JPH1024818A - 車両制動装置の自動開始装置 - Google Patents

車両制動装置の自動開始装置

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JPH1024818A
JPH1024818A JP17809696A JP17809696A JPH1024818A JP H1024818 A JPH1024818 A JP H1024818A JP 17809696 A JP17809696 A JP 17809696A JP 17809696 A JP17809696 A JP 17809696A JP H1024818 A JPH1024818 A JP H1024818A
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braking
driver
brake pedal
automatic
brake
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JP17809696A
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Inventor
Mitsuhiro Makita
光弘 牧田
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緊急制動をしたいという運転者の意思に忠実
な、制動の自動開始を行わせ、運転者に違和感を与えな
い状態で必要な制動性能を確保する。 【解決手段】 コントローラ12がブレーキペダルの操
作量の閾値とステアリング回転軸方向の運転者支持力の
閾値とを用いて自動制動の開始条件を判定する。コント
ローラには、例えば緊急制動時の運転者の動作を測定す
る手段としてのステアリング軸力変化を測定するセンサ
15と、ブレーキペダル操作量を測定するセンサ2と、
緊急制動時のブレーキ液圧を増圧させる電磁弁13を接
続する。ブレーキ操作に先立ち運転者が制動操作する足
を動かそうとするのをステアリング軸力変化として捉え
ることで、運転者の緊急制動に対する意思を確認するこ
とができ、その程度で、予め設定されたブレーキペダル
操作量を超えたブレーキ液圧を発生させる程度を制御
し、運転者の意思に忠実な制動の自動開始を行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両制動装置の自
動開始装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両制動装置の自動開始技術とし
て、例えば、特開平5−42862号公報(文献1)や
特開平7−76267号公報(文献2)に記載された装
置や方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記文献1に開示され
た技術によれば、車間距離センサを利用して、予め制御
ロジックに設定された条件を満たした場合、ドライバ
(運転者)が制動させたい状態であると推定して、ブレ
ーキ操作をした場合に通常より大きな制動力が得られる
ようにブレーキ油圧を増圧するように制御することがで
きる。ところが、この文献1の装置では、予め設定され
た車両距離を制御ロジックで判断しているだけなので、
ブレーキ操作前に緊急制動させるかどうかは、一律、そ
の制御ロジックにより判断させているために、その判断
は、ドライバの意思とは直接に連係していない。つま
り、当該判断には、必ずしも、ドライバが緊急制動させ
たいという意思が、反映されているわけではない。
【0004】一方、文献2に開示された技術の場合に
は、車間距離センサは用いず、ドライバが緊急制動を要
求しているかどうかを、ブレーキペダル(制動ぺダル)
の踏み込み量を測定するセンサの信号を用いて、判断す
る。すなわち、この場合は、ブレーキぺダルの踏み込み
量が或る閾値を超え、なおかつブレーキぺダル踏み込み
速度が設定値より速い場合に、ブレーキ液圧を増圧して
通常より大きい制動力を発生できるように制御すること
ができるものである。
【0005】しかし、この文献2の自動制動の開始方法
では、ブレーキ操作からドライバの緊急制動に対する意
思を推定しているが、ブレーキぺダル操作の速度での判
