JPH10315321A - ポリフェニレンスルフィドフイルム及びそれを用いたフイルムコンデンサ - Google Patents

ポリフェニレンスルフィドフイルム及びそれを用いたフイルムコンデンサ

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JPH10315321A
JPH10315321A JP9147199A JP14719997A JPH10315321A JP H10315321 A JPH10315321 A JP H10315321A JP 9147199 A JP9147199 A JP 9147199A JP 14719997 A JP14719997 A JP 14719997A JP H10315321 A JPH10315321 A JP H10315321A
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film
pps
capacitor
surface roughness
polymer
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JP9147199A
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Shuichi Kinoshita
周一 木下
Yukio Noguchi
幸男 野口
Kunio Sato
邦雄 佐藤
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンデンサ絶縁破壊電圧不良率が低く、すな
わち製造歩留まりを極めて良好に金属化フイルムコンデ
ンサを製造し得る2軸配向ポリ−p−フェニレンスルフ
ィドフイルムとそれを用いた金属化フイルムコンデンサ
を提供する。 【解決手段】 実質的にポリ−p−フェニレンスルフィ
ドからなる二軸配向フイルムであって、該フイルムの表
面粗さSRmax が1000〜1500nmの範囲にあることを特
徴とする厚さ10μm以下のポリフェニレンスルフィド
フイルム、およびそれを用いたフイルムコンデンサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、実質的にポリ−p
−フェニレンスルフィドからなる二軸配向フイルムと該
ポリフェニレンスルフィドフイルムを誘電体として用い
たフイルムコンデンサに関する。特に、ポリフェニレン
スルフィドフイルムを金属化して用いるフイルムコンデ
ンサに関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭54−142275号公報等で知
られている二軸配向ポリ−p−フェニレンスルフィドフ
イルムは優れた耐熱性、電気特性を持つことから、高性
能フイルムコンデンサの誘電体として好適なことが知ら
れている。
【0003】また、特開平2−185535号公報に
は、特定のフイルム表面特性を有するポリフェニレンス
ルフィドフイルムとそのフイルムを誘電体として用いた
フイルムコンデンサが開示されている。また、特開昭6
0−257510号公報には、二軸配向ポリ−p−フェ
ニレンスルフィドフイルムをコンデンサに用いた場合
に、その容量および絶縁破壊電圧のばらつきを小さくす
るために、微細突起密度および粗大突起密度を一定範囲
に調整した二軸配向ポリ−p−フェニレンスルフィドフ
イルムを誘電体として用いたフイルムコンデンサが開示
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のフイルムコンデンサには次のような欠点があ
った。ポリフェニレンスルフィド(PPS)フイルムを
誘電体として用いる金属化フイルムコンデンサは、PP
Sフイルムを多数層巻回または積層して形成される。多
数層巻回または積層した蒸着フイルム中に欠陥部分が存
在すると、その部分の絶縁破壊電圧が低くなってしまう
ために、そのコンデンサは不良品になってしまう。コン
