JPH10283531A - 現金処理システム - Google Patents

現金処理システム

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Publication number
JPH10283531A
JPH10283531A JP9098516A JP9851697A JPH10283531A JP H10283531 A JPH10283531 A JP H10283531A JP 9098516 A JP9098516 A JP 9098516A JP 9851697 A JP9851697 A JP 9851697A JP H10283531 A JPH10283531 A JP H10283531A
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JP
Japan
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carrier
cash
automatic transaction
atm
amount
Prior art date
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Pending
Application number
JP9098516A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuharu Sakamori
克治 坂森
Tetsuya Sadotomo
哲也 佐渡友
Masahiro Hatakeyama
正博 畠山
Ayumi Watanabe
歩 渡邊
Fumio Ishida
文男 石田
Hiromoto Kataoka
宏基 片岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Publication of JPH10283531A publication Critical patent/JPH10283531A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】現金融通動作において、キャリアと自動取引装
置との結合時の機械的動作の精度の向上と、キャリアと
現金(紙幣)の回収または補充先のATMとの間の紙幣
の受渡しの際、紙幣の搬送動作の信頼性の向上が図れる
現金処理システムを提供する。 【解決手段】キャリア4は、キャリアコントローラ3か
らの指示に基づき移動して、選択された自動取引装置10
a,〜10nと結合可能な所定位置に停止したとき、その自
動取引装置の端面から停止位置までの移動量を検出する
計測する計測手段と、この計測手段で計測された移動量
と、前記選択された自動取引装置に対して予め定められ
た走行方向の位置補正量とを比較して走行系機構部の異
常を検知する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、銀行な
どの金融機関の各店舗やキャッシュコーナなどに配置さ
れて、現金の預け入れや引き出し等の取引を自動的に行
う自動取引装置(ATM)にかかわり、特に複数の自動
取引装置を群管理して、各自動取引装置が保持する現金
を相互で融通して使用できるようにした現金処理システ
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】金融機関等においては、顧客に対して現
金の支払、振込等を自動的に行う自動取引装置(以下、
ATMと呼ぶ)が広く普及し、その設置台数も増加の一
途を辿っている。
【0003】ATMは、内蔵する現金収容箱の大きさに
限度があり、従って、収容保管できる現金の最大量は決
まってしまう。そして、収容してあった現金が底をつい
たり、入金された現金が収容箱に満ち溢れると、ATM
は稼働できなくなるために、利用状況に応じて現金の補
充や回収が必要である。そして、従来、この補充および
回収作業は人手によって行われていた。
【0004】従って、多数のATMが設置されている場
合、このような現金の補充および回収作業は大変な労力
を必要としていた。
【0005】そこで、近年、複数のATMと、各ATM
に対して現金を人手によらず自動的に補充および回収す
る現金受渡し装置とを備えた現金処理システムが提案さ
れている。すなわち、内部に紙幣収納ユニットを有する
複数のATM間を移動して、それらATMに紙幣収納ユ
ニットを挿脱する機能を有するユニット搬送手段を備
え、そのユニット搬送手段で挿脱、搬送される紙幣収納
ユニットによって各ATMの紙幣を相互にリサイクル使
用するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような機
械化が進んでも、各ATMは各々独自に取引業務を行う
ようになっているので、各ATM毎に出金量や入金量に
差があり、その差は日によっても異なり、又、ATMが
設置されている環境等によってもばらつきがある。
【0007】すなわち、金融機関にとっては、ATMを
介してよりよい顧客サービスを提供したいわけであるか
ら、設置されたATMの稼働率は重要な問題であり、A
TMはできるだけ休止していないことが望ましい。それ
にもかかわらず、ある1台のATMに出金取引、入金取
引が集中して運用の途中でATM内の紙幣が不足した
り、逆に溢れたりした場合には、そのATMはやむなく
運用を停止しなければならならなかった。
【0008】また、特に、休日等の無人運用時間帯で
は、設置された各ATM内の紙幣収納庫内の紙幣が不足
して、そのATMの業務が休止することがないよう、あ
らかじめ各ATM内の紙幣収納庫内には余裕を持って紙
幣を補充するようにしていた。従って、ATMを運用す
るためには必要以上の紙幣を用意する必要があり、無人
で運用するだけにセキュリティ上の問題も大きかった。
【0009】そこで、この発明の目的とするところは、
複数のATMのそれぞれの資金運用状態を管理して、こ
れら複数のATMの運用途中で資金不足や資金過剰によ
る運用停止を未然に防止し、複数のATM間でその現金
収納庫に収納されている現金を相互に効率良く融通し
て、ATM全体の運用資金を最小限に止めるように管理
することができ、さらに、係員の作業削減を図る現金処
理システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は次のように構成する。
【0011】すなわち、第1には現金を収納した現金収
納庫を具備して、この現金収納庫内の現金にて所定の取
引処理を行う複数の自動取引装置(ATM)と、これら
複数の自動取引装置に接続されて前記現金収納庫内の現
金量を含む運用状態を管理する運用管理装置と、前記複
数の自動取引装置間を移動して前記複数の自動取引装置
に対して現金の回収並びに補充動作を行うキャリア(運
用ロボット)と、このキャリアの動作を前記運用管理装
置の指示に基づき制御するキャリアコントローラ(キャ
リアステーション)と、前記キャリアのバッテリを充電
する充電ステーションとを有する現金処理システムにお
いて、前記現金収納庫内の現金量に基づき前記運用管理
装置で選択された現金の回収あるいは補充先の自動取引
装置からの現金の回収あるいは補充を前記キャリアコン
トローラに指示する指示手段と、この指示手段での指示
に応じて、前記キャリアコントローラが前記キャリアと
前記選択された自動取引装置を制御して所定の現金融通
処理を実行する現金融通制御手段と、を具備し、前記キ
ャリアは、前記キャリアコントローラからの指示に基づ
き移動して、前記選択された自動取引装置と結合可能な
所定位置に停止したとき、その自動取引装置の端面から
停止位置までの移動量を検出する計測する計測手段と、
前記計測手段で計測された移動量と、前記選択された自
動取引装置に対して予め定められた走行方向の位置補正
量とを比較して走行系機構部の異常を検知する手段とを
備えることを特徴とする。
【0012】また、第2には、現金を収納した現金収納
庫を具備して、この現金収納庫内の現金にて所定の取引
処理を行う複数の自動取引装置と、これら複数の自動取
引装置に接続されて前記現金収納庫内の現金量を含む運
用状態を管理する運用管理装置と、前記複数の自動取引
装置間を移動して前記複数の自動取引装置に対して現金
の回収並びに補充動作を行うキャリアと、このキャリア
の動作を前記運用管理装置の指示に基づき制御するキャ
リアコントローラと、前記キャリアのバッテリを充電す
る充電ステーションとを有する現金処理システムにおい
て、前記現金収納庫内の現金量に基づき前記運用管理装
置で選択された現金の回収あるいは補充先の自動取引装
置からの現金の回収あるいは補充を前記キャリアコント
ローラに指示する指示手段と、この指示手段での指示に
応じて、前記キャリアコントローラが前記キャリアと前
記選択された自動取引装置を制御して所定の現金融通処
理を実行する現金融通制御手段と、を具備し、前記キャ
リアと前記選択された自動取引装置との間の機械的な結
合の確認と、前記キャリア内の紙幣搬送経路上の紙幣の
搬送状況を確認するためのセンサ出力値を前記選択され
た自動取引装置に通知するための非接触通信部の確認を
行った後、前記キャリアと前記選択された自動取引装置
との間で疑似紙幣を搬送して、前記キャリアと前記選択
された自動取引装置との間の現金融通動作における紙幣
受渡時の結合度を確認することを特徴とする。
【0013】また、第3には、第2の構成において、前
記疑似紙幣は、前記選択された自動取引装置から前記キ
ャリアへ搬送した後、前記キャリアから前記選択された
自動取引装置へ搬送して、双方の紙幣搬送経路上に設け
られた紙幣の搬送状況を検知するセンサ出力の状態を確
認することを特徴とする。
【0014】第4には、現金を収納した現金収納庫を具
備して、この現金収納庫内の現金にて所定の取引処理を
行う複数の自動取引装置と、これら複数の自動取引装置
に接続されて前記現金収納庫内の現金量を含む運用状態
を管理する運用管理装置と、前記複数の自動取引装置間
を移動して前記複数の自動取引装置に対して現金の回収
並びに補充動作を行うキャリアと、このキャリアの動作
を前記運用管理装置の指示に基づき制御するキャリアコ
ントローラと、前記キャリアのバッテリを充電する充電
ステーションとを有する現金処理システムにおいて、前
記現金収納庫内の現金量に基づき前記運用管理装置で選
択された現金の回収あるいは補充先の自動取引装置から
の現金の回収あるいは補充を前記キャリアコントローラ
に指示する指示手段と、この指示手段での指示に応じ
て、前記キャリアコントローラが前記キャリアと前記選
択された自動取引装置を制御して所定の現金融通処理を
実行する現金融通制御手段と、を具備し、前記キャリア
は、前記キャリアコントローラからの指示に基づき移動
して、前記選択された自動取引装置と結合可能な所定位
置に停止したとき、前記選択された自動取引装置に対し
て予め定められてた高さ方向の位置決め情報に基づき高
さ方向の位置を調節する際に、予め定められた高さ方向
の補正量の限界内での位置補正を行うことを特徴とす
る。
【0015】第5には、現金を収納した現金収納庫を具
備して、この現金収納庫内の現金にて所定の取引処理を
行う複数の自動取引装置と、これら複数の自動取引装置
に接続されて前記現金収納庫内の現金量を含む運用状態
を管理する運用管理装置と、前記複数の自動取引装置間
を移動して前記複数の自動取引装置に対して現金の回収
並びに補充動作を行うキャリアと、このキャリアの動作
を前記運用管理装置の指示に基づき制御するキャリアコ
ントローラと、前記キャリアのバッテリを充電する充電
ステーションとを有する現金処理システムにおいて、前
記現金収納庫内の現金量に基づき前記運用管理装置で選
択された現金の回収あるいは補充先の自動取引装置から
の現金の回収あるいは補充を前記キャリアコントローラ
に指示する指示手段と、この指示手段での指示に応じ
て、前記キャリアコントローラが前記キャリアと前記選
択された自動取引装置を制御して所定の現金融通処理を
実行する現金融通制御手段と、を具備し、前記キャリア
は、前記キャリアコントローラからの指示に基づき移動
して、前記選択された自動取引装置と結合可能な所定位
置に停止すると、前記キャリア内部に具備された媒体収
納ユニットを前記選択された自動取引装置に結合させる
ため、その自動取引装置方向へ押し出す際の押出量を算
出する算出手段と、この算出手段で算出された押出量に
基づき前記媒体ユニットを前記選択された自動取引装置
方向へ押し出して、その自動取引装置に結合させる押出
手段と、を具備し、前記媒体ユニットの実際の押出量
と、前記算出手段で算出された押出量を比較して、前記
媒体ユニットの押し出し動作時の異常を検知することを
特徴とする。第6には、前記第5の構成において、前記
媒体ユニットの前記選択された自動取引装置との結合部
はフックで構成され、これがロックされる方向は、自重
によりフックが落下する方向と一致していることを特徴
とする。
【0016】第7には、前記第5の構成において、前記
媒体ユニットの前記選択された自動取引装置との結合部
はフックで構成され、前記押出手段は、前記媒体ユニッ
トを押し出す際の実際の押出量が前記算出手段で算出さ
れた押出量に対し妥当な量であるとき、前記媒体ユニッ
トを押し出す際の速度を、それまでの速度よりも遅くし
て前記媒体ユニットを押し出して前記選択された自動取
引装置との結合部を構成するフックをロックするように
したことを特徴とする。
【0017】第8には、前記第5の構成おいて、前記媒
体ユニットの前記選択された自動取引装置との結合部は
フックで構成され、前記押出手段は、前記媒体ユニット
を押し出す際の実際の押出量が前記算出手段で算出され
た押出量に対し妥当な量であるとき、前記媒体ユニット
を押し出す際の速度を、それまでの速度よりも遅くして
前記媒体ユニットを押し出して前記選択された自動取引
装置との結合部を構成するフックをロックし、前記フッ
クのロック確認を検知したら、押し出し方向とその逆方
向に微少量の振動を与えることを特徴とする。
【0018】第9には、現金を収納した現金収納庫を具
備して、この現金収納庫内の現金にて所定の取引処理を
行う複数の自動取引装置と、これら複数の自動取引装置
に接続されて前記現金収納庫内の現金量を含む運用状態
を管理する運用管理装置と、前記複数の自動取引装置間
を移動して前記複数の自動取引装置に対して現金の回収
並びに補充動作を行うキャリアと、このキャリアの動作
を前記運用管理装置の指示に基づき制御するキャリアコ
ントローラと、前記キャリアのバッテリを充電する充電
ステーションとを有する現金処理システムにおいて、前
記現金収納庫内の現金量に基づき前記運用管理装置で選
択された現金の回収あるいは補充先の自動取引装置から
の現金の回収あるいは補充を前記キャリアコントローラ
に指示する指示手段と、この指示手段での指示に応じ
て、前記キャリアコントローラが前記キャリアと前記選
択された自動取引装置を制御して所定の現金融通処理を
実行する現金融通制御手段と、を具備し、前記キャリア
と前記選択された自動取引装置との間の紙幣搬送中に双
方の紙幣の搬送経路上に設けられた紙幣の搬送状況を検
知するセンサ出力から紙幣の搬送異常が検知されて、前
記キャリアと前記選択された自動取引装置との結合の解
除が指示されたとき、搬送中の紙幣の残留位置を検知し
て、それを提示し、前記キャリアと前記選択された自動
取引装置の紙幣の搬送経路の動作を固定させてから結合
を解除することを特徴とする。
【0019】第10には、さらに、搬送中の紙幣の残留
位置が前記キャリアと前記選択された自動取引装置との
紙幣受渡口の結合部であるとき、前記キャリアと前記選
択された自動取引装置のいずれか一方のみの紙幣の搬送
経路の動きを固定させて結合を解除することを特徴とす
る。
【0020】第11には、現金を収納した現金収納庫を
具備して、この現金収納庫内の現金にて所定の取引処理
を行う複数の自動取引装置と、これら複数の自動取引装
置に接続されて前記現金収納庫内の現金量を含む運用状
態を管理する運用管理装置と、前記複数の自動取引装置
間を移動して前記複数の自動取引装置に対して現金の回
収並びに補充動作を行うキャリアと、このキャリアの動
作を前記運用管理装置の指示に基づき制御するキャリア
コントローラと、前記キャリアのバッテリを充電する充
電ステーションとを有する現金処理システムにおいて、
前記現金収納庫内の現金量に基づき前記運用管理装置で
選択された現金の回収あるいは補充先の自動取引装置か
らの現金の回収あるいは補充を前記キャリアコントロー
ラに指示する指示手段と、この指示手段での指示に応じ
て、前記キャリアコントローラが前記キャリアと前記選
択された自動取引装置を制御して所定の現金融通処理を
実行する現金融通制御手段と、を具備し、前記キャリア
は、任意の自動取引装置の背面に対して予め定められた
条件を満たす間隔と向きで設置されると、走行を開始
し、いずれかの自動取引装置の端面を検出して、その自
動取引装置と結合可能な所定位置に停止し、このとき、
その自動取引装置は前記キャリアとの非接触的通信にて
前記キャリアの存在を認識し、前記運用管理装置は、前
記複数の自動取引装置から収集された情報を基に前記キ
ャリアの存在を認識している自動取引装置を認識し、そ
の認識された自動取引装置に関する情報を前記キャリア
に通知することを特徴とする。
【0021】第1の構成の場合、計測手段で計測された
移動量情報と、前記選択された自動取引装置(ATM)
に対して予め定められた走行方向の位置補正量とを比較
し、この比較結果から走行系の機構部の異常を検知す
る。キャリアは紙幣をATMから回収し、紙幣の不足し
ているATMに補給するという任務を持つものであり、
その回収や供給の際にはキャリアの持つ3軸方向位置調
整駆動操作可能な結合機構(ドッキング機構)によりA
TMと結合してから紙幣の搬送授受を行う。従って、両
者の位置決め精度が重要であり、そのためにATMに対
してキャリアは、具体的には走行系の停止位置検出情報
(ATMのエッジ検出後の移動量)と、ATMに対する
キャリアのドッキング機構の走行方向補正情報(ドッキ
ングターゲットを検出するまでの移動量)を履歴情報と
して使用し、運用途中でこの停止位置検出情報と走行方
向補正情報の比が、あるレベルを超えた場合に走行系に
異常があると認識し、運用管理装置に通知するとともに
現在の処理を終了した後、キャリアはホームポジション
に復帰、停止し、走行検出系の保守を行える態勢にす
る。
【0022】第2の構成の場合、実際の取り引きに先立
って媒体の搬送路が確保されているかどうかの確認を擬
似媒体を用いて実際に搬送し確認することによりドッキ
ングの完了確認の信頼性を高くする。そして、第3の構
成では、搬送確認時にATMからキャリア方向とキャリ
アからATM方向との両方の搬送を行い、同時に搬送路
