JPH10305088A - 消臭性を付与した抗菌剤 - Google Patents

消臭性を付与した抗菌剤

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JPH10305088A
JPH10305088A JP9135928A JP13592897A JPH10305088A JP H10305088 A JPH10305088 A JP H10305088A JP 9135928 A JP9135928 A JP 9135928A JP 13592897 A JP13592897 A JP 13592897A JP H10305088 A JPH10305088 A JP H10305088A
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JP
Japan
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test
gel
hinokitiol
sample
solution
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Application number
JP9135928A
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English (en)
Inventor
Nobuhiro Suzuki
信弘 鈴木
Akira Miyaki
昭 宮木
Hatsuo Toyama
初夫 遠山
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HOSOKUBO KAZUHIRO
Original Assignee
HOSOKUBO KAZUHIRO
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 植物由来の成分をその有効成分とする、消臭
性を付与した抗菌剤を提供する。特に、病原性大腸菌O
157をはじめとする食中毒菌に対しても有効な抗菌剤
を提供する。 【解決手段】 商品名スメルナークとトロポロン骨格を
もつ有機物とを含んでなる。また、商品名スメルナーク
とトロポロン骨格をもつ有機物に加えて、さらに乳化剤
を含有させることが好ましい。また、トロポロン骨格を
もつ有機物としてはヒノキチオールが好ましい。さらに
ゲル化剤を添加してゲル状物とするとよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物由来の成分を
その有効成分とする消臭性を付与した抗菌剤に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に植物性の消臭剤は、植物の葉、茎
などから圧搾法、真空乾留法などにより有機化合物を抽
出し、何種類かの植物から抽出した有機化合物を混合し
たもので、植物由来の成分を有効成分としており安全性
が高く望ましい。しかし、このような消臭剤には一般的
に抗菌性は付与されておらず、抗菌性と消臭性とを併せ
もつ消臭性抗菌剤が望まれている。ところで、近年は、
調理施設等での暖房設備の普及等により食中毒菌による
食中毒が時期を問わず、各所で発生しているのが現状で
あり、特に病原性大腸菌O157は感染源の特定も困難
で大きな社会問題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、植物由来の成分をその有効成分とする、消臭性を付
与した抗菌剤を提供することにある。特に、病原性大腸
菌O157をはじめとする食中毒菌に対しても有効な抗
菌剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者は鋭意研究の結果、多数の植物から抽出し
た植物エキスを有効成分とするある特定の消臭剤に、抗
菌効果のあるとされるヒノキチオールなどのトロポトン
骨格を有する有機物を配合することにより、高い消臭効
果と高い抗菌効果とを併せもたせることができることを
見出し、本発明を完成した。即ち、本発明の消臭性を付
与した抗菌剤は、商品名スメルナークとトロポロン骨格
をもつ有機物とを含んでなること、を特徴としている。
また、前記商品名スメルナークとトロポロン骨格をもつ
有機物に加えて、さらに乳化剤を含有させることが好ま
しい。また、前記トロポロン骨格をもつ有機物としては
ヒノキチオールが好ましい。さらにゲル化剤を添加して
ゲル状物とするとよい。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。本発明における、商品名スメルナーク
は、株式会社東海興産製の消臭剤で、杉、桧、樅、イラ
クサ、楠、黒松、赤松、エゾマツ、柿、熊笹、ヨモギ、
茶、白樺、シソアロエ、サンショウ、アマ茶ズル等を主
原料とした35種類の植物から独特な圧搾装置と真空乾
留装置により約180種類の有機化合物を抽出し、これ
らをブレンドした抽出エキスである。かかる抽出エキス
