JPH10252843A - ベルト、特に歯付ベルト用の引っ張り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 ベルト用の引っ張り装置での係合する支
持プレートに関するピボットの完全な直立を常には保証
しえないという従来品の欠点を解消する。 【解決手段】 固定軸（Ａ）を画定するピボット（３）
に取り付けられている支持プレート（２）と、ピボット
（３）を受け入れて固定軸（Ａ）に対して回転可能な中
間管状要素（１５）と、固定軸（Ａ）とは一致しない回
転軸（Ｂ）について回転可能で且つ管状要素（１５）に
より取り巻かれているベルト（５）用のプーリ（４）
と、ピボット（３）と管状要素（１５）との間に置かれ
て管状要素をベルトに対して押しつける弾性要素（２
７）とを備える。ピボットと支持プレートとの間の高度
の直立を確実にするため、よって、引っ張り装置（１）
とベルト（５）との間の正確な係合を確実にするため
に、支持プレート（２）とピボット（３）とは一体に形
成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ベルト、特に内燃
機関のクランクシャフトからカムシャフトへの運動伝達
用の歯付ベルト用の引っ張り装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】引っ張り装置は、熱的状態及び摩耗状態
が変化するにつれて、ベルトのほぼ一定の引っ張り力を
保証する傾向にあることは公知である。この目的のため
に、かような装置は、取り付けピボットについて偏心的
に回転するように取り付けられ且つベルトの方向に弾性
的に負荷をかけるプーリを備える。

【０００３】現在、プーリ用の取り付けピボットは、ス
チールから作られ、支持プレートに嵌合されている。上
記支持プレートは、固定壁（例えば、エンジンブロック
の壁）に固定されている。この解決法は、ピボットの取
り付けにかなりの費用を必要とするばかりでなく、係合
する支持プレートに関してピボットの完全な直立を常に
保証するものではないという欠点を有する。この直立が
得られないという欠点は、テンショナーピボットが支持
プレートから突出して設けられている場合又は支持プレ
ートがピボットに関して同軸ではない位置にある各固定
壁に固着されている場合に、特に問題となる。事実、こ
の場合には、ピボットにおけるエラーは、支持プレート
の締結点及びピボットの間に広く伸びる高いレバーアー
ムによって引き起こされる支持プレートの潜在的な幾何
学的不完全性により増幅される。したがって、ピボット
は、通常の位置に関してわずかではない程度にまで転位
され、ベルト部分に沿って均一でない力を発生させる有
効な位置(effective position)にあると考えられる。こ
の結果、横向きに保持されていないベルトは、プーリに
関して滑り、プーリとの接触を喪失する。

【０００４】

【解決しようとする課題】本発明の目的は、上述の問題
に影響されないベルト用引っ張り装置すなわちベルトテ
ンショナーを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決する手段】本発明によれば、第１の軸を画
定するピボットに取り付けられた支持プレートと、上記
ピボットを納め且つ上記第１の軸に関して回転し得る中
間管状要素と、上記管状要素によって支持され且つ上記
ピボットを取り巻き、上記第１の軸と一致しない第２の
軸に関して回転し得るプーリと、上記中間管状要素をベ
ルトに対して弾力的に押しつけるように上記ピボット及
び上記中間管状要素との間に介挿されている弾性要素
と、を備えるベルト、特に歯付ベルト用の引っ張り装置
であって、上記支持プレート及び上記ピボットは一片に
形成されていることを特徴とするベルト用の引っ張り装
置が提供される。

【０００６】

【好ましい実施形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明をより詳細に説明する。図１は、本発明の引っ張り
装置の横断面図を示す。

【０００７】図１を参照する。引っ張り装置は、概して
符号１で示されている。引っ張り装置１は、アルミニウ
ムの支持プレート２と、上記支持プレート２に一体に形
成されている取り付けピボット３と、プーリ４と、歯付
ベルト５とを備え、上記ピボット３は上記プーリ４を上
記歯付ベルト５に対して偏心的に支持している。

