JPH10315708A - タイヤ補強用すだれ織物及びこれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤ補強用すだれ織物及びこれを用いた空気入りタイヤ

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JPH10315708A
JPH10315708A JP9124319A JP12431997A JPH10315708A JP H10315708 A JPH10315708 A JP H10315708A JP 9124319 A JP9124319 A JP 9124319A JP 12431997 A JP12431997 A JP 12431997A JP H10315708 A JPH10315708 A JP H10315708A
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tire
weft
warp
reinforcing
melting point
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JP9124319A
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Shinichi Miyazaki
眞一 宮崎
Takafumi Taguchi
隆文 田口
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タイヤ加硫時などにおいて緯糸に張力が作用
した場合に経糸が乱れるのを効果的に防止しうるタイヤ
補強用すだれ織物及びこれを用いた空気入りタイヤを提
供する。 【解決手段】 タイヤを補強するための経糸2に緯糸3
を編み込んだタイヤ補強用すだれ織物であって、前記経
糸2は接着処理が予め施されるとともに、前記緯糸3
は、融点が100〜140℃であることを特徴とするタ
イヤ補強用すだれ織物である。またこれをカーカスプラ
イに用いた空気入りタイヤである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤ加硫時など
において緯糸に張力が作用した場合に経糸が乱れるのを
効果的に防止しうるタイヤ補強用すだれ織物及びこれを
用いた空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、タイヤを補強するための経糸を密に配列するととも
に、この経糸の間隔をほぼ一定に保つよう該経糸とほぼ
直角の向きに配された緯糸を配したタイヤ補強用すだれ
織物が知られている。そして、このタイヤ補強用すだれ
織物は、ゴムとの接着性を改善するために、通常、接着
処理が行われる。
【0003】前記接着処理は、タイヤ補強用すだれ織物
を、接着処理液に浸漬する浸漬工程と、この浸漬工程を
した後、経糸にある程度の張力をかけた状態で加熱(ベ
ーキング)する加熱工程とを含み、これによって、タイ
ヤ補強用すだれ織物のゴム接着性が向上する。
【0004】またタイヤ補強用すだれ織物は、通常、前
記接着処理の後、該織物の上下に未加硫ゴムをトッピン
グし、いわゆるプライとして準備されてタイヤ成形に使
用されるものである。
【0005】図5(a)には、タイヤ補強用すだれ織物
aに未加硫ゴムbをトッピングしたプライpの断面を示
している。前記タイヤ補強用すだれ織物aは、本例では
配列された経糸c1本おきに、該経糸の上下を通るよう
にして織り込まれたものが示されている。また前記緯糸
dは、従来、例えば綿、ポリノジック(扁平レーヨン)
など熱に強い材料からなる糸が使用されている。
【0006】このようなプライpを、たとえば空気入り
タイヤの骨格をなすカーカスプライに用いる場合、該プ
ライpは例えばタイヤ成形工程において、円筒状からト
ロイダル状に膨張変形し、また加硫により加熱される。
この際、前記緯糸dは、大きな張力を受けることにより
張りつめ、同図(b)に示すように前記経糸cを上下に
