JPH10225485A - 車椅子の走行装置 - Google Patents

車椅子の走行装置

Info

Publication number
JPH10225485A
JPH10225485A JP9341180A JP34118097A JPH10225485A JP H10225485 A JPH10225485 A JP H10225485A JP 9341180 A JP9341180 A JP 9341180A JP 34118097 A JP34118097 A JP 34118097A JP H10225485 A JPH10225485 A JP H10225485A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheels
frame
wheel
roller
rotation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9341180A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Ueki
徹郎 植木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
PAATONA KK
TAKAFUJI KK
Original Assignee
PAATONA KK
TAKAFUJI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by PAATONA KK, TAKAFUJI KK filed Critical PAATONA KK
Priority to JP9341180A priority Critical patent/JPH10225485A/ja
Publication of JPH10225485A publication Critical patent/JPH10225485A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Handcart (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車椅子において、比較的小さな力で容易に走
行操作できると共に非動作時のロック保持を確実に行う
ことができ、また、登り走行時に逆転を防止できるよう
にする。 【解決手段】 車体フレーム3に備えた車輪4の回転軸
5に前後回動可能に軸支されたフレーム12に、互いに
相反する方向にのみ回転するローラ13と14をアーム
部材15により取付け、アーム部材15を切換え操作部
材16により切換えて両ローラ13,14の両方又はい
ずれか一方のローラを車輪4のタイヤ4b側に選択的に
圧接させるように成し、フレーム12をハンドル17に
より前後に回動操作することにより前輪4を前進回転・
後退回転させる。フレーム12を前方倒伏位置において
ロックするロック機構41を車体フレーム3に取付け、
車輪4と回転軸5との間に車輪4の登り傾斜面での逆転
を防止する逆転防止機構71を取付けてこの操作部材7
4を車体フレーム3に取付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、座部に着座し、車
輪を手動で回転させて走行させる車椅子の走行装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の車椅子は、一般に、座部を備えた
車体の後部両側に動輪となる大径の車輪を、前部両側に
小径の補助輪をそれぞれ配置し、また、車体の後部には
介助者が押すためのハンドルグリップが設けられてお
り、そして、動輪となる車輪には外側に、この車輪を手
動で回転するためのハンドリングを取付けて構成されて
いる。
【0003】この車椅子を着座者が自ら走行させる場合
は、着座者が車輪に取付けられたハンドリングを手で押
し回すことによって車輪を回転させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように車椅子にあ
っては、着座者が自ら走行させる場合は、着座者は腕を
広げて車輪の外周を越えてハンドリングを握り、腕を前
後に振り動かすような動作によりハンドリングを回転さ
せて車輪を回転させているため、着座者が老人や小供等
の場合には大きな負担を強いられる。
【0005】さらに、このような車椅子では、下り坂道
等の傾斜面での走行ではブレーキ操作を同時に行わない
と、自然に前進することになるため、危険を伴うおそれ
がある。
【0006】そこで、本発明はかかる点に鑑み、手動に
よる走行操作が容易で、僅かな力で走行できると共に坂
道等の傾斜面での走行の安全性を向上し、しかも、乗降
時等の停止ロックを容易に、かつ確実に行うことができ
るようにした車椅子の走行装置を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明による車椅子の走行装置は、左右の各車輪をそ
れぞれ跨ぐ形状に形成されるとともに、下端部が前記車
輪の回転軸に取り付けられ、前後揺動可能な左右一対の
門型フレームと、この各門型フレームに回動可能に枢着
され、回転自在のローラを各車輪側に弾性的に圧接する
アームと、前記各ローラと各アーム側に固設した回転軸
との間に設けられ、車輪が前進若しくは後退させる方向
のみに回転するのを許容する一方向クラッチと、前記前
後いずれかのローラを車輪側に選択的に圧着させて一方
向クラッチのいずれかを選択的につなぐ切換レバーと、
前後に揺動させることによって車輪を前進若しくは後退
方向に回転させて移動・走行させるハンドルと、車輪の
回転動作を制動するブレーキとを備えたものである。
【0008】また、本発明の車椅子の走行装置は、左右
の各車輪にそれぞれ対応し、下端部が前記車輪の回転軸
に固定され、前後回動可能な左右一対のフレームと、こ
の各フレームに枢着され、後方のみの回転を可能とする
ローラと前方のみの回転を可能とするローラを支持し、
この両ローラを前記各車輪側に圧接するアーム部材と、
前記各フレームと前記各アーム部材との間に配置され、
前記両ローラの両方又はいずれか一方のローラを前記各
車輪側に選択的に圧接させる切換操作部材と、前記各フ
レームの上端部に固定され、前記フレームを前後に回動
操作し、前記各車輪を前進若しくは後退方向に回転させ
るハンドルと、車体側に取付けられ、前記各フレームを
所定の回動位置において、ロックする左右一対のロック
機構と、前記各車輪と前記各回転軸との間に配設されて
登り傾斜面の走行時に前記各車輪の逆転を防止する逆転
防止機構とを備えて構成したものである。
【0009】このように構成される本発明による車椅子
の走行装置は、前進走行時は、切換操作部材により、ア
ーム部材を後方のみの回転を可能とするローラを車輪に
圧接させ、この状態でフレームをハンドルにより前後に
回動することにより車輪は前方へ回転されて前進され
る。
【0010】すなわち、フレームをハンドルにより前方
へ押圧回動する際には、車輪に圧接されているローラは
