JPH10226177A - 熱転写記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 耐磨耗性および耐薬品性に優れた転写画像が
得られ、しかも高い画像濃度と熱感度が得られる熱転写
記録媒体を得る。 【解決手段】 基材上に少なくとも着色剤と下記一般式
（１）で表される単位のモノマーからなる重合体を含有
するインク層を設ける。 式中、Ｐ_１は水素原子またはメチル基、Ｒ_２，Ｒ_３は または水酸基、Ｒ_４，Ｒ_５は水素原子またはアルキル
基、ｎは整数を表す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は熱転写記録媒体、特
に受容体への定着性がよく、また、熱、こすれ、薬品等
に対する耐性があり、さらに画像濃度が高く、熱感度等
の転写性能も優れた熱転写記録媒体に関する。

【０００２】

【従来の技術】熱転写記録媒体は、熱転写性能を向上さ
せるために、軟化温度の低いインク層が要求されると共
に熱転写された画像を加熱時にこすっても尾を引いて地
肌を汚すことがなく、かつ、有機溶剤のような薬品で溶
解することがないインクが要求される。

【０００３】しかし、これらの要求には矛盾したものも
あることから、理想的なインク層を形成させることはき
わめて困難である。例えば特公昭６０−５９１５９号公
報には、軟化温度６０〜１１０℃のエポキシ樹脂と着色
剤で構成される熱転写インク層を持つ熱転写記録媒体が
開示されている。このインク層は保存安定性がよく、耐
磨耗性にも優れた転写画像を与えるが、この転写画像は
７０℃程度の加熱下で摩擦すると画像が乱れたり、十分
な画像濃度を得られない等の欠点がある。

【０００４】このため、熱転写記録層を多層構造にした
り、特定のバインダー樹脂と特定の熱溶融性インク層の
組み合わせを検索する等の検討が行われている。例えば
特開平３−９９８８５号公報には、融点６０〜１２０℃
の熱溶融性物質で形成される剥離層の上に、ガラス転移
温度５０〜７０℃のポリエステル樹脂と着色剤と滑剤を
主成分とする熱転写インク層を持つ熱転写記録材料が開
示されている。また、特開平３−２１１０９０号公報に
は、剥離層やインク層等の複数層で形成されている熱転
写記録層の少なくとも一層をガラス転移温度１２０℃以
上の熱可塑性樹脂を主成分とする層とし、これによって
耐熱性や耐薬品性の高い転写画像が得られる熱転写記録
媒体が開示されている。しかし、いずれも着色剤に対す
る相溶性が悪いため十分な画像濃度が得られていない。

【０００５】さらに特開平３−１７８４８８号公報に
は、軟化点７０〜１２０℃のワックスを主成分とする剥
離層と、無色の熱可塑性バインダー樹脂中に無機顔料ま
たは軟化点１００℃以上の樹脂粉末を含有させた層とイ
ンク層を持つ３層構成の熱転写記録媒体が、特開平４−
１８９１８９号公報には、熱溶融性インクと該インクに
対して剥離性を持つ樹脂マトリックスよりなる熱溶融性
インク層を持つ熱転写記録媒体が本出願人によって提案
されている。さらに、本出願人は転写画像の耐磨耗性や
耐薬品性の向上を目的に研究を進め、インク層のバイン
ダー樹脂として、メチルメタクリレートとアクリロニト
リルとグリシジルメタクリレートからなる共重合体をア
ルカノールアミンで変性した樹脂を提案した裏旨（特開
平２−２５８２９４号公報）、同様の目的でアクリロニ
トリルまたはメタクリロニトリルと不飽和エステルで形
成される共重合体をインク層のバインダー樹脂として用
いる方法、該インク層の下に潤滑付与剤層および／また
は密着向上剤層を設ける方法、さらに上記インク層の上
に感度向上剤層を設ける方法を提案した（特開平２−２
５８２９５号公報）。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】以上に示すように熱転
写記録媒体には多数の提案があるが、それらはたとい転
写画像の耐磨耗性が高くても十分な画像濃度が得られな
かったり、また、画像濃度が高い場合はインク付着量が
多いため画像の耐磨耗性が低いといった問題を有してい
る。本発明は上記問題を解決し、耐磨耗性、耐薬品性お
よび耐熱性の転写画像を与えるとともに、画像濃度が高
く、さらに熱感度にも優れた熱転写記録媒体を提供する
ことを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一
に、基材上に少なくとも着色剤と下記一般式（１）で表
される単位のモノマーからなる重合体を含有するインク
層を設けることを特徴とする熱転写記録媒体が提供され
る。

