JPH10265511A - 塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系重合体の製造方法

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JPH10265511A
JPH10265511A JP9087632A JP8763297A JPH10265511A JP H10265511 A JPH10265511 A JP H10265511A JP 9087632 A JP9087632 A JP 9087632A JP 8763297 A JP8763297 A JP 8763297A JP H10265511 A JPH10265511 A JP H10265511A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合反応に関連する各段階に適した重合器の
攪拌を行って、凝集物の生成が少なく、機械的安定性の
良い、かつ、残存単量体の少いラテックスの得られる塩
化ビニル系重合体の製造方法を提供すること。 【解決手段】 重合反応の方式と工程及び重合率を基準
にして重合機の攪拌強度を設定することを特徴とする塩
化ビニル系重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系重合
体ラテックスの製造方法に関する。詳しくは、本発明
は、重合反応中に攪拌条件を変更することにより凝集物
が少なく、機械的安定性の良い、かつ、残存単量体の少
ない塩化ビニル系重合体ラテックスの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系重合体のラテックスや、ペ
ーストレジンを得る目的で、塩化ビニルの乳化重合が行
われる。塩化ビニルの乳化重合は、水を分散媒、アニオ
ン性又はノニオン性界面活性剤を乳化剤、水溶性の過酸
化物を重合開始剤として用い、冷却ジャケット付き耐圧
重合器中で比較的緩徐な攪拌を行いつつ、界面活性剤の
作用によって塩化ビニル単量体を微細な液滴に乳化さ
せ、単量体を包む界面活性剤ミセル層内で重合を進め、
粒径0.05〜0.5μm程度の微小球形樹脂をラテッ
クスとして得るものである。乳化重合法よりも更に大き
い粒径を有する粒子のラテックスを得るために、予備重
合したラテックスを種子として用い、乳化剤量をポリマ
ー粒子の全表面積をカバーするのに必要な理論量の20
〜60%に保ちつつ重合することにより、新たな微小粒
子の生成を防ぎつつ種子粒子のみを太らせるための被覆
重合を行う播種乳化重合が行われている。また、ラテッ
クスやペーストレジンを得る別の方法としては、水を分
散媒とし、単量体、界面活性剤、油溶性の重合開始剤等
の混合物を、ホモジナイザ等を用いて微細な液滴に分散
させたのち重合する微細懸濁重合や、微細懸濁重合で得
られた重合体の懸濁液を種子粒子として更に被覆重合を
行う播種微細懸濁重合等も行われている。
【0003】これらの乳化重合、播種乳化重合、微細懸
濁重合または播種微細懸濁重合においては、重合反応に
伴う反応熱の除去や反応の場への単量体の供給を目的と
して攪拌機により攪拌が行われる。この攪拌は、弱すぎ
れば熱除去ができずに反応温度が上昇し、品質上及び安
全上の問題をひき起こしたり、重合反応の場に有効に単
量体が供給されずに反応が遅延することになり、逆に、
強すぎれば生成、成長しつつある重合体粒子を凝集させ
てスケールや粗粒を生じさせたり、ラテックスの機械的
安定性を損い、時としてクリーム状の内容物は蓄熱し易
いため、やはり品質上及び安全上の問題を惹起する。そ
のため、これまで中間のある一定の強さの攪拌条件を採
用して重合反応が行われてきた。しかし、その一定の強
さは現実には重合反応過程で最もラテックスの機械的安
定性の弱い後半期におけるラテックスの安定性を損わな
い範囲で設定されるので、重合の初期段階で反応が単量
体の拡散律速の状態であっても緩慢な反応を容認するこ
とになり、また、重合反応終了後の未反応単量体の回収
に際しては、ラテックスの機械的安定性が重合反応の後
半期より一層弱いため攪拌を止めて実施せざるを得ず、
その結果未反応単量体はラテックスの内部から有効に回
収することが困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
に鑑み、重合反応に関連する各段階に適した重合器の攪
拌を行って、凝集物の生成が少なく、機械的安定性の良
い、かつ残存単量体の少ないラテックスの得られる塩化
ビニル系重合体の製造方法を提供することを目的として
なされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、攪拌の強さを工
程及び重合率を基準として定め、乳化重合、播種乳化重
合、微細懸濁重合、播種微細懸濁重合のそれぞれにおい
て、重合率の変化に応じた正味攪拌所要動力を設定する
ことにより、重合反応が効率的で、機械的安定性が良
く、かつ残留単量体の少ない重合体ラテックスを得るこ
とができることを見いだし、この知見に基づいて本発明
を完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)重合
反応が乳化重合又は播種乳化重合であり、単位内容積当
りの正味攪拌所要動力を、重合率0から60重量%未満
の期間は第1段目の攪拌として0.1〜0.3kW/m
3 とし、重合率60重量%から75重量%未満の期間
