JPH10273860A - ニードルパンチカーペット - Google Patents

ニードルパンチカーペット

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JPH10273860A
JPH10273860A JP9080576A JP8057697A JPH10273860A JP H10273860 A JPH10273860 A JP H10273860A JP 9080576 A JP9080576 A JP 9080576A JP 8057697 A JP8057697 A JP 8057697A JP H10273860 A JPH10273860 A JP H10273860A
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JP
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fiber
web
layer
melting
needle
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JP9080576A
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Hitoshi Ito
仁 伊藤
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラテックス等の接着剤を必要とせず、パイル
の毛抜けが防止できかつ軽量な積層された製品を簡略化
された工程を以て低コストで提供し、優れた品質と成形
性、形状保持性を兼ね備えたニードルパンチカーペット
を提供する。 【解決手段】 ニードルパンチカーペットを構成するウ
ェブ(10)が二層ないし多層構造を有し、その各ウェ
ブ層(11)、(12)は、繊維断面において低融点樹
脂からなる部位および高融点樹脂からなる部位を有しか
つ前記低融点樹脂からなる部位が少なくとも繊維表面部
の一部に露出してなる構造を有する複合型繊維を、該ウ
ェブ層を構成するステープル繊維の少なくとも一部とし
て有してなり、かつ各ウェブ層における当該複合型繊維
の含有量を、最表面側のウェブ層(11)におけるもの
よりも下層側のウェブ層(12)におけるものの方が多
くなるものとなしたことを特徴とするニードルパンチカ
ーペット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はニードルパンチカーペッ
トに関するものであり、詳しくは、表面にパイル、好ま
しくはコード調やディロア調等に柄出しされたパイルを
形成してなるにードルパンチ、特にラテックス系接着剤
や熱可塑性樹脂シート等を用いることなく、パイルの毛
抜けが防止された成形可能なニードルパンチカーペット
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のニードルパンチカーペットとして
は、図1、図2もしくは図3に示すようなものが知られ
ている。
【0003】図1は、不織布基布(ウェブ)2の表面に
コード調やディロア調などの柄出しされたパイル1を有
し、パイル部分を固定し、またカーペットを成形可能と
するために、ラテックス3などの接着剤を含浸させたニ
ードルパンチカーペットであり、特開昭52−5398
0号公報、特開昭61−132667号公報等で開示さ
れている。
【0004】また図2は、特に車両用として成形可能と
するために、図1に示すような構造におけるラテックス
3の裏面にさらに、ポリプロピレンシート、ポリアミド
シートや、炭酸カルシウム等の無機物質を含んだエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(EVA)シート等の熱可塑性
樹脂シート4をラミネートしているものであり、特開昭
59−140175号公報、特開昭57−205251
号公報、特開昭59−204982号公報等で開示され
ている。
【0005】さらに、上記したようなラテックスなどの
接着剤を用いない構造のものとして、図4に示すような
低融点ポリエステル系樹脂5を外表面部に有し芯部に高
融点ポリエステル系樹脂6を有する鞘芯型の複合繊維7
を、図3に示すように、ウェブを構成する繊維の一部と
して、通常の繊維(高融点ポリエステル系樹脂繊維)8
と共に使用し、このウェブをニードルパンチ加工した
後、前記複合繊維の低融点ポリエステル系樹脂を溶融さ
せて、図3に示すように繊維の交絡点9を接着させてな
る構造のものが、特開平5−115347号公報等で開
示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図1や
図2に示すような構造のニードルパンチカーペットは、
毛抜けを防止するために、ラテックス等の接着剤を含浸
することが必須であるために製造工程が複雑になりコス
ト高となる他、重量増加の原因となり車両用として用い
る場合には好ましくなく、かつウェブとラテックスの素
材が異なるためリサイクルの面からも好ましくない。
【0007】また、図3に示すような構造のニードルパ
ンチカーペットは、ウェブが単層構造から成り立ってい
るため、上記したような熱融着性を示す複合繊維の含有
