JPH10224034A - 樹脂充填剤および多層プリント配線板 - Google Patents

樹脂充填剤および多層プリント配線板

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JPH10224034A
JPH10224034A JP2375197A JP2375197A JPH10224034A JP H10224034 A JPH10224034 A JP H10224034A JP 2375197 A JP2375197 A JP 2375197A JP 2375197 A JP2375197 A JP 2375197A JP H10224034 A JPH10224034 A JP H10224034A
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JP
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resin
wiring board
resin filler
filler
inorganic particles
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JP2375197A
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English (en)
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Yoshifumi Ishitani
嘉史 石谷
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温多湿条件下でもクラックが発生せず、信
頼性に優れる多層プリント配線板を提供すること。 【解決手段】 配線基板の表面に生じる凹部あるいは該
基板に設けたスルーホールに樹脂充填剤を充填し、硬化
した後、その配線基板上に層間樹脂絶縁剤と導体回路を
交互に積層してなる多層プリント配線板において、前記
樹脂充填剤は、その添加成分としてシラン系カップリン
グ剤でコーティングされた無機粒子を含むことを特徴と
する多層プリント配線板である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は樹脂充填剤および多
層プリント配線板に関し、特に、高温多湿条件下でもク
ラックの発生を抑制し得る樹脂充填剤、およびこの樹脂
充填剤を配線基板の表面に生じる凹部あるいは該基板に
設けたスルーホール内に充填してなる信頼性に優れた多
層プリント配線板について提案する。
【0002】
【従来の技術】近年、多層配線基板の高密度化という要
請から、いわゆるビルドアップ多層配線基板が注目され
ている。このビルドアップ多層配線基板は、例えば特公
平4−55555 号公報に開示されているような方法により
製造される。この製造方法は、コア基板上に、感光性の
無電解めっき用接着剤からなる絶縁剤を塗布し、これを
乾燥処理したのち露光現像することにより、バイアホー
ル用開口を有する層間絶縁材層を形成し、次いで、この
層間絶縁材層の表面を酸化剤等による処理にて粗化した
のち、その粗化面にめっきレジストを設け、その後、レ
ジスト非形成部分に無電解めっきを施してバイアホー
ル、導体回路を形成し、さらに、このような工程を複数
回繰り返すことにより、多層化したビルドアップ多層配
線基板を得る方法である。
【0003】このようなビルドアップ多層配線基板の製
造工程において、コア基板の導体回路は、コア基板表面
に貼着した銅箔をエッチングすることにより形成され
る。そのため、その導体回路間には凹部(窪み)が発生
する。また、層間に形成される凹状のバイアホールにも
窪みが発生する。さらに、スルーホールを有するコア基
板上に樹脂絶縁材をそのまま塗布すると、形成される層
間絶縁材層の表面には、そのスルーホールに相当する位
置に凹部(窪み)が発生する。これらの凹部(窪み)
は、その上層に形成される層間絶縁材層にもそのままト
レースされるため、最終製品としての多層配線基板の表
面にも表出する。それ故に、このような凹部は、電子部
品を搭載した場合に接続不良という問題を引き起こす原
因となった。
【0004】また、ビルドアップ多層配線基板の製造工
程において、バイアホールは、感光性の層間絶縁材層を
露光、現像処理して形成される。このバイアホールの形
成に当たり、前記露光の条件は、層間絶縁材層の厚みに
大きく影響される。そのため、層間絶縁材層の厚みがコ
ア基板に設けた導体回路間の凹部やスルーホールに起因
する表面凹凸のために不均一になると、露光、現像条件
を一定にすることができず、バイアホールの形成不良が
発生するといった問題があった。
【0005】これに対し従来、上述したような問題を解
消するための技術として、特開昭63−137499号公報など
に開示されているような、スルーホールなどの凹部にエ
ポキシ樹脂ペーストを充填する方法が提案されている。
【0006】また発明者らは、スルーホールなどの凹部
に充填して配線基板表面を平滑化するのに好適な樹脂充
填剤として、先に、ビスフェノールF型エポキシ樹脂と
シリカ粉末を混合した樹脂充填剤を提案した(特願平8
−262811号参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の樹脂充填剤をコア基板表面に生じる凹部やスルーホー
ルに充填してビルドアップ多層プリント配線板を製造す
ると、得られる多層プリント配線板は、高温多湿条件下
に置かれると、コア基板の充填樹脂層にクラックが発生
するという問題があった。このクラックは、進行する
と、充填樹脂層上に積層された層間絶縁材層上の導体回
路を断線させて、導通不良を引き起こす原因となった。
【0008】本発明は、従来技術が抱える上記問題を解
消するためになされたものであり、その主たる目的は、
高温多湿条件下でもクラックの発生を抑制し得る樹脂充
填剤を提案することにある。本発明の他の目的は、高温
多湿条件下でもクラックが発生せず、そのクラックに起
因した導通不良を招くことがない、信頼性に優れる多層
