JPH10163187A - シリコン酸化膜成膜装置及びシリコン酸化膜形成方法 - Google Patents

シリコン酸化膜成膜装置及びシリコン酸化膜形成方法

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JPH10163187A
JPH10163187A JP33506696A JP33506696A JPH10163187A JP H10163187 A JPH10163187 A JP H10163187A JP 33506696 A JP33506696 A JP 33506696A JP 33506696 A JP33506696 A JP 33506696A JP H10163187 A JPH10163187 A JP H10163187A
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oxide film
substrate
silicon oxide
gas
silicon
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JP33506696A
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Akihide Kashiwagi
章秀 柏木
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成する
際、シリコン層の表面にドライ酸化膜を形成することな
く、特性の優れたシリコン酸化膜を形成するためのシリ
コン酸化膜成膜装置を提供する。 【解決手段】シリコン酸化膜成膜装置は、(イ)シリコ
ン層を有する基板を収納し、シリコン層にシリコン酸化
膜を形成するための処理室10と、(ロ)基板を収納し
た状態における基板搬入出部20内を非酸化性ガス雰囲
気とするための非酸化性ガス導入部21、及び、ガス排
気部22が配設され、基板を処理室10に搬入出するた
めの基板搬入出部と、(ハ)処理室10と基板搬入出部
20との間に設けられたシャッター15を備え、基板搬
入出部20内の非酸化性ガス雰囲気温度を、処理室10
から基板搬入出部20内に流入する湿式ガスがシリコン
層上で結露せず且つシリコン層の表面からシリコン原子
が脱離しない温度とする加熱手段25が備えられてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置を製造
する際に用いるシリコン酸化膜成膜装置、及び半導体装
置の製造におけるシリコン酸化膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばMOS型半導体装置の製造におい
ては、シリコン酸化膜から成るゲート酸化膜をシリコン
半導体基板の表面に形成する必要がある。また、薄膜ト
ランジスタ(TFT)の製造においても、絶縁性基板の
上に設けられたシリコン層の表面にシリコン酸化膜から
成るゲート酸化膜を形成する必要がある。このようなシ
リコン酸化膜は、半導体装置の信頼性を担っているとい
っても過言ではない。従って、シリコン酸化膜には常に
高い絶縁破壊耐圧及び長期信頼性が要求される。
【0003】例えばMOS型半導体装置を製造する場
合、従来、ゲート酸化膜を成膜する前に、NH4OH/
22水溶液で洗浄し更にHCl/H22水溶液で洗浄
するというRCA洗浄によりシリコン半導体基板の表面
を洗浄して、その表面から微粒子や金属不純物を除去す
る。ところで、RCA洗浄を行うと、シリコン半導体基
板の表面は洗浄液と反応し、厚さ0.5〜1nm程度の
シリコン酸化膜が形成される。かかるシリコン酸化膜の
膜厚は不均一であり、しかも、シリコン酸化膜中には洗
浄液成分が残留する。そこで、フッ化水素酸水溶液にシ
リコン半導体基板を浸漬して、かかるシリコン酸化膜を
除去し、シリコン半導体基板の清浄な表面を露出させ
る。その後、かかるシリコン半導体基板をシリコン酸化
膜成膜装置の処理室(酸化炉)内に搬入して、シリコン
半導体基板の表面にシリコン酸化膜を形成する。フッ化
水素酸水溶液による洗浄後のシリコン半導体基板の表面
は、大半が水素で終端しており、一部がフッ素で終端さ
れている。
【0004】シリコン酸化膜成膜装置としては、ゲート
酸化膜の薄膜化及び基板の大口径化に伴い、石英製の処
理室(酸化炉)を水平に保持した横型方式から垂直に保
持した縦型方式のシリコン酸化膜成膜装置への移行が進
んでいる。これは、縦型方式のシリコン酸化膜成膜装置
の方が、横型方式のシリコン酸化膜成膜装置よりも、基
板の大口径化に対処し易いばかりか、シリコン半導体基
板を処理室中に搬入する際の大気の巻き込みによって生
成するシリコン酸化膜(以下、かかるシリコン酸化膜を
自然酸化膜と呼ぶ)を低減することができるからであ
る。しかしながら、縦型のシリコン酸化膜成膜装置を用
いる場合であっても、2nm厚程度の自然酸化膜がシリ
コン半導体基板の表面に形成されてしまう。そのため、
(1)シリコン酸化膜成膜装置に配設された基板搬入出
部に大量の窒素ガスを流して窒素ガス雰囲気とする方法
(窒素ガスパージ方式)、(2)一旦、基板搬入出部内
を真空とした後、窒素ガス等で基板搬入出部内を置換し
て大気を排除する方法(真空ロードロック方式)等を採
用し、出来る限り自然酸化膜の形成を抑制する方法が提