断であるため、緊急ブレーキをするかどうかの判断につ
いて、それが、ブレーキペダルの踏み込み速度という、
個々のドライバの脚力という身体能力値を直接に利用す
るために、ドライバの個体差による影響が大きいという
問題がある。
【0006】本発明は、このような点に着目してなされ
たもので、確実かつ適切に、運転者の緊急制動をしたい
という意思に基づき、その運転者の意思に忠実な自動制
動の開始を行わせることができるようにすることによ
り、上記した従来の問題を解消し得る、車両制動装置の
自動開始装置を実現しようというものである。また、か
かる開始制御において、運転者の身体的能力に依存する
など個体差による影響が生ずるのもできるだけ避けつ
つ、上記の狙いをより効果的に実現することのできる車
両制動装置の自動開始装置を実現しようというものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の車両制動装置の
自動開始装置は、車両の制動ペダルの操作に対し、その
ペダル位置から得られる制動力より大きい制動力を自動
的に発生させる自動制動装置と、予め設定した制動ペダ
ルの操作量の閾値と、予め設定したステアリング回転軸
方向の運転者支持力の閾値とを用いて、前記自動制動装
置による自動制動の開始条件を判定する判定手段とを備
えることを特徴とするものである。
【0008】また、上記において、ステアリング回転軸
方向の軸力変化率を用いて、運転者の緊急制動への意思
を判定する、ことを特徴とするものである。また、ステ
アリング回転軸方向の軸力変化率が予め定めた設定値を
超えた点から制動ペダル操作開始点までの時間を用い
て、運転者の緊急制動への意思を判定する、ことを特徴
とするものである。
【0009】また、本発明は、制動ペダルの操作量が増
加しているかを監視する手段と、ステアリング回転軸方
向の軸力変化率が予め定めた設定値を超えた点から制動
ペダル操作開始点までの時間が所定の設定値より短いか
否かを判定する手段と、これら手段により、前記制動ペ
ダルの操作量が増加している条件、及び前記時間が所定
の設定値より短い条件のいずれもが成立すると判断され
るときに、自動制動開始可能側の制御を選択し、少なく
とも該条件のいずれかが成立しないと判断される場合に
は、自動制動終了もしくは自動制動禁止側の制御を選択
する手段とを、更に備える、ことを特徴とするものであ
る。
【0010】
【発明の効果】本発明においては、緊急制動状態になっ
ているという運転者の意思を、制動ペダルへ足を移動さ
せる、もしくは該ぺダルを踏み込むという行動を運転者
が採るときに、それに伴ってかかる制動操作に使用する
脚部の移動による慣性力が発生するという点に着目し、
その慣性力分を支持するために運転者がステアリング部
に発生させる反力を計測することで、適切にそれを確認
することが可能であるとの観点から、この着想を具現化
したものである。本発明によれば、制動ペダルの操作に
対し該ペダル位置から得られる制動力より大きい制動力
を自動的に発生させる自動制動の開始条件として、制動
ペダルの操作量の閾値に加えて、ステアリング回転軸方
向の運転者支持力の閾値を用いて判定をする。このよう
にすると、運転者が緊急制動したいという意思を確認し
た上で、自動制動を開始させられるため、運転者に違和
感を与えない状態で必要な制動性能を確保できるという
効果が得られる。
【0011】また、本発明は、ステアリング回転軸方向
の運転者支持力については、ステアリング回転軸方向の
軸力を測定することで得ることができるが、この場合、
好ましくは、請求項2記載のように、ステアリング回転
軸方向の軸力変化率を用いて、運転者の緊急制動への意
思を判定する。この構成によると、単に、ステアリング
回転軸方向の軸力の絶対値で閾値を設定するとすると、
運転者の身体的能力に直接的に依存してしまう場合があ
るのに対して、このようなことも回避できる。したがっ
て、上記効果にほか、更に、運転者の身体的個体差によ
る影響がより少なくて済み、当該軸力変化率で管理で
き、緊急制動の意思があるかどうかをチェックすること
ができる等の効果を奏する。
【0012】また、この場合において、請求項3記載の
如く、ステアリング回転軸方向の軸力変化率が予め定め
た設定値を超えた点から制動ペダル操作開始点までの時
