JPH10244640A - ポリプロピレン系多層シュリンクフィルム - Google Patents

ポリプロピレン系多層シュリンクフィルム

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JPH10244640A
JPH10244640A JP9053279A JP5327997A JPH10244640A JP H10244640 A JPH10244640 A JP H10244640A JP 9053279 A JP9053279 A JP 9053279A JP 5327997 A JP5327997 A JP 5327997A JP H10244640 A JPH10244640 A JP H10244640A
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JP
Japan
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polypropylene
resin
shrink film
film
temperature
Prior art date
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Pending
Application number
JP9053279A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaaki Kobayashi
貴晃 小林
Kozaburo Toshima
耕三郎 戸島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内外層間の接着性を改善し、層間剥離が起っ
たりシール強度が不十分になる恐れの無い、低温から高
温まで広範な収縮可能温度範囲を有する多層シュリンク
フィルムを提供する。 【解決手段】 ポリプロピレン系多層シュリンクフィル
ムは、ポリプロピレン系軟質樹脂からなる内層と、これ
を挾むホモポリプロピレン樹脂および/またはランダム
共重合ポリプロピレン樹脂からなる両外層を有するもの
である。該ポリプロピレン系軟質樹脂のクロス分別法に
よる90℃以下での溶出量は、ポリプロピレン系軟質樹
脂の全重量に対して40重量%以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は包装用その他に使用
されるポリプロピレン系多層シュリンクフィルムに関
し、さらに詳しくは、低温収縮性および高温耐熱性に優
れて広範な収縮温度範囲を有し、加えて、層間強度が良
好であるシュリンクフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、シュリンクフィルムに使用される
樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂が大部分を占めて
いる。ポリプロピレン系樹脂からなるシュリンクフィル
ムは、従来から使用されて来たポリ塩化ビニルを素材と
するシュリンクフィルムに比べ、低温収縮性および光沢
性に劣るが、収縮包装後の使用済みフィルムの処理など
においては優位性を示すため、今日広く使用されてい
る。しかしながら、このシュリンクフィルムはポリプロ
ピレン系樹脂の高い融点のため、ポリ塩化ビニルやポリ
エチレンからなるシュリンクフィルムに比べ低温での収
縮性に劣り、収縮可能温度範囲を高く設定せねばなら
ず、そのため熱的に弱い被包装物を損傷する難点があ
る。そこで、ポリプロピレン系樹脂フィルム単層ではな
く、内層にポリエチレン系樹脂フィルムを配し、これら
を挟む両外層にポリプロピレン系樹脂フィルムを配して
なる多層フィルムが提案され(特開昭58−16604
9号、特開昭和63−214446号各公報参照)、ポ
リプロピレン系樹脂単層ではなし得なかった低温から高
温までの広範な収縮温度範囲を確保することを可能にし
た。
【0003】しかし、この多層フィルムの内外層を構成
する樹脂は、あまり相溶性の無いポリプロピレン系樹脂
とポリエチレン系樹脂であるため、層間強度が低く収縮
後に層間剥離を来たす問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
に鑑み、内外層間の接着性を改善し、層間剥離が起った
りシール強度が不十分になる恐れの無い、低温から高温
まで広範な収縮可能温度範囲を有する多層シュリンクフ
ィルムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によるポリプロピ
レン系多層シュリンクフィルムは、ポリプロピレン系軟
質樹脂からなる内層と、これを挾むホモポリプロピレン
樹脂および/またはランダム共重合ポリプロピレン樹脂
からなる両外層を有し、該ポリプロピレン系軟質樹脂の
クロス分別法による90℃以下での溶出量が、ポリプロ
ピレン系軟質樹脂の全重量に対して40重量%以上であ
ることを特徴とするものである。
【0006】以下、本発明によるポリプロピレン系多層
シュリンクフィルムの構成成分について順次説明する。
【0007】まず、本発明によるポリプロピレン系多層
シュリンクフィルムの内層を構成するポリプロピレン系
軟質樹脂(以下「PP系軟質樹脂」と略記する)の代表
例は、プロピレンと、エチレン(エチレン含量:好まし
くは1〜6重量%)と、ブテン(ブテン含量:好ましく
は5〜15重量%)とからなる三元共重合体であり、重
量平均分子量が好ましくは5万〜40万であるものであ
