JPH1023800A - 誘導電動機の速度制御方法 - Google Patents

誘導電動機の速度制御方法

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JPH1023800A
JPH1023800A JP8176213A JP17621396A JPH1023800A JP H1023800 A JPH1023800 A JP H1023800A JP 8176213 A JP8176213 A JP 8176213A JP 17621396 A JP17621396 A JP 17621396A JP H1023800 A JPH1023800 A JP H1023800A
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俊昭 奥山
Kazuaki Tobari
和明 戸張
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繁 椙山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電動機定数の変動等による速度推定誤差の影響
を受けることなく、零速度域においてもトルク不足を生
じない誘導電動機の速度制御法を提供すること。 【解決手段】速度指令値が所定値以下の場合、d軸電流
を通常時の値以上に制御すると共に、周波数指令値の演
算に速度推定値の代わりに速度指令値を用いる。 【効果】零速度域からトルク不足なしに誘導電動機の速
度制御を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘導電動機の速度
制御方法に関し、特に電動機取り付けの速度センサが不
要で零速度域から高トルクが得られる速度センサレスベ
クトル制御法に関する。
【0002】
【従来の技術】誘導電動機のベクトル制御においては、
電動機の回転速度とすべり周波数基準値の加算値に応じ
て変換器の出力周波数を制御する方法が一般的である。
一方、速度センサレスベクトル制御においては、実回転
速度の代わりに速度推定値を用いて出力周波数を制御す
る。ところが、速度推定値には誤差が含まれるため、実
すべり周波数は適正基準値から変動するようになる。こ
のとき、電動機磁束はトルク変化に応じて変動(減少)
するようになり、この結果、電動機発生トルクはトルク
電流に比例しなくなり、極度の場合は、トルク不足を来
たす場合がある。速度推定の誤差原因としては、速度推
定演算に用いる電動機定数(1次および2次抵抗)の設
定誤差、並びにこれを1次原因として2次的に発生する
電動機磁束の変動が挙げられる。従来はこれらの変動を
補償する十分な方法がなく、このため、特に零速度近傍
においてトルク不足を生じる場合があった。なお、関係
の文献としては、奥山、他「速度、電圧センサレスベク
トル制御における制御定数設定誤差の影響とその補償」
電学論D,110,447(平2−5)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電動
機定数の変動等による速度推定誤差の影響を受けること
なく、零速度域においてもトルク不足を生じない誘導電
動機の速度制御法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、速度指令値が
所定値以下の場合、d軸電流を通常時の値以上に制御
し、また、周波数指令値を速度推定値に代えて速度指令
値に基づいて演算するようにしたことを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の実施例について図を用い
て説明する。図1は、本発明の一実施例の速度センサレ
スベクトル制御装置の構成例を示す。1は誘導電動機、
2は電圧指令値V1* に比例した出力電圧を出力する電
力変換器、3は変換器出力電流iu,iwを座標変換
し、d軸およびq軸電流id,iqを演算する座標変換
器、4はq軸電圧指令値Vq**およびiqに基づいて速
度推定値ωr^を演算する速度推定器、5は速度指令値
ωr* と速度推定値ωr^の偏差に応じて、q軸電流指
令値iq* を出力する速度制御器で、idに応じてiq
* を制限する制限器を備えている。6はiq* とiqに
応じてΔqを出力するq軸電流制御器、7はiq*に基
づいてすべり周波数基準値ωs* を演算するすべり周波
数演算器、8は、ωr^とωs* を加算して信号ω1 *を得
