JPH0991490A - 媒体処理システムおよび現金処理システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】比較的小型で設置が容易であるとともに、機種
の異なる機器間で取引媒体の受渡しが可能な媒体処理シ
ステムを提供することにある。 【解決手段】複数の自動取引装置に対して現金を補充回
収するカセットキャリア３４が設けられている。自動取
引装置の内、タイプ１の自動取引装置は、外部から現金
を補充、回収するための現金搬入搬出口を備え、タイプ
２の自動取引装置には、現金カセットに代えてアダプタ
カセット２７３が脱着自在に装着され、アダプタカセッ
トには外部から現金を補充、回収するための現金搬入搬
出口２７６が形成されている。カセットキャリアは、現
金を収納可能な配送カセット４３を有し、指令信号に応
じて自動取引装置と対向する位置まで自走した後位置決
めされる。配送カセットは、その現金受渡し口が自動取
引装置の現金搬入搬出口と隣接対向する位置へ移動さ
れ、自動取引装置との間で現金の受渡しを行なう。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】この発明は、自動取引装置等
の複数の機器と、これらの機器に対して取扱媒体を自動
的に補充および回収する受渡し装置とを備えた媒体処理
システムおよび現金処理システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】金融機関等においては、顧客に対して現
金の支払、振込等を自動的に行なう自動取引装置（以下
ＡＴＭと称する）が広く普及し、その設置台数も増加の
一途をたどっている。また、ＡＴＭと共に、現金を自動
的に計数する自動計数装置等が広く用いられている。

【０００３】ＡＴＭはその使用状況に応じて現金の補充
や回収が必要であり、従来、この補充および回収作業は
人手によって行なわれていた。従って、多数のＡＴＭが
設置されている場合、このような現金の補充および回収
作業は大変な労力を必要としていた。

【０００４】そこで、近年、複数のＡＴＭと、各ＡＴＭ
に対して紙幣、硬貨等を人手によらず自動的に補充およ
び回収する受渡し装置と、を備えた現金処理システムが
提案されている。

【０００５】この現金処理システムによれば、受渡し装
置は、多数のＡＴＭや自動計数装置間を自動走行可能な
台車と、この台車上に設けられた現金受渡し機構と、を
備えて構成されている。現金受渡し機構としては、例え
ば紙幣を収納したカセットをＡＴＭ側の紙幣収納部に対
して脱着するものや、このカセットとＡＴＭ側の紙幣収
納部との間で紙幣を一枚づつ補充あるいは回収するもの
が提供されている。

【０００６】このようなカセットの交換あるいは紙幣の
受渡しを行なう場合、受渡し装置をＡＴＭに対して正確
に位置決めする必要がある。そのため、通常、多数のＡ
ＴＭや自動計数装置に対して所定の位置にレールあるい
は走行テープを設置し、このレールあるいは走行テープ
に沿って台車を走行させる方法がとられている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなレールあるいは走行テープを用いる場合、これら
を金融機関等の床面上に設置する必要があるとともに、
レールあるいは走行テープに対して、複数のＡＴＭある
いは自動計数装置を正確に直線的に配置する必要があ
る。そのため、現金処理システムの設置場所が制限され
るとともに設置作業が非常に面倒であり、更に、システ
ム全体が大規模となってしまう。

【０００８】また、一般に、ＡＴＭの保守点検等を行な
う際にはＡＴＭ本体から内部ユニットを引き出す必要が
あるが、この場合、レールが邪魔となって内部ユニット
の引き出しが困難になるという問題がある。

【０００９】更に、従来の現金処理システムは、同一機
種のＡＴＭを複数台備えて構成され、これら同一機種の
ＡＴＭ間でのみ現金の補充および回収が可能となってい
る。しかしながら、金融機関等においては、同一メーカ
のＡＴＭであっても、順次新しい機種への切換えが行な
われることから、新旧の複数のＡＴＭが混在して設置さ
れることが多い。

【００１０】このような場合、従来の現金処理システム
においては、各機種のＡＴＭに対応した複数の受渡し装
置を設置する必要があり、システム全体が一層大型化し
まうという問題がある。また、受渡し装置を複数台設置
した場合でも、各受渡し装置は同一機種のＡＴＭ間でし
か現金の受渡しを行えないことから、システム全体の制
御が複雑になってしまう。

【００１１】この発明は以上の点に鑑みなされたもの
で、その目的は、比較的小型で設置が容易であるととも
に、機種の異なる機器間で取引媒体の受渡しが可能な媒
体処理システムおよび現金処理システムを提供すること
にある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１に係るこの発明の媒体処理システムは、第
１機種の媒体処理装置と第２機種の媒体取引装置とを含
み設置面上に並んで設置された複数の媒体処理装置と、
上記媒体処理装置間で取引媒体を受渡す受渡し装置と、
を備えている。

【００１３】上記第１機種の媒体処理装置は、取引媒体
を収納した媒体収納部と、上記媒体収納部に対して外部
から取引媒体の補充および回収を行なうための第１の媒
体搬入搬出口と、を備えている。また、第２機種の媒体
処理装置は、取引媒体を収納した媒体収納部と、取引媒
体を収納した媒体カセットを装填可能なカセット装填部
と、上記媒体収納部と上記媒体カセットとの間で取引媒
体を受渡す媒体挿通口と、上記媒体カセットに代えて上
記カセット装填部に脱着自在に装着されたアダプタカセ
ットと、を備え、アダプタカセットは、上記第１の媒体
搬入搬出口と対応した形状を有し外部から取引媒体の補
充および回収を行なうための第２の媒体搬入搬出口と、
第２の媒体搬入搬出口と上記媒体挿通口との間で取引媒
体を搬送する搬送手段と、を備えている。

【００１４】上記受渡し装置は、取引媒体を受渡す媒体
処理装置を指示する指示手段と、上記指示された媒体処
理装置に対して取引媒体を受渡す移動台車と、を備え、
上記移動台車は、上記設置面上を任意の経路に沿って自
走可能な台車本体と、上記媒体処理装置に対する上記移
動台車の位置を検出する検出手段と、上記台車本体上に
設けられ上記取引媒体を収納可能な媒体保持部と、上記
台車本体上に設けられ、上記第１あるいは第２の媒体搬
入搬出口と上記媒体保持部との間で現金を受渡す受渡し
手段と、上記検出手段の検出結果および上記指示手段か
らの指示に応じて上記移動台車を上記指示された媒体処
理装置に対して位置決めするとともに、上記受渡し手段
を作動させる制御手段と、を備えて構成されている。

【００１５】請求項２に係るこの発明の媒体処理システ
ムによれば、受渡し装置の移動台車は、上記媒体処理装
置に対する移動台車の位置を検出する第１の検出手段
と、上記第１あるいは第２の媒体搬入搬出口に対する上
記媒体保持部の位置を検出する第２の検出手段と、上記
第１あるいは第２の媒体搬入搬出口に対する上記媒体保
持部の位置を調整する位置調整手段と、上記移動台車上
に設けられ上記第１あるいは第２の媒体搬入搬出口と上
記媒体保持部と間で取引媒体を受渡す受渡し手段と、上
記第１の検出手段の検出結果に応じて上記移動台車を任
意の媒体処理装置に対して位置決めし、上記第２の検出
結果に応じて上記位置調整手段を作動させるとともに、
上記受渡し手段を作動させる制御手段と、を備えたこと
を特徴としている。

【００１６】請求項３に係るこの発明の受渡し装置によ
れば、上記受渡し装置は、上記設置面上を任意の経路に
沿って自走可能な移動台車と、上記媒体処理装置に対す
る上記移動台車の位置を検出する第１の検出手段と、上
記台車本体上に位置調整可能に設けられているととも
に、媒体を出し入れするための受渡し口を有し、上記取
引媒体を収納可能な媒体保持部と、上記第１あるいは第
２の媒体搬入搬出口に対する上記媒体保持部の受渡し口
の位置を検出する第２の検出手段と、上記第１あるいは
第２の媒体搬入搬出口に対する上記受渡し口の位置を調
整する位置調整手段と、上記移動台車上に設けられ上記
受渡し口を通して上記第１あるいは第２の媒体搬入搬出
口と上記媒体保持部との間で取引媒体を受渡す受渡し手
段と、上記第１の検出手段の検出結果に応じて上記移動
台車を任意の媒体処理装置に対して位置決めし、上記第
２の検出結果に応じて上記位置調整手段を作動させると
ともに、上記受渡し手段を作動させる制御手段と、を備
えていることを特徴としている。

【００１７】請求項６に係るこの発明の現金処理システ
ムは、第１機種の自動取引装置と第２機種の自動取引装
置とを含み設置面上に並んで設置された複数の自動取引
装置と、上記自動取引装置に対して現金を受渡す受渡し
装置と、を備えている。

【００１８】第１機種の自動取引装置は、現金を収納し
た現金収納部と、上記現金収納部に対して外部から現金
の補充および回収を行なうための第１の現金搬入搬出口
と、を備え、また、第２機種の自動取引装置は、現金を
収納した現金収納部と、現金を収納した現金カセットを
装填可能なカセット装填部と、上記現金収納部と上記現
金カセットとの間で現金を受渡す現金挿通口と、上記現
金カセットに代えて上記カセット装填部に脱着自在に装
着されたアダプタカセットと、を備えている。