案されている。
【0005】ゲート酸化膜の形成には、高温に保持され
た処理室中に高純度の水蒸気を導入することによってシ
リコン半導体基板の表面を熱酸化する方法(湿式酸化
法)が採用されており、高純度の酸素によってシリコン
半導体基板表面を酸化する方法(乾式酸化法)よりも、
電気的信頼性の高いゲート酸化膜を形成することができ
る。この湿式酸化法の1つに、水素ガスと酸素ガスとを
高温で混合し、燃焼させることによって生成した水蒸気
を用いるパイロジェニック酸化法(水素燃焼酸化法とも
呼ばれる)があり、多く採用されている。
【0006】従来の縦型のシリコン酸化膜成膜装置の概
念図を図6に示す。この縦型のシリコン酸化膜成膜装置
は、石英製の二重管構造の処理室10と、処理室10へ
水蒸気等を導入するためのガス導入部12と、処理室1
0からガスを排気するガス排気部13と、SiCから成
る円筒状の均熱管16を介して処理室10内を所定の雰
囲気温度に保持するためのヒータ14と、基板搬入出部
20と、基板搬入出部20へ窒素ガスを導入するための
ガス導入部21Aと、基板搬入出部20からガスを排気
するガス排気部22と、処理室10と基板搬入出部20
とを仕切るシャッター15と、シリコン半導体基板を処
理室10内に搬入出するためのエレベータ機構23から
構成されている。エレベータ機構23には、シリコン半
導体基板を載置するための石英ボート24が取り付けら
れている。また、燃焼室30に供給された水素ガス及び
酸素ガスを、燃焼室30内で高温にて混合し、燃焼する
ことによって、水蒸気が生成する。かかる水蒸気は、配
管31、ガス流路11及びガス導入部12を介して処理
室10内に供給される。尚、ガス流路11は二重管構造
の処理室10の外側部分に位置する。
【0007】図6に示した従来の縦型のシリコン酸化膜
成膜装置を使用した、パイロジェニック酸化法に基づく
従来のシリコン酸化膜の形成方法の概要を、図7〜図9
を参照して、以下、説明する。
【0008】[工程−10]処理室10へガス導入部1
2から窒素ガスを導入し、処理室10内を窒素ガス雰囲
気とし、且つ、均熱管16を介してヒータ14によって
処理室10内の雰囲気温度を700〜800゜Cに保持
する。尚、この状態においては、シャッター15は閉じ
ておく(図7の(A)参照)。基板搬入出部20は大気
に解放された状態である。
【0009】[工程−20]そして、基板搬入出部20
にシリコン半導体基板40を搬入し、石英ボート24に
シリコン半導体基板40を載置する。基板搬入出部20
へのシリコン半導体基板40の搬入が完了した後、図示
しない扉を閉め、基板搬入出部20にガス導入部21A
から窒素ガスを導入し、ガス排出部22から排出し、基
板搬入出部20内を窒素ガス雰囲気とする(図7の
(B)参照)。基板搬入出部20内の雰囲気温度は室温
である。
【0010】[工程−30]基板搬入出部20内が十分
に窒素ガス雰囲気となった時点で、シャッター15を開
き(図8の(B)参照)、エレベータ機構23を作動さ
せて石英ボート24を上昇させ、シリコン半導体基板4
0を処理室10内に搬入する(図9の(A)参照)。エ
レベータ機構23が最上昇位置に辿り着くと、石英ボー
ト24の基部によって処理室10と基板搬入出部20と
の間は連通しなくなる構造となっている。
【0011】シャッター15を開く前に、処理室10内
を窒素ガス雰囲気のままにしておくと、以下の問題が生
じる。即ち、フッ化水素酸水溶液で表面を露出させたシ
リコン半導体基板を高温の窒素ガス雰囲気中に搬入する
と、シリコン半導体基板40の表面に荒れが生じる。こ
の現象は、フッ化水素酸水溶液での洗浄によってシリコ
ン半導体基板40の表面に形成されたSi−H結合が、
水素の昇温脱離によって失われ、シリコン半導体基板4
0の表面にエッチング現象が生じることに起因する。ア
ルゴンガス中でシリコン半導体基板を600゜C以上に
昇温するとシリコン半導体基板の表面に激しい凹凸が生
じることが、培風館発行、大見忠弘著「ウルトラクリー
ンULSI技術」、第21頁に記載されている。このよ
うな現象を抑制するために、シャッター15を開く前
に、例えば、0.5容量%程度の酸素ガスを含んだ窒素
ガスをガス導入部12から処理室10内に導入し、処理
室10内を0.5容量%程度の酸素ガスを含んだ窒素ガ
ス雰囲気とする(図8の(A)参照)。
【0012】[工程−40]その後、処理室10内の雰
囲気温度を800〜900゜Cとし、水素ガスと酸素ガ
スとを燃焼室30内で高温にて混合し、燃焼することに
よって生成した水蒸気を、配管31、ガス流路11及び
ガス導入部12を介して処理室10へ導入し、ガス排気
部13から排気する(図9の(B)参照)。これによっ
て、シリコン半導体基板40の表面にシリコン酸化膜が
形成される。尚、水蒸気を処理室10へ導入する前に、
不完全燃焼した水素ガスが処理室10内に導入されるこ
とによって爆鳴気反応が生じることを防止するために、
ガス導入部12から酸素ガスを処理室10内に導入する
必要がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】シャッター15を開く
前に、0.5容量%程度の酸素ガスを含んだ窒素ガスを
ガス導入部12から処理室10内に導入し、処理室10
内を0.5容量%程度の酸素ガスを含んだ窒素ガス雰囲
