JPH10284484A - シリコン酸化膜の形成方法 - Google Patents

シリコン酸化膜の形成方法

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JPH10284484A
JPH10284484A JP8680597A JP8680597A JPH10284484A JP H10284484 A JPH10284484 A JP H10284484A JP 8680597 A JP8680597 A JP 8680597A JP 8680597 A JP8680597 A JP 8680597A JP H10284484 A JPH10284484 A JP H10284484A
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oxide film
silicon oxide
silicon
gas
heat treatment
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JP8680597A
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Akihide Kashiwagi
章秀 柏木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い膜厚均一性を有する非常に薄いシリコン酸
化膜を確実に形成することができ、しかも、従来の乾式
酸化法よりも電気的信頼性の高いゲート酸化膜を形成す
ることができるシリコン酸化膜の形成方法を提供する。 【解決手段】シリコン酸化膜の形成方法は、(イ)乾燥
酸素ガスを含む雰囲気中で、シリコン層10の表面にシ
リコン酸化膜12を形成する工程と、(ロ)水蒸気を含
む雰囲気中で該シリコン酸化膜12を熱処理する工程か
ら成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の製造
におけるシリコン酸化膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばMOS型半導体装置の製造におい
ては、シリコン酸化膜から成るゲート酸化膜をシリコン
半導体基板の表面に形成する必要がある。また、薄膜ト
ランジスタ(TFT)の製造においても、絶縁性基板の
上に設けられたシリコン層の表面にシリコン酸化膜から
成るゲート酸化膜を形成する必要がある。このようなシ
リコン酸化膜は、半導体装置の信頼性を担っているとい
っても過言ではない。従って、シリコン酸化膜には、常
に、高い絶縁破壊耐圧及び長期信頼性が要求される。
【0003】例えばMOS型半導体装置を製造する場
合、従来、ゲート酸化膜を成膜する前に、NH4OH/
22水溶液で洗浄し更にHCl/H22水溶液で洗浄
するというRCA洗浄によりシリコン半導体基板の表面
を洗浄し、その表面から微粒子や金属不純物を除去す
る。ところで、RCA洗浄を行うと、シリコン半導体基
板の表面は洗浄液と反応し、厚さ0.5〜1nm程度の
シリコン酸化膜(以下、かかるシリコン酸化膜を単に酸
化膜と呼ぶ)が形成される。かかる酸化膜の膜厚は不均
一であり、しかも、酸化膜中には洗浄液成分が残留す
る。そこで、フッ化水素酸水溶液にシリコン半導体基板
を浸漬して、かかる酸化膜を除去し、シリコン半導体基
板の清浄な表面を露出させる。その後、かかるシリコン
半導体基板をシリコン酸化膜成膜装置の処理室(酸化
炉)に搬入して、シリコン半導体基板の表面にシリコン
酸化膜を形成する。フッ化水素酸水溶液による洗浄後の
シリコン半導体基板の表面は、大半が水素で終端してお
り、一部がフッ素で終端されている。
【0004】シリコン酸化膜成膜装置としては、ゲート
酸化膜の薄膜化及び基板の大口径化に伴い、石英製の処
理室(酸化炉)を水平に保持した横型方式から垂直に保
持した縦型方式のシリコン酸化膜成膜装置への移行が進
んでいる。これは、縦型方式のシリコン酸化膜成膜装置
の方が、横型方式のシリコン酸化膜成膜装置よりも、基
板の大口径化に対処し易いばかりか、シリコン半導体基
板を処理室に搬入する際の大気の巻き込みによって生成
するシリコン酸化膜(以下、かかるシリコン酸化膜を自
然酸化膜と呼ぶ)を低減することができるからである。
しかしながら、縦型方式のシリコン酸化膜成膜装置を用
いる場合であっても、2nm厚程度の自然酸化膜がシリ
コン半導体基板の表面に形成されてしまう。そのため、
(1)シリコン酸化膜成膜装置に配設された基板搬入出
部に大量の窒素ガスを流して窒素ガス雰囲気とする方法