は、第2段目の攪拌として、第1段目の攪拌の動力の5
0〜100%とし、重合率75重量%以降の重合反応期
間は第3段目の攪拌として、第1段目の攪拌の動力の2
0〜50%に減速させ、重合反応終了後の未反応単量体
回収時は、第4段目の攪拌として0.0001〜0.0
008kW/m3 とすることを特徴とする塩化ビニル系
重合体の製造方法、及び、(2)重合反応が微細懸濁重
合又は播種微細懸濁重合であり、単位内容積当りの正味
攪拌所要動力を、重合率0から40重量%未満の期間は
第1段目の攪拌として0.08〜0.2kW/m3
し、重合率40重量%から75重量%未満の期間は、第
2段目の攪拌として、第1段目の攪拌の動力の50〜1
00%とし、重合率75重量%以降の重合反応期間は第
3段目の攪拌として、第1段目の攪拌の動力の15〜5
0%に減速させ、重合反応終了後の未反応単量体回収時
は、第4段目の攪拌として0.0001〜0.0008
kW/m3 とすることを特徴とする塩化ビニル系重合体
の製造方法、を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明方法は、塩化ビニル又は塩
化ビニル及びこれと共重合し得るエチレン系不飽和単量
体の乳化重合、播種乳化重合、微細懸濁重合及び播種微
細懸濁重合に適用することができる。本発明方法を塩化
ビニル及びこれと共重合し得るエチレン系不飽和単量体
の共重合に適用する場合には、単量体混合物中の塩化ビ
ニルの量が50重量%以上であることが好ましく、75
重量%以上であることがより好ましい。本発明方法にお
いて、塩化ビニルと共重合し得るエチレン系不飽和単量
体としては、例えば、エチレン、プロピレン等のオレフ
ィン系化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビ
ニルエステル;アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和モ
ノカルボン酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−ヒドロキシ
エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸−N,N−ジメチルアミノエチル等の不飽和
モノカルボン酸エステル;アクリルアミド、メタクリル
アミド等の不飽和アミド;アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等の不飽和ニトリル;マレイン酸、フマール
酸等の不飽和ジカルボン酸;これらのエステル及びこれ
らの無水物;N−置換マレイミド類;ビニルメチルエー
テル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル;更に
塩化ビニリデン等のビニリデン化合物等を挙げることが
できる。
【0007】本発明方法においては、重合反応中は重合
率に応じて、また重合反応終了後に攪拌の強さをそれぞ
れの段階に適した条件に設定する。本発明方法におい
て、重合反応中の重合率を測定する方法には特に制限は
なく、光散乱法による重合体粒子の粒子径、重合体粒子
の濃度等から重合率を求めることができ、あるいは、重
合器のジャケットの冷却水の水温、流量及び重合温度変
化から重合器内の重合反応による発熱量を積算し、重合
率を求めることもできる。これらの方法の中で、ジャケ
ットの冷却水の水温、流量及び重合温度変化から重合率
を求める方法は、時間的な遅れがなく重合器内の重合率
を求め、かつそのデータを攪拌機の電動機に伝達して、
正味攪拌動力を直接製造することができるので、特に好
適に使用することができる。本発明方法に使用する重合
器の形状には特に制限はなく、例えば、外部ジャケット
又は内部ジャケットを有する重合器を用いることができ
る。また、還流凝縮器を設置することも可能である。こ
れらの中で、内部ジャケットを有する重合器は、伝熱損
失が小さく、重合器内の発熱量を正確に測定し、重合率
を正確に求めることができるので、特に好適に使用する
ことができる。重合器内の攪拌方法には特に制限はな
く、例えば、ファウドラー翼、多段ファウドラー翼、パ
ドル翼、多段パドル翼、ブルーマージン翼、アンカー
翼、ループ翼、マックスブレンド翼、フルーゾーン翼等
を使用することができる。また、バッフルも特に制限は
なく、パイプバッフル、フィンガーバッフル、D型バッ
フル等を使用することができる。
【0008】本発明では、重合反応が乳化重合又は播種
乳化重合である場合は、単位内容積当りの正味攪拌所要
動力を重合率0から60重量%未満の期間は第1段目の
攪拌として0.1〜0.3kW/m3 とし、重合率60
重量%から75重量%未満の期間は第2段目の攪拌とし
て第1段目の攪拌の動力の50〜100%とし、重合率
75重量%以降の重合反応期間は第3段目の攪拌として
第1段目の攪拌の動力の20〜50%とし、重合反応終
了後の未反応単量体回収時は、第4段目の攪拌として
0.0001〜0.0008kW/m3 とする。乳化重
合においては、重合器に純水、乳化剤、水溶性重合開始
剤を仕込み、重合器内の脱気あるいは必要に応じて窒素
等の不活性気体による置換を行い、塩化ビニル又は塩化
ビニル及びこれと共重合し得る単量体の混合物を仕込
み、単位内容積当りの正味攪拌動力が、即ち総攪拌動力
から変速機または減速機及び撹拌機自体の回転駆動の負
荷を除いた攪拌動力を内容積で除した値が0.1〜0.