気とすることによって(図8の(A)参照)、シリコン
半導体基板の表面に凹凸が形成される現象を抑制するこ
とができる。しかしながら、処理室10内に酸素ガスが
導入されるが故に、処理室10内に搬入されたシリコン
半導体基板の表面に、シリコン酸化膜が形成される。か
かるシリコン酸化膜は、本質的には、所謂、乾式酸化に
よって形成されたシリコン酸化膜(ドライ酸化膜と呼
ぶ)であり、湿式酸化法にて形成されたシリコン酸化膜
(ウェット酸化膜と呼ぶ)よりも特性が劣る。例えば、
処理室10内を800゜Cに保持し、0.5容量%の酸
素ガスを含んだ窒素ガスをガス導入部12から処理室1
0内に導入した状態でシリコン半導体基板を処理室10
内に搬入すると、シリコン半導体基板の表面には2nm
以上のドライ酸化膜が形成される。ゲート長0.18〜
0.13μmの半導体装置においては、4〜3nm厚さ
のゲート酸化膜が用いられることが予想されている。こ
のように、例えば4nm厚さのゲート酸化膜を形成しよ
うとした場合、厚さの5割以上がドライ酸化膜で占めら
れることになる。また、ウェット酸化膜の成膜のために
水蒸気を処理室10へ導入する前に、酸素ガスを処理室
10内にガス導入部12から導入することによっても、
シリコン半導体基板の表面にドライ酸化膜が形成され
る。
【0014】シャッター15を開く前に、配管31、ガ
ス流路11及びガス導入部12を介して水蒸気を処理室
10へ導入しておき、シャッター15を開き、処理室1
0内に半導体基板を搬入すれば、処理室10内に搬入さ
れたシリコン半導体基板の表面に、ドライ酸化膜を形成
することなく、ウェット酸化膜を形成することが可能に
なる。しかしながら、処理室10内に導入された水蒸気
が基板搬入出部20内に流入し、基板搬入出部20内あ
るいはシリコン層上で結露するという問題が生じる。シ
リコン層上での結露が発生すると、ウォーターマークが
生じたり、シリコン層に形成されるシリコン酸化膜の膜
厚が不均一になる原因となる。
【0015】尚、以上の問題は、シリコン半導体基板の
表面において生じるだけでなく、絶縁性基板等の上に設
けられたシリコン層の表面においても生じる問題であ
る。
【0016】従って、本発明の目的は、シリコン層の表
面にシリコン酸化膜を形成する際、シリコン層の表面に
ドライ酸化膜を形成することなく、特性の優れたシリコ
ン酸化膜を形成するためのシリコン酸化膜成膜装置、及
びシリコン酸化膜形成方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明のシリコン酸化膜成膜装置は、湿式ガスを用
いてシリコン層にシリコン酸化膜を形成するためのシリ
コン酸化膜成膜装置であって、(イ)シリコン層を有す
る基板を収納し、該シリコン層にシリコン酸化膜を形成
するための処理室と、(ロ)基板を収納した状態におけ
る基板搬入出部内を非酸化性ガス雰囲気とするための非
酸化性ガス導入部、及び、基板搬入出部内のガスを排気
するためのガス排気部が配設され、基板を処理室に搬入
出するための基板搬入出部と、(ハ)処理室と基板搬入
出部との間に設けられたシャッター、を備え、基板搬入
出部内の非酸化性ガス雰囲気温度を、処理室から基板搬
入出部内に流入する湿式ガスがシリコン層上で結露せ
ず、且つ、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離し
ない温度とするための加熱手段が備えられていることを
特徴とする。
【0018】加熱手段は、非酸化性ガス導入部から基板
搬入出部内に導入される前の非酸化性ガスを加熱するヒ
ータ等の加熱装置としてもよいし、基板搬入出部内の非
酸化性ガス雰囲気温度を制御するために基板搬入出部に
配設されたヒータ等の加熱装置としてもよい。尚、加熱
手段によって、基板搬入出部内の非酸化性ガス雰囲気温
度を100゜C以上300゜C以下に保持することが望
ましい。
【0019】上記の目的を達成するための湿式ガスを用
いてシリコン層にシリコン酸化膜を形成する本発明のシ
リコン酸化膜形成方法は、(イ)シリコン層を有する基
板を収納し、該シリコン層にシリコン酸化膜を形成する
ための処理室と、(ロ)基板を収納した状態における基
板搬入出部内を非酸化性ガス雰囲気とするための非酸化
性ガス導入部、及び、基板搬入出部内のガスを排気する
ためのガス排気部が配設され、基板を処理室に搬入出す
るための基板搬入出部と、(ハ)処理室と基板搬入出部
との間に設けられたシャッター、を備え、基板搬入出部
内の非酸化性ガス雰囲気温度を、処理室から基板搬入出
部内に流入する湿式ガスがシリコン層上で結露せず、且
つ、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離しない温
度とするための加熱手段を備えたシリコン酸化膜成膜装
置を用い、(A)シャッターを閉じた状態で基板搬入出
部に基板を収納した後、基板搬入出部内の雰囲気を、処
理室から基板搬入出部内に流入する湿式ガスがシリコン
層上で結露せず、且つ、シリコン層の表面からシリコン
原子が脱離しない温度の非酸化性ガス雰囲気とする工程
と、(B)処理室内を湿式ガス雰囲気とした状態でシャ
ッターを開き、基板搬入出部から処理室に基板を搬入す
る工程と、(C)処理室内で、湿式ガスを用いてシリコ
ン層にシリコン酸化膜を形成する工程、から成ることを
特徴とする。