のセンサが正常に機能することを確認する。
【0023】第4の構成の場合、ドッキングを行うに当
たっては、キャリアの高さ方向位置補正として、予め定
められた限度内(例えば、ティーチング時のデータを基
にした限度内)で調整する。そして、第5の構成の場
合、実際の位置補正量がいくらになるかにより、異常を
判断する。
【0024】そして、第6、第7の構成の場合、結合機
構にはその先端側にフックを設けてあり、MATA,A
TM側にはこのフックを引っかけるためのバーが設けて
ある。そして、結合機構がATMに正常に位置決めされ
たときは、フックを駆動してバーに引っかけ、ATMに
結合機構を確実に結合させる。さらには、第8の構成の
場合、さらに微動を加え、フックによる位置矯正力を利
用して精度良く結合させる。
【0025】第9の構成の場合、紙幣ジャム時のドッキ
ング解除にあたり、キャリア側の解除ボタンを押すこと
によりドッキングを解除する場合、この解除ボタンを押
すと解除動作を開始する前に搬送路等のセンサにより搬
送路及びドッキング部における媒体残留位置のチェック
を行い、媒体の残留位置をキャリアの表示部に表示する
とともに、解除動作に伴い媒体が外に出ないように両方
(ATM側及び運用ロボット側)の搬送路が回転しない
ようにロックした状態でドッキング解除動作を開始し、
ATMとキャリアとの接続解除を行い、解除後ジャム処
理を実施できるようにする。
【0026】第10の構成の場合、ジャム処理時に、特
にドッキング部(ATMと運用ロボットとの媒体受渡し
部)に媒体の残留を検知した場合には、解除動作に伴い
媒体を損傷しないようにいずれか一方の搬送路をフリー
な状態でドッキング解除を行うとともに、オペレータに
対しては、ドッキング部が離れた際に媒体の落下等に注
意するように案内する。
【0027】第11の構成の場合、キャリアの自己位置
認識にあたり、まず任意のATMの背面に、ある間隔
(距離センサの検知範囲内)と向き(ドッキング方向が
ATM側になるように)及び他にキャリアが稼動してい
る場合には干渉しない位置に設置すると、キャリアはい
ずれかの方向に移動してATMのエッジ検出を行った後
にドッキング可能な位置に再停止する。その後、ドッキ
ング動作を行いATMとドッキングする。ドッキングが
終了したらキャリア側からATM側に光信号を送るとと
もに運用管理装置に対しても状況(送信中等の情報)を
知らせ、運用装置は各々のATMに対してキャリアから
の信号の受信の有無を問い合わせ、受信しているATM
があった場合に、そのATMの背面に現在キャリアがい
ると認識でき、この情報をキャリアに通知することによ
り自己位置の認識を行う。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を参照して説明する。
【0029】図1は、本実施形態に係る現金処理システ
ムの全体の構成を概略的に示したブロック図である。こ
の現金処理システムは、所定の通信ネットワークNに接
続された、運用管理装置30、複数、例えば、3台の自
動取引装置(以下ATMと呼ぶ)10a、10b、10
c、モニタ2と、通信ネットワークNとモニタ2を介し
て運用管理装置30と通信可能なように接続されたキャ
リアステーション3と、これらATM10a〜10c間
を自動走行しながら各ATM10a〜10cに対し取引
媒体として、例えば、紙幣の補充および回収を行う現金
受渡し装置(以下、キャリアと呼ぶ)4から構成されて
いる。
【0030】運用管理装置30は、通信ネットワークN
を介して各ATM10a〜10cから送信される運用状
態のモニタリング、係員の支援、および本発明に係る現
金融通管理処理を実行し、各ATM10a〜10c、キ
ャリアステーション4に対し各種制御指示を行うもので
ある。運用管理装置30には、例えば、汎用のパーソナ
ルコンピュータを用いてもよい。
【0031】モニタ2は、通信ネットワークNを介して
運用管理装置30と通信を行うことにより、キャリア4
や各ATM10a〜10cの運用状態を表示したり、例
えば、キーボードを介してキャリア4に対しマニュアル
で操作指示入力を行うものである。モニタ2は例えば、
ノート型パソコンを用いてもよい。
【0032】キャリアステーション3は、例えば、モニ
タ2を介して運用管理装置30に接続されていて、キャ
リア4のバッテリへの充電のための充電ステーションで
ある。待機中のキャリア4は、このキャリアステーショ
ン3の充電コネクタ101に接続されて、充電されるよ
うになっている。また、運用管理装置30、モニタ2か
らの現金融通動作の指示を受け取ると、その指示に応じ
て、キャリア4に対し所定の制御指示を無線にて転送す
るキャリアコントローラも兼ねている。さらに、運用管
理装置30、モニタ2からの現金融通動作の指示を受け
取ると、ATM10a〜10cへ所定の制御指示も行う
ようになっている。
【0033】キャリア4は、ATM10a〜10c間を
運用管理装置30からの動作指示をキャリアステーショ
ン3を介して無線にて受信すると、その動作指示に従っ
て自動走行しながら紙幣の補充および回収といった紙幣
の融通を行うものである。
【0034】ATM10a〜10cは、金融機関等にお
いては、顧客に対して現金の支払、振込等の現金取引処
理を自動的に行うもので、例えば、顧客との取引を行っ
た結果、資金量に変動が生じて、その運用状態が変化し
たときに、通信ネットワークNを介して運用管理装置3
0に送信するようになっている。
【0035】図2は、図1に示した現金処理システムを
さらに具体的に示したもので、実際に金融機関のキャッ
シュコーナー等に設置される現金処理システムを構成す
るもののうち、主に、ATM10a〜10c、キャリア
4、キャリアステーション3の構成例および設置例につ
いて説明するためのものである。
【0036】図2において、ATM10a〜10c、キ
ャリアステーション3は、その後面が同一平面上になる
ように、金融機関の床面25上に並んで設置されてい
る。3台のATM10a〜10cは、それぞれ通信制御
部を介して通信ネットワークNに接続されている。ま
た、通信ネットワークNには、各ATM10a〜10c
を監視する運用管理装置30が接続されている。
【0037】そして、この運用管理装置30には、各A
TM10a〜10cからATMの動作状態、例えば障害
発生状況や、取扱媒体として、紙幣や硬貨の残量等が通
信ネットワークNを介して随時報告される。
【0038】各ATM10a〜10cの本体内には、利
用者に対して紙幣を入出金するための現金収納部22が
配設されている。
【0039】また、ATM本体の後面には、キャリア4
と現金収納部22の間で紙幣の受渡しを行うための紙幣
受渡口が形成されている。
【0040】なお、他のATM10b、10c、10d
も上述のATM10aと同様に構成されている。
【0041】一方、図1および図2に示すように、キャ
リア4は、通信ネットワークNに接続されたキャリアス
テーション3からの無線による指令に従い、例えば、床
面25上を予め設定された経路上を走行移動できるよう
に設けられている。
【0042】図2に示したキャリアステーション3に、
運用管理装置30から通信ネットワークNを介し入力さ
れた指令信号は、コンバータによって無線信号に変換さ
れ、更に、送受信部、アンテナを介してキャリア4へ送
信される。また、待機中のキャリア4は、このキャリア
ステーション3の充電コネクタ101に接続されて、充
電されるようになっている。
【0043】キャリア4には、左右2つの駆動輪31が
設けられ、設置時に行われるティーチングという処理に
より設定されたテーブルに従った経路上を自走可能とな
っている。また、キャリア4は、常に1個の紙幣収納部
32を保持し、その内部に多数の紙幣が積層状態で収納
されるようになっていて、キャリアステーション3から
の指令に従って所定のATMと対向する位置まで自走
し、ATM本体の後面に設けられた紙幣受渡口とキャリ
ア4のATMの後面と対向する面に設けられた紙幣受渡
口とが接続(ドッキング)されて、ATMの現金収納部
22と紙幣収納部32との間で紙幣の受渡しを行うよう
になっている。
【0044】次に、このような構成の現金処理システム
の現金融通処理の動作を簡単に説明する。
【0045】<現金融通処理>現金融通管理処理の主な
ものとしては、例えば、“エンド回避処理”、“あふれ
回避処理”がある。
【0046】そして、“エンド回避処理”とは、紙幣が
所定枚数以下のATM(不足ATM)が検出されたと
き、予め定められた余剰判断枚数以上のATMがあるこ
とを確認し、そのうち、余剰枚数の最も多いATM(余
剰ATM)を選択し、余剰ATMから不足ATMへの現
金融通を行う処理であり、紙幣不足気味のATMがあれ
ば余剰気味のATMから紙幣を回収して補充するように
なっている。
【0047】また、“あふれ回避処理”とは、予め定め
られたあふれ判断枚数以上のATM(あふれATM)が
検出されると、空き枚数が最も最も多いATM(空きA
TM)を選択し、あふれATMから空きATMへの現金
融通を行う処理であり、紙幣があふれそうなATMがあ
れば紙幣を回収し、少な目のATMに補充するようにな
っている。
【0048】以下、説明を簡単にするために、単純に紙
幣が余剰気味のATM(例えば、10bとする)から紙
幣を回収し、紙幣が不足気味のATM(例えば、10a
とする)に紙幣を補充する場合について説明する。
【0049】例えば、キャッシュコーナに設置された複
数のATM10a〜10cの運用状態等を管理する運用
管理装置30では、常時、各ATM10a〜10cと通
信を行って、これら各ATM10a〜10c内の資金量
を監視し、紙幣不足気味のATMが検知されたとき、紙
幣が余剰気味のATMを選択して、キャリアステーショ
ン3に紙幣回収動作の開始を指示する。この例の場合、
余剰気味のATMは10bであり、不足気味のATMは
10aであるから、余剰の紙幣を持つATM10bから
紙幣を回収すべく、以後、キャリア4とATM10bに
対する現金融通処理の制御権は、運用管理装置30から
キャリアステーション3に移され、キャリアステーショ
ン3は、キャリア4およびATM10bに対し、所定の
動作指示を行い、紙幣が余剰気味のATMから紙幣を回
収する。
【0050】この紙幣回収動作が終了すると、キャリア
ステーション3は、運用管理装置30に対し紙幣回収動
作の終了を通知して、キャリア4、ATM10bに対す
る現金融通処理の制御権を一時運用管理装置30に返
す。
【0051】次に、運用管理装置30は、紙幣不足気味
のATM10aに紙幣補充する紙幣補充動作の開始をキ
ャリアステップステーション3に指示する。この指示に
より、以後、キャリア4とATM10aに対する現金融
通処理の制御権は運用管理装置30からキャリアステー
ション3に移され、キャリアステーション3は、キャリ
ア4およびATM10aに対し、所定の動作指示を行
い、紙幣不足気味のATM10aに紙幣を補充する。
【0052】この紙幣補充動作が終了すると、キャリア
ステーション3は、運用管理装置30に対し紙幣補充動
作の終了を通知して、キャリア4、ATM10aに対す
る現金融通処理の制御権を運用管理装置30に返す。
【0053】以上が紙幣回収および補充動作による“エ
ンド回避処理”である。
【0054】一方、運用管理装置30にて、紙幣があふ
れそうなATMが検知されたときは、前述同様にして、
そのATMから紙幣を回収し、紙幣が少な目なATMを
選択して補充する、“あふれ回避処理”を行う。
【0055】このような現金融通処理により、現金処理
システムの運用中に、ある1台のATMに出金取引ある
いは入金取引が集中して、紙幣の不足あるいはあふれに
よるATMの運用停止が避けられ、各ATMの休止時間
の縮小が図れるとともに、複数のATM相互間で現金を
効率よく融通して、コーナー全体での運用資金を最小限
に管理することができる。
【0056】以上は、収納紙幣の過不足に応じ、過剰な
紙幣を抱えるATMから紙幣が不足気味のATMに対し
てキャリア4が、紙幣を自動的に回収し、補充する融通
現金融通処理を説明したが、キャリア4にこのような動
作をさせるには、各ATMの位置と各ATMの紙幣搬送
路の位置を覚えさせて目的のATMへの移動と紙幣回
収、紙幣補充の操作を行わせる必要がある。キャリア4
が自律走行移動システムである場合、その動作を的確に
行えるようにするにはティーチングが必要である。この
ことについて次に触れれておく。
【0057】<ティーチング>ティーチングについて説
明する。
【0058】例えば、図2に示したようにATM10a
〜10cが配置されたとき、キャリア4は、これらの後
面側を走行移動しながら、キャリアステーション3から
の指示されたATMに移動するようになっているが、そ
のために、キャリア4は、どのATMがどの位置に設置
されているのかを知っている必要がある。
【0059】ティーチングとは、このような情報をキャ
リア4に設定するためのもので、その際、たとえば、図
3に示したようなテーブルをキャリア4に記憶させるよ
うになっている。
【0060】図2のATM10a〜ATM10c、キャ
リアステーション3の識別子をそれぞれ“A”、
“B”、“C”、“D”とする。例えば、実際にキャリ
ア4を走行させて、各ATM10a〜10c、及びキャ
リアステーション3の所定の停止位置の位置決めを行
い、図3に示したように、各ATM10a〜10c、及
びキャリアステーション3の識別子に対応させてその位
置決め情報を登録するようになっている。
【0061】このようなティーチングをシステム設置時
に行うことにより、ATM10aから0c、及びキャリ
アステーション3がどのように配置されていようとも、
キャリア4は、キャリアステーション3から指示された
識別子をキーとして図3に示したようなテーブルを参照
することにより、目的地に移動することが可能となる。
【0062】<運用動作>このようなティーチングが終
了すると、システムの実際の運用に移る。これは、並ん
で配置された複数台のATMの背面側を行き来するキャ
リアにより、前記尾現金融通処理を行うことを主体とす
る。
【0063】キャリアは紙幣の回収時、あるいは供給時
に、制御手段による制御の下、任意のATMと対向する
位置まで自走する。その際、キャリアの検出手段により
ATMに対する自己の位置が検出され、キャリアはAT
Mに対して所定の位置に位置決めされる。
【0064】続いて、キャリアの持つ現金収納庫が上記
任意のATMの搬入搬出口と対向する位置に位置調整さ
れ、キャリアとATMの持つ受渡し手段をドッキングさ
せて、この受渡し手段により現金収納庫から紙幣が搬出
され、あるいは搬入される。ATMにおいては、紙幣の
搬入時、つまり、紙幣の補充時、搬送手段の搬送部材は
駆動手段によって搬入方向に駆動され、搬入搬出口を通
して送られてきた紙幣を連絡通路を通してATM内に搬
入する。
【0065】また、紙幣の搬出時、つまり、ATMから
紙幣受渡し装置側へ紙幣を回収する際、上記搬送手段の
搬送部材は駆動手段によって逆方向、つまり、搬出方向
に駆動され、紙幣は共通の連絡通路を通して搬入搬出口
から紙幣受渡し装置側へ送られる。
【0066】このようにして、キャリアステーションの
管理の基に、キャリアは、余剰のあるATMから、紙幣
を回収し、紙幣が不足気味のATMに対してはこの回収
した紙幣を補充して、どのATMも常に、紙幣があふれ
たり、不足したりすることなくこれらを運用して、顧客
サービスに努めることができる。
【0067】<システムの詳細>システムのさらに詳細
を説明する。
【0068】図4および図5は、金融機関に設置された
現金処理システム全体の構成を概略的に示している。こ
の現金処理システムは、複数台、例えば、4台の自動取
引装置(以下ATMと称する)10a,10b,10
c,10dと、各ATM10a,10b,10c,10
dに対し取引媒体としての紙幣を補充および回収する現
金受渡し装置(キャリア)4とを備えて構成されてい
る。
【0069】図6に示すように、ATM10a,10
b,10c,10dはほぼ矩形箱状の本体200を備
え、本体の前面には、利用者に対面するほぼL字形状の
接客パネル202が設けられている。接客パネル202
の水平部には、タッチパネルを兼ねた表示部204が設
けられ、垂直部には、カード挿入口206、通帳挿入口
208等が設けられている。また、接客パネル202の
水平部基端には、それぞれ扉によって開閉される紙幣入
出金口210および硬貨入出金口212が設けられてい
る。
【0070】本体200内には、紙幣入出金口210を
介して利用者に紙幣を入出金するための入出金環流式の
紙幣取扱装置214、硬貨入出金口212を介して硬貨
を入出金する硬貨取扱装置216、制御ユニット21
8、通帳プリンタ220、カード/伝票処理装置222
等が配設されている。これらの紙幣取扱装置214およ
び硬貨取扱装置216はこの発明における現金収納部を
構成している。
【0071】本体200の後面には、紙幣取扱装置21
4および硬貨取扱装置216を本体から取出し可能とす
るための開閉自在な扉224が設けられている。この扉
224には、後述する紙幣取扱装置214の搬送連絡部
に対向した挿通口226が形成され、この挿通口226
は、必要時以外は、上下に開くシャッタ228によって
閉じられている。また、紙幣取扱装置214の後面には
コネクタ230が設けられ、挿通口226に対向してい
る。
【0072】図7に示すように、紙幣取扱装置214は
細長い箱状の筐体232を有し、この筐体内の上部に
は、紙幣入出金口210に対向して入出金ホッパ234
が回動自在に設けられている。入出金ホッパ234は、
実線で示す立位状態において、入出金口210から投入
された多数枚の紙幣を一括して受けれ、あるいは、利用
者に出金するとともに、一点鎖線で示す回動位置におい
て、入金された紙幣を繰り出しローラ233によって一
枚づつ搬送路内に繰り出し、あるいは、搬送されてくる
出金紙幣を受け入れる。
【0073】また、筐体232内の上部には、繰り出し
ローラ233によって取り出された入金紙幣を一時的に
集積する入金一時集積部235、入出金ホッパ234に
払い出される出金紙幣を一時的に集積する出金集積部2
36、および入金紙幣、出金紙幣の券種、正損、真偽等
を検査する鑑査手段としての鑑査部237が設けられて
いる。鑑査部237の近傍には、出金取引時に、折れ券
や2枚重ね券等の出金に不適切なリジェクト紙幣を収容
するリジェクト庫238が設けられている。
【0074】入金一時集積部235は、一回の入金取引
分だけ紙幣を集積する集積容器235aを有し、その上
部開口の近傍には、取出しローラ240、集積ローラ2
41、および取出しローラを駆動するモータ242が設
けられている。
【0075】また、集積容器235a内には、集積され
た紙幣Pを取出しローラ240に向けて押し付ける降自
在なバックアップ板244が設けられている。