前方へは回転させないため、フレームはローラを介して
車輪と一体になり、これにより車輪は前方へ回転され
る。このフレームの前方への押圧回動から後方への戻し
回動の際には、ローラは後方へ回転し、車輪に対して空
転状態になって車輪は前方への回転を持続する。このよ
うにしてフレームを繰返し前後に往復回動操作すること
により車椅子は前進走行する。
【0011】また、車椅子を後退走行する際は、切換操
作部材を前記と逆操作し、前方のみの回転を可能とする
ローラを車輪に圧接させて、フレームを後方へ回動、す
なわち、引張り回動することによりフレームはローラを
介して車輪と一体になり、車輪は後方へ回転され、フレ
ームの前方への戻し回動の際は、ローラが前方空転状に
回転されて車輪は後方への回転を持続する。このように
してフレームを繰返し前後に往復回動操作することによ
り車椅子は後退走行する。
【0012】この前進及び後退走行時にフレームの回動
を停止すると車輪はローラがブレーキ作用して回転が停
止される。
【0013】そして、フレームを所定位置まで回動して
ロック機構によりロックすることにより、車輪は停止状
態に保持される。この場合、切換操作部材を操作して車
輪に対して両ローラを圧接させることにより、車輪は完
全に停止ロックされる。
【0014】また、車椅子の登り傾斜面の走行時は逆転
防止機構を作動させることにより、車輪の逆転が防止さ
れて登り傾斜面の走行が容易に行える。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0016】第1の例の図1に示す車椅子の走行装置
は、左右の各車輪101(図2に示す)毎に、門型フレ
ーム102と、アーム103と、切換レバー104と、
図示外のハンドルと、図示外のブレーキとを備えてい
る。
【0017】門型フレーム102は、各車輪101をそ
れぞれ跨いで挟む略ガントリ状に形成されている。この
門型フレーム102は、下部が(二股に)分岐し脚部1
21を構成している。脚部121の下端部は車輪101
の回転軸101Aに両側から挟持状態で取付てある。こ
の門型フレーム102には図示外のカバーが一体に取り
付けてあり、このカバーと一体にハンドルが固定してあ
るので、ハンドルの押動操作によって門型フレーム10
2を車輪101の前後方向に揺動できるようになってい
る。なお、このハンドルは車椅子本体110に対して特
定の角度範囲内でのみ揺動するように調節可能である。
【0018】アーム103には、大略コ字型(若しくは
略L字型でもよい)に形成された挟持体130を使用し
ており、各門型フレーム102の脚部121基部側の前
後部に、それぞれ2箇所の回動支点103A,103B
を中心として回動可能に枢着されている。またアーム1
03には、ゴム等で形成したローラ131を回転自在に
取り付け、門型フレーム102との間に引張ばね等の弾
性部材122A,122Bをそれぞれ張設し、各ローラ
131をリム101Bに対して常時下側から弾性的に圧
接する。なお、このローラの圧接部位としてはこのリム
以外に、直接タイヤに圧接してもよい。
【0019】ローラ131は、図2に示すように、アー
ム103に穿設・開口した角孔(正方形に開口)103
Bに嵌合する断面正方形の角形部132Aを有する嵌合
シャフト132に、軸受け133、スペーサ134、ワ
ンウエイ(一方向)クラッチ135等を介して取り付け
ている。図2において、符号137は、ワッシャ137
A及びばね137Bを介裝して雄ねじ部132Cに螺合
するナットを示し、ローラ131が摩耗した場合などに
は適宜交換できる。また、符号138は蓋を示す。
【0020】切り換えレバー104を操作して「前進モ
ード」に設定すると、ハンドルの後方への引き戻し時
に、車輪101を前進させる回転力が発生する。逆に、
切り換えレバー104を操作して「後退モード」に設定
すると、ハンドルの前側への押出し時に、車輪101の
後退(回転)力が発生する。これらの場合、それぞれ逆
方向にハンドルを押動する間には、ワンウエイクラッチ
135が「切り状態」となるから、回転力がローラ13
1側へ伝達しないわけであるが、逆回転するのを阻止し
ているからブレーキとして機能する。
【0021】なお切換レバー104は、門型フレーム1
02において回転中心140に取り付けており、正回転
用クラッチ131Aと逆回転用クラッチ131Bの作動
を択一的に切り換える。またこの切換レバー104に
は、図3に示すように、一体に回動する偏心カム141
を設けてあるが、偏心カム141と門型フレーム102
との間には引張ばね142などの適宜のロック手段を付
設するのがよい。なお、図3において符号143は門型
フレーム102に植立させたストッパピンを示す。
【0022】さて、例えば図3に示すように、切換レバ
ー104を右方(車輪に対して前方)に倒すと「前進モ
ード」となる。この場合、この切換レバー104と一体
に回動する偏心カム141が右方のアーム130Bのみ
を下方(時計回り)に押動し、このアーム130A側の
ローラ131Aがリム101Bから離間するようにな
り、左方のアーム130Bのローラ131Bのみがリム
101Bと圧接する。
【0023】なお切換レバー104を垂直に起立させて
おくときには、車輪101のブレーキとしても機能す
る。また、勿論これとは別に専用のブレーキを設け、さ
らに安全性を高めてもよい。
【0024】さらに門型フレーム102には、図4に示
す(この図4では切換レバー104を省略)切換レバー
106を付設しており、座者以外の介護者などが操作す
る場合に使用する。切換レバー106には、回転中心1
60を中心として切換レバー106と一体に回動するカ
ム161を有しており、カム161を水平方向に傾ける
と、左右双方のアーム130A,130Bが互いに反対
方向に押し出されてリム101Bと離間する。
【0025】ハンドルは、座者が両手で把持して前後方
向に揺動操作させ、車輪101を前進及び後退のいずれ
かの方向に回転させる。
【0026】さらに、またこの実施例の車椅子には、例
えば排便などの場合には、通常の座部を略U字形(若し
くは略O字形)の便座用のシートと簡単に交換できるよ
うに、適宜の取り付け部材を介して座部を取り付ける。
【0027】次に、第2の例について図面を参照しなが
ら説明する。なお、先の第1の例と同一部分に同一符号
を付して重複説明を避ける。この実施例の走行装置は、
図5の如く車輪の回転軸101A側に直接設けており、
ハンドル105を往復動作することによって、前後いず
れのハンドル動作でも前進駆動力若しくは後退駆動力を
発生する。なお、図5において符号108は先の実施例
の門型フレーム102に相当するフレーム部分であり、
ハンドル105と一体に揺動する。
【0028】この第2の例の走行装置は、回転軸101
Aの両端部、即ち左右の車輪の外側にそれぞれギア10
7を設けている。また、このギア107は、前進用のギ
ア系107Aと後退用のギア系107Bを夫々一組ずつ
からなる。いずれのギア系にも同一構成のギアが組み合
わせてあるが、回転力を断接する向きが反対であるワン