量が少ない場合は、十分な成形形状を得られないという
問題が発生し、逆に複合繊維の含有量が多い場合には、
繊維の接着点が増えるため風合い上好ましくないという
問題が生じるものであった。
【0008】従って、本発明はこのような従来のニード
ルパンチカーペットにおける問題点に着目してなされた
もので、ラテックス等の接着剤を必要とせず、パイルの
毛抜けが防止できかつ軽量な積層された製品を簡略化さ
れた工程を以て低コストで提供し、優れた品質と成形
性、形状保持性を兼ね備えたニードルパンチカーペット
を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記諸目的は、ニードル
パンチカーペットを構成するウェブが二層ないし多層構
造を有し、その各ウェブ層は、繊維断面において低融点
樹脂からなる部位および高融点樹脂からなる部位とを有
しかつ前記低融点樹脂からなる部位が少なくとも繊維表
面部の一部に露出してなる構造を有する複合型繊維を、
該ウェブ層を構成するステープル繊維の少なくとも一部
として有してなり、かつ各ウェブ層における当該複合型
繊維の含有量を、最表面側のウェブ層におけるものより
も下層側のウェブ層におけるものの方が多くなるものと
なしたことを特徴とするニードルパンチカーペットによ
って達成される。
【0010】本発明のニードルパンチカーペットにおい
ては、さらに最表面側のウェブ層における前記複合型繊
維の配合量が、当該ウェブ層のステープル繊維全重量の
10〜30%であり、また下層側のウェブ層における前
記複合型繊維の配合量が、当該ウェブ層のステープル繊
維全重量の50〜100%であることが好ましい。
【0011】本発明はまた、各ウェブ層に配合される前
記複合型繊維が低融点ポリエステル系樹脂と高融点ポリ
エステル系樹脂とから構成され、またウェブ層を構成す
るステープル繊維の残部が高融点ポリエステル系樹脂繊
維であるニードルパンチカーペットを示すものである。
【0012】本発明はまた、前記複合型繊維が1〜20
デニールの繊度であり、また前記高融点ポリエステル系
樹脂繊維が2〜20デニールの繊度を有するものである
ニードルパンチカーペットを示すものである。
【0013】本発明のニードルパンチカーペットの代表
的構成例としては、ニードルパンチカーペットを構成す
るウェブが二層構造を有し、このうち、表面側のウェブ
層が2〜20デニールの高融点ポリエステル系樹脂繊維
と、繊維断面において低融点ポリエステル系樹脂からな
る部位および高融点ポリエステル系樹脂からなる部位を
有しかつ前記低融点ポリエステル系樹脂からなる部位が
少なくとも繊維表面部の一部に露出してなる構造を有す
る1〜20デニールの複合型ポリエステル系繊維とを、
重量比で90〜70:10〜30の割合で含有してな
り、一方下層側のウェブ層が2〜20デニールの高融点
ポリエステル系樹脂繊維と、繊維断面において低融点ポ
リエステル系樹脂からなる部位および高融点ポリエステ
ル系樹脂からなる部位を有しかつ前記低融点ポリエステ
ル系樹脂からなる部位が少なくとも繊維表面部の一部に
露出してなる構造を有する1〜20デニールの複合型ポ
リエステル系繊維とを、重量比で50〜0:50〜10
0の割合で含有してなることを特徴とするものがある。
【0014】本発明においてはさらに、前記ウェブ全体
の目付が240〜600g/m2であり、さらにウェブ
全体に含まれる前記複合型繊維の含有量の合計が、上記
した全体の目付の15〜70%であることが好ましい。
【0015】本発明のニードルパンチカーペットは、前
記複合型繊維の低融点樹脂の溶融温度以上でかつ前記高
融点樹脂繊維および前記複合繊維の高融点樹脂の溶融温
度未満の温度に前記ウェブを加熱し、加圧成形機に投入
した後、冷却することで、前記複合型繊維と高融点繊維
を融着させることにより成形可能である。
【0016】本発明はまた、前記二層ないし多層構造の
ウェブが、少なくとも2台のクロスレイヤー(水平積層
装置)を平行に配置してそれぞれ各ウェブ層を流し、1
台のコンベアで連続的に回収しながら積層するか、また
は、所定長の各ウェブ層をそれぞれ別個に作成し積層し
た後、ニードルパンチもしくは熱接着またはその両方に
よって一体化させることにより形成されたものであるニ
ードルパンチカーペットを示すものである。
【0017】本発明はさらに、カーペットを構成する上
記ウェブの裏面からフォークニードルを用いてパイルを
突出させて、コード調、ベロア調、ディロア調等の柄出
しがされてなるニードルパンチカーペットを示すもので
ある。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施形態に基づき
より詳細に説明する。
【0019】本発明に係るニードルパンチカーペット
は、そのウェブを二層ないし多層構造とし、その各ウェ
ブ層に、低温融着可能な複合型繊維を配し、かつ当該複
合型繊維の各ウェブ層における配合割合を所定のものと
したものである。
【0020】本発明のニードルパンチカーペットにおい
ては、ウェブを構成するステープル繊維として、以下に
詳述するような複合型繊維を配合することにより、ラテ
ックス等の接着剤を用いることなく、加熱により当該複
合型繊維の低融点樹脂を溶融させ、繊維同士の交絡点を