【0076】入金取引時、後述する搬送路を通して送ら
れて来た紙幣は、集積ローラ241によって空状態の集
積容器235a内へ取り込まれ、バックアップ板244
上に集積される。入金動作が終了すると、集積容器23
5a内に集積された紙幣は取出しローラ240によって
1枚づつ取り出され、搬送路へ繰り出される。なお、取
出しローラ240は、独立したモータ242の回転を制
御することによって、取引に必要な所定枚数の紙幣を搬
送路に繰り出しできるように構成されている。出金一時
集積部236は、搬送ベルト対によって構成され、出金
紙幣を一旦プールして所定枚数になった時点で、一括し
て入出金ホッパ234へ放出する。
【0077】筐体232内の下部には、入金された紙幣
を収容する媒体収納部としての第1ないし第3のスタッ
カ246、247、248が並んで配設されている。こ
れら第1ないし第3のスタッカ246、247、248
は、それぞれ金種別になっており、1万円札紙幣を収容
する万円札庫、千円札紙幣を収容する千円札庫、その他
の紙幣を収容する金庫として用いられている。
【0078】これら第1ないし第3のスタッカ246、
247、248は、全て同一構成を有している。例え
ば、第1のスタッカとしての万円スタッカ246は、そ
の上部開口の近傍に設けられた取出しローラ250aお
よび集積ローラ250bを備えている。取出しローラ2
50aは独立したモータ252によって回転駆動され
る。また、万円スタッカ246内には、モータ253お
よびベルト254によって駆動されるバックアップ板2
55が昇降自在に配設されている。
【0079】出金取引時、万円スタッカ246内に水平
に集積された紙幣は、バックアップ板255によって取
出しローラ250aに向かって押し付けられ、取出しロ
ーラ250aによって最上部の紙幣から1枚づつ取り出
される。また、入金取引時、搬送路を通して送られてき
た紙幣は、集積ローラ250bによって万円スタッカ2
46内に取り込まれ、スタッカ内の紙幣の上に集積され
る。バックアップ板255は、図示しないセンサ制御に
より、出金時は、紙幣を取出しローラ250aに押し付
けるように上方に移動し、入金時は、集積紙幣の最上部
と集積ローラ250bとの間に所定寸法の空間を形成
し、入金紙幣の収容スペースを確保する。第3のスタッ
カ248と筐体232の後壁との間には、第4のスタッ
カ256が並んで設けられている。第4のスタッカ25
6は他のスタッカと同様の構成を有しているが、紙幣装
填スタッカとして機能する。すなわち、係員によって第
4のスタッカ256に紙幣がセットされると、第4のス
タッカから1枚づつ紙幣を繰り出して第1ないし第3の
スタッカ246、247、248に供給することができ
るとともに、第1ないし第3のスタッカから取出した紙
幣を第4のスタッカに収容することもできる。従って、
係員は、第4のスタッカ256にのみアクセスするだけ
で、第1ないし第3のスタッカ246、247、248
の各々に対して紙幣の装填あるいは回収を行うことがで
きる。
【0080】筐体232内には、各構成部分を通して紙
幣を1枚づつ搬送するための多数の搬送路が形成されて
いる。これらの搬送路は、多数の搬送ローラ257と、
搬送ローラに掛け渡された多数の搬送ベルト258とに
よって構成され、紙幣を搬送ベルト間に挟んだ状態で搬
送する。
【0081】搬送路を構成する搬送ローラ257および
搬送ベルト258を駆動するためのメインモータ260
は一方向にのみ回転駆動され、後述する搬送連絡部を除
き、紙幣を搬送路に沿って所定の一方向に搬送する。
【0082】筐体232の後壁中央部にはほぼ矩形状の
紙幣搬入搬出口262が形成され、ATM本体200の
扉224に設けられた挿通口226と対向している。ま
た、筐体232内の後端部ほぼ中央には、搬送手段とし
て機能する搬送連絡部264が設けられている。搬送連
絡部264は、複数の搬送ローラ265(ハッチングの
付された搬送ローラ)と、これらに掛け渡された複数の
搬送ベルト266とを有し、こられ搬送ローラおよび搬
送ベルトにより搬送連絡通路268を形成している。
【0083】搬送連絡通路268は、紙幣搬入搬出口2
62の近傍からほぼ水平に延びて紙幣取扱装置214内
の搬送路に連通している。また、搬送ローラ265およ
び搬送ベルト266は、駆動手段としての正逆回転自在
な正逆モータ280により、駆動ベルト281を介して
駆動される。従って、正逆モータ280の回転方向を制
御することにより、搬送連絡通路268を通る紙幣を通
常の搬送方向およびこれと逆方向に搬送することができ
る。その結果、搬送連絡部264は、後述するように、
1本の搬送連絡通路268を通して、挿通口226およ
び紙幣搬入搬出口262を介して外部から供給された紙
幣を一枚づつ筐体232内に搬入するとともに、第1な
いし第3のスタッカ246、247、248から回収し
た紙幣を一枚づつ搬出することができる。
【0084】また、搬送路の所定位置には、紙幣の搬送
経路を切り換えて紙幣を所定の部位へ搬送するための複
数の振り分けゲートG1ないしG9が設けられている。
各振り分けゲートは、図示しないソレノイド等によって
2位置間を回動され、紙幣を2方向のいずれかに振り分
ける。
【0085】その他、筐体232内には、上述した種々
の機構部をATM10aの主制御部218からのプログ
ラム指示に従って制御するユニット制御部282等が設
けられている。ユニット制御部282は主制御部218
と共にこの発明における制御手段を構成している。
【0086】なお、他のATM10b、10c、10d
は、上述したATM10aと同様に構成されいる。そし
て、これらのATM10aないし10dは、その後面が
平行に揃った状態で、金融機関の床面25上に並んで設
置されている。
【0087】図5に示すように、4台のATM10aな
いし10dは、それぞれLANアダプタ27を介して金
融機関のローカルエリアネットワーク(LAN)28に
接続されている。また、LAN28には、各ATM10
aないし10dを監視する運用管理端末としてパーソナ
ルコンピュータ等のによる運用管理装置30が接続され
ている。そして、この運用管理装置30には、各ATM
10aないし10dからATMの動作状態、例えば障害
発生状況や、取扱媒体としての紙幣や硬貨の残量等がL
AN28を介して随時報告される。
【0088】一方、図4および図5に示すキャリアステ
ーション3とキャリア4は、現金受渡し装置を構成す
る。すなわち、現金受渡装置は、LAN28に接続され
た送信手段としてのキャリアステーション3と、キャリ
アステーション3からの指令に従い、ATM10aない
し10dの後面に沿って床面25上を自走する移動台車
としてのキャリア4とから構成されている。
【0089】キャリアステーション3は、LAN28を
介して運用管理装置30に接続されたパーソナルコンピ
ュータからなるモニタ35を備え、このモニタ35は運
用管理装置30との間で情報および指令の連絡を行な
う。運用管理装置30からLAN28を介してモニタ3
5に入力された指令は、コンバータ36によって無線信
号に変換され、更に、送受信部37、アンテナ38を介
してキャリア4へ送信される。そして、キャリア4は、
キャリアステーション3からの指令に従って所定のAT
Mと対向する位置まで自走し、このATMに対して現金
の受渡しを行なう。
【0090】図4および図8に示すように、キャリア4
は、台車本体として機能する台車40、台車40上に取
り付けられたスライド機構42、台車40上にスライド
機構42を介して支持され媒体保持部あるいは現金保持
部として機能する紙幣給配ユニット43、紙幣給配ユニ
ット43を覆ったほぼ矩形箱状のハウジング44等を備
えて構成されている。
【0091】図8ないし図10に示すように、台車40
は左右2つの駆動輪46a、46b、および1つの従動
輪47が取り付けられた矩形板状のベース45を有し、
これらの車輪により床面25上を走行可能となってい
る。
【0092】一方の駆動輪46aは、ベース45上に設
けられたウォーム減速機48、カップリング49を介し
てサーボモータ50aに接続され、他方の駆動輪46b
もウォーム減速機48、カップリング49を介してサー
ボモータ50bに接続されている。そして、左右の駆動
輪46a、46bは独立した2つのサーボモータ50
a、50bによって別々に駆動され、これらサーボモー
タ50a、50bを正転/逆転および速度制御すること
により、台車40は床面25上を直線的あるいは曲線的
に往復道することができる。
【0093】また、従動輪47はいわゆるキャスタ構造
を有し、台車40が曲線走行する際、あるいは前進から
後進に切り替わる際に対応できるように、軸51の回り
で回転自在に取り付けられている。なお、駆動輪46
a、46b、従動輪47、ウォーム減速機48、サーボ
モータ50a、50bは、この発明における走行機構を
構成している。
【0094】左右の駆動輪46a、46b間においてベ
ース45には回動自在な回動アーム52が支持され、こ
の回動アーム52の先端には摩擦車53が取り付けられ
ている。摩擦車53は床面25に接触して設けられ、台
車40の走行に連動して床面25上を転動する。また、
摩擦車53の回転は、ベルト54を介して、ベース40
上に設けられたエンコーダ55に伝達され、エンコーダ
55は伝達された回転を所定のパルス数としてカウント
し後述する制御部104に入力する。
【0095】ベース45上には、駆動源として作用する
一対の充電式のバッテリ56が載置されている。これら
のバッテリ56は、サーボモータ50a、50bを駆動
するとともに、後述するようにキャリア4の他の電気系
すべてに給電する。また、バッテリ56は、ハウジング
44の後面に設けられたコネクタ57を、キャリアステ
ーション3に設けられた給電ソケット58(図4参照)
に接続することによって充電される。
【0096】図8に示すように、台車40の前後部には
それぞれバンパ60、61が取り付けられ、更に、バン
パ60、61の裏側には後述する圧力センサ62、63
がそれぞれ取り付けられている。そして、バンパ60、
61に異物や人体が接触して圧力が作用すると、圧力セ
ンサ62、63が反応し、これに応じて制御部によりサ
ーボモータ50a、50bが停止され、キャリア4の走
行が停止される。
【0097】また、ハウジング44の前壁および後壁に
はそれぞれ反射型センサ64が設けられ、反射型センサ
64の検知範囲65であるキャリア4の前後約1mの範
囲に人体等の反射物が出現すると、反射型センサはこれ
を検知して上記と同様にキャリア4の走行を停止する。
【0098】このような圧力センサ62、63および反
射型センサ64を備えた安全装置に加えて、ハウジング
44の上面にはパトロールライト66が取り付けられ、
このパトロールライト66はキャリア4の走行中に回転
しながら点灯する。
【0099】また、ATM10aないし10dの後面と
対向するハウジング44の側壁44aには、任意のAT
Mに対してキャリア4を位置決めするための一対の反射
型距離センサ68a、68bがX方向に沿って所定の間
隔を置いて取り付けられている。これらの反射型距離セ
ンサ68a、68bは超音波センサで構成され、ハウジ
ング44の側壁44aから反射面、つまり、ATMの後
面までの垂直方向距離をミリ単位で精密に測定すること
ができる。反射型距離センサ68a、68bは、この発
明における検出部として機能し、後述する距離測定回路
106とともに検出手段および第1の検出手段を構成し
ている。
【0100】側壁44aの上部には赤外線リモコンの発
光部67aが設けられている。各ATM10aないし1
0dの後面には、発光部67からの赤外線を受信する受
光部67bが設けられ、受光部67bによって赤外線が
受信されるとATMのシャッタ228が開けられ挿通口
226が開放される。
【0101】更に、ハウジング44の上面にはアンテナ
70が設けられ、このアンテナ70は後述する送受信部
に接続されている。そして、このアンテナ70を介し
て、キャリアステーション3とキャリア4との間で信号
の送受信が行なわれる。また、ハウジング44の上面に
は、係員が手動でキャリア4を作動させるための操作ノ
ブ71が設けられている。
【0102】一方、図8および図11ないし図12に示
すように、ハウジング44の側壁44aには矩形状の開
口44bが形成され、紙幣給配ユニット43はこの開口
44bに対向した状態でハウジング44内に配設されて
いる。紙幣給配ユニット43は開口44bを通過可能な
大きさの矩形箱状に形成されている。
【0103】紙幣給配ユニット43の側壁下部には開口
44bに向かって突出した突出部43aが形成され、こ
の突出部の先端面には、受渡し口73が形成されてい
る。突出部43aはATM10aないし10dの挿通口
226に挿入可能な大きさに形成されているとともに、
受渡し口73は、紙幣取扱装置214の紙幣搬入搬出口
262とほぼ同一の大きさに形成されている。
【0104】キャリア4に搭載されたこの紙幣給配ユニ
ット43内には、紙幣集積箱284が配設されている。
この紙幣集積箱284内には、多数枚の紙幣を積層状態
で集積した紙幣集積部286、紙幣集積部の上方に位置
したリジェクト集積部287、紙幣集積部の下方に設け
られ紙幣集積部から紙幣を一枚づつ取り出す取り出しロ
ーラ288、紙幣集積部の上端近傍に位置した取り込み
ローラ290、リジェクト集積部に隣接して位置したリ
ジェクト取り込みローラ292等が設けられている。
【0105】また、紙幣給配ユニット43内には、受渡
し手段および搬送機構として機能する紙幣搬入搬出部2
91が設けられている。この紙幣搬入搬出部291は、
受渡し口73に隣接して位置した搬入搬出ローラ29
4、296、取り込みローラ290と対向した第1の搬
送ローラ297、リジェクト取り込みローラ292と対
向した第2の搬送ローラ298、駆動ローラ1300、
複数のガイドローラ302、これらのローラに掛け渡さ
れて搬送路を形成した複数の搬送ベルト304を備えて
いる。
【0106】そして、紙幣給配ユニット43内には、紙
幣集積部286から取り出された紙幣を受渡し口73へ
搬送する充填通路301aと、充填通路の中途部から上
方に向かって取り込みローラ290およびリジェクト取
り込みローラ292の近傍まで延びた回収通路301b
と、が形成され、この搬送経路により、ATM等と紙幣
の受け渡しが行えるようになっている。
【0107】また、キャリア4の当該紙幣給配ユニット
43内には、取り出しローラ288を駆動する第1の駆
動モータ306、駆動ローラ1300を駆動する正逆回
転自在な第2の駆動モータ307、第1および第2の搬
送ローラ297、298間に配置され回収紙幣とリジェ
クト紙幣とを振り分ける振り分けゲート308、および
充填通路と回収通路と間に設けられ、回収紙幣を回収通
路へ振り分ける振り分けゲート309が設けられてい
る。
【0108】キャリア4の当該紙幣給配ユニット43か
らATM側に紙幣を補充する場合、第1および第2の駆
動モータ306、307が駆動される。これにより、取
り出しローラ288が回転駆動されることによって当該
ローラ288により紙幣集積部286の最下部から一枚
づつ紙幣が取り出され、これはガイドローラ302、搬
送ベルト304、搬入搬出ローラ294、296により
搬送されることによって、充填通路301aおよび受渡
し口73を介して送り出される結果、紙幣がATM側に
供給される。
【0109】また、ATM側から紙幣を回収する場合、
第2の駆動モータ307が逆転駆動され、ATM側から
搬出された紙幣は、搬入搬出ローラ294、296、搬
送ベルト304を介して第1の搬送ローラ297まで搬
送され、回収紙幣であれば振り分けゲート308によっ
て紙幣集積部286の上部へ振り分けられ取り込みロー
ラ290によって紙幣集積部286内に集積される。リ
ジェクト紙幣である場合、この紙幣は振り分けゲート3
08によって第2の搬送ローラ298へ導かれ、リジェ
クト取り込みローラ292によってリジェクト集積部2
87に集積される。
【0110】この例の場合、紙幣給配ユニット43の突
出部43aの先端面には、ATM側から紙幣給配ユニッ
ト43を制御するためのコネクタ76が設けられてい
る。
【0111】つまり、コネクタ76は、後述するように
紙幣給配ユニット43の紙幣搬入搬出部291がATM
側の紙幣連絡部264に接続された際、ATMの紙幣取
扱装置22に設けられたコネクタ230に接続され、コ
ネクタ76を介してATM側から紙幣給配ユニット43
の第1および第2の駆動モータ306、307の動作を
制御できる。
【0112】図11ないし図12に示すように、キャリ
ア4に搭載される紙幣給配ユニット43は、キャリア4
とATMとの間で紙幣給配ユニット43を移動させるス
ライド機構42、ATMの挿通口226に対する紙幣給
配ユニット43の位置を微調整する位置調整手段として
の微調整機構78、および支持フレーム80を介して台
車40のベース45上に支持されている。
【0113】詳細に述べる。図に示したように支持フレ
ーム80はベース45上に立設され、微調整機構78
は、この支持フレーム80上に載置された下テーブル8
2および上テーブル83を備えている。下テーブル82
はリニアスライダ84を介して支持フレーム80上に載
置され、X方向に沿って往復動可能となっている。そし
て、下テーブル82は、支持フレーム80上に設置され
たモータ86により、ボールネジ85を介してX方向に
往復移動される。
【0114】下テーブル82上に配置された上テーブル
83は、Y方向に延びるボールネジ87aないし87d
によってその4隅が下テーブルに支持されている。これ
らのボールネジ87aないし87dは上テーブル83上
に取り付けられた4つのモータ88aないし88dにそ
れぞれ接続され、各モータ88aないし88dを駆動す
ることにより上テーブル83の4隅をそれぞれ独立して
上下動、つまり、Y方向へ移動させることができる。
【0115】例えば、上テーブル83が水平な状態で4
つのモータ88aないし88dを同量回転させると、上
テーブル83は水平状態のまま上下移動する。また、図
4に示すXYZ座標を用いる場合、モータ88aおよび
88bを同時に回転させると、上テーブル83はX軸を
中心としてTz方向にチルトし、モータ88aおよび8
8cを同時に回転されると、上テーブル83はZ軸を中
心としてTy方向にチルトする。
【0116】従って、モータ86および4つのモータ8
8aないし88dを制御することにより、上テーブル8
3はX方向、Y方向に平行移動できるとともに、Tzお
よびTy方向にチルトさせることができる。
【0117】スライド機構42は、上テーブル83に立
設された一対の支柱90にそれぞれ取り付けられた左右
のスライドレール91a、91bと、これらのスライド
レール91a、91bに支持されたベース板92とを有
している。各スライドレール91a、91bはZ方向に