間を用いて運転者の緊急制動への意思を判定する構成す
ると、ステアリング回転軸方向の軸力変化率に加えて、
かかる時間情報も加味した適切な判定が実現でき、制動
キペダル操作との時間情報をもとに緊急制動のレベルを
判断することにより、運転者による身体的個体差の少な
い反応時間を基準として利用することができる。したが
って、上記効果に加え、緊急度合いの推定も可能で、上
記制動ペダル操作開始点までの時間が長ければ、それだ
け緊急度の度合い低く、逆に短ければその分、緊急度合
いは高いことが判断できる等の効果を有する。
【0013】また、本発明は、好ましくは、請求項4記
載のように、更に、制動ペダルの操作量が増加している
かを監視する手段と、ステアリング回転軸方向の軸力変
化率が予め定めた設定値を超えた点から制動ペダル操作
開始点までの時間が所定の設定値より短いか否かを判定
する手段と、これら手段により、前記制動ペダルの操作
量が増加している条件、及び前記時間が所定の設定値よ
り短い条件のいずれもが成立すると判断されるときに、
自動制動開始可能側の制御を選択し、少なくとも該条件
のいずれかが成立しないと判断される場合には、自動制
動終了もしくは自動制動禁止側の制御を選択する手段と
を備える構成として、実施できる。この場合は、制動ペ
ダルの操作量が増加しており、かつ制動ペダル操作開始
点までの時間が所定の設定値より短い条件が共に成立す
ると判断される場合にのみ自動制動を開始させる処理側
を選ばれるとともに、制動ペダルの操作量が増加してい
ないか、または前記時間が所定の設定値より長いと判断
される場合には、自動制動終了処理もしくは自動制動禁
止処理側が選ばれることとなり、適切に自動制動の実
行、非実行の選択をすることができる。よって、例え
ば、一旦、運転者の意思に忠実に自動制動を開始させた
が、その後、運転者の緊急制動への意思がなくなったと
いうような場合や、運転者は急制動したいという意思を
実際はみせなかったという場合等にも適切に対応でき、
したがって、不必要に自動制動が開始されたり、自動制
動が継続されるのを防止することができることになり、
この点でも、より一層、運転者に違和感を与えずに必要
な制動性能はこれを確保することができる等の効果を更
に得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。図1は本発明の一実施例を示す構成
図である。なお、図では、1個の車輪に係わる制動力制
御系を代表して表すが、車両の他の3輪についても、同
様の構成とすることができるのはいうまでもない。
【0015】図中、1は車両のブレーキぺダル(制動ぺ
ダル)を示し、該ブレーキペダル1に、ブレーキペダル
操作量を知るためのブレーキペダル操作センサ2が取り
付けられている。また、本例では、ブレーキペダル2に
よるブレーキ操作に連動してブレーキ液圧を発生させる
マスターシリンダ3を備え、該マスターシリンダ3で発
生させたブレーキ液圧は、チェックバルブ5を通り、各
車輪のホイールシリンダ6へ導かれてブレーキを作動さ
せる。
【0016】マスターシリンダ3は、運転者(ドライ
バ)によるブレーキペダル2の踏み込み時、ブレーキぺ
ダル1の踏み込みペダル位置に応ずるブレーキ液圧を出
力し、一方、各ホイールシリンダ6は、そのブレーキ液
圧(マスターシリンダ発生圧)がそのまま供給されると
き、その圧に応じた制動力をそれぞれ対応車輪に生起さ
せて、車輪個々を制動することができる。
【0017】更に、これら構成要素に加え、本ブレーキ
制御系では、ブレーキペダル2の操作に対し、そのペダ
ル位置から得られるブレーキ液圧(制動圧力)より大き
いブレーキ液圧(制動圧力)を発生させうるようにする
ため、以下の構成を備える(自動制動装置)。
【0018】すなわち、図示の如く、ホイールシリンダ
6へ至る液路には、ホイールシリンダ6に導かれるその
ブレーキ液圧を、マスターシリンダ3以降の系で増圧さ
せることができるように、油圧シリンダ7が接続されて
いる。該油圧シリンダ7は、駆動モータ10によって駆
動されるポンプ9により発生させた油圧を、アキュムレ
ータ8にて脈動を取り除いた上で、電磁弁13を通して
作動させる。電磁弁13から還流されたオイルは、リザ
ーバ11へと戻される。ここに、上記構成は、後述する
コントローラ12の制御の下、緊急制動時のブレーキ液
