるようにしたものがある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記前者のクッション２Ａでは、前部２ａを前方に移動させた とき、後部２ｂとの間に大きな隙間Ｔが生じるから、外観性や着座感が悪いうえ 、ゴミや小物品等が上記隙間Ｔに落ちるという問題があった。また、上記後者の クッション２Ｂでは、パッド前部２ｃを後方に移動させたとき、パッド後部２ｄ との間の表皮２ｇに弛みａが発生するから、外観性や着座感が悪いという問題が あった。

【０００６】 そこで、本考案の目的は、外観性や着座感が向上するシートのクッション長さ 調整装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、クッションの前部を前後方向に移動さ せて、クッション長さを調整する装置であって、 上記クッションの前部のパッド及び表皮を前方に延長して、該延長部をクッシ ョンの下方に巻き込み可能にする一方、上記クッション内に、該クッションの延 長部の端部を係止して、該延長部を巻き込み方向に付勢するスプリングと、上記 延長部の内面に接触するローラと、該ローラを前後方向に移動させて、上記延長 部をスプリングの付勢力に抗して前方に押し出し、またはスプリングの付勢力に 追従して後方に引き込み操作する操作部材と、該操作部材を所定の操作位置でロ ックするロック部材とを設けたことを特徴とするものである。

【０００８】

【作用】

本考案によれば、操作部材の前動操作により、ローラでクッションの前部の延 長部を前方に押し出すとクッション長さが長くなり、操作部材の後動操作により 、ローラを後退させると、クッションの前部の延長部がスプリングの付勢力で後 方に引き込まれてクッション長さが短くなる。上記クッションは、クッションの 前部と一体の延長部を押し出し、または引き込むだけであるから、上記前者の従 来技術のような隙間が発生せず、上記後者の従来技術のような表皮の弛みが発生 しないので、外観性に優れると共に、着座感も良好になる。

【０００９】 また、操作部材を前動または後動操作するだけであるから、クッション長さの 調整を簡単かつ迅速に行うことができると共に、操作部材を所定の操作位置でロ ック部材によりロックできるから、ローラが不用意に前後移動することがなく、 安全性が向上する。

【００１０】

【実施例】 以下、本考案を図示の実施例により詳細に説明する。 図１及び図２に示すように、シートのクッション１０は、前部のパッド１０ａ 及び表皮１０ｂを、所定の長さｌで前方に一体的に延長して、該延長部１０ｃを クッション１０の下方に巻き込めるようにする。該クッション１０の延長部１０ ｃの表皮１０ｂの端部１０ｄは、クッション１０内の底部に設けたクッションフ レーム１２ｃスプリング１９を介して係止し、該スプリング１９により、延長部 １０ｃを巻き込み方向に付勢する。

【００１１】 上記クッション１０内のクッションフレーム１２の前部の上方には、上記クッ ション１０の延長部１０ｃのパッド１０ａの内面に貼り付けたキャタピラ状の緩 衝材１３に接触するローラ１４を配置する。該緩衝材１３は、ローラ１４をパッ ド１０ａに直接接触させないようにして、スムーズに回転できるようにすると共 に、接触による異音も防止するためのものである。

【００１２】 一方、図３に示すように、シャフト材を折り曲げ加工して、左右両側部１６ａ ，１６ａが側面から見て略コ字状の操作ポール１６を設け、該操作ポール１６の 両側部１６ａ，１６ａの各上端部が左右方向の支軸部１６ｂで一体的に連結され ると共に、各下端部が左右方向の操作部１６ｃで一体的に連結されている。該操 作ポール１６は、両側部１６ａ，１６ａの上下方向の支柱部１６ｄ，１６ｄが、 上記クッションフレーム１２の前部に設けた前後方向に長いガイド長孔１２ａ， １２ａに前後移動自在に嵌合される。

【００１３】 上記操作ポール１６の支軸部１６ｂには、上記ローラ１４が回転自在に支持さ れ、該操作ポール１６を前動操作するとローラ１４が前進し（図１参照）、後動 操作するとローラ１４が後退する（図２参照）。

【００１４】 上記操作ポール１６の支柱部１６ｄ，１６ｄには、図４及び図５にも示すよう に、上記クッションフレーム１２の各ガイド長孔１２ａ，１２ａの両側部に、前 後方向に一定の間隔で形成したロック孔１２ｂ，…，１２ｂに上方から係合可能 な二叉状のロック板１７，１７がそれぞれ固定されている。

【００１５】 また、上記各支柱部１６ｄ，１６ｄには、上記クッションフレーム１２の下方 に位置して、上記ロック板１７との間でクッションフレーム１２を挟み込み、操 作ポール１６の上下移動を規制するガイド板１８，１８がそれぞれ固定されてい る。該各ガイド板１８，１８は、図４に示すように、ロック板１７がロック孔１ ２ｂに係合している状態では、後端部１８ａがクッションフレーム１２の下面に 当接するように斜め下向きに固定され、図５に示すように、上記後端部１８ａを 支点として上記各支柱部１６ｄ，１６ｄを後方に傾けてロック板１７をロック孔 １２ｂから抜き出したときには（アンロック）、上記クッションフレーム１２の 下面に面対面で当接して、操作ポール１６をガイド長孔１２ｂに沿ってスムーズ に前後移動できるようにガイドする。