(窒素ガスパージ方式)、(2)一旦、基板搬入出部内
を真空とした後、窒素ガス等で基板搬入出部内を置換し
て大気を排除する方法(真空ロードロック方式)等を採
用し、出来る限り自然酸化膜の形成を抑制する方法が提
案されている。
【0005】そして、処理室(酸化炉)内を不活性ガス
雰囲気とした状態で、シリコン半導体基板を処理室(酸
化炉)に搬入し、次いで、処理室(酸化炉)内を酸化性
雰囲気に切り替え、シリコン半導体基板を熱処理するこ
とでゲート酸化膜を形成する。ゲート酸化膜の形成に
は、高温に保持された処理室内に高純度の水蒸気を導入
することによってシリコン半導体基板の表面を熱酸化す
る方法(湿式酸化法)が採用されており、高純度の酸素
によってシリコン半導体基板表面を酸化する方法(乾式
酸化法)よりも、電気的信頼性の高いゲート酸化膜を形
成することができる。この湿式酸化法の1つに、水素ガ
スを酸素ガスと高温で混合し、燃焼させることによって
生成した水蒸気を用いるパイロジェニック酸化法(水素
燃焼酸化法とも呼ばれる)があり、多く採用されてい
る。通常、このパイロジェニック酸化法においては、処
理室(酸化炉)の外部に設けられ、そして700〜90
0゜Cに保持された燃焼室内に酸素ガスを導入し、その
後、燃焼室内に水素ガスを導入して、高温中で水素ガス
を燃焼させる。これによって得られた水蒸気を酸化種と
して用いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】湿式酸化法は、乾式酸
化法と比較して、電気的信頼性の高いゲート酸化膜を形
成することができる。しかしながら、シリコン酸化膜中
における酸化種の拡散のし易さの相違から、同一酸化温
度における酸化速度は、乾式酸化法よりも湿式酸化法の
方が早い。また、例えば、パイロジェニック酸化法の特
性を生かすために水蒸気分圧を高くすると、酸化速度は
更に早くなる。
【0007】湿式酸化法における酸化速度が早い点は、
素子分離領域の形成のように厚い(例えば0.1μm以
上)シリコン酸化膜を形成する場合は有利である。しか
しながら、極めて薄いシリコン酸化膜をシリコン半導体
基板の表面に、均一に且つ制御性良く形成することが要
求されるゲート酸化膜の形成においては、湿式酸化法の
酸化速度が早い点は大きな問題となり得る。即ち、2〜
3nmの極薄のシリコン酸化膜を形成する場合に必要と
される酸化時間は、酸化温度や水蒸気分圧等にも依る
が、数分程度である。更には、前述の窒素ガスパージ方
式や真空ロードロック方式等を採用しない場合には、酸
化時間が1分以下という場合も生じ得る。
【0008】一方、このような極薄のシリコン酸化膜は
集積度の高いLSIに用いられるが、このようなLSI
の製造においては、チップサイズの増大に伴い、直径2
00mm以上の大口径のシリコン半導体基板が用いられ
る。それ故、湿式酸化法に基づき極薄のシリコン酸化膜
を形成する場合、その酸化速度の早さとシリコン半導体
基板の大きさとに起因して、高いシリコン半導体基板面
内膜厚均一性を有するシリコン酸化膜を形成することは
困難になりつつある。
【0009】尚、極薄のシリコン酸化膜を膜厚均一性良
く形成する方法の1つに、赤外線や可視光を発するラン
プを備えたランプ加熱による酸化膜形成装置(以下、か
かる形式の酸化膜形成装置を、単に、酸化膜形成装置と
呼ぶ場合がある)を用いる急速高温酸化法(RTO:Ra
pid Thermal Oxidation)を挙げることができる。通
常、この酸化膜形成装置はコールドウオールタイプであ
る。それ故、湿式酸化法にこのRTO法を適用した場
合、酸化膜形成装置内部の温度が低下したとき、酸化膜
形成装置内に導入された水蒸気が結露するといった問題
が生じることがあり、酸化膜形成装置を用いたRTO法
に基づく湿式酸化法を実現することは困難な場合があ
る。
【0010】従って、本発明の目的は、高い膜厚均一性
を有する非常に薄いシリコン酸化膜を確実に形成するこ
とができ、しかも、従来の乾式酸化法よりも電気的信頼
性の高いゲート酸化膜を形成することができるシリコン
酸化膜の形成方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明のシリコン酸化膜の形成方法は、(イ)乾燥
酸素ガスを含む雰囲気中で、シリコン層の表面にシリコ
ン酸化膜を形成する工程と、(ロ)水蒸気を含む雰囲気
中で該シリコン酸化膜を熱処理する工程、から成ること
を特徴とする。
【0012】工程(ロ)を経た後の最終的なシリコン酸
化膜の膜厚は、半導体装置に要求される所定の厚さとす
ればよい。但し、現在、半導体装置の製造に用いられて