デンサが不良品になるのを防止する目的で、巻回または
積層した金属化フイルム中に存在する欠陥部分を電圧処
理によって修復する。この電圧処理による修復操作を行
うことが金属化フイルムコンデンサ製造の大きな特長で
ある。修復は、金属化PPSフイルム中に存在する欠陥
部分の金属薄膜を電圧処理によって飛散させることによ
り行うのであるが、厚さ10μm以下のような薄い二軸
配向ポリ−p−フェニレンスルフィドフイルム(以下、
PPSフイルムと言う)を金属化してコンデンサの誘電
体として用いたときには、電圧処理による修復がうまく
できず不良品が多くできてしまうという問題があった。
【0005】上記課題を解決するために、本発明のポリ
フェニレンスルフィドフイルムは、実質的にポリ−p−
フェニレンスルフィドからなる二軸配向フイルムであっ
て、該フイルムの表面粗さSRmax が1000〜1500nmの
範囲にあることを特徴とする厚さ10μm以下のフイル
ムからなる。
【0006】また、本発明のフイルムコンデンサは、こ
のようなポリフェニレンスルフィドフイルムを巻回また
は積層したものからなる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の課題は、上述の欠点を解
消し、高性能フイルムコンデンサの誘電体として好適な
二軸配向ポリ−p−フェニレンスルフィドフイルムおよ
びそれを用いたフイルムコンデンサを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明において、ポリ−
p−フェニレンスルフィド(以下、PPSと言う)と
は、繰り返し単位の70モル%以上、好ましくは85モ
ル%以上が構造式化1で示される構成単位からなる重合
体をいう。
【0009】
【化1】
【0010】上記成分が70モル%未満ではポリマの結
晶性、熱転移温度等が低くなりPPSを主成分とする樹
脂組成物からなるフイルムの特長である耐熱性、寸法安
定性、機械的特性等を損なう。
【0011】繰り返し単位の30モル%未満、好ましく
は15モル%未満であれば共重合可能なスルフィド結合
を含有する単位が含まれていても差し支えない。繰り返
し単位の30モル%未満、好ましくは15モル%未満の
繰り返し単位としては、例えば、3官能単位、エーテル
単位、スルホン単位、ケトン単位、メタ結合単位、アル
キル基等の置換基を有するアリール単位、ビフェニル単
位、ターフェニレン単位、ビニレン単位、カーボネート
単位などが具体例としてあげられ、このうち1つまたは
2つ以上共存させて構成することができる。この場合、
該構成単位は、ランダム共重合、ブロック共重合いずれ
の形態でも差し支えない。また、ポリマの末端または末
端近くに該ポリマの主要構成単位以外の構成単位が存在
することはなんら差し支えない。該組成物中の残りの3
0重量%未満はPPS以外のポリマ、着色剤、紫外線吸
収剤などの添加物を含むことも差し支えない。
【0012】本発明における二軸配向ポリ−p−フェニ
レンスルフィドフイルムとは、例えば、特公昭63−1
2772号公報などに記載されている方法と同様に製造
される。すなわち、溶融押出法により成形された実質的
に無配向の非晶フイルムを、二軸延伸法により二軸配向
させたのち熱処理を施して得られるPPSフイルムであ
る。
【0013】本発明におけるPPSフイルムの溶融粘度
は、300℃、せん断速度200sec-1のもとで10
0ポイズ以上が好ましい。溶融粘度が100ポイズ未満
では、シートの機械的特性、耐熱性に劣りPPSフイル
ムの特徴が発揮出来ない。また、溶融粘度は高い方がフ
イルムの熱的、機械的特性が良好になるが、高過ぎると
押出機に高負荷がかかることや瀘過装置などに大きな圧
力がかかることなどから設備が大型となり好ましくな
い。さらに高粘度になると流動性が悪くなり実用的な成
形が困難となる。溶融押出成形に好ましい溶融粘度は5
00ポイズ〜30000ポイズの範囲であり、さらに1
000ポイズ〜15000ポイズの範囲がより好まし
い。なお、この溶融粘度は押出成形によっては変化しな