延び、それにより、ベース板92はZ方向へ往復移動可
能となっている。そして、このベース板92上に紙幣給
配ユニット43が載置されている。
【0118】図12に示すように、スライド機構42の
駆動部94は、上テーブル83上に設けられたモータ9
4、大プーリ95、および複数の小プーリ96aないし
96dを備え、モータ94と大プーリ95とには駆動ベ
ルト97が巻装され、大プーリと小プーリとにはベルト
98が巻装されている。このベルト98の一部は、連結
部98aを介してベース板92に連結されている。小プ
ーリ96aないし96dの内、小プーリ96b、96c
は上テーブル83上をZ方向に沿って往復動自在に設け
られている。
【0119】そして、モータ94により駆動ベルト97
を介して大プーリ95を回転させると、ベルト98が走
行し、連結部98aを介してベース板92がZ方向に移
動される。この際、小プーリ96b、96cは動滑車的
に移動し、連結部98aおよびベース板83は大きなス
トロークでZ方向に往復動することができる。それによ
り、ベース板92上に載置された紙幣給配ユニット43
は、ハウジング44内に収納された収納位置と、ハウジ
ング44から外方に突出し任意のATMに接続可能な接
続位置との間を移動される。
【0120】なお、上記スライド機構42は、紙幣給配
ユニット43の紙幣搬入搬出部291とともにこの発明
における受渡し手段を構成している。
【0121】また、紙幣給配ユニット43をATMの挿
通口226に対して高精度に位置決めするため、上テー
ブル83上にはATM側に向かって一対の反射型センサ
100a、100bが設けられ、更に、ベース板92上
にはATM側に向かって1つの反射型センサ102が設
けられている。これらの反射型センサ100a、100
b、および102は、このシステムにおける第2の検出
手段として機能する。図13は、上記のように構成され
たキャリア4の制御系の構成を概略的に示している。
【0122】つまり、キャリア4は、マイクロコンピュ
ータ等のプロセッサ(CPU)を主体とする制御手段と
しての制御部104を備え、この制御部104はROM
105に格納された制御プログラムに従って上述した種
々の機構の動作を制御する。制御部104には、反射型
距離センサ68a、68bからの信号に基づいてATM
に対するキャリア4の距離、傾き(平行度)を測定する
距離測定回路106、距離測定回路106による測定結
果に応じて駆動輪46を駆動するモータ50a、50b
の回転を制御するサーボ回路107、エンコーダ55、
バッテリ56、反射型センサ64、圧力センサ62、6
3、およびパトロールライト66が接続されている。
【0123】また、制御部104には、微調整機構78
のモータ86およびモータ88aないし88dを駆動す
るドライバー108、110、反射型センサ100a、
100b、102、アンテナ70を介して無線信号を送
受し、無線通信を行う送受信部112、赤外線リモコン
の発光部67a、およびキャリア4の停止位置等を記憶
するメモリ114が接続されている。
【0124】更に、制御部104には、紙幣給配ユニッ
ト43の動作を制御する配送制御部310が接続されて
いる。配送制御部310には、第1および第2の駆動モ
ータ306、307、紙幣給配ユニット43の位置を検
出する位置センサ312、コネクタ76が接続されてい
る。
【0125】次に以上のように構成された現金処理シス
テムの動作について説明する。
【0126】まず、現金処理シテムスを金融機関等に設
置した後、実際の運用動作を開始する前にキャリア4の
学習を行なう。つまり、キャリアステーション3から各
ATM10aないし10dに対向する位置までどれだけ
走行すべきかをキャリア4に記憶させる。
【0127】この場合、図14に示すように、キャリア
4がキャリアステーション3にドッキングしている時の
キャリア4の後面の位置を基準位置Rとし、ATM10
aのキャリアステーション3側の側面に対するキャリア
4の反射型距離センサ68aのX方向距離Lが約3cm
程度となる時のキャリア後面の位置をATM10aに対
するキャリア4の停止位置PAとする。
【0128】同様に、ATM10b、10c、10dに
対して反射型距離センサ68aのX方向距離Lが約3c
m程度となる時のキャリア後面の位置を、それぞれAT
M10b、10c、10dに対するキャリア4の停止位
置PB、PC、PDとする。そして、キャリア4を基準
位置Rから各停止位置PA、PB、PC、PDまで走行
させ、その際、エンコーダ55の回転パルス数をカウン
トし、距離RA、AB、BC、CDに対応するパルス数
をメモリ114に記憶する。
【0129】上述した学習が終了した後、実際の運用動
作が開始される。通常の動作において、運用管理装置3
0は各ATM10aないし10dの動作状態を監視し、
運用管理装置30には、各ATM10aないし10dか
らATMの動作状態、例えば障害発生状況や、取扱媒体
としての紙幣や硬貨の残量等がLAN28を介して随時
報告される。
【0130】運用管理装置30はこれらの情報に基づ
き、どのATMの紙幣残量が少なく、どのATMの紙幣
残量が多いかを認識し、更に、今後どのATMが多く利
用されるかという予測情報も勘案して最終的にどのAT
Mから紙幣を回収しどのATMへ紙幣を充填するかを決
定する。例えば、ATM10aから紙幣を回収してAT
M10cへ充填する場合、運用管理装置30はその旨の
指令を発する。
【0131】この指令はLAN28を介してキャリアス
テーション3およびATM10a、10cへ入力され
る。ATM10a、10cは、紙幣の受渡しのためにキ
ャリア4が到着するまで待機状態となる。但し、待機状
態においても、各ATM10a、10cは利用者との取
引が可能となっている。
【0132】キャリアステーション3に入力された指令
はモニタ35、コンバータ36、送受信部37、アンテ
ナを介して送信され、更に、キャリア4のアンテナ7
0、モ送受信部112を介して制御部104に入力され
る。
【0133】これに応じて制御部104はモータ50
a、50bによって駆動輪46を回転させ、キャリア4
をATM10aに向かって走行させる。キャリア4の走
行に伴って摩擦車53が回転しエンコーダ55が回転パ
ルスを発生する。そして、制御部104は、エンコーダ
55のパルス数が学習時に設定した所定のパルス数、つ
まり、RAのパルス数に達した時点でモータ50a、5
0bの駆動を停止する。それにより、キャリア4はAT
M10dに対応する停止位置Aに停止する。
【0134】なお、床面25の状態によっては、駆動輪
46あるいは摩擦車53がスリップしてキャリア4が停
止位置PAに正確に停止しない場合もあるが、距離Lが
ほぼ3cm程度となっていれば何等問題は生じない。
【0135】続いて、制御部104は、反射型距離セン
サ68bからの検出信号に応じてキャリア4とATM1
0a後面との間の距離DDが所定の値であることを確認
しながら、反射型距離センサ68aによってATM10
aのキャリアステーション3側の側縁Eが検出されるま
で、キャリア4を停止位置PAから更に走行させる。そ
して、制御部104は、側縁Eが検出された位置から、
予めROM105に格納されているプログラムに従った
所定距離だけ、つまり、所定のパルス数だけキャリア4
を走行させた後停止する。
【0136】また、制御部104は、反射型距離センサ
68a、68bからの検出信号に基づいてATM10a
の後面に対するキャリア4の傾き、つまり、平行度を測
定し、傾いている場合には、反射型距離センサ68aに
よる検出距離Ddと反射型距離センサ68bによる検出
距離Dd’とが一致するように、いずれかの駆動輪46
を駆動して傾きを補正する。
【0137】以上の動作により、図15に示すように、
キャリア4は、その開口44bがATM10aの挿通口
226とほぼ対向する位置へ移動および位置決めされ
る。この状態で、赤外リモコンの発光部67aからシャ
ッタ228の開放信号が出力され、ATM10aは、受
光部67bで開放信号を受信した時点でシャッタ228
を開け挿通口226を開放する。
【0138】次に、制御部104は、反射型センサ10
0a、100b、102からの検出信号によって下テー
ブル82および上テーブル83とATM10aの挿通口
226との間の位置ずれを測定し、ずれている場合には
微調整機構78によって下テーブル82をX方向、上テ
ーブル83をY方向、Tzチルト、Tyチルトさせるこ
とにより、位置ずれを精密に補正する。従って、上テー
ブル83上に載置された紙幣給配ユニット43は、その
突出部43aが挿通口226と正確に対向した位置に位
置決めされる。
【0139】上述した微調整が終了した後、制御部10
4はスライド機構42を作動させて紙幣給配ユニット4
3をハウジング44内の収納位置から接続位置へ移動さ
せる。それにより、図16に示すように、紙幣給配ユニ
ット43の突出部43aはATM10aの挿通口226
を通過し、突出部43aに設けられた受渡し口73は、
紙幣取扱装置214後壁の紙幣搬入搬出口262と隣接
対向する。
【0140】それにより、紙幣給配ユニット43の紙幣
搬入搬出部291が紙幣取扱装置214の搬送連絡部2
64に接続される。また、紙幣給配ユニット43のコネ
クタ76が紙幣取扱装置214のコネクタ230に接続
され、情報の授受が可能となる。
【0141】上述した接続作業が終了すると、制御部1
04により終了信号が送受信部112およびアンテナ7
0を介してキャリアステーション3に送信され、更に、
LAN28を介して運用管理装置30へ入力される。こ
れを受けた運用管理装置30は、ATM10aに対して
紙幣給配ユニット43の接続終了を連絡し、ATM10
aの紙幣取扱装置214に、例えば、一万円紙幣を40
0枚の紙幣を回収する旨の指示を入力する。
【0142】これに応じて、紙幣取扱装置214は、メ
インモータ260およびモータ252を駆動するととも
に、搬送連絡部264の正逆モータ280を例えば、正
転方向に駆動し搬送ベルト266を正方向に走行させ
る。それにより、万円庫246から紙幣が一枚づつ取り
出され、搬送路を通して搬送連絡部264へ搬送され、
更に、搬送連絡部により搬送連絡通路268を通して搬
入搬出口262から搬出される。
【0143】また、紙幣取扱装置214は、コネクタ2
30、76を介して紙幣給配ユニット43の第2の駆動
モータを駆動する。それにより、取り出された指定枚数
分の紙幣は、順次、紙幣搬入搬出口262から搬出され
て紙幣給配ユニット34側の紙幣搬入搬出部291へ送
られ、更に、搬送ベルト304および取り込みローラ2
90を介して紙幣集積部286内に回収される。なお、
利用者によりATM10aが使用されている場合には、
その取引が終わった後に上記回収動作が開始される。
【0144】回収動作が終了すると、ATM10aから
運用管理装置30へ終了報告がなされ、この報告を受け
た運用管理装置30はLAN28およびキャリアステー
ション3を介して終了信号をキャリア4へ送る。これに
応じて、キャリア4の制御部104はスライド機構42
を駆動して紙幣給配ユニット43を装填位置から収納位
置へ移動させ、ATM10aからハウジング44内へ収
容する。
【0145】続いて、図18に示すように、制御部10
4は上記と同様の動作によりキャリア4をATM10c
に対する停止位置PCまで移動させた後、ATM10c
に対して位置決めする。
【0146】この状態で、赤外リモコンの発光部67a
からATM10cのシャッタ228の開放信号が出力さ
れ、ATM10cは、受光部67bで開放信号を受信し
た時点でシャッタ228を開け挿通口226を開放す
る。
【0147】次に、制御部104は、微調整機構78に
よって紙幣給配ユニット43の位置を微調整し、紙幣給
配ユニット43の突出部43aをATM10cの挿入口
226に対して正確に位置決めする。微調整が終了した
後、制御部104はスライド機構42を作動させて紙幣
給配ユニット43をハウジング44内の収納位置から接
続位置へ移動させる。それにより、紙幣給配ユニット4
3の突出部43aはATM10cの挿通口24を通過
し、突出部43aに設けられた受渡し口73は、紙幣取
扱装置214の紙幣搬入搬出口262と隣接対向する。
そして、紙幣給配ユニット43の紙幣搬入搬出部291
が紙幣取扱装置214の搬送連絡部264に接続され、
また、紙幣給配ユニット43のコネクタ76が紙幣取扱
装置214のコネクタ230に電気的に接続され、情報
の授受が可能となる。
【0148】紙幣給配ユニット43の接続作業が終了す
ると、制御部104により終了信号が送受信部112お
よびアンテナ70を介してキャリアステーション3に送
信され、更に、LAN28を介して運用管理装置30へ
入力される。これを受けた運用管理装置30は、ATM
10cに対して紙幣給配ユニット43の接続終了を連絡
し、ATM10cの紙幣取扱装置214に、紙幣給配ユ
ニット34から400枚の一万円紙幣を補充する旨の指
示を入力する。
【0149】これに応じて、紙幣取扱装置214は紙幣
給配ユニット43の第1および第2の駆動モータ30
6、307を駆動し、取り出しローラ288によって紙
幣集積部286の最下部から順次紙幣を取り出す。同
時、紙幣取扱装置214は、メインモータ260を駆動
するとともに、搬送連絡部264の正逆モータ280を
逆方向に回転駆動し搬送ベルト266を逆方向に走行さ
せる。
【0150】それにより、紙幣給配ユニット43の紙幣
集積部286から取り出された紙幣は、ガイドローラ3
02、搬送ベルト304を介して紙幣搬入搬出部291
へ送られ、受渡し口73および紙幣搬入搬出口262を
通して紙幣取扱装置214の搬送連絡部264へ送られ
る。そして、各紙幣は、搬送連絡部264により搬送連
絡通路268を通して紙幣取扱装置214内へ搬入さ
れ、更に、搬送路を通って所定の金庫、例えば、万円庫
246に所定枚数補充される。なお、利用者によりAT
M10cが使用されている場合には、その取引が終わっ
た後に上記補充動作が開始される。
【0151】上述した補充動作が終了すると、紙幣給配
ユニット43がキャリア4のハウジング44内に戻され
た後、キャリア4は基準位置Rへ戻される。
【0152】以上のように構成された現金処理システム
によれば、キャリア4により、複数のATM間で現金を
自動的に受渡すことができ、作業員の労力を大幅に低減
することができる。そして、キャリア3は、ガイドレー
ル、走行テープ等を用いることなく無軌道および無線に
より任意のATM間を移動することができ、そのため、
ガイドレール、走行テープ等を設置する必要がなく、現
金処理システムを比較的容易に、かつ、安価に設置する
ことができるとともに、システム全体も小型にすること
が可能となる。
【0153】また、現金受渡し装置は、ATMに対して
キャリア4を位置決めする位置決め機構に加えて、AT
Mの挿通口226に対する紙幣給配ユニット43の位置
を微調整する微調整機構78を備えているため、現金処
理システムの設置面、つまり、金融機関等の床面25が
多少傾いている場合でも紙幣給配ユニット43をATM
に対して確実に装填し現金を確実に受渡すことがができ
る。従って、通常の床であれば特別な工事を施すことな
く現金処理システムを設置することができ、設置コスト
の一層の低減を図ることができるとともに、現金処理シ
ステムの設置場所を比較的自由に選択することが可能で
ある。
【0154】ところで、このような現金処理システム
は、キャリアとATMとが精度良く確実にドッキングさ
れた状態で紙幣の搬送を行わないと搬送中の紙幣が搬送
経路上で引っかかり、あるいはジャム状態になって搬送
不能に陥り、現金融通処理の停止はもちろんのこと、A
TMのサービスが停止することになる。また、搬送経路
に詰まった紙幣が破れたりすることもある。
【0155】従って、現金融通処理にあたっては、キャ
リアとATMの確実かつ高精度のドッキングを保証する
機能が不可欠である。また、ドッキングが完了しても紙
幣の搬送経路に障害物があったりしては、これもまた搬
送不良に陥り、サービス停止につながる。そこで、確か
な搬送経路の確保が重要である。
【0156】そこで、このような要求に応える現金処理
システムの具体的例を次に説明する。
【0157】本発明装置の第1の特徴点は、キャリアの
位置決め時の異常に対応できるようにすることにあり、
そのために、走行系の停止位置検出情報(ATMのエッ
ジ検出後の移動量:エンコーダカウント情報)とドッキ
ング機構の走行方向補正情報(ドッキングターゲットを
検出するまでの移動量:駆動パルス数)を履歴情報とし
て格納するメモリを有し、運用途中でこの停止位置検出
情報と走行方向補正情報の比が、あるレベルを超えた場
合に走行系に異常があると認識し、運用装置に通知する
とともに現在の処理を終了した後、運用ロボットはホー
ムポジションに復帰、停止し、走行ローラの汚れ除去等
の保守を行うことにある。
【0158】また、第2の特徴点は、ドッキングを確実
なものとするために、ATMの背面側の定位置に、バー
を設け、キャリア側にはこのバーに引っかけて位置固定
するためのフックを設けて、このフックをATMのバー
に引っかけることにより、位置固定する構成とした。
【0159】また、さらには、ドッキングの完了確認情
報として、フックのロック検出情報(機械的ドッキン
グ)と運用ロボット内の搬送路のセンサ機能チェック情
報(電気的ドッキング)を利用し、更に実際の取り引き
に先立って媒体の搬送路が確保されているかどうかの確
認を擬似媒体(パトロール券)を用いて実際に搬送し、
確認することにより、ドッキングの完了確認の信頼性を
高くするようにしたことにある。
【0160】また、本発明の第3の特徴点は、搬送確認
時にATMから運用ロボット方向と運用ロボットからA
TM方向との両方の搬送を行い、同時に搬送路のセンサ
が正常に機能することを確認するようにしたことにあ
る。
【0161】また、本発明の第4の特徴点は、運用ロボ
ットの高さ方向位置補正方法として、ティーチング時の
データを基にドッキングを行う際に、高さ方向のリミッ
トセンサが作動した場合に運用装置に通知するとともに
現在の処理を中断し、運用ロボットはホームポジション
に復帰、停止し、ATM側の確認及び運用ロボットの高
さ方向の水準の変更等の保守を行うようにしたことにあ
る。
【0162】また、本発明の第5の特徴点は、ティーチ
ング時の各々のATMに対する高さ方向の補正データを
運用ロボット内のメモリに格納しており、対応するAT
M毎にそのデータを用いて移動するが、この移動方法と
しては、毎回初期位置に戻った後、設定値まで移動する
のではなく、現在の設定値と対象となるATMに必要な
設定値との差分のみ駆動することにより、より高速な位
置決めを実現できるようにしたことにある。
【0163】また、本発明の第6の特徴点は、ドッキン
グ方向への運用ロボット内紙幣給配ユニット押し出し制