プリント配線板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的の実
現に向け鋭意研究を行った。その結果、樹脂充填剤にお
けるクラック発生の原因が樹脂中に含まれる水分にある
ことを知見した。つまり、温度上昇に伴い樹脂充填剤中
の水分が蒸発し、その際に樹脂に応力が生じてクラック
が発生するものと考えられる。特に、添加成分としてシ
リカ粒子を含む樹脂充填剤は、シリカ粒子と樹脂との間
に隙間が存在し、この隙間に蓄積された水分が温度上昇
により蒸発し、クラックが発生するものと考えられる。
また、添加成分としてシリカ粒子を含む樹脂充填剤は、
樹脂とシリカ粒子が充分に密着しておらず、樹脂の熱膨
張を充分に抑制できないため、ヒートサイクル等により
クラックが発生することも併せて知見した。
【0010】本発明は、このような知見に基づいてなさ
れたものであり、その内容は以下に示すとおりである。 (1) 配線基板の表面に生じる凹部あるいは該基板に設け
たスルーホールに充填される樹脂充填剤であって、その
添加成分として、シラン系カップリング剤でコーティン
グされた無機粒子を含むことを特徴とする樹脂充填剤で
ある。
【0011】(2) 配線基板の表面に生じる凹部あるいは
該基板に設けたスルーホールに充填される樹脂充填剤で
あって、前記樹脂成分としてビスフェノール型エポキシ
樹脂、前記硬化剤としてイミダゾール硬化剤、前記添加
成分としてシラン系カップリング剤でコーティングされ
た無機粒子を含むことを特徴とする樹脂充填剤である。
【0012】(3) 配線基板の表面に生じる凹部あるいは
該基板に設けたスルーホールに充填される無溶剤の樹脂
充填剤であって、前記樹脂成分としてビスフェノール型
エポキシ樹脂、前記硬化剤としてイミダゾール硬化剤、
前記添加成分としてシラン系カップリング剤でコーティ
ングされた無機粒子を含むことを特徴とする樹脂充填剤
である。
【0013】なお、上記(2) または(3) に記載の樹脂充
填剤において、ビスフェノール型エポキシ樹脂は、ビス
フェノールF型エポキシ樹脂であることが望ましい。上
記 (1)〜(3) のいずれか1に記載の樹脂充填剤におい
て、その樹脂充填剤の粘度は、23±1℃の温度において
0.3×105cps〜 1.0×105cpsであることが望ましい。上
記 (1)〜(3) のいずれか1に記載の樹脂充填剤におい
て、無機粒子の平均粒子径は 0.1〜5.0 μmであること
が望ましい。
【0014】(7) 配線基板の表面に生じる凹部あるいは
該基板に設けたスルーホールに樹脂充填剤を充填し、硬
化した後、その配線基板上に層間樹脂絶縁剤と導体回路
を交互に積層してなる多層プリント配線板において、前
記樹脂充填剤は、その添加成分としてシラン系カップリ
ング剤でコーティングされた無機粒子を含むことを特徴
とする多層プリント配線板である。
【0015】(8) 配線基板の表面に生じる凹部あるいは
該基板に設けたスルーホールに樹脂充填剤を充填し、硬
化した後、その配線基板上に層間樹脂絶縁剤と導体回路
を交互に積層してなる多層プリント配線板において、前
記樹脂充填剤は、その樹脂成分としてビスフェノール型
エポキシ樹脂、前記硬化剤としてイミダゾール硬化剤、
前記添加成分としてシラン系カップリング剤でコーティ
ングされた無機粒子を含むことを特徴とする多層プリン
ト配線板である。
【0016】(9) 配線基板の表面に生じる凹部あるいは
該基板に設けたスルーホールに樹脂充填剤を充填し、硬
化した後、その配線基板上に層間樹脂絶縁剤と導体回路
を交互に積層してなる多層プリント配線板において、前
記樹脂充填剤は、無溶剤であり、その樹脂成分としてビ
スフェノール型エポキシ樹脂、前記硬化剤としてイミダ
ゾール硬化剤、前記添加成分としてシラン系カップリン
グ剤でコーティングされた無機粒子を含むことを特徴と
する多層プリント配線板である。
【0017】ここで、本発明において、ビスフェノール
型エポキシ樹脂とは、ビスフェノール(A型、F型)と
エピクロルヒドリンを縮合反応させて得られるビスフェ
ノールのジグリシジルエーテルからなるモノマー、ある
いはこのモノマーが重合したオリゴマーのことを意味す
る。なお、オリゴマーは、構造単位の繰返しの数が2〜
20程度のものをいう。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂充填剤および多層プ
リント配線板は、樹脂充填剤の添加成分として無機粒子
を含み、かつその無機粒子をシラン系カップリング剤で
コーティングした点に特徴がある。これにより、本発明
の樹脂充填剤は、樹脂中に無機粒子を配合することで吸
湿しやすい樹脂の絶対量を減らすことができる。また、
本発明の樹脂充填剤は、無機粒子をシラン系カップリン
グ剤でコーティングしているので、充填樹脂と無機粒子
を強固に結合させることができ、充填樹脂と無機粒子と
の間の隙間の発生を防止して、水の蓄積が抑制される。
その結果、本発明の樹脂充填剤によれば、吸湿率が低下
して水の蒸発に起因するクラックの発生を抑制すること
ができる。
【0019】また、本発明の樹脂充填剤は、無機粒子を
含むため硬化による収縮は小さく、コア基板の反り発生
を防止することができる。即ち、ビスフェノール型エポ
キシ樹脂を重合硬化して得られるエポキシ樹脂は、ノボ
ラック型エポキシ樹脂に比べて剛直骨格ではなく研磨し
やすく、可撓性がある反面、硬化収縮や熱膨張係数が小
さくない。その点で、添加成分として無機粒子を含む本
発明の樹脂充填剤によれば、硬化収縮や熱膨張係数に起
因した問題を補償することができる。
【0020】さらに、硬化した状態の樹脂充填剤は、樹
脂と無機粒子とが強固に密着して樹脂の熱膨張を抑制す
るため、その線熱膨張係数は小さく、ヒートサイクルに
対する耐性に優れたものとなる。
【0021】このような無機粒子としては、シリカやア
ルミナ、ムライト、ジルコニアなどが挙げられる。この
無機粒子の平均粒子径は、 0.1〜5.0 μmであることが
望ましい。この理由は、細かすぎると樹脂充填剤の粘度
が高くなりすぎて充填作業が困難となり、粗すぎると表
面の平滑性がなくなるからである。この無機粒子の配合
量は、ビスフェノール型エポキシ樹脂に対して 1.0〜2.