【0020】本発明のシリコン酸化膜成膜装置あるいは
シリコン酸化膜形成方法においては、非酸化性ガスとし
て、窒素ガス又はアルゴンガスを用いることが好まし
い。
【0021】湿式ガスを用いてシリコン層にシリコン酸
化膜を形成する方法は、パイロジェニック酸化法(水素
燃焼酸化法とも呼ばれる)、純水の加熱により発生した
水蒸気による酸化法、並びに、酸素ガス又は不活性ガス
によって加熱純水をバブリングすることで発生した水蒸
気による酸化法の内の少なくとも1種の酸化法であるこ
とが好ましい。湿式ガスを用いた酸化法によってシリコ
ン酸化膜を形成するので、優れたタイムゼロ絶縁破壊
(TZDB)特性及び経時絶縁破壊(TDDB)特性を
有するシリコン酸化膜を得ることができる。尚、湿式ガ
スを用いた酸化法においては、湿式ガスを不活性ガスで
希釈してもよい。
【0022】ここで、シリコン層を有する基板とは、シ
リコン半導体基板等の基板そのものだけでなく、エピタ
キシャルシリコン層、多結晶シリコン層、あるいは非晶
質シリコン層がその上に形成された半導体基板、絶縁性
基板、若しくは半絶縁性基板、あるいは又、SOI構造
を有する基板、更には、基板やこれらの層に半導体素子
や半導体素子の構成要素が形成されたもの等、シリコン
酸化膜を形成すべきシリコン層を有する基板を意味す
る。シリコン半導体基板の作製方法は、CZ法、MCZ
法、DLCZ法、FZ法等、如何なる方法であってもよ
いし、また、予め高温の水素アニール処理を行い結晶欠
陥を除去したものでもよい。
【0023】本発明のシリコン酸化膜形成方法において
は、工程(C)におけるシリコン酸化膜形成時の雰囲気
温度は、600乃至1200゜C、好ましくは700乃
至1000゜C、更に好ましくは750乃至900゜C
であることが望ましい。尚、工程(B)において、処理
室内を湿式ガス雰囲気とした状態での雰囲気温度は、工
程(C)における雰囲気温度と同じとしてもよい。
【0024】あるいは又、工程(B)における処理室内
の雰囲気温度を、シリコン層の表面からシリコン原子が
脱離しない温度とし、工程(B)と工程(C)の間に、
(D−1)かかる雰囲気温度の処理室内で、湿式ガスを
用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリコン酸化
膜を形成する工程と、(D−2)雰囲気温度を工程
(C)におけるシリコン酸化膜形成時の雰囲気温度まで
昇温する工程の2工程を含ませることもできる。尚、雰
囲気温度を所望の温度まで昇温する工程(D−2)にお
ける雰囲気を、不活性ガス雰囲気若しくは減圧雰囲気と
するか、あるいは又、湿式ガスを含む酸化雰囲気とする
ことが望ましい。また、工程(B)及び工程(D−1)
におけるシリコン層の表面からシリコン原子が脱離しな
い温度は、1気圧にて測定した値であり、湿式ガスがシ
リコン層上で結露しない温度以上、好ましくは、300
゜C以上とすることが望ましい。工程(C)を経た後の
最終的なシリコン酸化膜の膜厚は、半導体装置に要求さ
れる所望の厚さとすればよい。このような雰囲気温度条
件の工程(B)、工程(D−1)、工程(D−2)を経
ることによって、フッ化水素酸水溶液での洗浄によって
シリコン層の表面に形成されたSi−H結合が水素の昇
温脱離によって失われる結果、シリコン層の表面にエッ
チング現象が生じ、シリコン層の表面が荒れる(凹凸と
なる)現象を回避することができる。ここで、工程(D
−1)を経た後のシリコン酸化膜の膜厚は、出来る限る
薄いことが好ましい。但し、現在、半導体装置の製造に
用いられているシリコン半導体基板の面方位は殆どの場
合(100)であり、如何にシリコン半導体基板の表面
を平滑化しても(100)シリコンの表面には必ずステ
ップと呼ばれる段差が形成される。このステップは通常
シリコン原子1層分であるが、場合によっては2〜3層
分の段差が形成されることがある。従って、工程(D−
1)を経た後のシリコン酸化膜の膜厚は、シリコン層と
して(100)シリコン半導体基板を用いる場合、1n
m以上とすることが好ましい。
【0025】本発明のシリコン酸化膜形成方法において
は、形成されたシリコン酸化膜の特性を一層向上させる
ために、工程(C)の後、形成されたシリコン酸化膜に
熱処理を施すことが好ましい。
【0026】この場合、熱処理の雰囲気を、ハロゲン元
素を含有する不活性ガス雰囲気とすることが望ましい。
ハロゲン元素を含有する不活性ガス雰囲気中でシリコン
酸化膜を熱処理することによって、タイムゼロ絶縁破壊
(TZDB)特性に優れたシリコン酸化膜を得ることが
できる。また、ハロゲン元素として、塩素、臭素、フッ
素を挙げることができるが、なかでも塩素であることが
望ましい。不活性ガス中に含有されるハロゲン元素の形
態としては、例えば、HCl、CCl4、C2HCl3
Cl2、HBr、NF3を挙げることができる。不活性ガ
ス中のハロゲン元素の含有率は、分子又は化合物の形態
を基準として、0.001〜10容量%、好ましくは
0.005〜10容量%、更に好ましくは0.02〜1
0容量%である。例えば塩酸ガスを用いる場合、不活性
ガス中の塩酸ガス含有率は0.02〜10容量%である
ことが望ましい。
【0027】熱処理を、ハロゲン元素を含有する不活性
ガス雰囲気を大気圧よりも減圧した状態で行ってもよ
い。熱処理時の圧力は、1.3×102Pa(1Tor