3kW/m3 となるよう第1段目の攪拌の動力を設定し
て攪拌しつつ重合器内の温度を上昇して重合反応を開始
する。重合温度は30〜80℃が好ましい。単位内容積
当りの正味攪拌所要動力は数1式により算出される。
【0009】
【数1】
【0010】ここに、Pv :単位内容積当りの攪拌所要
動力(kW/m3 ) P :攪拌動力(kW) V :液容量(m3 ) NP:動力数、攪拌翼固定値であり、経験値を採用す
る。 例.ファウドラー翼・アンカー翼:1.5、 マックスブレンド翼・フルゾーン翼:2.5、 ループ翼・アンカー翼:1.0 ρ :液密度(kg/m3 ) n :回転数(1/sec) d :攪拌翼径(m) gc :動力換算係数〔(kg・m)/(kg・se
2)〕 また単位内容積当りの正味攪拌所要動力の別の求め方と
して、重合器の撹拌機の電動機の電流計による方法があ
る。予め重合器が空の段階で撹拌機を回し、変速機また
は減速機及び撹拌機自体の回転駆動の負荷を電流計で知
り、これを重合反応時の電流計の読みから差引いた値に
実効電圧を乗じ、液容量で除すことにより求められる。
乳化重合に用いられる乳化剤としては例えば、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンス
ルホン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫
酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩;ジオクチルスルホコ
ハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウ
ム等のスルホコハク酸塩;ラウリン酸ナトリウム、半硬
化牛脂脂肪酸カリウム等の脂肪酸塩;ポリオキシエチレ
ンラウリルエーテルサルフェートナトリウム塩、ポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテルサルフェートナト
リウム塩等のエトキシサルフェート塩;アルカンスルホ
ン酸塩;アルキルエーテル燐酸エステルナトリウム塩;
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレンソルビタンラウリルエステル等のノニオン性
界面活性剤等を挙げることができる。乳化剤は初期添加
のみの方法と、粒径の肥大化のために重合の進行に合わ
せて追加添加をも行う方法とがあるが、使用量は単量体
100重量部に対し、0.1〜5重量部が好ましく、
0.1〜3重量部が更に好ましい。水溶性重合開始剤と
しては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム、過酸化水素等の水溶性過酸化物、これらの開始剤又
はクメンヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオ
キシド等のヒドロパーオキシドに、酸性亜硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸アンモニウム、アスコルビン酸等の還元剤を
組み合わせたレドックス系開始剤、2,2′−アゾビス
(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩等の水溶性
アゾ化合物等を挙げることができる。
【0011】播種乳化重合においては、重合器に純水、
種子重合体、水溶性重合開始剤等を仕込み、重合器内の
脱気あるいは必要に応じて窒素等の不活性気体による置
換を行い、塩化ビニル又は塩化ビニル及びこれと共重合
し得る単量体の混合物を仕込み、緩やかに攪拌しながら
重合器内の温度を上げて重合を開始する。重合温度は、
30〜80℃であることが好ましい。重合が開始されて
から反応の進行に合わせて肥大化する粒子の表面を覆う
以上にならない程度の量の乳化剤を水溶液にて添加する
ことにより、重合体粒子の安定化を図る。水溶性重合開
始剤と乳化剤は前記の乳化重合で用いられるものと同様
のものが挙げられる。本発明においては、乳化重合又は
播種乳化重合を開始した後、重合率が0から60重量%
未満の期間は攪拌を第1段目の攪拌の動力0.1〜0.