る加算器、9はω1 *とωr*を回転速度の大小に応じて切
り替えて出力する切り替え器で、ω1 *と関数器91の出
力Ga1を乗算する乗算器92、ωr*と関数器93の出
力Ga2を乗算する乗算器94、および両乗算器の出力
を加算する加算器95により構成される。10は切替回
路9からの出力周波数指令値ω1 ** を積分して位相基準
値θを出力する位相基準発生器、11はd軸電流指令器
で、添加電流値Δidと関数器111の出力Ga3を乗
算する乗算器112、および基準電流値id* と乗算器
出力を加算し、その一次遅れ値id**を出力する遅れ回
路113により構成される。12はid**とidの偏差
に応じた信号Δdを出力するd軸電流制御器、13はi
**,iq*、およびω1 ** に基づいてd軸およびq軸
電圧基準値Vd*,Vq*を演算する電圧演算器、14は
Vd*とΔdの加算値Vd**を出力する加算器、15は
Vq*とΔqの加算値Vq**を出力する加算器、16は
Vd**とVq**を座標変換し、変換器出力電圧指令値V
1*(3相)を出力する座標変換器である。
【0006】以上において、9,11が本発明に特徴的
なところである。9,11内の関数器の特性は次のよう
である。関数器91の出力Ga1はωr*が零近傍では
0、大では1の値をとり、関数器92の出力Ga2はそ
の逆の値をとる。すなわち、Ga1,Ga2は互いに相
補の、(数1)の関係にある。
【0007】
【数1】 Ga1+Ga2=1 …(数1) したがって、切り替え器9の出力ω1 ** は(数2)で与
えられる。これより、ω1 ** は零速域ではωr*に、それ
以外ではω1 *に一致する。Ga1,Ga2の漸増/漸減
領域は切り替えを円滑に行うためのもので、この領域で
はω1 ** としてω1 *とωr*の中間値が出力される。
【0008】
【数2】 ω1 **=ω1 *・Ga1+ωr*・Ga2 …(数2) また、関数器111の出力Ga3は、ωr*が零近傍では
1、それ以外では0の値をとる。これにより、id**
よびidは零速度域において基準値id* からΔidだ
け強められる。
【0009】次にシステム全体の動作について述べる。
構成要素の1〜7,10,12,13,14〜16につ
いては、従来の速度センサレスベクトル制御システムと
同様であるが、先ず概要について述べる。
【0010】速度センサレスベクトル制御においては、
変換器出力電圧および出力電流に基づいて回転速度を推
定し、これを速度制御器5にフィードバックして速度制
御を行うと共に、速度推定値ωr^とすべり周波数基準
値ωs* の加算値に従い変換器出力周波数を制御する。
周知の速度センサ付きベクトル制御との違いは、電動機
取り付けの速度センサからの速度検出値を用いる代わり
に速度推定値を用いる点にあるが、基本動作は同様であ
る。
【0011】速度制御器5からのq軸電流指令値iq*
並びにd軸電流指令id**に従い電動機電流iq,id
を制御するには、このために必要な電動機電圧を変換器
より供給する必要がある。そこで、電圧演算器13にお
いて、電流指令値id**,iq*および周波数指令ω1 **
に基づいてd軸およびq軸電圧基準値Vd*,Vq*を演
算し、これを用いて変換器出力電圧を制御する。しか
し、これだけでは制御誤差により電流id,iqが各指
令値に一致しないため、q軸およびd軸電流制御器6,
12からのΔq,Δdにより電圧Vq*,Vd*を修正
し、iq,idを指令値に一致するように制御する。こ
のようにしてすべり周波数制御型ベクトル制御の動作が
行われ、電動機トルクはiq*に比例して制御される。
【0012】次に、各構成要素の詳細な動作について述
べる。
【0013】速度推定器4において(数3)に従い速度
推定値ωr^を演算する。
【0014】
【数3】
【0015】図2に速度推定器4の(数3)に基づく演
算内容を示す。41は電動機モデルであり、電動機q軸
電圧Vq(=Vq**)と誘導起電力eqおよび電流iq
の関係を示す。推定原理は、eqを逆モデルにより推定
し、基準磁束量で割算することにより速度推定値ωr^
を演算するものである。
【0016】ωr^は速度制御器5へのフィードバック
信号に用いると共に、ω1 * の演算に用いられる。この
演算式を(数4)に示す。従来制御ではω1 *がそのまま
出力周波数指令値ω1 **に使用され、変換器の出力周波
数が制御される。
【0017】