【００１９】アダプタカセットは、上記第１の現金搬入
搬出口と対応した形状を有し外部から現金の補充および
回収を行なうための第２の現金搬入搬出口と、第２の現
金搬入搬出口と上記現金挿通口との間で現金を搬送する
搬送手段と、を備えて構成されている。

【００２０】上記受渡し装置は、現金を受渡す自動取引
装置を指示する指示手段と、上記指示された自動取引装
置に対して現金を受渡す移動台車と、を備え、上記移動
台車は、上記設置面上を任意の経路に沿って自走可能な
台車本体と、上記自動取引装置に対する上記移動台車の
位置を検出する検出手段と、上記台車本体上に設けられ
上記現金を収納可能な現金保持部と、上記台車本体上に
設けられ、上記第１あるいは第２の現金搬入搬出口と上
記現金保持部との間で現金を受渡す受渡し手段と、上記
検出手段の検出結果および上記指示手段からの指示に応
じて上記移動台車を上記指示された自動取引装置に対し
て位置決めするとともに、上記受渡し手段を作動させる
制御手段と、を備えたことを特徴としている。

【００２１】

【作用】上記のように構成された媒体処理システムおよ
び現金処理システムによれば、第１機種および第２機種
の媒体処理装置あるいは現金処理装置が並んで設置さ
れ、第２機種の媒体処理装置あるいは現金処理装置に
は、外部からアクセス可能な搬入搬出口を有するアダプ
タカセットが装填される。指令信号が送信されると、移
動台車は制御手段による制御の下、指令信号により指示
された媒体処理装置あるいは自動取引装置まで自走す
る。その際、移動台車の検出手段により媒体処理装置あ
るいは自動取引装置に対する移動台車の位置が検出さ
れ、移動台車は媒体処理装置あるいは自動取引装置に対
して所定の位置に位置決めされる。

【００２２】続いて、媒体保持部が第１あるは第２の搬
入搬出口と対向する位置に位置調整され、受渡し手段に
よって、媒体保持部から第１あるいは第２の搬入搬出口
を通して現金の補充あるいは回収が行われる。

【００２３】

【実施の形態】以下図面を参照しながらこの発明の実施
の形態について詳細に説明する。図１および図２は、金
融機関に設置された現金処理システム全体の構成を概略
的に示している。この現金処理システムは、複数、例え
ば、４台の自動取引装置（以下ＡＴＭと称する）１０
ａ、１０ｂ、１０ｃ、１０ｄと、各ＡＴＭに対し取引媒
体としての紙幣を補充および回収する現金受渡し装置１
２と、を備えて構成されている。

【００２４】４台のＡＴＭは、種類の異なる機種が２台
づつ設置されており、第１のＡＴＭに相当するタイプ１
のＡＴＭ１０ａ、１０ｂと、第２のＡＴＭに相当するタ
イプ２のＡＴＭ１０ｃ、１０ｄとで構成されている。

【００２５】図３に示すように、タイプ１のＡＴＭ１０
ａはほぼ矩形箱状の本体２００を備え、本体の前面に
は、利用者に対面するほぼＬ字形状の接客パネル２０２
が設けられている。接客パネル２０２の水平部には、タ
ッチパネルを兼ねた表示部２０４が設けられ、垂直部に
は、カード挿入口２０６、通帳挿入口２０８等が設けら
れている。また、接客パネル２０２の角部には、それぞ
れ扉によって開閉される紙幣入出金口２１０および硬貨
入出金口２１２が設けられている。

【００２６】本体２００内には、紙幣入出金口２１０を
介して利用者に紙幣を入出金するための紙幣取扱装置２
１４、硬貨入出金口２１２を介して硬貨を入出金する硬
貨取扱装２１６、制御ユニット２１８、通帳プリンタ２
２０、カード／伝票処理装置２２２等が配設されてい
る。これらの紙幣取扱装置２１４および硬貨取扱装置２
１６はこの発明における現金収納部を構成している。

【００２７】本体２００の後面には、紙幣取扱装置２１
４および硬貨取扱装置２１６を本体から取出し可能とす
るための開閉自在な扉２２４が設けられている。この扉
２１４には、後述する紙幣取扱装置２１４の紙幣搬入／
搬出部に対向した挿入口２２６が形成され、この挿通口
２２６は上下に開く扉２２８によって開閉される。ま
た、紙幣取扱装置２１４の後面にはコネクタ２３０が設
けられ、挿入口２２６に対向している。

【００２８】図４に示すように、紙幣取扱装置２１４は
細長い箱状の筐体２３２を有し、この筐体内の上部に
は、紙幣入出金口２１０から投入された紙幣を受け取る
とともに出金紙幣が出金される紙幣集積部２３４、入金
紙幣を一時的に集積する入金一時集積部２３５、入金紙
幣および出金紙幣を鑑査する鑑査部２３６、リジャクト
紙幣を収容する一対のリジェクト庫２３８ａ、２３８
ｂ、損券等を収容する回収部２３９等が設けられてい
る。

【００２９】また、筐体２３２内の下部には、一万円紙
幣を収容する２つの万円庫２４０ａ、２４０ｂ、千円紙
幣を収容する千円庫２４２が並んで設けられているとと
もに、脱着自在な装填庫２４４が設けられている。筐体
２３２内には、多数の搬送ベルト、搬送ローラ等が配設
され、各構成部を通って延びる複数の搬送路を構成して
いる。

【００３０】更に、筐体２３２内の後端部ほぼ中央に
は、紙幣搬入搬出部２４６が設けられ搬送路に連通して
いる。この紙幣搬入搬出部２４６は、筐体２３２の後壁
に形成された搬入搬出口（第１の現金搬入搬出口）２４
７を介してＡＴＭ本体２００の扉２２４に設けられた挿
入口２２６に対向している。そして、後述するように、
紙幣搬入搬出部２４６は挿入口２２６から供給された紙
幣を一枚づつ筐体２３２内に搬入するとともに、万円庫
２４０ａ、２４０ｂ、千円庫２４２から回収した紙幣を
一枚づつ搬出する。

【００３１】図５に示すように、タイプ２のＡＴＭ１０
ｃはほぼ矩形箱状の本体１４を備え、本体の前面には、
利用者に対面するＬ字状の接客パネル１５が設けられて
いる。接客パネル１５の水平部には、タッチパネルを兼
ねた表示部１６、扉１７によって開閉される紙幣入出金
口１８が設けられ、垂直部には、硬貨入出金口１９、カ
ード挿入口２０、通帳挿入口２１等が設けられている。

【００３２】本体１４内には、利用者に対して紙幣を入
出金するための紙幣取扱装置２２、硬貨取扱装置２３等
が配設されている。これらの紙幣取扱装置２２および硬
貨取扱装置２３はこの発明における現金収納部を構成し
ている。また、本体１４の後面には、後述する紙幣取扱
装置２２のカセット装填部２３に対向した挿通口２４が
形成され、この挿通口２４は上下に開く扉２６によって
開閉される。

【００３３】図６に示すように、紙幣取扱装置２２は、
細長い箱状の筐体２５０を有し、この筐体内の上部に
は、紙幣入出金口１８から投入された紙幣を受け取ると
ともに出金紙幣が出金される紙幣集積部２５２、入金紙
幣を一時的に集積する入金一時集積部２５４、出金一時
集積部２５５、入金紙幣および出金紙幣を鑑査する鑑査
部２５６、カセット装填部２３が設けられている。カセ
ット装填部２３はＡＴＭ本体１４の挿入口２４に対向し
て設けられている。

【００３４】また、筐体２５０内の下部には、一万円紙
幣を収容する２つの万円庫２５８ａ、２５８ｂ、千円紙
幣を収容する千円庫２６０が並んで設けられているとと
もに、リジャクト紙幣を収容する一対のリジェクト庫２
６２ａ、２６２ｂ、損券等を収容する回収部２６４等が
設けられている。筐体２３２内には、多数の搬送ベル
ト、搬送ローラ等が配設され、各構成部を通って延びる
複数の搬送路を構成している。

【００３５】通常、カセット装填部２３には、装填庫２
６６が脱着自在に装着されているとともに、装填庫に紙
幣を回収するための回収口２３ａおよび装填庫から紙幣
を補充するための補充口２３ｂが形成されている。回収
口２３ａ、補充口２３ｂは現金挿通口として作用する。

【００３６】装填庫２６６は、上部に搬入口２６７ａ、
下部に搬出口２６７ｂを有する箱状に形成されている。
装填庫２６６内には、紙幣を積層状態に収納した紙幣収
納部２６８、紙幣収納部の上方に位置しリジェクト紙幣
を収納するリジェクト集積部２７０、紙幣集積部２６８
の下部に配設され紙幣集積部から紙幣を一枚づつ取り出
して搬出口２６７ｂから搬出する繰り出しローラ２７
１、搬入口２６７ａを介して紙幣を一枚づつ取り込む取
り込みローラ２７２が配設されている。

【００３７】本実施の形態に係る現金管理システムによ
れば、ＡＴＭ１０ｃの紙幣取扱装置２２のカセット装填
部２３には、装填庫２６６に代えてアダプタカセット２
７３が脱着自在に装填されている。

