JPH10249194A - 吸水性樹脂及びその製造方法 - Google Patents
吸水性樹脂及びその製造方法Info
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- JPH10249194A JPH10249194A JP415098A JP415098A JPH10249194A JP H10249194 A JPH10249194 A JP H10249194A JP 415098 A JP415098 A JP 415098A JP 415098 A JP415098 A JP 415098A JP H10249194 A JPH10249194 A JP H10249194A
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Abstract
た、吸水性に優れる吸水性樹脂を短時間で得ることがで
きる吸水性樹脂の製造方法を提供する。さらに、使用済
みの廃材を利用することにより、資源の有効利用を図
る。 【解決手段】 アクリロニトリルとスチレンと共役ジエ
ンとを構成ユニットとする高分子材料を酸及び/又はア
ルカリ処理する。
Description
ル、スチレン、共役ジエンを含有する高分子材料を改質
することにより得られる吸水性樹脂、及びその製造方法
に関するものである。
は、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン樹脂)、SAN樹脂(スチレン−アクリロニトリル
樹脂)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリル−ス
チレン樹脂)等に代表されるポリスチレン系樹脂と、N
BRゴム(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)の合成
ゴムとが挙げられる。これらの樹脂は、比較的安価であ
り、特に、前者のポリスチレン系樹脂は、剛性、寸法安
定性、加工性等の特性に優れるため、各種用途のカバー
やケース、電化製品や自動車の筐体及び各種部品材料等
の樹脂材料として多用されている。また、後者の合成ゴ
ムは、チューブやホース、各種緩衝材として多用されて
いる。
は、さらなる用途拡大が期待されており、より付加価値
の高いものへの改質に関する検討が望まれている。
た製品は、生産量の増加に伴い、廃材として大量に発生
してしまう。近年では、これら高分子材料からなる廃材
の発生量も増加する傾向があり、地球環境保全の関心の
高まりから、廃材の有効利用についてのニーズも高まっ
てきている。
は、紙オムツや生理用品等の衛生材料として主に使用さ
れているが、これ以外にも土建や園芸用材料、消火剤、
シーリング剤等の用途が期待されるため、これまで活発
な研究が行われその改良が進んでいる。
ルやアクニロニトリル/スチレン共重合体の加水分解物
が提案されているが、いずれも吸水性樹脂とするために
は、ニトリル基含有のポリマーを製造する必要があっ
た。また、反応処理に時間を要したり等の製造上の問題
と、得られた吸水性樹脂の吸水性が不十分であったり等
の性能上の問題があった。
樹脂を短時間で製造することができる吸水性樹脂、及び
その製造方法を提供することを目的とする。
とができる吸水性樹脂、及びその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
目的を達成せんものと鋭意検討した結果、アクリロニト
リルを含有する高分子材料の改質に、スチレンや共役ジ
エンが有効に作用する化学的処理を見いだし、本発明を
完成させるに至った。
係る吸水性樹脂は、アクリロニトリルとスチレンと共役
ジエンとを構成ユニットとして含有する高分子材料が、
酸及び/又はアルカリ処理されてなるものである。
は、アクリロニトリルとスチレンと共役ジエンとを構成
ユニットとする高分子材料を酸及び/又はアルカリ処理
することを特徴とする。
成しており、化学的な修飾を受けやすいため、酸及び/
又はアルカリ処理に際して、最初に反応を受けることに
なる。すなわち、この共役ジエンを含有する高分子材料
は、反応の進行とともにゴム相が膨潤し、その材料表面
に亀裂が発生する。このため、この共役ジエンを含有す
る高分子材料は、その材料表面が酸及び/又はアルカリ