【数4】 ω1 *=ωr^+ωs* …(数4) 一方、速度制御器5において、速度偏差ωr*−ωr^ に
応じてq軸電流指令値iq*が演算される。電動機トル
クは基本的にはiq*に比例するため、ωr^ がωr*
一致するように速度制御が行われる。電動機トルクがi
* に正しく比例するためには、電動機電流iqがiq
* に一致し、また電動機磁束が基準値に保たれることが
条件である。これには電動機電流id,iqを各指令値
id**,iq* に一致するように制御することが必要で
あり、このために、d軸およびq軸電流制御器12,6
が設けてある。各運転条件における電動機電圧は(数
5)で示されるが、これに相当の電圧Vd*,Vq*はi
**,iq*、ω1 **および電動機定数に基づいて(数
6)を用い、予め演算により求めることができる。電圧
演算器13においてこの演算を行う。
【0018】
【数5】
【0019】
【数6】
【0020】変換器出力電圧(電動機電圧)は、基本的
にはこのVd*およびVq*に従い制御される。しかし、
制御誤差があると、これだけでは実電流id,iqが各
指令値に一致しないため、d軸およびq軸電流制御器1
2,6により電流偏差に応じた信号Δd,Δqを求め、
これにより出力電圧を修正し、id,iqを指令値に一
致するように制御している。
【0021】以上が従来からのものと共通な動作である
が、次に本発明に直接関係する内容について述べる。
【0022】速度推定器4で求めたωr^ には推定誤差
が含まれる。このため、前述のようにトルク不足の問題
が発生する。推定誤差の原因には、1次および2次抵抗
の温度変化並びに電動機の鉄心飽和による漏れインダク
タンスの変動などがあるが、特に零速度域では種々の原
因からトルク低下が生じ易い。
【0023】本発明は、零速度域のトルク低下の防止を
目的に、零速度域では前述と異なる原理により速度制御
を行う。以下、この内容について述べる。
【0024】トルク低下は前述のように速度推定誤差が
原因であるが、さらにこれを分析すると次の2つに大別
出来る。
【0025】(1)速度推定値を基に周波数を制御する
ことから、推定誤差により実すべり周波数が適正値から
変動する。
【0026】(2)速度推定値を用いて速度制御するた
め、推定誤差によりトルク電流を適正値に制御できな
い。
【0027】そこで本発明においては、それぞれを次の
ようにして解決する。
【0028】「1」零速度域では、推定値ωr^ に代え
て速度指令値ωr*を用い出力周波数指令値ω1 ** を演算
する。すなわち、零速度域では、切り替え器9により通
常時のω1 *に代えてωr*を選択し出力させ、変換器出力
周波数を速度指令値ωr*に応じて制御する。
【0029】「2」零速度域では、d軸電流を通常時よ
り大きめの所定値に制御する。すなわち、d軸電流指令
器11において、通常時の基準値id* にΔidを加算
し、idを強め制御する。
【0030】「1」「2」を適用した場合の、電動機発生
トルクτeと電流Ι1 の関係を(数7)に示す。
【0031】
【数7】
【0032】Ι1 が一定の場合、電動機トルクτeは、
ωs・T2 =±1において最大値をとるが、ωs=0か
らこの間は、τeはすべり周波数ωsに応じて変化する。
この場合、ωsは、実速度ωrが変換器出力周波数ω
1(=ωr* )に対して変動することにより受動的に発生
する。すなわち、負荷トルクの増/減に応じてωs が増
/減することにより、τe は負荷トルクに追従して発生
する。この結果、電動機速度ωrはωr* の近傍(すべり
分だけ変動)に保たれる様になり、速度指令値に応じて
速度制御が行われる。
【0033】ここで、電動機最大トルクは負荷最大トル
ク以上であることが必要なため、Ι1 を負荷最大トルク
に見合う値以上に予め制御する必要がある。このために
idあるいはiqを所定値に制御する。この方法として
は、iq* を速度偏差とは無関係に所定値に設定する方
法もあるが、零速度域では負荷トルクの方向をωr^な
どから検知することが精度上、難しいので、iq*の極
性の設定が行えない。このため、極性の設定が不要なi
**を所定値に設定する方法を図1の実施例では適用し
ている。このとき、前記「2」でも記述したように、電
流指令値Id**を、通常時の基準値id*にΔidを加
算した値とし、id(=Ι1相当)を最大負荷トルクに
見合う値に制御する。
【0034】零速度域においては、以上のように変換器
の出力周波数と出力電流を制御するため、前記(1)
