JP6958724B2 - 鍛造クランク軸の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱間鍛造によりクランク軸を製造する方法に関する。
自動車、自動二輪車、農業機械または船舶等のレシプロエンジンには、ピストンの往復運動を回転運動に変換して動力を取り出すために、クランク軸が不可欠である。クランク軸は、型鍛造または鋳造によって製造できる。特に、高強度と高剛性がクランク軸に要求される場合、型鍛造によって製造されたクランク軸(以下、「鍛造クランク軸」ともいう)が多用される。
図1A〜図1Cは、一般的な鍛造クランク軸の形状例を示す模式図である。これらの図のうち、図1Aは全体図であり、図1Bは図1AのIB−IB断面図であり、図1Cはピン部の位相を示す図である。図1Bに示す例では、代表的に、一つのクランクアーム部A1と、そのクランクアーム部A1と一体のカウンターウエイト部W1と、そのクランクアーム部A1につながるピン部P1およびジャーナル部J1を示す。
図1A〜図1Cに示す鍛造クランク軸11は、3気筒エンジンに搭載される3気筒−4枚カウンターウエイトの鍛造クランク軸である。鍛造クランク軸11は、4つのジャーナル部J1〜J4と、3つのピン部P1〜P3と、フロント部Frと、フランジ部Flと、6枚のクランクアーム部(以下、「アーム部」ともいう)A1〜A6とを備える。アーム部A1〜A6は、ジャーナル部J1〜J4とピン部P1〜P3をそれぞれつなぐ。また、6枚のアーム部A1〜A6のうちの一部のアーム部は、カウンターウエイト部(以下、「ウエイト部」ともいう)W1〜W4を一体で備える。具体的には、第1アーム部A1、第2アーム部A2、第5アーム部A5および第6アーム部A6は、それぞれウエイト部W1、W2、W3およびW4を一体で備える。第3アーム部A3および第4アーム部A4は、ウエイト部を備えず、その形状は長円状となる。
鍛造クランク軸11の軸方向の前端にはフロント部Frが設けられ、後端にはフランジ部Flが設けられる。フロント部Frは、先頭の第1ジャーナル部J1につながり、フランジ部Flは、最後尾の第4ジャーナル部J4につながる。
以下では、ジャーナル部J1〜J4、ピン部P1〜P3、アーム部A1〜A6およびウエイト部W1〜W4のそれぞれを総称するとき、その符号は、ジャーナル部で「J」、ピン部で「P」、アーム部で「A」、ウエイト部で「W」とも記す。また、アーム部Aおよびそのアーム部Aと一体のウエイト部Wをまとめて「ウェブ」ともいう。
図1Cに示すように、3つのピン部P1〜P3は、ジャーナル部Jを中心として120°ずつ、ずれて配置される。つまり、第1、第2および第3ピン部P1、P2およびP3は、それぞれ第1位置L1、第2位置L2および第3位置L3に配置される。第1位置L1、第2位置L2および第3位置L3の互いの位相角は120°である。
図1Bに示すように、ウエイト部Wの幅Bwは、アーム部Aの幅Baより大きい。このため、ウエイト部Wは、アーム部中心面(ピン部Pの中心軸とジャーナル部Jの中心軸とを含む面)から大きく張り出す。
このような形状の鍛造クランク軸を製造する際、一般に、出発素材としてビレットが用いられる。ビレットの長手方向に垂直な断面、すなわち横断面は、丸形または角形である。その横断面の面積は、ビレットの全長にわたって一定である。本明細書において、「横断面」は、ビレット若しくは後述する各荒地の長手方向、または鍛造クランク軸の軸方向を法線とする断面を意味する。「縦断面」は、ビレット若しくは後述する各荒地の長手方向、または鍛造クランク軸の軸方向に平行、かつ、鉛直方向に平行な断面を意味する。また、横断面の面積を単に「断面積」ともいう。鍛造クランク軸は、予備成形工程、型鍛造工程およびバリ抜き工程をその順に経ることによって製造される。また、必要に応じ、バリ抜き工程の後に整形工程を経る。通常、予備成形工程は、ロール成形工程と曲げ打ち工程を含む。型鍛造工程は、荒打ち工程と仕上げ打ち工程を含む。
図2A〜図2Fは、従来の一般的な鍛造クランク軸の製造工程を説明するための模式図である。これらの図のうち、図2Aはビレットを示す。図2Bはロール荒地を示す。図2Cは曲げ荒地を示す。図2Dは荒鍛造材を示す。図2Eは仕上げ鍛造材を示す。図2Fは鍛造クランク軸を示す。なお、図2A〜図2Fは、前記図1A〜図1Cに示す鍛造クランク軸11を製造する場合の一連の工程を示す。
図2A〜図2Fを参照し、鍛造クランク軸11の製造方法を説明する。先ず、図2Aに示すような所定の長さのビレット12を加熱炉によって加熱した後、予備成形工程でロール成形および曲げ打ちをその順に行う。ロール成形では、例えば孔型ロールを用いてビレット12を圧延して絞る。これにより、ビレット12の体積を軸方向に配分し、中間素材であるロール荒地13を得る(図2B参照)。次に、曲げ打ちでは、ロール荒地13を軸方向と垂直な方向から部分的にプレスする。これにより、ロール荒地13の体積を配分し、更なる中間素材である曲げ荒地14を得る(図2C参照)。
続いて、荒打ち工程では、曲げ荒地14を上下に一対の金型を用いて鍛造することにより、荒鍛造材15を得る(図2D参照)。その荒鍛造材15には、鍛造クランク軸(最終製品)のおおよその形状が造形されている。さらに、仕上げ打ち工程では、荒鍛造材15を上下に一対の金型を用いて鍛造することにより、仕上げ鍛造材16を得る(図2E参照)。その仕上げ鍛造材16には、最終製品の鍛造クランク軸と合致する形状が造形されている。これら荒打ちおよび仕上げ打ち工程のとき、互いに対向する金型の型割面の間から余材が流出し、その余材がバリBとなる。このため、荒鍛造材15および仕上げ鍛造材16の周囲には、いずれも、バリBが大きく付いている。
バリ抜き工程では、例えば、バリ付きの仕上げ鍛造材16を一対の金型によって挟んで保持した状態で、刃物型によってバリBを打ち抜く。これにより、仕上げ鍛造材16からバリBが除去され、バリ無し鍛造材が得られる。そのバリ無し鍛造材は、図2Fに示す鍛造クランク軸11とほぼ同じ形状である。
整形工程では、バリ無し鍛造材の要所を上下から金型で僅かに圧下し、バリ無し鍛造材を最終製品の寸法形状に矯正する。ここで、バリ無し鍛造材の要所は、例えば、ジャーナル部J、ピン部P、フロント部Fr、フランジ部Flなどといった軸部、さらにはアーム部Aおよびウエイト部Wである。こうして、鍛造クランク軸11が製造される。なお、3気筒−4枚カウンターウエイトの鍛造クランク軸を製造する場合、ピン部の配置角度(120°の位相角)を調整するため、バリ抜き工程の後に、捩り工程が追加されることがある。
図2A〜図2Fに示す製造工程は、前記図1A〜図1Cに示す3気筒−4枚カウンターウエイトの鍛造クランク軸に限らず、3気筒−6枚カウンターウエイトの鍛造クランク軸にも適用できる。
予備成形工程の主目的は、ビレットの体積を配分することである。予備成形工程でビレットの体積を配分することにより、後工程の型鍛造工程でバリの形成を低減でき、材料歩留りを向上できる。ここで、材料歩留りとは、ビレットの体積に対する鍛造クランク軸(最終製品)の体積の割合(百分率)を意味する。
また、予備成形によって得られる荒地は、後工程の型鍛造工程で鍛造クランク軸に成形される。精密な形状の鍛造クランク軸を得るため、予備成形工程では精密な形状の荒地を成形する必要がある。
鍛造クランク軸の製造に関する技術は、例えば、特開2001−105087号公報(特許文献1)、特開平2−255240号公報(特許文献2)、特開昭62−244545号公報(特許文献3)および特開昭59−45051号公報(特許文献4)に開示される。特許文献1は、一対からなる上型と下型を用いた予備成形方法を開示する。その予備成形方法では、上型と下型とで棒状の被加工物を圧下する際に、被加工物の一部を軸方向に延ばすとともに、その一部を軸心に対してオフセットする。これにより、特許文献1では、延ばしと曲げを同時に実施できることから、設備投資を少なくできるとしている。
特許文献2の予備成形方法は、従来の2パスのロール設備に代え、4パスの高速ロール設備を用いる。その予備成形方法では、ロール荒地の断面積が、鍛造クランク軸(最終製品)のウエイト部、アーム部およびジャーナル部の断面積の分布に合わせて決められる。これにより、特許文献2では、材料歩留りを向上できるとしている。