いるシリコン半導体基板の面方位は殆どの場合(10
0)であり、如何にシリコン半導体基板の表面を平滑化
しても(100)シリコンの表面には必ずステップと呼
ばれる段差が形成される。このステップは通常シリコン
原子1層分であるが、場合によっては2〜3層分の段差
が形成されることがある。従って、工程(ロ)を経た後
のシリコン酸化膜の膜厚は、シリコン層として(10
0)シリコン半導体基板を用いる場合、1nm以上とす
ることが好ましい。
【0013】本発明のシリコン酸化膜の形成方法におい
ては、前記工程(ロ)においてシリコン酸化膜の膜厚が
増加するような温度及び時間条件で熱処理を行ってもよ
いが、シリコン酸化膜の高精度の膜厚制御といった観点
からは、工程(イ)において形成されたシリコン酸化膜
の膜厚増加が偏光解析法(所謂エリプソメトリ)による
測定では検出できない温度下にて、前記工程(ロ)の熱
処理(以下、第1の熱処理と呼ぶ場合がある)を行うこ
とが好ましい。ここで、偏光解析法とは、光を同一光路
の2つの振動成分に分割し、入射光と反射光の偏光状態
を知ることから薄膜の厚さを測定する技術であり、かか
る偏光解析法を適用した膜厚測定装置はエリプソメータ
と呼ばれている。尚、例えば電子顕微鏡等で検出し得る
膜厚増加(例えば0.1nm以下の膜厚増加)が生じて
いても、第1の熱処理においてシリコン酸化膜の膜厚増
加は生じていないとする。偏光解析法による測定では検
出できないシリコン酸化膜の膜厚増加とは、用いる測定
装置の分解能にも依るが、例えば0.1nm以下程度の
膜厚増加である。具体的には、第1の熱処理における温
度の上限値は、550゜C、好ましくは500゜C、よ
り好ましくは400゜Cである。第1の熱処理における
温度の下限値は、枚葉式あるいはバッチ式のシリコン酸
化膜成膜装置の処理室(酸化炉)内で水蒸気が結露しな
い温度、好ましくは100゜Cである。前記工程(ロ)
における水蒸気を、水素ガスの燃焼、純水の加熱、並び
に、酸素ガス又は不活性ガスによる加熱純水のバブリン
グの内の少なくとも1種の方法にて生成させることが好
ましい。尚、工程(ロ)における雰囲気中には、窒素ガ
ス、アルゴンガス、ヘリウムガスといった不活性ガスが
含まれていてもよい。工程(イ)と工程(ロ)は同じ装
置内で実行してもよいし、異なる装置内で実行してもよ
い。
【0014】前記工程(イ)におけるシリコン酸化膜の
形成は、バッチ式のシリコン酸化膜成膜装置(炉アニー
ル装置)を用いて行ってもよいが、例えば、赤外線や可
視光を発するランプを備えたランプ加熱による枚葉式の
酸化膜形成装置を用いた急速高温酸化法にて行うこと
が、一層薄いシリコン酸化膜を短時間で形成できるとい
った観点から、好ましい。急速高温酸化法においては、
数十゜C/秒以上の温度上昇速度が得られる。工程
(イ)におけるシリコン酸化膜の形成雰囲気は、乾燥酸
素ガス100%の雰囲気であってもよい。あるいは又、
乾燥酸素ガスを含む乾燥不活性ガス(例えば、窒素ガス
やアルゴンガス、ヘリウムガス)雰囲気であってもよい
し、塩酸(HCl)を含む乾燥酸素ガス雰囲気、塩酸
(HCl)及び乾燥酸素ガスを含む不活性ガス雰囲気で
あってもよく、これらの場合には、乾燥酸素ガス濃度
は、シリコン酸化膜の形成速度(酸化速度)に基づき、
適宜決定すればよい。
【0015】形成されたシリコン酸化膜の特性を一層向
上させるために、本発明のシリコン酸化膜の形成方法に
おいては、工程(ロ)の後、形成されたシリコン酸化膜
に第2の熱処理を施すことが好ましい。尚、第1の熱処
理とその後の第2の熱処理とを同じ装置内で実行しても
よいし、異なる装置内で実行してもよいが、炉アニール
装置を用いることが好ましい。
【0016】尚、第2の熱処理の雰囲気を、ハロゲン元
素を含有する不活性ガス雰囲気とすることが望ましい。
シリコン酸化膜に対する第2の熱処理をハロゲン元素を
含有する不活性ガス雰囲気中で行うことによって、タイ
ムゼロ絶縁破壊(TZDB)特性及び経時絶縁破壊(T
DDB)特性に優れたシリコン酸化膜を得ることができ
る。不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、アルゴン
ガス、ヘリウムガスを挙げることができる。また、ハロ
ゲン元素として、塩素、臭素、フッ素を挙げることがで
きるが、なかでも塩素であることが望ましい。不活性ガ
ス中に含有されるハロゲン元素の形態としては、例え
ば、塩化水素(HCl)、CCl4、C2HCl3、C
2、HBr、NF3を挙げることができる。不活性ガス
中のハロゲン元素の含有率は、分子又は化合物の形態を
基準として、0.001〜10容量%、好ましくは0.