ウエイクラッチ(構成は先の第1の例のもの135と同
様)を組み付けてある点で異なっている。従って、ここ
での説明では、前進用のギア系107Aについて説明す
る。
【0029】ギア系107Aでは、回転軸101Aを前
進方向に回転させるために2系統のギア列で構成されて
いる。図6に示す一方のギア列は、第1ギア151と、
第2ギア152と、駆動ギア150とからなり、第1ギ
ア151は座者の手で操作するハンドル105と一体の
軸105Aに固着されている。駆動ギア150は回転軸
101Aに固着されている。第2ギア152は軸105
Bを中心に回転するが、アーム154によって軸105
Aを中心として回動自在となっている。なお、第1ギア
151には、ワンウエイクラッチが組み込まれている。
【0030】図7に示す他方のギア列は、第3ギア15
5と、第4ギア156と、第5ギア157と、駆動ギア
150とからなる。第3ギア155はハンドル105と
一体の軸105Aで固着されている。第4ギア156は
軸105Cを中心に回転するが、第2アーム158に枢
支されている。第3ギア155にも、ワンウエイクラッ
チが組み込まれている。
【0031】第2ギア152は引っ張りばね154Sに
よって駆動ギア150と噛合している。第4ギア156
は引っ張りばね158Sによって第5ギア157と噛合
している。そこで、適宜の切り換えレバーを設けてお
り、例えば前進方向にセットすると、後退用のギア系1
07Bの噛合動作を解除させるから、前進方向のギア系
107Aのみが噛合状態となる。これにより、ハンドル
操作によって前側への押動動作及び後側への引き戻し動
作のいずれの場合にも、車輪が前進する。
【0032】なお、これらの第1,第2の実施例におい
てロック手段を設けてあり、ハンドルを握って前後に揺
動しているときには作動しないが、ハンドルから手を離
すと、直ちにハンドル及びこのハンドルが取り付けてあ
る(門型)フレームがその位置で固定ロックされて姿勢
を保持する。このロック手段の具体的構成としては、例
えば、車椅子本体側に固定したブレーキ板と、ハンドル
の握り部分を手で把持している間はブレーキ板から離間
し手を離すとスプリングの作用で作動してブレーキ板に
圧接する(門型)フレーム側に取り付けたブレーキとを
備えたものである。
【0033】図8は、第3の例の車椅子を示すもので、
符記号1は車椅子本体を指示し、この車椅子本体1は、
座部2を備えた車体フレーム3の後部両側に動輪となる
車輪4が車体フレーム3に水平に突設された回転軸5に
中心軸部4aにおいて回転自在に軸着され(図10参
照)、また、車体フレーム3の前部両側に補助輪となる
小径のキャスター車輪6を配設して構成されている。
【0034】この車椅子本体1の座部2は座面2aと背
もたれ2b及び肘掛け2cとから形成されており、この
座部2の背もたれ2bの支持部を形成する車体フレーム
3の後部の両側上端部には、ハンドルグリップ7が設け
られ、このハンドルグリップ7には介助者が車輪4のブ
レーキを操作するブレーキハンドル8が取付けられてい
る。
【0035】そして、この車椅子本体1の両車輪4側に
はそれぞれ走行装置11が装着されている。この両走行
装置11は、左右の両車輪4にそれぞれ対応して左右対
称に構成されるもので、車輪4の回転軸5に軸支される
フレーム12と、車輪4に圧接される第1、第2のロー
ラ13,14と、この両ローラ13,14を軸支するア
ーム部材15と、アーム部材15を切換操作する切換操
作部材16と、フレーム12を回動操作するハンドル1
7とを備えている。
【0036】フレーム12は、図8及び図9に示すよう
に、車輪4を跨いで挟むように略門形状に形成されて、
この両側面部12a,12bは基端部において、図10
に示すように、車輪4の回転軸5の内端及び外端に嵌合
された軸受け18a,18bに回転可能に嵌挿されてい
るブラケット19a,19bに重合して、ねじピン20
により締付け固着される。この略門形状のフレーム12
の上面部12cと車輪4の外周との間に位置して第1、
第2のローラ13,14及びアーム部材15の装着部1
2dを形成している。
【0037】第1、第2のローラ13,14を軸支する
アーム部材15は、図11〜図14に示すように、第1
のローラ13を軸支する第1のアーム21と第2のロー
ラ14を軸支する第2のアーム22とから構成され、こ
の両アーム21,22は、ローラ13,14を挟持状に
軸支するように略コ字状で、側面視略く字状に形成され
て、この略く字状屈曲部の下側において互いに交差し、
この交差部をフレーム12の前記装着部12dの下部
側、すなわち、車輪4に近接する部位に両側面部12
a,12b間に横架される軸23により互いに回動可能
に枢着されている。
【0038】この第1、第2のアーム21,22には、
それぞれ開放端である下端部間に第1、第2のローラ1
3,14が軸24,25により軸支され、この第1と第
2のアーム21と22とは互いに対向する上端間に、引
張りコイルスプリング等の弾性部材26を張設して互い
に引き合う方向に付勢されている。
【0039】第1と第2のローラ13と14は互いに相
反する方向の一方向のみに回転するローラであって、第
1のローラ13は後方のみに回転可能で、第2のローラ
14は前方のみに回転可能である。この一方向のみに回
転する第1、第2のローラ13,14は、周知のワンウ
エイ(一方向)クラッチ等を内蔵して構成され、この第
1、第2のローラ13,14は外周部をゴム等の弾性を
保有する素材により形成される。
【0040】また、アーム部材15を切換操作する切換
操作部材16は、フレーム12のアーム部材装着部12
dの上部に取付けられている。この切換操作部材16
は、前述したフレーム12に軸支される第1と第2のア
ーム21と22の上端部間に位置してカム27が回転軸
28により軸支され、この回転軸28の外端部、すなわ
ち、フレーム12の外側面部12aから突出する端部に
クリックストップ的に回転される回転体29を取付け、
この回転体29に操作レバー30を取付けて構成されて
いる。
【0041】この切換操作部材16の操作レバー30を
前後に操作することにより、カム27は回転体29、回
転軸28を介して一体に回動される。すなわち、図1
2、図13に示すように操作レバー30が中立位置の場
合は、カム27は第1と第2のアーム21と22に対し
て均等に対応し、これにより、両アーム21,22は回
動されずフレーム12に対して前後に対称に位置し、こ
の状態で第1と第2のローラ13と14は共に車輪4の
外周面であるタイヤ4bの踏み面に前述した弾性部材2
6の付勢力により圧接される。
【0042】そこで、操作レバー30を後方へ回動する
と、図11に示すように、カム27は一体に前方へ回動
されて第2のアーム22を押圧し、これにより第2のア
ーム22は軸23を中心として回動されて、この下端部
に軸支される第2のローラ14は車輪4から離れ、この
状態では、第1のアーム21は回動されないため第1の
ローラ13のみが車輪4のタイヤ4bの踏み面に圧接さ