特許文献3の予備成形方法は、転造により、ビレットの軸方向および径方向にビレットの一部の体積を配分する。体積配分されたビレットを型鍛造することによって、鍛造クランク軸が得られる。これにより、特許文献3では、材料歩留りを向上できるとしている。
特許文献4の製造方法では、一対からなる上型と下型とポンチとを用いた1回の型鍛造により、ビレットを鍛造クランク軸に成形する。型鍛造工程では、まず、ビレットのうちのジャーナル部となる領域およびピン部となる領域を別個に稼働するポンチによって圧下する。圧下によりビレットの体積が配分される。その後、上型および下型によって型鍛造が実施される。すなわち、1工程で、予備成形および型鍛造ができる。これにより、特許文献4では、複雑な形状の鍛造クランク軸を単一の設備で効率よく製造できるとしている。
特開2001−105087号公報 特開平2−255240号公報 特開昭62−244545号公報 特開昭59−45051号公報
鍛造クランク軸の製造では、前述の通り、バリの形成を低減して材料歩留りを向上させることが望まれている。また、予備成形工程において、精密な形状の荒地を成形することが望まれている。前記特許文献1に記載の予備成形方法では、ビレットの体積の配分と、ピン部となる部位(以下、「ピン相当部」ともいう)の偏心をある程度行うことができる。
しかしながら、前記特許文献1でのピン相当部の偏心および体積の配分は、不十分であり、後工程の型鍛造で、ピン部の造形に伴って大きくバリが形成される。さらに、前記特許文献1の予備成形方法では、ウェブとなる部位において、ウエイト部となる部位の体積と、ウエイト部を一体で備えるアーム部となる部位の体積と、の配分が検討されていない。そのため、後工程の型鍛造工程において、アーム部中心面から大きく張り出すウエイト部で、材料の充満性が不十分となり、欠肉が生じ易い。ウエイト部の欠肉を防止するには、簡便には、荒地で余剰の体積を増加させればよい。しかし、この場合、材料歩留りが低下する。以下では、ウエイト部となる部位を「ウエイト相当部」ともいう。ウエイト部を一体で備えるアーム部(ウエイト部を除く)となる部位を「アーム相当部」ともいう。ウエイト相当部とアーム相当部をまとめて「ウェブ相当部」ともいう。
前記特許文献2の予備成形方法は、ピン相当部を偏心させることができない。ロール成形によるからである。このため、後工程の型鍛造によってピン部を造形する際に大きくバリが形成される。また、前記特許文献2の予備成形方法では、ウェブ相当部でウエイト相当部とアーム相当部との体積配分を行えない。ロール成形によるからである。そのため、後工程の型鍛造工程において、ウエイト部の材料の充満性が不十分となる。その結果、欠肉が生じ易い。
前記特許文献3の予備成形方法では、転造を実施するための設備が必要となる。そのため、設備費用が高くなり、また、生産効率の向上も難しい。
前記特許文献4の製造方法では、単一の設備で予備成形および型鍛造を実施するため、ビレットを大きく変形させる予備成形を実施できない。そのため、特許文献4の製造方法では、材料歩留りを向上させることは難しい。
本発明の目的は、精密な形状の鍛造クランク軸の成形ができ、かつ、材料歩留りを向上できる鍛造クランク軸の製造方法を提供することにある。
本実施形態の鍛造クランク軸の製造方法は、回転中心となる4つのジャーナル部と、ジャーナル部に対して偏心し、かつ、位相角が120°の第1位置、第2位置および第3位置にそれぞれ配置される3つのピン部と、ジャーナル部とピン部をつなぐ複数のクランクアーム部と、を備える鍛造クランク軸の製造方法である。
本実施形態の鍛造クランク軸の製造方法は、ビレットから初期荒地を得る第1予備成形工程と、初期荒地から中間荒地を得る第2予備成形工程と、中間荒地から最終荒地を得る最終予備成形工程と、型鍛造によって最終荒地を鍛造クランク軸の仕上げ寸法に成形する仕上げ鍛造工程と、を含む。
第1予備成形工程は、一対の第1金型を用い、ビレットの4つのジャーナル部となる部位を、ビレットの軸方向と垂直な方向から圧下することにより、4つのジャーナル部となる部位の断面積を減少させて複数の扁平部を形成する工程と、第1金型による圧下を開始後、第2金型を用い、ビレットの軸方向と垂直な方向を偏心方向にして第1位置に配置される第1ピン部となる部位および第3位置に配置される第3ピン部となる部位を互いに反対方向に偏心させ、第1ピン部となる部位および第3ピン部となる部位の偏心量を仕上げ寸法の偏心量の(√3)/2と同じかまたはそれよりも小さくする工程とを含む。
第2予備成形工程では、一対の第3金型を用い、扁平部の幅方向を圧下方向にして初期荒地の複数の扁平部、第1ピン部となる部位、第2位置に配置される第2ピン部となる部位および第3ピン部となる部位を圧下することにより、クランクアーム部となる部位の厚みを、仕上げ寸法の厚みよりも大きくする。
最終予備成形工程では、一対の第4金型を用い、第2予備成形工程と同じ方向から中間荒地を圧下し、さらに、クランクアーム部となる部位を、中間荒地の軸方向から圧下することにより、第1ピン部となる部位および第3ピン部となる部位の偏心量を維持しつつ、クランクアーム部となる部位の厚みを、仕上げ寸法の厚みまで小さくする。
本発明の実施形態による鍛造クランク軸の製造方法は、第1予備成形工程および第2予備成形工程により、バリを形成することなく、軸方向の体積の配分が促進された中間荒地を得ることができる。また、中間荒地は、ジャーナル部となる部位の体積と、ピン部となる部位の体積と、アーム部となる部位の体積とが適切に配分される。そのため、最終予備成形工程においても、バリをほとんど形成せずに、クランク軸の形状に近い形状の最終荒地を得ることができる。そして、仕上げ鍛造工程により、その最終荒地からクランク軸の形状を造形できる。これらより、材料歩留りを向上させることができる。また、本発明によれば、第1予備成形工程および第2予備成形工程により精密な形状の荒地を成形できる。そのため、精密な形状の鍛造クランク軸を製造できる。
図1Aは、一般的な鍛造クランク軸の形状例を模式的に示す全体図である。 図1Bは、図1AのIB−IB断面図である。 図1Cは、図1Aの鍛造クランク軸についてピン部の位相を示す図である。 図2Aは、従来の製造工程におけるビレットを示す模式図である。 図2Bは、従来の製造工程におけるロール荒地を示す模式図である。 図2Cは、従来の製造工程における曲げ荒地を示す模式図である。 図2Dは、従来の製造工程における荒鍛造材を示す模式図である。 図2Eは、従来の製造工程における仕上げ鍛造材を示す模式図である。 図2Fは、従来の製造工程における鍛造クランク軸を示す模式図である。 図3Aは、本実施形態の製造工程例におけるビレットを示す模式図である。 図3Bは、本実施形態の製造工程例における初期荒地を示す模式図である。 図3Cは、本実施形態の製造工程例における中間荒地を示す模式図である。 図3Dは、本実施形態の製造工程例における最終荒地を示す模式図である。 図3Eは、本実施形態の製造工程例における仕上げ鍛造材を示す模式図である。 図3Fは、本実施形態の製造工程例における鍛造クランク軸を示す模式図である。 図4は、1つの金型で第1予備成形工程を実施する場合を示す縦断面図である。 図5は、本実施形態の第1金型および第2金型を示す縦断面図である。 図6は、図5とは異なる本実施形態の第1金型および第2金型を示す縦断面図である。 図7Aは、第1予備成形工程の加工フロー例の扁平部形成工程開始時の状況を模式的に示す縦断面図である。 図7Bは、第1予備成形工程の加工フロー例の扁平部形成工程終了時の状況を模式的に示す縦断面図である。 図7Cは、第1予備成形工程の加工フロー例の偏心工程終了時の状況を模式的に示す縦断面図である。 図8Aは、第1予備成形工程の加工フロー例の扁平部形成工程開始時におけるジャーナル部となる部位を示す横断面図である。 図8Bは、第1予備成形工程の加工フロー例の扁平部形成工程終了時におけるジャーナル部となる部位を示す横断面図である。 図9Aは、第1予備成形工程の加工フロー例の扁平部形成工程開始時におけるアーム部となる部位を示す横断面図である。 図9Bは、第1予備成形工程の加工フロー例の扁平部形成工程終了時におけるアーム部となる部位を示す横断面図である。 図10Aは、第1予備成形工程の加工フロー例の偏心工程開始時における第3位置に配置されるピン部となる部位を示す横断面図である。 