0倍程度とすることが望ましい。この理由は、無機粒子
の配合量が前記範囲内であれば、樹脂充填剤の粘度を23
±1℃において 0.3×105cps〜 1.0×105cps(0.5×10
2 Pa・s〜 1.0×102 Pa・s)程度に調整しやすいから
である。
【0022】この無機粒子にコーティングされるシラン
系カップリング剤としては、アルコキシシラン化合物で
あることが望ましく、具体的には、〔2-〔4-(トリフル
オロメチル)フェニル〕エチル〕(メチル)ジメトキシ
シラン、〔2-〔4-(ノナフルオロブチル)フェニル〕エ
チル〕(メチル)ジメトキシシラン、〔2-〔4-(トリデ
カフルオロヘキシル)フェニル〕エチル〕(メチル)ジ
メトキシシラン、〔2-〔4-(ヘプタデカフルオロオクチ
ル)フェニル〕エチル〕(メチル)ジメトキシシラン、
〔2-〔4-(トリフルオロメチル)フェニル〕エチル〕ト
リメトキシシラン、〔2-〔4-(ノナフルオロブチル)フ
ェニル〕エチル〕トリメトキシシラン、〔2-〔4-(トリ
デカフルオロヘキシル)フェニル〕エチル〕トリメトキ
シシラン、〔2-〔4-(ヘプタデカフルオロオクチル)フ
ェニル〕エチル〕トリメトキシシラン、ビニルトリ(β
−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシピル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシランなどがある。
【0023】これらのシラン系カップリング剤は、例え
ば、アルコールなどの有機溶媒に溶解させ、該溶液に無
機粒子を浸漬、あるいは該溶液をスプレーなどで無機粒
子に吹きつけて、 140〜180 ℃程度で乾燥させることに
より、無機粒子の表面に付着コーティングされる。具体
的には、特開昭53−2518号や特公昭57−59855 号公報に
記載の方法を採用できる。
【0024】本発明の樹脂充填剤は、無溶剤の充填材料
であることが望ましい。樹脂充填剤中に溶剤が残留する
と、コア基板に設けたスルーホール等に充填した樹脂充
填剤の層表面に層間絶縁剤を塗布し加熱硬化して層間絶
縁材層を形成する場合、溶剤の揮発に起因した層間剥離
が起こる。その点、本発明にかかる無溶剤の樹脂充填剤
によれば、基板表面を平滑化するための樹脂充填剤の層
とその上層に設けた樹脂絶縁材層との間で生じる剥離を
防止することができるからである。しかも、無溶剤の樹
脂充填剤は、乾燥による収縮がなく、収縮による凹みな
どの問題を解消することができる。
【0025】本発明の樹脂充填剤は、樹脂成分としてビ
スフェノール型エポキシ樹脂を用いることが望ましい。
かかるエポキシ樹脂を用いた樹脂充填剤は、粘度が低い
ので、無溶剤であっても粘度を所定の範囲に調整でき、
基板表面に生じる凹部(導体回路間やバイアホール)あ
るいは該基板に設けたスルーホール内に良好に充填する
ことができるからである。
【0026】このようなエポキシ樹脂を用いる本発明の
樹脂充填剤は、その粘度を、23±1℃の温度において
0.6×105cps〜 0.2×105cps( 0.6×102 Pa・s〜 0.2
×102Pa・s)の範囲に調整することが望ましい。粘度
が高すぎると樹脂充填剤の充填作業が困難であり、一
方、粘度が低すぎると樹脂充填剤が流出しやすく、良好
な充填ができないからである。この時の粘度は、回転粘
度計(B型粘度計)を用いて回転数6rpm で測定したも
のである。樹脂充填剤の粘度は、図2に示すように測定
温度に依存する。この図は、回転粘度計により6rpm
(回転数/分)で測定した粘度と測定温度との関係を示
す図である。なお、樹脂充填剤の粘度調整は、硬化剤の
添加量、あるいは無機粒子の平均粒径や添加量により行
うことができる。また、充填作業時の温度によっても調
整できる。
【0027】また、樹脂成分としてビスフェノール型エ
ポキシ樹脂を用いると、重合硬化して得られるエポキシ
樹脂は、ノボラック型エポキシ樹脂のような剛直骨格で
はなく可撓性に富む。そのため、樹脂充填剤の充填硬化
後に行う基板表面の研磨作業が容易となり、しかも研磨
によるクラックが生じにくくなる。
【0028】このようなビスフェノール型エポキシ樹脂
としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂が望ましい。特に、粘度調整の
観点からビスフェノールF型エポキシ樹脂が最適であ
る。ビスフェノールF型エポキシ樹脂は、フェニル基の
間の炭素にメチル基の代わりに水素が結合しており、分
子鎖が動きやすく、未硬化の状態では流動性に富み、一
方硬化した状態では可撓性に富むからである。
【0029】本発明の樹脂充填剤は、エポキシ樹脂の硬
化剤としてイミダゾール硬化剤を用いることが望まし
い。イミダゾール硬化剤によって重合硬化したエポキシ
樹脂は、耐熱性、耐薬品性に優れ、酸化剤や塩基に対す
る特性に優れるからである。特に、本発明の樹脂充填剤
は、酸化剤によって層間絶縁材層の表面を粗化処理した
り、強塩基性の無電解めっき液に浸漬してめっき処理す
る、ビルドアップ多層配線板の製造において有利であ
る。イミダゾール硬化剤以外の硬化剤を用いて硬化した
エポキシ樹脂は、上述した処理により分解してしまうか
らである。
【0030】また、イミダゾール硬化剤によって重合硬