により侵食されてポーラス状態となり、反応に関わる表
面積が増大する。
分子材料は、反応に係る表面積の増大から短時間で反応
が完結され、かつ吸水に関しても、表面積の増加から優
れた吸水特性をもつ。
ためには、高分子材料中にゴム相が形成されていること
が必要となるため、共役ジエン部は、ブロック共重合体
の状態で同材料中に含有していることが好ましい。
には、酸及び/又はアルカリ処理に際して、親水性のア
ミド基やカルボキシル基やその酸が導入されるため、得
られた吸水性樹脂の吸水性を向上させる。
に酸処理に際して、スルホン酸基のような強酸性基が導
入されるため、得られた吸水性樹脂の電解質水溶液に対
する吸水効果を向上させる。
クリロニトリルを10〜50モル%、スチレンを30〜
70モル%、共役ジエンを5〜50モル%、構成ユニッ
トとして含有することが望ましい。
が所定量含有されていないと、ゴム相(主に共役ジエン
リッチ領域)とガラス相(主にアクリロニトリル、スチ
レンリッチ領域)との2相構造が形成されず、反応時間
の短縮、吸水特性(吸水倍率、吸水速度、電解質水溶液
への吸水効果)の向上が期待できない。
又は金属顔料を含有していることがより好ましい。同顔
料を含有することにより、改質反応が促進され、かつ得
られる吸水性樹脂の吸水効果も向上する。
び/又は金属顔料が添加された、特定の用途を目的とし
て成形された使用済みの樹脂からなる廃材であってもよ
い。高分子材料として廃材を用いることは、環境保護の
観点から有効である。
高分子材料が主に共役ジエン部からなるゴム相と、スチ
レン部やアクリロニトリル部からなるガラス相の2相構
造を形成している。したがって、酸及び/又はアルカリ
処理した際には、まず始めにガラス相が反応して同材料
表面がポーラスな状態となり、反応面積が増大して、ス
チレン部やアクリロニトリル部のガラス相の深部まで反
応が進行することになる。
ジエン部が有効に作用し、従来に比べて短時間で吸水性
樹脂を得ることができる。さらに、本発明によれば、吸
水特性に優れる吸水性樹脂を得ることができる。
実施の形態について詳細に説明する。
ル、スチレン、共役ジエンとを構成ユニットとして含有
する高分子材料にイオン基が導入されてなるものであ
る。
成しており、化学的な修飾を受けやすいため、酸及び/
又はアルカリ処理に際して、最初に反応を受けることに
なる。すなわち、この共役ジエンを含有する高分子材料
は、反応の進行とともにゴム相が膨潤し、その材料表面
に亀裂が発生する。このため、この共役ジエンを含有す
る高分子材料は、その材料表面が酸及び/又はアルカリ
により侵食されてポーラス状態となり、反応に関わる表
面積が増大する。
分子材料は、反応に係る表面積の増大から短時間で反応
が完結され、かつ吸水に関しても、表面積の増加から優
れた吸水特性をもつ。
ためには、高分子材料中にゴム相が形成されていること
が必要となるため、共役ジエン部は、ブロック共重合体
の状態で同材料中に含有していることが好ましい。
には、酸及び/又はアルカリ処理に際して、親水性のア
ミド基やカルボキシル基やその酸が導入されるため、得
られた吸水性樹脂の吸水性を向上させる。
に酸処理に際して、スルホン酸基のような強酸性基が導
入されるため、得られた吸水性樹脂の電解質水溶液に対
する吸水効果を向上させる。
クリロニトリルを10〜50モル%、スチレンを30〜
70モル%、共役ジエンを5〜50モル%、より好まし
くは、アクリロニトリルを25〜40モル%、スチレン
を40〜60モル%、共役ジエンを10〜30モル%を
構成ユニットとして含有することが望ましい。
が所定量含有されていないと、ゴム相(主に共役ジエン
リッチ領域)とガラス相(主にアクリロニトリル、スチ
レンリッチ領域)との2相構造が形成されず、反応時間
の短縮、吸水特性(吸水倍率、吸水速度、電解質水溶液
への吸水効果)の向上が期待できない。
成ユニットが所定量含有されていれば、他の構成ユニッ
トが含有されていてもよい。
レイン酸、無水イタコン酸、α−メチルスチレン、(メ
タ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、(メタ)ア
クリル酸エステル(炭素数:1〜10の飽和及び不飽和
炭化水素 )、酢酸ビニル、塩化ビニル、エチレン、プ
ロピレン、ブチレン、ビニルピロリドン、ビニルピリジ