波打たせるいわゆる畳表現象を発生させる。
【0007】この畳表現象は、各プライ内で隣り合う経
糸dの経糸間距離(以下、経糸ピッチという)を不均一
とする問題があり、特にカーカスが同図(b)に示すよ
うに多層のプライから構成されたものである場合には、
隣り合うプライにおける経糸c、c間の距離(以下、経
糸間ゲージという)がS又はLになるなど、著しく経糸
間ゲージを不均一とする。
【0008】そして、このように経糸間ゲージが不均一
になると、とりわけ経糸間ゲージが小さい(図において
S)ところを起点とし、比較的早期にタイヤの損傷が発
生して拡大するなど耐久性に大きな問題があった。さら
に、経糸dが加硫中に波打つため、プライpの厚さHも
この波打ちを考慮した厚さに設定しなければならず、ト
ッピングする未加硫ゴムの量も必然的に多くなるためタ
イヤ重量を軽量化する上での大きな障害となっていた。
【0009】本発明は、以上のような問題点に鑑み案出
されたもので、融点が従来よりも小さい材料からなる緯
糸を用いることを基本として、タイヤ加硫時などにおい
て緯糸を溶融させることにより、経糸に対する拘束を弱
め、該経糸が乱れるのを効果的に防止しうるタイヤ補強
用すだれ織物及びそれを用いることにより、耐久性を向
上するとともに大幅にタイヤ重量を軽量化しうる空気入
りタイヤを提供することを目的としている。
【0010】なお、先行する技術として、特開昭61−
113852号公報、特開昭60−209044号公報
などがある。前者は、緯糸の改良に係わるものではある
が、緯糸の熱劣化を防ぐものであって、緯糸に低融点の
材料を用いる本発明の技術的思想とは逆行するものであ
る。
【0011】又後者のものは、緯糸及び緯糸の端部を拘
束するからみ糸に経糸の素材よりも20℃以上低い融点
を有する繊維を含む糸を用いることを開示している。し
かしながら、この提案は、経糸と緯糸とを織った織物と
した後に接着処理のベーキング工程の熱を利用し、前記
緯糸とからみ糸の「経糸よりも20℃以上低い融点を有
する繊維」の部分を互いに溶融させ、前記緯糸とからみ
糸とを融着し、織物の耳部において均一性を高めるもの
であって、本発明の課題、すなわち、加硫中において緯
糸を溶融させることにより経糸に対する拘束を低下させ
るものとは異なる。又低融点緯糸として開示されている
のはナイロン6、ポリエステル共重合体であって、いず
れも本願の緯糸の融点の範囲を開示するものではない。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1記
載の発明は、タイヤを補強するための経糸に緯糸を編み
込んだタイヤ補強用すだれ織物であって、前記経糸は接
着処理が予め施されるとともに、前記緯糸は、融点が1
00〜140℃であることを特徴とする。
【0013】また請求項2記載の発明は、前記緯糸は、
高密度ポリエチレン、塩化ビニル・ビニルアセテート共
重合体、エチレン・ビニルアセテート共重合体、三元共
重合体ポリアミド、四元共重合体ポリアミド、多元共重
合体ポリアミドからなる樹脂群から選択される1つの樹
脂である請求項1記載のタイヤ補強用すだれ織物であ
る。
【0014】また請求項3記載の発明は、前記経糸は、
ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、レーヨン、ビ
ニロン、アラミドからなる樹脂群から選択される1つの
樹脂である請求項1又は2記載のタイヤ補強用すだれ織
物である。
【0015】また請求項4記載の発明は、タイヤを補強
するための経糸に緯糸を編み込むとともに、前記経糸は
接着処理が予め施され、前記緯糸は、融点が100〜1
40℃である請求項1に記載されたタイヤ補強用すだれ
織物をカーカスプライに用いたことを特徴とする空気入
りタイヤである。
【0016】また請求項5記載の発明は、前記緯糸は、
タイヤ加硫成形中に溶融することを特徴とする請求項4
記載の空気入りタイヤである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面に基づき説明する。本発明のタイヤ補強用すだれ織物