【００３８】このアダプタカセット２７３は、装填庫２
６６とほぼ同一の寸法を有する矩形箱状のカセット本体
２７２を備えている。カセット本体２７２の前壁上部に
は、回収口２３ａを介して紙幣取扱装置１０ｃから一枚
づつ紙幣を受け入れる搬入口２７４ａが形成され、前壁
下部には、充填口２３ｂに向けて紙幣を一枚づつ繰り出
す搬出口２７４ｂが形成されている。カセット本体２７
２の後壁下部には、搬入搬出口（第２の現金搬入搬出
口）２７５が形成されている。搬入搬出口２７５の近傍
には、後述するコネクタ２７７が設けられている。

【００３９】また、カセット本体２７２内には、搬入搬
出口２７５に対向した複数のローラを備えた紙幣搬入搬
出部２７６が設けられ、また、搬入口２７４ａ、搬出口
２７４ｂにそれぞれ対向して搬入ローラ対２７８ａ、搬
出ローラ対２７８ｂがそれぞれ設けられている。これら
のローラは複数の搬送ベルト２８０によって互いに接続
されている。これらのローラおよび搬送ベルト２８０は
搬送手段として機能する。

【００４０】アダプタカセット２７３がカセット装填部
２３に装填された状態において、搬入搬出部２７６は搬
入搬出口２７５を介してＡＴＭ本体１４の挿入口２４に
対向して位置し、床からの高さＨ２は、ＡＴＭ１０ａの
挿入口２２６の高さＨ１よりも僅かに高くなっている。
そして、紙幣取扱装置２２から回収された紙幣は、搬入
口２７４ａからアダプタカセット２７３内に取り込ま
れ、搬入ローラ２７８ａおよび搬送ベルト２８０によっ
て搬入搬出部２７６へ送られ、更に、搬入搬出口２４５
を介して搬出される。

【００４１】また、搬入搬出口２４５から供給された紙
幣は、搬入搬出部２７６から搬送ベルト２８０を介して
搬出ローラ対２７８ｂへ送られ、更に搬出口２７４ｂを
通して紙幣取扱装置２２内に送られる。

【００４２】なお、タイプ１の他のＡＴＭ１０ｂは、上
述したＡＴＭ１０ａと同様に構成され、タイプ２の他の
ＡＴＭ１０ｄも上述のＡＴＭ１０ｃと同様に構成されて
いる。そして、これらのＡＴＭ１０ａないし１０ｄは、
その後面が平行に揃った状態で、金融機関の床面２５上
に並んで設置されている。

【００４３】図２に示すように、４台のＡＴＭ１０ａな
いし１０ｄは、それぞれＬＡＮアダプタ２７を介して金
融機関のローカルエリアネットワーク（ＬＡＮ）２８に
接続されている。また、ＬＡＮ２８には、各ＡＴＭ１０
ａないし１０ｄを監視する運用管理端末としてパーソナ
ルコンピュータ等のサーバー３０が接続されている。そ
して、このサーバー３０には、各ＡＴＭ１０ａないし１
０ｄからＡＴＭの動作状態、例えば障害発生状況や、取
扱媒体としての紙幣や硬貨の残量等がＬＡＮ２８を介し
て随時報告される。

【００４４】一方、図１および図２に示すように、現金
受渡し装置１２は、ＡＬＮ２８に接続された送信手段と
してのキャリアステーション３２と、キャリアステーシ
ョン３２からの指令に従い、ＡＴＭ１０ａないし１０ｄ
の後面に沿って床面２５上を自走する移動台車としての
カセットキャリア３４と、を備えている。

【００４５】キャリアステーション３２は、ＬＡＮ２８
を介してサーバー３０に接続されたパーソナルコンピュ
ータからなるモニタ３５を備え、このモニタ３５はサー
バー３０との間で情報および指令の連絡を行なう。サー
バー３０からＬＡＮ２８を介してモニタ３５に入力され
た指令は、コンバータ３６によって無線信号に変換さ
れ、更に、無線モデム３７、アンテナ３８を介してカセ
ットキャリア３４へ送信される。そして、カセットキャ
リア３４は、キャリアステーション３２からの指令に従
って所定のＡＴＭと対向する位置まで自走し、このＡＴ
Ｍに対して現金の受渡しを行なう。

【００４６】図１および図７に示すように、カセットキ
ャリア３４は、台車本体として機能する台車４０、この
台車４０上にスライド機構４２を介して支持され媒体保
持部あるいは現金保持部として機能する配送カセット４
３、台車４０上に取り付けられてスライド機構４２、配
送カセット４３を覆ったほぼ矩形箱状のハウジング４４
等を備えて構成されている。

【００４７】図７ないし図９に示すように、台車４０は
左右２つの駆動輪４６ａ、４６ｂ、および１つの従動輪
４７が取り付けられた矩形板状のベース４５を有し、こ
れらの車輪により床面２５上を走行可能となっている。

【００４８】一方の駆動輪４６ａは、ベース４５上に設
けられたウォーム減速機４８、カップリング４９を介し
てサーボモータ５０ａに接続され、他方の駆動輪４６ｂ
もウォーム減速機４８、カップリング４９を介してサー
ボモータ５０ｂに接続されている。そして、左右の駆動
輪４６ａ、４６ｂは独立した２つのサーボモータ５０
ａ、５０ｂによって別々に駆動され、これらサーボモー
タ５０ａ、５０ｂを正転／逆転および速度制御すること
により、台車４０は床面２５上を直線的あるいは曲線的
に往復道することができる。

【００４９】また、従動輪４７はいわゆるキャスタ構造
を有し、台車４０が曲線走行する際、あるいは前進から
後進に切り替わる際に対応できるように、軸５１の回り
で回転自在に取り付けられている。なお、駆動輪４６
ａ、４６ｂ、従動輪４７、ウォーム減速機４８、サーボ
モータ５０ａ、５０ｂは、この発明における走行機構を
構成している。

【００５０】左右の駆動輪４６ａ、４６ｂ間においてベ
ース４５には回動自在な回動アーム５２が支持され、こ
の回動アーム５２の先端には摩擦車５３が取り付けられ
ている。摩擦車５３は床面２５に接触して設けられ、台
車４０の走行に連動して床面２５上を転動する。また、
摩擦車５３の回転は、ベルト５４を介して、ベース４０
上に設けられたエンコーダ５５に伝達され、エンコーダ
５５は伝達された回転を所定のパルス数としてカウント
し後述する制御部に入力する。

【００５１】ベース４５上には、駆動源として作用する
一対の充電式のバッテリ５６が載置されている。これら
のバッテリ５６は、サーボモータ５０ａ、５０ｂを駆動
するとともに、後述するようにカセットキャリア３４の
他の電気系すべてに給電する。また、バッテリ５６は、
ハウジング４４の後面に設けられたコネクタ５７を、キ
ャリアステーション３２に設けられた給電ソケット５８
（図１参照）に接続することによって充電される。

【００５２】図７に示すように、台車４０の前後部には
それぞれバンパ６０、６１が取り付けられ、更に、バン
パ６０、６１の裏側には後述する圧力センサ６２、６３
がそれぞれ取り付けられている。そして、バンパ６０、
６１が異物や人体に接触して圧力が作用すると、圧力セ
ンサ６２、６３が反応し、これに応じて制御部によりサ
ーボモータ５０ａ、５０ｂが停止され、カセットキャリ
ア３４の走行が停止される。

【００５３】また、ハウジング４４の前壁および後壁に
はそれぞれ反射型センサ６４が設けられ、反射型センサ
６４の検知範囲６５であるカッセトキャリア３４の前後
約１ｍの範囲に人体等の反射物が出現すると、反射型セ
ンサはこれを検知して上記と同様にカセットキャリア３
４の走行を停止する。

【００５４】このような圧力センサ６２、６３および反
射型センサ６４を備えた安全装置に加えて、ハウジング
４４の上面にはパトロールライト６６が取り付けられ、
このパトロールライト６６はカセットキャリア３４の走
行中に回転しながら点灯する。

【００５５】また、ＡＴＭ１０ａないし１０ｄの後面と
対向するハウジング４４の側壁４４ａには、任意のＡＴ
Ｍに対してカセットキャリ３４を位置決めするための一
対の反射型距離センサ６８ａ、６８ｂがＸ方向に沿って
所定の間隔を置いて取り付けられている。これらの反射
型距離センサ６８ａ、６８ｂは超音波センサで構成さ
れ、ハウジング４４の側壁４４ａから反射面、つまり、
ＡＴＭの後面までの垂直方向距離をミリ単位で精密に測
定することができる。反射型距離センサ６８ａ、６８ｂ
は、この発明における検出部として機能し、後述する距
離測定回路１０６とともに検出手段および第１の検出手
段を構成している。

【００５６】側壁４４ａの上部には赤外線リモコンの発
光部６７ａが設けられている。各ＡＴＭ１０ａないし１
０ｄの後面には、発光部６７からの赤外線を受信する受
光部６７ｂが設けられ、受光部６７ｂによって赤外線が
受信されるとＡＴＭ１０ａ、１０ｂの扉２２８あるいは
ＡＴＭ１０ｃ、１０ｄの扉２６が開けられ挿通口２２
６、２４が開放される。