【化１０】 式中、Ｒ₁は水素原子またはメチル基、Ｒ₂、Ｒ₃は

【化１１】 または水酸基、Ｒ₄、Ｒ₅は水素原子またはアルキル基、
ｎは整数を表す。第二に、基材上に少なくとも着色剤と
下記一般式（１）で表される単位のモノマー、下記一般
式（２）で表される単位のモノマーおよび／または下記
一般式（３）で表される単位のモノマーからなる共重合
体を含有するインク層を設けることを特徴とする熱転写
記録媒体が提供される。

【化１２】 式中、Ｒ₁は水素原子またはアルキル基、Ｒ₂、Ｒ₃は

【化１３】 または水酸基、Ｒ₄、Ｒ₅は水素原子またはアルキル基、
ｎは整数を表す。

【化１４】 式中、Ｒ₁は前記と同じ。ｍは整数を表す。

【化１５】 式中、Ｒ₁は前記と同じ。Ｒ₆は水素原子、アルキル基、

【化１６】 を表す。ｌは整数を表す。第三に、基材上に少なくとも
着色剤と下記一般式（４）で表される共重合体を含有す
るインク層を設けることを特徴とする熱転写記録媒体が
提供される。

【化１７】 式中、Ｒ₁は水素原子またはメチル基、Ｒ₆は水素原子、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、

【化１８】 を表す。また、Ｒ₄、Ｒ₅は水素原子またはアルキル基、
ｌ、ｍ、ｎは整数を表す。第四に、上記第一、第二また
は第三に記載した熱転写記録媒体において、上記重合体
または共重合体と着色剤との比率が０．２：１〜１：１
の範囲に設定されていることを特徴とする熱転写記録媒
体が提供される。第五に、上記第一、第二、第三または
第四に記載した熱転写記録媒体において、上記重合体ま
たは共重合体の重量平均分子量が５０００〜５００００
の範囲であることを特徴とする熱転写記録媒体が提供さ
れる。第六に、上記第一、第二、第三、第四または第五
に記載した熱転写記録媒体において、上記インク層の厚
さが０．７〜１．５μｍであることを特徴とする熱転写
記録媒体が提供される。第七に、上記第一、第二、第
三、第四、第五または第六に記載した熱転写記録媒体に
おいて、基材上に上記インク層を剥離層を介して設ける
ことを特徴とする熱転写記録媒体が提供される。第八
に、上記第七に記載した熱転写記録媒体において、上記
剥離層が２５℃における針入度が２以下のワックスを主
成分としてなることを特徴とする熱転写記録媒体が提供
される。第九に、上記第八に記載した熱転写記録媒体に
おいて、上記ワックスがカルナウバワックスであること
を特徴とする熱転写記録媒体が提供される。

【０００８】以下に本発明を詳細に説明する。上述のよ
うに本発明は、熱転写記録媒体のインク層に少なくとも
着色剤と上記一般式（１）で示される単位のモノマーか
らなる重合体、あるいは該一般式（１）で示される単位
のモノマー、上記一般式（２）で示される単位のモノマ
ーおよび／または上記一般式（３）で示される単位のモ
ノマーからなる共重合体を含有させることを特徴とす
る。すなわち、このような構成によれば、得られる転写
画像が耐磨耗性や耐薬品性だけだなく高い画像濃度を有
し、さらに熱感度など画像の転写性にも優れた熱転写記
録媒体が得られることを見いだしたものである。