005〜10容量%、更に好ましくは0.02〜10容
量%である。例えば塩化水素ガスを用いる場合、不活性
ガス中の塩化水素ガス含有率は0.02〜10容量%で
あることが望ましい。第2の熱処理の温度は、700〜
1200゜C、好ましくは700〜1000゜C、更に
好ましくは700〜950゜Cであることが望ましい。
【0017】第2の熱処理を、ハロゲン元素を含有する
不活性ガス雰囲気を大気圧よりも減圧した状態で行って
もよい。この場合、第2の熱処理時の圧力は、1.3×
104Pa(100Torr)以下であることが好まし
い。圧力の下限は、シリコン酸化膜を熱処理するための
装置に依存するが、出来る限り低いことが望ましい。
【0018】尚、第2の熱処理後、シリコン酸化膜を窒
化処理してもよい。この場合、窒化処理を、N2Oガ
ス、NOガス、NO2ガス雰囲気中で行うことが望まし
いが、中でもN2Oガス雰囲気中で行うことが望まし
い。あるいは又、窒化処理をNH3ガス、N24、ヒド
ラジン誘導体雰囲気中で行い、その後、N2Oガス、O2
雰囲気中でアニール処理を行うことが望ましい。窒化処
理を700乃至1200゜C、好ましくは800乃至1
150゜C、更に好ましくは900乃至1100゜Cの
温度で行うことが望ましく、この場合、シリコン半導体
基板の加熱を赤外線照射や炉アニール処理によって行う
ことが好ましい。
【0019】あるいは又、第2の熱処理の雰囲気を、窒
素系ガス雰囲気としてもよい。ここで窒素系ガスとし
て、N2、NH3、N2O、NO2を例示することができ
る。
【0020】尚、シリコン層とは、シリコン半導体基板
等の基板そのものだけでなく、基板の上に形成されたエ
ピタキシャルシリコン層、多結晶シリコン層、あるいは
非晶質シリコン層、所謂張り合わせ法やSIMOX法に
基づき製造されたSOI構造におけるシリコン層、更に
は、基板やこれらの層に半導体素子や半導体素子の構成
要素が形成されたもの等、シリコン酸化膜を形成すべき
シリコン層を意味する。シリコン半導体基板の作製方法
は、CZ法、MCZ法、DLCZ法、FZ法等、如何な
る方法であってもよいし、また、予め高温の水素アニー
ル処理を行い結晶欠陥を除去したものでもよい。
【0021】本発明のシリコン酸化膜の形成方法は、例
えばMOS型トランジスタのゲート酸化膜、層間絶縁膜
や素子分離領域の形成、トップゲート型若しくはボトム
ゲート型薄膜トランジスタのゲート酸化膜の形成、フラ
ッシュメモリのトンネル酸化膜の形成等、各種半導体装
置におけるシリコン酸化膜の形成に適用することができ
る。
【0022】本発明のシリコン酸化膜の形成方法におい
ては、先ず、乾燥酸素ガスを含む雰囲気中で、シリコン
層の表面にシリコン酸化膜を形成する。即ち、所謂乾式
酸化法を実行する。この工程においては、酸化種である
酸素分子のシリコン酸化膜中における拡散速度は、水分
子と比較して遅い。それ故、工程(イ)におけるシリコ
ン層の酸化速度は、同一酸化温度での湿式酸化法と比較
して遅い。その結果、薄いシリコン酸化膜を形成する場
合にあっても、均一な膜厚を有するシリコン酸化膜を制
御性良く形成することができる。また、乾燥酸素ガスを
含む雰囲気中でシリコン層の表面にシリコン酸化膜を形
成するが故に、RTO法に基づくシリコン層の酸化が可
能となる。
【0023】しかしながら、工程(イ)において形成さ
れたシリコン酸化膜中には、酸素空孔あるいは酸素欠損
と呼ばれる未酸化のSi−Si結合やシリコンダングリ
ングボンド(Si・)が存在し、あるいは又、シリコン
酸化膜/シリコン層の界面に構造的な歪み(圧縮応力及
び引っ張り応力)が残留している。ところで、工程
(ロ)においては、水蒸気を含む雰囲気中でシリコン酸
化膜に第1の熱処理を施す。これによって、シリコン酸
化膜中に水分子が導入され、シリコン酸化膜中の水分子
による酸化反応によって、シリコンダングリングボンド
(Si・)が終端されてSi−OH結合が形成される。
その結果、上記の酸素欠損やシリコンダングリングボン
ドが消滅する。
【0024】尚、工程(ロ)の後、形成されたシリコン
酸化膜に対してハロゲン元素を含有する不活性ガス雰囲
気中で第2の熱処理を施せば、シリコン酸化膜中の水分
子による酸化反応に基づく酸素空孔の消滅、シリコン酸
化膜/シリコン層の界面におけるシリコンダングリング
ボンドの終端(Si・+Cl→SiCl)、あるいは
又、脱水効果(SiOH+HCl→SiCl+H2O)
等によって、シリコン酸化膜中から信頼性を低下させる
因子が更に排除され、極めて望ましいシリコン酸化膜が
形成される。
【0025】尚、工程(イ)において形成されたシリコ
ン酸化膜の膜厚増加が偏光解析法による測定では検出で
きない温度下にて第1の熱処理を行えば、第1の熱処理
においてシリコン酸化膜の実質的な膜厚増加が無く、高
い膜厚精度を有するシリコン酸化膜を形成することがで
きる。
【0026】
【実施例】以下、図面を参照して、実施例に基づき本発
明を説明する。
【0027】(実施例1)実施例1においては、シリコ
ン層をシリコン半導体基板から構成した。形成されたシ
リコン酸化膜はゲート酸化膜として機能する。実施例1