r)以下であることが好ましい。圧力の下限は、シリコ
ン酸化膜を熱処理するための装置に依存するが、出来る
限り低いことが望ましい。
【0028】尚、熱処理後、シリコン酸化膜を窒化処理
してもよい。この場合、窒化処理を、N2Oガス、NO
ガス、NO2ガス雰囲気中で行うことが望ましいが、中
でもN2Oガス雰囲気中で行うことが望ましい。あるい
は又、窒化処理をNH3ガス、N24、ヒドラジン誘導
体雰囲気中で行い、その後、N2Oガス、O2雰囲気中で
熱処理を行うことが望ましい。窒化処理を700乃至1
200゜C、好ましくは800乃至1150゜C、更に
好ましくは900乃至1100゜Cの温度で行うことが
望ましく、この場合、シリコン半導体基板の加熱を赤外
線照射、炉アニール処理によって行うことが好ましい。
【0029】あるいは又、熱処理の雰囲気を、窒素系ガ
ス雰囲気としてもよい。ここで窒素系ガスとして、
2、NH3、N2O、NO2を例示することができる。
【0030】尚、熱処理は、炉アニール処理であること
が望ましい。熱処理の温度は、700〜1200゜C、
好ましくは700〜1000゜C、更に好ましくは70
0〜950゜Cである。また、熱処理の時間は、5〜6
0分、好ましくは10〜40分、更に好ましくは20〜
30分である。熱処理における不活性ガスとしては、窒
素ガス、アルゴンガスを例示することができる。
【0031】本発明のシリコン酸化膜の形成方法は、例
えばMOS型トランジスタのゲート酸化膜、層間絶縁膜
や素子分離領域の形成、トップゲート型若しくはボトム
ゲート型薄膜トランジスタのゲート酸化膜の形成、フラ
ッシュメモリのトンネル酸化膜の形成等、各種半導体装
置におけるシリコン酸化膜の形成に適用することができ
る。
【0032】本発明においては、基板搬入出部に基板を
収納した後の基板搬入出部内の雰囲気を、処理室から基
板搬入出部内に流入する湿式ガスがシリコン層上で結露
せず、且つ、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離
しない温度の非酸化性ガス雰囲気とするので、処理室内
を湿式ガス雰囲気とした状態で、基板搬入出部から処理
室に基板を搬入する際に、処理室から基板搬入出部に流
入した湿式ガスがシリコン層上で結露することを確実に
防止することができる。しかも、シリコン層にドライ酸
化膜が形成されることがない。従って、優れた特性を有
するシリコン酸化膜を形成することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、発明の実
施の形態(以下、実施の形態と略称する)に基づき本発
明を説明する。
【0034】(実施の形態1)本発明のシリコン酸化膜
成膜装置の模式的な断面図を図1に示す。本発明の縦型
のシリコン酸化膜成膜装置は、シリコン層を有する基板
を収納し、シリコン層にシリコン酸化膜を形成するため
の石英製の二重管構造の処理室10と、基板を処理室に
搬入出するための基板搬入出部20と、処理室と基板搬
入出部との間に設けられそして処理室10と基板搬入出
部20とを仕切るシャッター15を備えている。本発明
の縦型のシリコン酸化膜成膜装置は、更に、処理室10
へ水蒸気等を導入するためのガス導入部12と、処理室
10からガスを排気するガス排気部13と、SiCから
成る円筒状の均熱管16を介して処理室10内を所定の
雰囲気温度に保持するためのヒータ14と、シリコン半
導体基板を処理室10内に搬出入するためのエレベータ
機構23から構成されている。エレベータ機構23に
は、シリコン半導体基板を載置するための石英ボート2
4が取り付けられている。また、燃焼室30に供給され
た水素ガス及び酸素ガスを、燃焼室30内で高温にて混
合し、燃焼することによって、水蒸気が生成する。かか
る水蒸気は、配管31、ガス流路11及びガス導入部1
2を介して処理室10内に供給される。尚、ガス流路1
1は二重管構造の処理室10の外側部分に位置する。
【0035】基板搬入出部20には、基板を収納した状
態における基板搬入出部20内を非酸化性ガス雰囲気
(実施の形態1においては、窒素ガス雰囲気)とするた
めの非酸化性ガス導入部21と、基板搬入出部20内の
ガスを排気するためのガス排気部22と、基板搬入出部
20内の非酸化性ガス雰囲気温度を、処理室10から基
板搬入出部20内に流入する湿式ガスがシリコン層上で
結露せず、且つ、シリコン層の表面からシリコン原子が
脱離しない温度とするための加熱手段25が備えられて
いる。加熱手段25は、実施の形態1においては、基板
搬入出部20内の非酸化性ガス雰囲気温度を100゜C
以上300゜C以下にするために、基板搬入出部20に
配設されたヒータから成る。
【0036】実施の形態1においては、シリコン層をシ
リコン半導体基板から構成した。形成されたシリコン酸
化膜はゲート酸化膜として機能する。湿式ガスを用いた
酸化法としてパイロジェニック酸化法を採用した。更に
は、工程(A)、工程(B)、工程(D−1)、工程
(D−2)、工程(C)を経て、シリコン酸化膜を形成
した。更には、形成されたシリコン酸化膜に対して、ハ
ロゲン元素を含有する不活性ガス雰囲気(塩酸を含む窒
素ガス雰囲気)中で熱処理(炉アニール処理)を施し
た。尚、工程(D−2)において、雰囲気温度を工程
(C)におけるシリコン酸化膜形成時の雰囲気温度まで