接合するものであるが、ウェブを二層ないし多層構造と
し各層における当該複合型繊維の配合割合を変えること
で、ウェブにおける当該複合型繊維を偏在化、すなわ
ち、表面側には複合型繊維を少量、これより下層側には
複合型繊維を多量に配することで、熱融着および成形を
行い製品となした際におけるニードルパンチカーペット
の表面の良好な風合いと、十分な成形性とを両立させた
ものである。なお、ウェブの層数としては、上記したよ
うに二層よりも多い多層とすることが可能であるが、あ
まりに層数を多くしてもコスト高となるのみならず、特
性のより一層の向上も期待できないため、好ましくは2
〜3層、最も好ましくは二層である。なお図5は、本発
明に係るニードルパンチカーペットのこのような好まし
い実施態様におけるウェブ構成を模式的に示す断面図で
あり、ウェブ10は、上層(表面層)11および下層1
2の二層から形成されている。さらに図6(a)は、同
実施態様におけるウェブ上層11における繊維配合例
を、また(b)は、同実施態様におけるウェブ下層12
における繊維配合例を未融着状態にてそれぞれ示すもの
であるが、これらの図に示されるように、上層における
複合型繊維14の配合割合が、下層における複合型繊維
14の配合割合より少ないものとなされている。なお、
これらの図中において符号15は、ウェブの繊維の残部
を構成する高融点繊維を示すものである。複合型繊維お
よび高融点繊維については、以下に詳述する。
【0021】本発明において、ウェブ層中に配される複
合型繊維とは、繊維の断面において低融点樹脂からなる
部位および高融点樹脂からなる部位とを有しかつ前記低
融点樹脂からなる部位が少なくとも繊維表面部の一部に
露出してなる構造を有するものであって、代表的には、
図7(a)に示すように、高融点樹脂21からなる芯部
と、これを囲撓する低融点樹脂22からなる鞘部とを有
する芯鞘構造の繊維があるが、上記の定義に合致するも
のであれば高融点樹脂21からなる部位と低融点樹脂2
2からなる部位の断面形状、配置は任意であって、上記
芯鞘構造のものに何ら限定されるものではなく、これ以
外にも、例えば、図7(b)に示すような高融点樹脂2
1からなる部位と低融点樹脂22からなる部位とが半割
構造をなすもの、あるいはさらに図7(c)、(d)に
示すようにより複雑な断面構造を有するものなどが例示
できる。また、熱融着処理後においても十分な繊維強度
を保持できるものであれば、単フィラメント繊維のみな
らず、低融点繊維と高融点繊維とを組み合わせたマルチ
フィラメント繊維であってもよい。しかしながら、これ
らの各種の断面構造のうち芯鞘型の構造のものが、熱融
着による接合が確実でかつ熱融着後において十分な繊維
強度を発揮できるものであることから、最も好ましい。
【0022】本発明において、上記複合型繊維の一部を
構成する高融点樹脂としては、特に限定されるものでは
なく、例えば、レーヨン、アセテート等の半合成繊維、
ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹
脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ
ビニル系樹脂等の合成繊維あるいはこれらの複合繊維な
どといった各種のものが用いられ、また低融点樹脂とし
ても、前記高融点樹脂よりも十分低温にて溶融ないしは
軟化でき、上記高融点樹脂および後述する公有点樹脂繊
維に対し十分な被着性を有するものであって、かつ前記
高融点樹脂と共紡糸することができるものであれば、特
に限定されるものではなく、上記高融点樹脂で例示した
ようなものと同様の各種の樹脂が使用され得る。なお、
高融点樹脂と低融点樹脂とは、十分な被着性を有しかつ
共紡糸可能であれば、必ずしも同種のものでなくとも良
く、異種の樹脂の組合せであっても良い。
【0023】しかしながら、本発明において、上記複合
型繊維としては、好ましくは、高融点樹脂および低融点
樹脂とがいずれもポリエステル系樹脂で構成されたもの
が望ましい。高融点ポリエステル系樹脂としては、例え
ばテレフタル酸とエチレングリコールまたはブチレング
リコールとから合成されてなるポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレートなどといった一般的
に繊維として用いられる熱可塑性ポリエステルが使用さ
れ得、その融点は例えば、220℃以上、より好ましく
は、225〜265℃程度のものである。一方、低融点
ポリエステル系繊維としては、上記高融点ポリエステル
系樹脂よりも十分に融点が低いもの、例えば、105〜
230℃程度、より好ましくは105〜200℃程度の
融点を有するものであることが望ましい。105℃未満
では、紡糸の際に単糸間融着によりタッキングが起こる
問題があるほか、マルチフィラメント間の融着によって
解繊が困難となる問題があり、一方、融点が230℃を
越えるものであると、加熱時に低融点成分だけでなく高
融点成分も軟化または溶融する可能性があり、塊となっ
て繊維としての形状を失い、見栄え上問題となる場合が
あるほか、加熱温度が上昇し成形が困難となるためであ
る。このような低融点ポリエステル系繊維は、例えば、