化したエポキシ樹脂は、疏水性であり、吸湿しにくい。
そのため、配線基板に形成した導体回路間の絶縁抵抗
は、充填した樹脂充填剤の吸湿によって低下することは
ない。
【0031】このようなイミダゾール硬化剤としては、
2−メチルイミダゾール(品名:2MZ)、4−メチル
−2−エチルイミダゾール(品名:2E4MZ)、2−
フェニルイミダゾール(品名:2PZ)、4−メチル−
2−フェニルイミダゾール(品名:2P4MZ)、1−
ベンジル−2−メチルイミダゾール(品名:1B2M
Z)、2−エチルイミダゾール(品名:2EZ)、2−
イソプロピルイミダゾール(品名:2IZ)、1−シア
ノエチル−2−メチルイミダゾール(品名:2MZ−C
N)、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール(品名:2E4MZ−CN)、1−シアノエチ
ル−2−ウンデシルイミダゾール(品名:C11Z−C
N)などがある。
【0032】なかでも、25℃で液状のイミダゾール硬化
剤を用いることが望ましく、例えば、1−ベンジル−2
−メチルイミダゾール(品名:1B2MZ)、1−シア
ノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール(品
名:2E4MZ−CN)、4−メチル−2−エチルイミ
ダゾール(品名:2E4MZ)が挙げられる。この理由
は、無溶剤樹脂を用いる場合、粉末状のイミダゾール硬
化剤では均一混練が難しく、液状の方が均一混練が容易
だからである。
【0033】このイミダゾール硬化剤は、樹脂充填剤中
の含有量で、1〜10重量%であることが望ましい。この
理由は、この範囲内にあれば樹脂充填剤の粘度を調整し
やすいからである。本発明の樹脂充填剤は、充填した後
に行う硬化処理では、全モノマーの60〜80%を反応硬化
させることが望ましい。この理由は、この程度の反応率
に調整すると、容易に研磨するのに十分な樹脂硬度が得
られるからである。
【0034】次に、本発明の樹脂充填剤を、例えば多層
プリント配線板に適用した例について説明する。即ち、
導体回路あるいはスルーホールを有するコア基板の表面
に、層間絶縁材層と導体層を交互に積層し、各導体層間
が層間絶縁材層に設けたバイアホールを介して電気的に
接続されてなるビルドアップ多層プリント配線板は、
(1) 配線基板の表面に生じる凹部あるいは該基板に設け
たスルーホールに本発明の樹脂充填剤を塗布して充填す
る工程、(2) 前記(1) で充填した樹脂充填剤を硬化させ
る工程、(3) 前記(2) で硬化した樹脂充填剤の表層部を
研磨して、導体回路(バイアホールのランド部分を含
む)やスルーホールのランド部分を露出させ、基板の表
面を平滑にする工程、(4) 層間絶縁材層を形成する工
程、(5) 層間絶縁剤層の表面に導体回路を形成する工
程、を少なくとも経て製造される。
【0035】工程(1) は、配線基板の表面に生じる凹部
あるいは該基板に設けたスルーホールに本発明の樹脂充
填剤を塗布して充填する工程である。この工程では、コ
ア基材に形成した導体回路間あるいはスルーホール内、
および層間絶縁材層に設けた導体回路間あるいはバイア
ホール内から選ばれるいずれか少なくとも1箇所に樹脂
充填剤を塗布充填する。
【0036】工程(2) は、工程(1) で充填した樹脂充填
剤を硬化させる工程である。この工程では、樹脂充填剤
は、研磨可能な状態(全モノマー数の60%〜80%を硬化
させた状態)とし、完全に硬化した状態ではないことが
望ましい。研磨しやすいからである。特に、無機粒子を
含有する本発明の樹脂充填剤は硬化収縮が小さく、基板
には反りが発生しなくなる。また、金属である導体の間
に樹脂充填剤を充填すると、ヒートサイクル時に金属と
樹脂の熱膨張率差に起因したクラックが発生しやすくな
る。この点、無機粒子を含有する本発明の樹脂充填剤
は、硬化した状態では熱膨張率が小さく、ヒートサイク
ルによるクラックの発生を抑制することができる。さら
に、本発明の樹脂充填剤中に含まれる無機粒子は、シラ
ン系カップリング剤でコーティングされているため、樹
脂との密着性に優れ、その樹脂との間に隙間を生じるこ
とはない。その結果、本発明の樹脂充填剤は、樹脂と無
機粒子の隙間に水が蓄積して温度上昇によりクラックが
発生することがない。
【0037】工程(3) は、工程(2) で硬化した樹脂充填
剤の表層部を研磨して、導体回路、スルーホールのラン
ド部分、バイアホールのランド部分を露出させ、基板の
表面を平滑にする工程である。充填樹脂が導体回路やラ
ンド部分に付着していると導通不良の原因になるからで
ある。なお、研磨方法は、バフ研磨、ベルトサンダーな
どの方法が好ましい。
【0038】工程(4) は、層間絶縁材層を形成する工程
である。この層間絶縁材層は、酸あるいは酸化剤に難溶
性の耐熱性樹脂マトリックス中に酸あるいは酸化剤に可
溶性の硬化された樹脂粒子を分散してなる無電解めっき
用接着剤で構成することが望ましい。無電解めっき用接
着剤の層は、層表面に存在する樹脂粒子を酸あるいは酸
化剤で溶解除去して表面が粗化され、この粗化面上に形
成される導電体との密着性を改善できるからである。
【0039】また、層間絶縁材層は、樹脂充填剤の充填
によって平滑にされた基板の表面に形成されるため、そ
