JPH10291774A - 乗客コンベアの踏段搬入方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 乗客コンベアの踏段を円滑に、かつ安全に乗
降口から所定の据付位置まで搬入することができる乗客
コンベアの踏段搬入方法の提供。 【解決手段】 踏段２ａを台車８上に載置可能な状態に
重量物運搬装置７を設置した後、台車８上に設置した踏
段２ａに台付きワイヤ２２を介して重量物懸垂用フック
１８を取付け、乗降口５ａに重量物運搬装置７を移動さ
せてフック１８を介し踏段２ａを腕部１５により吊上
げ、この腕部１５を伸ばすことにより踏段２ａを台車８
より前方へ移動させ、腕部１５を回動させることにより
踏段２ａを所定の据付位置に降ろすようにした。これに
より、踏段２ａをクレーン装置９により吊上げて乗降口
５ａと所定の据付位置との間で運搬できるとともに、踏
段２ａを台車８上に載置して乗降口５ａと所望の場所と
の間で運搬できる。 【効果】 重量の大きい車椅子用踏段などの据付時の作
業効率を向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、乗客コンベアの踏
段を乗降口を介して搬入する乗客コンベアの踏段搬入方
法に係り、特に、車椅子用踏段のように重量の大きい踏
段を搬入するのに好適な乗客コンベアの踏段搬入方法に
関する。

【０００２】

【従来の技術】図７は車椅子用乗客コンベアの全体構成
を示す側面図である。この図７に示す乗客コンベア１
は、無端状に連結される複数の踏段２および２つの車椅
子用踏段２ａと、これらの踏段２、２ａの両側に回動可
能に設けられ、踏段２、２ａと連動する移動手摺り３
と、これらの踏段２、２ａおよび移動手摺り３を支え、
踏段２、２ａの移動方向に沿って延設されるトラス４と
を有している。上部乗降口５ａの下方には、踏段２、２
ａおよび移動手摺り３を駆動する図示しない駆動装置な
どを収納する上部機械室５ｂが設けられ、この上部機械
室５ｂは床板５ｃにより覆われている。また、下部乗降
口６ａの下方にも下部機械室６ｂが設けられ、この下部
機械室６ｂも床板６ｃにより覆われている。

【０００３】この乗客コンベア１では、上部機械室５ｂ
内の駆動装置が起動することにより例えば上りエスカレ
ータとして踏段２、２ａが循環する。その際、踏段２、
２ａは上向きの状態で下部機械室６ｂから上部機械室５
ｂまでの往路を上昇した後、この上部機械室５ｂで上下
反転して、下向きの状態で上部機械室５ｂから下部機械
室６ｂまでの復路を下降し、この下部機械室６ｂで再び
上下反転して上向き状態に戻るようになっている。

【０００４】また、２つの車椅子用踏段２ａは互いに隣
合う状態に配置されており、各踏段２ａは、必要に応じ
て上面すなわち踏面を上下動させる上下動装置を備えて
いる。この上下動装置の作動によって２つの踏段２ａの
踏面を、上方に位置する通常の踏段２の踏面と同等の高
さ位置までそれぞれ上昇させることにより、これらの上
方の踏段２の踏面および２つの踏段２ａの踏面で比較的
広い水平面が形成されるので、図７に示すように車椅子
の搭載が可能となる。その後、前記の上下動装置を再び
作動させて２つの車椅子用踏段２ａの踏面をそれぞれ所
定の高さ位置まで下降させることにより、通常の乗客コ
ンベアとして用いることができる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した車
椅子用乗客コンベア１では、通常の踏段２の重量が約２
５ｋｇであるのに対し、車椅子用踏段２ａの重量は約１
５０ｋｇであるため、この車椅子用踏段２ａを据付ける
際、この踏段２ａを作業者が４、５人掛かりで持ち上げ
て乗降口５ａから所定の据付位置まで運搬するようにな
っており、多くの作業者を要するという問題があった。
また、乗降口５ａから移動手摺り３間を通って運搬する
際、足場が悪くかつ限られたスペース内での重量物作業
であるため、安全性が低下するという懸念もあった。

【０００６】本発明はこのような従来技術における実情
に鑑みてなされたもので、その目的は、乗客コンベアの
踏段を円滑に、かつ安全に乗降口から所定の据付位置ま
で搬入することのできる乗客コンベアの踏段搬入方法を
提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、乗客コンベアの踏段を載置可能な台車
と、この台車上に設けられ、上下動および伸縮可能な腕
部と、この腕部の自由端側に設けられる重量物懸垂用フ
ックとを備えた重量物運搬装置を用いて、前記踏段を乗
降口を介して所定の据付位置まで搬入する乗客コンベア
の踏段搬入方法において、前記踏段が前記台車上に載置
可能な状態に前記重量物運搬装置を設置する設置工程
と、前記台車上に設置された前記踏段に、前記フックを
取付けるフック取付工程と、前記踏段を前記フックを介
して前記腕部により吊上げる吊上工程と、前記腕部を伸
ばすことにより前記踏段を前記台車より前方へ移動させ
る移動工程と、前記踏段を前記所定の据付位置に降ろす
下降工程とを有する構成にしてある。