飽和ポリカルボン酸成分として、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、こはく酸、無水フタル酸、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸、テトラヒドロ無水フタル酸、
ヘキサヒドロフタル酸など、またグリコール成分とし
て、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ペンタンジオール1,5、ヘキサンジオール1,6、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど
の熱変形温度を低温側へとシフトさせるモノマーを少な
くとも一部に配合することによって合成でき、通常は、
これらの低融点化モノマーを、テレフタル酸、イソフタ
ル酸などの主要飽和ポリカルボン酸成分、エチレングリ
コール、ブチレングリコールなどの主要グリコール成分
と組合わせた組成のものとされる。
【0024】また、このような複合型繊維の繊度として
は、1〜20デニール程度のものが適当である。
【0025】一方、本発明のニードルパンチカーペット
のウェブの各ウェブ層には、上記したような複合型繊維
に加えて、高融点ステープル繊維が配合され得るが、こ
の高融点ステープル繊維としては、前記複合型繊維の低
融点樹脂成分の溶融温度において十分に安定であり、か
つ当該低融点樹脂成分と良好な被着性を有するものであ
れば、特に限定されるものではなく、上記複合型繊維の
高融点樹脂成分として例示したものと同様の、半合成繊
維及び合成繊維、さらには天然繊維、無機繊維等も使用
可能であり、また、上記複合型繊維の高融点樹脂成分あ
るいは低融点樹脂成分とは、必ずしも同系統のものであ
る必要はなく、異なる系統のものであってもよく、さら
に複数の異なる系統のものを用いることも可能である。
しかしながら、この高融点ステープル繊維は、好ましく
は、ポリエステル系繊維であり、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレートなどといった一般
的な熱可塑性ポリエステル繊維である。また、このよう
なが、高融点ステープル繊維の繊度としては、2〜20
デニール程度のものが適当である。
【0026】また、カーペットは、一般に所定レベルの
難燃性を必要とされる場合が多いが、臭化物等の難燃剤
は、前記複合型繊維の低融点樹脂成分のみに配合するの
みでも十分な難燃性が確保でき、このような態様を取る
ことでコストダウンが図れる。さらに、カーペットは、
通常所望の彩色を施されるものであるが、本発明におけ
るようにウェブを二層ないし多層構造とした場合、最表
面層を構成する複合型繊維ないし高融点繊維のみに顔料
等を配合して原着すれば良く、それより下部側の層を形
成する繊維は、着色を施さなくとも、最終的に得られる
カーペットの外観は、実質的に何ら遜色がないものとな
るため、このような態様を取ることによりコストダウン
が図れる。
【0027】本発明のニードルパンチカーペットは、上
記したようにそのウェブを二層ないし多層構造とし、そ
の各ウェブ層に、低温融着可能な複合型繊維を配し、か
つ当該複合型繊維の各ウェブ層における配合割合を表面
層側は少なく、これより下層側は多くしたものである
が、その各層における複合型繊維の配合量は、ウェブを
構成する層の数、複合型繊維および高融点繊維の種類、
繊度等によっても左右されるが、最表面層においては、
前記複合型繊維の配合量が当該ウェブ層のステープル繊
維全重量の10〜30%であり、またより下方側の層に
おいては、前記複合型繊維の配合量が、当該ウェブ層の
ステープル繊維全重量の50〜100%であることが好
ましい。
【0028】すなわち、最表面層において、前記複合型
繊維の配合量が10重量%未満であると、パイルの毛抜
けの防止が十分得られないものとなる虞れが高く、一方
30重量%を越えると繊維同士の接着点が多くなるため
に風合いの低下を招く虞れが大きいためである。また、
より下方側の層において前記複合型繊維の配合量が50
重量%未満では、十分な成形形状が得られない虞れが高
くなるためである。
【0029】加えて、本発明においては、ウェブ全体の
目付が240〜600g/m2であり、さらにウェブ全
体に含まれる前記複合型繊維の含有量の合計が、上記し
た全体の目付の15〜70%であることが好ましい。複
合型繊維の含有量の合計が全体の目付の15%未満で
は、十分な成形形状を得られない虞れが高く、一方70
%を越えると、繊維の接着点が増えるため、風合いを損
なう場合があるほか、コスト高となり好ましくない。
【0030】本発明において、上記したような積層構造
のウェブの各ウェブ層の形成方法およびこれらの積層方
法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の
種々の方法に基づき行うことが可能である。例えば、所
望の繊維配合となるように上記複合型繊維および高融点
繊維を秤量し、解繊・調合を行なった後、カード法(カ
ーディング)、エアーレイ法等により各ウェブ層を形成
することができる。そして、上記したようなカーディン
グ等によるウェブ形成工程の後に、例えば、少なくとも
2台のクロスレイヤー(水平積層装置)を平行に配置し
