JPH10251318A - 活性光線重合性組成物及びその用途 - Google Patents

活性光線重合性組成物及びその用途

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JPH10251318A
JPH10251318A JP9056452A JP5645297A JPH10251318A JP H10251318 A JPH10251318 A JP H10251318A JP 9056452 A JP9056452 A JP 9056452A JP 5645297 A JP5645297 A JP 5645297A JP H10251318 A JPH10251318 A JP H10251318A
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actinic ray
polymerizable composition
polymerizable
substituent
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JP9056452A
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English (en)
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Takashi Okubo
隆 大久保
Masataka Takeuchi
正隆 武内
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合性の良好な活性光線重合性組成物の提
供。高イオン伝導性で安定性の良好な高分子固体電解質
の提供。高容量、高電流で作動でき、高寿命で信頼性に
優れ安価に製造できる一次電池及び二次電池の提供。出
力電圧が高く、取り出し電流が大きく、加工性が良好
で、高寿命で信頼性に優れ安価に製造できる電気二重層
コンデンサの提供。 【解決手段】 重合することにより架橋及び/または側
鎖形構造を有する高分子となる重合性官能基を有する少
なくとも一種の重合性化合物、少なくとも一種の電解
質、可視光または近赤外領域に吸収を持ち、増感作用及
び活性光線開始作用を持つ化合物を含むことを特徴とす
る活性光線重合性組成物。該組成物から得られる高分子
固体電解質、電池用または電気二重層コンデンサ用電
極。該組成物もしくは該高分子固体電解質を用いること
を特徴とする電池、電気二重層コンデンサ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オキシアルキレ
ン、フルオロカーボン及び/またはオキシフルオロカー
ボン鎖を主成分とする架橋及び/または側鎖基を有する
高分子及び電解質を含む高イオン伝導性高分子固体電解
質を得る為の活性光線重合性組成物及び該活性光線重合
性組成物を重合することによって得られる高分子固体電
解質に関する。また本発明は該活性光線重合性組成物及
び/または該高分子固体電解質を用いた電池及び電気二
重層コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】アイオニクス分野でのダウンサイジン
グ、全固体化という流れの中で、従来の電解質溶液にか
わる新しいイオン伝導体として、固体電解質を用いた全
固体一次電池や二次電池及び電気二重層コンデンサへの
応用が盛んに試みられている。現在の電解質溶液を用い
た電池では、部品外部への液漏れあるいは電極物質の溶
出などが発生しやすいために長期信頼性に問題がある。
それに対して、固体電解質を用いた製品はそのような問
題がなく、また薄型化することも容易である。さらに固
体電解質は耐熱性にも優れており、電池などの製品の作
製工程においても有利である。
【0003】特に高分子を主成分とした固体電解質を使
用したものは、無機物に比較して、電池の柔軟性が増
し、種々の形状に加工できるというメリットがある。し
かしながら、これまで検討されてきたものは、高分子固
体電解質のイオン伝導度が低いため、取り出し電流が小
さいという問題を残していた。これら高分子電解質の例
として、「ブリティッシュ・ポリマー・ジャーナル(B
r. Polym. J. ),第319巻、137頁、1975
年」には、ポリエチレンオキサイドと無機アルカリ金属
塩との複合物がイオン伝導性を示すことが記載されてい
るが、その室温でのイオン伝導度は10-7S/cmと低
い。
【0004】最近、オリゴオキシエチレンを側鎖に導入
した櫛型高分子が、イオン伝導性を担っているオキシエ
チレン鎖の熱運動性を高め、イオン伝導性が改良される
ことが多数報告されている。例えば、「ジャーナル・オ
ブ・フィジカル・ケミストリイ(J. Phys. Chem.)、第
89巻、987頁、1984年」には、ポリメタクリル
酸の側鎖にオリゴオキシエチレンを付加したものにアル
カリ金属塩を複合化した例が記載されている。さらに、
「ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエテ
ィ(J. Am. Chem. Soc. )、第106巻、6854頁、
1984年」には、オリゴオキシエチレン側鎖を有する
ポリホスファゼンにアルカリ金属塩を複合化した例が記
載されているが、イオン伝導度は10-5S/cm程度と
まだ不十分であった。
【0005】米国特許第4357401号公報にはヘテ
ロ原子を含有する架橋ポリマーとイオン化可能な塩から
なる高分子固体電解質が結晶性が低下し、ガラス転移点
が低く、イオン伝導度が改善されることを報告している
が、10-5S/cm程度とまだ不十分であった。最近、
LiCoO2 、LiNiO2 、LiMnO2 、MoS2
等の金属酸化物、金属硫化物を正極に用いたリチウム二
次電池が多く研究されている。例えば、「ジャーナル・
オブ・エレクトロケミカル・ソサイエティ (J. Electro
chem. Soc.) 、第138巻(No.3)、665頁、1
991年」には、MnO2 あるいはNiO2 を正極とす
る電池が報告されている。これらは、重量当りもしくは
体積当りの容量が高く、注目されている。また、導電性
高分子を電極活物質として用いる電池についての報告も
多く、例えば、ポリアニリン類を正極に用いたリチウム
二次電池は「第27回電池討論会、3A05L及び3A
06L、1986年」で報告されているように、ブリヂ
ストン社及びセイコー社により、バックアップ電源用途
のコイン型電池として既に上市されている。またポリア
ニリンは、高容量で柔軟性の優れた正極活物質として注
目されている。
【0006】さらに、近年、メモリーバックアップ電源
用などに、活性炭、カーボンブラックなど比表面積の大
きい炭素材料を分極性電極として、その間にイオン伝導
性溶液を配置する電気二重層コンデンサが多用されてき
ている。例えば、「機能材料1989年2月号33頁」
には、炭素系分極性電極と有機電解液を用いたコンデン
サが、「第173回エレクトロケミカルソサエティ・ミ
ーティング・アトランタ・ジョージア,5月号,No.
18,1988年」には、硫酸水溶液を用いた電気二重
層コンデンサが記載されている。また、特開昭63−2
44570号公報では、高電気伝導性を有するRb2
33 Cl7 を無機系固体電解質として用いるコンデ
ンサが開示されている。しかしながら、現在の電解質溶
液を用いた電気二重層コンデンサでは、長期間の使用や
高電圧が印加される場合などの異常時には、コンデンサ
の外部への液漏れなどが発生し易いために長期使用や信
頼性に問題がある。一方、従来の無機系イオン伝導性物
質を用いた電気二重層コンデンサは、イオン伝導性物質
の分解電圧が低く、出力電圧が低いという問題があっ
た。
【0007】特開平4−253771号公報では、ポリ
ホスファゼン系高分子を電池や電気二重層コンデンサの
イオン伝導性物質として用いることを提示しており、こ
のような高分子を主成分とした固体イオン伝導性物質を
使用したものは、無機系イオン伝導性物質に比較して出
力電圧が高く、種々の形状に加工でき、封止も簡単であ
るというメリットがある。しかしながら、この場合で
は、高分子固体電解質のイオン伝導度が10-4〜10-6
S/cmと充分ではなく、取り出し電流が小さいという
欠点があった。また、固体電解質を分極性電極とともに
コンデンサに組み立てる場合には、固体同士の混合であ
ることから、比表面積の大きい炭素材料に均一に複合す
るのが難しいという問題もあった。一般的に検討されて
いる高分子固体電解質のイオン伝導度は、室温における
値で10-4〜10-5S/cm位まで改善されたものの、
液体系イオン伝導性物質に比較するとなお二桁以上低い
レベルである。また、0℃以下の低温になると、一層極
端にイオン伝導性が低下する。更に、これらの固体電解
質を電気二重層コンデンサ等の素子に組み込む場合や、
これらの固体電解質を薄膜にして電池に組み込む場合、
電極との複合化や接触性確保等の加工技術が難しく製造
法でも問題点があった。
【0008】J.Appl.Electroche
m.,No.5,63〜69ページ(1975年)に記
載されているように、ポリアクリロニトリルやポリフッ
化ビニリデンゲル等の熱可塑性高分子及び/または架橋
高分子に溶媒及び電解質を加えたいわゆる高分子ゲル電
解質は高イオン伝導度となることが報告されている。ま
た、特公昭58−36828号公報にはポリメタクリル
酸アルキルエステルに溶媒及び電解質を加えた同様の高
分子ゲル電解質は高イオン伝導度となることが報告され
ている。しかしながらこれら高分子ゲル電解質は高イオ
ン伝導度であるが、流動性を付与することとなるため、
完全な固体としては取り扱えず、膜強度や成膜性に劣
り、電気二重層コンデンサや電池に応用すると短絡が起
こり易いうえ、液体系イオン伝導性物質同様に封止上の
問題が発生する。一方、米国特許第4792504号公
報にポリ酸化エチレンの連続ネットワーク中に金属塩及