る。
【0008】該ポリプロピレン系軟質樹脂のクロス分別
法による90℃以下での溶出量は、ポリプロピレン系軟
質樹脂の全重量に対して40重量%以上である。この溶
出量が40重量%未満であると、低温における収縮性が
低下する。
【0009】本発明において、PP系軟質樹脂を特定す
るための指標として採用されているクロス分別法は、以
下に示すとおりである。
【0010】先ず、PP系軟質樹脂を140℃あるいは
PP系軟質樹脂が完全に溶解する温度のo−ジクロロベ
ンゼンに溶解し、次いで、この溶液を一定速度で冷却
し、予め用意しておいた不活性担体の表面に薄いポリマ
ー層を生成させる。この時、PP系軟質樹脂成分は、結
晶性の高い順、および分子量の大きい順にポリマー層と
して生成する。
【0011】次に、温度を連続的または段階的に上昇さ
せ、順次溶出した成分の濃度を検出して、成分分布(結
晶性分布)を測定する。これは温度上昇溶離分別(Tempe
rature Rising Elution Fractionation ;TREF) と呼ば
れる方法である。同時に、順次溶出した成分を高温型G
PC (Size Exclusion Chromatograph; SEC)により分析
して、分子量と分子量分布を測定する。本発明では、上
述した温度上昇溶離分別部分と高温型GPC部分の両者
をシステムとして備えているクロス分別クロマトグラフ
装置(三菱化学社製「CFC−T150A型」)を使用
して測定を行った。
【0012】他方、本発明によるポリプロピレン系多層
シュリンクフィルムの両外層は、ホモポリプロピレン樹
脂もしくはランダム共重合ポリプロピレン樹脂もしくは
これらの混合物からなる。
【0013】好適に使用されるホモポリプロピレン樹脂
は、MFR(メルトフローレート、230℃で)が1〜
10の範囲内にあり、DSCによる融解温度が160〜
170℃の範囲内にあるものである。
【0014】好適に使用されるランダム共重合ポリプロ
ピレン樹脂は、MFR(230℃で)が1〜10の範囲
内にあり、DSCによる融解温度が140〜160℃の
範囲内にあるものである。
【0015】ホモポリプロピレン樹脂およびランダム共
重合ポリプロピレン樹脂の各MFRが上記範囲を外れる
と、フィルムの延伸加工が難しくなり、さらには不能と
いうことがある。また、これらの樹脂の融解温度が上記
範囲を外れると、得られたシュリンクフィルムが本発明
の特徴である低温から高温までの広範囲な収縮温度範囲
を維持できなくなる場合がある。
【0016】本発明において、各層を構成する樹脂材料
には、帯電防止剤、耐ブロッキング剤、滑剤、防曇剤、
安定剤および結晶造刻剤などの添加剤が必要に応じて添
加される。
【0017】本発明によるポリプロピレン系多層シュリ
ンクフィルムを得るための加工法としては、特に限定さ
れないが、多層ダイスを用いた水冷インフレーション法
やTダイ法など公知の加工法が適用できる。また延伸方
法としては、ロール1軸延伸やテンター2軸延伸、チュ
ーブラー2軸延伸法等の公知の延伸法が適用できる。
【0018】上記加工法において、加工条件は特に限定
されないが、延伸前のフィルム厚みは200〜500μ
m、延伸倍率は縦横各2〜10倍、延伸速度は10〜1
00m/min、延伸温度はフィルム温度で50〜12
0℃、延伸後の多層シュリンクフィルムの厚みは5〜5
0μm、層比は外層/内層/外層=1/2/1〜1/1
0/1であることが好ましい。
【0019】(作用)本発明によるポリプロピレン系多
層シュリンク系フィルムは、両外層に耐熱性のある高融
点のホモポリプロピレン樹脂および/またはランダム共
重合ポリプロピレン樹脂からなる層を配し、内層にクロ
ス分別法による90℃以下での溶出量が40重量%以上
であるPP軟質樹脂を配したものであるため、低温収縮
性に優れ且つ高温耐熱性にも優れて広範な収縮温度範囲
を有し、加えて、内外層を構成する樹脂はいずれもポリ
プロピレン系のものであるため、これら樹脂の相溶性が
良好で層間強度の大きいものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により具体
的に説明する。
【0021】実施例1 両外層用の樹脂材料として、ホモポリプロピレン(密度
0.89g/cm3 、MFR2.0、融解温度160
℃、以下「ホモPP」と略記する)を、内層用の樹脂材
料として、プロピレン、エチレン(エチレン含量:3.
2重量%)およびブテン(ブテン含量:8.7重量%)
からなるPP系軟質樹脂(以下「軟質PP」と略記す
る)をそれぞれ用意した。これらの樹脂材料を、円形の
多層ダイスを取付けた3台の押出し機を用いて水冷イン
フレーションによりサンドイッチ層構造に成膜し、得ら
れた膜をチューブラー2軸延伸により縦横それぞれ5
倍、6倍に延伸し、全厚が15μmで、層比が外層/内
層/外層=1/6/1である多層シュリンクフィルムを
得た。
【0022】実施例2 両外層用の樹脂材料として、ホモPPの代わりに、プロ
ピレンとエチレン(エチレン含量:3.8重量%)から
なるランダム共重合ポリプロピレン(密度0.89g/
cm3 、MFR2.0、融解温度140℃、以下「Rn
PP」と略記する)を用いた点を除いて、実施例1と同
様にして多層シュリンクフィルムを得た。
【0023】比較例1 樹脂材料として、実施例1で用いたホモPPのみを用
い、押出し機を用いてこれを成膜し、厚さ15μmの単
層シュリンクフィルムを得た。
【0024】比較例2 樹脂材料として、実施例2で用いたRnPPのみを用
い、押出し機を用いてこれを成膜し、厚さ15μmの単