1は、図1に示すように、タイヤを補強するための経糸
2に緯糸3を編み込んだものであって、前記経糸2は接
着処理が予め施されるとともに、前記緯糸3は、融点が
100〜140℃であることを特徴としている。なお、
「タイヤ補強用すだれ織物」は、例えばカーカスやベル
トその他タイヤを補強する全ての構成要素材料として用
いることができる。
【0018】前記経糸2は、例えばタイヤ用コードが用
いられ、加硫成形中の熱、さらには接着処理の加熱工程
などの熱によって溶融することがなく、加硫し終えた空
気入りタイヤの内部で配列されることにより、空気入り
タイヤを補強しうる。本例では、タイヤ用コードとして
テキスタイルコードを採用したものを例示している。
【0019】前記経糸2は、図1に示すように緯糸3に
比して密に配列されるが、その密度は、使用されるタイ
ヤに応じて任意に設定することができる。また経糸2
は、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、レーヨ
ン、ビニロン(特に高強力ビニロン)、アラミドからな
る樹脂群から選択される1つの樹脂からなるタイヤ用コ
ードを好ましく採用することができる。本例ではナイロ
ン66(融点250〜260℃)からなるタイヤ用コー
ドを用いている。
【0020】前記緯糸3は、前記経糸2の長手方向とほ
ぼ直角の向き、かつ本例では図1(b)に示すように、
前記隣り合う経糸2の1本おきに、該経糸2の上下を通
るようにして織り込まれたものが示されている。緯糸3
は、このように平面上に多数配列された経糸2の経糸ピ
ッチを均一に維持する役割を果たす。なお、緯糸3の編
み込み方法は、本例の如く緯糸3の両端が非連続で配さ
れたものの他、緯糸3が連続して織物1の左右の耳部で
ターンして織りこまれたものなど、その他種々の織り方
法が採用できる。
【0021】前記緯糸3は、従来、綿、ポリノジック
(扁平レーヨン)など実質的に融点を持たない熱に強い
材料からなる糸が使用されていたが、本発明では、融点
が100〜140℃である低融点材料を使用する必要が
ある。
【0022】前記緯糸3の融点を100〜140℃の温
度範囲に限定した理由は、緯糸3をタイヤ加硫中の熱及
び張力の作用下において溶融させることにより、経糸2
を波打たせる畳表現象を防止するためである。すなわ
ち、タイヤの加硫成形(加硫温度、約150〜185
℃)時の熱及び圧力下では、前記緯糸は、融点が100
〜140℃であると、加硫中に経糸2への拘束力を低下
する如く溶融して前記畳表現象を防止しうるのである。
【0023】前記緯糸3の融点が、100℃に満たない
と、常温においても経糸2の配列を均一に拘束するため
の引張弾性率が低下する傾向があるため、織物としても
経糸2の配列間隔を均一に維持できなくなり、逆に14
0℃を超えると、加硫時の熱では緯糸3が効果的に溶融
しえず、依然として経糸2を波打たせる畳表現象を防止
する効果が得られなくなる。なお好ましくは、緯糸3の
融点は、100〜120℃とするのが、経糸のコード間
距離をより均一化しうる点で望ましい。
【0024】このような融点を有する緯糸3の材料とし
ては、例えば、高密度ポリエチレン、塩化ビニル・ビニ
ルアセテート共重合体、エチレン・ビニルアセテート共
重合体、三元共重合体ポリアミド、四元共重合体ポリア
ミド、多元共重合体ポリアミドからなる樹脂群から選択
される1つの樹脂であることが望ましい。
【0025】前記高密度ポリエチレン(polyethylene)
は、低圧法(通常気圧、70℃)で重合されたポリエチ
レン(low pressure polyethylene )で、線状、高分
子、高結晶性であるためハードポリエチレンとも言わ
れ、密度0.94〜0.96g/cm 3 融点は125〜14
0℃である。
【0026】また、塩化ビニル・ビニルアセテート共重
合体(vinyl chloride-vinyl acetate copolymer)は、
密度が約1.3g/cm3 、融点は120〜150℃の範囲