(2)の問題が解決され、トルク不足も解消する。
【0035】出力周波数が数Hz以上の範囲では、切り
替え器9の出力はωr* からω1 *に切り替えられ、従来
方式と同様に速度推定値ωr^を用いて周波数制御を行
う。切り替えを円滑にするため、切り替えに伴うω1 **
の急激な変化を抑制するように、ωr*とω1 * を漸次切
り替える。関数器91,93の出力Ga1,Ga2の漸増
/漸減特性はこのために設けている。また、d軸電流指
令器11においては、idの急変を抑えるため、遅れ回
路113が設けてある。
【0036】また、idを強めた状態(零速度域)で
は、電動機電流Ι1 が定格値を超えないようにするた
め、iq* を制限する必要があること、また、この期間
では、ωr^の精度低下により、iq* は適正値から離
れるため、iq* を所定値または略零に制限することが
必要である。本実施例では、(数8)に従いidに応じ
てiq*の制限値iqMAXを可変する方法を用いている。
【0037】
【数8】
【0038】図3は本発明の他の実施例を示す。速度推
定値ωr^ をq軸電流制御器6′の出力より得る方式の
速度センサレスベクトル制御装置への適用例である。図
において、1〜3,5,7,9〜14,16は図1のも
のと同一物である。6′はiq* とiqの偏差に応じて
ωr^を出力するq軸電流制御器、8′はωr^とωs
*を加算し、信号ω1 * を出力する加算器であり、切り替
え器9は前記実施例と同様にωr*の大小に応じてω1 *
とωr*を選択し出力する。切り替え器9よりω1 *が出
力される従来制御の状態では、電流制御器6′の出力が
ωr^相当となることを考慮すれば、前記実施例と同様
に動作し、同様の効果が得られることは明らかである。
【0039】図4は本発明の他の実施例を示す。信号ω
1 *をq軸電流制御器6″の出力より得る方式の速度セン
サレスベクトル制御装置への適用例である。図におい
て、1〜3,5,7,9〜14,16は図1のものと同
一物である。6″はiq* とiqの偏差に応じてω1 *
出力するq軸電流制御器、8″はω1 *からωs* を減算
し、速度推定値ωr^を求め速度制御器5にフィードバ
ックする減算器であり、切り替え器9は前記実施例と同
様にωr*の大小に応じてω1 *とωr*を選択し出力す
る。切り替え器9よりω1 *が出力される従来制御の状態
では、電流制御器6″の出力がω1 *相当となることを考
慮すれば、前記実施例と同様に動作し、同様の効果が得
られることは明らかである。
【0040】前記実施例では、零速度域においてidを
所定値に強め制御しているが、零速度域でのトルクが正
負両方向あり、一定していない場合はこの方法が適して
いる。理由については先述した。一方、トルクが片方向
のみの場合は、iq* の極性はトルク方向に応じて設定
すればよいので、前記実施例のようにidを所定値に設
定する代わりに、零速度域においてiq* を所定値(負
荷最大トルクに見合う値)に設定する方法も可能であ
る。図5に、この実施例の構成を示す。図において、構
成要素の1〜10,12〜16は図1のものと同一物で
あり、動作も同じである。17は回転速度の大小に応じ
て速度制御器5の出力iq* と設定電流値iq0を切り
替えて出力する切替回路で、ωr*に応じて零速度域にお
いて「1」、それ以外では「0」の信号を出力する関数
器171,iq0と遅れ回路172の出力Ga4(0≦
Ga4≦1)を乗算する乗算器173,Ga4に対して
相補の関係にある信号Ga5(=1−Ga4,0≦Ga
5≦1)とiq* を乗算する乗算器174、および両乗
算器の出力を加算し、q軸電流制御器6の電流指令iq
**を出力する加算器175から構成される。
【0041】このものの動作は、以下である。関数器1
71は、前述したように、零速度域においては「1」、
それ以外では「0」の信号を出力する。遅れ回路172
は切り替えを円滑に行わせるためのもので、前記信号に
一次遅れで追従する信号Ga4を出力する。
【0042】零速度域ではGa4は「1」、Ga5は
「0」のため、乗算器173,174および加算器17
5の動作に従い、q軸電流指令器17からはiq0が出
力される。したがって、零速度近傍ではiq0に従いi
qが制御されて十分なトルクが得られる(iq0は負荷
最大トルクに見合う値に設定される)。なお、零速度域
以外ではこれとは逆にiq* に従いiqが制御され、動
作は従来のものと同一となる。
【0043】以上のようにして、零速度域では、ωr*