【０００８】詳細には、支持プレート２は、穴９を有し
且つ上記穴９内に係合しているボルト１２によって例え
ばエンジンブロックの壁１１に固着されている位置決め
端１０と、締結端１０の連続部分に延び且つ上記ピボッ
ト３を一体的に支持する突出部分１３と、を備える。自
己潤滑性ブッシュ１４は、ピボット３の周囲に置かれ、
軸Ａを画定する。該ブッシュ１４は、好ましくは、スチ
ールから作られており、プラスチック材料の内部コーテ
ィングを有する。ブッシュ１４は、ピボット３の外表面
２１と接触する内表面２０を有し、該内表面２０内には
所定の摩擦係数を有するカップリングが画定されてい
る。

【０００９】中間要素１５は、アルミニウムから作られ
ていることが好ましく、軸Ａについて回転可能である。
中間要素１５は、ブッシュ１４の周囲に嵌合されてい
る。中間要素１５は、管状部分１６と、管状部分１６の
中間領域から半径方向外方向に延びるフランジ部分１７
とを備える。管状部分１６は、フランジ部分１７から突
出部分１３に向かって延びる第１の部分１６ａと、均一
な厚さではなくフランジ部分１７から第１の部分１６ａ
とは反対方向に延びる第２の部分１６ｂと、により形成
される。管状部分１６の第１の部分１６ａは、ブッシュ
１４と同軸である円筒状外表面２２を有する。第２の部
分１６ｂは、ブッシュ１４に対して偏心している円筒状
外表面２３を有する。該円筒状外表面２３は、軸Ａに平
行な軸Ｂを画定する。

【００１０】第２の部分１６ｂの外表面２３は、ボール
ベアリング２６の中間位置でプーリ４を支持する。した
がって、ベアリング２６及びプーリ４は、環状にピボッ
ト３を支持し、軸Ｂに対して同軸であり、軸Ａに対して
偏心している。

【００１１】引っ張り力下のコイルバネ２７は、管状部
分１６の第１の部分１６ａの外周に巻かれており、フラ
ンジ部分１６とキャップ２８との間に軸方向に結合され
ている。ここで、キャップ２８は、ピボット３の基部に
て、支持プレート２の突出部分１３内に形成された環状
リセス２９内に収まっている。加えて、バネ２７は、フ
ランジ部分１７に対して且つ突出部分１３に対してクラ
ンプされている端部を有する。図面には、２７ａで示さ
れている一方の端部のみを示す。端部２７ａは、フラン
ジ部分１７の横方向壁３０に当接している。

【００１２】金属ワッシャ３２は、ピボット３の一端３
３と係合し、ブッシュ１４の環状縁３４に対して支持さ
れている。環状縁３４は、外方向に曲げられており、よ
って、この一端３３は、ブッシュ１４を軸方向にロック
し且つ中間要素１５を所定位置にロックするようにアプ
セット(upset)されている。

【００１３】上述の引っ張り装置の操作方法は以下の通
りである。バネ２７は、中間要素１５、ベアリング２６
及びプーリ４により形成された組立体がベルト５に対し
て圧力をかけるように、ベルトの予め設定された引っ張
りを確実にするように、予め負荷される。したがって、
公知の態様におけるように、ベルト５上の引っ張り力は
振動を受け、バネ２７の力は、組立体１５，２６及び４
のブッシュ１４及びピボット３（すなわち軸Ａ）に対す
る回転を誘導するので、中間要素１５の外表面２２の偏
心の結果として、バネの力とベルトの抵抗との間の新規
な平衡状態に対応する新規な位置へのプーリ５の回転軸
Ｂの転位を誘導する。

【００１４】詳細には説明しないが公知の態様におい
て、ブッシュ１４及びピボット３の間に存在する表面２
０と２１との摩擦は、ベルトしたがって軸Ｂの位置の変
化によってかけられる力から与えられる強制振動の減衰
を確実にする。ベアリング２６は、ベルト５の移動の間
に、軸Ｂに対するプーリ４の自由回転を代わりに確実に
する。

【００１５】上述の引っ張り装置により得られる利点は
以下の通りである。支持プレート２及びピボット３の一
体的な形成は、両者の間の高度の直立を確実にする。ゆ
えに、支持プレート２の突出部分に形成されたピボット
３の場合であっても、ピボット３自身の実質的な位置決
めエラーは取り除かれる。さらに、この設計は、ピボッ
トの締まりばめを効果的にするために適当な加工機械を
要求しないので、製作コストを低減化する。