3kW/m3 、好ましくは0.15〜0.25kW/m
3 として反応を行う。攪拌強度が0.1kW/m3 未満
であると、単量体の拡散が律速となって重合反応が遅延
したり、伝熱速度が小さくて除熱できずに内温上昇を起
こしたりする。また、攪拌動力が0.3kW/m3 より
大きいと、生成成長しつつある重合体粒子の凝集を惹起
してコアギュラムやスケールを発生させたり、ラテック
スの機械的安定性を低下させたりする。重合率が60重
量%から75重量%未満までの期間は第2段目の攪拌
を、第1段目の攪拌の動力の50〜100%、好ましく
は60〜100%の範囲として重合反応を続ける。攪拌
動力が第1段目の攪拌の動力の50%より小さいと、単
量体の拡散が律速となって重合反応が遅延したり、伝熱
速度が小さくて除熱できずに内温上昇を起こしたりす
る。逆に100%を越えると、生成成長しつつある重合
体粒子の凝集を惹起してコアギュラムやスケールを発生
させたり、ラテックスの機械的安定性を低下させたりす
る。
【0012】重合率が75重量%以降の重合反応の期間
は、第3段目の攪拌を、第1段目の攪拌の20〜50
%、好ましくは20〜30%の範囲として重合反応を行
う。攪拌動力が第1段目の攪拌の動力の20%より小さ
いと、単量体の拡散が律速となって重合反応が遅延した
り、伝熱速度が小さくて除熱できずに内温上昇を起こし
たりする。一方、50%より大きいと、生成成長しつつ
ある重合体粒子の凝集を惹起してコアギュラムやスケー
ルを発生させたり、ラテックスの機械的安定性を低下さ
せたりする。重合率が約85重量%以上になると、反応
速度が遅くなるので主に生産性の観点から通常重合率8
5〜95重量%において重合反応を終了する。重合反応
を停止するには、要すればヒドロキノン等の重合停止剤
を添加して、重合器内温度を30可ら0℃に制御しつつ
未反応単量体を回収する。未反応単量体回収するには、
重合器の気相部の配管のバルブを開いて単量体ガスをコ
ンプレッサーにつながる回収系に導くが、その際重合器
内の生成ラテックスは機械的安定性が低い状態にあるの
で第4段目の攪拌として、単位容積当りの正味攪拌所要
動力を0.0001〜0.0008kW/m3 、好まし
くは0.0001〜0.0005kW/m3 に低下す
る。攪拌が0.0001kW/m3 未満であると液内部
からの未反応単量体の回収が不十分になり、攪拌が0.
0008kW/m3 を越えると重合体粒子が凝集し、ス
ケールやコアギュラムが生成する。未反応単量体の回収
時の攪拌を、本発明の目的を逸脱しない限り、上記の攪
拌所用動力の範囲内で運転しつつ短時間停止する、オン
−オフ運転してもよい。本発明において重合反応が微細
懸濁重合又は播種微細懸濁重合である場合は、単位容積
当りの正味攪拌所要動力を重合率0から40重量%未満
の期間は攪拌を第1段目の攪拌として0.08〜0.2
kW/m3 とし、重合率40重量%から75重量%未満
の期間は第2段目の攪拌として第1段目の攪拌の動力の
50〜100%とし、重合率75重量%以降の重合反応
期間は第3段目の攪拌として第1段目の攪拌の動力の1
5〜50%とし、重合反応終了後の未反応単量体回収時
は、第4段目の攪拌として0.0001〜0.0008
kW/m3 とする。
【0013】微細懸濁重合においては、先ず水性媒体中
に、塩化ビニル又は塩化ビニル及びこれと共重合し得る
エチレン系不飽和単量体の混合物、油溶性重合開始剤、
乳化剤、必要に応じて高級脂肪酸等の重合助剤、その他
の添加剤を加えてプレミックスし、ホモジナイザにより
均質化処理して油滴の粒径調節を行う。ホモジナイザと
しては、例えば、コロイドミル、振動撹拌機、二段式高
圧ポンプ等を用いることができる。均質化処理した液を
重合器に送り、緩やかに攪拌しながら重合器内の温度を
上げて重合反応を開始し、以後所定の転化率に達するま
で重合を行う。重合温度は、30〜80℃であることが
好ましい。油溶性重合開始剤としては、例えば、アセチ
ルパーオキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノイル
パーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパ
ーオキシド等のジアシルパーオキシド;メチルエチルケ
トンパーオキシド等のケトンパーオキシド;ベンゾイル
ヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、p−
シメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒ
ドロパーオキシド、p−メンタンヒドロパーオキシド等
のヒドロパーオキシド;t−ブチルパーオキシピバレー