の厚みを均一にすることができる。従って、この層間絶
縁材層にバイアホールを形成する場合、均一な厚みに塗
布し形成された層間絶縁剤を露光、現像処理して形成す
るので、どのバイアホールも同一の露光条件で露光で
き、バイアホールの未開口、あるいは形状不良等を発生
させることがない。さらに、上記層間絶縁材層は、樹脂
充填剤として無溶剤の充填材料を使用する場合、溶剤の
揮発に起因した樹脂充填剤との層間剥離を防止すること
ができる。
【0040】工程(5) は、層間絶縁剤層の表面にバイア
ホールを含む導体回路を形成する工程である。即ち、層
間絶縁剤層の表面を酸や酸化剤で粗化処理して、触媒核
を付与し、次いで、めっきレジストを形成した後、レジ
スト非形成部分に無電解めっきを施す。ここに、めっき
レジストは、市販品をはじめ各種のものを使用でき、例
えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラックな
どのノボラック型エポキシ樹脂のアクリレートがよい。
【0041】なお、アディティブ法により形成しためっ
きレジストを研磨して基板表面を平滑にすれば、アディ
ティブ法によって配線層をさらに多層化した場合にも、
常に表面を平滑にすることができる。
【0042】このようにして得られる多層プリント配線
板は、例えば、「配線基板の表面に生じる凹部あるいは
該基板に設けたスルーホールに樹脂充填剤を充填し、硬
化した後、その配線基板上に層間樹脂絶縁剤と導体回路
を交互に積層してなる多層プリント配線板において、前
記樹脂充填剤は、無溶剤の樹脂成分、硬化剤および添加
成分からなり、その樹脂成分としてビスフェノール型エ
ポキシ樹脂、前記硬化剤としてイミダゾール硬化剤、前
記添加成分としてシラン系カップリング剤でコーティン
グされた無機粒子を含むことを特徴とする多層プリント
配線板。」である。
【0043】
【実施例】
(実施例1)(ビスフェノールF型+シリカ+コーティ
ング) 図1は、本発明の一実施態様に係る樹脂充填材を用いた
多層プリント配線板の製造工程を示す図である。この図
1に基づいて本実施例を以下に説明する。(1) 厚さ1mm
のガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリ
アジン)樹脂からなる基板1の両面に18μmの銅箔8が
ラミネートされている銅張積層板を出発材料とした(図
1(a) 参照)。まず、この銅張積層板をドリル削孔し、
めっきレジストを形成した後、無電解めっき処理してス
ルーホール9を形成し、さらに、銅箔8を常法に従いパ
ターン状にエッチングすることにより、基板1の両面に
内層銅パターン4, 4′を形成した(図1(b) 参照)。
【0044】(2) 一方、ビスフェノールF型エポキシモ
ノマー(油化シェル製、分子量310 、商品名:YL983U)
100重量部と、イミダゾール硬化剤(四国化成製、商品
名:2E4MZ-CN)6重量部、消泡剤(サンノプコ製、商品
名:ペレノールS4)1.5 重量部を混合し、さらに、こ
の混合物に対し、平均粒径 1.6μmで表面にシランカッ
プリング剤がコーティングされたSiO2 球状粒子(アド
マテック製、CRS 1101−CE、ここで、最大粒子の大きさ
は後述する内層銅パターンの厚み(15μm)以下とす
る) 170重量部を混合し、3本ロールにて混練すること
により、その混合物の粘度を23±1℃で45,000〜49,000
cps に調整して、基板表面平滑化のための樹脂充填剤10
を得た。この樹脂充填剤は無溶剤である。もし溶剤入り
の樹脂充填剤を用いると、後工程において層間剤を塗布
して加熱・乾燥させる際に、樹脂充填剤の層から溶剤が
揮発して、樹脂充填剤の層と層間材との間で剥離が発生
するからである。
【0045】(3) 前記(2) で得た樹脂充填剤10を、図1
(b) に示す基板1の片面にロールコータを用いて塗布す
ることにより、導体回路間あるいはスルーホール内に充
填して120℃で20分間仮硬化し、他方の面も同様にし
て、導体回路間あるいはスルーホール内に充填して 120
℃で40分間仮硬化を行った(図1(c) 参照)。即ち、こ
の工程により、樹脂充填剤10が内層銅パターン4, 4′の
間あるいはスルーホール9内に充填される。なお、仮硬
化を行ったのは、ベルトサンダー研磨またはバフ研磨が
可能な範囲内で樹脂充填剤10を硬化させ、樹脂充填剤10
の研磨作業を容易に行うためである。
【0046】(4) 前記(3) の処理を終えた図1(c) に示
す基板の片面を、#600 のベルト研磨紙(三共理化学
製)を用いたベルトサンダー研磨により、内層銅パター
ン4, 4′の表面やスルーホール9のランド表面に樹脂充
填剤10が残らないように研磨し、次いで、前記ベルトサ
ンダー研磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行っ
た。このような一連の研磨を基板の他方の面についても
同様に行った。
【0047】そして、スルーホール9等に充填された樹
脂充填剤10を、 100℃で1時間、 120℃で3時間、 150
℃で1時間、 180℃で7時間の加熱処理にて硬化した。
このとき、上記樹脂充填剤10は、 150℃で1時間の加熱
処理でほぼ完全に架橋して高い硬度を示す樹脂となる。