れる(図11の実線の状態)。
【0043】また、操作レバー30を前方へ回動する
と、カム27は一体に後方へ回動されて第1のアーム2
1を押圧し、これにより第1のアーム21は軸23を中
心として回動されて、この下端部に軸支される第1のロ
ーラ13は車輪4から離れ、この状態では、第2のアー
ム22は回動されないため第2のローラ14のみが車輪
4のタイヤ4bの踏み面に圧接される(図11の2点鎖
線の状態)。
【0044】このように、操作レバー30を中立位置に
保持させて、第1、第2の両ローラ13,14を車輪4
に圧接させた状態では、前述のようにこの両ローラ1
3,14は互いに相反する方向、すなわち、第1のロー
ラ13は後方のみに回転され、第2のローラ14は前方
のみに回転される構成であるため、フレーム12は車輪
4に対して前後の両方向とも回動不能状態となり、車輪
4を前進回転及び後退回転させることはできない。
【0045】そこで、車輪4を前進回転させるには、前
述のように操作レバー30を後方へ回動操作し、第2の
ローラ14を車輪4から離し、第1のローラ13のみを
車輪4に圧接させる。この状態で、フレーム12を、こ
の上面12cに突設したハンドル17を握って前方へ押
圧すると車輪4は、第1のローラ13は前方への回転が
不能であるため、この第1のローラ13を介してフレー
ム12と一体に前方へ(図11において矢印a方向)に
回転される。このフレーム12を所要の位置まで回動し
た状態で引き戻し回動すると、この回動に伴い第1のロ
ーラ13は車輪4に圧接したまま後方へ回転、すなわ
ち、車輪4に対して空転状態になり、フレーム12の引
き戻し回動が殆ど抵抗を受けることなく、円滑に行え、
この間に車輪4は前方への回転を持続する。このフレー
ム12を所要の位置まで引き戻し回動した後、再び前方
へ押圧して車輪4に前方への回動力を与える。
【0046】このようにして、着座者がフレーム12を
前方への押圧回動と後方への引き戻し回動操作を繰返し
行うことにより、車輪4は前方へ回転し、車椅子本体1
は前進される。
【0047】また、車椅子本体1を後退させる場合は、
操作レバー30を前方へ回動操作し、第1のローラ13
を車輪4から離し、第2のローラ14のみを車輪4に圧
接させる。この状態でフレーム12を前方へ押圧する
と、第2のローラ14は前方への回転のみが可能である
ため、車輪4に対して空転状態になってフレーム12は
前方へ殆ど抵抗を受けることなく回転され、所要の回動
位置から引き戻し回動すると、車輪4は後方への回転が
不能な第2のローラ14を介してフレーム12と一体に
後方(図11において矢印b方向)に回転される。
【0048】このようにして、着座者がフレーム12を
前方への回動と後方への戻し回動操作を繰返し行うこと
により、車輪4は後方へ回転し、車椅子本体1は後退さ
れる。
【0049】さらに、フレーム12には、第1、第2の
両ローラ13,14ともに車輪4から離間させる介助者
切換操作部材(以下、介助者操作部材という)32が取
付けられている。この介助者操作部材32は、フレーム
12に前述した切換操作部材16と第1と第2のアーム
21と22の軸支部の中間部に位置して取付けられて、
カム33を回転軸34により両側均等に軸支し、この回
転軸34の外端部、すなわち、フレーム12の外側面部
12aから突出する端部にクリックストップ的に回転さ
れる回転体35を取付け、この回転体35に操作レバー
36を取付けて構成されている。
【0050】この介助者操作部材32の切換操作レバー
36の操作前の状態では、図12及び図13に示すよう
にカム33が第1と第2のアーム21と22の間に、両
アーム21,22を押圧しない状態、すなわち、平行に
位置されて両ローラ13,14は車輪4に圧接される状
態にある。この状態で切換操作レバー36を回動する
と、図7に示すように、カム33は一体に回動されて両
端により両アーム21,22を押圧し、これにより、両
アーム21と22は互いに外方へ弾性部材26の付勢力
に抗して回動されて、両ローラ13と14は車輪4から
離間される。
【0051】このように両ローラ13,14が車輪4か
ら離間されることにより、車輪4は走行装置11との関
連がなくなり、前後方向の回転が自由になって、介助者
は、着座者が着座した状態の車椅子本体1を、車体フレ
ーム3の後部のハンドルグリップ7を握持して押すこと
により自由に移動走行させることができる。
【0052】そして、この実施の形態においては、図
8、図9、図12〜図16に示すように走行装置11を
ロックするロック機構41を備えている。このロック機
構41は、前述したフレーム12に係合するクランプ4
2と、このクランプ42をフレーム12に対する係合方
向に回転付勢する例えばトーションスプリング等の弾性
付勢部材43と、クランプ42を係合解除操作する操作
レバー44とを有し、クランプ42と操作レバー44と
はそれぞれ基端部側において、クランプ取付けプレート
45に所定範囲内で回動可能に取付けられ、クランプ4
2は、弾性付勢部材43によりフレーム12に対する係
合方向に回転付勢される。
【0053】すなわち、ロック機構41は、図16に分
解して示すように、クランプ42は、略C字状に形成さ
れて基端部に軸孔46が穿設され、先端部に係合頭部4
7が設けられており、この係合頭部47は下側に係合縁
部47aが形成され、上半部に傾斜案内縁部47bが形
成されている。
【0054】そして、このクランプ42は、基端部の軸
孔46に段付きねじ48を挿通し、軸孔46から突出す
る円筒部48aに筒状の間隔部材49を嵌挿してねじ部
48bをクランプ取付けプレート45の下端部側に設け
たねじ孔50にねじ込み締付けることによりクランプ取
付けプレート45に対し前後方向に回動可能に軸支され
る。また、このクランプ42は、略中央部の内面側には
ガイドピン51をクランプ取付けプレート45と直交す
る方向に突設して、クランプ取付けプレート45にねじ
孔50を中心として形成した円弧状の案内孔52に係合
させ、フレーム12に対し係合する位置と係合解除する
位置の範囲内で回動するようになっており、前記間隔部
材49に巻装して一端をクランプ取付けプレート45に
係止する弾性付勢部材43としてのトーションスプリン
グによりフレーム12に対する係合方向に常時付勢され
る。
【0055】また、操作レバー44は略L字状に形成さ
れて屈曲部に軸孔53が穿設され、基端部44aの外縁
側から下縁側にかけてクランプ42の中間部内縁に当接
される係止面部54が側面視略L字状に立上げ形成され
ており、上部44bの先端部には押片部55が直角方向
に折曲形成されている。
【0056】そして、この操作レバー44は、クランプ
42とクランプ取付けプレート45との間に配して屈曲
部の軸孔53に段付きねじ56を挿通し、軸孔53から
突出する円筒部56aに筒状の間隔部材57を嵌挿して
ねじ部56bをクランプ取付けプレート45の略中央部
に設けたねじ孔58にねじ込み締付けることにより、ク
ランプ取付けプレート45に対し前後方向に回動可能に