応じて変換器出力周波数を、また、所定値iq0に従い
電動機電流を制御することから、このものにおいても前
記実施例と同様の効果が得られる。
【0044】前記実施例は、速度制御器5を備え、その
出力信号iq* に応じてトルクを制御する速度制御方式
への適用例であったが、速度制御器を備えない方式にも
本発明を適用し同様の効果が得られる。図6はこの実施
例の構成を示す。図において、構成要素の1〜3,10
〜14,16は図1のものと同一物である。7′はq軸
電流値iqに基づいてすべり周波数基準値ωs*を求める
すべり周波数演算器、9′は、ωr*とωs*の加算値ある
いはωr*のみを、回転速度の大小に応じて切替えて出力
する切替回路で、関数器91′の出力Ga1′とωs*
乗算する乗算器92′およびωr*と乗算器92′の出力
を加算する加算器95′より構成される。関数器91′
の特性は図1の関数器91に同様であり、出力Ga1′
はωr*が零近傍では「0」、大では「1」の値をとる。
したがって、切り替え器9′の出力ω1 **は、前述した
ように、零速度域ではωr*に、それ以外ではωr*+ωs
* に一致する。
【0045】次にシステム全体の動作について述べる。
零速度域以外の状態では、切り替え器9′からはωr*
ωs* の周波数指令値ω1 **が、また、d軸電流指令器1
1からは基準値id* が出力される。このとき全体の動
作は従来の速度センサレスベクトル制御システムと同一
となる。すなわち、略ωr*に応じて変換器出力周波数を
制御すると共に、電圧演算器13においてid**,iq
およびω1 ** に基づいて所要の電動機電圧を演算し、こ
れにより変換器出力電圧を制御する。
【0046】以上のようにして、変換器の出力電圧と周
波数が制御されることから、V/f制御に類似の動作が
行われる。しかし、電圧演算器13により、電動機の内
部電圧降下を補償して誘導起電力(電動機磁束)が所定
値となるように制御しているため、低速度域まで十分な
トルクが得られるものである。
【0047】このものに本発明を適用した場合は、零速
度域では切替器9′はωr*を出力し、またd軸電流指令
器11は、id* にΔidを加算した指令値id**を出
力し、idを強め制御する。これにより、前記実施例と
同様に、速度指令値に応じて周波数を制御し、d軸電流
を通常時より大きめの所定値に制御することが行われる
ため、零速度域のトルク不足は解消される。なお、切り
替え器9′は、零速度域ではωs*をω1 **から省く動作
をするが、これはid強めに伴い、ωs* が過大になる
ことを防止するためのものである。切替器9′がない場
合(Ga1′を常に「1」または「0」にすることに等
価)でも、主要な動作は変わらないため、目的とする効
果は前記実施例と同様に得られる。
【0048】前記実施例における関数器91,93,1
11,171の入力信号はωr*に限らずωr^ を用いて
も良い。該信号は零速度近傍において切り替えが正確に
行える程度の精度で十分であり、高い精度は要求されな
いためである。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、零速度域においてもト
ルク不足を生じない誘導電動機の速度制御方法を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す、導電動機の速度制御
装置の制御回路構成図である。
【図2】図1の装置における速度推定器の演算内容の説
明図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す、誘導電動機の速度
制御装置の制御回路構成図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す、誘導電動機の速度
制御装置の制御回路構成図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す、誘導電動機の速度
制御装置の制御回路構成図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す、誘導電動機の速度
制御装置の制御回路構成図である。
【符号の説明】
1…誘導電動機、2…電力変換器、3…座標変換器、4
…速度推定器、5…速度制御器、6…q軸電流制御器、
9…切り替え器、11…d軸電流指令器、12…d軸電