ト等のパーオキシエステル;ジイソプロピルパーオキシ
ジカーボネート、ジエチルヘキシルパーオキシジカーボ
ネート等のパーオキシジカーボネート;アセチルシクロ
ヘキシルスルホニルパーオキシド等のスルホニルパーオ
キシド等の有機過酸化物;これらの有機過酸化物とロン
ガリット等の還元剤を組み合わせた酸化還元型重合開始
剤;2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′
−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−
アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)等のアゾ化合物等を挙げることができる。
乳化剤としては、前記の乳化重合に用いられる乳化剤と
同様のものが例示される。
【0014】播種微細懸濁重合においては、重合器に純
水、粒子中に重合開始剤が残存する種子重合体等を仕込
み、重合器内の脱気あるいは必要に応じて窒素等の不活
性気体による置換を行い、乳化剤及び塩化ビニル又は塩
化ビニル及びこれと共重合し得る単量体の混合物を仕込
み、緩やかに攪拌しながら重合器内の温度を上げて重合
を開始する。重合温度は、30〜80℃であることが好
ましい。乳化剤としては、前記の乳化重合に用いられる
乳化剤と同様のものが例示される。播種微細懸濁重合の
場合は、重合開始剤を新たに添加する必要はない。本発
明において、微細懸濁重合又は播種微細懸濁重合の場合
は、重合率が0から40重量%未満の期間は攪拌を第1
段目の攪拌の動力として、数1式や空駆動の負荷を差引
いた攪拌器の電流計の読みから求められる単位容積当り
の正味攪拌動力が0.08〜0.2kW/m3 、好まし
くは0.1〜0.18kW/m3 にて反応を行う。攪拌
動力が0.08kW/m3 未満であると、伝熱速度が小
さくて除熱できずに内温上昇を起こしたりする。また、
攪拌動力が0.2kW/m3 より大きいと、生成成長し
つつある重合体粒子の凝集を惹起してコアギュラムやス
ケールを発生させたり、ラテックスの機械的安定性を低
下させたりする。重合率が40重量%から75重量%未
満までの期間は第2段目の攪拌を、第1段目の攪拌の動
力の50〜100%、好ましくは60〜100%の範囲
として重合反応を続ける。攪拌動力が第1段目の攪拌の
動力の60%より小さいと、伝熱速度が小さくて除熱で
きずに内温上昇を起こしたりする。逆に100%を越え
ると、生成成長しつつある重合体粒子の凝集を惹起して
コアギュラムやスケールを発生させたり、ラテックスの
機械的安定性を低下させたりする。重合率が75重量%
以降の重合反応の期間は、第3段目の攪拌を、第1段目
の攪拌の15〜50%、好ましくは20〜30%の範囲
として重合反応を行う。攪拌動力が第1段目の攪拌の動
力の15%より小さいと、伝熱速度が小さくて除熱でき
ずに内温上昇を起こしたりする。一方、50%より大き
いと、生成成長しつつある重合体粒子の凝集を惹起して
コアギュラムやスケールを発生させたり、ラテックスの
機械的安定性を低下させたりする。
【0015】播種乳化重合、微細懸濁重合又は播種微細
懸濁重合においても、通常、重合率85〜95重量%に
おいて重合反応を終了する。重合反応終了後未反応単量
体を回収する際、重合器内の生成ラテックスは機械的安
定性が低いので、第4段目の攪拌として、単位容積当り
の正味攪拌所要動力を0.0001〜0.0008kW
/m3 、好ましくは0.0002〜0.0005kW/
3 に設定する。攪拌が0.0001kW/m3 未満で
あると液内部からの未反応単量体の回収が不十分にな
り、攪拌動力が0.0008kW/m3 を越えると重合
体粒子が凝集し、スケールやコアギュラムが生成する。
未反応単量体の回収時の攪拌を、本発明の目的を逸脱し
ない限り、上記の攪拌所用動力の範囲内で運転しつつ短
時間停止する、オン−オフ運転してもよい。本発明方法
によれば、重合率に従って、また、重合反応後の単量体
回収操作に際して攪拌動力を製造するので、各段階に適
した攪拌を採用することにより、重合反応が効率的で、
重合体凝集物の生成が少なく、また、得られるレテック
スは機械的安定性が良く、かつ、残留単量体が少ないも
のとなる。
【0016】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定
されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
て、塩化ビニル系重合体ラテックスの評価は下記の方法
により行った。 (1)凝集物量 得られたラテックスを、60メッシュの金網でろ過し、