軸支されて係止面部54がクランプ42の中間部内縁に
対応される。また、この操作レバー44は上部44bの
先端部寄りの内面側にガイドピン59をクランプ取付け
プレート45に直交する方向に突設して、クランプ取付
けプレート45にねじ孔58を中心として形成した円弧
状の案内長孔60に係合させて、この案内長孔60の範
囲で前後方向に回動するようになっている。
【0057】また、クランプ取付けプレート45の下端
部には、フレーム12の先端部が載置状に係止される係
止面部61が後方へ低く傾斜して突出形成されている。
このように構成されるロック機構41は、前述した走行
装置11の非作動位置、すなわち、前記フレーム12の
前方への倒伏回動位置に対応して図8、図9及び図15
に示すように車体フレーム3に固定したベースプレート
62にクランプ取付けプレート45を間隔部材63を介
してねじ64により固定することにより設置する。
【0058】一方、前記フレーム12の上端部の内側面
にロック機構41のクランプ42に対応してクランプガ
イド65が取付けられている。このクランプガイド65
は、フレーム12の上端部の側面形状にほぼ倣う側面視
略コ字状で前記クランプ42に対応する幅の摺接部66
を有し、この摺接部66の一方の角部分、すなわち、フ
レーム12の上端部の前側角部分に対応する部分にフレ
ーム12と相反する側に幅広の前記操作レバー44の突
当部67を形成し、また、摺接部66のフレーム12側
の縁部にフレーム12に固定する固定片68が略直角に
折曲して設けられている。そして、このクランプガイド
65は固定片68においてねじによりフレーム12の上
端部の内側面に固定されている。
【0059】以上のように、ロック機構41を車体フレ
ーム3に設置し、走行装置11のフレーム12にクラン
プガイド65を取付けることにより、走行装置11の不
使用時は、図12及び図15に示すように、フレーム1
2を前方へ倒伏回動することにより、フレーム12はク
ランプガイド65を介してロック機構41によりロック
保持される。
【0060】すなわち、フレーム12を車輪4の回転操
作範囲を越えて前方へ倒伏回動すると、フレーム12に
取付けたクランプガイド65の摺接部66の前側角部分
がロック機構41のクランプ42の係合頭部47の傾斜
案内縁部47bに突当り、この案内縁部47bに沿って
前方へ押圧し、これによりクランプ42は、弾性付勢部
材43の付勢力に抗して前方へ回動されて、この係合頭
部47の下縁角部にクランプガイド65の摺接部66が
摺接し、この状態でフレーム12は自重によりさらに回
動され、その先端部の前面がクランプ取付けプレート4
5の下端部の係止面部61に当接して載置状に係止され
る。
【0061】この状態でクランプガイド65の摺接部6
6がクランプ42の係合頭部47の下縁角部から離れ、
これによりクランプ42は弾性付勢部材43の付勢力に
より後方へ弾性復帰し、図12及び図14に示すよう
に、係合頭部47の係合縁部47aがクランプガイド6
5の摺接部66の後面側に係合する。
【0062】このようにしてフレーム12は、クランプ
取付けプレート45の係止面部61により係止されて下
方への回動が阻止されると共にクランプガイド65にク
ランプ42が係合されることにより、上方への回動が阻
止されてロック機構41により車体フレーム3に対して
不動状態でロックされる。このロック状態では、操作レ
バー44は、前方に回動されて基端部44aがクランプ
42の内側に平行に位置され、係止面部54の垂直面部
54aがクランプ42の中間部内縁に当接されて回動が
阻止されている。
【0063】このように、走行装置11のフレーム12
が車体フレーム3に対してロックされた状態で、前後の
両ローラ13,14を車輪4に圧接させることにより、
車輪4は、両ローラ13,14が互いに相反する方向の
みに回動可能であるため、前後の回転方向ともにブレー
キ作用することになって、車輪4の回転は完全に阻止さ
れる。
【0064】また、車椅子本体1を介助者が押して走行
させる場合は、図14に示すように走行装置11のフレ
ーム12を前述と同様にロックした状態で介助者操作部
材32の切換操作レバー36を操作して前後の両ローラ
13,14を車輪4から離間し、車輪4の前後回転が自
由に行えるようにしておく。
【0065】そして、この走行装置11のフレーム12
のロック状態から、このロックを解除するには、ロック
機構41の操作レバー44を、上部44bの押片部55
を後方へ押圧し段付きねじ56による軸支部を中心とし
て回動させると、基端部44aが前方へ回動して係止面
部54によりクランプ42の中間部内縁を押圧する。こ
の押圧によりクランプ42は段付きねじ48による軸支
部を中心として弾性付勢部材43による付勢力に抗して
前方へ回動されて、係合頭部47が前記フレーム12の
クランプガイド65の摺接部66から離間され、図13
に示すように、操作レバー44を最大に回動した状態で
係止面部54の水平面部54bがクランプ42の中間部
内縁に当接されて、この互いの当接面は操作レバー44
の段付きねじ48による軸支方向と直交し、クランプ4
2には弾性付勢部材43により付勢力が作用しているた
め操作レバー44の基端部44aはクランプ42と段付
きねじ48との間に強く挟圧されることになって操作レ
バー44はその回動位置に保持される。
【0066】この操作レバー44の保持によりクランプ
42は前記フレーム12のクランプガイド65から離間
した状態で保持され、この状態で操作レバー44は、先
端部44bの軸支部近傍の屈曲角部44cがクランプガ
イド65の摺接部66の前側角部に形成されている突当
部67に対向している。
【0067】これによりフレーム12はロックが解除さ
れて上方への回動が可能になる。この状態で車輪4から
第1、第2の両ローラ13,14を離間操作するか、前
方のみの回転が可能な第2のローラ14を離間操作する
ことによりフレーム12を前述した走行操作位置まで戻
し回動して前述のように車輪4を回転操作し、車椅子本
体1を前進又は後退走行させることができることにな
る。
【0068】このフレーム12の戻し回動の際に、前述
のように回動位置に保持されて、クランプ42をロック
解除位置に保持した状態にある操作レバー44は、軸支
部近傍の屈曲角部44cに、クランプガイド65の突当
部67が突当り、このため蹴飛ばされる状態で前方へ回
動され、これにより基端部44aの係止面部54の水平
部54bがクランプ42の中間部内縁から離れる。この
ためクランプ42は弾性付勢部材43の付勢力により後
方へ回動され、また、このクランプ42の回動に伴い操
作レバー44が前方へ回動されて、このクランプ42と
操作レバー44はフレーム12のロック前の状態に自動
的に復帰される。
【0069】また、この実施の形態は、車椅子本体1の
登り坂道等の傾斜面での登り走行において、逆転を防止
する逆転防止機構71を備えている。
【0070】この逆転防止機構71は、図8、図9及び
図17〜図19に示すように、車輪4に固定されるラチ
ェット72と、回転軸5に固定される戻り止め部材73