び非プロトン性溶剤からなる電解液が含浸された架橋系
高分子固体電解質を用いることにより、イオン伝導度が
改善されることが提案されている。しかしながら溶剤が
添加されているが、イオン伝導度は10-4S/cmとま
だ不十分で溶剤が添加されたため、膜強度が低下すると
いう問題が生じた。
【0009】これらの問題を解決するために、本発明者
らはウレタン結合を有するオキシアルキレン基を含有す
る(メタ)アクリレートモノマー混合物を用いた重合体
及び電解質からなる複合体を用いたイオン伝導性の高分
子固体電解質(特開平6−187822)を提案した。
この高分子固体電解質のイオン伝導度は、溶媒未添加で
10-4S/cm(室温)であり高いレベルであるが、さ
らに溶媒を添加すると、室温またはそれより低温であっ
ても10-3S/cm以上となり、また膜質も自立膜とし
て得られる程度に改善された。また、このモノマーは重
合性が良好で、電池や電気二重層コンデンサに応用する
場合、モノマー状態で電池や電気二重層コンデンサに組
込んだ後に加熱や活性光線で重合固体化し、電極との密
着性の良好な高分子固体電解質ができるという加工上の
メリットもあった。また、米国特許第4830939号
公報や特開昭58−82477号公報、特開昭63−9
4563号公報においても(メタ)アクリレート系モノ
マー、スチレン誘導体等のビニル化合物を適当な開始剤
の存在下で活性光線で重合して高分子固体電解質とする
ことが報告されている。
【0010】従来、活性光線による重合は塗膜の硬化、
印刷用、半導体レジスト等で多方面にわたり使用されて
いる。特にその硬化法は省エネルギー、地球環境問題、
経済性の観点からも盛んにその応用分野が研究開発され
ている。印刷インキの硬化(例えば、特開平1−229
084号、特開平2−22370号)について紫外光重
合開始剤を含むインキの検討が進められている。しかし
ながら、顔料や紫外線遮蔽効果の高い染料等を含んだ重
合性組成物は紫外光の透過が問題となり、重合性組成物
の表面だけ硬化し内部は硬化しないという問題があっ
た。また、着色物に至っては、概ね紫外部に吸収を持つ
ものが多く、厚みのあるものでは内部の硬化不良が問題
となっていた。同様に電極内部の高分子固体電解質用重
合性組成物を経済的に有利である活性光線重合開始剤で
硬化させようとしても、一般的な紫外活性光線重合開始
剤は電極材料により活性光線が遮蔽され、電極材料内部
にある重合性組成物が重合不十分であるという問題があ
った。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、重合性の良
好な活性光線重合性組成物を提供することを目的とす
る。また、本発明は、高イオン伝導性で安定性の良好な
高分子固体電解質を提供することを目的とする。さらに
本発明は高容量、高電流で作動でき、高寿命で信頼性に
優れ安価に製造できる一次電池及び二次電池を提供する
ことを目的とする。また、本発明は出力電圧が高く、取
り出し電流が大きく、加工性が良好で、高寿命で信頼性
に優れ安価に製造できる電気二重層コンデンサを提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは可視光また
は近赤外領域に吸収を持つ増感作用及び活性光線開始作
用を持つ化合物が電極内部または可視または近赤外領域
の電磁波を透過する材料内部での活性光線重合開始能力
が高いことを見い出した。本発明者らはさらに一般式
(4)及び/または一般式(5) CH2=C(R9 )COO−R10− (4) CH2=C(R11)CO[OR12x NHCOO−R13− (5) [式中、R9 、R11は水素またはアルキル基を表し、R
10、R13はオキシアルキレン、フルオロカーボン及び/
またはオキシフルオロカーボンを含む2価の基、R12
炭素数10以下の2価の基を表わす。該2価の基はヘテ
ロ原子を含んでいてもよく、直鎖状、分岐状、環状構造
のいずれからなるものでもよい。xは0または1〜10
の数値を示す。但し、同一分子中の複数個の上記一般式
(4)、一般式(5)で表される重合性官能基中のR9
〜R13及びxの値は、それぞれ独立であり、同じである
必要はない。]で表わされる重合性官能基を有する活性
光線重合性化合物が重合性が良好で、少ない開始剤添加
量においても残存二重結合が少なく、重合が完全に進む
ことを見出した。
【0013】そしてこれら重合開始剤と重合性化合物を
組合せることにより、安定で重合性の良好な活性光線重
合性組成物が得られることを見出した。さらに本発明者
らは上記活性光線重合性組成物から得られる架橋及び/
または側鎖基を有する高分子及び電解質を含む高分子固
体電解質が高イオン伝導性で安定性が良好であることを
見出した。さらに本発明者らは、電極材内部や可視また
は近赤外領域の電磁波を透過する材料内部に上記高分子
固体電解質を用いた一次電池、二次電池及び電気二重層
コンデンサが加工性が良好で、高容量、高電流で作動で
き、高寿命で信頼性に優れていることを見出した。
【0014】即ち本発明は、以下のものを開発すること
により、上記目的を達成した。 [1] 重合することにより架橋及び/または側鎖形構
造を有する高分子となる重合性官能基を有する少なくと
も一種の重合性化合物及び少なくとも一種の電解質を含
む活性光線重合性組成物において、可視光または近赤外
領域に吸収を持ち、増感作用及び活性光線開始作用を持
つ化合物を含むことを特徴とする活性光線重合性組成
物。 [2] 以下の一般式(1)で表わされる少なくとも一
種のカチオン染料及び一般式(2)で示される少なくと
も一種の4級ホウ素塩系増感剤を含むことを特徴とする
前記[1]記載の活性光線重合性組成物。 一般式(1):D+ ・A- [式中D+ は可視光から近赤外光までの任意の波長領域
に吸収をもつカチオンであり、A- は任意のアニオンを
示す。] 一般式(2):
【化3】 [式中R1 ,R2 ,R3 及びR4 はそれぞれ独立して置
換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良い
アリール基、置換基を有しても良いアリル基、置換基を
有しても良いアラルキル基、置換基を有しても良いアル
ケニル基、置換基を有しても良いアルキニル基、置換基
を有しても良いシリル基、複素環基、ハロゲン原子を示
し、Z+ は4級アンモニウムカチオン、4級ピリジニウ
ムカチオン、4級キノリニウムカチオン、ホスホニウム
カチオン、スルホニウムカチオン、オキソスルホニウム
カチオン、ヨードニウムカチオン、または金属イオンを
示す。]
【0015】[3] カチオン染料のアニオン部が一般
式(3)で示される4級ホウ素アニオンである前記
[2]記載の活性光線重合性組成物。 一般式(3):
【化4】 [式中R5 ,R6 ,R7 及びR8 はそれぞれ独立して置
換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良い
アリール基、置換基を有しても良いアリル基、置換基を
有しても良いアラルキル基、置換基を有しても良いアル
ケニル基、置換基を有しても良いアルキニル基、置換基
を有しても良いシリル基、複素環基、ハロゲン原子を示
す。] [4] 少なくとも一種の紫外可視光重合開始剤を含む
前記[1]〜[3]のいずれか記載の活性光線重合性組
成物。
【0016】[5] 重合性化合物が以下の一般式
(4)及び/または一般式(5) CH2=C(R9 )COO−R10− (4) CH2=C(R11)CO[OR12x NHCOO−R13− (5) [式中、R9 、R11は水素またはアルキル基を表し、R
10、R13はオキシアルキレン、フルオロカーボン及び/
またはオキシフルオロカーボンを含む2価の基、R12
炭素数10以下の2価の基を表わす。該2価の基はヘテ
ロ原子を含んでいてもよく、直鎖状、分岐状、環状構造
のいずれからなるものでもよい。xは0または1〜10
の数値を示す。但し、同一分子中の複数個の上記一般式
(4)、一般式(5)で表される重合性官能基中のR9
〜R13及びxの値は、それぞれ独立であり、同じである
必要はない。]で表わされる重合性官能基を有すること
を特徴とする前記[1]〜[4]のいずれか記載の活性
光線重合性組成物。
【0017】[6] 少なくとも一種の溶媒を含む前記
[1]〜[5]のいずれか記載の活性光線重合性組成
物。 [7] 少なくとも一種の大きさが0.01〜100μ
mのフィラーを含む前記[1]〜[6]のいずれか記載
の活性光線重合性組成物。 [8] 電解質が、アルカリ金属塩、4級アンモニウム
塩、4級ホスホニウム塩、遷移金属塩、またはプロトン
酸から選ばれた少なくとも一種である前記[1]〜
[7]のいずれか記載の活性光線重合性組成物。 [9] 前記[1]〜[8]のいずれか記載の活性光線
重合性組成物を活性光線で重合することによって得られ
る高分子固体電解質。 [10] 前記[1]〜[8]のいずれか記載の活性光
線重合性組成物を活性光線で重合することを特徴とする
高分子固体電解質の製造方法。 [11] 前記[1]〜[8]のいずれか記載の活性光
線重合性組成物の少なくとも一種から得られた重合体及
び/または該化合物を共重合成分とした共重合体、並び
に電極活物質または分極性材料を含むことを特徴とする
電池用または電気二重層コンデンサ用電極。
【0018】[12] 前記[1]〜[8]のいずれか
記載の活性光線重合性組成物、前記[9]記載の高分子
固体電解質及び/または前記[11]記載の電極を用い
ることを特徴とする電池。 [13] 電池の負極がリチウム合金及び/またはリチ
ウムイオンを吸蔵放出できる炭素材料からなる前記[1
2]記載の電池。 [14] 電池の正極が導電性高分子、金属酸化物、金
属硫化物及び/または炭素材料からなる前記[12]ま
たは[13]記載の電池。 [15] 前記[1]〜[8]のいずれか記載の活性光
線重合性組成物、前記[9]記載の高分子固体電解質及
び/または前記[11]記載の電極を用いることを特徴