を示すが、本発明では140℃までのものを使用する。
【0027】エチレン・ビニルアセテート共重合体(et
hylene-vinyl acetate copolymer)は、一般にEVAと
略称され、エチレンと酢酸ビニルを共重合させたもの
で、エチレンと酢酸ビニルの含有量によって融点が変化
する。通常上市されているEVAは、酢酸ビニルの含有
量が、10〜40%であり、その場合の融点は約50〜
90℃であり、そのままでは、本発明の緯糸材料として
用いることはできないが、酢酸ビニルの含有量を調整、
例えば6%以下程度に設定することにより、融点を10
0〜140℃のの範囲内に設定することができる。
【0028】三元共重合体ポリアミドは、単独では融点
が比較的高いポリアミドでも、共重合することにより低
融点の重合物ができることを利用したもので、三元共重
合体ポリアミドを始めとする多元共重合ポリアミドであ
る。一般に、使用するポリアミドの種類によって多くの
種類があり、各ポリアミドの含有量によって、大きく融
点が変化する。三元共重合体ポリアミドの一例を図4に
示しており、融点が100〜140℃の範囲を斜線で示
す。この図1の物質名は、hexamethylene adipic amide
-caprolactam-lauryl lactam copolymer 、又はそれぞ
れのポリアミド名から、polyamide66 -polyamide6 -pol
yamide12 copolymer と呼ばれることもある。
【0029】四元共重合体ポリアミド(多元共重合体ポ
リアミド)は、三元共重合体ポリアミドと基本的に同じ
考えに基づくもので、具体例としては、hexamethylene
adipic amide-caprolactam-lauryl lactam -amino unde
ca acid amide copolymer が挙げられる。
【0030】また、タイヤ補強用すだれ織物1は、通
常、未加硫ゴムGがトッピングされる。そして、このゴ
ムとの接着性を改良するために接着処理が行われる。こ
の接着処理は、タイヤ補強用すだれ織物を例えばレゾル
シン−ホルマリンの初期縮合物とビニルピリジンラテッ
クスまたはビニルピリジンラテックスとSBRラテック
スとの混合物などに各種薬品を加えた接着処理液に浸漬
する浸漬工程と、この浸漬工程をした後、経糸2にある
程度の張力をかけた状態で加熱する加熱工程とを含む。
【0031】したがって、経糸2に緯糸3を編み込んで
すだれ織物とした後に前記接着処理を行うと、加熱工程
の温度如何では、この段階において緯糸3が溶融してし
まい、経糸3の経糸ピッチを均一に維持できないことが
考えられる。そこで、本発明では、前記経糸2は、緯糸
3が編み込まれるのに先立ち、予め接着処理を施してい
ることを特徴とする。
【0032】このように、経糸2を織物にする前に予め
接着処理を施しておくことにより、経糸2とゴムとの接
着性を向上でき、しかもこの経糸2に緯糸3を編んだ織
物とした後は、改めて接着処理をする必要がないから接
着処理の加熱工程による緯糸3の溶融を防止できる。ま
た、緯糸3は比較的粗に配列され、かつ加硫により溶融
するため、接着処理を施さなくとも織物全体としてゴム
の付着性が悪化することもない。
【0033】次に、このようなタイヤ補強用すだれ織物
1は、空気入りタイヤのカーカスプライに好ましく用い
ることができる。図2には、空気入りタイヤTの断面図
を示し、カーカスプライ5は、トレッド部6からサイド
ウォール部7を経てビード部9のビードコア10の周り
で折り返されて係止される2層が配されかつラジアル構
造のものを示している。
【0034】ラジアル構造であるから、経糸2は、タイ
ヤの内部において半径方向に放射状にのびるように配さ
れる。また、カーカスプライは、本発明のタイヤ補強用
すだれ織物1に未加硫ゴムGをトッピングしたプライ4
を用いる。また空気入りタイヤTは、このプライ4を用
いてタイヤ生カバーを形成し、これを加硫金型で加硫す
ることにより成形される。
【0035】図3には、図2のA−A断面を示してい
