JPH1029032A - クランク軸鍛造用金型及びクランク軸の製造方法 - Google Patents

クランク軸鍛造用金型及びクランク軸の製造方法

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JPH1029032A
JPH1029032A JP18755996A JP18755996A JPH1029032A JP H1029032 A JPH1029032 A JP H1029032A JP 18755996 A JP18755996 A JP 18755996A JP 18755996 A JP18755996 A JP 18755996A JP H1029032 A JPH1029032 A JP H1029032A
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JP
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forging
counterweight
die
crankshaft
forged
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JP18755996A
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Kenji Tamura
憲司 田村
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被鍛造材の体積を大きくしなくてもカウンター
ウェイトに肉を充満させることができ、且つ、金型への
負荷を軽減して金型の長寿命化が達成可能なクランク軸
の製造方法及び鍛造時に用いるクランク軸用鍛造金型を
提供する。 【解決手段】鍛造時の型打ち方向(Z−Z方向)に対
して直角方向(A−A方向)にカウンターウェイト3cが
張り出し、且つ、鍛造時に発生するバリ3dがカウンター
ウェイト張り出し部の頂点 Hにおいて上下の金型1 、2
の間から噛み出すように成形形状が彫り込まれたクラン
ク軸鍛造用金型。型打ち方向(Z−Z方向)をクラン
クアームのカウンターウェイト張り出し方向(A−A方
向)に対して直角方向として鍛造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クランク軸鍛造用
金型及びクランク軸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車などのクランク軸は、従来、鋳造
や鍛造によって製造されてきた。しかし、近年、エンジ
ンの軽量化や高出力化が進むに伴い、クランク軸には高
強度、高靭性が要求されるようになり、鍛造品の需要が
高まっている。
【0003】鍛造で製造されるクランク軸は、機械構造
用の中炭素鋼などの角ビレット又は丸ビレットを素材と
して、ロール成形、曲げ加工、荒打ち(型鍛造の
第1工程)、仕上げ打ち(型鍛造の第2工程)、バ
リ取りの各工程を経て製造されてきた。
【0004】図4にクランク軸の一例を示す。図におい
て、左側がクランク軸の側面図、右側が平面図である。
クランク軸のクランクアーム4a〜4hには大きな体積を有
するカウンターウェイト4a' 〜4h' が設けられている。
このカウンターウェイト4a’〜4h’ の形状は、図
4に見られるように、クランクアーム4a〜4hが接続する
クランクピン5a〜5dの中心軸とクランクジャーナル6a〜
6eの中心軸を通る平面から大きく張り出したものであ
る。なお、側面図においてはフロント部 7とフランジ部
8 は省略した。
【0005】従来、クランク軸の型鍛造(前記の荒打
ちとの仕上げ打ち)においては、型設計が容易である
ために、型打ち方向(鍛造方向)をカウンターウェイト
の張り出し方向(図4の側面図におけるA−A方向)に
一致させる鍛造が行われてきた。
【0006】すなわち、カウンターウェイトの張り出し
形状に応じた薄板状の彫り込みを入れた上下の金型を用
いて鍛造(型打ち)することで、上記の薄板状の彫り込
み部に肉(材料)を充満させてカウンターウェイトを成
形していた。図2に、従来タイプの上金型 1と下金型 2
を用いた場合のカウンターウェイトの成形状況を示す。
被鍛造材 3は、薄板状の彫り込みを入れられた上下の金
型 1及び2 を用いて、カウンターウェイト3Cの張り出し
方向(A−A方向)と一致した方向(Z−Z方向)から
鍛造することで所望の形状に成形される。なお、図2で
は、図4のクランク軸の一部である図3の部分を取り出