は水溶性で、高い消臭効果を有している。
【0006】トロポロン骨格をもつ有機物としては、例
えば、ヒノキチオール(β−ツヤプリシン)、β−ドラ
ブリン、これらの誘導体などが挙げられる。ここで、ヒ
ノキチオールは、青森産ヒバ油、台湾ヒノキ油、ウェス
タン・レッド・シーダー油などの中に存在する油溶性の
結晶性物質で、強い抗菌性を有している。また、β−ド
ラブリンは、青森産ヒバ油中に含まれ、ヒノキチオール
と同等の抗菌性をもつ。
【0007】上記商品名スメルナークは水溶性であり、
トロポロン骨格をもつ有機物としてのヒノキチオールは
油溶性であるので、これらを均一に混合するには、乳化
剤(界面活性剤)を添加する。このような乳化剤として
は、ヒマシ油など両者を均一に混合させてエマルジョン
化できるものであれば特に制限はない。さらに、有機
酸、有機酸塩ないし有機酸エステルを添加すると、乳化
性が増す。このような有機酸類としては、例えばクエン
酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸トリエチルなどが挙
げられる。また、溶媒としては、水を用いるが、ヒノキ
チオールがアルコール溶解性をもつので、アルコールを
添加することもできる。ここで用いる水は、塩素やミネ
ラル分などの不純物を含まないイオン交換水が好まし
い。
【0008】上記各成分の配合割合は用いる成分の種類
により変動はあるが、トロポロン骨格をもつ有機物とし
てヒノキチオールを用いた場合、スメルナーク0.3〜
30重量%、ヒノキチオール0.1〜2重量%、乳化剤
0.5〜10重量%、有機酸類0.5〜5重量%程度
で、残部溶媒とする。スメルナークの添加量が少なすぎ
ると消臭効果が不十分となり、多すぎるとコスト高とな
る。ヒノキチオールの添加量が少なすぎると十分な抗菌
効果が得られず、多すぎるとコスト高となる。乳化剤や
有機酸類の添加量が少なすぎるとエマルジョン化が不十
分となりヒノキチオールが結晶化して析出してしまい、
一方多すぎると乳化剤等が白濁化し沈殿物が多くなる。
【0009】使用形態としては、水溶液(液状物)とし
て用いることもできるが、冷蔵庫、車中、室内などで用
いるには、ゲル状物として容器に入れ有効成分を揮発さ
せるようにして用いるのが便利である。ゲル状物とする
には吸水性樹脂を添加すればよい。スメルナークやヒノ
キチオールなどの有効成分は揮発性をもち、ゲル状物と
することにより表面積を大きくして有効成分の揮発を促
し、消臭効果及び抗菌効果を高めることができる。ゲル
状物として空気中に放置すると、吸水性樹脂中の水が蒸
発するが、このとき、樹脂の表面に吸着している有効成
分を伴いながら蒸発する。
【0010】ゲル状物として用いる場合、ゲル状物全体
に対して吸水性樹脂4〜10重量%程度配合する。配合
割合が少なすぎると表面積が不足し有効成分の揮発性が
悪くなり、多すぎると揮発性は良くなるが、かさ比重が
小さくなり、同量の有効性分を含ませるのに大きな容器
を用いなければならなくなる。
【0011】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げてさらに具体的
に説明する。これらの実施例は特許請求の範囲を限定す
るものではない。〔抗菌効果試験〕商品名「スメルナー
ク」単独、カテキン単独、ヒノキチオール単独、「スメ
ルナーク」とヒノキチオールとの混合物、のそれぞれに
ついて抗菌効果を試験した。
【0012】実験例1 商品名「スメルナーク」の所定濃度の溶液を試験液と
し、この試験液に大腸菌(血清型O157:H7)の菌
液を接種した後、室温で作用させ、経時的に試験液中の
生残菌の有無を調べた。
【0013】試験菌株として大腸菌,血清型O157:
H7,ベロ毒素非産生株(Escherichia coli ATCC 4388
8 )を用い、NA培地(普通寒天培地(栄研化学株式会社
製))で37±1℃、16〜24時間前培養した試験菌
株をNA培地に再度接種して37±1℃、16〜20時間
培養した菌体を生理食塩水に均一に分散させ、1ml当
たりの菌数が約108 となるように菌液を調製した。試
験液としては、検体(商品名「スメルナーク」)原液そ
のまま、検体の10、5、2.5%(V/V)溶液を調
製し試験液とした。そして、試験液10mlに菌液1m
lを接種し、室温で作用させ、0.5、1、3、6時間
後に、一白金耳量をNB培地(肉エキス0.2%を添加し
た普通ブイヨン(栄研化学株式会社製))に接種・培養
(37℃2日間培養)し、生育の有無を確認した。その
結果を表1に示す。表中の符号+は生育有り、符号−は
生育無しをそれぞれ示す。
【0014】
【表1】 表1 殺菌効果試験結果((財)日本食品分析センター調べ) 試 験 菌 検体濃度 生 育 の 有 無 %(V/V) 30分後 1時間後 3時間後 6時間後 大腸菌 100(原液) + − − − (血清型 10 + + + + O157:H7) 5 + + + + 2.5 + + + +
【0015】実験例2 検体としてカテキンを用い、カテキンを精製水で1.