ン等が挙げられる。
材の重量平均分子量(Mw)としては、1000〜20
000000、さらには、10000〜1000000
が一般的である。分子量が1000より小さい場合に
は、改質処理をした際に水溶性を示すことになり、所望
の吸水性樹脂が得られない。一方、分子量が20000
000より大きい場合には、改質処理が難しくなる。た
だし、高分子材料が廃材である場合には、樹脂間に架橋
が形成されている場合があるため、特に分子量に限定さ
れない。
的にABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン樹脂)が好ましい。
ジン材であってもよいし、樹脂原料や成形品の生産過程
での排出品(半端品)、電化製品や自動車等に使用され
た筐体等の各種部品材料、チューブやホース等の各種緩
衝材等の、ある特定の用途を目的として成型された使用
済みの樹脂である廃材であってもよい。排出場所として
は、工場、販売店、過程等のいずれであってもよいが、
家庭からの一般廃棄物より工場や販売店等から回収され
たものの方が、比較的組成がそろったものが多いためよ
り好ましい。
ロイ物であっても良く、顔染料や安定剤、難燃剤、可塑
剤、充填剤、その他補助剤等の添加剤を含んでいる廃材
であってもよい。又は、使用樹脂である廃材とバージン
材との混合物であってもよい。
質処理を阻害しない樹脂であれば、他の異なる樹脂が混
合されいてもよい。例えば、SAN樹脂(スチレン−ア
クリロニトリル樹脂)、ASA樹脂(アクリロニトリル
−スチレン−アクリレート樹脂)、ACS樹脂(アクリ
ロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン樹脂)、A
AS樹脂(アクリロニトリル−アクリル−スチレン樹
脂)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、
ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネ
ート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド
(ナイロン)、ポリエステル等が挙げられる。これらの
中では、SAN樹脂、ASA樹脂、ACS樹脂、AAS
樹脂、NBRゴム、ポリスチレン、ポリカーボネート、
ポリアミド(ナイロン)が好適である。
料に対して60重量%以下に混合されることが望まし
い。他の異なる樹脂の含有量が60重量%を越えると、
廃材へのイオン基の導入反応が阻害される虞がある。
料及び/又は金属粉顔料が含有されていると、改質処理
がさらに促進される。
高分子材料は、改質反応の際に同顔料が同材料表面から
はずれ易くなり、ポーラス状の表面が発生し反応表面積
が増加することから、改質反応が促進される。引き続い
て、このポーラス状の表面は、改質反応が活発化するこ
とで軟化状態となる。そのため、さらに深部に存在する
顔料までが同材料から脱離されることになり、改質反応
はより加速化されることになる。
材料は、改質反応の促進が図られ、改質後の高分子材料
の表面は、深部までがポーラスな状態となる。したがっ
て、この高分子材料から得られる吸水性樹脂は、吸水面
積が多くなることから、吸水倍率、吸収速度の点から飛
躍的に向上する。
含有量は、0.01〜20重量%、好ましくは0.05
〜10重量%である。
の改質反応に対する促進効果が低くなる。一方、顔料の
含有量が多くなりすぎると、経済的に不利になったり、
改質反応のコントロールが困難になる。
上述した高分子材料に対して分散性の良好であるものが
好ましく、カーボンブラック、鉄黒、酸化チタン、亜鉛
華、ベンガラ、群青、紺青、コバルトブルー、リトポ
ン、硫化亜鉛、酸化アンチモン、黄色酸化鉄、アンバ
ー、シエンナー、オーカー、ビリジアン、アルミニウム
粉、真鍮粉、ブロンズ粉等が挙げられる。特に、カーボ
ンブラック、酸化チタンが好ましい。
ーネス法、サーメル法のいずれの方法によって製造され
たものでもよく、それぞれの単独又は複数の併用で用い
てもよい。なお、平均粒子径としては、5〜500μ
m、好ましくは10〜50μmである。
長微粒子チタンのいずれのタイプでもよく、それぞれの
単独又は複数の併用で用いてもよい。なお、平均粒子径
としては、0.01〜50μmであり、好ましくは0.