においては、乾燥酸素ガス雰囲気中でシリコン層の表面
にシリコン酸化膜を形成する。このシリコン酸化膜の形
成は、図2に模式図を示すバッチ式の縦型方式のシリコ
ン酸化膜成膜装置を用いて行った。そして、この工程に
おいて形成されたシリコン酸化膜の膜厚増加が偏光解析
法による測定では検出できない温度下にて、水素ガスの
燃焼にて生成した水蒸気を含む雰囲気中でシリコン酸化
膜に第1の熱処理を施した。即ち、パイロジェニック酸
化法と同様の方法で水蒸気を生成させた。更には、水蒸
気を含む雰囲気中でシリコン酸化膜に第1の熱処理を施
した後、形成されたシリコン酸化膜に対して、ハロゲン
元素を含有する不活性ガス雰囲気(具体的には、塩化水
素を含む窒素ガス雰囲気)中で第2の熱処理(炉アニー
ル処理)を施した。尚、実施例1においては、シリコン
酸化膜の形成、第1の熱処理及び第2の熱処理を同一の
シリコン酸化膜成膜装置を用いて行った。以下、図1、
図2〜図5及び図8を参照して、実施例1のシリコン酸
化膜の形成方法を説明する。
【0028】図2に模式図を示すように、この縦型方式
のシリコン酸化膜成膜装置は、石英製の二重管構造の処
理室20と、処理室20へ水蒸気等を導入するためのガ
ス導入部22と、処理室20からガスを排気するガス排
気部23と、SiCから成る円筒状の均熱管26を介し
て処理室20内を所定の雰囲気温度に保持するためのヒ
ータ24と、基板搬入出部27と、基板搬入出部27へ
窒素ガスを導入するためのガス導入部28と、基板搬入
出部27からガスを排気するガス排気部29と、処理室
20と基板搬入出部27とを仕切るシャッター25と、
シリコン半導体基板10を処理室20内に搬入出するた
めのエレベータ機構30から構成されている。エレベー
タ機構30には、シリコン半導体基板10を載置するた
めの石英ボート31が取り付けられている。シリコン半
導体基板10の温度は、測定原理が偏光解析法(所謂エ
リプソメトリ)に基づくエリプソメータ(図示せず)に
よって測定される。また、燃焼室32に供給された水素
ガスを酸素ガスと燃焼室32内で高温にて混合し、燃焼
させることによって、水蒸気を生成させる。かかる水蒸
気は、配管33、ガス流路21及びガス導入部22を介
して処理室20内に供給される。尚、ガス流路21は二
重管構造の処理室20の外側部分に位置する。
【0029】[工程−100]先ず、シリコン半導体基
板10に、公知の方法でLOCOS構造を有する素子分
離領域11を形成し、ウエルイオン注入、チャネルスト
ップイオン注入、閾値調整イオン注入を行う。尚、素子
分離領域はトレンチ構造を有していてもよい。その後、
RCA洗浄によりシリコン半導体基板10の表面の微粒
子や金属不純物を除去し、次いで、0.1%フッ化水素
酸水溶液によりシリコン半導体基板10の表面洗浄を行
い、シリコン半導体基板10の表面を露出させる(図1
の(A)参照)。尚、シリコン半導体基板10の表面は
大半が水素で終端しており、一部がフッ素で終端されて
いるので、シリコン半導体基板10を大気中に放置して
も、シリコン酸化膜が生成することはない。
【0030】[工程−110]次に、シリコン半導体基
板を、図2に示したシリコン酸化膜成膜装置の基板搬入
出部27に図示しない扉から搬入し、石英ボート31に
載置する(図3の(A)参照)。尚、処理室20へガス
導入部22から窒素ガスを導入し、処理室20内を窒素
ガス等の不活性ガス雰囲気とし(減圧雰囲気であっても
よい)、且つ、均熱管26を介してヒータ24によって
処理室20内の雰囲気温度を850゜Cに保持する。
尚、この状態においては、シャッター25は閉じてお
く。
【0031】[工程−120]そして、基板搬入出部2
7へのシリコン半導体基板の搬入が完了した後、図示し
ない扉を閉め、基板搬入出部27にガス導入部28から
窒素ガスを導入し、ガス排気部29から排出し、基板搬
入出部27内を窒素ガス雰囲気とする。尚、基板搬入出
部27内の酸素ガス濃度をモニターし、酸素ガス濃度が
例えば20ppm以下となったならば、基板搬入出部2
7内が十分に窒素ガス雰囲気となったと判断する。その
後、シャッター25を開き(図3の(B)参照)、エレ
ベータ機構30を作動させて石英ボート31を上昇さ
せ、シリコン半導体基板10を石英製の二重管構造の処
理室20内に搬入する(図4の(A)参照)。エレベー
タ機構30が最上昇位置に辿り着くと、石英ボート31
の基部によって処理室20と基板搬入出部27との間は
連通しなくなる。
【0032】[工程−130]次いで、処理室20内に
ガス導入部22から100%乾燥酸素ガスを導入する。
酸化時間を5分とした。これによって、シリコン層(実
施例1においては、シリコン半導体基板10の表面)に
厚さ3nmのシリコン酸化膜12が形成された(図1の
(B)及び図4の(B)参照)。尚、このときのシリコ
ン酸化膜の構造の概念図を図8の(A)に示すが、シリ
コン酸化膜には、「Si−Si」結合といった酸素空孔
や「Si・」といったシリコンダングリングボンド等の
欠陥が含まれている。
【0033】[工程−140]その後、処理室20内へ
の乾燥酸素ガスの供給を中止し、不活性ガス(窒素ガ
ス)をガス導入部22から処理室20内に供給しなが