昇温するときの雰囲気を、湿式ガスを含む酸化雰囲気と
した。以下、図2〜図5を参照して、実施の形態1のシ
リコン酸化膜の形成方法を説明する。
【0037】[工程−100]先ず、シリコン半導体基
板40に公知の方法でLOCOS構造を有する素子分離
領域を形成する。尚、素子分離領域はトレンチ構造を有
していてもよい。その後、RCA洗浄によりシリコン半
導体基板40の表面の微粒子や金属不純物を除去し、次
いで、0.1%フッ化水素酸水溶液によりシリコン半導
体基板の表面洗浄を行い、シリコン半導体基板40の表
面を露出させる。尚、シリコン半導体基板の表面は大半
が水素で終端しており、一部がフッ素で終端されている
ので、シリコン半導体基板を大気中に放置しても、シリ
コン酸化膜が生成することはない。
【0038】[工程−110]次に、シリコン半導体基
板40を、図1に示したシリコン酸化膜成膜装置の基板
搬入出部20に図示しない扉から搬入し、石英ボート2
4に載置する。尚、処理室10へガス導入部12から窒
素ガスを導入し、処理室10内を窒素ガス雰囲気とし、
且つ、均熱管16を介してヒータ14によって処理室1
0内の雰囲気温度を400゜Cに保持する。この状態に
おいては、シャッター15は閉じておく。
【0039】[工程−120]そして、基板搬入出部2
0へのシリコン半導体基板40の搬入が完了した後、図
示しない扉を閉め、基板搬入出部20に非酸化性ガス導
入部21から100リットル/分程度の流量の非酸化性
ガス(実施の形態1においては、窒素ガス)を導入し、
ガス排出部22から排出し、基板搬入出部20内を非酸
化性ガス雰囲気(窒素ガス雰囲気)とする(図2の
(A)参照)。
【0040】[工程−130]基板搬入出部20内の酸
素ガス濃度をモニターし、酸素ガス濃度が例えば20p
pm以下となったならば、基板搬入出部20内が十分に
窒素ガス雰囲気となったと判断する。その後、加熱手段
25であるヒータを作動させて、基板搬入出部20の雰
囲気を、110゜Cの非酸化性ガス雰囲気(窒素ガス雰
囲気)とする(図2の(B)参照)。一方、処理室10
内を湿式ガス雰囲気としておく。具体的には、燃焼室3
0内で生成した水蒸気を配管31、ガス流路11及びガ
ス導入部12を介して処理室10内に供給し、ガス排気
部13から排気する。処理室10内の雰囲気温度を、均
熱管16を介してヒータ14によって400゜Cにす
る。
【0041】[工程−140]こうして、処理室10内
を湿式ガス雰囲気とした状態で、基板搬入出部20から
処理室10にシリコン半導体基板40を搬入する。具体
的には、シャッター15を開き(図3の(A)参照)、
エレベータ機構23を作動させて石英ボート24を20
cm/分の上昇速度で上昇させ、シリコン半導体基板4
0を処理室10内に搬入する(図3の(B)参照)。基
板搬入出部20は110゜Cの非酸化性ガス雰囲気(窒
素ガス雰囲気)となっているので、処理室10から流入
しそしてガス排気部22から排気される湿式ガスが基板
搬入出部20やシリコン半導体基板40上で結露するこ
とはない。しかも、処理室10内を湿式ガス雰囲気とし
た状態で処理室10にシリコン半導体基板40を搬入す
るので、シリコン半導体基板40の表面にドライ酸化膜
が形成されることもない。更には、処理室10内の雰囲
気温度はヒータ14によって400゜Cに保持されてい
るので、シリコン半導体基板40の表面に荒れが発生す
ることを抑制することができる。エレベータ機構23が
最上昇位置に辿り着くと、石英ボート24の基部によっ
て処理室10と基板搬入出部20との間は連通しなくな
る。
【0042】[工程−150]次いで、シリコン層(実
施の形態1においては、シリコン半導体基板40)の表
面からシリコン原子が脱離しない温度(実施の形態1に
おいては、400゜C)に雰囲気を保持した状態で、湿
式ガスを用いた酸化法によってシリコン層の表面にシリ
コン酸化膜を形成する。実施の形態1においては、具体
的には、燃焼室30内で生成した水蒸気を配管31、ガ
ス流路11及びガス導入部12を介して処理室10内に
供給し、パイロジェニック酸化法によってシリコン半導
体基板40の表面に厚さ1.2nmのシリコン酸化膜を
形成する(図4の(A)参照)。このシリコン酸化膜の
厚さは2〜3シリコン原子層に相当する厚さであり、シ
リコン半導体基板の表面のステップを考慮しても、保護
膜として機能するのに十分な厚さである。尚、処理室1
0の上方と下方に位置するシリコン半導体基板では処理
室10内の滞留時間が異なるが、400゜Cでの酸化レ
ートは極端に低く、表面反応によりシリコン酸化膜が形
成された後のシリコン酸化膜の膜厚増加は殆ど無視でき
るほど少なく、シリコン酸化膜の膜厚均一性を確保する
ことができる。基板搬入出部20においては、内部の湿
式ガスを窒素ガスによって完全に排出した後、加熱手段
25の作動を停止する。
【0043】[工程−160]その後、処理室10内へ
の湿式ガスの供給を継続しながら、シリコン酸化膜成膜
装置の処理室10内の雰囲気温度を、均熱管16を介し
てヒータ14によって所望の温度(実施の形態1におい
ては、800゜C)まで昇温する(図4の(B)参
照)。尚、処理室10内への湿式ガスの供給を中止し、
不活性ガス(窒素ガス)をガス導入部12から処理室1
0内に供給しながら、シリコン酸化膜成膜装置の処理室
10内の雰囲気温度を、均熱管16を介してヒータ14