図10Bは、第1予備成形工程の加工フロー例の偏心工程終了時における第3位置に配置されるピン部となる部位を示す横断面図である。 図11Aは、第1予備成形工程の加工フロー例の扁平部形成工程開始時における第2位置に配置されるピン部となる部位を示す横断面図である。 図11Bは、第1予備成形工程の加工フロー例の扁平部形成工程終了時における第2位置に配置されるピン部となる部位を示す横断面図である。 図12は、第1ピン相当部および第3ピン相当部の偏心量を示す模式図である。 図13Aは、第2予備成形工程の加工フロー例の圧下開始時の状況を模式的に示す縦断面図である。 図13Bは、第2予備成形工程の加工フロー例の圧下終了時の状況を模式的に示す縦断面図である。 図14Aは、第2予備成形工程の加工フロー例の圧下開始時におけるジャーナル部となる部位を示す横断面図である。 図14Bは、第2予備成形工程の加工フロー例の圧下終了時におけるジャーナル部となる部位を示す横断面図である。 図15Aは、第2予備成形工程の加工フロー例の圧下開始時におけるアーム相当部を示す横断面図である。 図15Bは、第2予備成形工程の加工フロー例の圧下終了時におけるアーム相当部を示す横断面図である。 図16Aは、第2予備成形工程の加工フロー例の圧下開始時における第2位置に配置されるピン部となる部位を示す横断面図である。 図16Bは、第2予備成形工程の加工フロー例の圧下終了時における第2位置に配置されるピン部となる部位を示す横断面図である。 図17Aは、第2予備成形工程の加工フロー例の圧下開始時における第3位置に配置されるピン部となる部位を示す横断面図である。 図17Bは、第2予備成形工程の加工フロー例の圧下終了時における第3位置に配置されるピン部となる部位を示す横断面図である。 図18Aは、最終予備成形工程の加工フロー例の圧下前の状況を模式的に示す縦断面図である。 図18Bは、最終予備成形工程の加工フロー例における上型の下死点到達時の状況を模式的に示す縦断面図である。 図18Cは、最終予備成形工程の加工フロー例における軸方向の移動終了時の状況を模式的に示す縦断面図である。 図19Aは、最終予備成形工程の加工フロー例の圧下前の状況を模式的に示す横断面図である。 図19Bは、最終予備成形工程の加工フロー例における上型の下死点到達時の状況を模式的に示す横断面図である。 図19Cは、最終予備成形工程の加工フロー例における軸方向の移動終了時の状況を模式的に示す横断面図である。 図20は、最終予備成形工程での中間荒地の姿勢と上下の金型による型締め方向を示す模式図であり、中間荒地を軸方向から視た図である。
本実施形態の鍛造クランク軸の製造方法は、回転中心となる4つのジャーナル部と、ジャーナル部に対して偏心し、かつ、位相角が120°の第1位置、第2位置および第3位置にそれぞれ配置される3つのピン部と、ジャーナル部とピン部をつなぐ複数のクランクアーム部と、を備える鍛造クランク軸の製造方法である。
本実施形態の鍛造クランク軸の製造方法は、ビレットから初期荒地を得る第1予備成形工程と、初期荒地から中間荒地を得る第2予備成形工程と、中間荒地から最終荒地を得る最終予備成形工程と、型鍛造によって最終荒地を鍛造クランク軸の仕上げ寸法に成形する仕上げ鍛造工程と、を含む。
第1予備成形工程は、一対の第1金型を用い、ビレットの4つのジャーナル部となる部位を、ビレットの軸方向と垂直な方向から圧下することにより、4つのジャーナル部となる部位の断面積を減少させて複数の扁平部を形成する工程と、第1金型による圧下を開始後、第2金型を用い、ビレットの軸方向と垂直な方向を偏心方向にして第1位置に配置される第1ピン部となる部位および第3位置に配置される第3ピン部となる部位を互いに反対方向に偏心させ、第1ピン部となる部位および第3ピン部となる部位の偏心量を仕上げ寸法の偏心量の(√3)/2と同じかまたはそれよりも小さくする工程とを含む。
第2予備成形工程では、一対の第3金型を用い、扁平部の幅方向を圧下方向にして初期荒地の複数の扁平部、第1ピン部となる部位、第2位置に配置される第2ピン部となる部位および第3ピン部となる部位を圧下することにより、クランクアーム部となる部位の厚みを、仕上げ寸法の厚みよりも大きくする。
最終予備成形工程では、一対の第4金型を用い、第2予備成形工程と同じ方向から中間荒地を圧下し、さらに、クランクアーム部となる部位を、中間荒地の軸方向から圧下することにより、第1ピン部となる部位および第3ピン部となる部位の偏心量を維持しつつ、クランクアーム部となる部位の厚みを、仕上げ寸法の厚みまで小さくする。
本実施形態の製造方法によれば、第1予備成形工程および第2予備成形工程により、バリを形成することなく、軸方向の体積の配分が促進された中間荒地を得ることができる。また、中間荒地は、ジャーナル部となる部位の体積と、第1ピン部となる部位および第3ピン部となる部位の体積と、アーム部となる部位の体積とが適切に配分される。そのため、最終予備成形工程においても、バリをほとんど形成せずに、クランク軸の形状に近い形状の最終荒地を得ることができる。そして、仕上げ鍛造工程により、その最終荒地からクランク軸の形状を造形できる。これらより、材料歩留りを向上させることができる。また、第1予備成形工程において、ジャーナル部となる部位の圧下と、第1ピン部となる部位および第3ピン部となる部位の圧下を別個の金型で行う。そのため、第1ピン部となる部位および第3ピン部となる部位の偏心中にジャーナル部となる部位が第1金型により拘束されているため精密な形状の荒地を成形できる。その結果、精密な形状の鍛造クランク軸を製造できる。
好ましくは、第1予備成形工程では、一対の第1金型による圧下が完了した後、第2金型による第1ピン部となる部位および第3ピン部となる部位の偏心を開始する。
以下に、本実施形態の鍛造クランク軸の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
1.製造工程例
本実施形態の製造方法が対象とする鍛造クランク軸は、回転中心となる4つのジャーナル部Jと、ジャーナル部Jに対して偏心した3つのピン部Pと、ジャーナル部Jとピン部Pをつなぐ複数のアーム部Aと、を備える。3つのピン部P1、P2およびP3は、第1位置L1、第2位置L2および第3位置L3にそれぞれ配置される。以下では、第1位置L1に配置されるピン部を第1ピン部P1ともいう。第2位置L2に配置されるピン部を第2ピン部P2ともいう。第3位置L3に配置されるピン部を第3ピン部P3ともいう。第1位置L1、第2位置L2および第3位置L3の互いの位相角は120°である。例えば、前記図1A〜図1Cに示す3気筒−4枚カウンターウエイトの鍛造クランク軸が製造対象である。
本実施形態の製造方法は、第1予備成形工程と、第2予備成形工程と、最終予備成形工程と、仕上げ鍛造工程とを含む。仕上げ鍛造工程の後工程として、バリ抜き工程を追加してもよい。また、必要に応じて、バリ抜き工程の後に、整形工程を追加してもよい。ピン部の配置角度の調整は、仕上げ鍛造工程で行うことができる。あるいは、バリ抜き工程の後に捩り工程を追加し、この捩り工程でピン部の配置角度の調整を行ってもよい。これらの一連の工程は、熱間で実施される。
図3A〜図3Fは、本実施形態の鍛造クランク軸の製造工程例を説明するための模式図である。これらの図のうち、図3Aはビレットを示す。図3Bは初期荒地を示す。図3Cは中間荒地を示す。図3Dは最終荒地を示す。図3Eは仕上げ鍛造材を示す。図3Fは鍛造クランク軸を示す。なお、図3A〜図3Fは、前記図1A〜図1Cに示す形状の鍛造クランク軸11を製造する場合の一連の工程を示す。図3B〜図3Dの右側の図は、ジャーナル部となる部位(以下、「ジャーナル相当部」ともいう)の中心に対する第1、第2および第3ピン部となる部位(以下、「第1ピン相当部」、「第2ピン相当部」および「第3ピン相当部」ともいう)PA1、PA2およびPA3の位置を示す。図3Eおよび図3Fの右側の図は、ジャーナル部の中心に対する第1、第2および第3ピン部P1、P2およびP3の位置を示す。また、図3B〜図3Dの右側の図には、最終製品である鍛造クランク軸のピン部の第1位置L1〜第3位置L3を想像線で示す。
第1予備成形工程は、扁平部形成工程と、偏心工程とを含む。扁平部形成工程では、一対の第1金型を用いてビレット22の4つのジャーナル部相当部を圧下する。その際の圧下方向は、ビレット22の軸方向と垂直な方向である。これにより、ビレット22のうち、4つのジャーナル相当部が押し潰され、4つのジャーナル相当部で断面積が減少する。これに伴って、ビレット22に4つの扁平部23aが形成される。4つの扁平部23aは、ジャーナル相当部の位置に形成される。