とする電気二重層コンデンサ。 [16] 前記[1]〜[8]のいずれか記載の活性光
線重合性組成物の少なくとも一種を電池構成用構造体内
に入れ、または支持体上に配置し、かかる活性光線重合
性組成物を重合することを特徴とする電池の製造方法。 [17] 前記[1]〜[8]のいずれか記載の活性光
線重合性組成物の少なくとも一種を電気二重層コンデン
サ構成用構造体内に入れ、または支持体上に配置し、か
かる活性光線重合性組成物を重合することを特徴とする
電気二重層コンデンサの製造方法。
【0019】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
活性光線重合性組成物に用いられる以下の一般式(1) 一般式(1):D+ ・A- [式中D+ は可視光から近赤外光までの任意の波長領域
に吸収をもつカチオンであり、A- は任意のアニオンを
示す。]で表されるカチオン染料及び一般式(2) 一般式(2):
【化5】 [式中R1 ,R2 ,R3 及びR4 はそれぞれ独立して置
換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良い
アリール基、置換基を有しても良いアリル基、置換基を
有しても良いアラルキル基、置換基を有しても良いアル
ケニル基、置換基を有しても良いアルキニル基、置換基
を有しても良いシリル基、複素環基、ハロゲン原子を示
し、Z+ は4級アンモニウムカチオン、4級ピリジニウ
ムカチオン、4級キノリニウムカチオン、ホスホニウム
カチオン、スルホニウムカチオン、オキソスルホニウム
カチオン、ヨードニウムカチオン、または金属イオンを
示す。]で表される4級ホウ素塩系増感剤のアニオン部
の具体例としては、n−ブチルトリフェニルボレート、
n−オクチルトリフェニルボレート、n−ドデシルトリ
フェニルボレート、sec−ブチルトリフェニルボレー
ト、t−ブチルトリフェニルボレート、ベンジルトリフ
ェニルボレート、n−ブチルトリアニシルボレート、n
−オクチルトリアニシルボレート、n−ドデシルトリア
ニシルボレート、n−ブチルトリ(4−トリル)ボレー
ト、n−ブチルトリ(2−トリル)ボレート、n−ブチ
ルトリ(4−t−ブチルフェニル)ボレート、n−ブチ
ルトリ(4−フルオロ−2−メチルフェニル)ボレー
ト、n−ブチルトリ(4−フルオロフェニル)ボレー
ト、n−ブチルトリナフチルボレート、トリフェニルシ
リルトリフェニルボレート、ジフェニルメチルシリルト
リフェニルボレート、ジメチルフェニルシリルトリフェ
ニルボレート、トリメチルシリルトリフェニルボレー
ト、テトラ−n−ブチルボレート、ジ−n−ブチルジフ
ェニルボレート、テトラベンジルボレート等があげられ
る。
【0020】また、前記一般式(2)で表される4級ホ
ウ素塩系増感剤のカチオン部の具体例としては、テトラ
メチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テト
ラ−n−ブチルアンモニウム、テトラオクチルアンモニ
ウム、メチルキノリニウム、エチルキノリウム、メチル
ピリジニウム、エチルピリジニウム、テトラメチルホス
ホニウム、テトラ−n−ブチルホスホニウム、トリメチ
ルスルホニウム、トリフェニルスルホニウム、トリメチ
ルスルホキソニウム、ジフェニルヨードニウム、ジ(4
−t−ブチルフェニル)ヨードニウム、リチウム、ナト
リウム等が挙げられる。これらのアニオン部とカチオン
部は任意に組み合わせて本発明に使用することができ
る。また本発明はこれらの例に限定されることはなく、
これらの4級ホウ素塩系増感剤は2種以上組み合わせて
使っても差し支えない。これら4級ホウ素塩系増感剤の
好ましい添加量としては、活性光線重合性化合物中、1
0〜100000ppmであり、10〜10000pp
mが特に好ましく、10〜1000ppmがさらに好ま
しい。
【0021】本発明の一般式(1)に示されるカチオン
染料のカチオン部の具体例としては、表1〜3で示され
るものがある。また本発明の一般式(1)に示されるカ
チオン染料の好ましい添加量としては、活性光線重合性
化合物中、10〜100000ppmであり、10〜1
0000ppmが特に好ましく、10〜1000ppm
がさらに好ましい。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】また、本発明に使用される紫外及び可視光
ラジカル重合開始剤としては紫外光及び可視光の照射に
より、励起されてラジカルを発生するタイプの通常の光
重合開始剤が用いられる。そのようなものとしては例え
ば一般式(6)に示される構造の化合物が挙げられる。 一般式(6):Ar−CO−X [式中、Arは置換基を有してもよいアリール基を示
し、Xはアルキル基、ヒドロキシ置換アルキル基、ハロ
ゲン置換アルキル基、アルコキシ置換アルキル基、モル
ホリノ置換アルキル基、アミノ置換アルキル基、ベンジ
ル基、ヒドロキシ置換ベンジル基、アルコキシ置換ベン
ジル基、アルコキシカルボニル基、置換基を有しても良
いアリール基、置換基を有するホスフィノイル基を示
す。]
【0026】一般式(6)の具体例としてはベンゾイン
イソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタ
ール等のベンゾイン系化合物、ジエトキシアセトフェノ
ン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2
−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−t−ブチ
ル−トリクロロアセトフェノン、2−メチル−1−[4
−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノ
ン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4
−モルホリノフェニル)−ブタノン−1等のアセトフェ
ノン系化合物、メチルフェニルグリオキシレート等のグ
リオキシエステル系化合物、2,4,6−トリメチルベ
ンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,
6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル
ペンチルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオ
キサイド系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香
酸、ベンゾイル安息香酸メチル、ヒドロキシベンゾフェ
ノン、4−フェニルベンゾフェノン、アクリル化ベンゾ
フェノン等のベンゾフェノン系化合物等があげられる。
【0027】一般にベンゾイン系化合物、アセトフェノ
ン系化合物、グリオキシエステル系化合物や、アシルホ
スフィンオキサイド系化合物のようにP1型光開始剤と
呼ばれる化合物はそれ単独でも使用可能であるが、P2
型光開始剤であるベンゾフェノン系等の紫外光ラジカル
重合開始剤は水素供与性化合物と併用して用いられる。
水素供与性化合物とは光によって励起された開始剤に水
素を供与できる化合物をいい、例えばトリエタノールア
ミン、メチルジエタノールアミン等の脂肪族アミン、2
−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ
安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソブチ
ル、4,4−ジメチルアミノベンゾフェノン等の芳香族
アミン類が挙げられる。これらの紫外光ラジカル重合開
始剤は単独または2種類以上を混合して用いることもで
きる。また本発明の紫外光ラジカル重合開始剤の好まし
い添加量としては、活性光線重合性化合物中、10〜1
00000ppmであり、10〜10000ppmが特
に好ましく、10〜1000ppmがさらに好ましい。
【0028】また、本発明の光硬化性材料は、保存時の
重合を防止する目的で、熱重合防止剤を添加することが
可能である。本発明の光硬化性材料に添加可能な熱重合
防止剤の具体例としては、p−メトキシフェノール、ハ
イドロキノン、アルキル置換ハイドロキノン、カテコー
ル、t−ブチルカテコール、フェノチアジン等をあげる
ことができる。
【0029】本発明で用いる活性光線としては、前記一
般式(1)で表わされる可視光から近赤外領域に吸収を
持つカチオン染料、一般式(2)で示される4級ホウ素
塩系増感剤、一般式(6)で示される紫外可視光重合開
始剤、一般式(4)及び/または(5)で表される官能
基を有する重合性化合物等の種類により限定できない
が、例えば数mW以上の紫外光〜近赤外光線を用いるこ
とができる。活性光線重合性組成物中に紫外可視光重合
開始剤を含む場合は例えば、200〜400nmの波長
の紫外光と400〜740nmの波長の可視光を同時、
あるいは別々に照射して活性光線重合性化合物を硬化す
ることができる。200〜400nmの紫外光を発する
光源としては、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メ
タルハライドランプ、ショートアークメタルハライドラ
ンプ、キセノンランプ、エキシマレーザー等を例示する
ことができる。一方400〜740nmの可視光を発す
る光源としては、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、
メタルハライドランプ、ショートアークメタルハライド
ランプ、キセノンランプ、ナトリウムランプ、ハロゲン
ランプ、白熱電球、太陽光、半導体レーザー等が例示さ
れる。高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハラ
イドランプ、ショートアークメタルハライドランプ、キ
セノンランプ等のように200〜400nmの紫外光と