05〜10μmである。
料中に単独で含有されていてもよいし、2種類以上混合
して含有されていてもよい。
水性樹脂を製造することを目的として、上述した高分子
材料に添加してもよいし、着色剤、隠ぺい剤、補強剤、
電気伝導性付与剤として他の目的で添加されたものであ
ってもよいし、両方の目的であってもよい。
分子材料に、汎用性材料として大量に生産されたポリス
チレン系樹脂製品やニトリルゴム製品等のように、予め
顔料が添加されてなる廃材を使用することができること
から、これら廃材の再利用法として非常に有効である。
したがって、環境保護の観点からは、高分子材料に使用
済みの樹脂からなる廃材を用いるとよい。
基としては、スルホン酸基及びその塩、−PO(OH)
2及びその塩、−CH2PO(OH)2及び塩、−NO2、
カルボキシル基及びその塩、水酸基及びその塩、クロロ
メチル化アミン基及び/その塩が挙げられる。このなか
でも、スルホン酸及びその塩が好ましい。これら置換基
は、単独であっても、2種類以上導入されていてもよ
い。
に対して、5〜95モル%、好ましくは10〜70モル
%である。
の改質物が水溶性を示してしまい、吸水性樹脂として使
用できなくなってしまう。一方、置換基の導入量が少な
いと、吸水効果が低下してしまい、特に電解質水溶液に
対する吸水性効果が低下してしまう。
ジエンとを含有する高分子材料を酸及び/又はアルカリ
処理する、吸水性樹脂の製造方法について説明する。
は、アクリロニトリル、スチレン、共役ジエンとを含有
する高分子材料を、アルカリ処理及び/又は酸処理する
ことにより、吸水性樹脂への改質を行うものである。
高分子材料中のアクリロニトリルには、アミド基やカル
ボキシル基若しくはその塩に転換される。一方、スチレ
ン部には、スルホン酸基等の酸性のイオン基が導入さ
れ、共役ジエン部には、水酸基若しくはその塩やスルホ
ン酸基等の酸性のイオン基が導入される。
は、無機アルカリが好ましい。無機アルカリとしては、
アルカリ金属(ナトリウム、リチウム、カリウム等)
や、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)
の酸化物、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、酢酸塩、硫
酸塩、リン酸餌過度の化合物及び水溶液が挙げられる。
せることにより、アクリロニトリル部と共役ジエン部
は、加水分解を受けることになり、それぞれアミド基や
水酸基が導入されることになる。さらに、アルカリを加
えることにより、アミド基はカルボキシル基やその塩、
また水酸基は水酸塩に置換されることになる。
好ましい。無機酸としては、濃硫酸、無水硫酸、発煙硫
酸、クロルスルホン酸等のスルホン化剤や、硝酸、発煙
硝酸、燐酸、塩化燐、酸化燐等が挙げられる。これらの
中では、濃硫酸、無水硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン
酸が好ましく、特に70重量%以上の濃硫酸が好まし
い。
ることにより、アクリロニトリル部は加水分解を受け、
アミド基やカルボキシル基に改質される。一方、スチレ
ン部や共役ジエン部には、スルホン酸基や−PO(O
H)2、−CH2PO(OH)2、ニトロ基等の酸性のイ
オン基が導入されることになる。
化剤を用いる場合、ルイス塩基を併用してもよい。この
ルイス塩基としては、アルキルフォスフェート(トリエ
チルフォスフェート、トリメチルフォスフェート)、ジ
オキサン、無水酢酸、酢酸エチル、パルミチン酸エチ
ル、ジエチルエーテル、チオキサン等が挙げられる。こ
の酸処理において、併用されるルイス塩基の添加量は、
高分子材料中のモノマーユニット全体に対して1〜20
0モル%とされ、好ましくは、2〜100モル%とされ
る。この酸処理において、ルイス塩基の添加量が上述し
た範囲より少ないと、反応中にゲル化物が発生し易くな
り好ましくない。また、ルイス塩基の添加量が上述した
範囲より多いと、スルホン化反応が進行し難くなってし
まい好ましくない。
しては、アルカリ又は酸の濃度に大きく影響を受ける
が、概ね高分子材料の重量に対して、1〜500倍、好
ましくは5〜200倍である。
ると、スチレンや共役ジエンへのイオン基の導入率及び
アクリロニトリルの加水分解率が低下することになり、
吸水性樹脂としての性能(吸水性)が低下してしまう。
一方、アルカリ及び/又は酸の仕込量が多すぎると、過