る。図に示すように、緯糸3は、加硫の熱及び張力によ
り溶融し、従来のように緯糸3が加硫中に張りつめて経
糸2を波打たせる畳表現象を防止しうる。したがって、
経糸2は、タイヤ仕上がり後も、カーカスプライの面に
対して垂直方向の並びを乱すことなく整列しうる。
【0036】したがって、カーカスプライのカーカスコ
ード12(経糸)の配列が均一化し耐久性を向上しうる
とともに、特にカーカスプライ5が多層配されるような
場合には、従来、タイヤ損傷の起点となっていた経糸間
ゲージの小なる部分、すなわち隣り合うプライのカーカ
スコード12、12の距離が著しく接近した箇所が皆無
となり、ほぼ均一な距離Mとなって整列しうるから、タ
イヤの耐久性をより一層向上しうる。
【0037】さらに、仕上がった空気入りタイヤTにお
いて、前記の如くカーカスプライ5のカーカスコード1
2の配列が均一化することにより、タイヤ補強用すだれ
織物を未加硫ゴムでトッピングする際に、プライ4の厚
さHを従来よりも減じることが可能となり、ひいてはト
ッピングするゴム量が減少する結果、タイヤ重量の大幅
な軽量化を実現しうる。特にカーカスプライ数が多い航
空機用タイヤに本発明を採用したときには、タイヤ重量
の軽量化の効果は著しく高いものとなる。
【0038】
【実施例】複数種のタイヤ補強用すだれ織物及びこれを
ゴムにてトッピングしたプライをカーカスプライに使用
してタイヤサイズが46×17R20の航空機用ラジア
ルタイヤ(カーカスプライ6層構造)を複数種試作し
(実施例1〜4及び比較例1〜4)、各種の性能を比較
した。テスト条件は次の通りである。
【0039】(ゴム付け後のカーカスプライの厚さ)タ
イヤ補強用すだれ織物に未加硫ゴムをトッピングしてプ
ライとしたときのプライ1枚当たりの厚さを測定した。
【0040】(タイヤでのコード間距離)タイヤ仕上が
り後において、隣り合うカーカスプライのコード(経
糸)間の距離の最小値〜最大値を測定した。
【0041】(タイヤでのコードの乱れ)タイヤ仕上が
り後において、プライ平面内のコード(経糸)配列間隔
の乱れを確認した。(タイヤ重量)タイヤ1本当たりの
重量を測定した。
【0042】(高速耐久性、一般耐久性)ドラム試験機
を用いるとともに、米国連邦航空局FAAで定めるTS
O−C62αの規格条件のうち、離陸テストで高速耐久
性を評価した。テスト荷重条件は、定格荷重の2倍にし
て実施、すなわち、縦荷重41720(kgf )、速度M
ax363(km/H)である。一方、速度60(km/H)を
一般耐久性として、タイヤに損傷が生じるまでの距離を
測定するとともに、比較例1を100とする指数で表示
している。数値が大なほど良好である。テストの結果を
表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】テストの結果、実施例1〜4では、いずれ
もカーカスコードのコード間距離の差(最大値−最小
値)が0.2〜0.4mmの範囲に収まりきわめて安定し
ており、またこれに基づいて、プライの厚さを減じてタ
イヤ重量を軽量化しうることが確認できた。また、軽量
化を図りながらも、カーカスコードのコード間距離が均
一化されたことにより、高速及び一般耐久性が著しく向
上していることが確認しうる。なお、緯糸の融点が、1
00〜120℃の実施例1、3及び4では、カーカスコ
ードのコード間距離がより一層均一化されていることが
確認しうる。
【0045】逆に、タイヤ補強用すだれ織物の緯糸に、
綿、ポリノジックを使用した比較例1、2では、加硫時
に緯糸が溶融せずに張力よって張りつめ、経糸すなわ
ち、カーカスコードのコード間距離を著しく不均一にし
ていることが確認できる。
【0046】また、緯糸の融点が100℃を下回る比較
例3では、加硫により容易に溶融しうるものの、常温に
おける引張弾性率が小さいことにより織物の状態におい
て既に経糸の配列が乱れていることを確認した。また、
その結果として耐久性が大幅に低下していることも確認
しうる。
【0047】また、緯糸の融点が140℃を僅かに上回