と、この戻り止め部材73を操作する戻り止め操作部材
74とから構成されている。
【0071】ラチェット72は、図17〜図19に示す
ように、一方が鋭角で傾斜し、他方が鈍角で傾斜する三
角歯形72aを有し、このラチェット72を車輪4の軸
部4bの外端側に、三角歯形72aの鋭角傾斜側を前側
にして同心状に固定している。
【0072】戻り止め部材73は、図18及び図19に
示すように円盤状の基板75の内面側にラチェット72
に噛合する複数、図示例では3個の戻り止め爪76と、
この戻り止め爪76をラチェット72方向に弾性付勢す
るトーションスプリング等の弾性付勢部材77と、戻り
止め爪76をラチェット72に対して離間動作させる戻
り止め動作部材78を配して構成されている。
【0073】前記戻り止め爪76は、ラチェット72の
歯形72aに噛合する歯形76aを有し、基端部におい
て基板75にラチェット72に対して接離方向に回転可
能に軸ピン79により軸支されている。
【0074】また、戻り止め動作部材78は、戻り止め
爪76の外周側を囲繞する略リング状に形成されて、こ
のリング部80の内周部には各戻り止め爪76に対応し
て押上げ突部81が突出形成されており、この押上げ突
部81の近傍に配置して回転範囲を規制する円弧状の案
内長孔82が形成されて基板75に植立されたガイドピ
ン83に係合されている。また、リング部80の外周側
には、連結突部84が突出形成されると共に案内長孔8
2に対応して円弧状の案内凹部85が形成されて基板7
5に軸支されたガイドローラ86が転接され、基板75
に対して同心円状に回動支持されている。
【0075】弾性付勢部材77は、各戻り止め爪76の
外面側と戻り止め動作部材78のリング部80の内周と
の間に介裝されて各戻り止め爪76を常時内方、すなわ
ち、ラチェット72に噛合する方向に付勢している。
【0076】このように構成された戻り止め部材73
は、車輪4の中心軸部4cの外端側に固定したラチェッ
ト72に対応して回転軸5の外端に基板75においてボ
ルト87により締付け固定し、各戻り止め爪76をラチ
ェット72の外周、すなわち、歯形72aに対応させて
いる。
【0077】この戻り止め部材73を操作する戻り止め
操作部材74は、図8及び図9に示すように、車体フレ
ーム3に取付けられている。この戻り止め操作部材74
は、戻り止め部材73の戻り止め動作部材78のリング
部80に突出形成されている連結突部84に連結される
棒状の連結体88と、この連結体88を切換え操作する
操作ハンドル89と、連結体88と操作ハンドル89と
の間に介裝されて切換え状態で保持する作動体90から
構成されて、連結体88は中間部において車体フレーム
3の下部に固定されたブラケット91により支持され、
作動体90は前述したロック機構41が固定されるベー
スプレート62の延長面部62aに取付けられている。
【0078】以上のように各部材72,73及び74か
ら構成される逆転防止機構71は、車椅子本体1を平地
面での走行、前進・後退走行及び介助者による走行時は
非動作状態にしておく。
【0079】すなわち、戻り止め操作部材74の操作ハ
ンドル89を一方に操作して連結体88を介して、図1
8に示すように、戻り止め部材73の戻り止め動作部材
78を各押上げ突部81が各戻り止め爪76の先端部に
相対する方向に回動させることにより、この各押上げ突
部81が各戻り止め爪76の先端部の内側に挿入され、
このため各戻り止め爪76は弾性付勢部材77の付勢力
に抗して外方へ押上げ回転されてラチェット72から離
間し、両歯形72aと76aの噛合が解除される。
【0080】このラチェット72と戻り止め爪76との
噛合解除動作により車輪4は何等の抵抗を受けることな
く前後に自由に回転され、車椅子本体1は前進・後退走
行を自由に行うことができる。
【0081】そして、車椅子本体1を登り坂道等の傾斜
面での登り走行する場合は逆転防止機構71を動作状態
にする。すなわち、戻り止め操作部材74の操作ハンド
ル89を他方に操作して、図19に示すように、連結体
88を介して戻り止め部材73の戻り止め動作部材78
を各押上げ突部81が各戻り止め爪76から離間する方
向に回動させることにより、各戻り止め爪76は弾性付
勢部材77の付勢力により内方へ回転されてラチェット
72に弾性的に圧接され、両歯形72aと76aが互い
に噛合される。
【0082】このラチェット72と戻り止め爪76との
噛合により、車輪4は、一方向のみに回転されることに
なる。すなわち、車輪4に固定されているラチェット7
2の歯形72aは前側回転方向に鋭角傾斜で、後側回転
方向に鈍角傾斜となっているので、このラチェット72
に戻り止め爪76が弾性的に噛合している状態において
は、車輪4は前側方向には回転可能であるが、後側方向
には回転不可能になり、このため、車椅子本体1は前進
走行のみが可能で後退走行は全く不能になる。
【0083】従って、登り坂道等の傾斜面の登り走行に
おいて、車輪4の前進走行操作を停止した場合、すなわ
ち、前述した走行装置11のフレーム12の回動操作を
停止した場合、また、フレーム12の戻し回動時に、車
輪4が逆回転して車椅子本体1が登り坂道等を逆走する
危険が防止されると共に坂道等の登り走行が円滑に行え
ることになる。
【0084】なお、この逆転防止機構71は、前述した
走行装置11を備えた車椅子に限ることなく、車輪にハ
ンドリングを取付け、このハンドリングを手で押し回す
ことによって車輪を回転させる方式の車椅子にも備える
ことができるものである。このハンドリングにより車輪
を回転させる車椅子の場合は、走行操作において、手の
戻し動作時にはハンドリングから手を離す状態になるた
め、坂道の登り走行においては逆転状態になり走行が行
えない不具合があるが、前述した逆転防止機構71を備
えることにより、これが解消されて坂道の登り走行を容
易に行うことができることになる。
【0085】以上のように、構成され車椅子本体1に備
えられる走行装置11、ロック機構41、逆転防止機構
71はそれぞれ、図示しないカバー部材により覆うこと
によって、ハンドル17等の直接手で操作する部材以外
の構成部品には手が触れないようになされる。
【0086】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、
各部材の形状、寸法等は車椅子本体の形態等に応じて任
意に変更できるものである。
【0087】また、走行装置11のローラ13,14は
車輪4のタイヤ4aの外周面である踏み面に圧接させる
ように構成されているが、このローラ13,14を車輪
4のリム4bに圧接させるように構成することができ
る。この場合、ローラ13,14はリム4bの内周面に
スポークに引っ掛からないように接離可能に圧接するこ
とになる。また、ローラ13,14は、天然ゴム、エラ
スチックス等の弾性を保有する合成樹脂材により形成で
きるものである。
【0088】なお、前述した実施の形態の車椅子本体1
には車輪4のブレーキ手段92が備えられており、この