剰分のアルカリや酸を水洗及び中和することが必要にな
り、経済的にも作業的にも不利になる。
用してもよいし、2種類以上で併用してもよい。併用す
る場合は、混合してもよいし(ただし、アルカリと酸は
混合して使用しない)、逐次添加してもよい。例えば、
酸処理を行った後で、アルカリ処理してもよいし、アル
カリ処理を行った後で、酸処理してもよいし、濃硫酸で
処理した後に、無水硫酸で処理(酸処理→酸処理)して
もよい。
は酸処理は、以下のように行われる。
はクロルスルホン酸のいずれか一方を添加し、次に、無
水硫酸又は発煙硫酸のいずれか一方を添加することが好
ましい。この手法では、先ず、濃硫酸又はクロルスルホ
ン酸のいずれか一方が添加されることによって、高分子
材料中のスチレンや共役ジエン部にスルホン酸基が導入
される。そして、次に、無水硫酸又は発煙硫酸のいずれ
か一方が添加されることによって、同高分子材料がスル
ホン架橋されることとなる。このため、この手法によれ
ば、架橋度の高い吸水性樹脂を得ることができる。した
がって、この手法によれば、水系で優れた形状安定性を
有する機能性樹脂を得ることができる。
硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸、濃硫酸等)と高分
子材料とを反応させることによって、高分子材料中にス
ルホン酸基を導入することができる。または、溶媒中に
n−ブチルリチウムを添加し、さらにドライアイスと反
応させることによって、高分子材料中にカルボキシル基
を導入することができる。または、溶媒中に三塩化燐を
添加し、さらに加水分解することによって、高分子材料
中に−PO(OH)2基を導入することができる。
は、クロロメチルエーテルとルイス酸とによりクロロメ
チル化し、さらにアンモニアや各種アミン化合物と反応
させることによって、樹脂に3級又は4級アミン塩をイ
オン基として導入することができる。または、ポリスチ
レン系樹脂廃材をクロロメチル化物と三塩化燐と反応さ
せ、さらに加水分解することによって、ポリスチレン系
樹脂廃材に−PO(OH)2基を導入することができ
る。
酸中で行ってもよいが、有機溶媒を用いた系で行っても
よい。
1〜2の脂肪族ハロゲン化炭化水素(好ましくは1,2
−ジクロロエタン、クロロホルム、ジクロロメタン、
1,1−ジクロロエタン)、脂肪族環状炭化水素(好ま
しくは、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シク
ロペンタン)、ニトロメタン、ニトロベンゼン、二酸化
イオウ、炭素数1〜7のパラフィン系炭化水素、アセト
ニトリル、二硫化炭素、テトラヒドロフラン、テトラヒ
ドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、アセトン、メ
チルエチルケトン、チオフェン等が挙げられる。好まし
くは、炭素数1〜2の脂肪族ハロゲン化炭化水素、脂肪
族環状炭化水素、ニトロメタン、ニトロベンゼン、二酸
化イオウである。これら溶媒は、そのもの単体で用いて
もよいし、複数混合して用いてもよい。上述した溶媒内
での混合比率は、特に限定されない。
量に対して約200倍未満であることが好ましい。有機
溶媒の添加量がこの範囲より多い場合には、改質処理の
反応率が低くなるとともに、経済的にも不利である。
リ、酸、及び有機溶媒は、反応終了後回収してそのま
ま、又は抜き取りや蒸留等の手法により回収して再度反
応に使用してもよい。
び/又は酸処理においては、原料となる高分子材料の粒
径を細かしておくことが好ましい。高分子材料の表面積
を増加させることにより、改質処理される部分を増加さ
せることになり、高分子材料に対するイオン基の導入率
を向上させることができる。
ためには、高分子材料の塊を粉砕機等により粉砕し、こ
の粉砕物を振るい分けするといった手法が挙げられる。
高分子材料に廃材を用いる場合には、ゴム成分が含有さ
れていることがあるため、低温で廃材を凍結させた後に
粉砕処理を行うことが好ましい。
子材料をの粒径を細かくするためには、高分子材料を加
熱溶融し、加熱溶融した高分子材料を微小な粒子状にす
るといった手法を用いることもできる。
率を向上させるためには、高分子材料の小片サイズを
3.5メッシュ以上のメッシュを通過するサイズとする
ことが好ましい。高分子材料の小片サイズがこれより大
きくなると、被反応物の表面積が小さくなり改質処理さ
れにくくなるため、反応時間がかかり実用的でにととも