ら、シリコン酸化膜成膜装置の処理室20内の雰囲気温
度をヒータ24の制御によって400゜Cとする。そし
て、処理室20内のシリコン半導体基板10の温度が4
00゜Cとなった後(即ち、形成されたシリコン酸化膜
の膜厚増加が偏光解析法によるエリプソメータの測定で
は検出できない温度となったならば)、この温度に処理
室20を保持した状態にて、実施例1においては、75
0゜Cに保持された燃焼室32内に水素ガス:酸素ガス
を1:4の割合で導入して水素ガスを燃焼させ、燃焼室
32内で生成した水蒸気を配管33、ガス流路21及び
ガス導入部22を介して処理室20内に供給する。そし
て、400゜C×5分間、シリコン酸化膜12に第1の
熱処理を施した(図1の(C)及び図5の(A)参
照)。尚、このときのシリコン酸化膜の構造の概念図を
図8の(B)に示すが、シリコン酸化膜に発生していた
シリコンダングリングボンドは「OH」で終端され、ま
た、H2O分子を内部に含む状態となる。
【0034】[工程−150]次いで、水蒸気の供給を
中止し、窒素ガスをガス導入部22から処理室20内に
導入しつつ、処理室20の雰囲気温度をヒータ24によ
って850゜Cまで昇温させる。その後、例えば塩化水
素を0.1容量%含有する窒素ガスをガス導入部22か
ら処理室20内に導入し、30分間、第2の熱処理を行
った(図1の(D)及び図5の(B)参照)。尚、この
ときのシリコン酸化膜の構造の概念図を図8の(C)に
示すが、酸素空孔は「Si−O−Si」結合に置き換わ
り、また、「Si−OH」結合は安定した[Si−C
l」結合に置き換わり、極めて特性に優れたシリコン酸
化膜が形成される。
【0035】[工程−160]以上により、シリコン半
導体基板の表面におけるシリコン酸化膜12の形成が完
了する。以降、処理室20内を窒素ガス雰囲気とし、エ
レベータ機構30を動作させて石英ボート31を下降さ
せ、次いで、基板搬入出部27からシリコン半導体基板
を搬出する。
【0036】(実施例2)実施例1においては、シリコ
ン酸化膜の形成をバッチ式の縦型方式のシリコン酸化膜
成膜装置を用いてシリコン酸化膜の形成を行った。一
方、実施例2においては、図6に概念図を示す赤外線ラ
ンプを備えた枚葉式のランプ加熱による酸化膜形成装置
(以下、単に、酸化膜形成装置と呼ぶ)を用いた急速高
温酸化法(RTO法)に基づきシリコン酸化膜の形成を
行った。尚、実施例2においても、水蒸気を含む雰囲気
中でシリコン酸化膜に第1の熱処理を施した後、形成さ
れたシリコン酸化膜に対してハロゲン元素を含有する不
活性ガス雰囲気(具体的には、塩化水素を含む窒素ガス
雰囲気)中で第2の熱処理を施したが、これらの第1の
熱処理及び第2の熱処理を実施例1と同様のシリコン酸
化膜成膜装置(炉アニール装置)を用いて行った。
【0037】実施例2にて使用した酸化膜形成装置の模
式図を、図6に示す。この酸化膜形成装置は、石英炉心
管から成る処理室40と、シリコン層に相当するシリコ
ン半導体基板10を加熱するための加熱手段である複数
の赤外線ランプ41とを備えている。赤外線ランプ41
は、処理室40の外側に配設されており、且つ、シリコ
ン層の表面と略平行に配設されている。シリコン層に相
当する例えばシリコン半導体基板10は、ウエハ台42
に載置され、処理室40の一端に設けられたゲートバル
ブ43を介して、処理室40内に搬入出される。酸化膜
形成装置には、配管46を介して処理室40へ酸素ガス
等を導入するためのガス導入部44と、処理室40から
ガスを排気するガス排気部45が更に備えられている。
尚、場合によっては、図7に模式図を示すように、赤外
線ランプ41の代わりに抵抗加熱ヒータ41Aを備えた
酸化膜形成装置を使用してもよい。
【0038】[工程−200]先ず、シリコン半導体基
板10に、実施例1と同様の方法で、素子分離領域等を
形成した後、RCA洗浄によりシリコン半導体基板の表
面の微粒子や金属不純物を除去し、次いで、0.1%フ
ッ化水素酸水溶液によりシリコン半導体基板10の表面
洗浄を行い、シリコン半導体基板10の表面を露出させ
る。
【0039】[工程−210]次に、ウエハ台42に載
置されたシリコン半導体基板10を、処理室40の一端
に設けられたゲートバルブ43を介して、処理室40内
に搬入する。尚、搬入前に、処理室40へガス導入部4
4から窒素ガスを導入し、処理室40内を窒素ガス等の
不活性ガス雰囲気としておく(減圧雰囲気であってもよ
い)。
【0040】[工程−220]そして、処理室40への
シリコン半導体基板10の搬入が完了した後、ゲートバ
ルブ43を閉じ、赤外線ランプ41を作動させて処理室
40内のシリコン半導体基板10の温度を800゜Cと
する。そして、処理室40内にガス導入部44から10
0%乾燥酸素ガスを導入する。これによって、シリコン
層(実施例2においては、シリコン半導体基板10の表
面)に厚さ1.5nmのシリコン酸化膜が形成された。
【0041】[工程−230]その後、赤外線ランプ4
1の動作を停止させ、ゲートバルブ43を開き、処理室
40からシリコン半導体基板10を搬出する。
【0042】[工程−240]次いで、シリコン半導体