偏心工程では、第1金型40による圧下を開始後、第2金型50を用い、第1ピン相当部および第3ピン相当部を互いに反対方向に偏心させる。その際の偏心方向は、ビレット22の軸方向と垂直な方向である。第1ピン相当部および第3ピン相当部の偏心量は、仕上げ寸法の偏心量の(√3)/2と同じかまたはそれよりも小さくする。これにより、体積が配分され、かつ、第1ピン相当部および第3ピン相当部が偏心した初期荒地が得られる。
第2予備成形工程では、第3金型30を用いて初期荒地23を圧下する。その際の圧下方向は、扁平部の幅方向である。すなわち、第2予備成形工程では、第1予備成形工程で得られた初期荒地23を軸方向周りに90°回転させた後、圧下する。これにより、中間荒地24が得られる。
中間荒地24において、第1ピン相当部PA1の偏心方向と第3ピン相当部PA3の偏心方向は互いに反対方向である。つまり、第1ピン相当部PA1と第3ピン相当部PA3との位相角は180°である。また、中間荒地24において、アーム相当部の軸方向の厚さt1(図3C参照)は、仕上げ寸法の厚さt0(図3F参照)よりも大きい。仕上げ寸法の厚さt0とは、鍛造クランク軸(最終製品)のアーム部の軸方向の厚さを意味する。
最終予備成形工程では、一対の第4金型を用い、中間荒地24を第2予備成形工程の圧下方向と同じ方向から圧下する。さらに、アーム相当部となる部位を、中間荒地の軸方向から圧下する。これにより、第1ピン相当部PA1および第3ピン相当部PA3の位相角および偏心量を維持しつつ、アーム相当部の厚さを仕上げ寸法の厚みまで小さくする。その結果、鍛造クランク軸のおおよその形状が造形された最終荒地25が得られる。
仕上げ鍛造工程では、型鍛造によって最終荒地25を鍛造クランク軸の仕上げ寸法に成形する。具体的には、上下に一対の金型が用いられる。最終荒地25は、第1ピン相当部PA1および第3ピン相当部PA3が水平面内で並ぶような姿勢で、下型の上に配置される。そして、上型の下降により鍛造が実施される。また、仕上げ鍛造工程では、第2位置に配置される第2ピン相当部を偏心させる。鍛造の圧下方向は、第2ピン相当部PA2の偏心方向である。これにより、余材の流出に伴ってバリBが形成され、バリ付きの仕上げ鍛造材26が得られる(図3E参照)。仕上げ鍛造材26には、最終製品の鍛造クランク軸と合致する形状が造形されている。最終荒地25に鍛造クランク軸のおおよその形状が造形されているので、仕上げ鍛造工程において、バリBの形成を最小限に留めることができる。仕上げ鍛造工程は、1回でもよいし、複数回に分けてもよい。
バリ抜き工程では、例えば、バリ付きの仕上げ鍛造材26を一対の金型によって挟んで保持した状態で、刃物型によってバリBを打ち抜く。これにより、仕上げ鍛造材26からバリBが除去される。その結果、鍛造クランク軸11(最終製品)が得られる。
2.第1予備成形工程で用いられる第1金型および第2金型
本実施形態の第1予備成形工程では、ジャーナル相当部の圧下と、第1ピン相当部および第3ピン相当部の偏心とを実施する。ジャーナル相当部の圧下と、第1ピン相当部および第3ピン相当部の偏心とは別個の金型によって実施される。
ジャーナル相当部の圧下と、第1ピン相当部および第3ピン相当部の偏心とを1つの金型で実施すると、以下に示す問題が生じる可能性がある。
図4は、1つの金型で第1予備成形工程を実施する場合を示す縦断面図である。図4を参照して、第1上型41と第1下型42を離間させた状態で、ビレット22は第1下型42上に配置される。上述したように、第1予備成形工程では、第1ピン相当部および第3ピン相当部を偏心させる。ビレット22の第1ピン相当部を加工する第1下型42のピン加工部42hは、下型ジャーナル加工部42aよりも突出している。したがって、第1下型42にビレット22を配置すると、ビレット22は傾きやすい。この状態で、第1金型40がビレット22を圧下すると、ビレット22が傾いているため、ビレット22が軸方向に移動しやすい。圧下中にビレット22が移動すると、第1金型40が圧下するビレット22の位置が、予定の位置からずれる。すなわち、第1金型40のピン加工部がビレット22のアーム相当部を圧下する等の事態が生じ得る。そのため、圧下後の初期荒地に、欠肉等が生じることがある。これを防止するため、本実施形態の第1予備成形工程では、2つの金型を用いる。
図5は、本実施形態の第1金型および第2金型を示す縦断面図である。図5を参照して、本実施形態の製造装置は、第1金型40と第2金型50とを含む。第1金型40は、第1上型41と、第1下型42とを含む。第2金型50は、第2上型51と、第2下型52とを含む。第2上型51は、第3ピン相当部を偏心させる。第2下型52は、第1ピン相当部を偏心させる。第2上型51および第2下型52は、第1金型40とは独立して昇降できる。ビレット22の圧下前では、第2下型52はビレット22のジャーナル相当部を圧下する下型ジャーナル加工部42aと同じ高さもしくは下方に配置されている。また、第2上型51は上型ジャーナル加工部41aと同じ高さもしくは上方に配置されている。すなわち、第2上型51および第2下型52は上型ジャーナル加工部41aおよび下型ジャーナル加工部42aよりも突出していない。したがって、圧下開始前に、第1下型42にビレット22を配置しても、ビレット22はほぼ水平に保たれる。
また、第1金型40の上型ジャーナル加工部41aおよび下型ジャーナル加工部42aによるジャーナル相当部の圧下開始後に、第2金型50による第1ピン相当部および第3ピン相当部の偏心が開始される。したがって、第1ピン相当部および第3ピン相当部の偏心中に、上型ジャーナル加工部41aおよび下型ジャーナル加工部42aによってビレット22のジャーナル相当部が圧下されている。換言すれば、ビレット22のジャーナル相当部が上型ジャーナル加工部41aおよび下型ジャーナル加工部42aによって拘束されている。そのため、ピン相当部の偏心中にビレット22が動きにくく、安定した状態で第1ピン相当部および第3ピン相当部を偏心させることができる。
さらに、第2金型50による第1および第3ピン相当部の偏心は、ビレット22に対して行われる。そのため、第1および第3ピン相当部または第1および第3ピン相当部それぞれにつながるアーム相当部に第2金型50による疵が生じにくい。具体的に説明すると、仮に、第2金型50による第1および第3ピン相当部の偏心が、予備成形された(ある程度体積配分された)荒地に対して行われるとする。予備成形された荒地では第1および第3ピン部が有る程度形成されている。また、予備成形された荒地では第1および第3ピン部につながるアーム部がある程度形成されている。そのため、予備成形された荒地の第1下型42への配置がずれると、第2金型50が第1および第3ピン相当部以外の領域と接触する可能性がある。この場合、アーム相当部等に疵が残る可能性がある。しかしながら、本実施形態の製造方法によれば、第2金型50による第1および第3ピン相当部の偏心は、ビレット22に対して行われる。ビレット22は予備成形されていない。そのため、予備成形された荒地の第1および第3ピン相当部を偏心させる場合のような疵が生じることが少ない。
要するに、第2上型51および第2下型52が独立して昇降すること、およびビレット22のジャーナル相当部が第1ピン相当部および第3ピン相当部に先行して圧下されること、により第1ピン相当部および第3ピン相当部の偏心中にビレット22が軸方向に移動しにくい。ビレット22が、第1金型40の所定の位置で圧下されるため、圧下後の初期荒地に欠肉等が生じにくい。また、予備成形された荒地ではなく、ビレットに対して第1および第3ピン相当部の偏心を行うため、第1および第3ピン相当部または第1および第3ピン相当部それぞれにつながるアーム相当部に疵が生じにくい。
第1金型40および第2金型50の構成について説明する。第2金型50は、第2上型51および第2下型52を独立して昇降させるために、制御機構を備える。制御機構は、例えばダイクッション、油圧シリンダである。