【０００９】上記重合体または共重合体の中で、一般式
（４）で示される共重合体は、耐磨耗性、耐薬品性等に
おいて特に優れた特性を有する。

【００１０】上記インク層において、上記重合体または
共重合体と着色剤との比率は、０．２：１〜１：１の範
囲が好ましい。該重合体または共重合体の比率が０．
２：１より低い場合は効率のよい分散を行うことが難し
くなり画像濃度が低くなる。また、該重合体または共重
合体の比率が１：１より高い場合は、例えばアルコール
等、溶剤に対する耐性が劣化してくる。

【００１１】また、上記重合体または共重合体の重量分
子量が５０００〜５００００の範囲が好ましく、５００
０より低いと顔料とのインタラクションが弱くなり不安
定な分散体となる。また、５００００より高いとインク
層にしたときのせん断強度が高くなり、結果として熱感
度が劣ってくる。

【００１２】上記インク層の厚さは０．７〜１．５μｍ
が好ましく、０．７μｍより低いと熱感度は高くなるが
画像濃度が低くなる。また、１．５μｍより高いと層の
せん断強度が高くなり、熱感度が劣ってくる。

【００１３】さらに、上述のインク層を剥離層を介して
基材上に設けることにより受容層への転写性を高めるこ
とができるとともに転写画像を形成したときの保護層と
なるため、さらに耐磨耗性などの向上が図れる。

【００１４】上記剥離層は、２５℃における針入度が２
以下のワックスを用いて形成することが好ましい。針入
度が２より高いと画像をこすったときひっかかり汚れや
すくなる。針入度２以下のワックスとしてはカルナウバ
ワックスが良好な画像信頼性を与える。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下実施の形態について説明す
る。本発明において、上述のインク層を支持する基材と
しては、従来より公知のフィルムや紙をそのまま使用す
ることができ、例えばポリエステル、ポリカーボネー
ト、トリアセチルセルロース、ナイロン、ポリイミド等
の比較的耐熱性のよいプラスチックフィルム、セロハン
あるいは硫酸紙等が好適に使用できる。

【００１６】支持体の厚さは、熱転写に際しての熱源と
しての熱ヘッドを考慮する場合には２〜１５μｍである
ことが望ましいが、例えばレーザ光等の熱転写性インク
層を選択的に加熱できる熱源を使用する場合には特に制
限はない。また、熱ヘッドを使用する場合には熱ヘッド
と接触する支持体の表面にシリコーン樹脂、フッ素樹
脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、
メラミン樹脂、ニトロセルロース等からなる耐熱性保護
層を設けることにより支持体の耐熱性を向上させること
ができ、また、従来用いることができなかった基材も用
いることもできる。

【００１７】本発明で用いられる着色剤としては、要求
される色調等に応じ、カーボンブラック、有機顔料、無
機顔料または染料から適当なものを選択して用いること
ができる。

【００１８】次に本発明においてインク層の主材となる
上記一般式（１）で表される単位のモノマーからなる重
合体、また、該一般式（１）で表される単位のモノマー
と、さらに上記一般式（２）からなるモノマーおよび／
または上記一般式（３）からなるモノマーを共重合して
得られる重合体は、公知の方法で容易に得ることができ
る。例えば重合開始剤としてはベンゾイルパーオキサイ
ド、アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル開始剤等
を用い、適当な温度、触媒下で重合させて得られる。こ
れらの組成は乳化重合も公知の方法で行うことができ、
エマルジョンとしても使用できる。

【００１９】上記一般式（２）の具体例としてはアクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。ま
た、上記一般式（３）の具体例としてはメチルメタクリ
レート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、
エチルアクリレート、ｎ−ブチルメタクリレート、グリ
シジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、２−
ヒドロキシエチルメタクリレート、ｉｓｏ−ブチルメタ
クリレート、ｔｅｒｔ−ブチルメタクリレート、２−ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。