して示してある。この図2で、 1は上金型、 2は下金
型、 3は被鍛造材、3aはクランクピン、3bはクランクジ
ャーナル、3cはカウンターウェイト、3dはバリを指す。
又、3eはバリの厚みを絞って製品への肉の充満性を向上
させることを目的に、金型の製品形状型彫り部周辺に設
けられているバリ押さえ部である。又、h はカウンター
ウェイトの張り出し高さ、 tはカウンターウェイトの厚
みと定義されるものである。なお、図2の側面図におい
ては、簡単のために、クランクピン3a及びクランクジャ
ーナル3bは省略した。
【0007】しかしながら、上記した従来の金型を用い
たクランク軸の鍛造方法では、薄板状の彫り込み部に肉
を充満させることが困難なことがあった。特に、カウン
ターウェイトの軸方向厚み tが薄いクランク軸や、カウ
ンターウェイトの張り出し高さ hが大きいクランク軸に
おいて、カウンターウェイトへ肉が充満しない場合が多
かった。
【0008】カウンターウェイトへ肉が充満しない場合
には、カウンターウェイトに欠肉が発生してクランク軸
の回転バランスが崩れるという問題を生ずる。そこで、
カウンターウェイトへ肉を充満させるために、従来は被
鍛造材に余剰の体積を与えることを行っていた。しか
し、被鍛造材に余剰の体積を与えた場合には、材料歩留
りが低下してしまう。
【0009】カウンターウェイトの充満性を高める技術
としては、例えば特開昭60−27440号公報に、
「クランクシャフトの鍛造方法および荒鍛造用金型」が
開示されている。この公報で提案された方法は、鍛造用
金型に傾斜段差面を設けることにより、バリの流出を規
制して歩留りの向上を図るものである。したがって、上
記の方法では、金型の製品形状型彫り部周辺に設けられ
ているバリ押さえ部における面圧が増大して成形荷重が
大きくなるので、大型の鍛造設備が必要となる。更に、
金型への負荷が増加することによる金型寿命の低下も生
じてしまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従
来、クランク軸を鍛造する場合、(a)カウンターウェ
イトへの肉の充満が難しいために欠肉を生じたり、
(b)欠肉を防止した場合には被鍛造材の体積を大きく
する都合から歩留りの低下を招いたり、あるいは(c)
金型に対する負荷の増加などの問題が生ずることを避け
られなかった。
【0011】本発明は、被鍛造材の体積を大きくしなく
てもカウンターウェイトに肉を充満させることができる
とともに、金型への負荷を軽減して金型の長寿命化が達
成可能なクランク軸の製造方法及び鍛造時に用いるクラ
ンク軸用鍛造金型を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため、図3に示すカウンターウェイト3c
を有するクランクアームと、クランクピン3a及びクラ
ンクジャーナル3bとからなる部分を対象として、モデル
実験によりカウンターウェイトへの肉の充満性について
調査した。
【0013】JIS S45Cの100mm×100mmの
角ビレットの被鍛造材を用いて、図2に示すように、従
来の形状と同様の上下の鍛造金型 1及び 2により、型打
ち方向(Z−Z方向)をカウンターウェイトの張り出し
方向(A−A方向)に一致させて鍛造を行った。なお、
上下の鍛造金型 1及び 2は、カウンターウェイトの厚み
tと張り出し高さ hの比である( h/t )が4.3であ
るものを基準の形状とし、この h/t を4.3〜7.0
まで変化させた一連のものを用いた。この場合、 h/t
が5.0を超えると、カウンターウェイトに欠肉が生
じ、前記の厚み tが薄くなり、且つ高さ hが大きくなる
ほど大きな欠肉を生じる結果となった。
【0014】次に、JIS S45Cの100mm×100
mmの角ビレットの被鍛造材を用いて、図1に示すよう
に、型打ち方向(Z−Z方向)がカウンターウェイトの
張り出し方向(A−A方向)に対して直角方向となるよ
うに上下の鍛造金型 1及び 2の形状を変えて、鍛造を行
った。この実験においても、上下の鍛造金型 1及び 2
は、カウンターウェイトの厚み tと張り出し高さ hの比
である( h/t )が4.3であるものを基準の形状と
し、この h/t を4.3〜7.0まで変化させた一連の
ものを用いた。この実験においては、上記図2の従来法
による鍛造でカウンターウェイトに欠肉が生じた h/t
が5.0を超えた場合にも、カウンターウェイトへの肉
の充満性に問題はなく、欠肉なく成形を完了することが
できた。
【0015】更に、上記図2の従来法において、カウン
ターウェイトへ肉が充満した場合の形状( h/t が5.