図5を参照して、制御機構がダイクッション81である場合について説明する。第1下型42はダイクッション81を介してボルスタベース82に支持される。ダイクッション81は緩衝機能を有する。第2上型51および第2下型52はピンベース83を介してボルスタベース82に支持される。一対の第1金型40は、ビレット22のジャーナル相当部と当接するジャーナル加工部41aおよび42aを備える。第1金型40がビレット22を圧下し始めると、ダイクッション81の緩衝機能により、第2下型52が第1下型42から突出し始め、第2上型51が第1上型41から突出し始める。ジャーナル加工部41a、42aがビレット22のジャーナル相当部に当接した後に、第2下型52および第2上型51がビレット22の第1ピン相当部および第3ピン相当部と当接するようにダイクッション81は設定される。これにより、ビレット22の第1ピン相当部および第3ピン相当部が、ジャーナル相当部の圧下開始後に偏心される。
図6は、図5とは異なる本実施形態の第1金型および第2金型を示す縦断面図である。図6を参照して、制御機構が油圧シリンダ84である場合について説明する。油圧シリンダ84は、第2上型51および第2下型52を昇降させることができる。第2上型51および第2下型52は油圧シリンダ84を介してボルスタベース82に支持される。第1金型40がビレット22を圧下し始めると、油圧シリンダ84が作動し、第2下型52が第1下型42から突出し始め、第2上型51が第1上型41から突出し始める。ジャーナル加工部41a、42aがビレット22のジャーナル相当部に当接した後に、第2下型52および第2上型51がビレット22の第1および第3ピン相当部と当接するように油圧シリンダ84は設定される。これにより、ビレット22の第1ピン相当部および第3ピン相当部が、ジャーナル相当部の圧下開始後に偏心される。
制御機構がダイクッションまたは油圧シリンダのいずれの場合であっても、第2下型52が第1下型42から突出するタイミング、および第2上型51が第1上型41から突出するタイミングは適宜設定される。すなわち、ビレット22の第1および第3ピン相当部は、ジャーナル相当部の圧下開始後から圧下完了までの間に偏心されてもよい。第1および第3ピン相当部は、ジャーナル相当部の圧下完了後に偏心されてもよい。
3.第1予備成形工程の加工フロー例
図7A〜図11Bは、第1予備成形工程の加工フロー例を示す模式図である。これらの図のうち、図7Aは扁平部形成工程開始時の状況を示す縦断面図であり、図7Bは扁平部形成工程終了時の状況を示す縦断面図であり、図7Cは偏心工程終了時の状況を示す縦断面図である。
図8Aおよび図8Bは、ジャーナル相当部を示す横断面図である。これらの図のうち、図8Aは扁平部形成工程開始時の状況を示し、図8Bは扁平部形成工程終了時の状況を示す。なお、図8Aは、前記図7AのVIIIA−VIIIA断面図であり、図8Bは、前記図7CのVIIIB−VIIIB断面図である。
図9Aおよび図9Bは、アーム相当部を示す横断面図である。これらの図のうち、図9Aは扁平部形成工程開始時の状況を示し、図9Bは扁平部形成工程終了時の状況を示す。なお、図9Aは、前記図7AのIXA−IXA断面図であり、図9Bは、前記図7CのIXB−IXB断面図である。
図10Aおよび図10Bは、第3ピン相当部を示す横断面図である。これらの図のうち、図10Aは偏心工程開始時の状況を示し、図10Bは偏心工程終了時の状況を示す。なお、図10Aは、前記図7AのXA−XA断面図であり、図10Bは、前記図7CのXB−XB断面図である。
図11Aおよび図11Bは、第2ピン相当部を示す横断面図である。これらの図のうち、図11Aは偏心工程開始時の状況を示し、図11Bは偏心工程終了時の状況を示す。なお、図11Aは、前記図7AのXIA−XIA断面図であり、図11Bは、前記図7CのXIB−XIB断面図である。
図10Aおよび図10Bには第2金型50を示し、図8A〜図9B、図11Aおよび図11Bには上下で一対の第1金型40を示す。状況の理解を容易にするため、図8A〜図11Bには、ジャーナル相当部の軸心位置Cを黒塗りの丸印で示す。また、図8B、図9Bおよび図11Bには、扁平部形成工程開始時の第1上型41、第1下型42、およびビレット22を二点鎖線で併記する。図10Bには、偏心工程開始時の第2上型51およびビレット22を二点鎖線で併記する。
ジャーナル加工部は、図8Aに太線に示すように、第1上型41に設けられる上型ジャーナル加工部41a、および、第1下型42に設けられる下型ジャーナル加工部42aからなる。上型ジャーナル加工部41aは、凹状であり、ビレット22のジャーナル相当部を収容可能である。下型ジャーナル加工部42aは、凸部の先端面に設けられる。なお、上型ジャーナル加工部41aおよび下型ジャーナル加工部42aのいずれを凹状とするかは、特に制限はない。つまり、下型ジャーナル加工部42aがビレット22のジャーナル相当部を収容可能な凹状であってもよい。
アーム相当部は、図9Aに示すように、第1上型41と接触しない。そのため、第1予備成形工程ではビレット22のアーム相当部は積極的に加工はされない。ただし、ジャーナル相当部、第1ピン相当部および第3ピン相当部が加工されることに伴い、アーム相当部の断面形状は変化する。
第3ピン相当部を加工する第2上型51は、図10Aに太線で示すように、凹状であり、ビレット22の第3ピン相当部を収容可能である。第1ピン相当部を加工する第2下型52は、第3ピン相当部を加工する第2上型51と上下が反転しただけであるので説明は省略する。
第2ピン相当部は、図11Aに示すように、第1上型41および第1下型42と接触しない。そのため、第1予備成形工程ではビレット22の第2ピン相当部は積極的に加工はされない。ただし、ジャーナル相当部、第1ピン相当部および第3ピン相当部が加工されることに伴い、断面形状は変化する。
第1予備成形工程では、第1上型41を上昇させて第1上型41と第1下型42を離間させた状態で、ビレット22を第1上型41と第1下型42の間に配置する。その際、圧下方向はビレット22の軸方向と垂直な方向である。
この状態から第1上型41を下降させる。すると、図8Aに示すように、ビレット22のジャーナル相当部が第1上型41の上型ジャーナル加工部41aに収容される。
第1上型41をさらに下降させると、上型ジャーナル加工部41aと下型ジャーナル加工部42aとによって閉断面が形成される。この状態で、第1上型41をさらに下降させて下死点に到達させると、図8Bに示すように、上型ジャーナル加工部41aと下型ジャーナル加工部42aとの内部のビレット22のジャーナル相当部が圧下される。このようにしてビレット22のジャーナル相当部が第1金型によって圧下され、その結果、ジャーナル相当部の断面積が減少し、扁平部23aが形成される。これに伴い、余剰となった材料が軸方向に流動してアーム相当部に流入し、体積の配分が進行する。
扁平部23aの横断面において、圧下方向と垂直な方向の幅Bfは圧下方向の厚さtaよりも大きければよい。例えば、扁平部23aの断面形状は楕円状または長円状である(図8B参照)。
第1金型40による圧下開始後、第2金型50の第2下型52および第2上型51が、第1ピン相当部および第3ピン相当部を偏心させる。第1ピン相当部および第3ピン相当部はともに、第1金型40の圧下方向に沿って偏心する。しかし、第1ピン相当部の偏心方向は第3ピン相当部の偏心方向と反対である。そして、第1ピン相当部および第3ピン相当部の偏心量は、仕上げ寸法の偏心量の(√3)/2と同じかまたはそれよりも小さくなる。一方、第2ピン相当部は偏心しない。
図12は、第1ピン相当部および第3ピン相当部の偏心量を示す模式図である。図12は、鍛造クランク軸の軸方向から見た図である。3気筒エンジンの鍛造クランク軸の第1ピン部が配置される第1位置L1と第3ピン部が配置される第3位置L3との位相差は120°である。しかしながら、第1予備成形工程で得られた初期荒地の第1ピン相当部の位置PA1と第3ピン相当部の位置PA3との位相差は180°である。そのため、第1予備成形工程後に第1ピン相当部を、ジャーナル相当部の軸心位置Cに対してさらに偏心させる。これにより、最終製品である鍛造クランク軸では、第1位置L1と第3位置L3との位相差が120°とされる。