400〜740nmの可視光を高出力で同時に発する光
源を用いる場合、1種の光源で完全に硬化することも可
能である。
【0030】上記光源のうち、高圧水銀ランプ、超高圧
水銀ランプ、メタルハライドランプ、ショートアークメ
タルハライドランプ、キセノンランプは電球、もしくは
発光管中に光等の電磁波を放射しやすい原子構造をもつ
物質を加熱して蒸気状にし、外部から放電等により大き
なエネルギーを与えることにより光を発生する光源であ
る。詳しくは「紫外線硬化システム」(加藤 清視著
学会出版センター 1989年刊)p375〜394、
「光工学ハンドブック」(朝倉書店 1986年刊)p
465〜469に記載されている。一方白熱電球、ハロ
ゲンランプは電球、もしくは発光管中の発熱体を電流に
よって白熱状態に加熱して光を放射するタイプの光源で
ある。通常前記発熱体としてはタングステンフィラメン
トが使用されている。詳しくは「光工学ハンドブック」
(朝倉書店 1986年刊)p462〜463に記載さ
れている。
【0031】本発明の重合性組成物に用いられるオキシ
アルキレン、フルオロカーボン、オキシフルオロカーボ
ンを有する一般式(4)、一般式(5)で表される官能
基を有する重合性化合物中のオキシアルキレン、フルオ
ロカーボン、オキシフルオロカーボン鎖数、例えば前記
一般式(4)、一般式(5)におけるR10、R13中に含
まれるオキシアルキレン、フルオロカーボン、オキシフ
ルオロカーボン基の繰り返し数は1〜1000の範囲が
好ましく、1〜50の範囲が特に好ましい。
【0032】本発明の重合性組成物または高分子固体電
解質に用いられるオキシアルキレン基を有した一般式
(4)で表される官能基を有する化合物を合成する方法
に特に限定はないが、例えば、酸クロライドと末端にヒ
ドロキシル基を有するオリゴオキシアルキレンオールと
を反応させることにより容易に得られる。例えば、一般
式(4)で表される官能基を1つ有する化合物は、酸ク
ロライドとモノアルキルオリゴオキシアルキレングリコ
ールとを以下の様な反応式で、1:1のモル比で反応さ
せることにより、容易に得られる。 CH2=C(R9 )COCl + HO( CH2 CHR14
O)m15→ CH2=C(R9 )COO( CH2 CHR14
O)m15 [ただし、式中R9 は一般式(4)と同じ。]
【0033】例えば、一般式(4)で表わされる官能基
を2つ有する化合物は、酸クロライドとオリゴオキシア
ルキレングリコールとを以下の様な反応式で、2:1の
モル比で反応させることにより、容易に得られる。 2CH2=C(R9 )COCl + HO( CH2 CHR
14O)mH→ CH2=C(R9 )COO( CH2 CHR14
O)mCOC(R9 )= CH2 [ただし、式中R9 は一般式(4)と同じ。]
【0034】本発明の重合性組成物または高分子固体電
解質に用いられるオキシアルキレン基を有し、一般式
(5)で表される官能基を有する化合物を合成する方法
に特に限定はないが、例えば CH2=C(R11)CO[OR12x NCO [ただし、式中R11、R12、xは一般式(5)と同
じ。]で表されるイソシアネート化合物と末端にヒドロ
キシル基を有するオリゴオキシアルキレンオールとを反
応させることにより容易に得ることができる。
【0035】具体的方法として一般式(5)で表される
官能基を一つ有する化合物は、例えば、メタクリロイル
イソシアナート系化合物(以下MI類と略記する。)あ
るいはアクリロイルイソシアナート系化合物(以下AI
類と略記する。)とモノアルキルオリゴアルキレングリ
コールとを、以下の反応の様に1:1のモル比で反応さ
せることにより、容易に得られる。 CH2=C(R11)COO( CH2)2 NCO + HO(
CH2 CHR14O)m15→ CH2=C(R11)COO(
CH2)2 NHCOO( CH2 CHR14O)m15
【0036】また一般式(5)で表される官能基を二つ
有する化合物は、例えば、MI類あるいはAI類とオリ
ゴアルキレングリコールとを、2:1のモル比で反応さ
せることにより、容易に得られる。また、一般式(5)
で表される官能基を三つ有する化合物は、例えばMI類
及び/またはAI類と、グリセリン等の3価アルコール
にアルキレンオキサイドを付加重合させたトリオールと
を、3:1のモル比で反応させることにより、容易に得
られる。また、一般式(5)で表される官能基を四つ有
する化合物は、例えばMI類及び/またはAI類と、ペ
ンタエリスリトール等の4価アルコールにアルキレンオ
キサイドを付加重合させたテトラオールとを4:1のモ
ル比で反応させることにより、容易に得られる。
【0037】また、一般式(5)で表される官能基を五
つ有する化合物は、例えばMI類及び/またはAI類
と、α−D−グルコピラノースにアルキレンオキサイド
を付加重合させたペンタオールとを、5:1のモル比で
反応させることにより、容易に得られる。また、一般式
(5)で表される官能基を六つ有する化合物は、例えば
MI類及び/またはAI類と、マンニットにアルキレン
オキサイドを付加重合させたヘキサオールとを6:1の
モル比で反応させることにより、容易に得られる。
【0038】また本発明のフルオロカーボン基及び/ま
たはオキシフルオロカーボン基を有する一般式(4)あ
るいは(5)で表される重合性官能基を有する化合物を
合成する方法に特に限定はないが、例えば、酸クロライ
ドや CH2=C(R9 )CO[O(CH2x (CH(CH
3 ))yz NCO [ただし、式中R9 は一般式(4)と同じ。x及びyは
それぞれ0または1〜5の整数を、zは0または1〜1
0の数値を示す。但しx=0及びy=0のときはz=0
である。また(CH2 )と(CH(CH3 ))は不規則
に配列してもよい。]で表される化合物とフルオロカー
ボン基及び/またはオキシフルオロカーボン基を有する
ヒドロキシ化合物の反応により得ることができる。
【0039】具体的方法として1つのエチレン性不飽和
基を有する化合物、即ち一般式(5)で表される重合性
官能基を1つ有する化合物は、例えば、MI類あるいは
AI類と2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロ-1- ブタノール
のようなモノオールとを以下の様な反応式で1:1のモ
ル比で反応させることにより、容易に得られる。 CH2=C(R9 )COO( CH2)2 NCO + CF
3(CF2)2 CH2 OH→ CH2=C(R9 )COO( C
2)2 NHCOOCH2(CF2)2 CF3
【0040】また2つのエチレン性不飽和基を有する化
合物、即ち一般式(4)あるいは(5)で表される重合
性官能基を2つ有する化合物は、例えば、MI類あるい
はAI類と2,2,3,3-テトラフルオロ-1,4- ブタンジオー
ルのようなジオールとを以下の様な反応式で、2:1の
モル比で反応させることにより、容易に得られる。 2CH2=C(R9 )COO( CH2)2 NCO+HOCH
2(CF2)2 CH2 OH→ {CH2=C(R9 )COO(
CH2)2 NHCOOCH2 CF2 −}2
【0041】同様に本発明の高分子固体電解質の構成成
分であるオキシアルキレン、フルオロカーボン、オキシ
フルオロカーボン架橋または側鎖形構造を有する高分子
としては、前記一般式(4)あるいは(5)で表される
官能基を有する活性光線重合性化合物を重合することに
より得られる高分子が好ましい。一般式(4)あるいは
(5)で表される官能基を1つしか有さない化合物を重
合してできる高分子は、架橋構造を有しておらず、膜強
度不足のため、薄膜にすると短絡する危険が大きい。従
って、一般式(4)あるいは(5)で表される官能基を
2つ以上有する重合性化合物と共重合し、架橋させる
か、一般式(4)あるいは(5)で表される官能基を2
つ以上有する重合性化合物から得られる高分子と併用す
る方が好ましい。これら高分子を薄膜として使用する場
合、その強度から考慮して、1分子中に含まれる一般式
(4)あるいは(5)で表される官能基の数は、3つ以
上がより好ましい。
【0042】また前記一般式(4)で表される官能基を
有する化合物の中で、一般式(5)で表される官能基を
有する化合物が重合性が良好であり、また高分子中にウ
レタン基を多く導入でき、誘電率が高くなり、高分子固
体電解質とした場合のイオン伝導度が高くなり好まし
い。さらに薄膜にしたときの膜強度も大きく、電解液の
包含量が多く、好ましい。本発明の高分子固体電解質の
構成成分としての高分子は、一般式(4)または(5)
で表される官能基を有する化合物の単独重合体であって
も、該カテゴリーに属する2種以上の共重合体、あるい
は該化合物の少なくとも一種と他の重合性化合物との共
重合体が好ましい。
【0043】前記一般式(4)または(5)で表される
官能基を有する化合物と共重合可能な他の重合性化合物
としては、特に制限はない。例えば、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸n−ブチル等の(メタ)アクリル酸エス
テル、各種ウレタンアクリレート、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、
N,N−ジメチルメタクリルアミド、炭酸ビニレン、
(メタ)アクリロイルカーボネート、N−ビニルピロリ
ドン、アクリロイルモルホリン、メタクリロイルモルホ
リン、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリ
ルアミド等の(メタ)アクリルアミド系化合物、スチレ
ン、α−メチルスチレン等のスチレン系化合物、N−ビ
ニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド等のN−ビ
ニルアミド系化合物、エチルビニルエーテル等のアルキ
ルビニルエーテルを挙げることができる。これらの中で