てそれぞれ各ウェブ層を流し、1台のコンベアで連続的
に回収しながら積層するか、または、所定長の各ウェブ
層をそれぞれ別個に作成した後積層するといった方法を
採択することができ、このようにして得られた積層物を
ニードルパンチもしくは熱接着またはその両方によって
一体化させる。
【0031】さらに好ましくは、このようにして形成さ
れた積層構造のウェブの裏面から、フォークニードル等
を用いて、パイルを突出させて、コード調、ベロア調、
ディロア調等の柄出しを行うことが望ましい。図8は、
図5に示したような二層構造のウェブに対して、このよ
うな柄出しを行った場合の断面形状を模式的に示すもの
であり、ウェブ10の表面には複数のパイル13が突出
している。
【0032】上記したような構成を有する本発明に係る
ニードルパンチカーペットは、前記複合型繊維の低融点
樹脂の溶融温度以上でかつ前記高融点樹脂繊維および前
記複合繊維の高融点樹脂の溶融温度未満の温度に前記ウ
ェブを加熱し、加圧成形機に投入した後、冷却すること
で、前記複合型繊維と高融点繊維を融着させることによ
り所望形状、例えば、図9および図10に示すような自
動車のフロア用カーペット形状等に成形可能である。な
お、加圧成形機において同時に加熱するような手法を取
ることももちろん可能である。
【0033】本発明のニードルパンチカーペットは、上
記したような加熱処理により溶融した複合型繊維の低融
点樹脂によってウェブ中の繊維同士が接合されるもので
あるために、ウェブの裏面(下面)側から、ポリエチレ
ンシート、ポリアミドシート、あるいは炭酸カルシウム
等の無機物質を含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)等の熱可塑性シートからなる裏打ち材を、特
に配さなくとも十分な成形性および強度等の諸物性を有
するものであり、カーペットの軽量化、低コスト化、再
生利用化および柄出し加工の容易化などの観点から、通
常は、このような裏打ち材を有しないものであるが、そ
の用途上における要請等に応じて裏打ち材を配すること
ももちろん可能である。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明は以下に示す実施例に何ら限定され
るものではない。なお、以下の実施例および比較例中の
耐磨耗試験は、テーバー磨耗試験機((株)東洋精機製
作所製、磨耗輪はH−38)を用い、1Kg、500回
転でパイル保持性を判定した。
【0035】実施例1 繊維配合の異なる上層および下層の2層構造からなる不
織布を調製した。不織布の配合としては、上層は、グレ
ーに原着した6デニール51mm長の丸断面の通常ポリ
エステルステープル繊維(鐘紡(株)製、225℃溶融
タイプ)を80重量%、同様にグレーに原着した4デニ
ール51mm長の鞘芯構造を有する低温熱融着型ポリエ
ステルステープル繊維(ユニチカ(株)製CZ91、1
10℃溶融タイプ)を20重量%とした。下層の繊維配
合としては、非原着(白)の10デニール51mm長の
丸断面の通常ポリエステルステープル繊維(鐘紡(株)
製、225℃溶融タイプ)を50重量%、同様に非原着
(白)の4デニール51mm長の鞘芯構造を有する低温
熱融着型ポリエステルステープル繊維(ユニチカ(株)
製4080、110℃溶融タイプ)を50重量%とし
た。上層下層繊維をそれぞれブレンドした後、カーディ
ング、クロスレイヤーの工程を経て上層目付125g/
2、下層目付125g/m2、全体の目付を250g/
2とした。次にニードルパンチ工程を経て、厚み8m
mの不織布原反を得た。さらに得られた原反の下層側か
らフォークニードルを貫通させパイル部を形成した後、
シャーリング処理しディロア調の柄出しを行ったニード
ルパンチ起毛不織布原反を得た。得られた原反を180
℃に加熱し、成形型の装着されたプレス機に投入し成形
体を得た。成形後の形状保持性は良好で、テーバー磨耗
試験結果も良好であり、ディロア調の風合いも保たれ、
色調も所望のものが得られた。
【0036】実施例2 繊維配合の異なる上層および下層の2層構造からなる不
織布を調製した。不織布の配合としては、上層は、グレ
ーに原着した6デニール51mm長の丸断面の通常ポリ
エステルステープル繊維(鐘紡(株)製、225℃溶融
タイプ)を90重量%、同様にグレーに原着した4デニ
ール51mm長の鞘芯構造を有する低温熱融着型ポリエ
ステルステープル繊維(ユニチカ(株)製CZ91、1
10℃溶融タイプ)を10重量%とした。下層の繊維配
合としては、非原着(白)の4デニール51mm長の鞘
芯構造を有する低温熱融着型ポリエステルステープル繊
維(ユニチカ(株)製4080、110℃溶融タイプ)
を100重量%とした。上層下層繊維をそれぞれブレン
ドした後、カーディング、クロスレイヤーの工程を経て
上層目付180g/m2、下層目付60g/m2、全体の
目付を240g/m2とした。次にニードルパンチ工程
を経て、厚み10mmの不織布原反を得た。以下実施例
1と同様の工程を経て、ニードルパンチ起毛不織布原反
を得た。得られた原反を180℃に加熱し、成形型の装
着されたプレス機に投入し成形体を得た。成形後の形状
保持性は良好で、テーバー磨耗試験結果も良好であり、
ディロア調の風合いも保たれ、色調も所望のものが得ら