第1ピン部の偏心量(仕上げ寸法)は、第1位置L1の中心とジャーナル部の軸心Cとの距離DLである。したがって、ジャーナル部の軸心位置C、第1ピン相当部PA1の位置の中心、および第1位置L1の中心からなる直角三角形を仮想すると、偏心工程での第1ピン相当部の偏心量DL1は、第1ピン部の偏心量DLの(√3)/2と同じかまたはそれよりも小さい。第1ピン相当部の偏心量DL1が第1ピン部の偏心量DLの(√3)/2よりも大きければ、後の仕上げ鍛造工程で第1ピン相当部を第1位置L1まで偏心させることは困難である。なぜなら、圧下方向(図12の左右方向)と平行ではない方向に沿って第1ピン相当部を第1位置L1まで偏心させなければならないからである。なお、第1ピン相当部の偏心量DL1が第1ピン部の偏心量DLの(√3)/2よりも小さい場合、後の仕上げ鍛造工程を複数回実施する。たとえば、1回目の仕上げ鍛造工程で第1ピン相当部の偏心量DL1を第1ピン部の偏心量DLの(√3)/2まで偏心させる。2回目の仕上げ鍛造工程で第1ピン相当部PA1の位置を第1位置L1まで偏心させる。第3ピン相当部も同様である。
第1金型40による圧下および第2金型50による偏心の終了後、第1上型41および第2上型51を上昇させ、加工済みのビレット22(初期荒地23)を取り出す。
第1予備成形工程によれば、第1ピン相当部および第3ピン相当部をそれぞれ偏心させることができる。また、ジャーナル相当部からアーム相当部に材料を流動させることにより、体積を軸方向に配分できる。その結果、材料歩留りを向上できる。また、アーム部がウエイト部を含む場合、ウエイト部で欠肉が生じるのを抑制できる。さらに、第2金型50の第2上型51および第2下型52が独立して昇降すること、およびビレット22のジャーナル相当部がピン相当部に先行して圧下されること、により、ピン相当部の偏心中にビレットが傾きにくい。これにより、体積配分されたビレットが、第1金型の所定の位置で圧下されるため、圧下後の最終荒地に欠肉等が生じにくい。
4.第2予備成形工程の加工フロー例
図13A〜図17Bは、第2予備成形工程の加工フロー例を示す模式図である。これらの図のうち、図13Aは圧下開始時の状況を示す縦断面図であり、図13Bは圧下終了時の状況を示す縦断面図である。
図14Aおよび図14Bは、ジャーナル相当部を示す横断面図である。これらの図のうち、図14Aは圧下開始時の状況を示し、図14Bは圧下終了時の状況を示す。なお、図14Aは、前記図13AのXIVA−XIVA断面図であり、図14Bは、前記図13BのXIVB−XIVB断面図である。
図15Aおよび図15Bは、アーム相当部を示す横断面図である。これらの図のうち、図15Aは圧下開始時の状況を示し、図15Bは圧下終了時の状況を示す。なお、図15Aは、前記図13AのXVA−XVA断面図であり、図15Bは、前記図13BのXVB−XVB断面図である。
図16Aおよび図16Bは、第2ピン相当部を示す横断面図である。これらの図のうち、図16Aは圧下開始時の状況を示し、図16Bは圧下終了時の状況を示す。なお、図16Aは、前記図13AのXVIA−XVIA断面図であり、図16Bは、前記図13BのXVIB−XVIB断面図である。
図17Aおよび図17Bは、第3ピン相当部を示す横断面図である。これらの図のうち、図17Aは圧下開始時の状況を示し、図17Bは圧下終了時の状況を示す。なお、図17Aは、前記図13AのXVIIA−XVIIA断面図であり、図17Bは、前記図13BのXVIIB−XVIIB断面図である。
図14A〜図17Bには、前述の第1予備成形工程で得られた初期荒地23と、上下で一対の第3金型30とを示す。第3金型30は、第3上型31と、第3下型32とを備える。状況の理解を容易にするため、図14A〜図17Bには、ジャーナル相当部の軸心位置Cを黒塗りの丸印で示し、図14B、図15B、図16Bおよび図17Bには、圧下開始時の第3上型31、第3下型32および初期荒地23を二点鎖線で併記する。一対の第3金型30は、ピン相当部と当接するピン加工部、ジャーナル相当部と当接するジャーナル加工部、およびアーム相当部と当接するアーム加工部を備える。
ジャーナル加工部は、図14Aに太線で示すように、第3上型31に設けられる上型ジャーナル加工部31a、および、第3下型32に設けられる下型ジャーナル加工部32aからなる。上型ジャーナル加工部31aおよび下型ジャーナル加工部32aは、凹状であり、初期荒地23のジャーナル相当部を収容可能である。
アーム加工部は、図15Aに太線で示すように、第3上型31に設けられる上型アーム加工部31c、および、第3下型32に設けられる下型アーム加工部32cからなる。アーム加工部の横断面形状は、図15Aに太線で示すように、上型アーム加工部31cおよび下型アーム加工部32cは全体として凹状である。
鍛造クランク軸のアーム部がウエイト部を含む場合、下型アーム加工部32cは、ウエイト部となる部位(ウエイト相当部)と当接するウエイト加工部32eを有する。ウエイト加工部32eは凹状の下型アーム加工部32cのピン相当部の偏心方向と反対側の端部に位置する。ウエイト加工部32eの開口幅Bpは、ピン相当部の偏心方向と反対方向に向かって広くなる。例えば図15Aに示すように、ウエイト加工部32eは、圧下方向の両側面がいずれも傾斜面である。
第2予備成形工程では、アーム相当部の軸方向の厚さt1を仕上げ寸法の厚さt0よりも大きくする(図3Cおよび図3F参照)。このため、上型アーム加工部31cおよび下型アーム加工部32cの軸方向の長さは、アーム(ウエイト部およびそのウエイト部を一体で備えるアーム部)の仕上げ寸法の厚さより大きい。
第2ピン相当部を加工するピン加工部は、図16Aに太線で示すように、第3上型31に設けられる上型ピン加工部31f、および、第3下型32に設けられる下型ピン加工部32fからなる。上型ピン加工部31fおよび下型ピン加工部32fは、凹状であり、初期荒地23の第2ピン相当部を収容可能である。
第3ピン相当部と当接するピン加工部は、第3ピン相当部に対応する位置に設けられる。第3ピン相当部と当接する第3金型30のピン加工部は、図17Aに太線で示すように、第3上型31に設けられる上型ピン加工部31b、および、第3下型32に設けられる下型ピン加工部32bからなる。上型ピン加工部31bおよび下型ピン加工部32fは、凹状であり、初期荒地23の第3ピン相当部を収容可能である。
第2予備成形工程では、第3上型31を上昇させて第3上型31と第3下型32を離間させた状態で、初期荒地23を第3上型31と第3下型32の間に配置する。その際、扁平部の幅方向(楕円の場合は長径方向)が圧下方向となるように、初期荒地23は、第1予備成形工程の終了時における状態から軸回りに90°回転した姿勢で配置される。この状態から第3上型31を下降させると、図17Aに示すように、初期荒地23のうちの第3ピン相当部が凹状の上型ピン加工部31bに収容される。第1ピン相当部も同様である。第2ピン相当部は、図16Aに示すように、凹状の下型ピン加工部32fに収容される。また、図14Aに示すように、ジャーナル相当部は、凹状の上型ジャーナル加工部31aに収容される。第3上型31をさらに下降させると、第3金型30により初期荒地23が圧下される。このため、第1〜第3ピン相当部およびジャーナル相当部の断面積が減少する。
第3金型30による圧下の終了後、第3上型31を上昇させ、加工済みの初期荒地23(中間荒地24)を取り出す。
このような加工フロー例を採用すれば、ピン相当部およびジャーナル相当部を圧下してピン相当部およびジャーナル相当部の断面積が減少するのに伴い、ピン相当部およびジャーナル相当部の材料が、初期荒地23の軸方向に移動する。これにより、材料がピン相当部とジャーナル相当部との間のアーム相当部に流入する。その結果、体積が軸方向に配分された中間荒地24を得ることができる。
また、第2ピン相当部においては、第3上型31を下降させる過程で、凹状の上型ピン加工部31fの開口が、下型ピン加工部32fで塞がれ、上型ピン加工部31fおよび下型ピン加工部32fによって閉断面が形成される(図16Aおよび図16B参照)。第1ピン相当部および第3ピン相当部も同様である。また、凹状の上型ジャーナル加工部31aの開口が、下型ジャーナル加工部32aで塞がれ、上型ジャーナル加工部31aおよび下型ジャーナル加工部32aによって閉断面が形成される(図14Aおよび図14B参照)。これにより、第3上型31と第3下型32の間にバリが形成されることがない。したがって、材料歩留りを向上できるとともに、体積の軸方向の配分を促進できる。