【００５７】更に、ハウジング４４の上面にはアンテナ
７０が設けられ、このアンテナ７０は後述するモデムに
接続されている。そして、このアンテナ７０を介して、
キャリアステーション３２とカセットキャリア３４との
間で信号の送受信が行なわれる。また、ハウジング４４
の上面には、係員が手動でカセットキャリア３４を作動
させるための操作ノブ７１が設けられている。

【００５８】一方、図７および図１０ないし図１２に示
すように、ハウジング４４の側壁４４ａには矩形状の開
口４４ｂが形成され、配送カセット４３はこの開口４４
ｂに対向した状態でハウジング４４内に配設されてい
る。配送カセット４３は開口４４ｂを通過可能な大きさ
の矩形箱状に形成されている。

【００５９】配送カセット４３の側壁下部には開口４４
ｂに受かって突出した突出部４３ａが形成され、この突
出部の先端面には、受渡し口７３が形成されている。突
出部４３ａはＡＴＭ１０ａないし１０ｄの挿入口２２
８、２４に挿入可能な大きさに形成されているととも
に、受渡し口７３は、紙幣取扱装置２１４の紙幣搬入搬
出口２４７および紙幣取扱装置２２に装填されたアダプ
タカセット２７３の紙幣搬入搬出口２７５とほぼ同一の
大きさに形成されている。

【００６０】搬送カセット４３内には紙幣集積箱２８４
が配設されている。この紙幣集積箱２８４内には、多数
枚の紙幣を積層状態で集積した紙幣集積部２８６、紙幣
集積部の上方に位置したリジェクト集積部２８７、紙幣
集積部の下方に設けられ紙幣集積部から紙幣を一枚づつ
取り出す取り出しローラ２８８、紙幣集積部の上端近傍
に位置した取り込みローラ２９０、リジェクト集積部に
隣接して位置したリジェクト取り込みローラ２９２等が
設けられている。

【００６１】また、搬送カセット４３内には、受渡し口
７３に隣接して位置した搬出ローラ２９４および搬入ロ
ーラ２９６が設けられ、紙幣搬入搬出部２９１を構成し
ている。また、搬送カセット４３内には、取り込みロー
ラ２９０と対向した第１の搬送ローラ２９７、リジェク
ト取り込みローラ２９２と対向した第２の搬送ローラ２
９８、駆動ローラ３００、複数のガイドローラ３０２、
これらのローラに掛け渡されて搬送路を形成した複数の
搬送ベルト３０４が配設されている。また、搬送カセッ
ト４３内には、取り出しローラ２８８を駆動する第１の
駆動モータ３０６、駆動ローラ３０２を駆動する第２の
駆動モータ３０７、および第１および第２の搬送ローラ
２９７、２９８間に配置され回収紙幣とリジェクト紙幣
とを振り分ける振り分けゲート３０８が設けられてい
る。

【００６２】ＡＴＭ側に紙幣を補充する場合、第１およ
び第２の駆動モータ３０６、３０７が駆動されると、取
り出しローラ２８８によって紙幣集積部２８６から一枚
づつ紙幣が取り出され、ガイドローラ３０２、搬送ベル
ト３０４、搬出ローラ２９４により、受渡し口７３を介
して紙幣がＡＴＭ側に供給される。

【００６３】また、ＡＴＭ側から紙幣を回収する場合、
第２の駆動モータ３０７が駆動されると、ＡＴＭ側から
搬出された紙幣は、搬入ローラ２９６、搬送ベルト３０
４を介して第１の搬送ローラ２９７まで搬送され、回収
紙幣であれば振り分けゲート３０８によって紙幣集積部
２８６の上部へ振り分けられ取り込みローラ２９０によ
って紙幣集積部２８６内に集積される。リジェクト紙幣
である場合、この紙幣は振り分けゲート３０８によって
第２の搬送ローラ２９８へ導かれ、リジェクト取り込み
ローラ２９２によってリジェクト集積部２８７に集積さ
れる。

【００６４】配送カセット４３の突出部４３ａの先端面
には、ＡＴＭ側から配送カセット４３を制御するための
コネクタ７６が設けられている。つまり、コネクタ７６
は、後述するように配送カセット４３の紙幣搬入搬出部
２９１がＡＴＭ側の紙幣搬入搬出部に接続された際、Ａ
ＴＭの紙幣取扱装置２２に設けられたコネクタ２３０あ
るいは２７７に接続され、コネクタ７６を介してＡＴＭ
側から配送カセット４３の第１および第２の駆動モータ
３０６、３０７の動作を制御することが可能となる。

【００６５】図１０ないし図１２に示すように、配送カ
セット４３は、カセットキャリア３４とＡＴＭとの間で
配送カセットを移動させるスライド機構４２、ＡＴＭの
挿通口２４およびカセット装填部２３に対する配送カセ
ット４３の位置を微調整する位置調整手段としての微調
整機構７８、および支持フレーム８０を介して台車４０
のベース４５上に支持されている。

【００６６】詳細に述べると、支持フレーム８０はベー
ス４５上に立設され、微調整機構７８は、この支持フレ
ーム８０上に載置された下テーブル８２および上テーブ
ル８３を備えている。下テーブル８２はリニアスライダ
８４を介して支持フレーム８０上に載置され、Ｘ方向に
沿って往復動可能となっている。そして、下テーブル８
２は、支持フレーム８０上に設置されたモータ８６によ
りボールネジ８５を介してＸ方向に往復移動される。

【００６７】下テーブル８２上に配置された上テーブル
８３は、Ｙ方向に延びるボールネジ８７ａないし８７ｄ
によってその４隅が下テーブルに支持されている。これ
らのボールネジ８７ａないし８７ｄは上テーブル８３上
に取り付けられた４つのモータ８８ａないし８８ｄにそ
れぞれ接続され、各モータ８８ａないし８８ｄを駆動す
ることにより上テーブル８３の４隅をそれぞれ独立して
上下動、つまり、Ｙ方向へ移動させることができる。

【００６８】例えば、上テーブル８３が水平な状態で４
つのモータ８８ａないし８８ｄを同量回転させると、上
テーブル８３は水平状態のまま上下移動する。また、図
１に示すＸＹＺ座標を用いる場合、モータ８８ａおよび
８８ｂを同時に回転させると、上テーブル８３はＸ軸を
中心としてＴｚ方向にチルトし、モータ８８ａおよび８
８ｃを同時に回転されると、上テーブル８３はＺ軸を中
心としてＴｙ方向にチルトする。

【００６９】従って、モータ８６および４つのモータ８
８ａないし８８ｄを制御することにより、上テーブル８
３のＸ方向、Ｙ方向に平行移動できるとともに、Ｔｚお
よびＴｙ方向にチルトさせることができる。

【００７０】スライド機構４２は、上テーブル８３に立
設された一対の支柱９０にそれぞれ取り付けられた左右
のスライドレール９１ａ、９１ｂと、これらのスライド
レール９１ａ、９１ｂに支持されたベース板９２とを有
している。各スライドレール９１ａ、９１ｂはＺ方向に
延び、それにより、ベース板９２はＺ方向へ往復移動可
能となっている。そして、このベース板９２上に配送カ
セット４３が載置されている。

【００７１】図１２に示すように、スライド機構４２の
駆動部９４は、上テーブル８３上に設けられたモータ９
４、大プーリ９５、および複数の小プーリ９６ａないし
９６ｄを備え、モータ９４と大プーリ９５とには駆動ベ
ルト９７が巻装され、大プーリと小プーリとにはベルト
９８が巻装されている。このベルト９８の一部は、連結
部９８ａを介してベース板９２に連結されている。小プ
ーリ９６ａないし９６ｄの内、小プーリ９６ｂ、９６ｃ
は上テーブル８３上をＺ方向に沿って往復動自在に設け
られている。

【００７２】そして、モータ９４により駆動ベルト９７
を介して大プーリ９５を回転させると、ベルト９８が走
行し、連結部９８ａを介してベース板９２がＺ方向に移
動される。この際、小プーリ９６ｂ、９６ｃは動滑車的
に移動し、連結部９８ａおよびベース板８３は大きなス
トロークでＺ方向に往復動することができる。それによ
り、ベース板９２上に載置された配送カセット４３は、
ハウジング４４内に収納された収納位置と、ハウジング
４４から外方に突出し任意のＡＴＭに接続可能な接続位
置との間を移動される。

【００７３】なお、上記スライド機構４２は、配送カセ
ット４３の紙幣搬入搬出部２９１とともにこの発明にお
ける受渡し手段を構成している。

【００７４】また、配送カセット４３をＡＴＭの挿入口
２２６あるいは２４に対して高精度に位置決めするた
め、上テーブル８３上にＡＴＭ側に向かって一対の反射
型センサ１００ａ、１００ｂが設けられ、更に、ベース
板９２上にＡＴＭ側に向かって１つの反射型センサ１０
２が設けられている。これらの反射型センサ１００ａ、
１００ｂ、および１０２は、この発明における第２の検
出手段として機能する。