御方法として、対象となるATMの背面に停止した状態
で運用ロボットとATMの間隔情報(距離情報)を検知
し、この情報を用いることによりトルクリミットが作動
するまでの必要な押し出し量を演算装置により演算し見
積もり押し出し量をもとめ、押し出し動作の過程でトル
クリミットが作動したことを検知した際の押し出し量
が、見積もり押し出し量に対して少ない場合に押し出し
方向に障害物等があると判断し、運用管理装置に通知す
るとともに現在の処理を中断し、運用ロボットのホーム
ポジションに復帰、停止するようにし、対象となるAT
Mの状態及び運用ロボットの状態を確認するようにした
ことにある。
【0164】また、本発明の第7の特徴点は、押し出し
動作の過程でトルクリミットが作動したことを検知した
際の押し出し量が、見積もり押し出し量に対して妥当な
場合、押し出し動作を接続するが、押し出し速度をそれ
までの速度よりも遅くするとともにフックによるロック
動作を開始することを特徴とする。
【0165】また、本発明の第8の特徴点は、フックの
ロック確認を検知したら押し出し方向の駆動を停止し、
その後押し出し方向に、振動を与えるように微少量繰り
返すことにより、運用ロボット内の紙幣給配ユニット支
持機構系の機械的なガタを除去し、ロック状態を完全な
ものとするようにしたことにある。
【0166】また、本発明の第9の特徴点は、フック機
構は、フックによるロック方向が自重によりフックが落
下する方向と一致させる構造とすることにより、前記ガ
タ除去動作による効果を有効に機能させるようにしたこ
とにある。
【0167】また、本発明の第10の特徴点は、紙幣ジ
ャム時のドッキング解除方法として、運用ロボット側の
解除ボタンを押すことにより、ドッキングを解除する場
合、この解除ボタンを押すと解除動作を開始する前に搬
送路等のセンサにより搬送路及びドッキング部における
媒体残留位置のチェックを行い、媒体の残留位置を運用
ロボットの表示部に表示するとともに、解除動作に伴い
媒体が外に出ないよう、両方(ATM側及び運用ロボッ
ト側)の搬送路が回転しないようにロックした状態でド
ッキング解除動作を開始し、ATMとキャリアとの接続
解除を行い、解除後ジャム処理を実施するようにしたこ
とにある。
【0168】また、本発明の第11の特徴点は、媒体ジ
ャム等の障害レベルあるいは運用形態により、ジャム処
理を行う場所(運用ロボットの移動場所)を指定するよ
うにしたことにある。
【0169】また、本発明の第12の特徴点は、ジャム
処理時に、特にドッキング部(ATMと運用ロボットと
の媒体受渡し部)に媒体の残留を検知した場合には、解
除動作に伴い媒体を損傷しないように、いずれか一方の
搬送路をフリーな状態でドッキング解除を行うととも
に、オペレータに対しては、ドッキング部が離れた際に
媒体の落下等に注意するように案内するようにしたこと
にある。
【0170】また、本発明の第13の特徴点は、運用ロ
ボットの自己位置認識方法として、まず任意のATMの
背面に、ある間隔(距離センサの検知範囲内)と向き
(ドッキング方向がATM側になるように)及び他に運
用ロボットが稼動している場合には干渉しない位置に設
置すると、運用ロボットはいずれかの方向に移動してA
TMのエッジ検出を行った後にドッキング可能な位置に
再停止させ、その後、ドッキング動作を行いATMとド
ッキングする。ドッキングが終了したならば、キャリア
側からATM側に光信号を送るとともに、運用管理装置
に対しても状況(送信中等の情報)を知らせ、運用管理
装置は各々のATMに対して運用ロボットからの信号の
受信の有無を問い合わせ、受信しているATMがあった
場合に、そのATMの背面に現在運用ロボットがいると
認識して、この情報を運用ロボットに通知することによ
り自己位置の認識を行うようにしたことにある。
【0171】また、本発明の第14の特徴点は、運用形
態によっては、複数台の運用ロボットがATMの背面に
存在する場合があるが、これらの運用ロボットは運用管
理装置で位置を認識しているので当該運用ロボットが位
置するATMを除外した各々のATMに対して運用ロボ
ットからの信号の受信の有無を確認するようにしたこと
にある。
【0172】また、本発明の第15の特徴点は、運用ロ
ボットの位置を認識した後、現在の位置が対象とするA
TM(BMM)の背面であれば、必要な処理を開始し、
対象としないATM(BMM)の背面であれば、ドッキ
ングを解除して対象とするATMの背面まで移動し処理
を継続するようにしたことにある。
【0173】以下、これらの特徴点を持つ本発明の現金
処理システムについて、その例を具体的に説明する。
【0174】<本発明システムの具体例>図19は店舗
内に配置構成される自動預金支払機(ATM)の回収/
補充装置を示し、このATMの回収/補充装置は、図1
9に示すように、顧客の入力操作に基づいて現金を入出
金取引許容する複数台のATM10a,10b,…10
nと、これらのATM10a,10b,…10nに後方
(背面側)より接続(ドッキング)して現金を回収/補
充動作する運用ロボットとしてのキャリア4と、店舗内
の全運用金額を管理する運用管理装置30と、これら全
てのATM10a,10b,…10n、キャリア4を制
御管理する遠隔制御装置としてのキャリアステーション
3と、キャリア4の電源バッテリーに充電を行う充電ス
テーション15とから構成される。
【0175】上述の各ATM10a,10b,…10n
は、入金、出金、振込み、残高照会、記帳等の各種の自
動取引機能を有して店舗内に並列設置しており、この並
列設置したATM10a,10b,…10nのオペレー
タ保守エリアを、キャリア4が自律走行し、必要に応じ
て各ATM10a,10b,…10nにドッキングして
現金の回収/補充動作すなわち、現金融通処理動作をす
る。
【0176】また、キャリア4は用事のないときは所定
の待機位置に移動して待機しており、この待機位置には
充電ステーション15が配置されていて、待機状態にあ
るときは当該充電ステーション15と接続することによ
り、充電が行われる仕組みとなっている。
【0177】また、運用管理装置30と各ATM10a,
10b,…10nとの間は無線伝送を行っており、走行移
動するキャリア4に対して、回収/補充指令信号を送信
し、キャリア4に回収/補充動作(ある一つのATMよ
り回収した紙幣を別のATMに対して全て補充する:現
金融通処理)させる。
【0178】これにより、常時、キャリア4内に紙幣を
保有することなく、各ATM10a,10b,…10n
で運用される保有金額を最適な残金に維持管理する。
【0179】また、キャリアステーション(遠隔制御装
置)3は現在の各ATM10a,10b,…10nの保
有金額や運用状態を監視し、この監視データに基づいて
運用管理装置30を介してキャリア4を駆動制御し、各
ATM10a,10b,…10nに対する最適な現金運
用量を回収/補充動作(現金融通処理動作)する。
【0180】この場合、キャリアステーション(遠隔制
御装置)3からの通信は、各ATM10a,10b,…
10nと運用管理装置30とLAN接続とする。このと
きの通信内容は各ATM10a,10b…10nと運用
管理装置30からは現在の現金運用状態や自動取引毎の
現金運用データを受信し、各ATM10a,10b,…
10nと運用管理装置30に対しては、運用取引モード
の変更指示や回収/補充指示等を送信して運用制御す
る。
【0181】また、このキャリアステーション(遠隔制
御装置)3は、LAN接続されたパソコンであり、受信
内容によっては図示しないLAN接続されたパソコン等
の画面にも表示し、オペレータに知らせることができ
る。
【0182】さらに個々のATM10a,10b…10
nの運用残金、回収/補充金額等の運用データを運用管
理装置30は管理するが、これらの運用データをモニタ
画面に表示するなど、オペレータが現状の運用状態を一
目で把握できるように管理構成している。また、キャリ
ア4の状態を運用管理装置30を介してモニターするこ
とができる。
【0183】図20乃至図23は、このキャリア4の走
行及び目標とするATMに対する停止、並びにキャリア
4側の紙幣給配ユニット43の搬送路とATM10a,
10b,…10n側紙幣給配ユニット300との搬送路
とのドッキング機構を示したものである。また、キャリ
ア4の制御系システム構成図を図24に示す。
【0184】図24に示すキャリア4の制御系は、マイ
クロコンピュータ等のプロセッサ(CPU)を主体とす
る制御手段としての制御部104を備え、この制御部1
04はROM105に格納された制御プログラムに従っ
て上述した種々の機構の動作を制御する。制御部104
には、反射型距離センサ68a、68bからの信号に基
づいてATMに対するキャリア4の距離、傾き(平行
度)を測定する距離測定回路106、距離測定回路10
6による測定結果に応じて駆動輪46を駆動するモータ
50a、50bの回転を制御するサーボ回路107、エ
ンコーダ55、バッテリ56、反射型センサ64、圧力
センサ62、63、およびパトロールライト66が接続
されている。
【0185】また、制御部104には、紙幣給配ユニッ
ト43の位置の微調整を行う機構のモータ420,42
5およびモータ451を駆動するドライバー110、反
射型センサ100a、100b、102、アンテナ70
との間で無線信号を授受し、無線通信を行う送受信部1
12、例えば、赤外線による光通信を行う光通信部、お
よびキャリア4の停止位置等を記憶するメモリ114、
フック500とその駆動系を含むロック機構系、モータ
425のトルクを検出して設定値を超えると信号を出力
するトルクリミッタ440、種々の情報を表示するため
のディスプレイである表示部430等が接続されてい
る。
【0186】更に、制御部104には、紙幣給配ユニッ
ト43の動作を制御する配送制御部310が接続されて
いる。配送制御部310には、第1および第2の駆動モ
ータ306、307、紙幣給配ユニット43の位置を検
出する位置センサ312、コネクタ76が接続されてい
る。
【0187】キャリア4,ATM10a,10b,…1
0n、キャリアの制御系システム構成は、いずれも、基
本的構成の点で、すでに説明した上述の実施態様の例と
同じであるが、位置決め精度を確保するために、キャリ
ア4のATMに対する位置を高精度に位置決めするため
の、すなわち、キャリア4内の紙幣給配ユニット43と
ATM側の現金収納部(ATM側の紙幣取扱装置214
と硬貨取扱装置216の総称)300との間のずれのな
い確実な搬送経路接続を確保するため、ATMとの距離
を検出するセンサ461がキャリア4に設けてあり、ま
た、搬送経路の障害物検知のために、障害物検知センサ
130がキャリア4内の紙幣給配ユニット43の搬送経
路に設けてある。
【0188】[スライド保持機構の構造]先の例と異な
る構造として、本システムにおけるキャリア4の紙幣給
配ユニット43を保持するスライド保持機構400があ
る。
【0189】キャリア4には、ATMとのドッキング時
に紙幣給配ユニット43をATMの紙幣給配ユニット3
00に通じる搬送路と接続するために、当該紙幣給配ユ
ニット43を進退移動させ、また、紙幣給配ユニット4
3の高さ調整ができるようにするために、スライド保持
機構400が設けてあり、このスライド保持機構400
の後述するYテーブル403における紙幣給配ユニット
支持枠404に紙幣給配ユニット43は保持されてい
る。
【0190】また、キャリア4とATM10a,10
b,…10nには、それぞれドッキング時に両者で通信
するために、光通信手段を設けてあり、両者の必要な情
報の授受は光通信により非接触で行う仕組みとしてあ
る。
【0191】スライド保持機構400の分解斜視図を図
22に示す。
【0192】スライド保持機構400は図11、図12
で説明した如きのものでも良いが、ここでは、X方向に
スライド可能に支持フレーム80上に支持されたXテー
ブル401,当該Xテーブル401上に保持されてZ方
向にスライド可能なZテーブル402、このZテーブル
402上に保持されてY方向に回動可能なYテーブル4
03、Yテーブル403上に取り付けられて紙幣給配ユ
ニット43を保持する紙幣給配ユニット支持枠404、
この紙幣給配ユニット支持枠404に取り付けられ、図
11及び図12に示すATMの挿通口226と連絡する
x、y、x軸回りに位置調整可能な案内機構450とを
備えて、ATMとドッキングした際に、紙幣給配ユニッ
ト43の搬送口とATMの挿通口226とを正確に一致
させて位置決めできるように微調整機構を構成してあ
る。案内機構の540のy軸方向調整は高さ調整用であ
り、これは紙幣給配ユニット404に取り付けたモータ
451により制御できるようにしてある。x,z軸回り
は所定の範囲内で自由状態である。
【0193】このようなスライド保持機構400を、支
持フレーム80を介して台車40のベース45上に支持
させることによりキャリア4に搭載する構成とする(図
11,図12参照)。
【0194】また、図23にも示したように、スライド
保持機構400におけるATMの挿通口226対向位置
には一対のフック500が回動駆動操作可能に設けられ
ている。このフック500は図示しないフック駆動機構
により、駆動される構成である。
【0195】また、ATM10a,10b,…10nに
はそれぞれ前記挿通口226の近傍に、前記フック50
0が掛かるようにするためのバー510が定位置に固定
されて取り付けてある。従って、キャリア4がATMに
ドッキングするときに、フック500を前記バー510
に掛けると、x、z軸回りに自由度を持つ案内機構45
0はフック500とバー510による強制的な係合によ
って出入口が挿通口226と一致するように位置決めさ
れる構成である。
【0196】なお、420はXテーブル401駆動用の
位置補正モータであり、425はZテーブル402駆動
用のモータである。Yテーブル403は側縁に鍔部を設
けた断面コの字状で方形のZテーブル402内に設けら
れている関係で、自由度は少ないが、鍔部に規制される
範囲内でY軸回りに回動可能である。
【0197】従って、狭い範囲ではあるがスライド保持
機構400と案内機構450とによる3軸方向について
の完全なる自由度を持たせたことにより、この分は、ガ
タとなるものの、ATMとのドッキング時に、相手方と
フィットさせるための自由調整可能な範囲となる。その
ため、フック500との連係で、ATMとのドッキング
の際には、搬送経路がずれのないように接続関係を自動
的に保てる構成となる。
【0198】すなわち、キャリア4がATMにドッキン
グするときに、フック500を前記バー510に掛ける
と、x、z軸回りに自由度を持つ案内機構450はY軸
回りの自由度を持つYテーブル403とによって3軸回
りに自由度が与えられ、フック500とバー510によ
る強制的な係合によって位置や姿勢が矯正される結果、
出入口が挿通口226と一致するように位置決めされる
構成である。
【0199】キャリア4の走行系は、ATM10a,1
0b,…10nの筐体の端面を検出エッジセンサ120
及びATM10a,10b,…10nとの距離間隔を検
出する測距センサ461を有し、群管理システム導入時
のティーチングによるATM10a,10b,…10n
それぞれの端面からの位置情報(走行駆動系のエンコー
ダ55により計数した走行量対応のカウント値等)を基
に、ATM10a,10b,…10nのうち、目標とす
るATM背面に停止する。
【0200】すなわち、図8乃至図10で説明したよう
に、キャリア4はキャスタ構造の従動輪47を有し、台
車40が曲線走行する際、あるいは前進から後進に切り
替わる際に対応できるように、軸51の回りで回転自在
に取り付けられていると共に、駆動輪46a、46b、
従動輪47、ウォーム減速機48、サーボモータ50
a、50bを有してこれらで走行機構を構成している。
そして、左右の駆動輪46a、46b間においてベース
45には回動自在な回動アーム52が設けられ、この回
動アーム52の先端に摩擦車53を取り付けていて、こ
の摩擦車53は床面25に接触しており、台車40の走
行に連動して床面25上を転動する。また、摩擦車53
の回転は、ベルト54を介して、ベース40上に設けら
れたエンコーダ55に伝達され、エンコーダ55は伝達
された回転を所定のパルス数としてカウントし制御部1
04に走行距離情報として入力する構成である。そのた
め、このエンコーダ55のカウント情報を用いることで
ATMに対する位置を制御できる。
【0201】このようにキャリア4は、ATMの筐体の
端面及びATMとの間隔を検出しながら、群管理システ
ム導入時のティーチングによるATM10a,10b,
…10nそれぞれの端面からの位置情報を基に、ATM
10a,10b,…10nのうち、目標とするATM背
面に停止するように走行系が制御されることによって、
所定の誤差範囲内でATMに対するキャリア4の位置決
めをし、その後、キャリア4内の紙幣給配ユニット43
を走行方向に駆動する位置補正モータ420を制御部1
04が駆動制御することにより位置補正することで、微
調整する。
【0202】[位置補正修正制御機能]このようにキャ
リア4は、ATMの筐体の端面及びATMとの間隔を検
出しながら、群管理システム導入時のティーチングによ
るATM10a,10b,…10nそれぞれの端面から
の位置情報を基に、ATM10a,10b,…10nの
うち、目標とするATM背面に停止するように走行系が
制御されることによって、所定の誤差範囲内でATMに
対するキャリア4の位置決めをし、その後、キャリア4
内の紙幣給配ユニット43を走行方向に駆動する位置補
正モータ420を制御部104が駆動制御することによ
り位置補正することで、微調整するが、もちろん、この
時、キャリア4はその走行系が正常に駆動していれば、
位置補正する必要はない。しかし、現実には走行面の状
態やATMの端部を検出するためのエッジセンサ120
の特性変化等の影響で、ずれが生じ、位置補正量が変化
する。
【0203】本発明では、制御部104が事前にティー
チングにより設定したATM10a,10b,…10n
の端面からの位置情報(走行係のエンコーダ55のカウ
ント値等)に対する位置補正量の比が、ある値を超えた
場合に、“走行系に異常がある”と認識し、運用管理装
置30に通知すると共に、現在の処理を終了した後、キ
ャリア4のホームポジション(待機位置;充電ステーシ
ョン15の設置位置)に復帰し、停止させるべく制御す
ることにより、キャリア4をホームポジションに戻すよ
うにする。
【0204】このような状態が生じた場合には、オペレ
ータは、運用管理装置30に通知された情報を基に、走
行ローラ23の汚れ等の除去や検出センサ20の機能確
認等の保守を行うことで、位置補正が限界を越える場合
に対処できるようにする。
【0205】本発明ではこのような、事前にティーチン
グにより設定したATM10a,10b,…10nの端