好ましいのは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、
ウレタン(メタ)アクリレートで、ウレタン(メタ)ア
クリレートが重合性という観点で特に好ましい。
【0044】前記一般式(4)または(5)で表される
官能基を有する化合物の少なくとも一種から得られる重
合体及び/または該化合物を共重合成分とする共重合体
を、本発明のような高分子固体電解質の高分子に用いる
場合には、重合性組成物を支持体上に成膜後に重合する
ことが有利である。即ち、例えば前記一般式(4)また
は(5)で表される官能基を有する化合物の少なくとも
一種と一般式(1)で表わされる少なくとも一種の可視
光から近赤外領域に吸収を持つカチオン染料、一般式
(2)で示される少なくとも一種の4級ホウ素塩系増感
剤及び少なくとも一種の紫外可視光重合開始剤とアルカ
リ金属塩、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩ま
たは遷移金属塩のごとき少なくとも一種の電解質とを混
合し、場合によっては、さらに他の重合性化合物及び/
または可塑剤及び/または溶媒及び/または各種フィラ
ーを添加混合し重合性組成物を調製し、膜状等の形状に
成形後に、活性光線を照射して重合させ、膜状重合物と
することにより、加工面での自由度が広がり、応用上の
大きなメリットとなる。
【0045】用いる活性光線は、前記一般式(1)で表
わされる少なくとも一種の可視光から近赤外領域に吸収
を持つカチオン染料、一般式(2)で示される少なくと
も一種の4級ホウ素塩系増感剤及び一般式(6)で示さ
れる少なくとも一種の紫外可視光重合開始剤で表される
重合開始剤、一般式(4)及び/または(5)で表され
る官能基を有する重合性化合物の種類により、限定でき
ないが、例えば数mW以上の紫外光、可視光線を挙げる
ことができる。
【0046】本発明の高分子固体電解質に用いる高分子
は、前記のように共重合体であってもよいが、その場
合、前記一般式(4)または(5)で表される官能基を
有する化合物由来の構造単位の量は、その他の共重合成
分あるいは重合体混合物成分の種類によって異なるが、
高分子固体電解質に用いたときのイオン伝導度および膜
強度、耐熱性、電流特性を考慮すると、この共重合体ま
たは重合体混合物全量に対し10重量%以上含有するこ
とが好ましく、30重量%以上含有することがさらに好
ましい。前記一般式(4)または(5)で表される官能
基を有する化合物由来の構造単位が、上記指定量範囲で
ある場合は、高分子の膜強度を十分に発現でき、また、
高分子固体電解質としたときのイオン伝導度、電流特性
も良好である。
【0047】また、本発明の高分子固体電解質に用いる
高分子は、前記一般式(4)または(5)で表される官
能基を有する化合物の少なくとも一種から得られる重合
体及び/または該化合物を共重合成分とする共重合体と
他の高分子との混合物であってもよい。例えば、前記一
般式(4)または(5)で表される官能基を有する化合
物の少なくとも一種から得られる重合体及び/または該
化合物を共重合成分とする共重合体と、ポリエチレンオ
キサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリアクリロニ
トリル、ポリブタジエン、ポリメタクリル(またはアク
リル)酸エステル類、ポリスチレン、ポリホスファゼン
類、ポリシロキサンあるいはポリシラン、ポリフッ化ビ
ニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のポリマーと
の混合物を本発明の高分子固体電解質に用いてもよい。
【0048】また本発明の高分子固体電解質中に溶媒と
しての有機化合物を添加すると、高分子固体電解質のイ
オン伝導度がさらに向上するので好ましい。使用できる
溶媒としては、本発明の高分子固体電解質に用いる一般
式(4)または(5)で表される官能基を有する化合物
との相溶性が良好で、誘電率が大きく、沸点が70℃以
上であり、電気化学的安定範囲が広い化合物が適してい
る。そのような溶媒としては、トリエチレングリコール
ジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチル
エーテル等のオリゴエーテル類、エチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、
ジエチルカーボネート、炭酸ビニレン、(メタ)アクリ
ロイルカーボネート等のカーボネート類、ベンゾニトリ
ル、トルニトリル等の芳香族ニトリル類、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリド
ン、N−ビニルピロリドン、スルホラン等の硫黄化合
物、リン酸エステル類等が挙げられる。この中で、オリ
ゴエーテル類及びカーボネート類が好ましく、カーボネ
ート類が特に好ましい。溶媒の添加量が多いほど高分子
固体電解質のイオン伝導度は高くなるが、多過ぎると高
分子固体電解質の機械的強度が低下する。好ましい添加
量としては、本発明の高分子固体電解質に用いる重合性
化合物重量の12倍量以下で、8倍量以下が特に好まし
い。
【0049】本発明の高分子固体電解質中の一般式
(4)または(5)で表される官能基を有する化合物の
少なくとも一種から得られる高分子及び/または該化合
物を共重合成分として得られる高分子との複合に用いる
電解質の量は、高分子固体電解質の重量に対し、0.1
〜50重量%が好ましく、1〜30重量%が特に好まし
い。複合に用いる電解質が50重量%以上の比率で存在
すると、イオンの移動が大きく阻害され、逆に0.1重
量%以下の比率では、イオンの絶対量が不足となってイ
オン伝導度が小さくなる。複合に用いる電解質の種類は
特に限定されるものではなく、電荷でキャリアーとした
いイオンを含んだ電解質を用いればよいが、高分子固体
電解質中での解離定数が大きいことが望ましく、LiC
3 SO3 、LiN(CF3 SO22 、LiPF6
LiClO4 、LiI、LiBF4 、LiSCN、Li
AsF6 、NaCF3 SO3 、NaPF6 、NaClO
4 、NaI、NaBF4 、NaAsF6 、KCF3 SO
3 、KPF6 、KI等のアルカリ金属塩、(CH34
NBF4 等の4級アンモニウム塩、(CH34 PBF
4 等の4級ホスホニウム塩、AgClO4 等の遷移金属
塩あるいは塩酸、過塩素酸、ホウフッ化水素酸等のプロ
トン酸が推奨される。
【0050】本発明の電池に用いる負極活物質として
は,後述のように、アルカリ金属、アルカリ金属合金、
炭素材料のようなアルカリ金属イオンをキャリアーとす
る低酸化還元電位のものが、高電圧、高容量の電池が得
られるので好ましい。従って、かかる負極を用い、アル
カリ金属イオンをキャリアーとする電池に用いる場合の
高分子固体電解質中の電解質としてはアルカリ金属塩が
必要となる。このアルカリ金属塩の種類としては、例え
ば、LiCF3 SO3 、LiPF6 、LiClO4 、L
iBF4 、LiSCN、LiAsF6 、LiN(CF3
SO22 、NaCF3 SO3 、LiI、NaPF6
NaClO4 、NaI、NaBF4 、NaAsF6 、K
CF3 SO3 、KPF6 、KI等を挙げることができ
る。負極の中で、アルカリ金属としては、リチウムまた
はリチウム合金を用いた場合が、得られる電池が高電
圧、高容量であり、かつ薄膜化が可能である点から最も
好ましい。また、炭素材負極の場合には、アルカリ金属
イオンだけでなく、4級アンモニウム塩、4級ホスホニ
ウム塩、遷移金属塩、各種プロトン酸が使用できる。
【0051】電気二重層コンデンサの場合に複合に用い
る電解質の種類は特に限定されるものではなく、電荷キ
ャリアーとしたいイオンを含んだ化合物を用いればよい
が、高分子固体電解質中での解離定数が大きく、分極性
電極と電気二重層を形成しやすいイオンを含むことが望
ましい。このような化合物としては、(CH34 NB
4 、(CH3 CH24 ClO4 等の4級アンモニウ
ム塩、AgClO4 等の遷移金属塩、(CH34 PB
4 等の4級ホスホニウム塩、LiCF3 SO3 、Li
PF6 、LiClO4 、LiI、LiBF4 、LiSC
N、LiAsF6 、LiN(CF3 SO22 、NaC
3 SO3 、NaPF6 、NaClO4、NaI、Na
BF4 、NaAsF6 、KCF3 SO3 、KPF6 、K
I等のアルカリ金属塩、パラトルエンスルホン酸等の有
機酸及びその塩、塩酸、硫酸等の無機酸等が挙げられ
る。この中で、出力電圧が高く取れ、解離定数が大きい
という点から、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム
塩、アルカリ金属塩が好ましい。4級アンモニウム塩の
中では、(CH3 CH2 )(CH3 CH2 CH2 CH
23 NBF4 のような、アンモニウムイオンの窒素上
の置換基が異なっているものが、高分子固体電解質への
溶解性あるいは解離定数が大きいという点から好まし
い。
【0052】本発明の高分子固体電解質は各種フィラー
が添加された複合電解質としても使用できる。そうする
ことにより強度、膜厚均一性が改善するばかりでなく、
フィラーと高分子間に微細な空孔が生じることになり、
特に溶媒を添加した場合には空孔内にフリーの電解液が
複合電解質内に分散することになり、強度アップを損ね
ることなく、逆にイオン伝導度、移動度を増加させるこ
ともできる。フィラーとしてはポリスチレン/ジビニル
ベンゼン共重合体ゲル、ポリエチレン、ポリプロピレン
等の各種非電子伝導性ポリマー製フィラー、α、β、γ
ーアルミナ、シリカ等の非電子伝導性セラミックス製フ
ィラーが挙げられる。
【0053】複合電解質の強度アップ、電解液保液量増
加の観点から、フィラーは一次粒子が凝集した二次粒子
構造をもつものや、繊維状のもので得られる複合電解質
が多孔質となることが好ましく、このような構造を持つ
多孔質フィラーの具体例としてはエアロジル(日本エア