こうして、基板両面を樹脂充填剤10にて平滑化した基板
を得た(図1(d) 参照)。即ち、この工程により、樹脂
充填剤10の表面と内層銅パターン4, 4′の表面が同一平
面となる。ここで、硬化樹脂のTg点は155.6℃、線熱
膨張係数は44.5×10-6/℃であった。
【0048】なお、この工程では、樹脂充填剤14が内層
銅パターン4, 4′の表面やスルーホール9のランド表面
にわずかに残るように、ベルトサンダー研磨にて研磨
し、次いでバフ研磨する方法、あるいはバフ研磨のみに
よる研磨方法も採用できる。また、上述した組成に係る
シランカップリング剤が被覆されたSiO2 球状粒子を含
む樹脂充填剤14は、硬化収縮が小さいので、基板に反り
を発生させることがなかった。しかも、硬化した状態で
は熱膨張係数が小さくなるので、ヒートサイクルに対す
る耐性にも優れていた。
【0049】(5) また一方で、DMDG(ジエチレング
リコールジメチルエーテル)に溶解したクレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂(日本化薬製、分子量2500)の25
%アクリル化物を35重量部、ポリエーテルスルフォン
(PES)12重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成
製、商品名: 2E4MZ−CN)2重量部、感光性モノマーで
あるカプロラクトン変成トリス(アクロキシエチル)イ
ソシアヌレート(東亜合成製、商品名:アロニックスM
325 )4重量部、光開始剤としてのベンゾフェノン(関
東化学製)2重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン
(関東化学製)0.2 重量部、さらにこれらの混合物に対
してエポキシ樹脂粒子(三洋化成製、商品名:ポリマー
ポール)の平均粒径 3.0μmを10.3重量部、平均粒径
0.5μmのものを3.09重量部を混合した後、さらにNM
P(ノルマルメチルピロリドン)30重量部を添加しなが
ら混合し、ホモディスパー攪拌機で粘度7Pa・sに調整
し、続いて3本ロールで混練して感光性接着剤溶液を得
た。
【0050】(6) 上記工程(4) を終えた図1(d) に示す
基板を水洗いし、乾燥した後、その基板を酸性脱脂し、
さらにソフトエッチングした。次いで、この基板を塩化
パラジウムと有機酸からなる触媒溶液に浸漬処理してP
d触媒を付与し、活性化を行った後、無電解めっきを施
し、銅導体とバイアホールパッドの表面に厚さ 2.5μm
のCu−Ni−P合金からなる凹凸層(粗化層)を形成し
た。そしてさらに、その基板を水洗いした後、ホウふっ
化スズ−チオ尿素液からなる無電解スズめっき浴に50℃
で1時間浸漬し、Cu−Ni−P合金からなる前記粗化層の
表面に厚さ 0.3μmのスズ置換めっき層を形成した。
【0051】(7) 前記(6) の処理を終えた基板の両面
に、上記(5) で得た感光性接着剤溶液をロールコータを
用いて塗布し、水平状態で20分間放置してから、60℃で
30分の乾燥を行い、図1(e) に示すような厚さ60μmの
接着剤層2を形成した。
【0052】なお、この工程では、樹脂充填剤の層上に
感光性接着剤層を直接形成する上記以外の構成として、
樹脂充填剤の層上に絶縁材の層を形成し、この絶縁材の
層上に感光性接着剤の層を形成する形態を採用すること
ができる。即ち、絶縁材層と接着剤層の2層からなる層
間絶縁層を形成することができる。このときの絶縁材
は、クレゾールノボラックエポキシ樹脂の25%アクリル
化物(日本化薬製)70重量%、ポリエーテルスルホン
(三井東圧製)30重量%、ベンゾフェノン5重量%、ミ
ヒラーケトン 0.5重量%およびイミダゾール硬化剤を4
重量%、エポキシ樹脂粒子(平均粒子径 0.3μm ビス
フェノールA型樹脂をアミン系硬化剤で懸濁重合させた
もの)を混合した後、ノルマルメチルピロリドン(NM
P)を添加しながらホモディスパー攪拌機で粘度1.2 Pa
・sに調整し、さらに3本ロールで混練して得られる。
【0053】(8) 前記(7) で接着剤層2を形成した基板
の両面に、 100μmφの黒円が印刷されたフォトマスク
フィルムを密着させ、超高圧水銀灯により 500mJ/cm2
で露光した。これをDMDG溶液でスプレー現像するこ
とにより、接着剤層2に 100μmφのバイアホールとな
る開口を形成した。さらに、当該基板を超高圧水銀灯に
より3000mJ/cm2 で露光し、100 ℃で1時間、その後 1
50℃で5時間の加熱処理をすることにより、フォトマス
クフィルムに相当する寸法精度に優れた開口(バイアホ
ール形成用開口6)を有する厚さ50μmの層間絶縁材層
(接着剤層2)を形成した(図1(f) 参照)。なお、バ
イアホールとなる開口6には、図示しないスズめっき層
を部分的に露出させた。
【0054】(9) 前記(8) の処理を施した基板を、クロ
ム酸に1分間浸漬し、層間絶縁材層表面のエポキシ樹脂
粒子を溶解除去することにより、当該層間絶縁材層の表
面を粗化し、その後、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬
してから水洗いした。さらに、粗面化処理した該基板の