層シュリンクフィルムを得た。
【0025】比較例3 樹脂材料として、実施例1で用いた軟質PPのみを用
い、押出し機を用いてこれを成膜し、厚さ15μmの単
層シュリンクフィルムを得た。
【0026】比較例4 両外層用の樹脂材料として、軟質PPの代わりに、エチ
レンとオクテン−1を共重合してなる線状低密度ポリエ
チレン(密度0.920g/cm3 、MFR1.0、以
下「LLDPE」と略記する)を用いた点を除いて、実
施例1と同様にして多層シュリンクフィルムを得た。
【0027】性能評価 実施例および比較例で得られた各シュリンクフィルムを
対象に、下記の評価項目について下記の方法で評価試験
を行った。
【0028】(1) 収縮性として、収縮率(JIS Z1
709)を測定した。
【0029】(2) 下記の方法で収縮試験を行った。図1
において、外径107mm、高さ107mmの紙管1 を
6個用意し、322mm×214mm×5mmの段ボー
ル2の上に2列に載置した。次いで、段ボールと紙管を
空気排出口が穿設された964mm×362mmの多層
シュリンクフィルム3 の一端側半分3aに載せ、同フィル
ムの他端側半分3bを紙管1 の上に折り返し状に被せ、三
方のフィルム縁部3cをシールした。こうして得られた密
封物を、各温度に設定した収縮トンネルに8秒間通過さ
せてフィルムを収縮させ、その仕上りを目視で評価し
た。
【0030】(3) 層間強度として、収縮後のフィルムを
粘着テープで挾み、同テープをフィルムの厚み方向に引
張って、目視観察によりフィルム層間剥離の有無を調べ
た。
【0031】得られた結果を表1にまとめて示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1から明らかなように、実施例1および
実施例2で得られたポリプロピレン系多層シュリンクフ
ィルムは、低温での収縮性および高温での耐熱性に優
れ、収縮温度範囲が広く、且つ層間強度に優れた良好な
フィルムであった。
【0034】これに対し、比較例1および2で得られた
シュリンクフィルムは、耐熱性においては実施例のもの
と同等であるが、低温での収縮性に劣り、また比較例3
で得られたシュリンクフィルムは、低温での収縮性は実
施例のものと同等であるが、高温での耐熱性に劣るフィ
ルムであった。また、比較例4で得られた多層シュリン
クフィルムは、低温での収縮性は実施例のものより優れ
るが、高温での耐熱性に劣り、且つ層間強度にも劣るフ
ィルムであった。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、多層フィルムの両外層
に耐熱性のある高融点のポリプロピレン樹脂からなる層
を配し、内層に低融点成分を持つPP軟質樹脂を配した
ものであるため、低温収縮性に優れ且つ高温耐熱性にも
優れて広範な収縮温度範囲を有し、加えて、内外層を構
成する樹脂はいずれもポリプロピレン系のものであるた
め、これら樹脂の相溶性が良好で層間強度の大きいシュ
リンクフィルムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 収縮試験において段ボール上の紙管を多層シ
ュリンクフィルムでシールした状態を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 :紙管 2 :段ボール 3 :多層シュリンクフィルム

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系軟質樹脂からなる内層
    と、これを挾むホモポリプロピレン樹脂および/または
    ランダム共重合ポリプロピレン樹脂からなる両外層を有
    し、該ポリプロピレン系軟質樹脂のクロス分別法による
    90℃以下での溶出量が、ポリプロピレン系軟質樹脂の
    全重量に対して40重量%以上であることを特徴とする
    ポリプロピレン系多層シュリンクフィルム。
JP9053279A 1997-03-07 1997-03-07 ポリプロピレン系多層シュリンクフィルム Pending JPH10244640A (ja)

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JP9053279A JPH10244640A (ja) 1997-03-07 1997-03-07 ポリプロピレン系多層シュリンクフィルム

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JP (1) JPH10244640A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200070482A (ko) * 2018-12-07 2020-06-18 주식회사 피엔디엔 재활용 가능한 포장지
KR20200090444A (ko) * 2019-01-21 2020-07-29 율촌화학 주식회사 수액백 외장 파우치용 필름

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200070482A (ko) * 2018-12-07 2020-06-18 주식회사 피엔디엔 재활용 가능한 포장지
KR20200090444A (ko) * 2019-01-21 2020-07-29 율촌화학 주식회사 수액백 외장 파우치용 필름

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