ロジル製)のようなシリカ超微粒子、アルミナ超微粒
子、各種ポリマー繊維が挙げられ、安定性、複合効率か
らアルミナ超微粒子が特に好ましい。さらにフィラーと
複合した電解質中の電解質含有液の保有量を多くし、イ
オン伝導性、移動度を増加させるという目的では、フィ
ラーの比表面積はできるだけ大きいことが好ましく、B
ET法で5m2/g以上が好ましく50m2/g以上がさらに好
ましい。
【0054】また、複合電解質の膜厚均一性改善の観点
からは、フィラーは液晶用スペーサービーズ等の均一な
大きさのものを用いることが好ましく、このようなフィ
ラーの具体例としては、ポリスチレン/ジビニルベンゼ
ン共重合体ビーズ(積水ファインケミカル、SPシリー
ズ)に代表されるポリマービーズ等の液晶用スペーサー
が挙げられ、安定性、複合しやすさからポリマービーズ
が特に好ましい。このような各種形状を有するフィラー
のサイズとしては、重合性組成物と混合できれば特に限
定はないが、大きさとしては0.01μm 〜100μm
が好ましく、0.01μm 〜20μm が特に好ましい。
また、形状としては球形、卵形、立方体状、直方体状、
円筒ないし棒状等の種々の形状のものを用いることがで
きる。フィラーの添加量は多すぎると逆に複合電解質の
強度やイオン伝導性を低下させたり、重合性化合物含有
物及び/または電解質含有液と混合した場合の混合物の
流動性を損い、電極との複合や成型がしづらくなるとい
う問題を生じる。従って添加量としては、複合電解質に
対して50wt%以下が好ましく、0.1〜30wt%
の範囲が特に好ましい。
【0055】本発明の電池の構成において、負極にアル
カリ金属、アルカリ金属合金、炭素材料のようなアルカ
リ金属イオンをキャリアーとする低酸化還元電位の電極
活物質(負極活物質)を用いることにより、高電圧、高
容量の電池が得られるので好ましい。このような電極活
物質の中では、リチウム金属あるいはリチウム/アルミ
ニウム合金、リチウム/鉛合金、リチウム/アンチモン
合金等のリチウム合金類が最も低酸化還元電位であるた
め特に好ましい。また、炭素材料もLiイオンを吸蔵し
た場合低酸化還元電位となり、しかも安定、安全である
という点で特に好ましい。Liイオンを吸蔵放出できる
炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、気相法黒鉛、
石油コークス、石炭コークス、ピッチ系炭素、ポリアセ
ン、C60、C70等のフラーレン類等が挙げられる。
【0056】本発明の電池の構成において、正極に金属
酸化物、金属硫化物、導電性高分子あるいは炭素材料の
ような高酸化還元電位の電極活物質(正極活物質)を用
いることにより、高電圧、高容量の電池が得られるので
好ましい。このような電極活物質の中では、充填密度が
高くなり、体積容量密度が高くなるという点では、酸化
コバルト、酸化マンガン、酸化バナジウム、酸化ニッケ
ル、酸化モリブデン等の金属酸化物、硫化モリブデン、
硫化チタン、硫化バナジウム等の金属硫化物が好まし
く、特に酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化コバルト等
が高容量、高電圧という点から好ましい。
【0057】この場合の金属酸化物や金属硫化物を製造
する方法は特に限定されず、例えば、「電気化学、第2
2巻、574頁、1954年」に記載されているよう
な、一般的な電解法や加熱法によって製造される。ま
た、これらを電極活物質としてリチウム電池に使用する
場合、電池の製造時に、例えば、Lix CoO2 やLi
xMnO2 等の形でLi元素を金属酸化物あるいは金属
硫化物に挿入(複合)した状態で用いるのが好ましい。
このようにLi元素を挿入する方法は特に限定されず、
例えば、電気化学的にLiイオンを挿入する方法や、米
国特許第4357215号公報に記載されているよう
に、Li2 CO3 等の塩と金属酸化物を混合、加熱処理
することによって実施できる。
【0058】また柔軟で、薄膜にし易いという点では、
導電性高分子が好ましい。導電性高分子の例としては、
ポリアニリン、ポリアセチレン及びその誘導体、ポリパ
ラフェニレン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘
導体、ポリチエニレン及びその誘導体、ポリピリジンジ
イル及びその誘導体、ポリイソチアナフテニレン及びそ
の誘導体、ポリフリレン及びその誘導体、ポリセレノフ
ェン及びその誘導体、ポリパラフェニレンビニレン、ポ
リチエニレンビニレン、ポリフリレンビニレン、ポリナ
フテニレンビニレン、ポリセレノフェンビニレン、ポリ
ピリジンジイルビニレン等のポリアリーレンビニレン及
びそれらの誘導体等が挙げられる。中でも有機溶媒に可
溶性のアニリン誘導体の重合体が特に好ましい。これら
の電池あるいは電極において電極活物質として用いられ
る導電性高分子は、後述のような化学的あるいは電気化
学的方法あるいはその他の公知の方法に従って製造され
る。
【0059】また、炭素材料としては、天然黒鉛、人造
黒鉛、気相法黒鉛、石油コークス、石炭コークス、フッ
化黒鉛、ピッチ系炭素、ポリアセン等が挙げられる。ま
た、本発明の電池あるいは電極において電極活物質とし
て用いられる炭素材料は、市販のものを用いることがで
き、あるいは公知の方法に従って製造される。本発明の
電池の一例として、薄膜固体二次電池の一例の概略断面
図を図1に示す。図中、1は正極、2は高分子固体電解
質、3は負極、4は集電体、5は絶縁性樹脂封止剤であ
り、6はスペーサーである絶縁性樹脂フィルムである。
【0060】本発明の電池の製造方法の一例について説
明する。正負極を本発明の活性光線重合性組成物より得
られた高分子固体電解質膜を介してお互いに接触しない
ように電池構成用構造体内に入れる。次に電解液または
重合性組成物を注入した後、ポリオレフィン樹脂、エポ
キシ樹脂等の絶縁性樹脂で封止することにより目的の電
池を得ることができる。尚、重合性組成物を注入した場
合には加熱や活性光線照射により、重合させることによ
り本発明の高分子固体電解質で完全に固体化された電池
が得られる。また本発明の電池は以下の方法でも作製す
ることができる。電解液もしくは重合性組成物を正負極
に含浸させ、どちらか一方の電極上にスペーサーを配
し、本発明の活性光線重合性組成物を均一な厚みとなる
ように塗布後、前述した方法で活性光線で重合すること
により、電極上に均一な厚みの高分子固体電解質膜を形
成する。次いでもう一方の電極を高分子固体電解質層に
貼り合わせ、電池構成用構造体内に入れ、ポリオレフィ
ン樹脂、エポキシ樹脂等の絶縁性樹脂で封止することに
より目的の電池を得ることができる。尚、重合性組成物
を電極に含浸した場合には加熱や活性光線照射により、
重合させることにより本発明の高分子固体電解質で完全
に固体化された電池が得られる。
【0061】尚、前記電池構成用構造体あるいは前記支
持体はSUS等の金属、ポリプロピレン、アルミラミネ
ート熱融着樹脂、ポリイミド、エバール、あるいは導電
性あるいは絶縁性ガラス等のセラミックス材料であれば
よいが、特にこれらの材料からなるものに限定されるも
のではなく、また、その形状は、筒状、箱状、シート状
その他いかなる形状でもよい。また、電池の形状として
は、図1のようなシート型のほかに、コイン型、あるい
は正極、高分子固体電解質、負極のシート状積層体を円
筒状に捲回し、円筒管状の電池構成用構造体に入れ、封
止して製造された円筒型等であっても良い。
【0062】次に本発明の電気二重層コンデンサについ
て説明する。本発明の電気二重層コンデンサにおいて、
本発明の前記高分子固体電解質を用いることにより、出
力電圧が高く、取り出し電流が大きく、あるいは加工
性、寿命、信頼性に優れた電気二重層コンデンサが提供
される。本発明の電気二重層コンデンサの一例の概略断
面図を図2に示す。この例は、大きさ1cm×1cm、
厚み約0.5mmの薄型セルで、9は集電体であり、集
電体の内側には一対の分極性電極8が配置されており、
その間に高分子固体電解質膜10が配置されている。7
はスペーサーであり、この例では絶縁性フィルムが用い
られ、11は絶縁性樹脂封止剤、12はリード線であ
る。
【0063】集電体9は電子伝導性で電気化学的に耐食
性があり、できるだけ比表面積の大きい材料を用いるこ
とが好ましい。例えば、各種金属及びその燒結体、電子
伝導性高分子、カーボンシート等を挙げることができ
る。分極性電極8は、通常電気二重層コンデンサに用い
られる炭素材料等の分極性材料からなる電極であればよ
い。分極性材料としての炭素材料としては、比表面積が
大きければ特に制限はないが、比表面積の大きいほど電
気二重層の容量が大きくなり好ましい。例えば、ファー
ネスブラック、サーマルブラック(アセチレンブラック
を含む)、チャンネルブラック等のカーボンブラック類
や、椰子がら炭等の活性炭、天然黒鉛、人造黒鉛、気相
法で製造したいわゆる熱分解黒鉛、ポリアセン及び
60、C70を挙げることができる。
【0064】次に本発明の電気二重層コンデンサの製造
方法の一例について説明する。分極性電極2個を本発明
の活性光線重合性組成物より得られた高分子固体電解質
膜を介してお互いに接触しないように電気二重層コンデ
ンサ構成用構造体内に入れる。次に電解液または重合性
組成物を注入した後、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹
脂等の絶縁性樹脂で封止することにより目的の電気二重
層コンデンサを得ることができる。尚、重合性組成物を
注入した場合には加熱や活性光線照射によって重合させ
ることにより本発明の高分子固体電解質で完全に固体化
された電気二重層コンデンサが得られる。また本発明の
電気二重層コンデンサは以下の方法でも作製することが
できる。電解液もしくは重合性組成物を2個の分極性電
極に含浸させ、どちらか一方の電極上にスペーサーを配