に、吸水性樹脂として性能(吸水性)が大幅に低下する
ことになる。
導入反応では、イオン基を導入する際に、反応系に分散
剤を添加してもよい。これによって、高分子材料は、反
応系において良好に分散することとなり、イオン基の導
入率が向上したものとなる。
アルカリや酸の種類、有機溶媒の使用の有無で大きく異
なるが、0〜200℃とされ、好ましくは、30〜15
0℃とされる。温度が低くすぎると、反応速度が遅くな
り実用的でないとともに、イオン基の導入率が低下して
良好な吸水効果が得られなくなる。一方、温度が高すぎ
ると、熱分解により高分子材料の分子鎖が切断されやす
くなり、樹脂が水溶性を示してしまい、吸水性樹脂とし
て使用できなくなる。
く異なるが、概ね1分〜40時間とされ、好ましくは、
5分〜10時間とされる。反応時間が短すぎると、反応
が十分に進行しない。一方、反応時間が長すぎると、生
産効率が悪くなってしまう。
基が導入された反応物は、反応系全体を多量の水で洗浄
するか、逆性の水溶液で中和するとよい。または同反応
系から同反応物をまずフィルター等で濾過し、これを多
量の水や逆性の水溶液に投入して洗浄してもよい。洗浄
された反応物は、アクリロニトリル基の一部が加水分解
されてアクリルアミドとなり、さらに親水性が向上す
る。
状であるために、天日、加熱、減圧、遠心及びプレス等
の乾燥処理が施され、所望の吸水性樹脂となる。
高分子材料中のアクリロニトリル部のニトリル基が加水
分解されてアミド基、若しくはカルボキシル基及び/又
はその塩に転換される。また、高分子材料中の共役ジエ
ン部の二重結合は、加水分解により水酸基及び/又はそ
の塩、若しくは酸性のイオン基が導入される。スチレン
部のベンゼン環には、酸性のイオン基が導入される。
基及び/又はその塩、水酸基及び/又はその塩は、水分
に対する吸収性を向上させる点で必要であり、、ベンゼ
ン環や二重結合に導入された酸性のイオン基は、電解質
水溶液に対しての吸水性を向上させることになる。な
お、ABS樹脂内に元々存在する橋かけ部分は、上記反
応後においても水溶性を示すことがなく、ゲル強度の高
い吸水性樹脂を形成することに貢献している。
おむつや生理用品等の衛生材料、土に保水性を持たせる
ことを目的とした土建、農林、園芸用材料(砂漠等の緑
化用)、芳香剤を長期持続させるための保香剤、有機無
機物質からの脱水剤、消化用薬剤、シーリング剤、パッ
キング剤、結露防止剤、静電防止剤、コーティング剤、
乾燥剤、水処理等の種々の用途に使用することができ
る。
る。なお、本発明が本実施例に限定されるものでないこ
とは言うまでもない。
ニットを44モル%、アクリロニトリルユニットを29
モル%、ブタジエンユニットを28モル%含有。無機顔
料として、酸化チタンを1重量%含有。)を冷凍粉砕
し、32〜150メッシュの粉砕物とした。そして、こ
の粉砕物:3gを、96重量%の濃硫酸:90g中に加
え、80℃で5分間反応させた。反応終了後、反応系中
の固形物をグラスフィルターで濾過し、水洗の後、循風
乾燥機にて115℃で2時間乾燥した。これにより、吸
水性樹脂(実施例1)が得られた。
酸基は、全モノマーユニットの35モル%であった。
分)(ABS樹脂廃材;構成ユニットとして、スチレン
ユニットを50モル%、アクリロニトリルユニットを3
5モル%、ブタジエン部を15モル%含有。カーボンブ
ラックを1重量含有。)を粉砕し、32〜150メッシ
ュの粉砕物とした。
濃硫酸:90g中に加え、60℃で20分間反応させ
た。その後、室温まで冷却し、60重量%の発煙硫酸:
0.5gを追加添加し、さらに10分間反応させた。反
応終了後、反応系中の固形物をグラスフィルターで濾過
し、水洗の後、乾燥機にて2時間乾燥した。これによ
り、吸水性樹脂(実施例2)が得られた。
酸基は、全モノマーユニットの45モル%であった。
リウム水溶液に加え、95℃で1時間反応させた。反応
終了後、反応系中の固形物を濾過し、水洗の後、乾燥器
にて2時間乾燥させた。これにより、吸水性樹脂(実施
例3)が得られた。
酸ソーダ基は、全モノマーユニットの25モル%であっ
た。
ない化成品のABS樹脂(ナチュラルタイプ)を冷凍粉
砕し、32〜150メッシュの粉砕物とした。この粉砕
物を実施例1と同様の方法で処理し、吸水性樹脂(実施
例4)を得た。
酸基は、全モノマーユニットの20モル%であった。
ットを60モル%、アクリロニトリルユニットを40モ
ル%含有。顔料は含有せず)を原料として用いた以外