表面に、パラジウム触媒(アトテック製)を付与するこ
とにより、層間絶縁材層の表面およびバイアホール用開
口6の内壁面に触媒核を付けた。
【0055】(10)一方、DMDGに溶解させたクレゾー
ルノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製、商品名:EO
CN−103S)のエポキシ基25%をアクリル化した感光性付
与のオリゴマー(分子量4000)、PES(分子量17000
)、イミダゾール硬化剤(四国化成製、商品名:2PMH
Z−PW)、感光性モノマーであるアクリル系イソシアネ
ート(東亜合成製、商品名:アロニックスM215 )、光
開始剤としてのベンゾフェノン(関東化学製)、光増感
剤としてのミヒラーケトン(関東化学製)を以下の組成
でNMPを用いて混合して、ホモディスパー攪拌機で粘
度3000cps に調整し、続いて3本ロールで混練して液状
レジストを得た。 樹脂組成物;感光性エポキシ/PES /M215 /BP/MK/
イミダゾール=70/30/10/5/0.5 /5
【0056】(11)前記(9) の処理を終えた基板の両面
に、上記液状レジストをロールコーターを用いて塗布
し、60℃で30分間の乾燥を行い、厚さ30μmのレジスト
層を形成した。次いで、L/S(ラインとスペースとの
比)=50/50の導体回路パターンの描画されたマスクフ
ィルムを密着させ、超高圧水銀灯により1000mJ/cm2
露光し、DMDGでスプレー現像処理することにより、
基板上に導体回路パターン部の抜けためっき用レジスト
を形成し、さらに、超高圧水銀灯にて6000mJ/cm2 で露
光し、 100℃で1時間、その後、 150℃で3時間の加熱
処理を行い、層間絶縁材層の上に永久レジスト3を形成
した。
【0057】(12)上記永久レジスト3を形成した基板
を、 100g/lの硫酸水溶液に浸漬処理して触媒核を活
性化した後、下記組成を有する無電解銅−ニッケル合金
めっき浴を用いて一次めっきを行い、レジスト非形成部
分に厚さ約1.7 μmの銅−ニッケル−リンめっき薄膜を
形成した。このとき、めっき浴の温度は60℃とし、めっ
き浸漬時間は1時間とした。
【0058】(13)前記(12)の工程で一次めっき処理した
基板を、前記めっき浴から引き上げて表面に付着してい
るめっき浴を水で洗い流し、さらに、その基板を酸性溶
液で処理することにより、銅−ニッケル−リンめっき薄
膜表層の酸化皮膜を除去した。その後、Pd置換を行うこ
となく、銅−ニッケル−リンめっき薄膜上に、下記組成
の無電解銅めっき浴を用いて二次めっきを施すことによ
り、アディティブ法による導体層として必要な外層導体
パターン5, 5' およびバイアホール(BVH )7を形成し
た(図1(g) 参照)。このとき、めっき浴の温度は50〜
70℃とし、めっき浸漬時間は90〜360 分とした。 金属塩… CuSO4・5H2O : 8.6 mM 錯化剤…TEA : 0.15M 還元剤…HCHO : 0.02M その他…安定剤(ビピリジル、フェロシアン化カリウム
等):少量 析出速度は、6μm/時間
【0059】(14)このようにしてアディティブ法による
導体層を形成した後、前記(4) の工程と同様にして、#
600 のベルト研磨紙を用いたベルトサンダー研磨によ
り、基板の片面を、永久レジストの表層とバイアホール
の銅の最上面とが揃うまで研磨した。引き続き、ベルト
サンダーによる傷を取り除くためにバフ研磨を行った
(バフ研磨のみでもよい)。そして、他方の面について
も同様に研磨して、基板両面が平滑なプリント配線基板
を形成した。
【0060】(15)そして、前述の工程を繰り返すことに
より、アディティブ法による導体層を更にもう一層形成
し、このようにして配線層をビルドアップすることによ
り6層の多層プリント配線板を製造した(図1(h) 参
照)。
【0061】(比較例1)(ビスフェノールF型+シリ
カ) (1) ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル
製、分子量310 、商品名:YL983U)100 重量部と、イミ
ダゾール硬化剤(四国化成製、商品名:2E4MZ-CN)6重
量部を混合し、さらにこの混合物に対し、平均粒径 1.6
μmのSiO2 球状粒子(シラン系カップリング剤による
処理無し)を 170重量部を、NMPとともに混合し、3
本ロールにて混練して23±1℃における粘度が 50,000
cps (50Pa・s)の樹脂充填剤を得た。 (2) 実施例1と同様にしてプリント配線板を製造した。
【0062】このようにして製造した実施例および比較
例にかかる多層プリント配線板について、それぞれの試
験片 100枚を、湿度85%、温度130 ℃、印加電圧3.3
V、48時間の条件で、高温高湿度条件下での環境試験を
行い、クラックの発生の有無を試験片断面の走査型電子
顕微鏡による観察で確認した。その結果、実施例ではク
ラックは全く観察されなかったが、比較例では30%程度
にクラックが発生していた。
【0063】これは、シランカップリング剤をコーティ
ングしたシリカ粒子を使用している実施例では、樹脂充
填剤の樹脂とシリカ粒子が強固に密着しており隙間が生
じないため、水分が蓄積せず、その水分の蒸発に伴う樹
脂破壊が発生しないと推定される。また、樹脂充填剤の