し、本発明の活性光線重合性組成物を均一な厚みとなる
ように塗布後、前述した方法で活性光線で重合すること
により、電極上に均一な厚みの高分子固体電解質膜を形
成する。次いでもう一方の電極を高分子固体電解質層に
貼り合わせ、電池構成用構造体内に入れ、ポリオレフィ
ン樹脂、エポキシ樹脂等の絶縁性樹脂で封止することに
より目的の電池を得ることができる。尚、重合性組成物
を電極に含浸した場合には加熱や活性光線照射によって
重合させることにより本発明の高分子固体電解質で完全
に固体化された電池が得られる。
【0065】尚、前記電気二重層コンデンサ構成用構造
体あるいは前記支持体はSUS等の金属、ポリプロピレ
ン、アルミラミネート熱融着樹脂、ポリイミド、エバー
ル、あるいは導電性あるいは絶縁性ガラス等のセラミッ
クス材料であればよいが、特にこれらの材料からなるも
のに限定されるものではなく、また、その形状は、筒
状、箱状、シート状その他いかなる形状でもよい。ま
た、電気二重層コンデンサの形状としては、図2のよう
なシート型のほかに、コイン型、あるいは分極性電極、
高分子固体電解質のシート状積層体を円筒状に捲回し、
円筒管状のコンデンサ構成用構造体に入れ、封止して製
造された円筒型等であっても良い。
【0066】
【実施例】以下に本発明について代表的な例を示しさら
に具体的に説明する。なお、これらは説明のための単な
る例示であって、本発明はこれらに何等制限されるもの
ではない。
【0067】[実施例1]<化合物の合成>
【化6】 化合物(KOH価 34.0mg /g 、m/n=7/3)5
0.0g 及び化合物 4.6g を窒素雰囲気中でよく精製し
たTHF100ml に溶解した後、0.44g のジブチルチンジ
ラウレートを添加する。その後、25℃で約15時間反
応させることにより、無色の粘稠液体を得た。その1H-N
MR、IR及び元素分析の結果から、化合物と化合物は
1対3で反応し、さらに、化合物のイソシアナート基
が消失し、ウレタン結合が生成しており、化合物が生
成していることがわかった。
【0068】[実施例2]<組成物1の調製> 化合物 1.0g 、ジエチルカーボネート(DEC)1.5
g、エチレンカーボネート(EC)1.5g、LiBF4 0.3
0g 、及びカチオン染料として表1番号3のカチオンと
n−ブチルトリフェニルボレートの塩を4.5mg 、4級ホ
ウ素塩としてテトラ−n−ブチルアンモニウム n−ブ
チルトリフェニルボレートを22.3mg、紫外開始剤として
ルシリンTPO(BASF製)10.6mgをアルゴン雰囲気
中でよく混合し、高分子固体電解質用重合性モノマー溶
液を得た。次に調製した高分子固体電解質用重合性モノ
マー溶液にアルゴン雰囲気下、フィラーとしてアルミニ
ウムオキサイドC(二次粒子大きさ平均 約0.2μ
m、日本エアロジル製、比表面積約100m2/g)を0.24
g 添加し、5分間攪拌混合することにより、乳白色のフ
ィラー入り高分子固体電解質用重合性モノマー溶液であ
る組成物1を得た。
【0069】この組成物1をアルゴン雰囲気下、PET フ
ィルム状に塗布後、300nm以上の光を発する1.0
kWキセノンランプ(ウシオユーテック SUPERS
OL−S 1003SR)を用い、照射距離30cm、
10分間光照射したところ、電解液を含浸した化合物
重合体/アルミニウムオキサイドC複合フィルムが約3
0μm の薄い白濁色の自立フィルム1として得られた。
このフィルムの25℃、−10℃でのイオン伝導度をイ
ンピーダンス法にて測定したところ、それぞれ、3 ×10
-3、1.0×10-3S/cmであった。
【0070】[実施例3]<組成物2の調製> 化合物 1.0g 、ジエチルカーボネート(DEC)1.5
g、エチレンカーボネート(EC)1.5g、LiBF4 0.3
0g 、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.01g
をアルゴン雰囲気中で5分間全てが溶解するまでよく混
合し、高分子固体電解質用重合性モノマー溶液を得た。
【0071】次に、調製した上記高分子固体電解質用重
合性モノマー溶液にアルゴン雰囲気下、フィラーとして
アルミニウムオキサイドC(二次粒子大きさ平均 約
0.2μm、日本エアロジル製、比表面積約100m2/
g)を0.24g 添加し、5分間攪拌混合することにより、
乳白色のフィラー入り高分子固体電解質用重合性モノマ
ー溶液である組成物2を得た。この組成物2をアルゴン
雰囲気下、80℃で60分間加熱することにより電解液
を含浸した化合物重合体/アルミニウムオキサイドC
複合高分子固体電解質を得た。この高分子固体電解質の
25℃、−10℃でのイオン伝導度をインピーダンス法
にて測定したところ、それぞれ、3 ×10-3、1.0×10-3S/
cmであった。
【0072】[実施例4]<フィルム1の調製> 化合物 1.0g 、ジエチルカーボネート(DEC)1.5
g、エチレンカーボネート(EC)1.5g、LiBF4 0.3
0g 、紫外開始剤としてルシリンTPO(BASF製)
0.01g をアルゴン雰囲気中で1分間全てが溶解するまで
よく混合し、高分子固体電解質用重合性モノマー溶液を
得た。
【0073】次に、調製した上記高分子固体電解質用重
合性モノマー溶液にアルゴン雰囲気下、フィラーとして
アルミニウムオキサイドC(二次粒子大きさ平均 約
0.2μm、日本エアロジル製、比表面積約100m2/
g)を0.24g 添加し、5分間攪拌混合することにより、
乳白色のフィラー入り高分子固体電解質用重合性モノマ
ー溶液である組成物を得た。この組成物をアルゴン雰囲
気下、ケミカル蛍光灯で硬化させることにより電解液を
含浸した化合物重合体/アルミニウムオキサイドC複
合高分子固体電解質フィルムとしてフィルム1を得た。
この高分子固体電解質フィルムの25℃、−10℃での
イオン伝導度をインピーダンス法にて測定したところ、
それぞれ、3×10-3、1.0×10-3S/cmであった。
【0074】[実施例5]<コバルト酸リチウム正極の
製造> 11g のLi2 CO3 と24g のCo34 を良く混合し、
酸素雰囲気下、800℃で24時間加熱後、粉砕するこ
とによりLiCoO2 粉末を得た。このLiCoO2
末とアセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデンを重量
比8:1:1で混合し、さらに過剰のN−メチルピロリ
ドン溶液を加え、ゲル状組成物を得た。この組成物を約
25μmのアルミメッシュ箔上に1cm×1cm、約200
μmの厚さに塗布成型した。さらに、約100℃ で2
4時間加熱真空乾燥することにより、コバルト酸リチウ
ム正極(80mg)を得た。
【0075】[実施例6]<黒鉛負極の製造> MCMB黒鉛(大阪ガス製)、気相法黒鉛繊維(昭和電
工(株)製:平均繊維径0.3 μm 、平均繊維長2.0 μm
、2700℃熱処理品)、ポリフッ化ビニリデンの重
量比 8.6 : 0.4 : 1.0の混合物に過剰のN−メチルピロ
リドン溶液を加え、ゲル状組成物を得た。この組成物を
約15μmの銅メッシュ上に10mm×10mm、約250
μmの厚さに塗布成型した。さらに、約100℃で24
時間加熱真空乾燥することにより、黒鉛負極(30mg)
を得た。
【0076】[実施例7]<全固体Liイオン二次電池
の製造> アルゴン雰囲気グローブボックス内で、実施例6で製造
した黒鉛負極(10mm×10mm)に実施例2で調製
した組成物1を含浸させ、さらに、上記複合負極上の端
部約1mm四方を25μm のポリイミドフィルムで、スペ
ーサーとして被覆した。次に組成物1を複合負極上のス
ペーサ枠内に塗布し、300nm以上の光を発する1.
0kWキセノンランプ(ウシオユーテック SUPER
SOL−S 1003SR)を用い、照射距離50c
m、10分間光照射することにより、組成物1を硬化さ
せフィラー入り高分子固体電解質複合負極層ならびにフ
ィラー入り高分子固体電解質層を形成させた。次いで実
施例5で製造したコバルト酸リチウム正極(10mm×
10mm)に実施例3で調製した組成物2を含浸させた
ものを貼り合わせ、電池端部をエポキシ樹脂で封印後、
80℃で約1時間加熱することにより組成物2を硬化さ
せ、黒鉛/酸化コバルト系全固体Liイオン二次電池を
得た。得られた電池の断面図を図1に示す。
【0077】この電池を、作動電圧2.75〜4.2V、電流0.
5mA で充放電を繰返したところ、最大放電容量は7.0mAh
で、容量が50%に減少するまでのサイクル寿命は61
0回であった。また、この電池を、作動電圧2.5 〜4.2
V、電流3.5mA で充放電を繰返したところ、最大放電容
量は5.8mAhで、容量が50%に減少するまでのサイクル
寿命は515回であった。
【0078】[実施例8]<全固体Liイオン二次電池
の製造> アルゴン雰囲気グローブボックス内で、実施例6で製造
した黒鉛負極(10mm×10mm)に実施例2で調製
した組成物1を含浸させ、さらに、上記複合負極が覆い
被さるように実施例4で作製したフィルム1をのせ、引
き続き実施例5で製造したコバルト酸リチウム正極(1
0mm×10mm)に実施例3で調製した組成物2を含
浸させたものを貼り合わせ、300nm以上の光を発す
る1.0kWキセノンランプ(ウシオユーテック SU
PERSOL−S 1003SR)を用い、照射距離5
0cm、10分間光照射することにより、全固体系Li
イオン二次電池を得た。得られた電池の断面図を図3に
示す。この電池を、作動電圧2.75〜4.2V、電流0.5mA で
充放電を繰返したところ、最大放電容量は7.0mAhで、容
量が50%に減少するまでのサイクル寿命は610回で
あった。また、この電池を、作動電圧2.5 〜4.2V、電流
3.5mA で充放電を繰返したところ、最大放電容量は5.8m
Ahで、容量が50%に減少するまでのサイクル寿命は5
15回であった。
【0079】[実施例9]<活性炭電極の製造> 椰子がら活性炭とポリフッ化ビニリデンの重量比9.