基板10を実施例1にて説明した縦型方式のシリコン酸
化膜成膜装置の基板搬入出部27に図示しない扉から搬
入し、石英ボート31に載置する。尚、処理室20へガ
ス導入部22から窒素ガスを導入し、処理室20内を窒
素ガス等の不活性ガス雰囲気とし(減圧雰囲気であって
もよい)、且つ、均熱管26を介してヒータ24によっ
て処理室20内の雰囲気温度を400゜Cに保持する。
尚、この状態においては、シャッター25は閉じてお
く。そして、基板搬入出部27へのシリコン半導体基板
の搬入が完了した後、図示しない扉を閉め、基板搬入出
部27にガス導入部28から窒素ガスを導入し、ガス排
気部29から排出し、基板搬入出部27内を窒素ガス雰
囲気とする。尚、基板搬入出部27内の酸素ガス濃度を
モニターし、酸素ガス濃度が例えば20ppm以下とな
ったならば、基板搬入出部27内が十分に窒素ガス雰囲
気となったと判断する。その後、シャッター25を開
き、エレベータ機構30を作動させて石英ボート31を
上昇させ、シリコン半導体基板10を石英製の二重管構
造の処理室20内に搬入する。次いで、そして、シリコ
ン半導体基板10が400゜Cとなったならば(即ち、
形成されたシリコン酸化膜の膜厚増加が偏光解析法によ
るエリプソメータ(図示せず)の測定では検出できない
温度となったならば)、実施例1の[工程−140]と
同様に、燃焼室32内に水素ガス及び酸素ガスを導入し
て水素ガスを燃焼させ、燃焼室32内で生成した水蒸気
を配管33、ガス流路21及びガス導入部22を介して
処理室20内に供給し、400゜C×10分間、シリコ
ン酸化膜に第1の熱処理を施した。
【0043】[工程−250]次いで、実施例1の[工
程−150]と同様にして、例えば塩化水素を0.1容
量%含有する窒素ガス雰囲気中で30分間、第2の熱処
理をシリコン酸化膜に対して施した。以上により、シリ
コン半導体基板10の表面におけるシリコン酸化膜の形
成が完了する。以降、処理室20内を窒素ガス雰囲気と
し、エレベータ機構30を動作させて石英ボート31を
下降させ、次いで、基板搬入出部27からシリコン半導
体基板を搬出する。
【0044】以上、本発明を好ましい実施例に基づき説
明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。実施例にて説明した各種条件やシリコン酸化膜
成膜装置、ランプ加熱による酸化膜形成装置の構造は例
示であり、適宜変更することができる。水蒸気の生成方
法は、水素ガスの燃焼によるだけでなく、純水の加熱に
より発生した水蒸気、酸素ガス又は不活性ガスによって
加熱純水をバブリングすることで発生した水蒸気、ある
いはこれらの水蒸気生成方法を併用した方法とすること
ができる。実施例においては、専らシリコン半導体基板
の表面にシリコン酸化膜を形成したが、シリコン半導体
基板の製造工程においてCZ法やMCZ法にて製造され
たシリコン半導体基板の表面にエピタキシャル成長法に
て例えば厚さ10μmのエピタキシャルシリコン層を形
成したシリコン基板や、半導体装置の製造工程において
シリコン半導体基板表面に形成されたエピタキシャルシ
リコン層、基板の上に形成された絶縁層の上に成膜され
た多結晶シリコン層あるいは非晶質シリコン層等の表面
にシリコン酸化膜を形成することもできる。あるいは
又、SOI構造におけるシリコン層の表面にシリコン酸
化膜を形成してもよいし、更には、半導体素子や半導体
素子の構成要素が形成された基板やこれらの層の上に成
膜された下地絶縁層の上に形成されたシリコン層の表面
にシリコン酸化膜を形成してもよい。シリコン酸化膜形
成後の第2の熱処理は必須ではなく、場合によっては省
略することができる。
【0045】また、実施例1においては、シリコン酸化
膜の形成、第1の熱処理及び第2の熱処理をバッチ式の
縦型方式のシリコン酸化膜成膜装置を用いて行ったが、
シリコン酸化膜の形成をバッチ式の縦型方式のシリコン
酸化膜成膜装置を用いて行い、第1の熱処理及び第2の
熱処理のそれぞれを別のバッチ式の炉アニール装置を用
いて行うこともできる。一方、実施例2においては、第
1の熱処理及び第2の熱処理を実施例1と同様のシリコ
ン酸化膜成膜装置を用いて行ったが、その代わりに、こ
れらの熱処理のそれぞれを別のバッチ式の炉アニール装
置を用いて行うこともできる。
【0046】
【発明の効果】本発明のシリコン酸化膜の形成方法にお
いては、先ず、乾燥酸素ガスを含む雰囲気中で、シリコ
ン層の表面にシリコン酸化膜を形成するので、高い膜厚
精度を有し、しかも均一な膜厚のシリコン酸化膜をシリ
コン層に形成することができる。次いで、水蒸気を含む
雰囲気中でシリコン酸化膜に第1の熱処理を施すこと
で、所謂乾式酸化法によってシリコン酸化膜中に生成し
た酸素空孔等の信頼性を低下させる因子がシリコン酸化
膜中から排除され、極めて望ましい特性を有するシリコ
ン酸化膜が形成される。それ故、チャネル移動度の低下
を防止でき、MOS型トランジスタ素子の駆動電流の劣
化が生じ難く、また、フラッシュメモリ等でデータリテ
ンション特性の劣化を引き起こすストレスリーク現象の
発生を抑制することができ、長期信頼性に優れた極薄の