ブレーキ手段92は、車体フレーム3のハンドルグリッ
プ7に取付けたブレーキハンドル8、走行装置11のハ
ンドル17に取付けたブレーキハンドル93を握ること
によってブレーキ動作し、ブレーキハンドル8,93の
握りを弱めるか、手を放すことによってブレーキ動作が
解除されるが、走行装置11側のブレーキハンドル93
には、握った状態、すなわち、ブレーキ操作した状態で
ロックするロック手段が備えられている。
【0089】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、車椅子
は、後方のみに回転可能なローラと前方のみに回転可能
なローラを備え、前後に回動する走行装置のハンドルを
着座する使用者が握り、身体とほぼ平行状態に腕を前後
に揺動操作するだけで、車輪に切換え圧接されている側
のローラに対応して前進又は後退走行させることができ
るので、従来のハンドリングの押し回しによる走行操作
に比べて大幅に軽い力で車輪に回転力を与えることがで
きて円滑な走行が可能になる。
【0090】また、走行装置は、非動作状態ではロック
機構により車体側に対してロックされるので、互いに相
反する方向のみに回転可能な両ローラを車輪に圧接させ
ることにより車輪は前後両方向の回転がほぼ完全に不可
能になって車椅子をロック状態に確実に保持することが
できる。
【0091】この走行装置のロック機構によるロック
は、走行装置を所定の位置に回動するだけで自動的に行
われ、また、このロック解除は操作レバーを一方に押圧
操作するだけで行うことができて、車輪のロック及びロ
ック解除操作を簡単にかつ確実に行うことができる。
【0092】しかも、車輪は坂道等の傾斜面の登り走行
時に逆転防止機構により逆転が防止されるので車椅子の
手動による坂道等の登り走行も安全にかつ円滑に行うこ
とができる等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る門型フレーム等を示す第1の例の
概略斜視図である。
【図2】本発明に係るアーム及びローラと車輪との関係
を示す第1の例の要部断面図である。
【図3】本発明の第1の例の作用を示す説明図である。
【図4】本発明の第1の例の作用を示す説明図である。
【図5】本発明に係る第2の例の車椅子の走行装置を示
す概略構成図である。
【図6】第2の例の走行装置の作用を示す説明図であ
る。
【図7】第2の例の走行装置の作用を示す説明図であ
る。
【図8】本発明を適用した第3の例の車椅子の斜視図で
ある。
【図9】図8に示す車椅子の要部の斜視図である。
【図10】図8に示す車椅子の車輪の軸支部の断面図で
ある。
【図11】本発明による走行装置の車輪走行操作状態に
おける要部の一部省略した側面図である。
【図12】図11に示す走行装置のブレーキ作用状態で
のロック機構によるロック状態の側面図である。
【図13】図12に示す走行装置のロック解除状態の側
面図である。
【図14】図11に示す走行装置のブレーキ非作用状態
でのロック状態の側面図である。
【図15】図12に示す走行装置のロック機構によるロ
ック状態の正面図である。
【図16】本発明に適用する一例のロック機構の分解斜
視図である。
【図17】本発明に適用する一例の逆転防止機構の分解
斜視図である。
【図18】図17に示す逆転防止機構の非動作状態の内
側面図である。
【図19】図17に示す逆転防止機構の動作状態の内側
面図である。
【符号の説明】
101‥‥車輪、101A‥‥回転軸、101B‥‥リ
ム、102‥‥門型フレーム、121‥‥脚部、122
‥‥弾性部材、103‥‥アーム、131‥‥ローラ、
132‥‥回転軸、135‥‥クラッチ、104‥‥切
り換えレバー、105‥‥ハンドル、161‥‥カム、
107‥‥ギア、107A‥‥前進側ギア系、107B
‥‥後退側ギア系、1‥‥車椅子本体、3‥‥車体フレ
ーム、4‥‥車輪、4a‥‥中心軸部、4b‥‥タイ
ヤ、5‥‥回転軸、11‥‥走行装置、12‥‥フレー
ム、13,14‥‥ローラ、15‥‥アーム部材、16
‥‥切換え操作部材、17‥‥ハンドル、21,22‥
‥アーム、26‥‥弾性部材、27‥‥カム、41‥‥
ロック機構、42‥‥クランプ、43‥‥弾性付勢部
材、44‥‥操作レバー、45‥‥クランプ取付けプレ
ート、65‥‥クランプガイド、66‥‥摺接部、67
‥‥突当部、71‥‥逆転防止機構、72‥‥ラチェッ
ト、73‥‥戻り止め部材、74‥‥戻り止め操作部
材、75‥‥基板、76‥‥戻り止め爪、77‥‥弾性
付勢部材、78‥‥戻り止め動作部材、88‥‥連結
体、89‥‥操作ハンドル
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年12月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右の各車輪をそれぞれ跨ぐ形状に形成
    されるとともに、下端部が前記車輪の回転軸に固定さ
    れ、前後揺動可能な左右一対の門型フレームと、 この各門型フレームに枢着され、回転自在のローラを各
    車輪側に弾性的に圧接するアームと、 前記各ローラと各アーム側に固設した回転軸との間に設
    けられ、車輪が前進若しくは後退させる方向のみに回転
    するのを許容する一方向クラッチと、 前記前後いずれかのローラを車輪側に選択的に圧着させ
    て一方向クラッチのいずれかを選択的につなぐ切換レバ
    ーと、 前後に揺動させることによって車輪を前進若しくは後退
    方向に回転させるハンドルと、 車輪の回転動作を制動するブレーキとを備えたことを特
    徴とする車椅子の走行装置。
  2. 【請求項2】 左右の各車輪にそれぞれ対応し、下端部
    が前記車輪の回転軸に軸支され、前後回動可能な左右一
    対のフレームと、 この各フレームに枢着され、後方のみの回転を可能とす
    るローラと前方のみの回転を可能とするローラを支持
    し、この両ローラを前記各車輪側に圧接するアーム部材
    と、 前記各フレームと前記各アーム部材との間に配置され、
    前記両ローラの両方又はいずれか一方のローラを前記各
    車輪側に選択的に圧接させる切換え操作部材と、 前記各フレームの上端部に固定され、前記各フレームを
    前後に回動操作し、前記各車輪を前進若しくは後退方向
    に回転させるハンドルと、 車体側に取付けられ、前記各フレームを所定の回動位置
    において、ロックする左右一対のロック機構と、 前記各車輪と前記各回転軸との間に配設されて登り傾斜
    面の走行時に前記各車輪の逆転を防止する逆転防止機構
    とを備えたことを特徴とする車椅子の走行装置。
  3. 【請求項3】 前記各ロック機構は、前記フレームに係
    合する所定範囲で回転可能なクランプと、このクランプ
    を前記フレームに対する係合方向に回転付勢する付勢部
    材と、前記クランプを係合解除操作する操作レバーとか
    ら成り、 前記操作レバーと前記クランプとは係合解除状態で互い
    に係止され、前記操作レバーが前記フレームの回動によ