れた。
【0037】実施例3 繊維配合の異なる上層および下層の2層構造からなる不
織布を調製した。不織布の配合としては、上層は、グレ
ーに原着した6デニール51mm長の丸断面の通常ポリ
エステルステープル繊維(鐘紡(株)製、255℃溶融
タイプ)を80重量%、同様にグレーに原着した4デニ
ール51mm長の鞘芯構造を有する低温熱融着型ポリエ
ステルステープル繊維(ユニチカ(株)製CZ91、1
10℃溶融タイプ)を20重量%とした。下層の繊維配
合としては、非原着(白)の10デニール51mm長の
丸断面の通常ポリエステルステープル繊維(鐘紡(株)
製、255℃溶融タイプ)を50重量%、同様に非原着
(白)の4デニール51mm長の鞘芯構造を有する低温
熱融着型ポリエステルステープル繊維(ユニチカ(株)
製4080、110℃溶融タイプ)を50重量%とし
た。上層下層繊維をそれぞれブレンドした後、カーディ
ング、クロスレイヤーの工程を経て上層目付200g/
2、下層目付200g/m2、全体の目付を400g/
2とした。次にニードルパンチ工程を経て、厚み12
mmの不織布原反を得た。以下実施例1と同様の工程を
経てニードルパンチ起毛不織布原反を得た。得られた原
反を180℃に加熱し、成形型の装着されたプレス機に
投入し成形体を得た。成形後の形状保持性は良好で、テ
ーバー磨耗試験結果も良好であり、ディロア調の風合い
も保たれ、色調も所望のものが得られた。
【0038】実施例4 繊維配合の異なる上層および下層の2層構造からなる不
織布を調製した。不織布の配合としては、上層は、ブラ
ウンに原着した6デニール51mm長の丸断面の通常ポ
リエステルステープル繊維(鐘紡(株)製、255℃溶
融タイプ)を90重量%、同様にブラウンに原着した4
デニール51mm長の鞘芯構造を有する低温熱融着型ポ
リエステルステープル繊維(鐘紡(株)製CZ61、1
10℃溶融タイプ)を10重量%とした。下層の繊維配
合としては、非原着(白)の4デニール51mm長の鞘
芯構造を有する低温熱融着型ポリエステルステープル繊
維(ユニチカ(株)製4080、110℃溶融タイプ)
を100重量%とした。上層下層繊維をそれぞれブレン
ドした後、カーディング、クロスレイヤーの工程を経て
上層目付300g/m2、下層目付100g/m2、全体
の目付を400g/m2とした。次にニードルパンチ工
程を経て、厚み12mmの不織布原反を得た。以下実施
例1と同様の工程を経て、ニードルパンチ起毛不織布原
反を得た。得られた原反を180℃に加熱し、成形型の
装着されたプレス機に投入し成形体を得た。成形後の形
状保持性は良好で、テーバー磨耗試験結果も良好であ
り、ディロア調の風合いも保たれ、色調も所望のものが
得られた。
【0039】比較例1 単層構造からなる不織布を調製した。、グレーに原着し
た10デニール51mm長の丸断面の通常ポリエステル
ステープル繊維(鐘紡(株)製、255℃溶融タイプ)
を50重量%と、同様にグレーに原着した4デニール5
1mm長の鞘芯構造を有する低温熱融着型ポリエステル
ステープル繊維(ユニチカ(株)製CZ91、110℃
溶融タイプ)を50重量%をブレンドした後、カーディ
ング、クロスレイヤー、ニードルパンチの工程を経て厚
み4mm、目付300g/m2の単層構造からなる不織
布原反を調製した。次にニードルパンチ工程を経て、以
下実施例1と同様の工程を経て、ニードルパンチ起毛不
織布原反を得た。得られた原反を180℃に加熱し、成
形型の装着されたプレス機に投入し成形体を得た。成形
後の形状保持性は良好で、テーバー磨耗試験結果も良好
であったが、表面に多くの熱融着繊維が含まれているた
め表面の風合いが不十分であった。
【0040】比較例2 繊維配合の異なる上層および下層の2層構造からなる不
織布を調製した。不織布の配合としては、上層は、グレ
ーに原着した6デニール51mm長の丸断面の通常ポリ
エステルステープル繊維(鐘紡(株)製、255℃溶融
タイプ)を100重量%とした。下層の繊維配合として
は、非原着(白)の10デニール51mm長の丸断面の
通常ポリエステルステープル繊維(鐘紡(株)製、25
5℃溶融タイプ)を50重量%、同様に非原着(白)の
4デニール51mm長の鞘芯構造を有する低温熱融着型
ポリエステルステープル繊維(ユニチカ(株)製408
0、110℃溶融タイプ)を50重量%とした。上層下
層繊維をそれぞれブレンドした後、カーディング、クロ
スレイヤーの工程を経て上層目付200g/m2、下層
目付200g/m2、全体の目付を400g/m2とし
た。次にニードルパンチ工程を経て、厚み12mmの不
織布原反を得た。以下実施例1と同様の工程を経てニー
ドルパンチ起毛不織布原反を得た。得られた原反を18
0℃に加熱し、成形型の装着されたプレス機に投入し成
形体を得た。成形後の形状保持性は良好あったが、上層
部に熱融着繊維が含まれていないためテーバー磨耗試験
結果は不十分であった。
【0041】参考例 繊維配合の異なる上層および下層の2層構造からなる不
織布を調製した。不織布の配合としては、上層は、ブラ
ウンに原着した6デニール51mm長の丸断面の通常ポ
リエステルステープル繊維(鐘紡(株)製、255℃溶
融タイプ)を90重量%、同様にブラウンに原着した4