0、0.5、0.1%(W/V)溶液を調製して試験液
とした他は実験例1と同様に試験した。その結果を表2
に示す。
【0016】
【表2】 表2 殺菌効果試験結果((財)日本食品分析センター調べ) 試 験 菌 検体濃度 生 育 の 有 無 %(V/V) 30分後 1時間後 3時間後 6時間後 大腸菌 1.0 + + + + (血清型 0.5 + + + + O157:H7) 0.1 + + + +
【0017】実験例3 検体としてヒノキチオールを用い、ヒノキチオールを5
%(V/V)エタノール溶液で1.0、0.1、0.0
1及び0%(W/V)溶液を調製して試験液とした他は
実験例1と同様に試験した。その結果を表3に示す。
【0018】
【表3】 表3 殺菌効果試験結果((財)日本食品分析センター調べ) 試 験 菌 検体濃度 生 育 の 有 無 %(V/V) 15分後 30分後 1時間後 3時間後 6時間後 大腸菌 1.0 + + − − − (血清型 0.1 + + + + + O157:H7) 0.01 + + + + + 0 + + + + +
【0019】実験例4 検体1)として商品名「スメクナール」を、検体2)と
してヒノキチオールを用い、検体1)の2.5%(V/
V)溶液に検体2)を約1%添加したものを試験液と
し、この試験液に各種細菌の菌液を接種し、室温で作用
させ、経時的に試験液中の生残菌の有無を調べた。
【0020】試験菌株として(1)大腸菌,血清型O1
57:H7,ベロ毒素非産生株(Escherichia coli ATC
C 43888 )、(2)大腸菌(Escherichia coli IFO 397
2 )、(3)黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus
IFO 12732 )、(4)サルモネラ(Salmonella enterit
idis IFO 3313 )、(5)腸炎ビブリオ(Vibrio parah
aemolyticus IFO 12711 )を用い、大腸菌(O157 : H
7 )、大腸菌、黄色ブドウ球菌及びサルモネラについて
は、NA培地(普通寒天培地(栄研化学株式会社製))で
37±1℃、16〜24時間前培養した試験菌株をNA培
地に再度接種して37±1℃、16〜20時間培養した
菌体を生理食塩水に均一に分散させ、1ml当たりの菌
数が約108となるように菌液を調製した。また、腸炎
ビブリオについては、3%NaCl添加NA培地(塩化ナ
トリウム3%を添加したNA培地)で37±1℃、16〜
24時間前培養した試験菌株を3%NaCl添加NA培地
に再度接種して37±1℃、16〜20時間培養した菌
体を3%塩化ナトリウム溶液に均一に分散させ、1ml
当たりの菌数が約108 となるように菌液を調製した。
検体1)の2.5%(V/V)溶液80mlに、検体
2)の20%(W/V)エタノール溶液4mlを添加し
たものを試験液とした。
【0021】そして、試験液10mlに菌液1mlを接
種し、室温で作用させ、30分、1、3及び6時間後に
一白金耳量をNB培地(肉エキス0.2%を添加した普通
ブイヨン(栄研化学株式会社製))に接種・培養(37
℃、2日間培養)し、生育の有無を確認した。なお、腸
炎ビブリオについては、NB培地に代えて3%NaCl添
加NB培地(塩化ナトリウム3%を添加したNB培地)を用
いた。その結果を表4に示す。
【0022】
【表4】 表4 殺菌効果試験結果((財)日本食品分析センター調べ) 試 験 菌 生 育 の 有 無 30分後 1時間後 3時間後 6時間後 大腸菌(O157:H7 ) − − − − 大腸菌 − − − − 黄色ブドウ球菌 − − − − サルモネラ − − − − 腸炎ビブリオ − − − −
【0023】上記の実験結果から分かるように、大腸菌
(O157 :H7 )に対してスメルナーク単独では、原液
においては殺菌効果が認められるが、希釈すると効果が
認められない。カテキンについては殺菌効果は認められ
ない。ヒノキチオールについては殺菌効果が認められ
る。そして、スメクナールとヒノキチオールとを混合し
たものでは、大腸菌(O157 :H7 )に対してさらに強
い殺菌効果が認められ、また他の細菌類(大腸菌、黄色
