JPH10261884A - 情報処理装置の冷却構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パソコン等の情報処理装置の内部発熱部の冷
却を極力自然空冷で行って、ファンの騒音を軽減する。 【解決手段】 情報処理装置１は、強制空冷用のファン
３、縦置きした時にこれを感知するセンサ４、センサ４
が縦置きを感知した時にファン３を止める制御回路５を
持つ。横置き時にはファン３が作動し、内部の発熱部を
強制空冷をする。図２のように縦置きした時は、センサ
４がこれを感知してファン３が止まる。この場合、筐体
３の底面積が狭く高さが高いので、内部の発熱部で空気
が熱せられた時筐体３内に上昇流が顕著に発生し、した
がって、筐体３の下部の吸気通風孔７から空気が入り排
気通風孔８から出る自然対流が容易に発生し、この自然
対流で内部の発熱部を十分空冷できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、パソコンやワー
プロ等の情報処理装置における内部発熱部の空冷方法に
関し、特に横置きおよび縦置きの選択が可能なデスクト
ップ形の情報処理装置の冷却方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】パソコン等の情報処理装置では一般に、
内部発熱部の冷却方法として、ファンによる強制空冷方
式を採用しているが、横置きおよび縦置きの選択が可能
なデスクトップ形の情報処理装置設置においても、従来
は横置きか縦置きかに関係なく、ファンによる強制空冷
方式を採用していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の冷却方法で
は、横置きか縦置きかにかかわらずファンが作動するの
で、常にファンの騒音が発生するという問題がある。

【０００４】本発明は上記従来の欠点を解消するために
なされたもので、可能な範囲で自然空冷方式を採用する
こととして、騒音の問題をすこしでも軽減することを目
的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の情報処理装置の冷却構造は、横置き設置と縦置き設
置とが共に可能な筐体および内部構造を有するととも
に、筐体内に設けた強制空冷用のファンと、当該情報処
理装置を縦置きに置いた時にこれを感知するセンサと、
このセンサの感知により前記ファンを止める制御回路
と、筐体の縦置き時に側面下部となる位置および上面と
なる位置にそれぞれ設けた吸気通風孔および排気通風孔
とを備えたことを特徴とする。

【０００６】請求項２は請求項１における筐体の外形
が、横置きおよび縦置きの際のいずれの場合にも上下の
区別がいずれも必然的に決まるような非対称の形状とさ
れたことを特徴とする。

【０００７】請求項３は、請求項２において概略直方体
状の筐体の、縦置きの場合にも縦置きの場合にも上面側
となる稜線部分に大きなアールを取って設置面規定部と
したことを特徴とする。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図１
〜図３に示した一実施例を参照して説明する。図１、図
２に本発明の一実施例の冷却構造を備えたパソコン等の
情報処理装置１を斜視図で示す。図１はこの情報処理装
置１を横置きした場合、図２は縦置きした場合である。
この情報処理装置１は、図１、図２から明らかな通り、
横置きの使用と縦置きの使用とが共に可能な筐体２およ
び内部構造を有している。図示例では、Ａは情報処理装
置１の背面、Ｂは前面、Ｃは横置きの場合の底面、Ｄは
縦置きの場合の底面、Ｅは横置き時の上面、Ｆは縦置き
時の上面である。そして、概ね直方体状の筐体２の外形
は、縦置きの場合にも縦置きの場合にも上面側となる稜
線部分に顕著に大きなアールを取って、この大きなアー
ルの湾曲面部を設置面規定部６としている。すなわち、
この顕著に大きなアールの設置面規定部６が下面にくる
のは一見して不適当と分かるので、そのような誤った設
置をすることは考えられない。そして、この情報処理装
置１は、強制空冷用のファン３を備え、当該情報処理装
置１を縦置きに置いた時にこれを感知するセンサ４を備
え、図１０のファンータ停止回路１０にも示すようにこ
のセンサ４の感知により前記ファン（ファンモータ）３
を止める制御回路５を備えている。さらに、筐体２に
は、横置き時の上面Ｅで縦置き時に下部となる位置に吸
気通風孔７を設け、縦置き時の上面Ｆに排気通風孔８を
設けている。なお、筐体２のファン３に臨む部分には強
制空冷時の空気取り入れ口９を備えている。前記吸気通
風孔７および排気通風孔８の配置は、縦置き時に内部の
発熱部で空気が熱せられて上昇流が生じた時に、空気が
吸気通風孔７から入り上部の排気通風孔８から出る自然
対流を促進するように配したものである。前記センサ４
は、図２の縦置きの姿勢の時にこれを感知するものであ
るが、動作原理は任意であり、種々のものが考えられ
る。縦置き時の下面Ｄに出没するプランジャ形のアクチ
ュエータを持つスイッチを用いてもよい。