金網上の凝集物を取得し、また、重合器内壁の付着物を
かき取り、合わせて乾燥後の重量を測定し、仕込み単量
体に対する凝集物の重量%で表した。 (2)中心粒子径 レーザー散乱粒径分布測定装置[マルバーン社製、マス
ターサイザーMS−20]を用いて測定した。 (3)機械的安定性 攪拌翼の長さ85mmの撹拌機を備えた容量5リット
ル、内径158mmのフラスコにラテックス5リットル
を入れ、70℃で、275rpmで攪拌し、攪拌開始か
ら粒子が凝集しはじめるまでの時間を測定し、累積動力
を計算した。 (4)残留単量体 未反応単量体回収工程終了後の固形分濃度既知のラテッ
クスを試料とし、100℃に加熱して気化したガス中の
塩化ビニル単量体量をガスクロマトグラフィーで測定
し、重合体に対する重量割合で表示する。 装置:(株)島津製作所製、GC−17A、FID付 カラム:DB−WAX、0.53mm×30m、膜厚み
1μm 温度:カラム60℃、検出150℃ キャリアー:窒素、30ml/min
【0017】実施例1 翼径260mm、翼幅75mmのファウドラー攪拌翼を
装着した槽径500mm、槽長470mm、内容積10
0リットルのグラスライニング重合器に、脱イオン水3
1.5kg、乳化重合で作成した中心粒子径0.55μ
mの種子重合体を35重量%含有する水性分散液8.9
kgおよび過硫酸カリウム36gを仕込み、槽内脱気後
塩化ビニル単量体36kgを仕込み、攪拌しつつ55℃
に昇温し重合を開始した。重合体粒子を安定に成長させ
るため、乳化剤を次の要領で連続的に添加した。重合開
始後乳化剤を添加せずに反応を進め、重合率15%から
50%の期間は重合率1%増加毎にラウリル硫酸ナトリ
ウム15重量%水溶液を11.0mlの割合で添加し、
重合率50%から75%の期間は重合率1%増加毎にラ
ウリル硫酸ナトリウム15重量%水溶液を46.0ml
の割合で添加し、その後は重合率1%増加毎にラウリル
硫酸ナトリウム15重量%水溶液を72.0mlの割合
で重合終了まで添加した。攪拌条件は重合開始時は11
0rpmとし、そのまま継続して重合率75%で重合器
内の圧力が0.5kg/cm2 低下したところで65r
pmに減速させた。その後、重合器内の圧力が1.5k
g/cm2 Gに低下した重合率88%の時点で未反応モ
ノマー回収工程に入り、攪拌条件を15rpmとして未
反応単量の体回収を行った。回収時の温度は65〜75
℃に設定した。その後、内容物を取り出した。評価結果
を表1に示す。
【0018】実施例2 翼径260mm、翼幅75mmのファウドラー攪拌翼の
代わりに翼径260mmのマックスブレンド翼を用い
て、攪拌機回転条件を下記のようにしたほかは実施例1
と同様に行った。攪拌機回転条件は、重合開始時は95
rpmとし、そのまま継続して、重合率75%で重合器
内の圧力が0.5kg/cm2 低下したところで57r
pmに減速させ、その後重合器内の圧力が1.5kg/
cm2 Gに低下した重合率88%の時点で攪拌条件を1
0rpmに下げて未反応モノマー回収工程に入った。評
価結果を表1に示す。 実施例3 翼径260mm、翼幅75mmのファウドラー攪拌翼の
代わりに翼径260mmの一般的なループ翼を用いて、
攪拌機回転条件を下記のようにしたほかは実施例1と同
様に行った。攪拌機回転条件は、重合開始時は130r
pmとし、そのまま継続して、重合率75%で重合器内
の圧力が0.5kg/cm2 低下したところで80rp
mに減速させ、その後重合器内の圧力が1.5kg/c
2 Gに低下した重合率88%の時点で攪拌条件を15
rpmに下げて未反応単量体回収を行った。評価結果を
表1に示す。
【0019】比較例1 重合率75重量%になっても攪拌減速させず、未反応単
量体回収時攪拌を行わなかったほかは実施例1と同様に
行った。評価結果を表1に示す。 比較例2 重合率75重量%時に単位内容積当りの正味攪拌所要動
力を重合開始時の63%まで低下させ、また、未反応単
量体回収時に攪拌を行わなかったほかは実施例1と同様
に行った。評価結果を表1に示す。 比較例3 重合率75重量%時に単位内容積当りの正味攪拌所要動
力を重合開始時の21%まで低下させ、また、未反応単
量体回収時に攪拌を行わなかったほかは実施例1と同様
に行った。評価結果を表1に示す。 比較例4 重合率75重量%時に単位内容積当りの正味攪拌所要動
力を重合開始時の13%まで低下させ、また、未反応単
量体回収時に攪拌を行わなかったほかは実施例1と同様
に行った。評価結果を表1に示す。 比較例5 重合率75重量%時に単位内容積当りの正味攪拌所要動
力を重合開始時の21%まで低下させ、また、未反応単
量体回収時の単位内容積当りの正味攪拌所要動力を0.