【００１６】ピボット３が同じ材料、特にアルミニウム
から形成されているという事実及びピボット３が支持プ
レート２と一体に形成されているという事実は、プレー
ト全体、したがってスチールピボットによる解決法より
も広範囲な領域にわたって、改良された熱分散を確実に
する。さらに、アルミニウムピボット３の熱膨張は、ブ
ッシュ１４の組立操作を簡易にすることを促進し得る。
事実、ピボット及びブッシュは、組み込まれた場合に、
比較的高度の相互作業を有するように設計され得る。相
互作業は、ピボット及びブッシュの間の熱膨張の差異の
結果として、引っ張り装置の操作中に連続的になされ
（taken up successively）、ゆえに所望程度の操作作
業を確実にする。この可能性は、組み立て操作を簡易化
する。組立段階におけるブッシュ１４とピボット３との
間の比較的高度の作業だけで、組立段階におけるブッシ
ュ自身への潜在的な損傷の危険性を排除する。

【００１７】最後に、図示された上述の引っ張り装置
は、本発明の特許請求の範囲から逸脱しない限りにおい
て、変形又は多様化が可能であることに注意されたい。
特に、部品は、ブッシュ１４とピボット３の対向する面
２０と２１との間の代わりに又はこれと一緒に、ブッシ
ュ１４と中間要素１５との間の摩擦の減衰が得られるよ
うな大きさであってもよいという事実は強調されるべき
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の一実施形態の引っ張り装置の
横断面図である。

【符号の説明】

１：引っ張り装置 ２：支持プレート ３：ピボット ４：プーリ ５：ベルト ９：締結手段 １０：締結部分 １３：突出部分 １４：ブッシュ １５：中間管状要素 ２０：ピボットの外表面 ２１：ブッシュの内表面 ２３：中間管状要素の外表面 ２６：ベアリング ２７：弾性要素

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 597175732 Ｉｎｄｕｓｔｒｉａｌｅ Ｖａｌｌｅｃｕ ｐａ，64010 Ｃｏｌｏｎｎｅｌｌａ，Ｉ ｔａｌｙ (72)発明者 パオロ・カスシオネール イタリア共和国ペスカラ 65126，ヴィ ア・ヴァスコ・デ・ガマ 18

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ベルト（５）特に歯付ベルト用の引っ張り
   装置（１）であって、 第１の軸（Ａ）を画定するピボット（３）に取り付けら
   れている支持プレート（２）と、 上記ピボット（３）を納め、上記第１の軸に対して回転
   可能な中間管状要素（１５）と、 上記管状要素（１５）によって支持されており、上記ピ
   ボット（３）を取り巻き、上記第１の軸（Ａ）と一致し
   ない第２の軸（Ｂ）に対して回転可能なプーリ（４）
   と、 上記ピボット（３）及び上記中間管状要素（１５）の間
   に介挿され、上記中間管状要素（１５）を上記ベルト
   （５）に対して弾性的に押しつける弾性要素（２７）
   と、を備える引っ張り装置において、 上記支持プレート（２）及び上記ピボット（３）は一体
   に形成されていることを特徴とする引っ張り装置。
2. 【請求項２】請求項１の引っ張り装置であって、前記支
   持プレート（２）及び前記ピボット（３）はアルミニウ
   ムから作られていることを特徴とする引っ張り装置。
3. 【請求項３】請求項１又は２の引っ張り装置であって、
   前記中間管状要素（１５）は、 前記第２の軸（Ｂ）と同軸の円筒状外表面（２３）と、 上記中間管状要素（１５）の上記外表面（２３）と前記
   プーリ（４）との間に介挿されているベアリング手段
   （２６）と、を備えることを特徴とする引っ張り装置。
4. 【請求項４】請求項１〜３のいずれか１の引っ張り装置
   であって、 前記ピボット（３）と前記中間管状要素（１５）との間
   に介挿されている円筒状ブッシュ（１４）を備え、上記
   ブッシュ（１４）は、上記ピボット（３）の外表面（２
   ０）と摩擦的に共働する内表面（２１）を有することを
   特徴とする引っ張り装置。
5. 【請求項５】請求項１〜４のいずれか１の引っ張り装置
   であって、 前記支持プレート（２）は、締結手段（９）を有する締
   結部分（１０）と、上記締結部分から延びる突出部分
   （１３）と、を有し、該突出部分（１３）は、上記締結
   手段（９）から離隔されている前記ピボット（３）を支
   持することを特徴とする引っ張り装置。