【０００９】上記の情報処理装置１を図１のように横置
きした場合、従来の情報処理装置における場合と同様
に、ファン３が作動し強制空冷を行う。なお、実施例の
ようなファン３、空気取り入れ口９、吸気通風孔７の配
置では、強制空冷時に吸気通風孔７が排気通風孔として
機能する。すなわち、ファン３の吸い込み力により空気
が空気取り入れ口９から入り内部の発熱部を空冷して排
気通風孔８および吸気通風孔７から流出する。情報処理
装置１を図２のように縦置き時した場合は、制御回路５
はセンサ４からの信号により、縦置きであることを感知
し、ファン３を停止させる。この場合、内部の発熱部に
より熱せられた空気は上昇するので、下部の吸気通風孔
７（および空気取り入れ口９）から入った空気が上昇し
上部の排気通風孔８から出る自然対流が容易に発生し、
この自然対流により内部の発熱部が空冷される。

【００１０】前記横置きの場合は筐体２の底面積が大き
く高さが低いので、内部の発熱部で空気が熱せられて
も、筐体２内を一定方向に流れる自然対流は発生しにく
く、熱せられた空気は淀んでしまい、このため前記の通
り強制空冷が必要である。しかし、縦置きの場合は、筐
体２の底面積が狭く高さが高いので、内部の発熱部で熱
せられた空気は顕著な上昇流となりやすく、このため、
前述の通り空気が下部の吸気通風孔７（および空気取り
入れ口９）から入り筐体２内を上昇し上部の排気通風孔
８から出る自然対流が容易に発生し、この自然対流で内
部の発熱部が十分空冷される。したがって、縦置き時に
はファン３が停止させて問題はなく、少なくとも縦置き
時にはファン３の騒音の問題は解消される。

【００１１】なお、筐体に設ける吸気通風孔は、実施例
のような配置に限らず、筐体の前面または後面の縦置き
時に下部となる位置に設けてもよい。要するに、縦置き
時に側面下部となる位置にあればよい。

【００１２】

【発明の効果】本発明によれば、自然対流が生じにくい
横置き時には従来通りファンによる強制空冷をし、空気
が下部から入り上部から出る自然対流が発生しやすい縦
置き時にはファンを自動的に停止させるので、少なくと
も縦置き時にはファンの騒音の問題は解消される。した
がって、ユーザは、ファンの騒音を発生させない利点を
優先させるか、騒音よりレイアウト上などの何らかの横
置きの利点を優先させるかを選択することができる。そ
して、ファンのオンオフは、操作者が手動で切り替える
のでなくセンサにより自動的に行われ、横置き時にはフ
ァンは必ず作動するので、強制空冷が必要な横置き時に
ファンが停止していて内部が過熱するという問題は生じ
ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の情報処理装置の冷却構造を
示すもので、横置きに設置した状態の情報処理装置の斜
視図である。

【図２】図１の情報処理装置の縦置きした状態の斜視図
である。

【図３】上記情報処理装置におけるファン停止回路のブ
ロック図である。

【符号の説明】

１ 情報処理装置 ２ 筐体 ３ ファン ４ センサ ５ 制御回路 ６ 設置面規制部 ７ 吸気通風孔 ８ 排気通風孔

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 横置き設置と縦置き設置とが共に可能な
   筐体および内部構造を有するとともに、筐体内に設けた
   強制空冷用のファンと、当該情報処理装置を縦置きに置
   いた時にこれを感知するセンサと、このセンサの感知に
   より前記ファンを止める制御回路と、筐体の縦置き時に
   側面下部となる位置および上面となる位置にそれぞれ設
   けた吸気通風孔および排気通風孔とを備えたことを特徴
   とする情報処理装置の冷却構造。
2. 【請求項２】 前記筐体の外形が、横置きおよび縦置き
   の際のいずれの場合にも上下の区別がいずれも必然的に
   決まるような非対称の形状とされたことを特徴とする請
   求項１記載の情報処理装置の冷却構造。
3. 【請求項３】 概略直方体状の筐体における、縦置きの
   場合にも縦置きの場合にも上面側となる稜線部分に大き
   なアールを取って設置面規定部としたことを特徴とする
   請求項２記載の情報処理装置の冷却構造。