圧を増圧(制動力を増強)させる機構として機能させる
ことができる。
【0019】また、車両のステアリング系14(ステア
リング部)には、ステアリングの回転軸方向の軸力を測
定する軸力センサ15が取り付けられている。本例で
は、該軸力センサ15を含んで、緊急制動時のドライバ
の動作を測定する手段が構成される。
【0020】上記電磁弁13及び駆動モータ10のそれ
ぞれは、コントローラ12によりコントロールし、該コ
ントローラ12には、上記ブレーキぺダル操作センサ2
からのブレーキぺダル操作量信号、及び軸力センサ15
からの軸力信号等を入力する。コントローラ12は、こ
れら入力情報に基づき、その一例をフローチャートで示
す図2に従う処理を実行し、ドライバが真に急制動が必
要と認識し緊急制動したいという意思をみせたときは、
そのドライバの意志に忠実に自動制動(ブレーキ液圧の
増圧)を開始させるように、その開始制御を実行する。
【0021】ここで、本自動制動の開始制御の原理内容
等につき、図3,4を参照して説明しておくと、これ
は、緊急制動状態になっているというドライバの意思
を、ドライバがブレーキペダル1へ足(通常、右足;図
3参照)を移動するか、もしくはブレーキペダル1を踏
み込むという行動を取るときに、それに伴ってブレーキ
ペダル操作に使用する脚部(右脚部;図3参照)の移動
による慣性力が発生するという点に注目しており、これ
を基本として、その慣性力分を支持するためにドライバ
がステアリング部に発生させる反力を軸力センサ15で
計測し、ブレーキペダル操作との時間情報をもとに緊急
制動のレベルを判断するという、ドライバによる身体的
個体差の少ない反応時間を基準として利用するものであ
り、これにより、既述した問題点も良好に解消すること
ができる。
【0022】図3中、(a)及び(b)は、それぞれ、
緩制動時と急制動時にドライバが発生する力の関係を示
したものである。図3(a)に示すように、緊急制動で
ない通常の緩制動では、ドライバは制動操作に伴って足
(右足)を動かし、また、ブレーキペダル1を踏む時の
力は、ドライバの身体とシート20の接触部分で受け持
つ割合が大きい(矢印参照)。
【0023】それに対して、急制動の場合は、図3
(b)の如く、以下に示すような考察結果が成り立つと
いえる。すなわち、ドライバが急制動の必要性を感じる
場合、ブレーキペダル1を操作する足がブレーキペダル
1に乗っていない時には、操作する足をブレーキペダル
1へ移動させるために力を発生させる必要が生じる。ま
た、既に操作する足がブレーキペダル1上にある場合で
も、急制動時には、操作する足をブレーキペダル1を踏
む動作に移行する時にやはり力を発生させる必要が生じ
る。これらのどちらの場合でも、急制動の意思が強いほ
ど、急速に足をブレーキペダル1まで移動させることに
なり、この操作する足が持つ質量分の慣性力を補償する
ための身体の支持反力は大きいものとなる。この支持反
力は、身体とシート20間で発生させるには、シート2
0の弾性のために瞬時には難しく、ドライバは、ステア
リングホイール14aを操作する手(一般にこのような
状況では両腕)で発生させることになる(図3(b)
中、矢印、及びドットを付した右脚部部分参照)。した
がって、ブレーキ操作に先立ってドライバが制動操作す
る足を動かそうとするのを、ステアリングの軸力変化と
して軸力センサ15により捉えることで、ドライバの緊
急制動に対する意思を確認することができ、その程度
で、予め設定されているブレーキペダル操作量を越えた
ブレーキ液圧を発生させる程度を制御して、ドライバの
意思に忠実な、制動の自動開始を行うことができる。
【0024】更に、このように自動制動の開始条件を判
定するに当たり、軸力センサ15を用いてドライバが緊
急制動したいという意思を確認したうえで自動制動を開
始せしめる場合において、次のようにすれば、更に良好
な開始制御が行える。図4は、緊急制動の判断を示すス
テアリング軸力とブレーキぺダル操作量の変化図であ
る。ステアリング軸力の絶対値で閾値を設定した場合
は、ドライバの身体的能力に直接的に依存してしまう場
合がある。そこで、図4のステアリング軸力特性に示す
如く、その変化率(単位時間Bの間での変化量Aから、
A/Bで算出)で管理するものとし、かかる変化率A/