面からの位置情報に対する位置補正量の比を、情報とし
て利用するようにしたことにより、実際に障害が発生す
る前に対策を打てるので、運用の信頼性が高くなる。
【0206】キャリア4内の紙幣給配ユニット43とA
TM側の現金収納部(ATM側の紙幣取扱装置214と
硬貨取扱装置216の総称)300との間のずれのない
確実な搬送経路接続を確保するために、つまり、ドッキ
ングする紙幣給配ユニット43のATMに対する紙幣受
渡口である案内機構450先端の出入口とATMの挿通
口226とが精度良く接続されるよう制御できるように
するために、キャリア4には自己とATMとの距離を検
出するセンサ461が設けてあり、また、図示しないが
キャリア4側に紙幣給配ユニット43の出入口とATM
の挿通口226との高さ方向の限界点を超えるずれを検
出するためのリミットセンサが設けられている。
【0207】そして、キャリア4側の紙幣給配ユニット
43の搬送路とATM10a,10b,…側紙幣給配ユ
ニット30との搬送路の高さ方向にずれが生じた場合の
位置補正方法として、制御部104により通常はティー
チング時のデータ(高さ方向補正量)を基にモータ45
1を駆動制御し、案内機構450を上下動させて行う
が、ドッキング時に高さ方向のリミットセンサが作動し
た場合に、制御部104は運用管理装置30にそれを通
知するとともに現在の処理を中断してキャリア4のホー
ムポジション(充電ステーション15)に復帰し、停止
するように制御する構成としておく。従って、リミット
センサが作動すれば、キャリア4はホームポジションに
自動的に戻される。
【0208】そして、このような事態が生じた時はオペ
レータは運用管理装置30に通知された情報を基に対象
ATM10a,10b,…の設置状態の確認や、キャリ
ア4の高さ方向の基準変更等の作業を実施し、不具合を
解消することで、以後の高さ方向の不一致による現金融
通処理の支障を回避できるようになる。
【0209】このような処理を行うことにより不具合な
状態を知らずに処理を継続したことにより生ずる、より
重要な障害を回避することができ、運用の信頼性が高く
なる。また、キャリア4の制御部104はこの高さ方向
の位置補正データについて、ティーチング時の各々のA
TMに対してメモリ144に格納し、対象とするATM
毎に位置補正を行っている。
【0210】この位置補正方法として、毎回高さ方向初
期位置に戻った後設定値まで移動するのではなく、直前
の設定値と対象となるATM10a,10b,…に適し
た設定値との差分を演算して求め、その差分を補正量と
することにより高速な位置決めが可能となる。また、直
前の設定値に対してこの差分を演算し、現在の設定値と
する。
【0211】以上が、位置補正機能である。
【0212】[ドッキング]対象となるATM10a,
10b,…10n側の搬送路へ、キャリア4側の搬送路
を押し出し、ドッキングする動作は次のようにしてい
る。
【0213】このドッキングの際に、ATM10a,1
0b,…10nのうちの対象のATMの背面に停止した
状態で認識できるそのATMとの間隔情報(距離情報)
を利用することにより、キャリア4側の制御部104は
紙幣給配ユニット43の押し出し方向についての必要な
移動量を事前に演算し、見積もり押し出し量を得る。通
常、押し出し動作の過程で対象への紙幣給配ユニット4
3の案内機構450部先端の出入口到達を、トルクリミ
ッタ440の作動情報を用いて検知するが、この検知を
行う際に制御部104は前述の“見積もり押し出し量”
と“実際の押し出し量”を比較し、“見積もり押し出し
量”に対して“実際の押し出し量”が少ない時に、“押
し出し方向に障害等があり”と判断し、運用管理装置3
0に通知するとともに、現在の処理を中断してキャリア
4のホームポジション(充電ステーション15)に復帰
し、停止するように制御する構成とする。
【0214】そのため、“押し出し方向に障害等があ
り”と判断したときは、運用管理装置30にその旨を通
知し、かつ、現在の処理を中断してキャリア4をそのホ
ームポジション(充電ステーション15)に復帰させ、
停止させるキャリアステーション3には傘下にあるTA
M10a,10b…10nとキャリア4の監視機能があ
るから、定期的に状態の問い合わせなどを行う。
【0215】従って、キャリアステーション3は、対象
となるATM10a,10b,…10nの状態及びキャ
リア4の状態をそれぞれに問い合わせることにより確認
する。このことにより重大な障害の発生を事前に回避で
きる。
【0216】一方、押し出し動作の過程でトルクリミッ
タ440が作動したことを検知した際の押し出し量が、
見積もり押し出し量に対して妥当な場合、制御部104
は押し出し動作を継続するように制御するが、押し出し
速度をそれまでの速度よりも遅くするようにモータ42
5を駆動制御するとともに、フック500によるロック
動作を開始すべくフック駆動系を制御する。その後、フ
ック500のロック検出を行う図示しないセンサによ
り、ロックされたことが検知されたならば、制御部10
4は“押し出し方向”の駆動を停止する。そして、その
後、“押し出し方向”に振動を与えるように微少量繰り
返し駆動するようモータ425を正逆回転駆動制御する
ことにより、紙幣給配ユニット支持機構系の機械的なガ
タを除去し、ロック状態を完全なものとする。
【0217】更に、フック500のロック動作時の回動
方向を、フックの自重によりロックが閉まる方向とする
ことで、ガタ除去動作時にフック500のロックがより
効果的に作用することになり、接続状態の信頼性が一層
向上する。
【0218】[現金融通処理]媒体搬送路の機械的なド
ッキングが終了したならば、次に制御部104は運用管
理装置30の指示に基づいて媒体の回収/補充動作(現
金融通処理)を開始するが、この時にドッキング完了の
確認情報としてフック500のロック状態をフックによ
るロックが掛けられた状態になったことを検知すべく設
けられている図示しない上述のフック検知センサにより
確認した検出情報と、キャリア4内の紙幣給配ユニット
43の搬送路センサチェック等の情報をATM側の現金
収納部(BMM;ATM側の紙幣取扱装置214と硬貨
取扱装置216の総称)300へ確実に伝送できている
か否かを調べたことにより得た確認情報(紙幣給配ユニ
ット43内に設けた光電検出型の図示しない搬送路セン
サの発光部をON/OFFした時に、それぞれのON/
OFFの情報をATM側の現金収納部300側で確認で
きること)と、更に実際の媒体の搬送に先立って媒体の
搬送路の状態を擬似媒体等のブレ搬送を行い媒体の状態
を確認したことにより得た情報の、計3つの情報を用い
て確認する。例えば、運用管理装置30にこれらの情報
を通知し、運用管理装置30はこれらの情報から全てが
問題なしと判断された時に、確認応答をキャリア4とド
ッキングしたATM側とに通知するといったことで、キ
ャリア4及びドッキングしたATMの双方でそれを確認
する。そして、この確認によって、ドッキングの信頼性
を一層向上させることができる。
【0219】この時の搬送確認としては、例えば、AT
M側の現金収納部300側から搬送路確保の確認のため
にために用いられるお札を模した擬似媒体(パトロール
券)を搬送して挿通口226から、キャリア4側に送
り、当該キャリア4側の媒体受渡し口を通過した直後の
搬送検知センサにより媒体を検知すると搬送を停止した
後、逆にキャリア4側からATM側の現金収納部300
側へ前記擬似媒体を差し戻すように搬送すべく制御す
る。
【0220】キャリア4の搬送路には搬送されてくる紙
幣を検知するための光電検出方式のセンサ(搬送検知セ
ンサ)が随所に設けられており、従って、キャリア4側
の媒体受渡し口(出入口)を通過した直後の搬送検知セ
ンサにより媒体を検知して、キャリア4側からATM側
へ前記擬似媒体を差し戻すように搬送制御することで、
搬送路の確保状態を確認するための媒体受渡し口を通過
後の媒体の状態量(例えば、スキュー:搬送方向の媒体
の傾き等)をより早く検知することが可能となる。
【0221】このドッキング完了確認を実行した後、運
用管理装置30の指示に基づいて媒体の回収/補充動作
(現金融通処理)を実行する。指定枚数の処理を正常に
終了した後、キャリア4とATM側の現金収納部(BM
M)300とのドッキングを解除する。
【0222】ドッキングの解除は、次のように制御部1
04が制御することにより行う。まず、制御部104は
フック駆動係を制御してフックを解く方向にフック50
0を動かし、バー510に対してのフック解除をした
後、紙幣給配ユニット43をキャリア4側に引き戻す操
作を行うことにより実行する。ドッキングを解除した
後、キャリア4は運用管理装置30の指示に基づいて制
御部104が次の対象へ移動するように駆動系を制御す
ることで、次の対象の位置へと移動する。
【0223】[ジャム発生時の保守管理]キャリア4や
ATMの紙幣搬送路には搬送されてくる紙幣を検知する
ための光電検出方式のセンサ(搬送検知センサ)が随所
に設けられているから、紙幣等が紙幣搬送路中で動けな
くなったり、ジャムとなったりするとこれを直ちに検知
できる。
【0224】従って、媒体の回収/補充処理(現金融通
処理)を実行中に媒体のジャム等が発生した場合(運用
管理装置30等にこれが通知され、運用管理装置30の
表示からオペレータがこれを知ることができる)には、
通常のドッキング解除方法とは異なる方法で解除を行
う。
【0225】すなわち、本システムには、キャリア4の
機械的ドッキングを解除できる用にするための機構が備
わっており、これはこの機構に設けられたドッキング解
除ボタンをオペレータが操作することにより解除でき
る。従って、オペレータはこのボタンを操作する。この
解除ボタンが押されると制御部104は、ドッキング解
除動作を開始する前に搬送検知センサにより搬送路及び
媒体受渡し部における媒体残留の有無及び位置をチェッ
クする。この結果に基づき媒体の残留位置等の情報をキ
ャリア4側の表示部430に例えばコード番号として表
示するとともに、解除動作に伴い媒体がキャリア4及び
ATM側紙幣給配ユニット300の外部にこぼれ落ちな
いよう、両者の搬送路を回転しないようにロックした状
態でドッキング解除動作を開始する。そして、その終了
後、オペレータによりジャム処理を行う。
【0226】この時、特にドッキング部(ATMとキャ
リアとの受渡し部)に媒体の残留を検知した場合には、
解除動作に伴い媒体を損傷しないように、いずれか一方
の搬送路をフリーな状態としてドッキング解除を行うと
ともに、オペレータに対しては、ドッキングが解除され
た際に媒体の落下に注意するように案内(表示あるいは
音声等)する構成とすると良い。
【0227】また、ジャムのレベル(状態、位置等)あ
るいは群管理の運用形態(他にキャリア4が稼働中)に
より、オペレータに対してジャム処理を行う場所(キャ
リア4の移動場所)を指定する。(例えば、その場ある
いはホームポジション等への移動を指示する。) [自己位置再認識処理機能]このようなジャム処理等に
より、キャリア4をオペレータが移動させてしまった場
合に、次の処理を継続しようとすると、ホームポジショ
ンへ移動した場合を除いて、キャリア4は自己の位置を
自己認識することができなくなる。
【0228】そこで、キャリア4の自己位置認識方法と
して、本システムに次のような機能を持たせてある。
【0229】保守管理のためにオペレータが強制的にキ
ャリア4を移動させてしまった場合、正常に機能を復帰
させるためにはまずオペレータは、任意のATM10m
(m=1,2,3,4…)の背面(他にキャリア4が稼
働している場合には干渉しない位置)に、ある間隔(距
離センサの検知範囲内)と向き(ドッキング方向がAT
M側になるように)で当該キャリア4を配置し直す。
【0230】すると、キャリア4は制御部104の動作
により、この状態からいずれかの方向に移動するように
走行系が制御される。そして、制御部104はキャリア
4の具備するエッジセンサ120によりATM10mの
エッジ検出を行い、エッジが検出されるとその段階で、
ドッキング可能な位置に再停止するように走行系を制御
する。
【0231】その後、当該キャリア4の制御部104
は、取り敢えずそのATMとドッキングさせるべく、上
述の如き、ドッキングのための制御を行い、その後、キ
ャリア4に備えてある光通信手段によりATM側現金収
納部300に、ドッキング動作終了を知らせる光信号を
送るとともに運用管理装置30に対しても状況(送信中
等の情報)を知らせる。
【0232】運用管理装置30は、各々のATM10
a,10b,…10nに対してキャリア4からの信号を
受信しているかどうか問い合わせ、受信しているATM
があった場合に、そのATMの背面に現在キャリア4が
いると認識できる。この例の場合は,ATM10mの位
置にキャリア4がいるので、ATM10mからの応答に
より、当該ATM10mの位置にいると運用管理装置3
0が認識することになる。
【0233】この情報を運用管理装置30からキャリア
4に無線伝送により通知し、通知を受けてキャリア4は
自己位置の認識を行うことができる。
【0234】運用形態によっては、複数台のキャリア4
(A号機、B号機、C号機…)がそれぞれ異なるATM
の背面に存在する場合があるが、それらのキャリア4は
運用管理装置30で位置を認識しているので当該位置が
認識されているキャリア4が位置するATMを除外した
残りの各々のATMに対して、キャリア4からの信号の
受信の有無を確認する。
【0235】キャリア(運用管理ロボット)4が自己位
置の認識を終了した後、そのキャリア4が位置する当該
ドッキング可能な位置のATMが処理対象のATM10
mであれば、ドッキングを解除せず必要な処理を継続す
る。
【0236】一方、対象としないATM10であれば、
制御部104はドッキングを解除すべく上述の解除動作
制御を行い、ドッキング解除されたならば、キャリア4
の走行系を制御して現金融通処理対象とするATM10
mまで移動し、処理を継続する。
【0237】以上、本システムの構成とその各部の作用
を説明したが、本システムの特徴的な部分である運用ロ
ボット(すなわちキャリア)4と紙幣補充先あるいは回
収先のATMとのドッキング時の動作の流れを中心に、
図26〜図29に示すフローチャートを参照して、分か
り易く説明する。
【0238】運用ロボット(キャリア)4は、キャリア
ステーション3から指示されたATMへ移動し、キャリ
ア4がセンサ120にて目的のATMの背面のエッジを
検出した時点(すなわち、ティーチングテーブルに走行
方向の位置決め情報として登録されている停止すべき位
置)て移動を停止する(ステップS101)。
【0239】走行系が停止した後、キャリア4内の紙幣
給配ユニット43を走行方向に駆動する位置補正モータ
420により、位置補正する(ステップS102、ステ
ップS109)。この時、走行系が正常に駆動していれ
ば、位置補正する必要はないが、実際は走行面の状態や
センサ120の特性変化等の影響で位置補正量が変化す
る。
【0240】本発明では、実際の走行において、センサ
120でATMのエッジが検知されてからの移動量を、
例えば、走行駆動モータ50a、50bのエンコーダ5
5のカウンタ数(駆動パルス数)にて計測し、その実際
の移動量と、事前にティーチングにより設定された走行
方向の位置決め情報(ATM10a、10b、…10n
の端面(エッジ)からの位置情報(例えば、走行駆動モ
ータ50a、50bのエンコーダ55のカウンタ数(駆
動パルス数)に表されている位置情報))が、あるい
は、これらの比が、予め定められた値以上異なっている
とき、「走行系に異常がある」と認識し、運用管理装置
30に通知すると共に現在の処理を終了した後、キャリ
ア4のホームポジション(待機位置;充電ステーション
15の設置位置)に復帰し、停止する。このとき、運用
管理装置30に通知された情報を基に、走行ローラ23
の汚れ等の除去や検出センサ120の機能確認等の保守
を行う。このような、事前にティーチングにより設定さ
れたATM10a、10b、…10nの端面からの位置
決め情報(走行駆動モータのエンコーダカウンタ数等)
に対する位置補正量の比を基に走行系の異常を検知する
ことにより、ドッキング時、紙幣搬送時に実際に障害が
発生する前に対策を打てることができ、運用の信頼性が
高くなる。
【0241】次に、キャリア4側の紙幣給配ユニット4
3の搬送路とATM10a、10b、…側紙幣給配ユニ
ット300との搬送路の高さ方向の位置補正を行う(ス
テップS103)。その方法として、通常はティーチン
グ時のデータ(高さ方向補正量)を基に行うが(ステッ
プS110)、図27に示すように、ドッキング時に高
さ方向のリミットセンサ461が作動した場合に、運用
管理装置30に通知するとともに現在の処理を中断して
キャリア4のホームポジション(充電ステーション1
5)に復帰し、停止するようにしてもよい(ステップS
205、ステップS210)。そして、運用管理装置3
0に通知された情報を基に対象ATM10a、10b、
…の設置状態の確認や、キャリア4の高さ方向の基準変
更等の作業を実施し、不具合を解消する(ステップS2
11)。
【0242】このような処理を行うことにより不具合な
状態を知らずに処理を継続したことにより生ずる、より
重要な障害を回避することができ、運用の信頼性が高く
なる。
【0243】この高さ方向の位置補正データ(高さ方向
位置決め情報)は、ティーチング時の各々のATMに対
してキャリア4側のメモリ114に記憶される図3に示
すようなティーチングテーブルに登録され、対象とする
ATM毎に位置補正を行う際に参照される。
【0244】さて、ステップS110における高さ方向
の位置補正方法として、毎回高さ方向初期位置に戻った
後設定値まで移動するのではなく、直前の設定値と対象
となるATM10a、10b、…に適した設定値との差
分を、図示しない演算装置により演算し、その差分を補
正量とすることにより高速な位置決めが可能となる。ま
た、直前の設定値に対してこの差分を図示しない演算装
置により演算し現在の設定値とする。
【0245】次に、対象となるATM10a、10b、
…10n側の搬送路へキャリア4側の搬送路を押し出
し、ドッキングする動作に移る(ステップS104)。
【0246】この際には、図28のステップS306〜
ステップS312に示すように、まず、ATM10a、
10b、…10nの背面に停止した状態で、例えば、キ
ャリア4の所定位置に配置された位置センサ312にて
認識できるATM10との間隔情報(距離情報)を利用
することにより、押し出し方向への必要な移動量を事前
に図示しない演算装置により演算し、見積もり押し出し
量を得る。
【0247】通常、押し出し動作の過程で対象への到達
をトルクリミッタ440の作動情報を用いて検知する
が、この検知を行う際に前述の見積もり押し出し量と実