樹脂とシリカ粒子が強固に密着しているので、樹脂の熱
膨張率が低減されクラックが発生しないと考えられる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように本発明の樹脂充填剤
によれば、高温多湿条件下でもクラックが発生せず、信
頼性に優れる多層プリント配線板を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる樹脂充填剤を用いた多層プリン
ト配線板の一製造工程を示す図である。
【図2】樹脂充填剤の粘度と測定温度との関係を示す図
である。
【符号の説明】
1 基板 2 接着剤層(層間絶縁材層) 3 めっきレジスト(永久レジスト) 4,4′内層銅パターン 5,5′外層導体パターン 6 バイアホール用開口 7 バイアホール 8 銅箔 9 スルーホール 10 樹脂充填剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // H05K 1/03 630 H05K 1/03 630G

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配線基板の表面に生じる凹部あるいは該
    基板に設けたスルーホールに充填される樹脂充填剤であ
    って、その添加成分として、シラン系カップリング剤で
    コーティングされた無機粒子を含むことを特徴とする樹
    脂充填剤。
  2. 【請求項2】 配線基板の表面に生じる凹部あるいは該
    基板に設けたスルーホールに充填される樹脂充填剤であ
    って、前記樹脂成分としてビスフェノール型エポキシ樹
    脂、前記硬化剤としてイミダゾール硬化剤、前記添加成
    分としてシラン系カップリング剤でコーティングされた
    無機粒子を含むことを特徴とする樹脂充填剤。
  3. 【請求項3】 配線基板の表面に生じる凹部あるいは該
    基板に設けたスルーホールに充填される無溶剤の樹脂充
    填剤であって、前記樹脂成分としてビスフェノール型エ
    ポキシ樹脂、前記硬化剤としてイミダゾール硬化剤、前
    記添加成分としてシラン系カップリング剤でコーティン
    グされた無機粒子を含むことを特徴とする樹脂充填剤。
  4. 【請求項4】 前記ビスフェノール型エポキシ樹脂は、
    ビスフェノールF型エポキシ樹脂である請求項2または
    3に記載の樹脂充填剤。
  5. 【請求項5】 前記樹脂充填剤は、それの粘度が、23±
    1℃の温度において0.3×105cps〜 1.0×105cpsである
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂充填剤。
  6. 【請求項6】 前記無機粒子は、それの平均粒子径が
    0.1〜5.0 μmである請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の樹脂充填剤。
  7. 【請求項7】 配線基板の表面に生じる凹部あるいは該
    基板に設けたスルーホールに樹脂充填剤を充填し、硬化
    した後、その配線基板上に層間樹脂絶縁剤と導体回路を
    交互に積層してなる多層プリント配線板において、 前記樹脂充填剤は、その添加成分としてシラン系カップ
    リング剤でコーティングされた無機粒子を含むことを特
    徴とする多層プリント配線板。
  8. 【請求項8】 配線基板の表面に生じる凹部あるいは該
    基板に設けたスルーホールに樹脂充填剤を充填し、硬化
    した後、その配線基板上に層間樹脂絶縁剤と導体回路を
    交互に積層してなる多層プリント配線板において、 前記樹脂充填剤は、その樹脂成分としてビスフェノール
    型エポキシ樹脂、前記硬化剤としてイミダゾール硬化
    剤、前記添加成分としてシラン系カップリング剤でコー
    ティングされた無機粒子を含むことを特徴とする多層プ
    リント配線板。
  9. 【請求項9】 配線基板の表面に生じる凹部あるいは該
    基板に設けたスルーホールに樹脂充填剤を充填し、硬化
    した後、その配線基板上に層間樹脂絶縁剤と導体回路を
    交互に積層してなる多層プリント配線板において、 前記樹脂充填剤は、無溶剤であり、その樹脂成分として
    ビスフェノール型エポキシ樹脂、前記硬化剤としてイミ
    ダゾール硬化剤、前記添加成分としてシラン系カップリ
    ング剤でコーティングされた無機粒子を含むことを特徴
    とする多層プリント配線板。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2002044274A1 (ja) * 2000-11-29 2004-04-02 太陽インキ製造株式会社 液状熱硬化性樹脂組成物及びプリント配線板とその製造方法
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JP2015130421A (ja) * 2014-01-08 2015-07-16 株式会社デンソー 多層基板

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