によって所望の温度まで昇温してもよい。[工程−15
0]にてシリコン層の表面には保護膜としてのシリコン
酸化膜が既に形成されているので、このような操作を行
っても、シリコン層(シリコン半導体基板40)の表面
に荒れが発生することはない。
【0044】[工程−170]所望の温度(実施の形態
1においては、800゜C)に処理室10内の雰囲気温
度が達した後、この所望の温度に雰囲気を保持した状態
にて、湿式ガスを用いた酸化法によって、更にシリコン
酸化膜を形成する。具体的には、燃焼室30内で生成し
た水蒸気を配管31、ガス流路11及びガス導入部12
を介して処理室10内に供給し続け、パイロジェニック
酸化法によってシリコン半導体基板40の表面に総厚
4.0nmのシリコン酸化膜を形成する(図5参照)。
【0045】[工程−180]その後、湿式ガスの供給
を中止し、窒素ガスをガス導入部12から処理室10内
に導入しつつ、均熱管16を介して処理室10の雰囲気
温度をヒータ14によって850゜Cまで昇温する。次
いで、塩酸を0.1容量%含有する窒素ガスをガス導入
部12から処理室10内に導入し、30分間、熱処理を
行う。
【0046】[工程−190]以上により、シリコン半
導体基板40の表面でのシリコン酸化膜の形成が完了す
る。以降、処理室10内を窒素ガス雰囲気とし、エレベ
ータ機構23を動作させて石英ボート24を下降させ、
次いで、基板搬入出部20からシリコン半導体基板40
を搬出する。
【0047】以上、本発明を発明の実施の形態に基づき
説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
発明の実施の形態にて説明した各種の条件やシリコン酸
化膜成膜装置の構造は例示であり、適宜変更することが
できる。シリコン酸化膜成膜装置は縦型方式に限定され
るものではなく、横型方式としてもよい。また、発明の
実施の形態にて説明した処理室10を二重管構造とした
が、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、
ガス流路11がガス導入部12接続された一重管構造の
処理室10を用いることもできる。シリコン酸化膜の成
膜は、パイロジェニック酸化法だけでなく、純水の加熱
により発生した水蒸気による酸化法、酸素ガス又は不活
性ガスによって加熱純水をバブリングすることで発生し
た水蒸気による酸化法、あるいはこれらの酸化法を併用
した方法とすることができる。また、[工程−15
0]、[工程−160]及び[工程−170]における
酸化法や雰囲気の形成法は、同種の方法であっても、異
種の方法であってもよい。発明の実施の形態において
は、専らシリコン半導体基板の表面にシリコン酸化膜を
形成したが、基板の上に形成された絶縁層の上に成膜さ
れたエピタキシャルシリコン層、多結晶シリコン層、あ
るいは非晶質シリコン層の表面にシリコン酸化膜を形成
することもできる。あるいは又、SOI構造におけるシ
リコン層の表面にシリコン酸化膜を形成してもよいし、
更には、基板やこれらの層に半導体素子や半導体素子の
構成要素が形成されたシリコン層の表面にシリコン酸化
膜を形成してもよい。発明の実施の形態においては、2
段階の工程でシリコン酸化膜を形成したが、[工程−1
30]において、処理室10内の雰囲気を温度700〜
800゜Cの湿式ガス雰囲気とし、[工程−150]及
び[工程−160]を省略して、1段階でシリコン酸化
膜を形成してもよい。シリコン酸化膜形成後の熱処理は
必須ではなく、場合によっては省略することができる。
【0048】発明の実施の形態においては、加熱手段2
5を基板搬入出部20に配設されたヒータから構成した
が、非酸化性ガス導入部から基板搬入出部内に導入され
る前の非酸化性ガスを加熱するヒータ等の加熱装置とし
てもよいし、これらのヒータを併用した構造とすること
もできる。
【0049】
【発明の効果】本発明においては、処理室内を湿式ガス
雰囲気とした状態で、基板搬入出部から処理室に基板を
搬入する際に、処理室から基板搬入出部に流入した湿式
ガスがシリコン層上で結露することを確実に防止するこ
とができる。その結果、シリコン層上での結露が発生す
ることを防止でき、ウォーターマークが生じたり、シリ
コン層に形成されるシリコン酸化膜の膜厚が不均一にな
ることを確実に防ぐことができる。しかも、シリコン層
にドライ酸化膜が形成されることがないので、優れた特
性を有するシリコン酸化膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の縦型のシリコン酸化膜成膜装置の模式
的な断面図である。
【図2】発明の実施の形態1におけるシリコン酸化膜の
形成方法を説明するためのシリコン酸化膜成膜装置等の
模式的な断面図である。
【図3】図2に引き続き、発明の実施の形態1における
シリコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸
化膜成膜装置等の模式的な断面図である。
【図4】図3に引き続き、発明の実施の形態1における
シリコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸
化膜成膜装置等の模式的な断面図である。
【図5】図4に引き続き、発明の実施の形態1における
シリコン酸化膜の形成方法を説明するためのシリコン酸