033kW/m3 としたほかは実施例1と同様に行っ
た。評価結果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】本発明の要件を具備した乳化重合方法を採
った実施例1〜3はいずれも凝集物量が少なく、機械的
安定性の良い、かつ、残存単量体の少い塩化ビニル重合
体ラテックスを与えた。しかし、重合反応開始時の正味
攪拌所要動力を反応終了まで継続し、かつ、未反応単量
体回収時に攪拌を行わなかった比較例1は、凝集物生成
が多く、ラテックスの機械的安定性が悪く、また、未反
応単量体残存量が多い結果を与えた。重合率75重量%
時の攪拌を減少させたものの本発明の規定より大きく、
また、未反応単量体回収時に攪拌を行わなかった比較例
2においても、凝集物の生成が多く、ラテックスの機械
的安定性が悪く、また、未反応単量体残存量が多かっ
た。重合反応全体における攪拌条件は本発明の規定を満
していても、未反応単量体回収時に攪拌を行わなかった
比較例3では、凝集物量が少なく、ラテックスの機械的
安定性は良いものの、未反応単量体残存量が多かった。
重合率75重量%時に攪拌を本発明の規定を下まわるま
で小さく減少させ、かつ、未反応単量体回収時に攪拌を
行わなかった比較例4は、凝集物量は少なく、ラテック
スの機械的安定性は高いが、重合反応が遅延し、また、
未反応単量体残存量が多い結果となった。重合反応全体
における攪拌条件は本発明の規定を満していても、未反
応単量体回収時の攪拌が本発明の規定範囲まで弱めなか
った比較例5では、凝集物量が多く、ラテックスの機械
的安定性が低かった。
【0022】実施例4 塩化ビニル100重量部に対してドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム0.5重量部、ステアリルアルコール
0.67重量部、ラウロイルパーオキサイド0.5重量
部を用いて反応温度48℃で微細懸濁重合を行って得た
中心粒子径0.55μmの重合体粒子を固形分濃度27
重量%含有するラテックス10Kgを、翼径260m
m、翼幅75mmのファウドラー攪拌翼を備えた槽径5
00mm、槽長470mm、内容積100リットルのグ
ラスライニング重合器に入れ、更に脱イオン水30kg
およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム200g
を添加し、真空脱気後塩化ビニル36kgを仕込んで攪
拌翼を100rpmで回転しつつ内容物を62℃に昇温
して重合を開始した。重合器内の圧力が0.5kg/c
2 低下する重合率75重量%の時点で攪拌翼の回転数
を55rpmに下げて重合を続け、重合器内の圧力が
1.5kg/cm2 Gに低下した重合率88%の時点で
重合反応を終了し、攪拌翼の回転数を15rpmに下げ
て内容物温度を65〜75℃に上げて未反応単量体を回
収した。その後内容物を取出した。評価結果を表2に記
す。
【0023】実施例5 攪拌翼を翼径260mm、翼幅75mmのファウドラー
攪拌翼の代わりに翼径260mmのマックスブレンド翼
を用い、攪拌機回転条件を下記のようにしたほかは実施
例4と同様に行った。攪拌機回転条件は、重合開始時は
80rpmとし、そのまま継続して、重合率75%の時
点で45rpmに減速させ、重合率88%の時点で重合
を終了させ攪拌条件を10rpmに下げて未反応モノマ
ー回収工程に入った。評価結果を表2に示す。 実施例6 攪拌翼を翼径260mm、翼幅75mmのファウドラー
攪拌翼の代わりに翼径260mmのループ翼を用い、攪
拌機回転条件を下記のようにしたほかは実施例4と同様
に行った。攪拌機回転条件は、重合開始時は110rp
mとし、そのまま継続して、重合率75%の時点で60
rpmに減速させ、重合率88%の時点で重合を終了さ
せ攪拌条件を15rpmに下げて未反応モノマー回収工
程に入った。評価結果を表2に記す。
【0024】比較例6 重合率75重量%になっても攪拌を減速せず、未反応単
量体回収時攪拌を行なわなかったほかは実施例4と同様
に行った。評価結果を表2に示す。 比較例7 重合率75重量%時に単位内容積当りの正味攪拌所要動
力を前段重合開始時の55%に下げ、未反応単量体回収
時に攪拌を行なわなかったほかは実施例4と同様に行っ