【００７５】図１３は上記のように構成されたカセット
キャリア３４の制御系の構成を概略的に示している。つ
まり、カセットキャリア３４は、マイクロコンピュータ
を主体とする制御手段としての制御部１０４を備え、こ
の制御部はＲＯＭ１０５に格納された制御プログラムに
従って上述した種々の機構の動作を制御する。制御部１
０４には、反射型距離センサ６８ａ、６８ｂからの信号
に基づいてＡＴＭに対するカセットキャリア３４の距
離、傾き（平行度）を測定する距離測定回路１０６、距
離測定回路１０６による測定結果に応じて駆動輪４６を
駆動するモータ５０ａ、５０ｂの回転を制御するサーボ
回路１０７、エンコーダ５５、バッテリ５６、反射型セ
ンサ６４、圧力センサ６２、６３、およびパトロールラ
イト６６が接続されている。

【００７６】また、制御部１０４には、微調整機構７８
のモータ８６およびモータ８８ａないし８８ｄを駆動す
るドライバー１０８、１１０、反射型センサ１００ａ、
１００ｂ、１０２、アンテナ７０に無線信号を送るモデ
ム１１２、赤外線リモコンの発光部６７ａ、およびカセ
ットキャリア３４の停止位置等を記憶するメモリ１１４
が接続されている。

【００７７】更に、制御部１０４には、配送カセット４
３の動作を制御する配送制御部３１０が接続されてい
る。配送制御部３１０には、第１および第２の駆動モー
タ３０６、３０７、搬送カセット４３の位置を検出する
位置センサ３１２、コネクタ７６が接続されている。

【００７８】次に以上のように構成された現金処理シス
テムの動作について説明する。まず、現金処理シテムス
を金融機関等に設置した後、実際の運用動作を開始する
前にカセットキャリア３４の学習を行なう。つまり、キ
ャリアステーション３２から各ＡＴＭ１０ａないし１０
ｄに対向する位置までどれだけ走行すべきかをカセット
キャリア３４に記憶させる。

【００７９】この場合、図１４に示すように、カセット
キャリア３４がキャリアステーション３２にドッキング
している時のカセットキャリア３４の後面の位置を基準
位置Ｒとし、ＡＴＭ１０ｄのキャリアステーション３２
側の側面に対するカセットキャリア３４の反射型距離セ
ンサ６８ａのＸ方向距離Ｌが約３ｃｍ程度となる時のカ
セットキャリア後面の位置をＡＴＭ１０ａに対するカセ
ットキャリア３４の停止位置Ｄとする。同様に、ＡＴＭ
１０ｂ、１０ｃ、１０ｄに対して反射型距離センサ６８
ａのＸ方向距離Ｌが約３ｃｍ程度となる時のカセットキ
ャリア後面の位置を、それぞれＡＴＭ１０ｂ、１０ｃ、
１０ｄに対するカセットキャリア３４の停止位置Ｂ、
Ｃ、Ｄとする。そして、カセットキャリア３４を基準位
置Ｒから各停止位置Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄまで走行させ、その
際、エンコーダ５５の回転パルス数をカウントし、距離
ＲＡ、ＡＢ、ＢＣ、ＣＤに対応するパルス数をメモリ１
１４に記憶する。

【００８０】上述した学習が終了した後、実際の運用動
作が開始される。通常の動作において、サーバー３０は
各ＡＴＭ１０ａないし１０ｄの動作状態を監視し、サー
バー３０には、各ＡＴＭ１０ａないし１０ｄからＡＴＭ
の動作状態、例えば障害発生状況や、取扱媒体としての
紙幣や硬貨の残量等がＬＡＮ２８を介して随時報告され
る。

【００８１】サーバー３０はこれらの情報に基づき、ど
のＡＴＭの紙幣残量が少なく、どのＡＴＭの紙幣残量が
多いかを認識し、更に、今後どのＡＴＭが多く利用され
るかという予測情報も勘案して最終的にどのＡＴＭから
紙幣を回収しどのＡＴＭへ紙幣を充填するかを決定す
る。例えば、ＡＴＭ１０ａから紙幣を回収してＡＴＭ１
０ｃへ充填する場合、サーバー３０はその旨の指令を発
する。

【００８２】この指令はＬＡＮ２８を介してキャリアス
テーション３２およびＡＴＭ１０ａ，１０ｃへ入力され
る。ＡＴＭ１０ａ、１０ｃは、紙幣の受渡しのためにカ
セットキャリア３４が到着するまで待機状態となる。但
し、待機状態においても、各ＡＴＭ１０ａ、１０ｃは利
用者との取引が可能となっている。

【００８３】キャリアステーション３２に入力された指
令はモニタ３５、コンバータ３６、モデム３７、アンテ
ナ３８を介して送信され、更に、カセットキャリア３４
のアンテナ７０、モデム１１２を介して制御部１０４に
入力される。

【００８４】これに応じて制御部１０４はモータ５０
ａ、５０ｂによって駆動輪４６を回転させ、カセットキ
ャリア３４をＡＴＭ１０ａに向かって走行させる。カセ
ットキャリア３４の走行に伴って摩擦車５３が回転しエ
ンコーダ５５が回転パルスを発生する。そして、制御部
１０４は、エンコーダ５５のパルス数が学習時に設定し
た所定のパルス数、つまり、ＲＡのパルス数に達した時
点でモータ５０ａ、５０ｂの駆動を停止する。それによ
り、カセットキャリア３４はＡＴＭ１０ｄに対応する停
止位置Ａに停止する。

【００８５】なお、床面２５の状態によっては、駆動輪
４６あるいは摩擦車５３がスリップしてカセットキャリ
ア３４が停止位置Ａに正確に停止しない場合もあるが、
距離Ｌがほぼ３ｃｍ程度となっていれば何等問題は生じ
ない。

【００８６】続いて、制御部１０４は、反射型距離セン
サ６８ｂからの検出信号に応じてカセットキャリア３４
とＡＴＭ１０ａ後面との間の距離Ｄが所定の値であるこ
とを確認しながら、反射型距離センサ６８ａによってＡ
ＴＭ１０ａのキャリアステーション３２側の側縁Ｅが検
出されるまで、カセットキャリア３４を停止位置Ａから
更に走行させる。そして、制御部１０４は、側縁Ｅが検
出された位置から、予めＲＯＭ１０５に格納されている
プログラムに従った所定距離だけ、つまり、所定のパル
ス数だけカセットキャリア３４を走行させた後停止す
る。

【００８７】また、制御部１０４は、反射型距離センサ
６８ａ、６８ｂからの検出信号に基づいてＡＴＭ１０ａ
の後面に対するカセットキャリア３４の傾き、つまり、
平行度を測定し、傾いている場合には、反射型距離セン
サ６８ａによる検出距離Ｄと反射型距離センサ６８ｂに
よる検出距離Ｄとが一致するように、いずれかの駆動輪
４６を駆動して傾きを補正する。

【００８８】以上の動作により、図１５に示すように、
カセットキャリア３４は、その開口４４ｂがＡＴＭ１０
ａの挿通口２２６とほぼ対向する位置へ移動および位置
決めされる。この状態で、赤外リモコンの発光部６７ａ
から扉２２８の開放信号が出力され、ＡＴＭ１０ａは、
受光部６７ｂで開放信号を受信した時点で扉２２８を開
け挿通口２２６を開放する。

【００８９】次に、制御部１０４は、反射型センサ１０
０ａ、１００ｂ、１０２からの検出信号によって下テー
ブル８２および上テーブル８３とＡＴＭ１０ａの挿通口
２２６との間の位置ずれを測定し、ずれている場合には
微調整機構７８によって下テーブル８２をＸ方向、上テ
ーブル８３をＹ方向、Ｔｚチルト、Ｔｙチルトさせるこ
とにより、位置ずれを精密に補正する。従って、上テー
ブル８３上に載置された配送カセット４３は、その突出
部４３ａが挿通口２２６と正確に対向した位置に位置決
めされる。

【００９０】上述した微調整が終了した後、制御部１０
４はスライド機構４２を作動させて配送カセット４３を
ハウジング４４内の収納位置から接続位置へ移動させ
る。それにより、図１６に示すように、配送カセット４
３の突出部４３ａはＡＴＭ１０ａの挿通口２２６を通過
し、突出部４３ａに設けられた受渡し口７３は、紙幣取
扱装置２１４後壁の搬入搬出口２４７と隣接対向する。
それにより、搬送カセット４３の紙幣搬入搬出部２９１
が紙幣取扱装置の紙幣搬入搬出部２４６に接続される。
また、配送カセット４３のコネクタ７６が紙幣取扱装置
２１４のコネクタ２３０に接続され、情報の授受が可能
となる。

【００９１】上述した接続作業が終了すると、制御部１
０４により終了信号がモデム１１２およびアンテナ７０
を介してキャリアステーション３２に送信され、更に、
ＬＡＮ２８を介してサーバー３０へ入力される。これを
受けたサーバー３０は、ＡＴＭ１０ａに対して配送カセ
ット４３の接続終了を連絡し、ＡＴＭ１０ａの紙幣取扱
装置２１４に、例えば、一万円紙幣を４００枚の紙幣を
回収する旨の指示を入力する。