ブドウ球菌、サルモネラ、腸炎ビブリオ)に対しても強
い殺菌効果が認められる。
【0024】〔ゲル状物の製造〕ゲル状物1 スメルナーク2.5重量%、ヒノキチオール1.0重量
%、未変成アルコール(エタノール)5重量%、乳化剤
としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(日本サーファ
クタント工業株式会社製 商品名 NIKKOL HC
O−50)2.0重量%及びポリオキシエチレン硬化ヒ
マシ油(日本サーファクタント工業株式会社製 商品名
NIKKOL HCO−60)2.0重量%、クエン
酸0.3重量%、クエン酸ソーダ0.2重量%、吸水性
樹脂(クラレ製 商品名 KIゲル 201K)4.0
重量%、残部イオン交換水となるような配合割合とし、
未変成アルコールにヒノキチオールを溶かし、アルコー
ルに溶かしたヒノキチオール、スメルナーク及びその他
の成分をイオン交換水に溶かし均一に混合した。次い
で、この混合液に吸水性樹脂を添加混合して淡黄色で半
透明のゲル状物1を得た。
【0025】ゲル状物2 未変成アルコール(エタノール)の配合割合を20.0
重量%とした他は上記ゲル状物1において述べたと同様
に処理して淡黄色で半透明のゲル状物2を得た。上記ゲ
ル状物1及びゲル状物2はアルコールを含むためアルコ
ール臭を有するが、2〜3日間放置するとアルコールが
揮発してアルコール臭は消える。
【0026】ゲル状物3 スメルナーク2.5重量%、ヒノキチオール1.0重量
%、クエン酸トリエチル3.0重量%、乳化剤としてポ
リオキシエチレン硬化ヒマシ油(日本サーファクタント
工業株式会社製 商品名 NIKKOL HCO−5
0)1.0重量%、吸水性樹脂(クラレ製 商品名 K
Iゲル 201K)4.0重量%、残部イオン交換水と
なるような配合割合とし、ヒノキチオール、クエン酸ト
リエチル、NIKKOL HCO−50を混合し、これ
にイオン交換水の一部を加えてミキサーで乳化した。次
いで、残りのイオン交換水及びスメルナークを加えて均
一に混合した。次いで、この混合液に吸水性樹脂を添加
混合して淡黄色で半透明のゲル状物3を得た。このゲル
状物3は略無臭であった。
【0027】〔ゲル状物の抗菌効果試験〕検体1)とし
てゲル状物3、検体2)としてゲル状物2を用い、図1
に示すように、ゲル状物(検体)10を容器11に詰
め、各種細菌の菌液をそれぞれ塗抹した平板培地12
を、検体10とともに密閉容器(約2.7リットル)1
3に入れて10℃、35℃で培養後、生菌数を測定し
た。
【0028】試験菌株として上記実験例4において用い
たものと同様のものを用い、大腸菌(O157 : H7 )、
大腸菌、黄色ブドウ球菌及びサルモネラについては、NA
培地(普通寒天培地(栄研化学株式会社製))で37±
1℃、16〜24時間前培養した試験菌株をNA培地に再
度接種して37±1℃、16〜20時間培養した菌体を
リン酸緩衝液に均一に分散させ、1ml当たりの菌数が
約103 となるように菌液を調製した。また、腸炎ビブ
リオについては、3%NaCl添加NA培地(塩化ナトリ
ウム3%を添加したNA培地)で37±1℃、16〜24
時間前培養した試験菌株を3%NaCl添加NA培地に再
度接種して37±1℃、16〜20時間培養した菌体を
3%塩化ナトリウム溶液に均一に分散させ、1ml当た
りの菌数が約103 となるように菌液を調製した。
【0029】そして、大腸菌(O157 : H7 )、大腸
菌、黄色ブドウ球菌及びサルモネラについては、SA平板
培地(標準寒天培地(栄研化学株式会社製))12に菌
液0.1mlを塗抹後、検体10とともに密閉容器13
に入れ、10℃ 7日間及び35℃ 2日間培養して、
生菌数を測定した。腸炎ビブリオについては、SA平板培
地に代えて3%NaCl添加SA平板培地(塩化ナトリウ
ム3%を添加したSA培地)を用いた。また、検体10を
入れずに培養したもの(対照)も同様に試験した。その
結果を表5に示す。表5において符号「―」は菌体が生
育しなかったことを示す。
【0030】