る比較例4においても、加硫により緯糸が溶融せず、カ
ーカスコードのコード間距離を著しく不均一にしている
ことが確認できる。
【0048】なお、融点は、例えば柳本製作所製のMI
CRO MELTING POINT APPARAT
USを用いて測定しうる。
【0049】
【発明の効果】以上のように請求項1ないし3のタイヤ
補強用すだれ織物は、緯糸の融点を限定したことによ
り、タイヤ加硫中の熱、張力などの作用下において、こ
の緯糸を溶融させることができ、従来のように加硫中な
どに緯糸が張りつめて経糸を波打たせる畳表現象を効果
的に防止しうる。
【0050】また、請求項4ないし5の空気入りタイヤ
は、前記のタイヤ補強用すだれ織物をカーカスプライに
用いることにより、カーカスコードとなる経糸を波打た
せる畳表現象を防止でき、カーカスプライのカーカスコ
ード(経糸)の配列が均一化し耐久性を向上しうる。特
にカーカスプライが多層で構造されるような場合には、
従来タイヤ損傷の起点となっていた隣り合うプライにお
いてカーカスコード間の距離が著しく接近した箇所が皆
無となるから、タイヤの耐久性をより一層向上しうる。
【0051】さらに、空気入りタイヤは、前記の如くカ
ーカスプライのカーカスコード(経糸)の畳表現象を防
ぐことにより、タイヤ補強用すだれ織物を未加硫ゴムで
トッピングする際に、カーカスプライ厚さをHを減じる
ことが可能となり、ひいてはトッピングするゴム量が減
少する結果、タイヤ重量の大幅な軽量化を実現しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明のタイヤ補強用すだれ織物の
部分平面図、(b)はその断面図である。
【図2】本発明の空気入りタイヤの断面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】三元共重合体ポリアミドの融点を説明するグラ
フである。
【図5】(a)、(b)は従来の技術を説明する断面図
である。
【符号の説明】
1 タイヤ補強用すだれ織物 2 経糸 3 緯糸 5 カーカスプライ T 空気入りタイヤ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タイヤを補強するための経糸に緯糸を編み
    込んだタイヤ補強用すだれ織物であって、前記経糸は接
    着処理が予め施されるとともに、前記緯糸は、融点が1
    00〜140℃であることを特徴とするタイヤ補強用す
    だれ織物。
  2. 【請求項2】前記緯糸は、高密度ポリエチレン、塩化ビ
    ニル・ビニルアセテート共重合体、エチレン・ビニルア
    セテート共重合体、三元共重合体ポリアミド、四元共重
    合体ポリアミド、多元共重合体ポリアミドからなる樹脂
    群から選択される1つの樹脂である請求項1記載のタイ
    ヤ補強用すだれ織物。
  3. 【請求項3】前記経糸は、ポリエチレンテレフタレー
    ト、ナイロン、レーヨン、ビニロン、アラミドからなる
    樹脂群から選択される1つの樹脂である請求項1又は2
    記載のタイヤ補強用すだれ織物。
  4. 【請求項4】タイヤを補強するための経糸に緯糸を編み
    込むとともに、前記経糸は接着処理が予め施され、前記
    緯糸は、融点が100〜140℃である請求項1に記載
    されたタイヤ補強用すだれ織物をカーカスプライに用い
    たことを特徴とする空気入りタイヤ。
  5. 【請求項5】前記緯糸は、タイヤ加硫成形中に溶融する
    ことを特徴とする請求項4記載の空気入りタイヤ。
JP9124319A 1997-05-14 1997-05-14 タイヤ補強用すだれ織物及びこれを用いた空気入りタイヤ Pending JPH10315708A (ja)

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Cited By (5)

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