は、実施例1と同様の方法で処理し、吸水性樹脂(比較
例1)を得た。
酸基は、全モノマーユニットの12モル%であった。
ニットを60モル%、ブタジエンユニットを40モル%
含有。顔料は含有せず)を原料として用いた以外は、実
施例1と同様の方法で処理し、吸水性樹脂(比較例2)
を得た。
酸基は、全モノマーユニットの9モル%であった。
リルユニットを22モル%、ブタジエンユニットを78
モル%含有。顔料は含有せず)を原料として用いた以外
は、実施例1と同様の方法で処理し、吸水性樹脂(比較
例3)を得た。
酸基は、全モノマーユニットの14%であった。
の方法で処理し、吸水性樹脂(比較例4)を得た。
酸基は、全モノマーユニットの14%であった。
の方法で処理し、吸水性樹脂(比較例5)を得た。
酸ソーダ基は、全モノマーユニットの10%であった。
性樹脂について、以下に示すようにその吸水性を調べ
た。
水中に浸漬し、1分経過後、2分経過後、4分経過後の
重量を測定した。その結果を表1に示す。
リル、共役ジエンの3種のユニットの全てを含有する吸
水性樹脂(実施例1〜実施例4)は、同3種のユニット
の全てを含有しない吸水性樹脂(比較例1〜比較例5)
に比べて、吸水速度及び吸水倍率の両方の点で優れてい
ることがわかる。
てわかるように、無機顔料を含有させることにより、よ
り優れた吸水速度及び吸水倍率を示すことがわかる。
が製品によってまちまちで再溶融すると極度に性能が低
下するため、再利用が難しかった。しかし、本発明を適
用することにより、ABS樹脂の廃材を原料として利用
することができるため、資源の有効利用につながる。
性樹脂について、以下に示すようにその吸水性を調べ
た。
重量%の塩化カルシウムに浸漬し、1分経過後、2分経
過後、4分経過後の重量を測定した。その結果を表2に
示す。
リル、共役ジエンの3種のユニットの全てを含有する吸
水性樹脂(実施例1〜実施例4)は、同3種のユニット
の全てを含有しない吸水性樹脂(比較例1、比較例4、
比較例5)に比べて、人工尿や電解質水溶液(2価の金
属塩水溶液)に対しても優れた吸水性を示すことがわか
る。
てわかるように、無機顔料を含有させることにより、よ
り優れた吸水速度及び吸水倍率を示すことがわかる。
明によれば、吸水性に優れる吸水性樹脂を短時間に得る
ことができる。
クルが難しかった使用済みの廃材を用いることができる
ため、資源の有効利用につながり、地球の環境保全に貢
献することができる。
Claims (25)
- 【請求項1】 アクリロニトリルとスチレンと共役ジエ
ンとを構成ユニットとして含有する高分子材料にイオン
基が導入されてなることを特徴とする吸水性樹脂。 - 【請求項2】 上記高分子材料は、共役ジエン部がブロ
ック共重合体をなしていることを特徴とする請求項1記
載の吸水性樹脂。 - 【請求項3】 上記高分子材料は、アクリロニトリルを
10〜50モル%、スチレンを30〜70モル%、共役
ジエンを5〜50モル%を構成ユニットとして含有する
ことを特徴とする請求項1記載の吸水性樹脂。 - 【請求項4】 上記高分子材料は、アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン樹脂であることを特徴とする請求
項1記載の吸水性樹脂。 - 【請求項5】 上記高分子材料は、特定の用途を目的と
して成型された使用済み樹脂からなる廃材であることを
特徴とする請求項1記載の吸水性樹脂。 - 【請求項6】 上記高分子材料は、無機顔料及び/又は
金属粉顔料を含有することを特徴とする請求項1記載の
吸水性樹脂。 - 【請求項7】 上記高分子材料は、無機顔料及び/又は
金属粉顔料を0.01〜20重量%含有することを特徴
とする請求項1記載の吸水性樹脂。 - 【請求項8】 上記無機顔料及び/又は金属粉顔料は、
カーボンブラック、鉄黒、酸化チタン、亜鉛華、ベンガ
ラ、群青、紺青、コバルトブルー、リトポン、硫化亜
鉛、酸化アンチモン、黄色酸化鉄、アンバー、シエンナ
ー、オーカー、ビリジアン、アルミニウム粉、真鍮粉、
ブロンズ粉の少なくとも1種であることを特徴とする請
求項6記載の吸水性樹脂。 - 【請求項9】 上記イオン基の導入は、酸性基の導入及
び/又は加水分解であることを特徴とする請求項1記載
の吸水性樹脂。 - 【請求項10】 上記イオン基は、スルホン酸基及び/
又はその塩、カルボキシル基及び/又はその塩、−PO
(OH)2基及び/又はその塩、−CH2PO(OH)2