Bに関して予め設定された値の大きさの比較値(判定用
設定値)と比べることで、緊急制動の意思があるかどう
かをチェックするものとする。また、この変化率A/B
が設定値よりも大きい状態が連続している状態で、ブレ
ーキペダル1が操作され、予め設定されたブレーキペダ
ル操作量の閾値(C)を超えてブレーキペダル作動がO
Nとなるまでの時間tが所定の設定値より短いときに、
自動制動の機能を始動し、ブレーキ液圧の増圧を行うも
のとする。好ましくは、このような処理も加味して開始
条件の判定をするとよい。
【0025】更にまた、この場合において、かかるブレ
ーキ液圧の増圧量については、上記変化率A/Bと上記
時間tに応じて変化させることもでき、そのような処理
を付加することもできる。また、自動制動(ブレーキ液
圧の増圧)は、ブレーキペダル1の操作量が低下を開始
した時点で終了させる。好ましくは、この場合におい
て、終了時には、急に増圧を停止するのでなく、ブレー
キペダル操作量に応じて段階的に増圧量を0にもってい
くようにするとよい。
【0026】次に、図2に示す本実施例の制御フローに
従って、制御ロジックを説明する。本プログラム例は、
上述で例示した追加的な処理も組み込まれた場合のもの
である。図2において、まず、ステップ100では、軸
力センサ15からの軸力信号をもとにステアリング軸力
の変化量Aと時間データBを読み込む。コントローラ1
2は、次に、軸力信号から、その時点での軸力変化率A
/Bを計算する(ステップ101)。その上で、その変
化率A/Bが、予め定めた判定用の設定値より大きいか
どうかでドライバが緊急に制動をしようとしているかを
判断する(ステップ102)。
【0027】ステップ102の判断の結果、A/B値が
該設定値より大きい(ステップ102の答がYES)と
きは、前回も同様であったかを、A/Bフラグ(A/B
変化率フラグ)にてチェックし、その継続の度合いを計
る(ステップ103,104)。なお、始めて変化率A
/Bが設定値より大きくなったときは、ステップ102
はその時点でステップ105を一度選択しており、変化
率A/Bに該設定値を上回る変化があったことを示すた
めA/Bフラグを立てており(A/BフラグON)、し
たがってA/BフラグはONの状態に切り換えられてい
る結果、次回以降はステップ102は、ステップ104
側を選択し、上述の如く継続の度合いを計るためタイマ
カウンタの積算を実行する。ここに、該カウンタ値は、
後述のように制動開始までの時間をみるために用いられ
る。そして、そのカウンタ値の積算開始は、変化率A/
Bがその判定用設定値を超えるタイミングと連動してお
り、加算処理は、A/BフラグがOFFからONに切り
換えられた後、次回以降から実行される。
【0028】次に、ステップ106では、ブレーキぺダ
ル操作センサ2からの信号に基づき、ブレーキペダル1
の操作量が、その予め設定された閾値(図5参照)を超
えて制動を開始したかどうかを判断する。ブレーキペダ
ル1の操作量が閾値を超えた場合(ステップ106の答
がYES)、まず、前回のブレーキ操作量よりも小さく
なっているかどうかを判断し(ステップ107)、その
結果、小さければ、もし、自動ブレーキが作動していれ
ばそれを終了させる(自動制動終了)。ここでは、ステ
ップ107の処理において、今回ブレーキペダル操作量
が、前回のブレーキ操作量より増加しているか否かを監
視して、その判断の結果、前回のブレーキ操作量より増
加していないとき、つまり前回値と同じか、または小さ
くなっていれば、この条件の下、ステップ111側を選
択し、自動ブレーキフラグのOFFへの切り換え、上記
タイマカウンタの値0へのリッセト、上記A/Bフラグ
のOFFへの切り換えの処理を実行させる(ステップ1
11,112,113)。これにより、ブレーキペダル
1の操作量が上記閾値を超える場合(ステップ106の
答がYES)で、かつ増加しつつある条件のとき(ステ
ップ107の答がYES)を対象としてのみ、処理を自
動制動開始制御側(ステップ108→109)の方へ選
択させることができる。かつまた、たとえ、一旦、ドラ
イバの意思に忠実に自動制動(ブレーキ液圧の増圧)を
開始させたものの、踏み込み中のその途中で、ドライバ
がそれ以上のブレーキペダル1の踏み込みを止めるか、
あるいは逆にブレーキペダル1を戻すよう緩める動作を