0:1.0の混合物に過剰のN−メチルピロリドン溶液
を加え、ゲル状組成物を得た。この組成物をステンレス
メッシュ上に1cm×1cmの大きさで約150μmの
厚さに塗布した。約100℃で10時間真空乾燥し、活
性炭電極(14mg)を得た。
【0080】[実施例10]<全固体電気二重層コンデ
ンサの製造> アルゴン雰囲気グローブボックス内で、実施例9で調製
した活性炭電極(14mg)1cm×1cmに、実施例2で
調製した組成物1を含浸した電極を二個用意した。次
に、実施例4で製造したフィルム1(12mm×12m
m)を一方の電極に貼り合わせ、さらにもう一枚の電極
をはり合わせ、両面から300nm以上の光を発する
1.0kWキセノンランプ(ウシオユーテック SUP
ERSOL−S 1003SR)を用い、照射距離50
cm、10分間光照射することにより、図4に示すよう
な電気二重層コンデンサを製造した。このコンデンサ
を、作動電圧0〜2.0V、電流0.2mAで充放電を
行なったところ、最大容量は430mFであった。ま
た、この条件で充放電を50回繰り返してもほとんど容
量に変化はなかった。
【0081】
【発明の効果】本発明の活性光線重合性組成物は、安定
で重合官能性が高い特定の活性光線重合開始剤及び重合
性の良好な特定の重合性化合物を用いており、重合性が
良好で、少ない開始剤添加量においても重合が完全に進
み、電池や電気二重層コンデンサの安定性に悪影響を及
ぼさない重合性組成物である。特に電極材内部、材料内
部等においても容易に重合できるという効果を有する。
本発明の高分子固体電解質は、上記活性光線重合性組成
物から得られる架橋及び/または側鎖基を有する高分子
及び電解質を含む高イオン伝導性で残存二重結合や残存
副生成物が少ない安定性の良好な高分子固体電解質であ
る。
【0082】また、上記高分子固体電解質を用いた本発
明の電池は、全固体型としては高容量、高電流で作動で
き、あるいはサイクル性が良好で、安全性、信頼性に優
れた電池であり、ポータブル機器用主電源、バックアッ
プ電源をはじめとする電気製品用電源、電気自動車用、
ロードレベリング用大型電源として使用可能である。ま
た、薄膜化が容易にできるので、身分証明書用カード等
のペーパー電池としても使用できる。
【0083】本発明の電気二重層コンデンサは上記高分
子固体電解質を用いた出力電圧が高く、取り出し電流が
大きく、加工性が良好で、高寿命で信頼性に優れる。更
に、本発明の電気二重層コンデンサは、従来の全固体型
コンデンサと比較しても、高電圧、高容量、高電流で作
動でき、あるいはサイクル性が良好で、安全性、信頼性
に優れた電気二重層コンデンサであり、かかる特徴を有
する全固体電気二重層コンデンサとすることができる。
このためバックアップ電源だけでなく、小型電池との併
用で、各種電気製品用電源として使用可能である。ま
た、薄膜化等の加工性に優れており、従来の固体型電気
二重層コンデンサの用途以外の用途にも期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電池の一例として示す、薄型の固体電
池の実施例の概略断面図である。
【図2】本発明の固体電気二重層コンデンサの実施例の
概略断面図である。
【図3】本発明の電池の一例として示す、薄型の固体電
池の実施例の概略断面図である。
【図4】本発明の固体電気二重層コンデンサの実施例の
概略断面図である。
【符号の説明】
1 正極 2 高分子固体電解質 3 負極 4 集電体 5 絶縁性樹脂封止剤 6 スペーサー 7 スペーサー 8 分極性電極 9 集電体 10 高分子固体電解質 11 絶縁性樹脂封止剤 12 リード線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01B 1/12 H01B 1/12 Z H01G 9/058 H01M 10/40 B 9/025 C08G 2/02 H01M 10/40 C09D 4/00 // C08G 2/02 H01G 9/00 301A C09D 4/00 301G

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合することにより架橋及び/または側
    鎖形構造を有する高分子となる重合性官能基を有する少
    なくとも一種の重合性化合物及び少なくとも一種の電解
    質を含む活性光線重合性組成物において、可視光または
    近赤外領域に吸収を持ち、増感作用及び活性光線開始作
    用を持つ化合物を含むことを特徴とする活性光線重合性
    組成物。
  2. 【請求項2】 以下の一般式(1)で表わされる少なく
    とも一種のカチオン染料及び一般式(2)で示される少
    なくとも一種の4級ホウ素塩系増感剤を含むことを特徴
    とする請求項1記載の活性光線重合性組成物。 一般式(1):D+ ・A- [式中D+ は可視光から近赤外光までの任意の波長領域
    に吸収をもつカチオンであり、A- は任意のアニオンを
    示す。] 一般式(2): 【化1】 [式中R1 ,R2 ,R3 及びR4 はそれぞれ独立して置
    換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良い
    アリール基、置換基を有しても良いアリル基、置換基を
    有しても良いアラルキル基、置換基を有しても良いアル
    ケニル基、置換基を有しても良いアルキニル基、置換基
    を有しても良いシリル基、複素環基、ハロゲン原子を示
    し、Z+ は4級アンモニウムカチオン、4級ピリジニウ
    ムカチオン、4級キノリニウムカチオン、ホスホニウム
    カチオン、スルホニウムカチオン、オキソスルホニウム
    カチオン、ヨードニウムカチオン、または金属イオンを
    示す。]
  3. 【請求項3】 カチオン染料のアニオン部が一般式
    (3)で示される4級ホウ素アニオンである請求項2記
    載の活性光線重合性組成物。一般式(3): 【化2】 [式中R5 ,R6 ,R7 及びR8 はそれぞれ独立して置
    換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良い
    アリール基、置換基を有しても良いアリル基、置換基を
    有しても良いアラルキル基、置換基を有しても良いアル
    ケニル基、置換基を有しても良いアルキニル基、置換基
    を有しても良いシリル基、複素環基、ハロゲン原子を示
    す。]
  4. 【請求項4】 少なくとも一種の紫外可視光重合開始剤
    を含む請求項1〜3のいずれか記載の活性光線重合性組
    成物。
  5. 【請求項5】 重合性化合物が以下の一般式(4)及び
    /または一般式(5) CH2=C(R9 )COO−R10− (4) CH2=C(R11)CO[OR12x NHCOO−R13− (5) [式中、R9 、R11は水素またはアルキル基を表し、R
    10、R13はオキシアルキレン、フルオロカーボン及び/
    またはオキシフルオロカーボンを含む2価の基、R12
    炭素数10以下の2価の基を表わす。該2価の基はヘテ
    ロ原子を含んでいてもよく、直鎖状、分岐状、環状構造
    のいずれからなるものでもよい。xは0または1〜10
    の数値を示す。但し、同一分子中の複数個の上記一般式
    (4)、一般式(5)で表される重合性官能基中のR9
    〜R13及びxの値は、それぞれ独立であり、同じである
    必要はない。]で表わされる重合性官能基を有すること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の活性光線重
    合性組成物。
  6. 【請求項6】 少なくとも一種の溶媒を含む請求項1〜
    5のいずれか記載の活性光線重合性組成物。
  7. 【請求項7】 少なくとも一種の大きさが0.01〜1
    00μmのフィラーを含む請求項1〜6のいずれか記載
    の活性光線重合性組成物。
  8. 【請求項8】 電解質が、アルカリ金属塩、4級アンモ
    ニウム塩、4級ホスホニウム塩、遷移金属塩、またはプ
    ロトン酸から選ばれた少なくとも一種である請求項1〜
    7のいずれか記載の活性光線重合性組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか記載の活性光線
    重合性組成物を活性光線で重合することによって得られ
    る高分子固体電解質。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8のいずれか記載の活性光
    線重合性組成物を活性光線で重合することを特徴とする
    高分子固体電解質の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜8のいずれか記載の活性光
    線重合性組成物の少なくとも一種から得られた重合体及
    び/または該化合物を共重合成分とした共重合体、並び
    に電極活物質または分極性材料を含むことを特徴とする
    電池用または電気二重層コンデンサ用電極。
  12. 【請求項12】 請求項1〜8のいずれか記載の活性光
    線重合性組成物、請求項9記載の高分子固体電解質及び
    /または請求項11記載の電極を用いることを特徴とす
    る電池。
  13. 【請求項13】 電池の負極がリチウム合金及び/また
    はリチウムイオンを吸蔵放出できる炭素材料からなる請
    求項12記載の電池。
  14. 【請求項14】 電池の正極が導電性高分子、金属酸化
    物、金属硫化物及び/または炭素材料からなる請求項1
    2または13記載の電池。
  15. 【請求項15】 請求項1〜8のいずれか記載の活性光
    線重合性組成物、請求項9記載の高分子固体電解質及び
    /または請求項11記載の電極を用いることを特徴とす
    る電気二重層コンデンサ。
  16. 【請求項16】 請求項1〜8のいずれか記載の活性光
    線重合性組成物の少なくとも一種を電池構成用構造体内
    に入れ、または支持体上に配置し、かかる活性光線重合
    性組成物を重合することを特徴とする電池の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項1〜8のいずれか記載の活性光
    線重合性組成物の少なくとも一種を電気二重層コンデン
    サ構成用構造体内に入れ、または支持体上に配置し、か
    かる活性光線重合性組成物を重合することを特徴とする
    電気二重層コンデンサの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015108098A (ja) * 2013-12-05 2015-06-11 東洋インキScホールディングス株式会社 活性エネルギー線重合性樹脂組成物及び積層体

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