0の場合)について、JIS S45Cを母材とし、前記の
100mm×100mmの角ビレットに対して体積を1
0%減じた95mm×95mmの角ビレットを被鍛造材
として用いて、上記の図1に示す方法で鍛造を行った。
この結果、カウンターウェイトに欠肉を生ずることなく
鍛造できた。
【0016】以上、モデル実験の結果から、図1に示し
たように、型打ち方向をカウンターウェイトの張り出し
方向に対して直角方向として鍛造を行うことにより、カ
ウンターウェイトの充満性が高まることが明らかになっ
た。更に、図2の従来法による鍛造で欠肉を生じない製
品形状に対しては、図1の方法による鍛造で材料歩留り
を高めることができることも明らかになった。
【0017】上記の実験結果に基づく本発明は、下記
(1)のクランク軸鍛造用金型及び(2)のクランク軸
の製造方法を要旨とする。
【0018】(1)図1に示すように、鍛造時の型打ち
方向(Z−Z方向)に対して直角方向(A−A方向)に
カウンターウェイト3cが張り出し、且つ、鍛造時に発生
するバリ3dがカウンターウェイト張り出し部の頂点 Hに
おいて、上下の金型 1、2 の間から噛み出すように成形
形状が彫り込まれたことを特徴とするクランク軸鍛造用
金型。
【0019】(2)図1に示すように、型打ち方向(Z
−Z方向)をクランクアームのカウンターウェイト張り
出し方向(A−A方向)に対して直角方向として鍛造す
ることを特徴とするクランク軸の製造方法。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の詳細を説明す
る。
【0021】先ず、通常の方法で溶製した鋼塊から通常
の方法で鋼片を製造し、これを通常の方法でロール成形
し、クランク軸先端のフロント部 7や後端のフランジ部
8に相当する部位などについて、必要に応じて断面積を
絞って段付き軸形状となるように軸方向へ体積配分を施
した被鍛造材を準備する。次いで、曲げ加工を施して、
被鍛造材のカウンターウェイトに相当する部位毎に、ク
ランク軸の中心軸(例えば図4のX−X軸)からカウン
ターウェイト側へずれた形状となるように、被鍛造材の
体積を幅方向(例えば図4のY−Y方向)に偏心させ
る。こうした鍛造(型打ち)前の処理は、従来法でクラ
ンク軸を製造する場合と同じである。
【0022】次に、上記の被鍛造材を荒打ち用の金型内
に搬入して荒打ちする。この場合の荒打ち用の金型に
は、鍛造時の型打ち方向に対して直角方向にカウンター
ウェイトが張り出し、且つ、荒打ち時に発生するバリが
カウンターウェイト張り出し部の頂点において、上下の
金型の間から噛み出すように成形形状を彫り込んだもの
を用いる。上記の荒打ち用金型を用いることによって、
荒打ち方向をクランクアームのカウンターウェイト張り
出し方向に対して直角方向として鍛造することができ
る。
【0023】続いて、上記の荒打ちした被鍛造材を、同
一方向に保持したまま(荒打ちした向きのまま)仕上げ
打ち用の金型内に搬入して仕上げ打ちする。この場合の
仕上げ打ち用の金型にも、鍛造時の型打ち方向に対して
直角方向にカウンターウェイトが張り出し、且つ、仕上
げ打ち時に発生するバリがカウンターウェイト張り出し
部の頂点において、上下の金型の間から噛み出すように
成形形状を彫り込んだものを用いる。上記の仕上げ打ち
用金型を用いることによって、仕上げ打ち方向をクラン
クアームのカウンターウェイト張り出し方向に対して直
角方向として鍛造することができる。
【0024】上記の仕上げ打ちを行った後、被鍛造材を
同一方向に保持したまま(仕上げ打ちした向きのまま)
で、バリ取りを施せば所望のクランク軸が得られる。