【００９２】これに応じて、紙幣取扱装置２１４は万円
庫２４０ａから一枚づつ紙幣を取り出し、搬送路を通し
て紙幣搬入搬出部２４６へ搬送するとともに、コネクタ
２３０、７６を介して配送カセット４３の第２の駆動モ
ータを駆動する。それにより、取り出された指定枚数分
の紙幣は、順次紙幣搬入搬出部２４６から搬出されて配
送カセット３４側の紙幣搬入搬出部２９１へ送られ、更
に、搬送ベルトおよび取り込みローラを介して紙幣集積
部２８６内に回収される。なお、利用者によりＡＴＭ１
０ａが使用されている場合には、その取引が終わった後
に上記回収動作が開始される。

【００９３】回収動作が終了すると、ＡＴＭ１０ａから
サーバー３０へ終了報告がなされ、この報告を受けたサ
ーバー３０はＬＡＮ２８およびキャリアステーション３
２を介して終了信号をカセットキャリア３４へ送る。こ
れに応じて、カセットキャリア３４の制御部１０４はス
ライド機構４２を駆動して配送カセット４３を装填位置
から収納位置へ移動させ、ＡＴＭ１０ａからハウジング
４４内へ収容する。

【００９４】続いて、図１７に示すように、制御部１０
４は上記と同様の動作によりカセットキャリア３４をＡ
ＴＭ１０ｃに対する停止位置Ｃまで移動させた後、ＡＴ
Ｍ１０ｃに対して位置決めする。この状態で、赤外リモ
コンの発光部６７ａからＡＴＭ１０ｃの扉２６の開放信
号が出力され、ＡＴＭ１０ｃは、受光部６７ｂで開放信
号を受信した時点で扉２６を開け挿通口２４を開放す
る。ここで、紙幣取扱装置２２のカセット装填部２３に
はアダプタカセット２７３が装填されていることから、
挿通口２４を通して、アダプタカセット２７３の紙幣搬
入搬出口２７５が外部に露出する。

【００９５】次に、制御部１０４は、微調整機構７８に
よって配送カセット４３の位置を微調整し、配送カセッ
ト４３の突出部４３ａをアダプタカセット２７３の紙幣
搬入搬出口２７５に対して正確に位置決めする。紙幣搬
入搬出口２７５の高さＨ２は、タイプ１のＡＴＭ１０
ａ、１０ｂの挿入口２２６の高さＨ１よりも僅かに高く
なっているが、上記微調整により、配送カセット４３は
紙幣搬入搬出口２７５に対して正確に位置合わせされ
る。

【００９６】上述した微調整が終了した後、制御部１０
４はスライド機構４２を作動させて配送カセット４３を
ハウジング４４内の収納位置から接続位置へ移動させ
る。それにより、配送カセット４３の突出部４３ａはＡ
ＴＭ１０ｃの挿通口２４を通過し、突出部４３ａに設け
られた受渡し口７３は、アダプタカセット２７３の紙幣
搬入搬出口２７５と隣接対向する。そして、搬送カセッ
ト４３の紙幣搬入搬出部２９１がアダプタカセット２７
３の紙幣搬入搬出部２７６に接続され、また、配送カセ
ット４３のコネクタ７６がアダプタカセットに設けられ
たコネクタ２７７を介して紙幣取扱装置２２に電気的に
接続され、情報の授受が可能となる。

【００９７】搬送カセット４３の接続作業が終了する
と、制御部１０４により終了信号がモデム１１２および
アンテナ７０を介してキャリアステーション３２に送信
され、更に、ＬＡＮ２８を介してサーバー３０へ入力さ
れる。これを受けたサーバー３０は、ＡＴＭ１０ｃに対
して配送カセット４３の接続終了を連絡し、ＡＴＭ１０
ｃの紙幣取扱装置２２に、配送カセット３４から４００
枚の一万円紙幣を補充する旨の指示を入力する。

【００９８】これに応じて、紙幣取扱装置２２は搬送カ
セット４３の第１および第２の駆動モータ３０６、３０
７を駆動し、取り出しローラ２８８によって紙幣集積部
２８６の最下部から順次紙幣を取り出す。取り出された
紙幣は、ガイドローラ３０２、搬送ベルト３０４を介し
て紙幣搬入搬出部２９１へ送られ、更にアダプタカセッ
ト２７３の紙幣搬入搬出部２７６へ送られる。そして、
各紙幣は、アダプタカセット２７３内を通って搬出口２
７４ｂから紙幣処理装置２２内へ搬出され、搬送路を通
って所定の金庫、例えば、万円庫２５８ａに所定枚数補
充される。なお、利用者によりＡＴＭ１０ｃが使用され
ている場合には、その取引が終わった後に上記補充動作
が開始される。

【００９９】上述した補充動作が終了すると、配送カセ
ット４３がカセットキャリア３４の本体４４内に戻され
た後、カセットキャリア３４は基準位置Ｒへ戻される。

【０１００】なお、図１８は、カセットキャリア３４か
らタイプ１のＡＴＭ１０ｂに紙幣を補充する際の紙幣の
流れを示したもので、取り出しローラ２８８によって紙
幣集積部２８６の下端から一枚づつ取り出された紙幣
は、配送カセット４３の紙幣搬入搬出部２９１、ＡＴＭ
１０ｂ側の紙幣搬入搬出部２４６を通して紙幣処理装置
２１４内へ送られ、更に、鑑査部２３６を通して万円庫
２４０ａ、２４０ｂ、あるいは千円庫２４２へ補充され
る。

【０１０１】以上のように構成された現金処理システム
によれば、現金受渡し装置１２により複数のＡＴＭ間で
現金を自動的に受渡すことができ、作業員の労力を大幅
に低減することができる。そして、現金受渡し装置１２
のカセットキャリア３４は、ガイドレール、走行テープ
等を用いることなく無軌道および無線により任意のＡＴ
Ｍ間を移動することができる。そのため、ガイドレー
ル、走行テープ等を設置する必要がなく、現金処理シス
テムを比較的容易に、かつ、安価に設置することができ
るとともに、システム全体も小型にすることが可能とな
る。

【０１０２】また、現金受渡し装置１２は、ＡＴＭに対
してカセットキャキャリア３４を位置決めする位置決め
機構に加えて、ＡＴＭの挿通口２４およびカセット装填
部２３に対する配送カセット４３の位置を微調整する微
調整機構７８を備えているため、現金処理システムの設
置面、つまり、金融機関等の床面２５が多少傾いている
場合でも配送カセット４３をＡＴＭに対して確実に装填
し現金を確実に受渡すことがができる。従って、通常の
床であれば特別な工事を施すことなく現金処理システム
を設置することができ、設置コストの一層の低減を図る
ことができるとともに、現金処理システムの設置場所を
比較的自由に選択することが可能となる。

【０１０３】また、上述した現金処理システムによれ
ば、タイプの異なる２種類のＡＴＭを用いているにも拘
らず、一方のＡＴＭ、つまり、第２のＡＴＭ１０ｃ、１
０ｄのカセット装填部２３に、通常の装填庫に代えてア
ダプタカセット２７３を装填することにより、紙幣搬入
搬出部２７６の構成および配設位置を他方のタイプのＡ
ＴＭ１０ａ、１０ｂに合わせている。そのため、同一の
カセットキャリア３４を２種類のＡＴＭに適合すること
ができ、１台のカセットキャリア３４により各ＡＴＭに
対して紙幣の受渡しを行なうことができる。従って、複
数種類のＡＴＭを備えている場合においても、複数の受
渡し装置を設置する必要がなく、システム全体の大型化
を防止できるとともに、システム全体の制御も簡素かす
ることが可能となる。

【０１０４】更に、上記現金受渡し装置によれば、カセ
ットキャリア３４に設けられた一対の反射型距離センサ
６８ａ、６８ｂは、ＡＴＭに対してカセットキャリア３
４のＸ方向、つまり、走行方向の位置決めするために用
いられるとともに、これらのセンサによりＡＴＭ裏面に
対するカセットキャリアの傾きおよび平行度を検出する
こともできる。従って、比較的少数のセンサによりカセ
ットキャリアをＡＴＭに対して正確に位置決めすること
ができ、現金受渡し装置の構成の簡略化および製造コス
トの低減を図ることが可能となる。

【０１０５】なお、この発明は上述した実施例に限定さ
れることなく、この発明の範囲内で種々変形可能であ
る。例えば、上記実施例において、複数のＡＴＭは直線
的に配列され、カセットキャリア３４も直線的に往復移
動する構成としたが、必要に応じて複数のＡＴＭを曲線
的あるいは屈曲して配置するようにしてもよく、この場
合においても、カセットキャリア３４はＡＴＭの配列に
沿って自由に移動することができる。

【０１０６】また、現金処理システムはＡＴＭに限ら
ず、他の機器、例えば、現金計数装置等を含んで構成さ
れていてもよい。また、取扱媒体は紙幣に限らず、硬
貨、通帳、カード、ジャーナル用紙等種々のものに適用
することが可能であり、かつ、複数種類の取扱媒体を一
度に取扱うようにしてもよい。