い。
【0014】本発明のPPSフイルムの230℃におけ
る10分間の熱収縮率は、フイルムの長手方向で0%〜
+12%、長手方向に直交する方向(フイルム幅方向)
で−5%〜+5%であることが、得られるフイルムコン
デンサの特性安定化の点で好ましい。
【0015】また、本発明のPPSフイルムの密度は耐
熱性の点から1. 356以上であることが好ましい。
【0016】本発明においては、PPSフイルムの表面
粗さSRmax が1000〜1500nmの範囲にあることが重要
である。PPSフイルムを誘電体として用いた金属化フ
イルムコンデンサは、PPSフイルムを多数層巻回また
は積層して形成される。多数層巻回または積層した金属
化フイルム中に欠陥部分が存在すると、その部分の絶縁
破壊電圧が低くなってしまうために、そのコンデンサは
不良品になってしまう。コンデンサが不良品になってし
まうのを防止する目的で、巻回または積層した金属化フ
イルム中に存在する欠陥部分を電圧処理によって修復す
る。この電圧処理による修復操作を行うことが蒸着フイ
ルムコンデンサ製造の大きな特長である。修復は、金属
化PPSフイルム中に存在する欠陥部分の金属薄膜を電
圧処理によって飛散させることで行うのであるが、フイ
ルム表面粗さSRmax が1000nm以上のPPSフイルム
を用いると電圧処理による修復を効果的に実施でき、S
Rmax が1000nm未満では、効果的な修復が難しい。一
方、フイルム表面粗さSRmax が1500nmを超えるよう
なPPSフイルムを用いると、フイルムを多数層巻回ま
たは積層したときにフイルム層間に隙間が大きくできて
コンデンサの静電容量のばらつきが大きくなる。
【0017】本発明は、厚みが10μm以下のPPSフ
イルムを対象として、好ましくは、厚み6μm以下のフ
イルムを対象とする。厚みが10μmを超えるようなP
PSフイルムを用いる場合には、フイルム中に欠陥部分
が存在しても問題になる程絶縁破壊電圧が低下しないの
で、欠陥部分の電圧処理による修復が大きな意味を持た
なくなる。
【0018】次に、本発明に係る二軸配向ポリ−p−フ
ェニレンスルフィドフイルムの製法について説明する。 (1)ポリ−p−フェニレンスルフィドの重合方法 例えば、特開平2−91130号公報などに記載の方法
と同様に作製することができる。すなわち、硫化アルカ
リとp−ジハロベンゼンを極性溶媒中で高温高圧下に反
応させる方法を用いる。特に、硫化ナトリウムとp−ジ
クロロベンゼンをN−メチル−2−ピロリドン(以下N
MPと言う)等のアミド系極性溶媒中で反応させるのが
好ましい。この場合、重合度を調節するために、苛性ア
ルカリ、カルボン酸アルカリ金属塩等のいわゆる重合助
剤を添加して230〜280℃で反応させるのが最も好
ましい。重合系内の圧力および重合時間は、使用する助
剤の種類や量および所望する重合度などによって適宜決
定される。重合終了後、系を徐冷し、ポリマを析出させ
た後、水中に投入してできるスラリーをフィルターで瀘
別して粒状ポリマを得る。得られた粒状ポリマは、必要
に応じて、さらに酢酸塩等の水溶液中で30〜100℃
の温度で10〜60分間撹拌処理後、イオン交換水にて
30〜80℃の温度にて数回洗浄を繰り返した後乾燥す
る。
【0019】(2)不活性微粒子の分散 上述のようにして得られたPPSポリマ粉末と、液体中
に不活性微粒子を分散させたスラリーとを混合し、該混
合物を押出機に供給して溶融混練した後該液体を除去
し、PPSポリマ中に不活性微粒子を分散させる。好ま
しい分散方法は、まず不活性微粒子を沸点が180℃〜
290℃の液体中に分散させスラリーとする(以下、微
粒子スラリーということがある)。例えば、ボールミ
ル、振動ミルなどの分散手段で分散させ、必要に応じて
瀘過やデカンターにより、粗大粒子や微小粒子を除去す
る方法、および/または液体中で微粒子を生成、成長さ
せて適当な粒径を有するゾルとし、必要に応じて溶媒置
換、瀘過などを行なって目的の微粒子スラリーとする方
法などがある。ここで、該スラリー中および/またはポ
