JPH10216943A - 小脚長高速水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方法 - Google Patents

小脚長高速水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方法

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JPH10216943A
JPH10216943A JP3695797A JP3695797A JPH10216943A JP H10216943 A JPH10216943 A JP H10216943A JP 3695797 A JP3695797 A JP 3695797A JP 3695797 A JP3695797 A JP 3695797A JP H10216943 A JPH10216943 A JP H10216943A
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electrode
wire
welding
leg length
flux
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JP3695797A
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Harutoshi Kubota
晴敏 窪田
Masao Kamata
政男 鎌田
Rikiya Takayama
力也 高山
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2電極1プール方式の水平すみ肉溶接におい
て、溶接構造物の歪みを低減するために小脚長化した場
合でも溶接欠陥がなく、良好なビード形状が得られる小
脚長高速水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方法を提供
する。 【解決手段】 フラックス入りワイヤを用いて行う2電
極1プール方式の水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方
法において、先行電極のワイヤ突き出し長さ(WL1
が後行電極の突き出し長さ(WL2 )に対し、下式
(1)を満足し、かつ、少なくとも後行電極はルチール
系フラックス入りワイヤとし、溶接速度1.0m/mi
n以上で脚長3〜4mmビードを形成する小脚長高速水
平すみ肉ガスシールドアーク溶接方法。 (WL1 +5mm)<WL2 ≦45mm ・・・・・
(1) 但し、WL1 =15〜25mm

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は造船や橋梁等の分野
で多用されている水平すみ肉溶接に適用して、溶接欠陥
がなく、形状も良好な小脚長ビードが高能率で得られる
小脚長高速水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種溶接構造物の建造において、
溶接能率向上のためにフラックス入りワイヤを用いたガ
スシールドアーク溶接法の適用が増大している。特に全
溶接長に占める水平すみ肉溶接の比率が高い造船や橋梁
等の分野では、これの高能率化が最大の課題となってい
る。これに対し、特開昭63−235077号公報、特
開平2−280968号公報等により2電極1プール方
式の高速水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方法が提案
され、各所で実用化が進んでいる。なお、前者は先行電
極にスラグ形成剤をほとんど含有しない金属粉主体のメ
タルコアドワイヤを、後行電極にTiO2 を主体とする
スラグ形成剤を含有するルチール系フラックス入りワイ
ヤを用いることを特徴とし、後者は2電極ともルチール
系フラックス入りワイヤを用いることを特徴としてい
る。これらは脚長5〜6mmの水平すみ肉溶接の高速化