デニール51mm長の鞘芯構造を有する低温熱融着型ポ
リエステルステープル繊維(鐘紡(株)製CZ61、1
10℃溶融タイプ)を10重量%とした。下層の繊維配
合としては、非原着(白)の4デニール51mm長の鞘
芯構造を有する低温熱融着型ポリエステルステープル繊
維(ユニチカ(株)製4080、110℃溶融タイプ)
を100重量%とした。上層下層繊維をそれぞれブレン
ドした後、カーディング、クロスレイヤーの工程を経て
上層目付350g/m2、下層目付50g/m2、全体の
目付を400g/m2とした。次にニードルパンチ工程
を経て、厚み12mmの不織布原反を得た。以下実施例
1と同様の工程を経てニードルパンチ起毛不織布原反を
得た。得られた原反を180℃に加熱し、成形型の装着
されたプレス機に投入し成形体を得た。下層の目付が少
ないために形状保持性が不十分であった。
【0042】なお、表1は上記の実施例および比較例に
おける評価結果をまとめたものである。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のニードル
パンチカーペットは、ウェブが二層ないし多層構造を有
し、その各ウェブ層は、繊維断面において低融点樹脂か
らなる部位および高融点樹脂からなる部位を有しかつ前
記低融点樹脂からなる部位が少なくとも繊維表面部の一
部に露出してなる構造を有する複合型繊維を、該ウェブ
層を構成するステープル繊維の少なくとも一部として有
してなり、かつ各ウェブ層における当該複合型繊維の含
有量を、最表面側のウェブ層におけるものよりも下層側
のウェブ層におけるものの方が多くなるものとなしたこ
とを特徴とするものであるから、ラテックス等の接着剤
の含浸や、裏面からの裏打ち材のラミネートを廃止し、
さらに、耐磨耗性、表面風合いと成形性(形状保持性)
を両立することが可能となる。
【0045】さらに本発明のニードルパンチカーペット
において、最表面側のウェブ層における前記複合型繊維
の配合量が、当該ウェブ層のステープル繊維全重量の1
0〜30%であり、また下層側のウェブ層における前記
複合型繊維の配合量が、当該ウェブ層のステープル繊維
全重量の50〜100%であり、前記複合型繊維が低融
点ポリエステル系樹脂と高融点ポリエステル系樹脂とか
ら構成され、ウェブ層を構成するステープル繊維の残部
が高融点ポリエステル系樹脂繊維であり、前記複合型繊
維が1〜20デニールの繊度であり、また前記高融点ポ
リエステル系樹脂繊維が2〜20デニールの繊度を有す
るものであると、さらに良好な風合いと、成形性が得ら
れる。さらに、ニードルパンチカーペットを構成するウ
ェブが二層構造を有し、表面側のウェブ層が2〜20デ
ニールの高融点ポリエステル系樹脂繊維と、繊維断面に
おいて低融点ポリエステル系樹脂からなる部位および高
融点ポリエステル系樹脂からなる部位を有しかつ前記低
融点ポリエステル系樹脂からなる部位が少なくとも繊維
表面部の一部に露出してなる構造を有する1〜20デニ
ールの複合型ポリエステル系繊維とを、重量比で90〜
70:10〜30の割合で含有してなり、一方下層側の
ウェブ層が2〜20デニールの高融点ポリエステル系樹
脂繊維と、繊維断面において低融点ポリエステル系樹脂
からなる部位および高融点ポリエステル系樹脂からなる
部位を有しかつ前記低融点ポリエステル系樹脂からなる
部位が少なくとも繊維表面部の一部に露出してなる構造
を有する1〜20デニールの複合型ポリエステル系繊維
とを、重量比で50〜0:50〜100の割合で含有し
てなるものであると、例えば、自動車フロア用カーペッ
ト等として、特に好適なものとなり、また、前記ウェブ
全体の目付が240〜600g/m2であり、さらにウ
ェブ全体に含まれる前記複合型ポリエステル系繊維の含
有量の合計が、上記した全体の目付の15〜70%であ
ると、その形状保持性は、一層優れたものとなる。さら
に、本発明のニードルパンチカーペットは、カーペット
を構成する上記ウェブの裏面側からフォークニードルを
用いてパイルを突出させて、コード調、ベロア調、ディ
ロア調等の柄出しを行うことが容易であり、このような
柄出しが行われていると、その商品価値は、一層高いも
のとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のニードルパンチカーペットの構造例を
模式的に示す断面図、
【図2】 従来のニードルパンチカーペットの別の構造
例を模式的に示す断面図、
【図3】 従来のニードルパンチカーペットのさらに別
の構造例における繊維構成を模式的に示す拡大平面図、
【図4】 図3に示す従来例において使用される複合型
繊維の構造を模式的に示す拡大断面図、
【図5】 本発明のニードルパンチカーペットの一実施
態様におけるウェブ構成を模式的に示す断面図、
【図6】 (a)は、図5に示す実施態様におけるウェ
ブ上層の繊維配合例を模式的に示す拡大平面図、(b)
は、図5に示す実施態様におけるウェブ下層の繊維配合
例を模式的に示す拡大平面図、
【図7】 (a)〜(d)は、それぞれ本発明において
用いられる複合型繊維の構造例を示す拡大断面図、
【図8】 図5に示す本発明の一実施態様におけるウェ
ブ構成に柄出しを行った場合の断面形状を模式的に示す
断面図、
【図9】 本発明のニードルパンチカーペットの成形加