化膜成膜装置等の模式的な断面図である。
【図6】従来のシリコン酸化膜成膜装置の模式的な断面
図である。
【図7】従来のシリコン酸化膜の形成方法を説明するた
めのシリコン酸化膜成膜装置等の模式的な断面図であ
る。
【図8】図7に引き続き、従来のシリコン酸化膜の形成
方法を説明するためのシリコン酸化膜成膜装置等の模式
的な断面図である。
【図9】図8に引き続き、従来のシリコン酸化膜の形成
方法を説明するためのシリコン酸化膜成膜装置等の模式
的な断面図である。
【符号の説明】
10・・・処理室、11・・・ガス流路、12・・・ガ
ス導入部、13・・・ガス排気部、14・・・ヒータ、
15・・・シャッター、16・・・均熱管、20・・・
基板搬入出部、21・・・非酸化性ガス導入部、22・
・・ガス排気部、23・・・エレベータ機構、24・・
・石英ボート、25・・・加熱手段、30・・・燃焼
室、31・・・配管、40・・・シリコン半導体基板

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】湿式ガスを用いてシリコン層にシリコン酸
    化膜を形成するためのシリコン酸化膜成膜装置であっ
    て、 (イ)シリコン層を有する基板を収納し、該シリコン層
    にシリコン酸化膜を形成するための処理室と、 (ロ)基板を収納した状態における基板搬入出部内を非
    酸化性ガス雰囲気とするための非酸化性ガス導入部、及
    び、基板搬入出部内のガスを排気するためのガス排気部
    が配設され、基板を処理室に搬入出するための基板搬入
    出部と、 (ハ)処理室と基板搬入出部との間に設けられたシャッ
    ター、を備え、 基板搬入出部内の非酸化性ガス雰囲気温度を、処理室か
    ら基板搬入出部内に流入する湿式ガスがシリコン層上で
    結露せず、且つ、シリコン層の表面からシリコン原子が
    脱離しない温度とするための加熱手段が備えられている
    ことを特徴とするシリコン酸化膜成膜装置。
  2. 【請求項2】非酸化性ガスは、窒素ガス又はアルゴンガ
    スであることを特徴とする請求項1に記載のシリコン酸
    化膜成膜装置。
  3. 【請求項3】加熱手段は、基板搬入出部内の非酸化性ガ
    ス雰囲気温度を100゜C以上300゜C以下にするた
    めに、基板搬入出部に配設されたヒータから成ることを
    特徴とする請求項1に記載のシリコン酸化膜成膜装置。
  4. 【請求項4】湿式ガスを用いてシリコン層にシリコン酸
    化膜を形成するシリコン酸化膜形成方法であって、 (イ)シリコン層を有する基板を収納し、該シリコン層
    にシリコン酸化膜を形成するための処理室と、 (ロ)基板を収納した状態における基板搬入出部内を非
    酸化性ガス雰囲気とするための非酸化性ガス導入部、及
    び、基板搬入出部内のガスを排気するためのガス排気部
    が配設され、基板を処理室に搬入出するための基板搬入
    出部と、 (ハ)処理室と基板搬入出部との間に設けられたシャッ
    ター、を備え、 基板搬入出部内の非酸化性ガス雰囲気温度を、処理室か
    ら基板搬入出部内に流入する湿式ガスがシリコン層上で
    結露せず、且つ、シリコン層の表面からシリコン原子が
    脱離しない温度とするための加熱手段を備えたシリコン
    酸化膜成膜装置を用い、 (A)シャッターを閉じた状態で基板搬入出部に基板を
    収納した後、基板搬入出部内の雰囲気を、処理室から基
    板搬入出部内に流入する湿式ガスがシリコン層上で結露
    せず、且つ、シリコン層の表面からシリコン原子が脱離
    しない温度の非酸化性ガス雰囲気とする工程と、 (B)処理室内を湿式ガス雰囲気とした状態でシャッタ
    ーを開き、基板搬入出部から処理室に基板を搬入する工
    程と、 (C)処理室内で、湿式ガスを用いてシリコン層にシリ
    コン酸化膜を形成する工程、から成ることを特徴とする
    シリコン酸化膜形成方法。
  5. 【請求項5】非酸化性ガスは、窒素ガス又はアルゴンガ
    スであることを特徴とする請求項4に記載のシリコン酸
    化膜形成方法。
  6. 【請求項6】工程(C)の後、形成されたシリコン酸化
    膜に熱処理を施すことを特徴とする請求項4に記載のシ
    リコン酸化膜形成方法。
  7. 【請求項7】熱処理の雰囲気は、ハロゲン元素を含有す
    る不活性ガス雰囲気であることを特徴とする請求項6に
    記載のシリコン酸化膜形成方法。
  8. 【請求項8】ハロゲン元素は塩素であることを特徴とす
    る請求項7に記載のシリコン酸化膜形成方法。
  9. 【請求項9】塩素は塩酸の形態であり、不活性ガス中に
    含有される塩酸の濃度は0.02乃至10容量%である
    ことを特徴とする請求項8に記載のシリコン酸化膜形成
    方法。
  10. 【請求項10】熱処理は700乃至950゜Cの温度で
    行われることを特徴とする請求項4に記載のシリコン酸
    化膜形成方法。
  11. 【請求項11】熱処理は炉アニール処理であることを特
    徴とする請求項10に記載のシリコン酸化膜形成方法。
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