第2予備成形工程では、ジャーナル加工部によってジャーナル相当部を部分圧下することにより、バリの形成を防止してもよい。また、ピン加工部によってピン相当部を部分圧下することにより、バリの形成を防止してもよい。
第2予備成形工程では、体積の軸方向の配分を促進する観点から、アーム相当部を第3金型によって圧下しなくてもよい。
本実施形態の鍛造クランク軸の製造方法は、上述した第2予備成形工程を含む。しかしながら、第2予備成形工程を省略することは可能である。たとえば、第1予備成形工程終了後に初期荒地を、後述する最終予備成形工程で最終荒地に成形してもよい。ただし、第2予備成形工程を省略する場合、初期荒地を大きく変形させるため、成形された最終荒地に疵が生じやすい。そのため、疵を抑制する観点から、第2予備成形工程は実施される方がよい。
5.最終予備成形工程の加工フロー例
図18A〜図18Cは、最終予備成形工程の加工フロー例を模式的に示す縦断面図である。これらの図のうち、図18Aは圧下前の状況を示す。図18Bは上型の下死点到達時の状況を示す。図18Cは軸方向の移動終了時の状況を示す。また、図19A〜図19Cは、最終予備成形工程の加工フロー例を模式的に示す横断面図である。これらの図のうち、図19Aは圧下前の状況を示す。図19Bは上型の下死点到達時の状況を示す。図19Cは軸方向の移動終了時の状況を示す。図20は、最終予備成形工程での中間荒地の姿勢と上下の金型による型締め方向を示す模式図であり、中間荒地を軸方向から視た図である。なお、図18A〜図18Cにおいて、実際の第2ピン相当部は第1および第3ピン相当部の手前または奥に位置するが、便宜上、第1〜第3ピン相当部を同一面上に示す。図19A〜図19Cには、中間荒地24と、第4下型70と、下側プレート93とを示す。なお、図19Aでは、図面の理解を容易にするため中間荒地24は破線で示す。
図18A〜図18Cには、前述の第2予備成形工程で得られた中間荒地24と、上下で一対の第4金型90と、上側プレート92と、下側プレート93とを示す。第4金型90は、第4上型60と、第4下型70とを備える。第4上型60は、上側プレート92上に支持される。上側プレート92はプレス機のラム(図示省略)の作動に伴って上下動する。第4下型70は、下側プレート93上に支持される。下側プレート93はプレス機の土台(図示省略)に固定される。
アーム相当部を中間荒地24の軸方向から圧下するために、第4上型60および第4下型70は、複数の部材に分割されている。第4上型60および第4下型70を構成する部材は、中間荒地24の軸方向に沿って並べて配置される。第4上型60および第4下型70は、それぞれ、固定ピン型部材64および74と、複数の固定ジャーナル型部材61および71と、複数の可動ジャーナル型部材62および72と、複数の可動ピン型部材63および73とを備える。
固定ピン型部材64および74は、中間荒地24のうちで中央の第2ピン相当部の位置に配置される。固定ピン型部材64および74は、上側プレート92および下側プレート93に対し、移動不能である。
固定ジャーナル型部材61および71は、固定ピン型部材64および74の軸方向の前後に配置される。つまり、固定ジャーナル型部材61および71は、中間荒地24のうちで第2ピン相当部につながるアーム相当部、そのアーム相当部につながる第2ジャーナル相当部および第3ジャーナル相当部、および、それらのジャーナル相当部につながるアーム相当部、に対応する位置にそれぞれ配置される。固定ジャーナル型部材61および71は、上側プレート92および下側プレート93に対し、移動不能である。
可動ピン型部材63および73は、中間荒地24のうちで第1ピン相当部および第3ピン相当部の位置にそれぞれ配置される。可動ピン型部材63および73は、上側プレート92および下側プレート93の上で、中間荒地24の軸方向であって固定ピン型部材64および74(固定ジャーナル型部材61および71)に向く方向に移動可能である。可動ピン型部材63および73は、上側プレート92および下側プレート93に対し、その軸方向以外の方向に移動不能である。
可動ジャーナル型部材62および72は、中間荒地24のうちで第1ジャーナル相当部および第4ジャーナル相当部、および、そのジャーナル相当部につながるアーム相当部に対応する位置にそれぞれ配置される。なお、前側の可動ジャーナル型部材62および72は、クランク軸のフロントとなる部位に対応する位置にも配置される。後側の可動ジャーナル型部材62および72は、クランク軸のフランジとなる部位に対応する位置にも配置される。可動ジャーナル型部材62および72は、上側プレート92および下側プレート93の上で、中間荒地24の軸方向であって固定ピン型部材64および74(固定ジャーナル型部材61および71)に向く方向に移動可能である。
このような部材からなる第4上型60および第4下型70には、それぞれ型彫刻部(図18A中の符号61a、62a、63a、64a、71a、72a、73aおよび74a参照)が形成されている。その型彫刻部には、鍛造クランク軸(最終製品)のおおよその形状が反映されている。
最終予備成形工程では、図18Aに示すように、第4上型60を上昇させた状態で、第4上型60と第4下型70の間に中間荒地24を配置する。その際、図20に示すように、中間荒地24は、第1ピン相当部PA1および第3ピン相当部PA3が水平面内で並ぶような姿勢で配置される。つまり、中間荒地24は、第2ピン相当部PA2の偏心方向が鉛直方向となるような姿勢で配置される。なお、第2ピン相当部PA2は後工程で偏心させるため、図20では第2ピン相当部PA2は、第1ピン相当部PA1および第3ピン相当部PA3とともに水平面内で並んでいる。
この状態から、第4上型60を下降させる。すると、中間荒地24が、第4上型60および第4下型70によって中間荒地24の軸方向と垂直な方向(鉛直方向)から圧下される(図18B参照)。これにより、中間荒地24のジャーナル相当部、ピン相当部、およびアーム相当部が圧下され、ジャーナル部、ピン部およびアーム部のおおよその形状が造形される。
さらに、図19A〜図19Cに示すように、可動ジャーナル型部材72、並びに可動ピン型部材73を、中間荒地24の軸方向であって固定ピン型部材74に向く方向に移動させる。この移動は、例えば、くさび機構または油圧シリンダによって実現できる。なお、図18A〜図18Cに示すように第4上型60の可動ジャーナル型部材62、並びに可動ピン型部材63も同様に中間荒地24の軸方向であって固定ピン型部材64に向く方向に移動させる。
図19A〜図19Cに示すように、可動ジャーナル型部材72、並びに可動ピン型部材73の軸方向移動に伴い、中間荒地24のアーム相当部が中間荒地24の軸方向に圧下される。これにより、アーム相当部の厚さが仕上げ寸法の厚さまで小さくなり、アーム部(ウエイト部を含む場合はウェブ)のおおよその形状が造形される。その際、ピン相当部は偏心方向に移動しない。つまり、第1ピン相当部および第3ピン相当部の偏心量は、仕上げ寸法の偏心量の(√3)/2と同じかそれよりも小さい状態に維持される。
第4金型90による圧下の終了後、第4上型60を上昇させ、加工済みの中間荒地24(最終荒地)を取り出す。
このような最終予備成形工程によれば、アーム相当部を軸方向に圧下することから、アーム部で、材料の充満性を向上でき、欠肉が生じるのを抑制できる。また、アーム部の材料の充満性に優れることから、バリをほとんど形成することなく、最終荒地を得ることができる。
本実施形態の製造方法によれば、前述の第1予備成形工程および第2予備成形工程により、バリを形成することなく、中間荒地を得ることができる。このため、材料歩留りを向上できる。
さらに、本実施形態の製造方法によれば、第1予備成形工程および第2予備成形工程により、軸方向の体積の配分を促進できる。つまり、ピン相当部およびジャーナル相当部の断面積を減少できるとともに、アーム相当部の断面積を増加できる。また、第2予備成形工程では、アーム相当部で広くすることができる。このため、後工程の最終予備成形工程で、バリの形成を抑制して、鍛造クランク軸のおおよその形状を造形できる。この鍛造クランク軸のおおよその形状が造形された最終荒地を用いるので、仕上げ鍛造工程でも、バリの形成を最小限に留めることができる。これらによって、材料歩留りを向上できる。仕上げ鍛造工程は、周知の型鍛造工程であるので、詳細な説明は省略する。
6.好ましい態様等