には最適な溶接方法である。
【0003】しかるに最近、特に造船分野においては溶
接構造物の溶接歪みによる変形防止対策及び溶接材料コ
スト低減のために、水平すみ肉ビードの小脚長化要望
(脚長5mm未満)が強い。従来の2電極1プール方式
による高速すみ肉溶接の問題点は、脚長が小さくなるに
つれて溶接部にコーナー部の溶込み不足やスラグ巻き込
みの溶接欠陥が発生しやすくなることにあり、これらの
補修は溶接能率を著しく低下させる。さらに、ビード形
状についても、小脚長化にともないオーバーラップ気味
になりやすく、塗装性の面から改善要望が強い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、2
電極1プール方式の水平すみ肉溶接において、溶接構造
物の歪みを低減するために小脚長化(目標脚長3〜4m
m、即ち立板側、下板側の脚長とも5.0mm未満)に
した場合でも、上記のような溶接欠陥がなく、良好なビ
ード形状が得られる小脚長高速水平すみ肉ガスシールド
アーク溶接方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、フラッ
クス入りワイヤを用いて行う2電極1プール方式の水平
すみ肉ガスシールドアーク溶接方法において、先行電極
のワイヤ突き出し長さ(WL1 )が後行電極の突き出し
長さ(WL2 )に対し、下式(1)を満足し、かつ、少
なくとも後行電極はルチール系フラックス入りワイヤと
し、溶接速度1.0m/min以上で脚長3〜4mmビ
ードを形成し、溶接欠陥が少なく良好なビード形状が得
られることを特徴とする小脚長高速水平すみ肉ガスシー
ルドアーク溶接方法を要旨としている。 (WL1 +5mm)<WL2 ≦45mm ・・・・・(1) 但し、WL1 =15〜25mm
【0006】また、他の本発明は、上記ワイヤ成分が金
属弗化物を0.03%〜0.50%含有するルチール系
フラックス入りワイヤを少なくとも後行電極に用いるこ
と。及び鋼製外皮中にフラックスをワイヤ重量当たり8
〜25%充填してなるフラックス入りワイヤを用いるこ
と。さらに先行電極のワイヤ先端狙い位置はコーナー
部、あるいはコーナー部を基点とし下板側2mm以内、
立板側1mm以下とし、この時の電極角度は下板から4
0〜60゜とすることを特徴とした小脚長高速水平すみ
肉ガスシールドアーク溶接方法にある。
【0007】
【発明の実施の形態】図2に一般的に実用化されている
2電極1プール方式による高速水平すみ肉溶接状況を示
す。高速化にともなう必要溶着量を確保するためにフラ
ックス入りワイヤを用いた2電極溶接とし、また平滑な
ビード形状を得るために溶融プールが1プールになるよ
うに両電極を配置している。このとき先行電極1は主に
ビードの溶け込みに、後行電極2はビード形状に寄与す
る。本発明もこのような2電極1プール方式を基本とし
て行うものであるが、例えば目標脚長4mmの小脚長ビ
ードを1.0m/minの高速溶接で得ようとした場
合、以下のような課題がある。
【0008】小脚長ビードを得るためには脚長が過大に
ならないように、両電極とも溶接電流を比較的低目に
し、かつ両電極のワイヤ狙い位置を立板と下板とのコー
ナー部に近づけて溶融プール全体を小さく形成して行
う。この場合、特に溶接部材の仮付けビード部において
は、コーナー部の溶け込み不足やビード形状の乱れが発
生しやすくなる。従って、仮付けビード部を十分に溶融
し安定した1プール状態が保持できるように、先行電極
は溶接電圧を意識的に低くしアーク力により掘り込みを
深くして行う必要がある。
【0009】しかし、仮付けビード部以外の通常部から
採取したビード断面を観察すると、図3に示すようにコ
ーナー部の溶け込みの底部、母材と溶接金属との境界近
くに、スラグ巻き込み16が見られる場合がある。この
内部欠陥の発生は先行電極の溶接電圧が低く過ぎて、ワ
イヤ溶融が短絡気味となり且つアーク力による溶融金属
の攪拌作用が極めて少ないため、溶融スラグの浮上を阻
害していることに起因している。