た。評価結果を表2に示す。 比較例8 重合率75重量%時の単位内容積当りの正味攪拌所要動
力を前段重合開始時の17%に下げ、未反応単量体回収
時に攪拌を行なわなかったほかは実施例4と同様に行っ
た。評価結果を表2に記す。 比較例9 重合率75重量%時に単位内容積当りの正味攪拌所要動
力を前段重合開始時の19%に下げ、未反応単量体回収
時に攪拌を行わなかったほかは実施例4と同様に行っ
た。評価結果を表2に記す。 比較例10 重合率75重量%時に単位内容積当りの正味攪拌所要動
力を前段重合開始時の17%とし、未反応単量体回収時
の単位内容積当りの正味攪拌所要動力を0.02kW/
3 としたほかは実施例4と同様に行った。評価結果を
表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】本発明の要件を具備した播種微細懸濁重合
法を採った実施例4〜6はいずれも凝集物量が少なく、
機械的安定性の良い、かつ残存単量体の少い塩化ビニル
重合体ラテックスを与えた。しかし、重合反応開始時の
正味攪拌所要動力を重合終了まで継続し、かつ、未反応
単量体回収時に攪拌を行わなかった比較例6及び、重合
率75重量%時に攪拌を減少させたものの本発明の規定
より大きく、また、未反応単量体回収時に攪拌を行わな
かった比較例7は、凝集物の生成が多く、ラテックスの
機械的安定性が弱く、また未反応単量体残存量が多い結
果を与えた。重合反応全体における攪拌条件は本発明の
規定を満していても、未反応単量体回収時に攪拌を行わ
なかった比較例8では凝集物量が少なく、ラテックスの
機械的安定性は良いものの、未反応単量体残存量が多か
った。重合率75重量%時に攪拌を本発明の規定を下ま
わるまで小さく減少させ、かつ、未反応単量体回収時に
攪拌を行わなかった比較例4は、凝集物量は少なく、ラ
テックスの機械的安定性は高いが、重合反応末期に除熱
困難となり内温上昇を起こした。また、未反応単量体残
存量が多い結果となった。重合反応全体における攪拌条
件は本発明の規定を満していても、未反応単量体回収時
の攪拌が本発明の規定範囲まで弱めなかった比較例10
では、凝集物量が多く、ラテックスの機械的安定性が低
かった。
【0027】
【発明の効果】本発明方法により、凝集物の生成が少な
く、機械的安定性の良い、かつ、残存単量体の少ない塩
化ビニル系重合体ラテックスが得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合反応が乳化重合又は播種乳化重合で
    あり、単位内容積当りの正味攪拌所要動力を、重合率0
    から60重量%未満の期間は第1段目の攪拌として0.
    1〜0.3kW/m3 とし、重合率60重量%から75
    重量%未満の期間は、第2段目の攪拌として、第1段目
    の攪拌の動力の50〜100%とし、重合率75重量%
    以降の重合反応期間は第3段目の攪拌として、第1段目
    の攪拌の動力の20〜50%に減速させ、重合反応終了
    後の未反応単量体回収時は、第4段目の攪拌として0.
    0001〜0.0008kW/m3 とすることを特徴と
    する塩化ビニル系重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 重合反応が微細懸濁重合又は播種微細懸
    濁重合であり、単位内容積当りの正味攪拌所要動力を、
    重合率0から40重量%未満の期間は第1段目の攪拌と
    して0.08〜0.2kW/m3 とし、重合率40重量
    %から75重量%未満の期間は、第2段目の攪拌とし
    て、第1段目の攪拌の動力の50〜100%とし、重合
    率75重量%以降の重合反応期間は第3段目の攪拌とし
    て、第1段目の攪拌の動力の15〜50%に減速させ、
    重合反応終了後の未反応単量体回収時は、第4段目の攪
    拌として0.0001〜0.0008kW/m3 とする
    ことを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方法。
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