【０１０７】更に、上記実施例では、現金受渡し装置に
よりいずれかのＡＴＭから現金を回収し、回収した現金
を他のＡＴＭに充填する動作を示したが、これに限ら
ず、現金受渡し装置によって、ＡＴＭからの現金の回
収、あるいはＡＴＭへの現金の充填のみを行なうように
してもよい。

【０１０８】

【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、レール、走行テープ等を設ける必要がなく比較的小
型で設置が容易であるとともに、機種の異なる機器間で
取引媒体の受渡しが可能な媒体処理処理システムを提供
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の形態に係る現金処理システム
全体を概略的に示す斜視図。

【図２】上記現金処理システム全体の構成を概略的に示
すブロック図。

【図３】上記現金処理システムにおけるタイプ１の自動
取引装置を示す斜視図。

【図４】上記タイプ１の自動取引装置の断面図。

【図５】上記現金処理システムにおけるタイプ２の自動
取引装置を示す斜視図。

【図６】上記タイプ２の自動取引装置の断面図。

【図７】図７（ａ）は上記現金処理システムのカセット
キャリアの平面図、図７（ｂ）は上記カセットキャリア
の側面図、図７（ｃ）は上記カセットキャリアの正面図
である。

【図８】上記カセットキャリアの台車の平面図。

【図９】上記台車を一部破断して示す側面図。

【図１０】上記カセットキャリアの配送カセット、スラ
イド機構、および微調整機構を示す正面図および断面
図。

【図１１】上記微調整機構の一部を概略的に示す斜視
図。

【図１２】上記スライド機構の駆動部を示す平面図。

【図１３】上記カセットキャリア全体の構成を概略的に
示すブロック図。

【図１４】上記カセットキャリアを現金自動取引装置に
対して位置決めする工程を説明するための概略図。

【図１５】上記タイプ１の自動取引装置に対してカセッ
トキャリアを位置決めした状態を示す断面図。

【図１６】上記タイプ１の自動取引装置に対してカセッ
トキャリアの配送カセットを接続し、紙幣を回収する工
程を示す断面図。

【図１７】上記タイプ２の自動取引装置に対してカセッ
トキャリアの配送カセットを接続し、紙幣を補充する工
程を示す断面図。

【図１８】上記タイプ１の自動取引装置に対してカセッ
トキャリアの配送カセットを接続し、紙幣を補充する工
程を示す断面図。

【符号の説明】

１０ａ、１０ｂ，１０ｃ、１０ｄ…自動取引装置 １２…現金受渡し装置 ２２…紙幣取扱装置 ２３…カセット装填部 ２４、２２６…挿通口 ２５…床面 ３０…サーバー ３２…キャリアステーション ３４…カセットキャリア ４０…台車 ４２…スライド機構 ４３…配送カセット ６８ａ、６８ｂ…反射型距離センサ ７８…微調整機構 １００ａ、１００ｂ、１０２…反射型センサ １０４…制御部 １０６…距離測定回路 ２４７、２７６…現金搬入搬出口 ２７３…アダプタカセット