【0010】また、ビード表面欠陥であるピツトやガス
溝も溶融金属プールをより大きくして行う脚長5〜6m
mの場合に比較して発生しやすくなる。これも主に上記
小脚長化のために特有な溶接条件に起因している。つま
り、仮付けビード部における溶け込みを確保するため
に、先行電極の溶接電圧を低くし過ぎていることによ
り、通常部では溶け込みが過剰に大きくなり、部材鋼板
に塗装されたプライマからの熱分解ガスが増加し、しか
も小脚長溶接の場合は溶融金属の凝固も速いので熱分解
ガスの速やかな外部への放出が妨げられることによる。
【0011】さらに、ビード止端部が揃わずオーバーラ
ップ気味になりやすいことも小脚長化において見られる
課題である。これは脚長が過大にならないように後行電
極についても溶接電流及び溶接電圧を低目にして行うこ
とによる。
【0012】本発明者らは、上記2電極1プール方式で
小脚長高速水平すみ肉溶接を行った場合に起こりやすい
上記課題点に対し、主にフラックス入りワイヤを用いた
溶接施工条件を中心に検討した。その結果、フラックス
入りワイヤを用いる2電極溶接において、先行電極のワ
イヤ突き出し長さと後行電極のワイヤ突き出し長さを限
定することにより内部欠陥や表面欠陥がなく、形状も良
好な小脚長ビードが得られることを見い出し、所期の目
的を達成したものである。なお、本発明で言うワイヤ突
き出し長さとは、図1に示すようにチップ4と母材5と
の距離3である。
【0013】自動で行うガスシールドアーク溶接におい
て、ワイヤ突き出し長さ(以下Ext.と言う)は溶接
状況に重大な影響を及ぼす。即ち、溶接電流が同一電流
の場合、Ext.が長い程、ワイヤ溶融速度が大きくな
るが、あまり長くし過ぎるとアークが不安定となりスパ
ッタが増加する。また、Ext.を長くすると溶け込み
深さが浅くなり、この時、ノズル位置も高くなるためシ
ールド性が劣化し気孔が発生し易くなる。一方、逆にE
xt.を短かくすると溶込み深さは深くなるが、ノズル
位置が低くなるためノズル内にスパッタが多量に付着
し、シールド不良による気孔が発生し易くなる。これら
の理由により、ガスシールドアーク溶接のExt.は、
ワイヤ径1.2〜1.6mmの場合、20〜25mmに
保持するのが一般的とされているが、前記提案による従
来の2電極1プール方式の高速水平すみ肉溶接において
は、Ext.については全く検討されていない。
【0014】本発明では、2電極1プール方式で行う高
速すみ肉溶接における先行電極と後行電極による役割を
最大限に発揮させて小脚長ビードを形成する。まず、先
行電極の役割としては溶け込み深さの確保であるが、こ
れは溶接電圧を過剰に低くしなくともExt.を短く保
持することで得られる。ワイヤ送給速度を一定にして行
う自動溶接の場合、図4にExt.による溶接電流の変
化を示すように、Ext.を短くするとワイヤに流れる
電流値は高くなり、アーク力が増し溶け込みを深くする
ことができ、同時に溶融プールをよく攪拌しスラグの浮
上を促進する効果がある。この時、高電流溶接となる
が、ワイヤ溶融速度は変化しない。この先行電極により
溶け込みを深くし、ワイヤ溶融量を増加させないこと
が、小脚長ビード形成に対して極めて重要である。つま
り、溶け込みを確保しようとしてワイヤ送給速度を速く
してアーク力を強めると、先行電極のワイヤ溶融量が多
くなり、図2中に示した両電極間に形成する湯溜まり1
1が過度に成長し、アンダーカットや脚長の増大、ある
いは後行電極のアーク状態が不安定になる。
【0015】他方、後行電極のExt.を長くすること
により、後行電極のワイヤに流れる電流値は低くなり、
アーク力が弱まり、湯溜まりを安定に保持するように作
用する。この時、Ext.を長くしていることにより、
ジュール熱でワイヤ溶融量は低下することがないので、
目標脚長に見合った溶着量は維持できる。
【0016】本発明は、この先行電極のExt.と後行
電極のExt.との関係を規定することによって、溶接
速度1m/min以上の高速で安定した小脚長ビードを
形成させる。以下に、先行電極及び後行電極のExt.