リマー中における微粒子の2次凝集を防止する目的で、
必要に応じて該微粒子表面の表面処理、スラリー中への
界面活性剤の添加などを行なってもなんら差し支えな
い。
【0020】次いで、上述の微粒子スラリーをPPSポ
リマ粉末に混合後ベント孔を有する押出機に供給する方
法、またはPPSポリマをベント孔を有する押出機に供
給し、該ポリマが溶融する前または/および溶融した後
に該微粒子スラリーを強制的に注入する方法により、該
微粒子スラリーが溶融状態の該PPSポリマと混練され
た後、ベント孔より該液体成分を除去することにより、
PPSポリマ中に不活性微粒子を分散させる。押出機か
ら吐出されたガット状の該ポリマは、常法と同様に水浴
中などで冷却後、切断して、PPSポリマ中に不活性微
粒子が分散したペレット(以下、粒子ペレットというこ
とがある)となる。また、ここで押出機に成形用の口金
を設けて、直接シート状にキャストすることも可能であ
る。さらに、押出機と口金の間に瀘過装置を設け、該混
練ポリマ中の粗粒子を除去することも好ましい方法であ
る。
【0021】(3)二軸配向ポリ−p−フェニレンスル
フィドフイルムの製法 上述のようにして得られた粒子ペレットを押出機を用い
て溶融押出法によりシートに成形する。例えば、特公昭
63−12772号公報などに記載の方法と同様の方法
で二軸配向フイルムとする。成形用押出機は1軸または
2軸の、必要に応じてベント型の押出機を用いて溶融押
出する。ここで、塵埃または添加物の凝集物など粗大異
物を除去する目的で押出機と口金の間に瀘過装置を設け
ることは、良好なフイルムを得るうえで好ましい。成形
法は常法が適用でき、例えば、Tダイからポリマを吐出
させ、表面温度25℃のドラム上に静電印加法で密着さ
せて急冷し非晶シートとする。次いで、上述の非晶シー
トを表面温度が90℃以上120℃未満のロール群に巻
き付け、周速の異なるロール間で長手方向に3〜5倍に
延伸する。次いで、90℃〜130℃のテンター内で横
方向に2〜4倍延伸し二軸配向フイルムとし、引き続き
テンター内で200℃以上融点以下の温度範囲で2〜6
0秒間定長熱処理し、引き続き、必要に応じて200℃
以上融点以下の温度範囲で制限収縮させて、本発明のP
PSフイルムとする。
【0022】次に、本発明のフイルムコンデンサの製法
について述べる。 (1)前述のようにして得られたPPSフイルムを金属
化する。この際、予め金属化する側のフイルム表面にコ
ロナ処理、プラズマ処理等を施しておくことも金属薄膜
とフイルムの密着性を向上させる点で好ましい。金属化
の方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオ
ンプレーティング法、メッキ法等が挙げられるが、これ
らに限定されない。また、薄膜とする金属としては、ア
ルミニウム、亜鉛、ニッケル、ニッケルクロム合金等が
挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】金属化によって形成された金属薄膜の電気
抵抗は0. 5〜10Ω/□であることが好ましい。金属
化する際、あるいは金属化後に、テープマスク、オイル
マスク、レーザービーム等により、非金属化部分(いわ
ゆるマージン)を設けるのが常法である。
【0024】(2)次に、細幅のテープ状にスリットし
た金属化フイルムを一方の端にマージン部分がくるよう
に2枚重ねて巻き取ってフイルムコンデンサ素子を形成
する。積層型フイルムコンデンサの場合には、大径ドラ
ムあるいは平板に金属化フイルムを巻き取ってフイルム
コンデンサ母素子を形成する。
【0025】(3)得られたフイルムコンデンサ素子を
常温〜270℃の温度でプレス成形し、金属溶射等によ
り外部電極を取り付けた後、外装工程を経て本発明のコ
ンデンサを得る。積層型フイルムコンデンサの場合に
は、大径ドラムに巻き取ったフイルムコンデンサ母素子
をリング等で締め付けるか、或いは平板に巻き取ったフ
イルムコンデンサ母素子を平行平板等でプレスするなど