流制御器、13…電圧演算器、16…座標変換器。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘導電動機を駆動する電力変換器と、速度
    指令値と速度推定値の偏差に応じてq軸電流指令値を出
    力する速度制御器と、回転磁界座標系のd軸(磁束軸相
    当)の電流指令値およびq軸の前記電流指令値に従い、
    前記電力変換器の出力電流を制御する電流制御器を備え
    た誘導電動機の速度制御装置において、速度指令値ある
    いは速度推定値が所定値以下の場合は、d軸電流を通常
    時の値以上に制御することを特徴とする誘導電動機の速
    度制御方法。
  2. 【請求項2】誘導電動機を駆動する電力変換器と、速度
    指令値と速度推定値の偏差に応じてq軸電流指令値を出
    力する速度制御器と、回転磁界座標系のd軸(磁束軸相
    当)の電流指令値およびq軸の前記電流指令値に従い、
    前記電力変換器の出力電流を制御する電流制御器を備え
    た誘導電動機の速度制御装置において、速度指令値ある
    いは速度推定値が所定値以下の場合は、d軸電流を通常
    時の値以上に制御すると共に、q軸電流を所定値以下に
    制限するようにしたことを特徴とする誘導電動機の速度
    制御方法。
  3. 【請求項3】誘導電動機を駆動する電力変換器と、速度
    指令値と速度推定値の偏差に応じてq軸電流指令値を出
    力する速度制御器と、回転磁界座標系のq軸の電流指令
    値に従い、前記電力変換器の出力電流を制御する電流制
    御器を備えた誘導電動機の速度制御装置において、速度
    指令値あるいは速度推定値が所定値以下の場合は、前記
    速度偏差によらずq軸電流を所定値以上に制御すること
    を特徴とする誘導電動機の速度制御方法。
  4. 【請求項4】誘導電動機を駆動する電力変換器と、速度
    指令値と速度推定値の偏差に応じてq軸電流指令値を出
    力する速度制御器と、回転磁界座標系のd軸(磁束軸相
    当)の電流指令値およびq軸の前記電流指令値に従い、
    前記電力変換器の出力電流を制御する電流制御器を備え
    た誘導電動機の速度制御装置において、速度指令値ある
    いは速度推定値が所定値以下の場合は、周波数指令値の
    演算に速度推定値の代わりに速度指令値を用いるように
    したことを特徴とする誘導電動機の速度制御方法。
  5. 【請求項5】誘導電動機を駆動する電力変換器と、速度
    指令値と速度推定値の偏差に応じてq軸電流指令値を出
    力する速度制御器と、回転磁界座標系のd軸(磁束軸相
    当)の電流指令値およびq軸の前記電流指令値に従い、
    前記電力変換器の出力電流を制御する電流制御器を備え
    た誘導電動機の速度制御装置において、速度指令値ある
    いは速度推定値が所定値以下の場合は、d軸電流を通常
    時の励磁電流値以上に制御すると共に、周波数指令値の
    演算に速度推定値の代わりに速度指令値を用いるように
    したことを特徴とする誘導電動機の速度制御方法。
  6. 【請求項6】誘導電動機を駆動する電力変換器と、速度
    指令値と速度推定値の偏差に応じてq軸電流指令値を出
    力する速度制御器と、回転磁界座標系のq軸の電流指令
    値に従い、前記電力変換器の出力電流を制御する電流制
    御器を備えた誘導電動機の速度制御装置において、速度
    指令値あるいは速度推定値が所定値以下の場合は、q軸
    電流を所定値以上に制御すると共に、周波数指令値の演
    算に速度推定値の代わりに速度指令値を用いるようにし
    たことを特徴とする誘導電動機の速度制御方法。
  7. 【請求項7】誘導電動機を駆動する電力変換器と、回転
    磁界座標系のd軸の電流指令値に従い、前記変換器の出
    力電流を制御する電流制御器と、d軸およびq軸の電流
    検出値あるいは指令値および前記変換器の出力周波数指
    令値に基づいて変換器の出力電圧基準値を演算する電圧
    演算器を備え、速度指令値に応じて変換器の出力周波数
    を制御する誘導電動機の速度制御装置において、速度指
    令値が所定値以下の場合、d軸電流を所定値以上に制御
    することを特徴とする誘導電動機の制御方法。
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