【表5】表5 抗菌力試験結果((財)日本食品分析センター調べ) 試 験 菌 試 料 平板1枚当たりの生菌群数 35℃培養 10℃培養 大 腸 菌 検体1) 0 0 (O157:H7 ) 検体2) 0 0 対 照 91 179 検体1) 0 0 大 腸 菌 検体2) 0 0 対 照 49 141 検体1) 0 ― 黄色ブドウ球菌 検体2) 0 ― 対 照 96 検体1) 0 0 サルモネラ 検体2) 0 0 対 照 95 76 検体1) 0 ― 腸炎ビブリオ 検体2) 0 ― 対 照 37 ―
【0031】表5の結果から、本発明の抗菌剤をゲル状
物とした場合にも、ゲル状物から揮発した有効成分が各
種細菌に対して高い抗菌効果を示すことが分かる。な
お、黄色ブドウ球菌及び腸炎ビブリオについては、10
℃では菌体が生育せず、低温に弱いことが分かる。
【0032】〔ゲル状物の消臭効果試験〕上記したゲル
状物1(G1)180g及びゲル状物2(G2)170
gを直径72mm、高さ55mmの容器に所定量詰め、
容器の上部を開放した状態で、種々の場所に設置して消
臭効果を試験した。その結果を表6に示す。
【0033】
【表6】 表 6 試験品 G1 G1 G1 G1 G1 G2 G2 設置場所 トイレ 冷蔵庫 台所・室内 事務所 車内 トイレ 冷蔵庫 平均広さ 220 l 8畳 14.4畳 283 l 手配個数 平均設置 日数(日) 32.5 35.3 32.5 26.6 25.5 26 23.7 平均減少 量/日(g) 1.8 2.19 2.72 3.82 4.16 0.92 2.31 平均温度 (℃) 10 5 16.5 22.8 25 10 5 平均湿度 (%) 50 53 臭チェック 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 鮮度保持 チェック 良好 良好
【0034】表6の結果から、いずれの設置場所におい
ても消臭効果が良好であることが分かる。また、冷蔵庫
内に設置した場合には、庫内に置いた野菜などの生鮮食
料品の鮮度はゲル状物を設置しない場合に比べ20〜4
0%程度長く保持された。これは、抗菌効果が発揮され
たためと考えられる。
【0035】〔重金属類、毒物等の含有分析試験〕ゲル
化剤を添加しなかった他はゲル状物3において述べたと
同様に処理して得た液状物について、重金属類、毒物等
の含有分析試験を行った。その結果を表7に示す。表7
の結果から、本発明の抗菌剤から重金属類や毒物等は検
出されていないことが分かる。
【0036】
【表7】 表7 分析試験結果((財)日本食品分析センター調べ) 分析試験項目 結 果 検出限度 分 析 方 法 EPN 検出せず 0.05ppm ガスクロマトグラフ法 パラチオン 検出せず 0.05ppm ガスクロマトグラフ法 メチルジメトン 検出せず 0.05ppm ガスクロマトグラフ法 メチルパラチオン 検出せず 0.05ppm ガスクロマトグラフ法 ヒ素(Asとして) 検出せず 0.1ppm DDTC-Ag 吸光光度法 鉛 検出せず 0.05ppm 原子吸光光度法 カドミウム 検出せず 0.01ppm 原子吸光光度法 総水銀 検出せず 0.01ppm 還元気化原子吸光光度法 総クロム 検出せず 0.5ppm ジフェニルカルバジド吸光光度法シアン 検出せず 0.1ppm ピリジンピラゾロン吸光光度法
【0037】〔マウスにおける急性経口毒性試験〕上記
重金属類、毒物等の含有分析試験において用いたものと
同じ液状物を検体として、OECD化学物質毒性試験指
針(1987)に準拠し、マウスにおける急性経口毒性試験
(限度試験)を財団法人日本食品分析センターにて行っ
た。
【0038】試験動物として、4週齢のICR系雌雄マ
ウスを日本エスエルシー株式会社から購入し、約1週間
の予備飼育を行って健康に異常のないことを確認した
後、試験に使用した。試験動物はポリカーボネート製ケ
ージに各5匹収容し、室温23±2℃、照明時間12時
間/日に設定した飼育室において飼育した。飼料(マウ
ス・ラット用固形飼料(ラボMRストック、日本農産工業
株式会社製))及び飲料水(水道水)は自由に摂取させ
た。
【0039】そして、試験群及び対照群ともに雌雄それ
ぞれ10匹を用い、投与前約4時間試験動物を絶食させ
た。体重を測定した後、試験群では雌雄ともに20ml/
kgの用量で検体を胃ゾンデを用いて強制単回経口投与し
た。対照群には雄では0.6ml、雌では0.5mlの精製