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 第１機種の媒体処理装置と第２機種の媒
   体取引装置とを含み設置面上に並んで設置された複数の
   媒体処理装置と、 上記媒体処理装置間で取引媒体を受渡す受渡し装置と、
   を備え、 上記第１機種の媒体処理装置は、取引媒体を収納した媒
   体収納部と、上記媒体収納部に対して外部から取引媒体
   の補充および回収を行なうための第１の媒体搬入搬出口
   と、を備え、 上記第２機種の媒体処理装置は、取引媒体を収納した媒
   体収納部と、取引媒体を収納した媒体カセットを装填可
   能なカセット装填部と、上記媒体収納部と上記媒体カセ
   ットとの間で取引媒体を受渡す媒体挿通口と、上記媒体
   カセットに代えて上記カセット装填部に脱着自在に装着
   されたアダプタカセットと、を備え、 上記アダプタカセットは、上記第１の媒体搬入搬出口と
   対応した形状を有し外部から取引媒体の補充および回収
   を行なうための第２の媒体搬入搬出口と、第２の媒体搬
   入搬出口と上記媒体挿通口との間で取引媒体を搬送する
   搬送手段と、を備え、 上記受渡し装置は、 取引媒体を受渡す媒体処理装置を指示する指示手段と、 上記指示された媒体処理装置に対して取引媒体を受渡す
   移動台車と、を備え、 上記移動台車は、 上記設置面上を任意の経路に沿って自走可能な台車本体
   と、 上記媒体処理装置に対する上記移動台車の位置を検出す
   る検出手段と、 上記台車本体上に設けられ上記取引媒体を収納可能な媒
   体保持部と、 上記台車本体上に設けられ、上記第１あるいは第２の媒
   体搬入搬出口と上記媒体保持部との間で現金を受渡す受
   渡し手段と、 上記検出手段の検出結果および上記指示手段からの指示
   に応じて上記移動台車を上記指示された媒体処理装置に
   対して位置決めするとともに、上記受渡し手段を作動さ
   せる制御手段と、 を備えたことを特徴とする媒体処理システム。
2. 【請求項２】 第１機種の媒体処理装置と第２機種の媒
   体取引装置とを含み設置面上に並んで設置された複数の
   媒体処理装置と、 上記媒体処理装置間で取引媒体を受渡す受渡し装置と、
   を備え、 上記第１機種の媒体処理装置は、取引媒体を収納した媒
   体収納部と、上記媒体収納部に対して外部から取引媒体
   の補充および回収を行なうための第１の媒体搬入搬出口
   と、を備え、 上記第２機種の媒体処理装置は、取引媒体を収納した媒
   体収納部と、取引媒体を収納した媒体カセットを装填可
   能なカセット装填部と、上記媒体収納部と上記媒体カセ
   ットとの間で取引媒体を受渡す媒体挿通口と、上記媒体
   カセットに代えて上記カセット装填部に脱着自在に装着
   されたアダプタカセットと、を備え、 上記アダプタカセットは、上記第１の媒体搬入搬出口と
   ほぼ対応した形状を有し外部から取引媒体の補充および
   回収を行なうための第２の媒体搬入搬出口と、第２の媒
   体搬入搬出口と上記媒体挿通口との間で媒体を搬送する
   搬送手段と、を備え、 上記受渡し装置は、 上記設置面上を任意の経路に沿って自走可能な移動台車
   と、 上記媒体処理装置に対する上記移動台車の位置を検出す
   る第１の検出手段と、 上記台車本体上に設けられ上記取引媒体を収納可能な媒
   体保持部と、 上記第１あるいは第２の媒体搬入搬出口に対する上記媒
   体保持部の位置を検出する第２の検出手段と、 上記第１あるいは第２の媒体搬入搬出口に対する上記媒
   体保持部の位置を調整する位置調整手段と、 上記移動台車上に設けられ上記第１あるいは第２の媒体
   搬入搬出口と上記媒体保持部と間で取引媒体を受渡す受
   渡し手段と、 上記第１の検出手段の検出結果に応じて上記移動台車を
   任意の媒体処理装置に対して位置決めし、上記第２の検
   出結果に応じて上記位置調整手段を作動させるととも
   に、上記受渡し手段を作動させる制御手段と、 を備えたことを特徴とする媒体処理システム。
3. 【請求項３】 第１機種の媒体処理装置と第２機種の媒
   体取引装置とを含み設置面上に並んで設置された複数の
   媒体処理装置と、 上記媒体処理装置間で取引媒体を受渡す受渡し装置と、
   を備え、 上記第１機種の媒体処理装置は、取引媒体を収納した媒
   体収納部と、上記媒体収納部に対して取引媒体の補充お
   よび回収を行なうための第１の媒体搬入搬出口と、を備
   え、 上記第２機種の媒体処理装置は、取引媒体を収納した媒
   体収納部と、取引媒体を収納した媒体カセットを装填可
   能なカセット装填部と、上記媒体収納部と上記媒体カセ
   ットとの間で取引媒体を受渡す媒体挿通口と、上記媒体
   カセットに代えて上記カセット装填部に脱着自在に装着
   されたアダプタカセットと、を備え、 上記アダプタカセットは、上記第１の媒体搬入搬出口と
   ほぼ対応した形状を有し外部から取引媒体の補充および
   回収を行なうための第２の媒体搬入搬出口と、第２の媒
   体搬入搬出口と上記媒体挿通口との間で媒体を搬送する
   搬送手段と、を備え、 上記受渡し装置は、 上記設置面上を任意の経路に沿って自走可能な移動台車
   と、 上記媒体処理装置に対する上記移動台車の位置を検出す
   る第１の検出手段と、 上記台車本体上に位置調整可能に設けられているととも
   に、媒体を出し入れするための受渡し口を有し、上記取
   引媒体を収納可能な媒体保持部と、 上記第１あるいは第２の媒体搬入搬出口に対する上記媒
   体保持部の受渡し口の位置を検出する第２の検出手段
   と、 上記第１あるいは第２の媒体搬入搬出口に対する上記受
   渡し口の位置を調整する位置調整手段と、 上記移動台車上に設けられ上記受渡し口を通して上記第
   １あるいは第２の媒体搬入搬出口と上記媒体保持部との
   間で取引媒体を受渡す受渡し手段と、 上記第１の検出手段の検出結果に応じて上記移動台車を
   任意の媒体処理装置に対して位置決めし、上記第２の検
   出結果に応じて上記位置調整手段を作動させるととも
   に、上記受渡し手段を作動させる制御手段と、 を備えたことを特徴とする媒体処理システム。
4. 【請求項４】 上記媒体保持部は、上記受渡し口を有し
   ているとともに媒体集積部を内蔵した配送カセットを備
   え、 上記受渡し手段は、上記配送カセット内に配設され上記
   媒体集積部と上記受渡し口との間で媒体を搬送する搬送
   機構を有し、 上記位置調整手段は、上記配送カセットを上記受渡し口
   が上記第１あるいは第２の媒体搬入搬出口と隣接対向す
   る接続位置と上記第１および第２の媒体搬入搬出口から
   離間する後退位置との間を移動させる移動機構を備えて
   いることを特徴とする請求項３に記載の媒体処理システ
   ム。
5. 【請求項５】 上記位置調整手段は、上記配送カセット
   の高さおよび傾きを調整する調整機構を備えていること
   を特徴とする請求項３または４に記載の媒体処理システ
   ム。
6. 【請求項６】 第１機種の自動取引装置と第２機種の自
   動取引装置とを含み設置面上に並んで設置された複数の
   自動取引装置と、 上記自動取引装置に対して現金を受渡す受渡し装置と、
   を備え、 上記第１機種の自動取引装置は、現金を収納した現金収
   納部と、上記現金収納部に対して外部から現金の補充お
   よび回収を行なうための第１の現金搬入搬出口と、を備
   え、 上記第２機種の自動取引装置は、現金を収納した現金収
   納部と、現金を収納した現金カセットを装填可能なカセ
   ット装填部と、上記現金収納部と上記現金カセットとの
   間で現金を受渡す現金挿通口と、上記現金カセットに代
   えて上記カセット装填部に脱着自在に装着されたアダプ
   タカセットと、を備え、 上記アダプタカセットは、上記第１の現金搬入搬出口と
   対応した形状を有し外部から現金の補充および回収を行
   なうための第２の現金搬入搬出口と、第２の現金搬入搬
   出口と上記現金挿通口との間で現金を搬送する搬送手段
   と、を備え、 上記受渡し装置は、 現金を受渡す自動取引装置を指示する指示手段と、 上記指示された自動取引装置に対して現金を受渡す移動
   台車と、を備え、 上記移動台車は、 上記設置面上を任意の経路に沿って自走可能な台車本体
   と、 上記自動取引装置に対する上記移動台車の位置を検出す
   る検出手段と、 上記台車本体上に設けられ上記現金を収納可能な現金保
   持部と、 上記台車本体上に設けられ、上記第１あるいは第２の現
   金搬入搬出口と上記現金保持部との間で現金を受渡す受
   渡し手段と、 上記検出手段の検出結果および上記指示手段からの指示
   に応じて上記移動台車を上記指示された自動取引装置に
   対して位置決めするとともに、上記受渡し手段を作動さ
   せる制御手段と、 を備えたことを特徴とする現金処理システム。
7. 【請求項７】 第１機種の自動取引装置と第２機種の現
   金取引装置とを含み設置面上に並んで設置された複数の
   自動取引装置と、 上記自動取引装置に対して現金を受渡す受渡し装置と、
   を備え、 上記第１機種の自動取引装置は、現金を収納した現金収
   納部と、上記現金収納部に対して外部から現金の補充お
   よび回収を行なうための第１の現金搬入搬出口と、を備
   え、 上記第２機種の自動取引装置は、現金を収納した現金収
   納部と、現金を収納した現金カセットを装填可能なカセ
   ット装填部と、上記現金収納部と上記現金カセットとの
   間で取引現金を受渡す現金挿通口と、上記現金カセット
   に代えて上記カセット装填部に脱着自在に装着されたア
   ダプタカセットと、を備え、 上記アダプタカセットは、上記第１の現金搬入搬出口と
   ほぼ対応した形状を有し外部から現金の補充および回収
   を行なうための第２の現金搬入搬出口と、第２の現金搬
   入搬出口と上記現金挿通口との間で現金を搬送する搬送
   手段と、を備え、 上記受渡し装置は、 上記設置面上を任意の経路に沿って自走可能な移動台車
   と、 上記自動取引装置に対する上記移動台車の位置を検出す
   る第１の検出手段と、 上記移動台車上に設けられ上記現金を収納可能な現金保
   持部と、 上記第１あるいは第２の現金搬入搬出口に対する上記現
   金保持部の位置を検出する第２の検出手段と、 上記第１あるいは第２の現金搬入搬出口に対する上記現
   金保持部の位置を調整する位置調整手段と、 上記移動台車上に設けられ上記第１あるいは第２の現金
   搬入搬出口と上記現金保持部と間で現金を受渡す受渡し
   手段と、 上記第１の検出手段の検出結果に応じて上記移動台車を
   任意の自動取引装置に対して位置決めし、上記第２の検
   出結果に応じて上記位置調整手段を作動させるととも
   に、上記受渡し手段を作動させる制御手段と、 を備えたことを特徴とする現金処理システム。
8. 【請求項８】 第１機種の自動取引装置と第２機種の現
   金取引装置とを含み設置面上に並んで設置された複数の
   自動取引装置と、 上記自動取引装置間で現金を受渡す受渡し装置と、を備
   え、 上記第１機種の自動取引装置は、現金を収納した現金収
   納部と、上記現金収納部に対して現金の補充および回収
   を行なうための第１の現金搬入搬出口と、を備え、 上記第２機種の自動取引装置は、現金を収納した現金収
   納部と、現金を収納した現金カセットを装填可能なカセ
   ット装填部と、上記現金収納部と上記現金カセットとの
   間で現金を受渡す現金挿通口と、上記現金カセットに代
   えて上記カセット装填部に脱着自在に装着されたアダプ
   タカセットと、を備え、 上記アダプタカセットは、上記第１の現金搬入搬出口と
   ほぼ対応した形状を有し外部から現金の補充および回収
   を行なうための第２の現金搬入搬出口と、第２の現金搬
   入搬出口と上記現金挿通口との間で現金を搬送する搬送
   手段と、を備え、 上記受渡し装置は、 上記設置面上を任意の経路に沿って自走可能な移動台車
   と、 上記自動取引装置に対する上記移動台車の位置を検出す
   る第１の検出手段と、 上記台車本体上に位置調整可能に設けられているととも
   に、現金を出し入れするための受渡し口を有し、上記現
   金を収納可能な現金保持部と、 上記第１あるいは第２の現金搬入搬出口に対する上記現
   金保持部の受渡し口の位置を検出する第２の検出手段
   と、 上記第１あるいは第２の現金搬入搬出口に対する上記受
   渡し口の位置を調整する位置調整手段と、 上記移動台車上に設けられ上記受渡し口を通して上記第
   １あるいは第２の現金搬入搬出口と上記現金保持部との
   間で現金を受渡す受渡し手段と、 上記第１の検出手段の検出結果に応じて上記移動台車を
   任意の自動取引装置に対して位置決めし、上記第２の検
   出結果に応じて上記位置調整手段を作動させるととも
   に、上記受渡し手段を作動させる制御手段と、 を備えたことを特徴とする現金処理システム。
9. 【請求項９】 第１機種の自動取引装置と第２機種の自
   動取引装置を含み設置面上に並んで設置された複数の自
   動取引装置と、 上記自動取引装置に対して現金の補充および回収を行な
   う現金受渡し装置と、を備え、 上記現金受渡し装置は、 上記設置面上を任意の経路に沿って自走する移動台車
   と、 上記移動台車に設けられ、現金を収納した現金収納部
   と、現金受渡し口と、現金受渡し口を通して現金収納部
   へ現金を回収するとともに現金収納部から現金を供給す
   る搬送手段と、を有する配送カセットと、を備え、 上記第１機種の自動取引装置は、現金収納部と、上記配
   送カセットの現金受渡し口に連通可能に設けられ上記現
   金収納部に対して現金の補充および回収を行なうための
   第１の現金搬入搬出口と、を備え、 上記第２機種の自動取引装置は、現金収納部と、上記受
   渡し口に連通可能に設けられ上記現金収納部に対して現
   金の補充および回収を行なうための第２の搬入搬出口を
   有し、脱着自在に装着されたアダプタカセットと、を備
   えていることを特徴とする現金処理システム。
10. 【請求項１０】 上記移動台車は、上記自動取引装置に
    対する上記移動台車の位置を検出する検出手段と、上記
    第１あるいは第２の現金搬入搬出口に対する上記現金受
    渡し口の位置を検出する第２の検出手段と、上記第１あ
    るいは第２の現金搬入搬出口に対する上記受渡し口の位
    置を調整する位置調整手段と、を備え、 上記現金受渡し装置は、現金を受渡す自動取引装置を指
    示する指示手段と、上記第１の検出手段の検出結果に応
    じて上記移動台車を上記指示手段によって指示された自
    動取引装置に対して位置決めし、上記第２の検出結果に
    応じて上記位置調整手段を作動させて上記現金受渡し口
    を上記第１あるいは第２の現金入出金口に位置合わせす
    る制御手段と、を備えたことを特徴とする現金処理シス
    テム。