工例を模式的に示す斜視図、
【図10】 図9におけるSA−SA線断面図である。
【符号の説明】
1…パイル、 2…不織布基布、 3…ラテックス、 4…熱可塑性樹脂シート、 5…低融点ポリエステル系樹脂、 6…高融点ポリエステル系樹脂、 7…鞘芯型複合繊維、 8…通常繊維(高融点ポリエステル系樹脂繊維)、 9…交絡点、 10…ウェブ、 11…ウェブ上層(表面層)、 12…ウェブ下層、 13…パイル、 14…複合型繊維、 15…高融点繊維 21…高融点樹脂、 22…低融点樹脂

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニードルパンチカーペットを構成するウ
    ェブが二層ないし多層構造を有し、その各ウェブ層は、
    繊維断面において低融点樹脂からなる部位および高融点
    樹脂からなる部位を有しかつ前記低融点樹脂からなる部
    位が少なくとも繊維表面部の一部に露出してなる構造を
    有する複合型繊維を、該ウェブ層を構成するステープル
    繊維の少なくとも一部として有してなり、かつ各ウェブ
    層における当該複合型繊維の含有量を、最表面側のウェ
    ブ層におけるものよりも下層側のウェブ層におけるもの
    の方が多くなるものとなしたことを特徴とするニードル
    パンチカーペット。
  2. 【請求項2】 最表面側のウェブ層における前記複合型
    繊維の配合量が、当該ウェブ層のステープル繊維全重量
    の10〜30%であり、また下層側のウェブ層における
    前記複合型繊維の配合量が、当該ウェブ層のステープル
    繊維全重量の50〜100%である請求項1に記載のニ
    ードルパンチカーペット。
  3. 【請求項3】 前記複合型繊維が低融点ポリエステル系
    樹脂と高融点ポリエステル系樹脂とから構成され、また
    ウェブ層を構成するステープル繊維の残部が高融点ポリ
    エステル系樹脂繊維である請求項1または2に記載のニ
    ードルパンチカーペット。
  4. 【請求項4】 前記複合型繊維が1〜20デニールの繊
    度であり、また前記高融点ポリエステル系樹脂繊維が2
    〜20デニールの繊度を有するものである請求項1〜3
    のいずれかに記載のニードルパンチカーペット。
  5. 【請求項5】 ニードルパンチカーペットを構成するウ
    ェブが二層構造を有し、表面側のウェブ層が2〜20デ
    ニールの高融点ポリエステル系樹脂繊維と、繊維断面に
    おいて低融点ポリエステル系樹脂からなる部位および高
    融点ポリエステル系樹脂からなる部位を有しかつ前記低
    融点ポリエステル系樹脂からなる部位が少なくとも繊維
    表面部の一部に露出してなる構造を有する1〜20デニ
    ールの複合型ポリエステル系繊維とを、重量比で90〜
    70:10〜30の割合で含有してなり、一方下層側の
    ウェブ層が2〜20デニールの高融点ポリエステル系樹
    脂繊維と、繊維断面において低融点ポリエステル系樹脂
    からなる部位および高融点ポリエステル系樹脂からなる
    部位を有しかつ前記低融点ポリエステル系樹脂からなる
    部位が少なくとも繊維表面部の一部に露出してなる構造
    を有する1〜20デニールの複合型ポリエステル系繊維
    とを、重量比で50〜0:50〜100の割合で含有し
    てなることを特徴とするニードルパンチカーペット。
  6. 【請求項6】 前記ウェブ全体の目付が240〜600
    g/m2であり、さらにウェブ全体に含まれる前記複合
    型ポリエステル系繊維の含有量の合計が、上記した全体
    の目付の15〜70%である請求項5記載のニードルパ
    ンチカーペット。
  7. 【請求項7】 前記複合型繊維の低融点樹脂の溶融温度
    以上でかつ前記高融点樹脂繊維および前記複合型繊維の
    高融点樹脂の溶融温度未満の温度に前記ウェブを加熱
    し、加圧成形機に投入した後、冷却することで、前記複
    合繊維と高融点繊維を融着させることにより成形される
    ものである請求項1〜6のいずれかに記載のニードルパ
    ンチカーぺット。
  8. 【請求項8】 本発明はまた、前記二層ないし多層構造
    のウェブが、少なくとも2台のクロスレイヤーを平行に
    配置してそれぞれ各ウェブ層を流し、1台のコンベアで
    連続的に回収しながら積層するか、または、所定長さの
    各ウェブ層をそれぞれ別個に作成した後積層し、ニード
    ルパンチもしくは熱接着またはその両方によって一体化
    させることにより形成されたものである請求項1〜7の
    いずれかに記載のニードルパンチカーペット。
  9. 【請求項9】 カーペットを構成する上記ウェブの裏面
    側からフォークニードルを用いてパイルを突出させて、
    柄出しがされてなることを特徴とする請求項1〜8のい
    ずれかに記載のニードルパンチカーペット。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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