【００２０】上述の共重合体の中で、耐熱性、耐薬品
性、耐磨耗性の点で特に優れ、かつ、工業的にも容易に
製造可能な組成としては下記一般式（４）の三元共重合
体が好ましい。

【００２１】

【化１９】 式中、Ｒ₁は水素原子またはメチル基、Ｒ₆は水素原子、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、

【００２２】

【化２０】 を表す。また、Ｒ₄、Ｒ₅は水素原子またはアルキル基、
ｌ、ｍ、ｎは整数を表す。

【００２３】本発明のインク層には熱転写性や解像度等
を向上させる目的から各種の添加剤を添加してもよい。
例えば、ワックス状の脂肪酸アミド、各種滑剤、パラフ
ィンワックスのような合成ワックス類、キャンデリラワ
ックス、カルナウバワックス等の天然ワックス類、シリ
コーン油、パーフロロアルキルエーテル等のオイル類等
の添加で熱転写性や解像度を向上させることができる。
なお、この場合の滑剤にはリン酸エステル等のほか、シ
リコーン樹脂や四フッ化エチレン樹脂やフロロアルキル
エーテル樹脂等の樹脂類および炭化ケイ素やシリカ等の
無機滑剤も使用可能である。

【００２４】次に剥離層は、支持体に隣接して設けられ
る層であり、融点または軟化点が７０〜１２０℃のワッ
クスを主体としている。この層は熱印加時に支持体と熱
転写層間の剥離性をよくするために設ける層であり、そ
のためサーマルヘッドによる熱印加で溶融して低粘度液
体になるような成分で構成するのが望ましく、また、加
熱部分と非加熱部分の界面近くで層が容易に切れるよう
に層成分を調整するとよい。

【００２５】剥離層に使用されるワックスを具体的に例
示すると、蜜ろう、鯨ろう、木ろう、米ぬかろう、カル
ナウバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワッ
クス等の天然ワックス、パラフィンワックス、マイクロ
クリスタリンワックス、酸化ワックス、オゾケライト、
セレシン、エステルワックス、ポリエチレンワックス等
の合成ワックス、マルガリン酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、フロイン酸、ベヘ
ニン酸等の高級飽和脂肪酸、ステアリルアルコール、ベ
ヘニルアルコール等の高級飽和一価アルコール、ソルビ
タンの脂肪酸エステル等の高級エステル、ステアリン酸
アミド、オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド等が挙
げられ、特にカルナウバワックスは耐磨耗性などの耐性
を向上させる効果がある。

【００２６】また、剥離層に弾力性を持たせて熱転写記
録媒体と被転写体との密着性をよくすることも可能であ
り、この目的を達成するため剥離層にイソプレンゴム、
ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴ
ム、ニトリルゴム等のゴム類が添加される。このほか、
剥離層の脱落防止のため接着性の強い樹脂類を該層に添
加することもよく行われるが、このために添加される樹
脂としてはエチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−
エチルアクリレート共重合体等が好適である。

【００２７】支持体上への剥離層やインク層の塗工は、
ホットメルト塗布法、水性塗工法、有機溶剤を使用する
塗工法等の公知の方法で行うことができる。このような
塗工法で設けられる熱転写層は、全体の厚みが０．５〜
３．０μｍ、好ましくは０．５〜２．５μｍであり、特
に該熱転写層内でインク層の層厚は０．５〜２．０μ
ｍ、好ましくは０．７〜１．５μｍ、剥離層の層厚は
０．３〜２．０μｍ、好ましくは０．５〜１．５μｍと
すればよい。