したときは、コントローラ12は、もやは、ドライバの
緊急制動への意思がなくなったとみて、これに適切に応
えるべく、自動制動を解除することができる(自動制動
の禁止)。したがって、不必要にブレーキ液圧の増圧を
行うのを避けることができることになり、この点でも、
ドライバに違和感を与えないで必要な制動性能を得るこ
とができることにもなる。
【0029】更に、上記ステップ107の次には、制動
開始までの時間をみるタイマカウンタの値が、予め定め
た判定用の設定値より小さいかどうかで緊急度を推定す
る(ステップ108)。ここで、該設定値より大きけれ
ば緊急でないとして、もし自動ブレーキが作動していれ
ばそれを終了する。ここに、終了条件では、上記と同
様、自動ブレーキフラグのOFF(ステップ111)→
タイマカウンタのリセット(ステップ112)→A/B
変化率フラグのリセット(ステップ113)を行う。
【0030】この場合も、これにより、ブレーキペダル
1の操作量が上記閾値を超え(ステップ106の答がY
ES)、かつ依然として増加しつつある場面(ステップ
107の答がYES)であって、しかもタイマカウンタ
値がその判定用設定値より小さくて制動開始までの時間
が短いとき(ステップ108の答がYES)を対象とし
てのみ、処理は自動制動開始制御側(ステップ109)
を選択可能である。したがって、それ以外の条件では、
自動制動は行われないことになる(自動制動禁止)。
【0031】よって、このようなステップ108の判定
処理をも含めた緊急制動のレベルの判断は、上記と同様
にして、真に必要な場合にのみ適切に自動制動の機能を
発揮させることができ、ステアリング軸力変化率A/B
が判定用設定値を超えた時点からブレーキペダル操作量
の閾値を超えてブレーキペダル作動がONとなるまでに
要した時間が長いにもかかわらず、つまりドライバは急
制動したという意思をを実際はみせなかったにの、それ
に反して、不所望にブレーキ液圧の増圧(自動制動)が
行われてしまうといったようなことをも回避できること
とになり、この点でも、よりドライバに違和感を与えず
に必要な制動性能はこれを確保することができることに
もなる。
【0032】しかして、本プログラム例では、以上の判
断で、すべて(ステップ102,106〜109)がY
ESなら、コントローラ12は、真にドライバは緊急制
動したいという意思をみせたと最終的に判断し確認し
て、自動制動を開始させるべくステップ109を実行
し、また、自動ブレーキフラグを立てる(自動ブレーキ
フラグON)ステップ110を実行する。
【0033】この場合において、ステップ109では、
好ましくは、先にも触れたように、自動制動のためのブ
レーキ液圧の増圧量を設定する処理をも実行するものと
し、ブレーキ液圧の増加量については、これを、上記変
化率A/Bとタイマカウンタ値を用いて、適当な関係式
を設定して、ブレーキ液圧増加量がその変化率A/Bと
時間に応じて可変のものとなるよう、計算して求める。
そして、斯く設定したブレーキ液圧増加量に対応して、
コントローラ12は、緊急制動時のブレーキ液圧を増圧
させる機構中の電磁弁13へ対応する制御信号として操
作信号を出力し、実際のブレーキぺダル位置から得られ
るブレーキ液圧よりは当該増加分大きいブレーキ液圧を
発生させるよう、電磁弁13を制御することにより自動
制動を行わせる。
【0034】上述のように、本実施例の制動装置の自動
開始方式によると、ドライバが緊急制動したいという意
思を確認した上で、適切に自動制動を開始させられ、ド
ライバに違和感を与えない状態で必要な制動性能を確保
できる。更に、これに加えて、上記ステップ107,1
08の判定処理を付加してあれば、既述の如く、一旦、
ドライバの意思に忠実に自動制動を開始させたが、その
後、ドライバの緊急制動への意思がなくなったというよ
うな場合や、ドライバは急制動したいという意思を実際
はみせなかったという場合等にも適切に対応できる。し
たがって、不必要に自動制動が開始されたり、自動制動
が継続されるのを防止することができることになり、こ
の点でも、より一層、ドライバに違和感を与えずに必要
な制動性能はこれを確保することができる。更にまた、
ステップ109の如き自動制動のための制動力増強分の
設定処理を加味すれば、自動制動に際しブレーキ液圧の