【０００８】このように構成した本発明では、クレーン
装置の腕部により踏段を吊上げて乗降口から所定の据付
位置に搬入できるので、従来のように人力により踏段を
搬入する場合と比べて、踏段の搬入作業を円滑にかつ安
全に行なえる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の乗客コンベアの踏
段搬入方法の実施の形態を図に基づいて説明する。図１
は本発明の一実施形態に係る乗客コンベアの踏段搬入方
法に用いられる重量物運搬装置を説明する図、図２は図
１の重量物運搬装置に備えられる荷台を折りたたんだ状
態を示す側面図、図３は台車上に踏段を載せた状態を示
す側面図、図４はクレーン装置により踏段を台車の上方
に吊上げた状態を示す側面図、図５はクレーン装置によ
り踏段を台車の前方に移動させた状態を示す側面図、図
６はクレーン装置により踏段を台車の前方に降ろした状
態を示す側面図である。なお、図１〜図６において前述
した図７に示すものと同等のものには同一符号を付して
ある。

【００１０】図１に示す重量物運搬装置７は、上部乗降
口５ａの床板５ｃ上まで移動可能な台車８と、この台車
８上に設置され、重量物、例えば車椅子用踏段２ａを吊
上げるクレーン装置９とから主として構成されている。

【００１１】台車８は、上面が車椅子用踏段２ａを載置
可能な大きさに設定される荷台１０と、この荷台１０の
下面に取付けられる４個の車輪１１と、荷台１０の一端
に設けられ、この荷台１０を折りたたみ可能に保持する
保持体１２とからなっている。また、各車輪１１には、
車輪１１の回転を阻止する図示しないブレーキが設けら
れる。また、荷台１０上には、踏段２ａの一端を支える
支え棒１３を取付可能であり、この支え棒１３で踏段２
ａの一端を支えることにより、踏段２ａの上面すなわち
踏面を水平な状態に保つようになっている。

【００１２】クレーン装置９は、台車８の保持体１２上
に立設される支柱１４と、この支柱１４の上端に取付け
られ、上下動可能でかつ伸縮可能な腕部１５と、この腕
部１５を駆動する作動部、例えばジャッキ１６と、この
ジャッキ１６を操作する操作体１７とからなり、腕部１
５の先端には重量物懸垂用フック１８が設けられ、支柱
１４の所定高さ位置には、作業者が把持する把持部１９
が設けられている。また、腕部１５の根元部には、ワイ
ヤロープ２１が巻掛けられる手動巻取用シーブ２０が設
けられ、このシーブ２０にワイヤロープ２１を巻取るこ
とにより腕部１５が縮み、その反対に、シーブ２０から
ワイヤロープ２１を繰り出すことにより腕部１５が伸び
るようになっている。さらに、荷台１０の後部にはクレ
ーン装置９の転倒を防止するおもり２３の収納体２４が
設けられ、この収納体２４の下面にはおもり用車輪２５
が設けられている。

【００１３】本実施形態の踏段搬入方法にあっては、次
のような作業手順の（１）設置工程、（２）台車移動工
程、（３）フック取付工程、（４）吊上工程、（５）移
動工程および（６）下降工程にしたがって、例えば車椅
子用踏段２ａを乗降口５ａを介して搬入して所定の据付
位置に据付けるようになっている。

【００１４】すなわち、（１）図２に示すように折りた
たまれた台車８の荷台１０を開くことにより、この荷台
１０上に踏段２ａを載置可能な状態に設置した後、図３
に示すように荷台１０上に踏段２ａを載置し、（２）こ
の踏段２ａに台付けワイヤ２２を介してフック１８を係
止させるとともに、踏段２ａの一端を支え棒１３で支え
ることにより踏段２ａの踏面を水平な状態に保つ。次い
で、（３）作業者が把持部１９を握って支柱１４を押す
ことにより台車８の車輪１１が回転して重量物運搬装置
７が移動するので、この重量物運搬装置７を乗降口５ａ
の床板５ｃ上まで移動させた後、この床板５ｃ上で前記
の車輪１１のブレーキを作動させることにより重量物運
搬装置７を停止させる。

【００１５】次いで、（４）操作体１７を操作してジャ
ッキ１６で駆動することにより、図４に示すように、支
柱１４の上端を中心にして腕部１５を上方へ回動させ
て、踏段２ａをフック１８および台付けワイヤ２２を介
して吊上げ、（５）手動巻取用シーブ２０を操作してワ
イヤロープ２１を長くし、腕部１５を伸ばすことにより
踏段２ａを台車８より前方へ移動させた後、（６）ジャ
ッキ１６を縮めることにより腕部１５を下降させて台車
８より前方の据付位置に踏段２ａを降ろし、この踏段２
ａを腕部１５先端のフック１８から外して、踏段２ａを
据付けるようになっている。