水を同様に投与した。観察期間は14日間とし、投与日
は頻回、翌日から1日1回の観察を行った。投与後1週
ごとに体重を測定し、t−検体により有意水準5%で群
間の比較を行った。試験期間終了時に動物すべてを剖検
した。
【0040】上記試験の結果、雌雄ともに観察期間中に
死亡例は認められなかった。臨床症状として、試験群で
は、雌雄ともに投与後数分から全例で自発運動の低下が
見られ、雄で2例、雌で1例に苦悶反応及び体姿勢の異
常(腹臥位)が見られた。また、雌雄それぞれ4例によ
ろめき歩行も見られた。苦悶反応は投与後30分後に、
その他の症状も5時間後にはおおむね回復し、投与後1
日以降には異常は見られなかった。対照群では、観察期
間を通して異常は見られなかった。体重変化として、投
与後1週及び2週の体重を測定した結果を表8に示す。
体重は平均値±標準偏差で表した(単位:g)。括弧内
に動物数を示した。この体重測定では、雌雄ともに試験
群と対照群の間で体重増加に差は見られなかった。剖検
所見として、観察期間終了後の剖検では、雌雄ともに各
群で主要臓器に異常は認められなかった。
【0041】OECD化学物質毒性試験指針(1987)で
は、検体が液体の場合、投与量は体重100g当たり2
ml(20ml/kg)を越えるべきではないと指示してお
り、本試験ではこの投与し得る最高用量で死亡例は認め
られず、剖検時にも異常は見られなかった。従って、検
体のマウスにおける単回経口投与による致死量は、雌雄
ともに20ml/kg以上であるものと認められた。
【0042】
【表8】 表8 体重変化 投与群 投与前 投与後 7日 14日 試験群 27.1±0.9(10) 31.3±1.5(10) 34.8±2.0(10) 雄 対照群 27.4±1.0(10) 32.6±1.6(10) 36.0±2.0(10) 試験群 22.9±0.6(10) 24.7±1.1(10) 28.2±1.7(10) 雌 対照群 22.5±0.5(10) 25.6±1.1(10) 28.2±1.8(10)
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明の消臭性を付
与した抗菌剤によれば、植物由来の成分をその有効成分
としており安全性が高く、消臭性と抗菌効果とを併せも
たせることができる。また、本発明の消臭性を付与した
抗菌剤をゲル状物とすることにより、有効成分の揮発を
促し、消臭及び抗菌効果を高めることができる。特に病
原性大腸菌O157などの食中毒菌に対して高い抗菌効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゲル状物の抗菌効果試験方法の説明図。
【符号の説明】
10 ゲル状物(検体) 11 容器 12 平板培地 13 密閉容器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】商品名スメルナークとトロポロン骨格をも
    つ有機物とを含んでなることを特徴とする消臭性を付与
    した抗菌剤。
  2. 【請求項2】前記商品名スメルナークとトロポロン骨格
    をもつ有機物に加えて、さらに乳化剤を含有してなる請
    求項1に記載の消臭性を付与した抗菌剤。
  3. 【請求項3】前記トロポロン骨格をもつ有機物はヒノキ
    チオールである、請求項1又は2に記載の消臭性を付与
    した抗菌剤。
  4. 【請求項4】さらにゲル化剤を添加してゲル状物とした
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の消臭性を付与した
    抗菌剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005272328A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Zenji Fukami 消臭・抗菌組成物
WO2018079620A1 (ja) * 2016-10-28 2018-05-03 株式会社カネカ ゲル状組成物

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