図5を参照して、クランク軸のクランクアーム部がカウンターウエイト部を有する場合、ビレット22を加工する前、第2上型51は上型ジャーナル加工部41aよりも高い位置であるのが好ましく、第2下型52は下型ジャーナル加工部42aよりも低い位置であるのが好ましい。この理由は次のとおりである。
図7Bを参照して、上述したように、第1予備成形工程では第1および第3ピン相当部の偏心よりも先行して、上型ジャーナル加工部41aおよび下型ジャーナル加工部42aによってジャーナル相当部が圧下される。ジャーナル相当部が圧下されると、ビレット22の材料がアーム相当部およびピン相当部に流れ込む。第2上型51が上型ジャーナル加工部41aよりも上方に位置していれば、第2上型51とビレット22との間に空間が形成されている。そのため、ジャーナル相当部からの材料が第2上型51に邪魔されずにスムーズにこの空間に流れ込むことができる。したがって、第1予備成形工程において、より体積配分がし易くなり、カウンターウエイト部の体積分の材料を確保しやすい。第2下型52についても同様である。
図5を参照して、クランク軸のクランクアーム部がカウンターウエイト部を有さない場合、ビレット22を加工する前、第2上型51は上型ジャーナル加工部41aと同じ高さであるのが好ましく、第2下型52は下型ジャーナル加工部42aと同じ高さであるのが好ましい。この理由は次のとおりである。
図7Bを参照して、カウンターウエイト部を有さないクランクアーム部は体積が小さい。そのため、カウンターウエイト部を有するクランクアーム部の場合と比べて、予備成形工程での体積配分は小さくて済む。第2上型51が上型ジャーナル加工部41aと同じ高さに位置していれば、第2上型51とビレット22との間に空間が形成されない。そのため、ジャーナル相当部からの材料がスムーズにこの空間に流れ込みにくくなる。そのため、ジャーナル相当部から過剰に材料が流れ込むことを抑制できる。
後工程でアーム部の材料の充満性を向上させる観点から、第2予備成形工程において、中間荒地のアーム相当部の厚みt1(mm)は、仕上げ寸法t0(mm)に対する比(t1/t0)で、1.1以上とするのが好ましく、1.5以上とするのがより好ましい。一方、比(t1/t0)が3.5を超えると、材料表面のバルジ変形領域が大きくなり、アーム部外周の寸法精度が低下するおそれがある。このため、比(t1/t0)を3.5以下とするのが好ましい。
鍛造クランク軸がウエイト部を含む場合、後工程でウエイト部の材料の充満性を確保しつつウエイト部の欠肉を防止する観点から、中間荒地のウェブ相当部の断面積Sw2(mm)は、鍛造クランク軸(最終製品)のウェブの断面積Sw0(mm)に対する比(Sw2/Sw0)で、0.3〜0.9とするのが好ましい。同様の観点から、初期荒地のウェブ相当部の断面積Sw1(mm)は、鍛造クランク軸(最終製品)のウェブの断面積Sw0(mm)に対する比(Sw1/Sw0)で、0.2〜0.8とするのが好ましい。ここで、ウェブ相当部の断面積Sw1は、アーム相当部の断面積と、ウエイト相当部の断面積との合計である。また、ウェブの断面積Sw0は、ウエイト部の断面積と、そのウエイト部が一体で備えるアーム部の断面積との合計である。
後工程で形成されるバリを低減する観点から、中間荒地のジャーナル相当部の断面積Sj2(mm)は、鍛造クランク軸(最終製品)のジャーナル部の断面積Sj0(mm)に対する比(Sj2/Sj0)で、1.0〜1.9とするのが好ましい。同様の観点から、初期荒地のジャーナル相当部の断面積Sj1(mm)は、鍛造クランク軸(最終製品)の断面積Sj0(mm)に対する比(Sj1/Sj0)で、1.2〜1.9とするのが好ましい。
後工程で形成されるバリを低減する観点から、中間荒地のピン相当部の断面積Sp2(mm)は、鍛造クランク軸(最終製品)のピン部の断面積Sp0(mm)に対する比(Sp2/Sp0)で、0.7〜1.9とするのが好ましい。同様の観点から、初期荒地のピン相当部の断面積Sp1(mm)は、鍛造クランク軸(最終製品)のピン部の断面積Sp0(mm)に対する比(Sp1/Sp0)で、0.9〜1.9とするのが好ましい。
その他、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能であることは言うまでもない。上述の説明では、一部のアーム相当部がウエイト部を含む場合を説明した。しかしながら、本実施形態の鍛造クランク軸の製造方法はこの場合に限定されない。たとえば、複数のアーム相当部の全部のアーム相当部がウエイト相当部を含んでいてもよい(例:3気筒−6枚カウンターウエイトのクランク軸)。
また、一部のアーム相当部がウエイト部を含む場合(例:3気筒−4枚カウンターウエイト部のクランク軸)、第2予備成形工程終了後に、ウエイト相当部を含む一部のアーム相当部の厚さが仕上げ寸法の厚さよりも大きく、ウエイト相当部を含まないアーム相当部の厚さは仕上げ寸法の厚さと同じであるのが好ましい。ウエイト相当部を含むアーム相当部(すなわちウェブ相当部)は体積が大きいため、最終予備成形工程前に材料を集める必要がある。一方で、ウエイト相当部を含まないアーム相当部は体積が小さいため材料をそれほど多く集める必要はない。したがって、ウエイト相当部を含まないアーム相当部に集める材料を減らすことで、歩留りがさらに抑制される。
本発明は、レシプロエンジンに搭載される鍛造クランク軸の製造に有効に利用できる。
11 鍛造クランク軸
22 ビレット
23 初期荒地
23a 扁平部
24 中間荒地
25 最終荒地
26 仕上げ鍛造材
30 第3金型
40 第1金型
50 第2金型
90 第4金型
A、A1〜A6 クランクアーム部
J、J1〜J4 ジャーナル部
P、P1〜P3 ピン部
W、W1〜W4 カウンターウエイト部
B バリ

Claims (2)

  1. 回転中心となる4つのジャーナル部と、前記ジャーナル部に対して偏心し、かつ、位相角が120°の第1位置、第2位置および第3位置にそれぞれ配置される3つのピン部と、前記ジャーナル部と前記ピン部をつなぐ複数のクランクアーム部と、を備える鍛造クランク軸の製造方法であって、
    当該製造方法は、
    ビレットから初期荒地を得る第1予備成形工程と、
    前記初期荒地から中間荒地を得る第2予備成形工程と、
    前記中間荒地から最終荒地を得る最終予備成形工程と、
    型鍛造によって前記最終荒地を前記鍛造クランク軸の仕上げ寸法に成形する仕上げ鍛造工程と、を含み、
    前記第1予備成形工程は、一対の第1金型を用い、前記ビレットの前記4つのジャーナル部となる部位を、前記ビレットの軸方向と垂直な方向から圧下することにより、前記4つのジャーナル部となる部位の断面積を減少させて複数の扁平部を形成する工程と、前記第1金型による圧下を開始後、第2金型を用い、前記ビレットの軸方向と垂直な方向を偏心方向にして前記第1位置に配置される第1ピン部となる部位および前記第3位置に配置される第3ピン部となる部位を互いに反対方向に偏心させ、前記第1ピン部となる部位および前記第3ピン部となる部位の偏心量を仕上げ寸法の偏心量の(√3)/2と同じかまたはそれよりも小さくする工程とを含み、
    前記第2予備成形工程では、一対の第3金型を用い、前記扁平部の幅方向を圧下方向にして前記初期荒地の前記複数の扁平部、前記第1ピン部となる部位、前記第2位置に配置される第2ピン部となる部位および前記第3ピン部となる部位を圧下することにより、前記クランクアーム部となる部位の厚みを、仕上げ寸法の厚みよりも大きくし、
    前記最終予備成形工程では、一対の第4金型を用い、前記第2予備成形工程と同じ方向から前記中間荒地を圧下し、さらに、前記クランクアーム部となる部位を、前記中間荒地の軸方向から圧下することにより、前記第1ピン部となる部位および前記第3ピン部となる部位の偏心量を維持しつつ、前記クランクアーム部となる部位の厚みを、仕上げ寸法の厚みまで小さくする、鍛造クランク軸の製造方法。
  2. 請求項1に記載の鍛造クランク軸の製造方法であって、
    前記第1予備成形工程では、前記一対の第1金型による圧下が完了した後、前記第2金型による前記第1ピン部となる部位および前記第3ピン部となる部位の偏心を開始する、鍛造クランク軸の製造方法。
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