【0025】上記した本発明方法によれば、カウンター
ウェイトへの肉の充満性が高まって歩留りの向上が達成
できる上、バリ体積を減じることができるので、金型に
対する負荷の軽減を図ることもできる。
【0026】なお、本発明に係るクランク軸鍛造用金型
は、従来のクランク軸用金型と同様に、例えば、JIS S
KD61を母材とし、通常の方法で溶製してから鋼片を
熱間鍛造し、更に焼鈍と焼入れ焼戻しの熱処理を行って
所望の強度や靭性に調整した鋼材を用いて、これに通常
の方法で型彫りすることによって得られる。
【0027】以下、本発明を実施例を用いて、更に詳し
く説明する。
【0028】
【実施例】
(実施例1)JIS S45Cを素材鋼とする断面が100
mm×100mmのビレットを1260℃に加熱した後
ロール成形して、クランク軸のフロント部に相当するビ
レット先端部位が50mm×50mmの断面となるよう
に、軸方向への被鍛造材の体積配分を行った。
【0029】次いで、これを1200℃で通常の方法に
よって曲げ加工して、被鍛造材を準備した。すなわち、
2枚のクランクアームおよびその間のクランクピン(例
えば、図4のクランクアーム4a、4bとクランクピン5a)
を1区分として、各区分に相当する被鍛造材の部位毎に
クランク軸の中心軸(図4のX−X軸)から8mmだけ
カウンターウェイト側へずれた形状となるように幅方向
への被鍛造材の体積配分を行った。
【0030】この後、上記の被鍛造材を、従来タイプの
薄板状の彫り込みを入れたJIS SKD61を母材とする
上下の金型を用いて、通常の方法による1150℃での
荒打ちと仕上げ打ちを行い、続いてバリ取りを施して、
図4に示す気筒数4、カウンターウェイト数8のクラン
ク軸を製造した。
【0031】一方、下記の本発明方法によって、上記と
同じ気筒数4、カウンターウェイト数8のクランク軸を
製造した。
【0032】先ず、JIS S45Cを素材鋼とする断面が
100mm×100mmのビレットに、上記と同じロー
ル成形と曲げ加工を施して、被鍛造材を準備した。
【0033】次いで、上記の被鍛造材を1150℃で荒
打ち用の金型内に搬入して荒打ちした。この場合の荒打
ち用の金型は、JIS SKD61を母材とし、本発明に係
る鍛造時の型打ち方向に対して直角方向にカウンターウ
ェイトが張り出すように成形形状を彫り込んだもので、
且つ、鍛造時に発生するバリがカウンターウェイト張り
出し部の頂点において、上下の金型の間から噛み出すよ
うに成形形状を彫り込んだもの、換言すれば、成形する
カウンターウェイトの張り出し部の頂点が、上下の金型
の間から噛み出すバリの厚み方向中央となるものを用い
た。上記の荒打ち用金型を用いることによって、荒打ち
方向をクランクアームのカウンターウェイト張り出し方
向に対して直角方向として鍛造することができる(図1
参照)。
【0034】なお、上記の上下金型に型彫りされた総合
の形状は、前記した通常の方法による従来の荒打ち形状
と同一で、クランクジャーナルの中心軸からカウンター
ウェイトの張り出し部頂点 Hまでの距離が65mmのも
のである。
【0035】次いで、荒打ちした被鍛造材を、同一方向
に保持したまま(荒打ちした向きのまま)仕上げ打ち用
の金型内に搬入して、1100℃で仕上げ打ちした。こ
の場合の仕上げ打ち用の金型にも、上記の荒打ち用の金
型と同様にJIS SKD61を母材とし、本発明に係る鍛
造時の型打ち方向に対して直角方向にカウンターウェイ
トが張り出すように成形形状を彫り込んだもので、且
つ、鍛造時に発生するバリがカウンターウェイト張り出
し部の頂点において、上下の金型の間から噛み出すよう
に成形形状を彫り込んだもの、つまり、成形するカウン