【００２８】

【実施例】次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説
明する。

【００２９】〔実施例１〜９および比較例１〜２〕表１
−１〜１−２に示す各実施例および比較例の組成からな
るインク層塗工液および剥離層塗工液を調製し、ワイヤ
ーバーコートにより４．５μｍのポリエステルフィルム
上に塗工し乾燥した。インク層は６０℃、剥離層は８０
℃で乾燥した。

【００３０】

【表１−（１）】

【００３１】

【表１−（２）】 （注）１．表１−１および表１−２中の組成の数字は重
量部である。 ２．ポリマー（Ａ）は下記構造式（Ａ）で示され（式中
のｌ、ｍ、ｎは整数）、重量平均分子量は２５０００で
ある。

【００３２】

【化２１】 ３．ポリマー（Ｂ）は下記構造式（Ｂ）で示され（式中
のｌ、ｍ、ｎは整数）、重量平均分子量は５０００であ
る。

【００３３】

【化２２】

【００３４】４．ポリマー（Ｃ）は下記構造式（Ｃ）で
示され（式中のｌ、ｍ、ｎは整数）、重量平均分子量は
５００００である。

【００３５】

【化２３】

【００３６】上記により得られた実施例１〜９および比
較例１〜２の熱転写記録媒体について、下記特性を下記
の方法でテストし評価した。なお、各テストは転写画像
について行い、受容紙には裏面に糊ずけ処理されたラベ
ル状の白ＰＥＴを使用し、下記印字条件で印字したもの
をテストした。評価結果を表２に示す。

【００３７】（印字条件） サーマルヘッド ：部分グレース薄膜ヘッドタイプ
（８ドット／ｍｍ） プラテン圧 ：１５０ｇ／ｃｍ 熱転写記録媒体の引き剥がし角度：受容紙に対して３０
度 引き剥がしトルク値：２００ｇ 印字速度 ：１０ｃｍ／秒

【００３８】１．画像転写性 白ＰＥＴ（Ｂｅｋｋ平滑度：２５０００秒）を被転写紙
として用い、印加エネルギー２０ｍｊ／ｍｍ２下での転
写画像を次の基準で評価した。 ◎：カスレがなく、画像のエッジがシャープである。 ○：カスレがほとんどない。 △：ややカスレがある。 ×：全く転写しない。

【００３９】２．耐磨耗性 約１ｔ／ｃｍ２のステンレスエッジの対物で３０ｃｍ／
ｓｅｃのスピードで５０往復画像をラブテストし、次の
基準で評価した。 ◎：画像が全く破壊されない。 ○：画像がほとんど破壊されない。 △：画像がやや破壊される。 ×：画像が完全に破壊される。

【００４０】３．耐熱性 １００℃または１５０℃で設定された槽内で、ガラス板
の上に転写画像サンプルを置き、３０ｃｍ／秒のスピー
ドで往復ラブテストを行い、被転写紙（白ＰＥＴ）面を
観察した結果を次の基準で評価した。 ◎：ラブテストの結果、テスト前と変化なし。 ○：ラブテストの結果、画像の判読は可能だが傷ができ
る。 △：ラブテストの結果、画像の判読が不可能になる。 ×：ラブテストの結果、被転写紙面が露出する。

【００４１】４．耐薬品性 各種薬品０．５ｃｃを綿棒に含ませて転写画像に塗布
後、このサンプルについて１０ｇ／ｍｍ２の荷重下に３
０ｃｍ／秒のスピードで往復ラブテストを２０回行い、
被転写紙（白ＰＥＴ）面を観察した結果を次の基準で評
価した。 ◎：ラブテストの結果、テスト前と変化なし。 ○：ラブテストの結果、画像の判読は可能だが傷ができ
る。 △：ラブテストの結果、画像の判読が不可能になる。 ×：ラブテストの結果、被転写紙面が露出する。

【００４２】５．画像濃度 白ＰＥＴ（Ｂｅｋｋ平滑度：２５０００秒）を被転写紙
として用い、印加エネルギー２０ｍｊ／ｍｍ２下でのベ
タ転写画像を反射型濃度測定器（マクベス社製ＲＤ−９
１４）により測定した。