例えばゲート酸化膜の形成が可能となる。尚、シリコン
酸化膜の膜厚増加が偏光解析法による測定では検出でき
ない温度下にて第1の熱処理を行えば、高い膜厚精度を
有するシリコン酸化膜を形成することができる。更に
は、形成されたシリコン酸化膜に、更に、ハロゲン元素
を含有する不活性ガス雰囲気での第2の熱処理を施せ
ば、タイムゼロ絶縁破壊(TZDB)特性及び経時絶縁
破壊(TDDB)特性に優れた、一層好ましい電気的特
性を有するシリコン酸化膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシリコン酸化膜の形成方法を説明する
ためのシリコン半導体基板等の模式的な一部断面図であ
る。
【図2】実施例1にて用いたバッチ式の縦型方式のシリ
コン酸化膜成膜装置の模式図である。
【図3】実施例1におけるシリコン酸化膜の形成方法を
説明するためのシリコン酸化膜成膜装置等の概念図であ
る。
【図4】図3に引き続き、実施例1におけるシリコン酸
化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成膜装
置等の概念図である。
【図5】図4に引き続き、実施例1におけるシリコン酸
化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成膜装
置等の概念図である。
【図6】実施例2にて用いた枚葉式のランプ加熱による
酸化膜形成装置の模式図である。
【図7】別の形式の枚葉式のアニール装置の模式図であ
る。
【図8】本発明のシリコン酸化膜の形成方法の各工程に
て形成されるシリコン酸化膜の構造の概念図である。
【符号の説明】
10・・・シリコン半導体基板、11・・・素子分離領
域、12・・・シリコン酸化膜、20・・・処理室、2
1・・・ガス流路、22・・・ガス導入部、23・・・
ガス排気部、24・・・ヒータ、25・・・シャッタ
ー、26・・・均熱管、27・・・基板搬入出部、28
・・・ガス導入部、29・・・ガス排気部、30・・・
エレベータ機構、31・・・石英ボート、32・・・燃
焼室、33,46・・・配管、40・・・処理室、41
・・・赤外線ランプ、42・・・ウエハ台、43・・・
ゲートバルブ、44・・・ガス導入部、45・・・ガス
排気部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)乾燥酸素ガスを含む雰囲気中で、シ
    リコン層の表面にシリコン酸化膜を形成する工程と、 (ロ)水蒸気を含む雰囲気中で該シリコン酸化膜を熱処
    理する工程、から成ることを特徴とするシリコン酸化膜
    の形成方法。
  2. 【請求項2】工程(イ)において形成されたシリコン酸
    化膜の膜厚増加が偏光解析法による測定では検出できな
    い温度下にて、前記工程(ロ)の熱処理を行うことを特
    徴とする請求項1に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  3. 【請求項3】前記工程(ロ)における水蒸気を、水素ガ
    スの燃焼、純水の加熱、並びに、酸素ガス又は不活性ガ
    スによる加熱純水のバブリングの内の少なくとも1種の
    方法にて生成させることを特徴とする請求項1に記載の
    シリコン酸化膜の形成方法。
  4. 【請求項4】前記工程(イ)におけるシリコン酸化膜の
    形成を、ランプ加熱による酸化膜形成装置を用いた急速
    高温酸化法にて行うことを特徴とする請求項1に記載の
    シリコン酸化膜の形成方法。
  5. 【請求項5】工程(ロ)の後、形成されたシリコン酸化
    膜に第2の熱処理を施すことを特徴とする請求項1に記
    載のシリコン酸化膜の形成方法。
  6. 【請求項6】第2の熱処理の雰囲気は、ハロゲン元素を
    含有する不活性ガス雰囲気であることを特徴とする請求
    項5に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  7. 【請求項7】ハロゲン元素は塩素であることを特徴とす
    る請求項6に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
  8. 【請求項8】塩素は塩化水素の形態であり、不活性ガス
    中に含有される塩化水素の濃度は0.02乃至10容量
    %であることを特徴とする請求項7に記載のシリコン酸
    化膜の形成方法。
  9. 【請求項9】第2の熱処理は700乃至950゜Cの温
    度で行われることを特徴とする請求項5に記載のシリコ
    ン酸化膜の形成方法。
  10. 【請求項10】第2の熱処理は炉アニール処理であるこ
    とを特徴とする請求項9に記載のシリコン酸化膜の形成
    方法。
  11. 【請求項11】シリコン層は、基板上に形成されたエピ
    タキシャルシリコン層から成ることを特徴とする請求項
    1に記載のシリコン酸化膜の形成方法。
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