ターウェイトの張り出し部の頂点が、上下の金型の間か
ら噛み出すバリの厚み方向中央となるものを用いた。上
記の仕上げ打ち用金型を用いることによって、荒打ちの
場合と同様に、仕上げ打ち方向をクランクアームのカウ
ンターウェイト張り出し方向に対して直角方向として鍛
造することができる。なお、上記の上下金型に型彫りさ
れた総合の形状は、前記した通常の方法による従来の仕
上げ打ち形状と同一である。
【0036】上記の仕上げ打ちの後、直ちにバリ取りを
行って、クランク軸の製造を完了した。
【0037】上記した従来法、本発明法のそれぞれにつ
いて、各30本ずつのクランク軸を製造し、外観調査を
行った。
【0038】この結果、本発明に係る金型を用いて鍛造
(型打ち)して製造したクランク軸は、従来法で製造し
たものと同等の寸法精度を有し、且つ、鍛造疵などの品
質異常も生じていないことが確認できた。
【0039】(実施例2)JIS S45Cを素材鋼とする
断面が95mm×95mmのビレットを1260℃に加
熱した後ロール成形して、クランク軸のフロント部に相
当するビレット先端部位が50mm×50mmの断面と
なるように、軸方向への被鍛造材の体積配分を行った。
【0040】次いで、実施例1の場合と同様に、上記の
軸方向へ体積配分した材料を1200℃で通常の方法に
よって曲げ加工して、被鍛造材を準備した。すなわち、
2枚のクランクアームおよびその間のクランクピン(例
えば、図4のクランクアーム4a、4bとクランクピン5a)
を1区分として、各区分に相当する被鍛造材の部位毎に
クランク軸の中心軸(図4のX−X軸)から8mmだけ
カウンターウェイト側へずれた形状となるように幅方向
への被鍛造材の体積配分を行った。
【0041】この後、上記の被鍛造材を、従来タイプの
薄板状の彫り込みを入れたJIS SKD61を母材とする
上下の金型を用いて、通常の方法による1150℃での
荒打ちと仕上げ打ちを行い、続いてバリ取りを施して、
図4に示す気筒数4、カウンターウェイト数8のクラン
ク軸を製造した。
【0042】一方、下記の本発明方法によって、上記と
同じ気筒数4、カウンターウェイト数8のクランク軸を
製造した。
【0043】先ず、JIS S45Cを素材鋼とする断面が
95mm×95mmのビレットに、上記と同じロール成
形と曲げ加工を施して、被鍛造材を準備した。
【0044】次いで、上記の被鍛造材を1150℃で荒
打ち用の金型内に搬入して荒打ちした。この場合の荒打
ち用の金型は、JIS SKD61を母材とし、本発明に係
る鍛造時の型打ち方向に対して直角方向にカウンターウ
ェイトが張り出すように成形形状を彫り込んだもので、
且つ、鍛造時に発生するバリがカウンターウェイト張り
出し部の頂点において、上下の金型の間から噛み出すよ
うに成形形状を彫り込んだもの、換言すれば、成形する
カウンターウェイトの張り出し部の頂点が、上下の金型
の間から噛み出すバリの厚み方向中央となるものを用い
た。上記の荒打ち用金型を用いることによって、荒打ち
方向をクランクアームのカウンターウェイト張り出し方
向に対して直角方向として鍛造することができる(図1
参照)。
【0045】なお、上記の上下金型に型彫りされた総合
の形状は、前記した通常の方法による従来の荒打ち形状
と同一で、クランクジャーナルの中心軸からカウンター
ウェイトの張り出し部頂点 Hまでの距離が65mmのも
のである。
【0046】次いで、荒打ちした被鍛造材を、同一方向
に保持したまま(荒打ちした向きのまま)仕上げ打ち用
の金型内に搬入して、1100℃で仕上げ打ちした。こ
の場合の仕上げ打ち用の金型にも、上記の荒打ち用の金