際の押し出し量を比較し(ステップS306)、見積も
り押し出し量に対して実際の押し出し量が少ない時に、
押し出し方向に障害等があると判断し、運用管理装置3
0に通知するとともに現在の処理を中断してキャリア4
のホームポジション(充電ステーション15)に復帰し
停止する(ステップS311)。
【0248】その後、対象となるATM10a、10
b、…10nの状態及びキャリア4の状態を確認する
(ステップS312)。このことにより重大な障害の発
生を事前に回避できる。
【0249】一方、押し出し動作の過程でトルクリミッ
ト440が作動したことを検知した際の押し出し量が、
見積もり押し出し量に対して妥当な場合(ステップS3
06)、押し出し動作を継続するが押し出し速度をそれ
までの速度よりも遅くするとともに(ステップS30
7)、フック500によるロック動作を開始する(ステ
ップS106)。
【0250】その後、フック500のロック検出センサ
462によりロックを検知したならば、駆動モータ42
5による「押し出し方向」の駆動を停止する(ステップ
S108)。
【0251】このとき、さらに、図29のステップS4
09に示すように、駆動モータ425を逆方向に駆動し
て「押し出し方向」に振動を与えるように微少量繰り返
し駆動することにより、紙幣給配ユニット支持機構系の
機械的なガタを除去しロック状態を完全なものとする。
【0252】さらに、フック500のロック動作時の方
向を自重により、ロックが閉まる方向とすることで、ガ
タ除去動作時にフック500のロックが効果的になり、
接続状態の信頼性が向上する。
【0253】媒体搬送路のドッキングが終了した後に運
用管理装置30の指示に基づいて媒体の回収/補充動作
を開始する。このときの動作を図30に示すフローチャ
ートを参照して説明する。
【0254】まず、実際の媒体(紙幣)の回収/補充動
作に先だって、ドッキング完了の確認情報としてフック
500のロック状態をフック検知センサ462により確
認した検出情報を基に、機械的ドッキングの完成度をチ
ェックする(ステップS501〜S502)。
【0255】次に、キャリア4内の紙幣給配ユニット4
3の搬送路センサチェック等の情報をATM側の現金収
納部(BMM;ATM側の紙幣取扱装置214と硬貨取
扱装置216の総称)300へ確実に伝送できているか
否かの確認情報(紙幣給配ユニット43内の搬送路セン
サの発光部をON/OFFした時に、それぞれのON/
OFFの情報をATM側の現金収納部300側で確認で
きること)に基づき電気信号的な結合(ATM10とキ
ャリア4との間の非接触通信系)をチェックする(ステ
ップS503)。
【0256】さらに、媒体の搬送路の状態を擬似媒体
(パトロール券)等にて、ブレ搬送を行い、媒体の搬送
状態の良否を確認する(ステップS504)。
【0257】この疑似媒体の搬送確認としては、まず、
ATM側の現金収納部300側から擬似媒体を搬送し、
キャリア4側に搬送し、キャリア4の媒体受渡し口を通
過した直後の搬送経路上に設けられた搬送センサにより
媒体を検知すると、キャリア4は、搬送を停止する。そ
の後、逆にキャリア4側からATM側の現金収納部30
0側へ前記擬似媒体を搬送するように制御する。
【0258】このように制御することで、搬送路の確保
状態を確認するためのキャリア4の媒体受渡し口を通過
後の媒体の状態量(例えば、スキュー:搬送方向の媒体
の傾き等)をより早く検知することが可能となる。
【0259】以上、3つの確認結果を運用管理装置30
に通知することにより、ドッキングの信頼性を向上する
ことができる。
【0260】このドッキング完了確認を実行した後、運
用管理装置30の指示に基づいて、実際の媒体(紙幣)
の回収/補充動作(現金融通処理)を実行する(ステッ
プS505)。
【0261】指定枚数の処理を正常に終了した後、キャ
リア4とATM側の現金収納部(BMM)300とのド
ッキングを解除する。
【0262】ドッキングの解除は、フック500を解除
した後、紙幣給配ユニット43をキャリア4側に引き戻
す操作を行うことにより実行する。ドッキングを解除し
た後、キャリア4は運用管理装置30の指示に基づいて
次の対象へ移動する。
【0263】なお、上記ステップS502〜ステップS
504において異常が確認されたときは、ドッキングを
解除し、その旨をキャリアステーション3を介して運用
管理装置30に通知する。その際、運用管理装置30あ
るいはキャリアステーション3に表示されたメッセージ
に従って、保守員は、キャリア4の紙幣配給ユニット4
3の確認や(ステップS507)、キャリア4とATM
の双方の媒体受渡口近辺の状態を確認するようにしても
よい(ステップS508)。
【0264】次に、媒体の回収/補充処理を実行中に媒
体のジャムが発生したときの動作について図31に示す
フローチャートを参照して説明する。
【0265】媒体の回収/補充処理を実行中に媒体のジ
ャム等が発生した場合(ジャム発生は、運用管理装置3
0、キャリアステーション3等に通知され、オペレータ
が知ることができる)には、通常のドッキング解除方法
とは異なる方法で解除を行う。すなわち、キャリア4の
ドッキング解除ボタンをオペレータが操作することによ
り解除する。
【0266】まず、ドッキング解除ボタンを押下される
と(ステップS601)、キャリア4は、ドッキング解
除動作を開始する前に、媒体の搬送経路上に複数設けら
れた搬送センサにより搬送路及び媒体受渡し口における
媒体残留の有無及び位置をチェックする(ステップS6
02)。
【0267】この結果に基づき、媒体の残留位置等の情
報をキャリア4側の表示部430に例えばコード番号と
して表示する(ステップS603)。
【0268】ドッキング部(ATMとキャリアとの媒体
受渡口)に媒体の残留を検知した場合には(ステップS
604)、解除動作に伴い媒体を損傷しないようにいず
れか一方の搬送路をフリーな状態としてドッキング解除
を行う(ステップS605)。
【0269】媒体の残留位置がドッキング部でないとき
は(ステップS604)、解除動作に伴い媒体がキャリ
ア4及びATM側の現金収納部(BMM)300の外部
にこぼれ落ちないよう両者の搬送路を回転しないように
ロックした状態でドッキング解除動作を行う(ステップ
S610)。
【0270】ドッキングが解除されると、オペレータに
対しては、ドッキングが解除された際に媒体の落下に注
意するように案内(表示あるいは音声等)する(ステッ
プS606)。
【0271】また、ジャムのレベル(状態、位置等)あ
るいは群管理の運用形態(他にキャリア4が稼働中)に
より、オペレータに対してジャム処理を行う場所(キャ
リア4の移動場所)を指定する(ステップS607)。
例えば、その場あるいはホームポジション等への移動を
指示する(ステップS608)。
【0272】その後オペレータによるジャム処理が実行
される(ステップS609)。
【0273】さて、このようなジャム処理等により、キ
ャリア4をオペレータが移動させてしまった場合に、キ
ャリア4が次の動作を継続しようとするとき、ホームポ
ジションへ移動した場合を除いて、キャリア4は自己の
位置を自己認識することができなくなる。
【0274】そこで、次に、キャリア4の自己位置認識
処理について、図32に示すフローチャートを参照して
説明する。
【0275】稼働しているキャリアが1台のみの場合、
オペレータは、任意のATM10m(m=1,2,3,
4…)の背面に、例えば、距離センサの検知範囲内で、
かつ、キャリアのドッキング方向がATM側になるよう
に、当該キャリア4を配置し直す(ステップS701〜
ステップS702、ステップS704)。
【0276】複数のキャリアが稼働している場合、オペ
レータは、当該キャリアを他のにキャリアと干渉しない
位置に、例えば、距離センサの検知範囲内で、かつ、キ
ャリアのドッキング方向がATM側になるように当該キ
ャリア4を配置し直す(ステップS701、ステップS
703、ステップS704)。
【0277】その後、オペレータにより、キャリアの
(走行系の)電源をオンすると、キャリアは、復帰した
旨を、例えば、キャリアステーション3を介して運用管
理装置30に通知する(ステップS705)。
【0278】そして、キャリア4は、この状態からいず
れかの方向に移動し、自己の具備するエッジセンサ12
0によりATM10mのエッジ検出を行い、エッジが検
出されるとその段階で、ドッキング可能な位置に再停止
するように自己を走行制御する(ステップS706)。
【0279】その後、当該キャリア4は、とりあえず、
そのATMとドッキングし(ステップS707)、その
後、キャリア4からATM側現金収納部300に、光信
号を送るとともに運用管理装置30に対しても状況(送
信中等の情報)を知らせる(ステップS708)。
【0280】稼働しているキャリアが1台のみの場合
は、運用管理装置30は、各々のATM10a、10
b、…10nに対してキャリア4からの信号を受信して
いるかどうか問い合わせ、受信しているATMがあった
場合に、そのATMの背面に現在キャリア4がいると認
識できる(ステップS709〜ステップS710)。例
えば、ATM10mの位置にキャリア4がいるので、A
TM10mからの応答により、当該ATM10mの位置
にいると運用管理装置30が認識することになる。この
情報を運用管理装置30からキャリアステーション3を
介してキャリア4に無線伝送により通知し、通知を受け
てキャリア4は自己位置の認識を行うことができる(ス
テップS711)。
【0281】運用形態によっては、複数台のキャリア
(A号機、B号機、C号機…)がそれぞれ異なるATM
の背面に存在する場合があるが(ステップS709)、
それらのキャリアは運用管理装置30で位置を認識して
いるので、その場合は、運用管理装置30は、その位置
が認識されているキャリアが位置するATMを除外した
残りの各々のATMに対して、キャリア4からの信号の
受信の有無を確認する(ステップS712)。
【0282】キャリア(運用管理ロボット)4が自己位
置の認識を終了した後は、図33に示すように、そのキ
ャリア4が位置する当該ドッキング可能な位置のATM
が処理対象のATM10mであれば、ドッキングを解除
せず必要な処理を継続する(ステップS801、ステッ
プS804)。
【0283】一方、対象としないATM10であれば、
ドッキングを解除して対象とするATM10まで移動
し、処理を継続すればよい(ステップS801〜ステッ
プS803)。
【0284】以上、本発明は、その第1の特徴点は、キ
ャリアの位置決め時の異常に対応できるようにしたこと
にあり、そのために、走行系の停止位置検出情報(AT
Mのエッジ検出後の移動量:エンコーダカウント情報)
とドッキング機構の走行方向補正情報(ドッキングター
ゲットを検出するまでの移動量:駆動パルス数)を履歴
情報として格納するメモリを有し、運用途中でこの停止
位置検出情報と走行方向補正情報の比が、あるレベルを
超えた場合に走行系に異常があると認識し、運用装置に
通知するとともに現在の処理を終了した後、運用ロボッ
トはホームポジションに復帰、停止し、走行ローラの汚
れ除去等の保守を行うことができる。
【0285】また、第2の特徴点は、ドッキングを確実
なものとするために、ATMの背面側の定位置に、バー
を設け、キャリア側にはこのバーに引っかけて位置固定
するためのフックを設けて、このフックをATMのバー
に引っかけることにより、位置固定する構成とした。
【0286】また、さらには、ドッキングの完了確認情
報として、フックのロック検出情報(機械的ドッキン
グ)と運用ロボット内の搬送路のセンサ機能チェック情
報(電気的ドッキング)を利用し、更に実際の取り引き
に先立って媒体の搬送路が確保されているかどうかの確
認を擬似媒体(パトロール券)を用いて実際に搬送し、
確認することにより、ドッキングの完了確認の信頼性を
高くするようにした。
【0287】また、本発明の第3の特徴点は、搬送確認
時にATMから運用ロボット方向と運用ロボットからA
TM方向との両方の搬送を行い、同時に搬送路のセンサ
が正常に機能することを確認するようにした。
【0288】また、本発明の第4の特徴点は、運用ロボ
ットの高さ方向位置補正方法として、ティーチング時の
データを基にドッキングを行う際に、高さ方向のリミッ
トセンサが作動した場合に運用装置に通知するとともに
現在の処理を中断し、運用ロボットはホームポジション
に復帰、停止し、ATM側の確認及び運用ロボットの高
さ方向の水準の変更等の保守を行うようにした。
【0289】また、本発明の第5の特徴点は、ティーチ
ング時の各々のATMに対する高さ方向の補正データを
運用ロボット内のメモリに格納しており、対応するAT
M毎にそのデータを用いて移動するが、この移動方法と
しては、毎回初期位置に戻った後、設定値まで移動する
のではなく、現在の設定値と対象となるATMに必要な
設定値との差分のみ駆動することにより、より高速な位
置決めを実現できるようにした。
【0290】また、本発明の第6の特徴点は、ドッキン
グ方向への運用ロボット内紙幣給配ユニット押し出し制
御方法として、対象となるATMの背面に停止した状態
で運用ロボットとATMの間隔情報(距離情報)を検知
し、この情報を用いることによりトルクリミットが作動
するまでの必要な押し出し量を演算装置により演算し見
積もり押し出し量をもとめ、押し出し動作の過程でトル
クリミットが作動したことを検知した際の押し出し量
が、見積もり押し出し量に対して少ない場合に押し出し
方向に障害物等があると判断し、運用管理装置に通知す
るとともに現在の処理を中断し、運用ロボットのホーム
ポジションに復帰、停止するようにし、対象となるAT
Mの状態及び運用ロボットの状態を確認するようにした
ことにある。
【0291】また、本発明の第7の特徴点は、押し出し
動作の過程でトルクリミットが作動したことを検知した
際の押し出し量が、見積もり押し出し量に対して妥当な
場合、押し出し動作を接続するが、押し出し速度をそれ
までの速度よりも遅くするとともにフックによるロック
動作を開始するようしたことにある。
【0292】また、本発明の第8の特徴点は、フックの
ロック確認を検知したら押し出し方向の駆動を停止し、
その後押し出し方向に、振動を与えるように微少量繰り
返すことにより、運用ロボット内の紙幣給配ユニット支
持機構系の機械的なガタを除去し、ロック状態を完全な
ものとするようにしたことにある。
【0293】また、本発明の第9の特徴点は、フック機
構は、フックによるロック方向が自重によりフックが落
下する方向と一致させる構造とすることにより、前記ガ
タ除去動作による効果を有効に機能させるようにしたこ
とにある。
【0294】また、本発明の第10の特徴点は、紙幣ジ
ャム時のドッキング解除方法として、運用ロボット側の
解除ボタンを押すことにより、ドッキングを解除する場
合、この解除ボタンを押すと解除動作を開始する前に搬
送路等のセンサにより搬送路及びドッキング部における
媒体残留位置のチェックを行い、媒体の残留位置を運用
ロボットの表示部に表示するとともに、解除動作に伴い
媒体が外に出ないよう、両方(ATM側及び運用ロボッ
ト側)の搬送路が回転しないようにロックした状態でド
ッキング解除動作を開始し、ATMとキャリアとの接続
解除を行い、解除後ジャム処理を実施するようにしたこ
とにある。
【0295】また、本発明の第11の特徴点は、媒体ジ
ャム等の障害レベルあるいは運用形態により、ジャム処
理を行う場所(運用ロボットの移動場所)を指定するよ
うにしたことにある。
【0296】また、本発明の第12の特徴点は、ジャム
処理時に、特にドッキング部(ATMと運用ロボットと
の媒体受渡し部)に媒体の残留を検知した場合には、解
除動作に伴い媒体を損傷しないように、いずれか一方の
搬送路をフリーな状態でドッキング解除を行うととも
に、オペレータに対しては、ドッキング部が離れた際に
媒体の落下等に注意するように案内するようにしたこと
にある。
【0297】また、本発明の第13の特徴点は、運用ロ
ボットの自己位置認識方法として、まず任意のATMの
背面に、ある間隔(距離センサの検知範囲内)と向き
(ドッキング方向がATM側になるように)及び他に運
用ロボットが稼動している場合には干渉しない位置に設
置すると、運用ロボットはいずれかの方向に移動してA
TMのエッジ検出を行った後にドッキング可能な位置に
再停止させ、その後、ドッキング動作を行いATMとド
ッキングする。ドッキングが終了したならば、キャリア
側からATM側に光信号を送るとともに、運用管理装置
に対しても状況(送信中等の情報)を知らせ、運用管理
装置は各々のATMに対して運用ロボットからの信号の
受信の有無を問い合わせ、受信しているATMがあった
場合に、そのATMの背面に現在運用ロボットがいると
認識して、この情報を運用ロボットに通知することによ
り自己位置の認識を行うようにしたことにある。
【0298】また、本発明の第14の特徴点は、運用形
態によっては、複数台の運用ロボットがATMの背面に
存在する場合があるが、これらの運用ロボットは運用管
理装置で位置を認識しているので当該運用ロボットが位
置するATMを除外した各々のATMに対して運用ロボ
ットからの信号の受信の有無を確認するようにしたこと
にある。
【0299】また、本発明の第15の特徴点は、運用ロ
ボットの位置を認識した後、現在の位置が対象とするA
TM(BMM)の背面であれば、必要な処理を開始し、
対象としないATM(BMM)の背面であれば、ドッキ
ングを解除して対象とするATMの背面まで移動し処理
を継続するようにしたことにある。
【0300】従って、本発明によれば、複数のATMの
それぞれの資金運用状態を管理して、これら複数のAT
Mの運用途中で資金不足や資金過剰による運用停止を未
然に防止し、複数のATM間でその現金収納庫に収納さ
れている現金を相互に効率よく融通して、ATM全体の
運用資金を最小限に管理することができ、さらに、係員
の作業削減が図れるようになる。
【0301】なお、この発明は上述した実施例に限定さ
れることなく、この発明の範囲内で種々変形可能であ
る。例えば、上記実施例において、複数のATMは直線
的に配列され、キャリア4も直線的に往復移動する構成
としたが、図25に示すように必要に応じて複数のAT
Mを曲線的あるいは屈曲して配置するようにしてもよ
く、この場合においても、キャリア4はATMの配列に
沿って自由に移動することができる。
【0302】また、現金処理システムはATMに限ら
ず、他の機器、例えば、現金計数装置等を含んで構成さ
れていてもよい。また、取扱媒体は紙幣に限らず、硬
貨、通帳、カード、ジャーナル用紙等種々のものに適用
することが可能であり、かつ、複数種類の取扱媒体を一
度に取扱うようにしてもよい。
【0303】更に、上記実施例では、現金受渡し装置に
よりいずれかのATMから現金を回収し、回収した現金