基及び/又はその塩、−NO2、水酸基及びその塩、ク
ロロメチル化アミン基及び/又はその塩の少なくとも1
種であることを特徴とする請求項1記載の吸水性樹脂。 - 【請求項11】 上記イオン基が高分子材料中の全ユニ
ットに対して10〜70モル%導入されていることを特
徴とする請求項1記載の吸水性樹脂。 - 【請求項12】 アクリロニトリルとスチレンと共役ジ
エンとを構成ユニットとする高分子材料を酸及び/又は
アルカリ処理することを特徴とする吸水性樹脂の製造方
法。 - 【請求項13】 上記アルカリ及び/又は酸処理は、酸
性基の導入及び/又は加水分解であることを特徴とする
請求項12記載の吸水性樹脂の製造方法。 - 【請求項14】 上記酸処理においては、濃硫酸、無水
硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸、硝酸、発煙硝酸、
燐酸、塩化燐、酸化燐の少なくとも1種以上の無機酸を
用いることを特徴とする請求項12記載の吸水性樹脂の
製造方法。 - 【請求項15】 上記酸処理においては、70重量%の
濃硫酸を用いることを特徴とする請求項12記載の吸水
性樹脂の製造方法。 - 【請求項16】 上記酸及び/又はアルカリ処理におい
ては、3.5メッシュ以上のメッシュサイズを通過する
高分子材料を用いることを特徴とする請求項12記載の
吸水性樹脂の製造方法。 - 【請求項17】 上記高分子材料は、共役ジエン部がブ
ロック共重合体をなしていることを特徴とする請求項1
2記載の吸水性樹脂の製造方法。 - 【請求項18】 上記高分子材料は、アクリロニトリル
を10〜50モル%、スチレンを30〜70モル%、共
役ジエンを5〜50モル%を構成ユニットとして含有す
ることを特徴とする請求項12記載の吸水性樹脂の製造
方法。 - 【請求項19】 上記高分子材料は、アクリロニトリル
−ブタジエン−スチレン樹脂であることを特徴とする請
求項12記載の吸水性樹脂の製造方法。 - 【請求項20】 上記高分子材料は、特定の用途を目的
として成型された使用済み樹脂からなる廃材であること
を特徴とする請求項12記載の吸水性樹脂の製造方法。 - 【請求項21】 上記高分子材料に無機顔料及び/又は
金属粉顔料を添加することを特徴とする請求項12記載
の吸水性樹脂の製造方法。 - 【請求項22】 上記高分子材料に、無機顔料及び/又
は金属粉顔料を0.01〜20重量%添加することを特
徴とする請求項12記載の吸水性樹脂の製造方法。 - 【請求項23】 上記無機顔料及び/又は金属粉顔料
は、カーボンブラック、鉄黒、酸化チタン、亜鉛華、ベ
ンガラ、群青、紺青、コバルトブルー、リトポン、硫化
亜鉛、酸化アンチモン、黄色酸化鉄、アンバー、シエン
ナー、オーカー、ビリジアン、アルミニウム粉、真鍮
粉、ブロンズ粉の少なくとも1種であることを特徴とす
る請求項21記載の吸水性樹脂の製造方法。 - 【請求項24】 上記酸及び/又はアルカリ処理によ
り、スルホン酸及び/又はその塩、カルボキシル基及び
/又はその塩、−PO(OH)2基及び/又はその塩、
−CH2PO(OH)2基及び/又はその塩、−NO2、
水酸基及びその塩、クロロメチル化アミン基及び/又は
その塩の少なくとも1種の置換基を導入することを特徴
とする請求項12記載の吸水性樹脂の製造方法。 - 【請求項25】 上記置換基を高分子材料中の全ユニッ
トに対して10〜70モル%導入することを特徴とする
請求項24記載の吸水性樹脂の製造方法。
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JP2002265524A (ja) * | 2001-03-13 | 2002-09-18 | Sony Corp | 電解質水溶液吸収体およびその製造方法 |
-
1998
- 1998-01-12 JP JP00415098A patent/JP3937550B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2002058090A1 (fr) * | 2001-01-22 | 2002-07-25 | Sony Corporation | Interrupteur electrique de flux et procede de preparation correspondant |
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