増加量等を、その変化率A/Bと時間情報に応じて変化
させることもでき、この場合は、より一層きめ細かな制
御方式を実現することができ、効果的なものとなる。
【0035】なお、本発明は、以上の実施の形態に限定
されるものではない。例えば、上記例では、自動制動
(ブレーキ液圧の増圧)は、一旦自動制動が開始された
後のブレーキペダル1の操作量が低下を開始した時点で
終了させることができることは既に述べた。この場合に
おいて、図2,3の制御フローには示さなかったが、終
了時には、急に増圧を停止するのでなく、ブレーキペダ
ル操作量に応じて段階的に増圧量を0(制動力の増強度
を0)にもっていくような処理を、その終了処理過程に
加味してもよいことはいうまでもない。また、好適例で
は、車両制動装置の自動開始装置は、緊急制動時の制動
力を増大させる機構としての図1の電磁弁を含むブレー
キ液圧増圧手段のほか、緊急制動時の運転者の動作を測
定する手段としてのステアリング軸力変化を測定するセ
ンサと、制動ペダルの操作量を測定するセンサとを備え
て構成できるが、車輪制動力や緊急制動時の制動力増強
は、油圧によるブレーキ液圧系による構成に限らず、例
えば油圧を使用しない電磁ブレーキシステムでもよく、
したがって、本発明は、このような車両の制動システム
にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両制動装置の自動開始装置の一実施
例に係るシステム構成図である。
【図2】同実施例のコントローラが実行する制御フロー
の一例を示す制御プログラムフローチャートである。
【図3】原理説明に供する図であって、制動時のドライ
バが発生する力の関係図である。
【図4】緊急制動時のステアリング軸力とブレーキペダ
ル操作量の関係図である。
【符号の説明】
1 ブレーキぺダル 2 ブレーキぺダル操作センサ 3 マスターシリンダ 5 チェックバルブ 6 ホイールシリンダ 7 油圧シリンダ 8 アキュムレータ 9 ポンプ 10 ポンプ駆動モータ 11 リザーバ 12 コントローラ 13 電磁弁 14 ステアリング系 14a ステアリングホイール 15 軸力センサ 20 シート

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の制動ペダルの操作に対し、そのペ
    ダル位置から得られる制動力より大きい制動力を自動的
    に発生させる自動制動装置と、 予め設定した制動ペダルの操作量の閾値と、予め設定し
    たステアリング回転軸方向の運転者支持力の閾値とを用
    いて、前記自動制動装置による自動制動の開始条件を判
    定する判定手段とを備えることを特徴とする車両制動装
    置の自動開始装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 ステアリング回転軸方向の軸力変化率を用いて、運転者
    の緊急制動への意思を判定する、ことを特徴とする車両
    制動装置の自動開始装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 ステアリング回転軸方向の軸力変化率が予め定めた設定
    値を超えた点から制動ペダル操作開始点までの時間を用
    いて、運転者の緊急制動への意思を判定する、ことを特
    徴とする車両制動装置の自動開始装置。
  4. 【請求項4】 制動ペダルの操作量が増加しているかを
    監視する手段と、 ステアリング回転軸方向の軸力変化率が予め定めた設定
    値を超えた点から制動ペダル操作開始点までの時間が所
    定の設定値より短いか否かを判定する手段と、 これら手段により、前記制動ペダルの操作量が増加して
    いる条件、及び前記時間が所定の設定値より短い条件の
    いずれもが成立すると判断されるときに、自動制動開始
    可能側の制御を選択し、少なくとも該条件のいずれかが
    成立しないと判断される場合には、自動制動終了もしく
    は自動制動禁止側の制御を選択する手段とを、更に備え
    る、ことを特徴とする請求項2、または請求項3記載の
    車両制動装置の自動開始装置。
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