    り押圧されて回転され、前記クランプとの係止が解除さ
    れるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の車椅
    子の走行装置。
  4. 【請求項4】 前記各逆転防止機構は、前記車輪側に固
    定されるラチェットと、前記回転軸側に固定される戻り
    止め部材と、車体側に取付けられ前記戻り止め部材を操
    作する戻り止め操作部材とから成り、 前記戻り止め部材は前記ラチェットに対し後方回転方向
    において係合され、この係合を前記戻り止め操作部材に
    より解除操作するようにしたことを特徴とする請求項1
    に記載の車椅子の走行装置。
JP9341180A 1996-12-11 1997-12-11 車椅子の走行装置 Pending JPH10225485A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9341180A JPH10225485A (ja) 1996-12-11 1997-12-11 車椅子の走行装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-351873 1996-12-11
JP35187396 1996-12-11
JP9341180A JPH10225485A (ja) 1996-12-11 1997-12-11 車椅子の走行装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10225485A true JPH10225485A (ja) 1998-08-25

Family

ID=26576906

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9341180A Pending JPH10225485A (ja) 1996-12-11 1997-12-11 車椅子の走行装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10225485A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004267362A (ja) * 2003-03-06 2004-09-30 Kawamura Cycle:Kk 車いす用後輪逆転防止機構
JP2006175165A (ja) * 2004-12-24 2006-07-06 Nitta Ind Corp 車椅子
JP2007505003A (ja) * 2003-09-12 2007-03-08 ピュア グローバル リミテッド 推進補助器具
JP2008132127A (ja) * 2006-11-28 2008-06-12 Hiroshi Goto 車椅子
WO2018212492A1 (ko) * 2017-05-16 2018-11-22 이일열 휠체어용 브레이크 유닛
WO2018212515A1 (ko) * 2017-05-16 2018-11-22 이일열 휠체어용 역진방지장치

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004267362A (ja) * 2003-03-06 2004-09-30 Kawamura Cycle:Kk 車いす用後輪逆転防止機構
JP2007505003A (ja) * 2003-09-12 2007-03-08 ピュア グローバル リミテッド 推進補助器具
JP2006175165A (ja) * 2004-12-24 2006-07-06 Nitta Ind Corp 車椅子
JP2008132127A (ja) * 2006-11-28 2008-06-12 Hiroshi Goto 車椅子
WO2018212492A1 (ko) * 2017-05-16 2018-11-22 이일열 휠체어용 브레이크 유닛
WO2018212515A1 (ko) * 2017-05-16 2018-11-22 이일열 휠체어용 역진방지장치
KR20180125809A (ko) * 2017-05-16 2018-11-26 이일열 휠체어용 브레이크 유닛
KR20180125837A (ko) * 2017-05-16 2018-11-26 이일열 휠체어용 역진방지장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4987978A (en) Wheelchair safety brakes
US3869146A (en) Occupant actuated means for propelling, stopping, directing, and curb hopping a wheelchair
US6634663B2 (en) Wheelchair propulsion kit
US20090051138A1 (en) Hand grip motion control capabilities for a lever propulsion wheelchair
KR101741373B1 (ko) 휠체어
JPH10225485A (ja) 車椅子の走行装置
JP2000203396A (ja) 車椅子の走行安全装置
JP3840530B2 (ja) 車椅子
JP3854044B2 (ja) 車椅子用ブレーキ機構及び車椅子
JP3123886B2 (ja) 歩行補助車
JP3815629B2 (ja) 車椅子のブレーキ装置
JP2005177209A (ja) 車椅子用駐車ブレーキ及び車椅子
JPH0556124U (ja) 車椅子
JPH11113971A (ja) 介護用の車椅子のブレ−キ装置
JP4012453B2 (ja) 手押し車のブレーキ装置
JPH10272159A (ja) 車椅子
JP3896016B2 (ja) 車椅子の手動機構
JPH09108271A (ja) 手動式車椅子
JPH0919458A (ja) 手動式車椅子
JP3072470B2 (ja) 車椅子
IE86876B1 (en) A wheelchair drive mechanism
JP2001105803A (ja) 操作レバー装置およびこれを利用する軽車両
JP2591709Y2 (ja) シートトラック装置
JPH09207503A (ja) キャスタの旋回規制装置
JP2006109878A (ja) 背凭れ機構と、それを具備する車椅子

Legal Events

Date Code Title Description
RD13 Notification of appointment of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7433

Effective date: 20040426

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040426