【００１６】 上記構成であれば、クッション１０の長さＬ１が短い図２の状態では、操作ポ ール１６は後方に移動して、ロック板１７がロック孔１２ｂに係合すると共に、 ローラ１４も後退して、クッション１０の延長部１０ｃはスプリング１９の付勢 力で後方に引き込まれている。

【００１７】 上記状態から操作ポール１６の操作部１６ｃを上方に持ち上げ操作すると、ガ イド板１８の後端部１８ａを支点にして支柱部１６ｄが後方に傾き、ロック板１ ７がロック孔１２ｂから抜き出されてアンロックとなる。その状態のまま操作部 １６ｃを前動操作すると、操作ポール１６とともにローラ１４が前進して、クッ ション１０の延長部１０ｃがスプリング１９の付勢力に抗してローラ１４で前方 に押し出されて、図１のように、クッション１０の長さＬ１がＬ２に長くなる（ Ｌ１＜Ｌ２）。

【００１８】 そして、クッション１０の長さが適当な位置で操作ポール１６の操作部１６ｃ を下方に押下げ操作すると、支柱部１６ｄが前方に復帰し、ロック板１７が当該 位置のロック孔１２ｂに係合して操作ポール１６がロックされる。

【００１９】 一方、図１の状態から、操作ポール１６の操作部１６ｃを上方に持ち上げ操作 して、上記と同様にロック板１７をロック孔１２ｂから抜き出してアンロックし た後、操作部１６ｃを後動操作すると、操作ポール１６とともにローラ１４が後 退して、クッション１０の延長部１０ｃがスプリング１９の付勢力で後方に引き 込まれて、図１のように、クッション１０の長さＬ２がＬ１に短くなる。そして 、クッション１０の長さが適当な位置で操作ポール１６の操作部１６ｃを下方に 押下げ操作すると、上記と同様にして、操作ポール１６が当該位置にロックされ る。

【００２０】 したがって、上記クッション１０は、クッション１０の前部と一体の延長部１ ０ｃを前方に押し出し、後方に引き込むだけであるから、クッション１０に隙間 が生じたり、表皮１０ｂに弛みが発生しないので、外観性及び着座感が良好にな る。

【００２１】

【考案の効果】

以上の説明より明らかなように、本考案のシートのクッション長さ調整装置は 、操作部材の前動操作により、ローラでクッションの前部の延長部を前方に押し 出してクッション長さを長くし、操作部材の後動操作により、ローラを後退させ て、クッションの前部の延長部をスプリングの付勢力で後方に引き込んでクッシ ョン長さを短くするようにしたから、上記前者の従来技術のような隙間が発生せ ず、上記後者の従来技術のような表皮の弛みが発生しないので、外観性に優れる と共に、着座感も良好になる。

【００２２】 また、操作部材を前動または後動操作するだけであるから、クッション長さの 調整を簡単かつ迅速に行うことができると共に、操作部材を所定の操作位置でロ ック部材によりロックできるから、ローラが不用意に前後移動することがなく、 安全性が向上するようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 長く調整したクッションの断面図

【図２】 短く調整したクッションの断面図

【図３】 駆動機構の斜視図

【図４】 ロック時のロック板とガイド板の側面図

【図５】 （Ａ）はアンロック時のロック板とガイド板
の側面図、（Ｂ）は（Ａ）の正面図

【図６】 自動車用シートの斜視図

【図７】 （Ａ）（Ｂ）は第１従来技術の長さ調整クッ
ションの断面図

【図８】 （Ａ）（Ｂ）は第２従来技術の長さ調整クッ
ションの断面図

【符号の説明】

１０…クッション、１０ａ…パッド、１０ｂ…表皮、１
０ｃ…延長部、１０ｄ…端部、１２…クッションフレー
ム、１２ｂ…ロック孔、１４…ローラ、１６…操作ポー
ル、１７…ロック板、１８…ガイド板、１９…スプリン
グ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 クッションの前部を前後方向に移動させ
   て、クッション長さを調整する装置であって、 上記クッションの前部のパッド及び表皮を前方に延長し
   て、該延長部をクッションの下方に巻き込み可能にする
   一方、上記クッション内に、該クッションの延長部の端
   部を係止して、該延長部を巻き込み方向に付勢するスプ
   リングと、上記延長部の内面に接触するローラと、該ロ
   ーラを前後方向に移動させて、上記延長部をスプリング
   の付勢力に抗して前方に押し出し、またはスプリングの
   付勢力に追従して後方に引き込み操作する操作部材と、
   該操作部材を所定の操作位置でロックするロック部材と
   を設けたことを特徴とするシートのクッション長さ調整
   装置。