して成形する。プレス成形後に、金属溶射等により外部
電極を取り付けた後、フイルムの長手方向と直角方向に
切断して、外装工程を経て本発明のコンデンサを得る。
【0026】[特性の測定、評価法] (1)表面粗さ (株)小坂研究所製三次元表面粗さ測定器ET−30H
Kを用いて、触針径2μm、荷重6mg、測定基準長
0.5mm、カットオフ0.25mm、測定速度0.1
mm/秒の条件で測定した。
【0027】(2)コンデンサ絶縁破壊電圧不良率 同一条件でコンデンサを1000個製造し、個々のコン
デンサの絶縁破壊電圧を測定し、規定の絶縁破壊電圧に
達しなかったものの割合を算出した。なお、測定電圧は
100V/秒の割合で昇圧し、試料コンデンサが絶縁破
壊して10mA以上の電流が流れた時点の電圧を絶縁破
壊電圧とした。また、規定の絶縁破壊電圧はフイルム厚
み1μmあたり50Vとした。
【0028】(3)コンデンサの静電容量 同一条件で製造したコンデンサ1000個の個々のコン
デンサの静電容量を自動キャパシタンスブリッジを用い
て測定し、その1000個の測定値の標準偏差を静電容
量のばらつきとした。
【0029】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明する。 実施例1 (1)PPSポリマの作製 50Lオートクレーブ(SUS316製)に水硫化ナト
リウム(NaSH)56.25モル、水酸化ナトリウム
54.8モル、酢酸ナトリウム16モル、およびN−メ
チルピロリドン(NMP)170モルを仕込む。次に、
窒素ガス気流下に撹拌しながら内温を220℃まで昇温
させ脱水を行なった。脱水終了後、系を170℃まで冷
却した後、55モルのp−ジクロロベンゼン(p−DC
B)と0.055モルの1,2,4,−トリクロロベン
ゼン(TCB)を2.5LのNMPとともに添加し、窒
素気流下に系を2kg/cm2 まで加圧封入した。23
5℃にて1時間、さらに270℃にて2〜5時間撹拌下
にて加熱後、系を室温まで冷却、得られたポリマのスラ
リーを水200モル中に投入し、70℃で30分間撹拌
後、ポリマを分離する。このポリマをさらに約70℃の
イオン交換水(ポリマ重量の9倍)で撹拌しながら5回
洗浄後、約70℃の酢酸リチウムの5重量%水溶液にて
窒素気流下にて約1時間撹拌した。さらに、約70℃の
イオン交換水で3回洗浄後、分離し、120℃、0.8
〜1torrの雰囲気下で20時間乾燥することによっ
て白色のPPS粉末が得られた。
【0030】次に、このPPS粉末を窒素ガス雰囲気下
20〜90℃のNMP(PPSポリマ重量の3倍量)に
て5分間〜1時間の撹拌処理を1〜5回行なった。この
PPS粉末をさらに約70℃のイオン交換水で4回洗浄
した後分離し、上記のようにして乾燥することによって
白色のPPS粉末を得た。このPPS粉末の300℃に
おける溶融粘度は5000ポイズであった。
【0031】(2)微粒子ペレットの作製 エチレングリコール中に平均粒径0.5μm、粒径分布
の標準偏差0.2のバテライト型炭酸カルシウムを50
重量%分散したスラリーを調製した。このスラリーを上
述のPPS粉末にヘンシェルミキサを用いて、炭酸カル
シウムが0.5重量%となるよう混合した。次いで、2
個所のベント孔を有する2軸押出機に供給し、溶融混練
後にベント孔よりエチレングリコールを除去したのち、
ガット状に押し出しペレットとした。
【0032】(3)二軸配向PPSフイルムの作製 上述の粒子ペレットを回転式真空乾燥機で、150℃、
3mmHgの減圧下で3時間処理し、結晶化ペレットと
した。次いで、この結晶化ペレットを90mmφの単軸
押出機に供給し、溶融温度330℃、瀘過精度10μm
のフィルターを通過させて、リップ幅400mm、スリ
ット間隙1.5mmのステンレス製Tダイ型口金から吐
出させ、表面を30℃に保った金属ドラム上で冷却固化
して、非晶シートとした。次いで、この非晶シートを表
面温度95℃の回転ロール群に巻き付けて加熱し、引き
続いて配置された表面温度25℃のロールとの間で3.