【００１６】また、踏段２ａを所定の据付位置から乗降
口５ａを介して搬出する場合、図１に示すように、乗降
口５ａの床板５ｃ上に重量物運搬装置７を設置した後、
腕部１５により踏段２ａを吊上げて台車８の荷台１０上
に載置した後、腕部１５を下ろした状態で、重量物運搬
装置７を乗降口５ａから所定の場所まで移動させる。次
いで、クレーン装置９の作動により荷台１０上から踏段
２ａを吊下ろし、図２に示すように荷台１０を折りたた
んだ状態で重量物運搬装置７を保管する。

【００１７】このように構成した実施形態では、車椅子
用踏段２ａをクレーン装置９により吊上げて乗降口５ａ
と所定の据付位置との間で運搬できるため、踏段２ａを
円滑に、かつ安全に乗降口５ａから所定の据付位置まで
搬出入することができる。さらに、踏段２ａを台車８上
に載置して乗降口５ａと所望の場所との間で運搬できる
ため、従来のように多くの人手を要することがなくて済
む。

【００１８】また、本実施形態では、クレーン装置９が
台車８上に設けられており、この台車８を乗降口５ａの
床板５ｃ上に固定するのみで、クレーン装置９をこの床
板５ｃ上に設置できるので、このクレーン装置９を用い
て踏段２ａの脱着作業を簡単に行なえる。

【００１９】なお、本実施形態では、車椅子用踏段２ａ
を乗降口５ａを介して搬出入する場合を例示したが、通
常の踏段２も同様にして乗降口５ａを介して搬出入する
ことができる。

【００２０】さらに、本実施形態では、前記の手順
（２）で踏段２ａに台付けワイヤ２２を介してフック１
８を係止させた後、前記の手順（３）で重量物運搬装置
７を乗降口５ａに移動させるようにしたが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、重量物運搬装置７を乗降
口５ａに移動させた後に、踏段２ａに台付けワイヤ２２
を介してフック１８を係止させるようにしてもよい。

【００２１】

【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、乗
客コンベアの踏段を円滑に、かつ安全に乗降口から所定
の据付位置まで搬入することができ、したがって、特
に、比較的重量の大きい車椅子用踏段などの据付時の作
業効率を向上できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係る乗客コンベアの踏段
搬入方法に用いられる重量物運搬装置を説明する図であ
る。

【図２】図１の重量物運搬装置に備えられる荷台を折り
たたんだ状態を示す側面図である。

【図３】台車上に踏段を載せた状態を示す側面図であ
る。

【図４】クレーン装置により踏段を台車の上方に吊上げ
た状態を示す側面図である。

【図５】クレーン装置により踏段を台車の前方に移動さ
せた状態を示す側面図である。

【図６】クレーン装置により踏段を台車の前方に降ろし
た状態を示す側面図である。

【図７】車椅子用乗客コンベアの全体構成を示す側面図
である。

【符号の説明】

１ 乗客コンベア ２ 踏段 ２ａ 車椅子用踏段 ３ 移動手摺り ５ａ 乗降口 ５ｃ 床板 ７ 重量物運搬装置 ８ 台車 ９ クレーン装置 １０ 荷台 １１ 車輪 １４ 支柱 １５ 腕部 １６ ジャッキ（作動部） １７ 操作体 １８ 重量物懸垂用フック ２０ シーブ ２１ ワイヤロープ ２２ 台付きワイヤ ２３ おもり

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 乗客コンベアの踏段を載置可能な台車
   と、この台車上に設けられ、上下動および伸縮可能な腕
   部と、この腕部の自由端側に設けられる重量物懸垂用フ
   ックとを備えた重量物運搬装置を用いて、前記踏段を乗
   降口を介して所定の据付位置まで搬入する乗客コンベア
   の踏段搬入方法において、 前記踏段が前記台車上に載置可能な状態に前記重量物運
   搬装置を設置する設置工程と、前記台車上に載置された
   前記踏段に、前記フックを取付けるフック取付工程と、
   前記踏段を前記フックを介して前記腕部により吊上げる
   吊上工程と、前記腕部を伸ばすことにより前記踏段を前
   記台車より前方へ移動させる移動工程と、前記踏段を前
   記所定の据付位置に降ろす下降工程とを有することを特
   徴とする乗客コンベアの踏段搬入方法。
2. 【請求項２】 前記設置工程の後に、前記踏段を前記台
   車上に載置して、この台車を所定の場所から前記乗降口
   まで移動させるようにしたことを特徴とする請求項１記
   載の乗客コンベアの踏段搬入方法。