を他のATMに充填する動作を示したが、これに限ら
ず、現金受渡し装置によって、ATMからの現金の回
収、あるいはATMへの現金の充填のみを行なうように
してもよい。
【0304】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数のATMのそれぞれの資金運用状態を管理して、こ
れら複数のATMの運用途中で資金不足や資金過剰によ
る運用停止を未然に防止し、複数のATM間でその現金
収納庫に収納されている現金を相互に効率よく融通し
て、ATM全体の運用資金を最小限に管理することがで
き、さらに、係員の作業削減が図れる現金処理システム
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するための図であって、本発明シ
ステムの概念を説明するための図。
【図2】本発明を説明するための図であって、本発明シ
ステムの配置関係を説明する図。
【図3】ティーチングテーブルの例を説明する図。
【図4】この発明の実施の形態に係る現金処理システム
全体を概略的に示す斜視図。
【図5】上記現金処理システム全体の構成を概略的に示
すブロック図。
【図6】上記現金処理システムにおける自動取引装置を
示す斜視図。
【図7】上記自動取引装置の断面図。
【図8】本発明を説明するための図であって、現金処理
システムのキャリアの平面、側面、及び正面を示す図で
ある。
【図9】キャリアの台車の平面図。
【図10】台車を一部破断して示す側面図。
【図11】キャリアの紙幣給配ユニット、スライド機
構、および微調整機構を示す正面図および断面図。
【図12】スライド機構の駆動部を示す平面図。
【図13】キャリア全体のシステム構成を概略的に示す
ブロック構成図。
【図14】キャリアを現金自動取引装置(ATM)に対
して位置決めする工程を説明するための概略図。
【図15】上記自動取引装置(ATM)に対してキャリ
アを位置決めした状態を示す断面図。
【図16】自動取引装置(ATM)に対してキャリアの
紙幣給配ユニットを接続した状態を示す断面図。
【図17】自動取引装置(ATM)に対してキャリアの
紙幣給配ユニットを接続し、紙幣を回収する工程を示す
断面図。
【図18】自動取引装置(ATM)に対してキャリアの
紙幣給配ユニットを接続し、紙幣を補充する工程を示す
断面図。
【図19】本発明システムの配置構成例を説明するため
の図。
【図20】本発明システムで用いるキャリアの要部を説
明するための図。
【図21】本発明システムで用いるキャリアの要部を説
明するための図。
【図22】本発明システムで用いるキャリアにおける紙
幣収容ユニットの保持機構部分を説明する分解斜視図。
【図23】本発明システムの要部を説明するための図。
【図24】本発明システムのキャリアにおけるシステム
構成を示すブロック図。
【図25】本発明システムの別な配置例を示す図。
【図26】本発明システムの作用を説明するための図で
あって、キャリアとATMのドッキング時の動作例を説
明するためのフローチャート。
【図27】キャリアとATMのドッキング時の他の動作
例を説明するためのフローチャート。
【図28】キャリアとATMのドッキング時のさらに他
の動作例を説明するためのフローチャート。
【図29】キャリアとATMのドッキング時のさらに他
の動作例を説明するためのフローチャート。
【図30】キャリアとATMとの間の紙幣回収/補充時
の動作例を説明するためのフローチャート。
【図31】キャリアとATMとの間で紙幣搬送中に発生
した紙幣ジャムの処理動作例を説明するためのフローチ
ャート。
【図32】キャリアの位置認識方法を説明するためのフ
ローチャート。
【図33】キャリアが自己位置を認識した後の動作例を
説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
30…運用管理装置 2…モニタ 3…キャリアステーション 4…キャリア 10a〜10d…自動取引装置(ATM) N…通信ネットワーク 101…充電コネクタ 120…エッジセンサ(図21) 440…トルクリミッタ(図21) 461…高さ方向のリミットセンサ(図24) 462…フックのロック検出センサ(図24) 500…フック。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邊 歩 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内 (72)発明者 石田 文男 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内 (72)発明者 片岡 宏基 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現金を収納した現金収納庫を具備して、
    この現金収納庫内の現金にて所定の取引処理を行う複数
    の自動取引装置と、これら複数の自動取引装置に接続さ
    れて前記現金収納庫内の現金量を含む運用状態を管理す
    る運用管理装置と、前記複数の自動取引装置間を移動し
    て前記複数の自動取引装置に対して現金の回収並びに補
    充動作を行うキャリアと、このキャリアの動作を前記運
    用管理装置の指示に基づき制御するキャリアコントロー
    ラと、前記キャリアのバッテリを充電する充電ステーシ
    ョンとを有する現金処理システムにおいて、 前記現金収納庫内の現金量に基づき前記運用管理装置で
    選択された現金の回収あるいは補充先の自動取引装置か
    らの現金の回収あるいは補充を前記キャリアコントロー
    ラに指示する指示手段と、 この指示手段での指示に応じて、前記キャリアコントロ
    ーラが前記キャリアと前記選択された自動取引装置を制
    御して所定の現金融通処理を実行する現金融通制御手段
    と、 を具備し、 前記キャリアは、 前記キャリアコントローラからの指示に基づき移動し
    て、前記選択された自動取引装置と結合可能な所定位置
    に停止したとき、その自動取引装置の端面から停止位置
    までの移動量を検出する計測する計測手段と、 前記計測手段で計測された移動量と、前記選択された自
    動取引装置に対して予め定められた走行方向の位置補正
    量とを比較して走行系機構部の異常を検知する手段とを
    備えたことを特徴とする現金処理システム。
  2. 【請求項2】 現金を収納した現金収納庫を具備して、
    この現金収納庫内の現金にて所定の取引処理を行う複数
    の自動取引装置と、これら複数の自動取引装置に接続さ
    れて前記現金収納庫内の現金量を含む運用状態を管理す
    る運用管理装置と、前記複数の自動取引装置間を移動し
    て前記複数の自動取引装置に対して現金の回収並びに補
    充動作を行うキャリアと、このキャリアの動作を前記運
    用管理装置の指示に基づき制御するキャリアコントロー
    ラと、前記キャリアのバッテリを充電する充電ステーシ
    ョンとを有する現金処理システムにおいて、 前記現金収納庫内の現金量に基づき前記運用管理装置で
    選択された現金の回収あるいは補充先の自動取引装置か
    らの現金の回収あるいは補充を前記キャリアコントロー
    ラに指示する指示手段と、 この指示手段での指示に応じて、前記キャリアコントロ
    ーラが前記キャリアと前記選択された自動取引装置を制
    御して所定の現金融通処理を実行する現金融通制御手段
    と、 を具備し、 前記キャリアと前記選択された自動取引装置との間の機
    械的な結合の確認と、前記キャリア内の紙幣搬送経路上
    の紙幣の搬送状況を確認するためのセンサ出力値を前記
    選択された自動取引装置に通知するための非接触通信部
    の確認を行った後、前記キャリアと前記選択された自動
    取引装置との間で疑似紙幣を搬送して、前記キャリアと
    前記選択された自動取引装置との間の現金融通動作にお
    ける紙幣受渡時の結合度を確認することを特徴とする現
    金処理システム。
  3. 【請求項3】 前記疑似紙幣は、前記選択された自動取
    引装置から前記キャリアへ搬送した後、前記キャリアか
    ら前記選択された自動取引装置へ搬送して、双方の紙幣
    搬送経路上に設けられた紙幣の搬送状況を検知するセン
    サ出力の状態を確認することを特徴とする請求項2記載
    の現金処理システム。
  4. 【請求項4】 現金を収納した現金収納庫を具備して、
    この現金収納庫内の現金にて所定の取引処理を行う複数
    の自動取引装置と、これら複数の自動取引装置に接続さ
    れて前記現金収納庫内の現金量を含む運用状態を管理す
    る運用管理装置と、前記複数の自動取引装置間を移動し
    て前記複数の自動取引装置に対して現金の回収並びに補
    充動作を行うキャリアと、このキャリアの動作を前記運
    用管理装置の指示に基づき制御するキャリアコントロー
    ラと、前記キャリアのバッテリを充電する充電ステーシ
    ョンとを有する現金処理システムにおいて、 前記現金収納庫内の現金量に基づき前記運用管理装置で
    選択された現金の回収あるいは補充先の自動取引装置か
    らの現金の回収あるいは補充を前記キャリアコントロー
    ラに指示する指示手段と、 この指示手段での指示に応じて、前記キャリアコントロ
    ーラが前記キャリアと前記選択された自動取引装置を制
    御して所定の現金融通処理を実行する現金融通制御手段
    と、 を具備し、 前記キャリアは、前記キャリアコントローラからの指示
    に基づき移動して、前記選択された自動取引装置と結合
    可能な所定位置に停止したとき、前記選択された自動取
    引装置に対して予め定められてた高さ方向の位置決め情
    報に基づき高さ方向の位置を調節する際に、予め定めら
    れた高さ方向の補正量の限界内での位置補正を行うこと
    を特徴とする現金処理システム。
  5. 【請求項5】 現金を収納した現金収納庫を具備して、
    この現金収納庫内の現金にて所定の取引処理を行う複数
    の自動取引装置と、これら複数の自動取引装置に接続さ
    れて前記現金収納庫内の現金量を含む運用状態を管理す
    る運用管理装置と、前記複数の自動取引装置間を移動し
    て前記複数の自動取引装置に対して現金の回収並びに補
    充動作を行うキャリアと、このキャリアの動作を前記運
    用管理装置の指示に基づき制御するキャリアコントロー
    ラと、前記キャリアのバッテリを充電する充電ステーシ
    ョンとを有する現金処理システムにおいて、 前記現金収納庫内の現金量に基づき前記運用管理装置で
    選択された現金の回収あるいは補充先の自動取引装置か
    らの現金の回収あるいは補充を前記キャリアコントロー
    ラに指示する指示手段と、 この指示手段での指示に応じて、前記キャリアコントロ
    ーラが前記キャリアと前記選択された自動取引装置を制
    御して所定の現金融通処理を実行する現金融通制御手段
    と、 を具備し、 前記キャリアは、 前記キャリアコントローラからの指示に基づき移動し
    て、前記選択された自動取引装置と結合可能な所定位置
    に停止すると、前記キャリア内部に具備された媒体収納
    ユニットを前記選択された自動取引装置に結合させるた
    め、その自動取引装置方向へ押し出す際の押出量を算出
    する算出手段と、 この算出手段で算出された押出量に基づき前記媒体ユニ
    ットを前記選択された自動取引装置方向へ押し出して、
    その自動取引装置に結合させる押出手段と、 を具備し、 前記媒体ユニットの実際の押出量と、前記算出手段で算
    出された押出量を比較して、前記媒体ユニットの押し出
    し動作時の異常を検知することを特徴とする現金処理シ
    ステム。
  6. 【請求項6】 前記媒体ユニットの前記選択された自動
    取引装置との結合部はフックで構成され、これがロック
    される方向は、自重によりフックが落下する方向と一致
    していることを特徴とする請求項5記載の現金処理シス
    テム。
  7. 【請求項7】 前記媒体ユニットの前記選択された自動
    取引装置との結合部はフックで構成され、前記押出手段
    は、前記媒体ユニットを押し出す際の実際の押出量が前
    記算出手段で算出された押出量に対し妥当な量であると
    き、前記媒体ユニットを押し出す際の速度を、それまで
    の速度よりも遅くして前記媒体ユニットを押し出して前
    記選択された自動取引装置との結合部を構成するフック
    をロックすることを特徴とする請求項5記載の現金処理
    システム。
  8. 【請求項8】 前記媒体ユニットの前記選択された自動
    取引装置との結合部はフックで構成され、前記押出手段
    は、前記媒体ユニットを押し出す際の実際の押出量が前
    記算出手段で算出された押出量に対し妥当な量であると
    き、前記媒体ユニットを押し出す際の速度を、それまで
    の速度よりも遅くして前記媒体ユニットを押し出して前
    記選択された自動取引装置との結合部を構成するフック
    をロックし、前記フックのロック確認を検知したら、押
    し出し方向とその逆方向に微少量の振動を与えることを
    特徴とする請求項5記載の現金処理システム。
  9. 【請求項9】 現金を収納した現金収納庫を具備して、
    この現金収納庫内の現金にて所定の取引処理を行う複数
    の自動取引装置と、これら複数の自動取引装置に接続さ
    れて前記現金収納庫内の現金量を含む運用状態を管理す
    る運用管理装置と、前記複数の自動取引装置間を移動し
    て前記複数の自動取引装置に対して現金の回収並びに補
    充動作を行うキャリアと、このキャリアの動作を前記運
    用管理装置の指示に基づき制御するキャリアコントロー
    ラと、前記キャリアのバッテリを充電する充電ステーシ
    ョンとを有する現金処理システムにおいて、 前記現金収納庫内の現金量に基づき前記運用管理装置で
    選択された現金の回収あるいは補充先の自動取引装置か
    らの現金の回収あるいは補充を前記キャリアコントロー
    ラに指示する指示手段と、 この指示手段での指示に応じて、前記キャリアコントロ
    ーラが前記キャリアと前記選択された自動取引装置を制
    御して所定の現金融通処理を実行する現金融通制御手段
    と、 を具備し、 前記キャリアと前記選択された自動取引装置との間の紙
    幣搬送中に双方の紙幣の搬送経路上に設けられた紙幣の
    搬送状況を検知するセンサ出力から紙幣の搬送異常が検
    知されて、前記キャリアと前記選択された自動取引装置
    との結合の解除が指示されたとき、搬送中の紙幣の残留
    位置を検知して、それを提示し、前記キャリアと前記選
    択された自動取引装置の紙幣の搬送経路の動作を固定さ
    せてから結合を解除することを特徴とする現金処理シス
    テム。
  10. 【請求項10】 搬送中の紙幣の残留位置が前記キャリ
    アと前記選択された自動取引装置との紙幣受渡口の結合
    部であるとき、前記キャリアと前記選択された自動取引
    装置のいずれか一方のみの紙幣の搬送経路の動きを固定
    させて結合を解除することを特徴とする請求項9記載の
    現金処理システム。
  11. 【請求項11】 現金を収納した現金収納庫を具備し
    て、この現金収納庫内の現金にて所定の取引処理を行う
    複数の自動取引装置と、これら複数の自動取引装置に接
    続されて前記現金収納庫内の現金量を含む運用状態を管
    理する運用管理装置と、前記複数の自動取引装置間を移
    動して前記複数の自動取引装置に対して現金の回収並び
    に補充動作を行うキャリアと、このキャリアの動作を前
    記運用管理装置の指示に基づき制御するキャリアコント
    ローラと、前記キャリアのバッテリを充電する充電ステ
    ーションとを有する現金処理システムにおいて、 前記現金収納庫内の現金量に基づき前記運用管理装置で
    選択された現金の回収あるいは補充先の自動取引装置か
    らの現金の回収あるいは補充を前記キャリアコントロー
    ラに指示する指示手段と、 この指示手段での指示に応じて、前記キャリアコントロ
    ーラが前記キャリアと前記選択された自動取引装置を制
    御して所定の現金融通処理を実行する現金融通制御手段
    と、 を具備し、 前記キャリアは、任意の自動取引装置の背面に対して予
    め定められた条件を満たす間隔と向きで設置されると、
    走行を開始し、いずれかの自動取引装置の端面を検出し
    て、その自動取引装置と結合可能な所定位置に停止し、
    このとき、その自動取引装置は前記キャリアとの非接触
    的通信にて前記キャリアの存在を認識し、前記運用管理
    装置は、前記複数の自動取引装置から収集された情報を
    基に前記キャリアの存在を認識している自動取引装置を
    認識し、その認識された自動取引装置に関する情報を前
    記キャリアに通知することを特徴とする現金処理システ
    ム。
JP9098516A 1997-03-31 1997-03-31 現金処理システム Pending JPH10283531A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100572359B1 (ko) 2004-06-14 2006-04-18 노틸러스효성 주식회사 자동화 기기의 현송 주기 최적화 방법
JP2006513255A (ja) * 2002-10-30 2006-04-20 アサト アクチェンゲゼルシャフト アプライド サイエンス アンド テクノロジー メラトニン、イチョウおよびビオチンを含有する調製物
KR100650348B1 (ko) 2004-06-21 2006-11-29 노틸러스효성 주식회사 자동화 기기의 현송 금액 최적화 방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006513255A (ja) * 2002-10-30 2006-04-20 アサト アクチェンゲゼルシャフト アプライド サイエンス アンド テクノロジー メラトニン、イチョウおよびビオチンを含有する調製物
KR100572359B1 (ko) 2004-06-14 2006-04-18 노틸러스효성 주식회사 자동화 기기의 현송 주기 최적화 방법
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