8倍にフイルムの流れ方向(MD)に延伸した。次い
で、テンターで100℃の熱風が循環する室内でフイル
ムの流れと直行方向(TD)に3.5倍延伸し、引き続
いて260℃の熱風が循環する室内で10秒間定長熱処
理して、厚さ1. 2μmのPPSフイルムを得た。この
フイルムの表面粗さを評価した結果、SRmax は1300n
mであった。
【0033】(4)フイルムの金属化および細幅スリッ
ト 金属化によって形成された金属薄膜の電気抵抗が1. 5
Ω/□になるようにアルミニウムを真空蒸着した。その
際、オイルマスク法により0. 5mm幅のマージン部を
9mm幅ピッチで設けた。次に、各マージン部の中央と
蒸着部の中央に刃を入れてスリットし右もしくは左に
0. 25mm幅のマージン部を有する4.5mm幅のテ
ープ状フイルムを巻き取った。
【0034】(5)フイルムコンデンサ素子 得られた右にマージン部を有するテープ状フイルムと、
左にマージン部を有するテープ状フイルムを重ね合わせ
て巻回し、フイルムコンデンサ素子を形成した。
【0035】(6)素子プレス、外部電極取り付け、外
装 得られたフイルムコンデンサ素子を温度180℃、10
kg/cm2 の圧力で5分間プレスした後、両端面に亜
鉛および錫鉛の合金を溶射して、その上にリード線を溶
接した。リード線を溶接したフイルムコンデンサ素子の
外側をエポキシ樹脂で外装した。得られたフイルムコン
デンサの絶縁破壊電圧不良率、静電容量の標準偏差を表
1に示す。
【0036】実施例2〜4および比較例1〜3 実施例1のPPSポリマを用い、種々の無機微粒子を用
いて得られた微粒子ペレットを用いて、実施例1と同じ
製造条件にて2軸配向PPSフイルムおよびそのフイル
ムを使って実施例1と同じ製造条件にてコンデンサを得
た。得られたフイルムの表面粗さとコンデンサの絶縁破
壊電圧不良率、静電容量の標準偏差を表1に示す。
【0037】実施例5 実施例1の右にマージン部を有するテープ状金属化フイ
ルムと、左にマージン部を有するテープ状金属化フイル
ムを重ね合わせて、大径ドラムに巻き取った後、外側か
らヒーターの付いた筒状のリングで締め付けた。そのと
き、ヒーターの温度は180℃、リングの締め付け圧力
は5kg/cm2 で5分間プレス成形した。得られたフ
イルムコンデンサ母素子の両端面に亜鉛および錫鉛の合
金を溶射して、大径ドラムからコンデンサ母素子を取り
外し、静電容量が0. 1μFになるような長さに切断し
た。得られた積層フイルムコンデンサ素子の金属溶射両
端面にL字型金属板電極を溶接した。得られたコンデン
サの絶縁破壊電圧不良率、静電容量の標準偏差を表2に
示す。
【0038】実施例6〜8および比較例4〜6 実施例2〜4および比較例1〜3の金属化フイルムを使
い、実施例5と同じ製造条件にて積層フイルムコンデン
サ得た。得られたコンデンサの絶縁破壊電圧不良率、静
電容量の標準偏差を表2に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明により、コンデンサ絶縁破壊電圧
不良率が低く、すなわち製造歩留まりを極めて良好に金
属化フイルムコンデンサを製造し得る二軸配向ポリ−p
−フェニレンスルフィドフイルムとそれを用いた金属化
フイルムコンデンサが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01G 4/18 330 H01G 4/18 330C // B29K 81:00 B29L 7:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的にポリ−p−フェニレンスルフィ
    ドからなる二軸配向フイルムであって、該フイルムの表
    面粗さSRmax が1000〜1500nmの範囲にあることを特
    徴とする厚さ10μm以下のポリフェニレンスルフィド
    フイルム。
  2. 【請求項2】 230℃における10分間の熱収縮率
    が、フイルム長手方向0%〜+12%の範囲にあり、フ
    イルム幅方向で−5%〜+5%の範囲にある、請求項1
    のポリフェニレンスルフィドフイルム。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のポリフェニレ
    ンスルフィドフイルムを用いたフイルムコンデンサ。
JP9147199A 1997-05-20 1997-05-20 ポリフェニレンスルフィドフイルム及びそれを用いたフイルムコンデンサ Pending JPH10315321A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005232254A (ja) * 2004-02-18 2005-09-02 Toray Ind Inc ポリアリーレンスルフィド樹脂および押出成形品
JP2011140151A (ja) * 2010-01-06 2011-07-21 Toray Ind Inc 積層体
JP2012038946A (ja) * 2010-08-09 2012-02-23 Kojima Press Industry Co Ltd 積層形フィルムコンデンサ及びその製造方法

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