型と同様にJIS SKD61を母材とし、本発明に係る鍛
造時の型打ち方向に対して直角方向にカウンターウェイ
トが張り出すように成形形状を彫り込んだもので、且
つ、鍛造時に発生するバリがカウンターウェイト張り出
し部の頂点において、上下の金型の間から噛み出すよう
に成形形状を彫り込んだもの、つまり、成形するカウン
ターウェイトの張り出し部の頂点が、上下の金型の間か
ら噛み出すバリの厚み方向中央となるものを用いた。上
記の仕上げ打ち用金型を用いることによって、荒打ちの
場合と同様に、仕上げ打ち方向をクランクアームのカウ
ンターウェイト張り出し方向に対して直角方向として鍛
造することができる。なお、上記の上下金型に型彫りさ
れた総合の形状は、前記した通常の方法による従来の仕
上げ打ち形状と同一である。
【0047】上記の仕上げ打ちの後、直ちにバリ取りを
行って、クランク軸の製造を完了した。
【0048】上記した従来法、本発明法のそれぞれにつ
いて、各30本ずつのクランク軸を製造し、外観調査を
行った。
【0049】この結果、本発明に係る金型を用いて鍛造
(型打ち)して製造したクランク軸は、上記実施例1に
おける従来法で製造したものと同等の寸法精度を有し、
かつカウンターウェイトに欠肉は生じていないことが確
認できた。すなわち、本発明のクランク軸の製造方法に
よりクランク軸製造歩留を10%向上させることができ
た。
【0050】一方、従来法で製造したクランク軸では、
30本全てにカウンターウェイトにおける欠肉が認めら
れた。
【0051】
【発明の効果】本発明のクランク軸の製造方法によれ
ば、被鍛造材の体積を大きくしなくてもカウンターウェ
イトに肉を充満させることができるので、クランク軸製
造歩留りを高めることができる。更に、バリ体積を減じ
ることができ、金型への負荷が軽減するので、金型の長
寿命化を図ることができる。本発明のクランク軸の製造
方法は、本発明のクランク軸鍛造用金型を用いることに
よって容易に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクランク軸鍛造用金型を用いた鍛造方
法を示す図である。
【図2】従来のクランク軸鍛造用金型を用いた鍛造方法
を示す図である。
【図3】鍛造クランク軸のモデル形状を示す図である。
【図4】実施例で製造した気筒数4、カウンターウェイ
ト数8のクランク軸を示す図である。
【符号の簡単な説明】
1 :上金型 2 :下金型 3 :被鍛造材 3a、5a、5b、5c、5d:クランクピン 3b、6a、6b、6c、6d、6e:クランクジャーナル 3c、4a' 、4b' 、4c' 、4d' 、4e' 、4f' 、4g' 、4h'
:カウンターウェイト 3d:バリ 3e:バリ押さえ部 4a、4b、4c、4d、4e、4f、4g、4h:クランクアーム t :カウンターウェイトの厚み h :カウンターウェイトの張り出し高さ H :カウンターウェイト張り出し部の頂点

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鍛造時の型打ち方向に対して直角方向にカ
    ウンターウェイトが張り出し、且つ、鍛造時に発生する
    バリがカウンターウェイト張り出し部の頂点において、
    上下の金型の間から噛み出すように成形形状が彫り込ま
    れたことを特徴とするクランク軸鍛造用金型。
  2. 【請求項2】型打ち方向をクランクアームのカウンター
    ウェイト張り出し方向に対して直角方向として鍛造する
    ことを特徴とするクランク軸の製造方法。
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