【００４３】

【表２】 表２から実施例の熱転写記録媒体によれば、画像転写が
良好に行われるとともに、転写画像の耐磨耗性および耐
薬品性が著しく向上すること、また、高い画像濃度の印
字画像が得られることがわかる。

【００４４】

【発明の効果】以上のようにインク層に上記重合体また
は共重合体を用いることにより、転写画像の耐磨耗性、
特に高硬度の物体に対する耐磨耗性やいろいろの薬品に
対する耐性が著しく向上するのみならず、高い画像濃度
が得られる熱転写記録媒体を得ることができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 ＦＩ Ｃ０８Ｆ 220/44 Ｃ０８Ｌ 33/04 Ｃ０８Ｌ 33/04 Ｃ０９Ｄ 11/02 Ｃ０９Ｄ 11/02 Ｂ４１Ｍ 5/26 Ｊ Ｆ

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基材上に少なくとも着色剤と下記一般式
   （１）で表される単位のモノマーからなる重合体を含有
   するインク層を設けることを特徴とする熱転写記録媒
   体。 【化１】 式中、Ｒ₁は水素原子またはメチル基、Ｒ₂、Ｒ₃は 【化２】 または水酸基、Ｒ₄、Ｒ₅は水素原子またはアルキル基、
   ｎは整数を表す。
2. 【請求項２】 基材上に少なくとも着色剤と下記一般式
   （１）で表される単位のモノマー、下記一般式（２）で
   表される単位のモノマーおよび／または下記一般式
   （３）で表される単位のモノマーからなる共重合体を含
   有するインク層を設けることを特徴とする熱転写記録媒
   体。 【化３】 式中、Ｒ₁は水素原子またはアルキル基、Ｒ₂、Ｒ₃は 【化４】 または水酸基、Ｒ₄、Ｒ₅は水素原子またはアルキル基、
   ｎは整数を表す。 【化５】 式中、Ｒ₁は前記と同じ。ｍは整数を表す。 【化６】 式中、Ｒ₁は前記と同じ。Ｒ₆は水素原子、アルキル基、 【化７】 を表す。また、ｌは整数を表す。
3. 【請求項３】 基材上に少なくとも着色剤と下記一般式
   （４）で表される共重合体を含有するインク層を設ける
   ことを特徴とする熱転写記録媒体。 【化８】 式中、Ｒ₁は水素原子またはメチル基、Ｒ₆は水素原子、
   メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、 【化９】 を表す。また、Ｒ₄、Ｒ₅は水素原子またはアルキル基、
   ｌ、ｍ、ｎは整数を表す。
4. 【請求項４】 請求項１、２または３記載の熱転写記録
   媒体において、前記重合体または共重合体と着色剤との
   比率が０．２：１〜１：１の範囲に設定されていること
   を特徴とする熱転写記録媒体。
5. 【請求項５】 請求項１、２、３または４記載の熱転写
   記録媒体において、前記重合体または共重合体の重量平
   均分子量が５０００〜５００００の範囲であることを特
   徴とする熱転写記録媒体。
6. 【請求項６】 請求項１、２、３、４または５記載の熱
   転写記録媒体において、前記インク層の厚さが０．７〜
   １．５μｍであることを特徴とする熱転写記録媒体。
7. 【請求項７】 請求項１、２、３、４、５または６記載
   の熱転写記録媒体において、基材上に前記インク層を剥
   離層を介して設けることを特徴とする熱転写記録媒体。
8. 【請求項８】 請求項７記載の熱転写記録媒体におい
   て、前記剥離層が２５℃における針入度が２以下のワッ
   クスを主成分としてなることを特徴とする熱転写記録媒
   体。
9. 【請求項９】 請求項８記載の熱転写記録媒体におい
   て、前記ワックスがカルナウバワックスであることを特
   徴とする熱転写記録媒体。