の限定理由を述べる。
【0017】先行電極のExt.(WL1 )が15mm
未満の場合、先行電極の役割である溶込み深さは、ワイ
ヤに流れる電流値が極めて高くなりアーク力が増すので
十分得られるが、アーク力が強くなり過ぎて先行電極か
ら生成した溶融金属の後退力が増して、両電極間の湯溜
りが安定しない。そのためアークが不安定となりスパッ
タが多発する。また、アークの輻射熱によるチップ磨耗
も著しくワイヤの通電不良によるアーク不安定化をさら
に助長する。逆に、先行電極のExt.(WL1 )が2
5mmを超えると、アーク力が弱くなり過ぎて、十分な
溶け込み深さが得られない。従って、先行電極のEx
t.(WL1 )は15〜25mmに限定した。
【0018】次に後行電極のExt.(WL2 )が、
(WL1 +5mm)よりも小さい場合、後行電極による
アーク力が強過ぎて、湯溜まりが前方に押しやられ、湯
溜まりが安定しない。一方、後行電極のExt.(WL
2 )が、45mm超では、ワイヤの狙い位置が安定せず
ビード止端部に乱れが発生したり、アークが不安定とな
りスパッタが増加する。従って、(WL1 +5mm)<
(WL2 )≦45mmとした。
【0019】本発明の2電極1プール方式での小脚長す
み肉溶接に用いるフラックス入りワイヤについては、先
行電極にはスラグ形成剤をほとんど含有しないメタル系
フラックス入りワイヤまたはルチール系フラックス入り
ワイヤ、後行電極にはルチール系フラックス入りワイヤ
を用いることにより、TiO2 系スラグの効果でビード
形状が良好となる。なお、先行電極及び後行電極ともル
チール系フラックス入りワイヤの場合、スラグ生成量が
多くなるため小脚長のビード形状に最も効果的である。
また、プライマ塗装鋼板を溶接する場合には、耐プライ
マ性を向上させる金属弗化物を0.03%〜0.50%
添加したルチール系フラックス入りワイヤが好ましい。
即ち金属弗化物は粘性が小さく流動性のよい溶融スラグ
を形成して、ピット、ガス溝及びスラグ巻き込みの発生
防止に効果的である。金属弗化物が0.03%以下では
その効果がなく、0.5%以上ではアークが不安定とな
り、スラグ被包性も劣化する。ワイヤのポテンシャル水
素量についても耐プライマ性の観点から極力抑える必要
があり、熱伝導度法による測定方法で100ppm以下
であることが好ましい。フラックス充填率は溶接能率及
びワイヤの生産性面から8〜25重量%の範囲が好まし
い。
【0020】ワイヤ径は、両電極とも小脚長ビード形成
のために溶融プール幅を狭めてアンダーカットの発生を
防止し、かつ高速化のために高溶着性が得られるように
細径の1.2〜1.6mmが好ましい。ワイヤ断面形状
は図5に示すような一般的な形状のものでよいが、外皮
金属部17に開口部がないシームレスタイプ(d)がワ
イヤ送給性、直進性に優れているのでアーク及びワイヤ
先端狙い位置が安定し、コーナー部の溶け込みやビード
止端部の揃いが良好になるとともに、フラックス18の
吸湿がなく耐プライマ性や耐割れ性面からも優れてい
る。
【0021】以下に、本発明を実施するに当たり、特に
小脚長ビード形成のために必要な施工要領について説明
する。先行電極と後行電極間の極間距離は基本的に1プ
ールとなるように配置するが、極間距離の拡大は溶融プ
ールからのプライマ熱分解ガスを外部に放出しやすく
し、ピツトやガス溝の発生防止に極めて効果的である。
本発明では少なくとも後行電極にはルチール系フラック
ス入りワイヤを用いることが好ましく、この場合極間距
離は35mm程度まで拡大できる。極間距離が40mm
を超えると、明らかに安定した湯溜まりを形成できな
い。即ち、先行電極により生成した溶融スラグが半凝固
状態となり、その上を後行電極のアークが溶かす形態の
2プール溶接となるため、ビード形状が凸状となる。一
方、極間距離が15mm未満では、電極間での相互アー
ク干渉によりアークが乱れ、アーク不安定によるスパッ
タ多発等の問題が起こる。
【0022】仮付けビード部も含めて溶接欠陥がなくビ
ード形状も良好な健全な小脚長ビードを安定して得るた
めには、ワイヤ先端狙い位置及び電極角度も重要であ
る。先行電極でコーナー部を十分に溶け込ませる必要が
あり、先行電極のワイヤ先端狙い位置はコーナー部22
(図6)、あるいはコーナー部を基点とし下板側2mm
以内、立板側1mm以内の範囲とし、この時の電極角度
20(図6)は40〜60゜の範囲にすることが好まし
い。
【0023】先行電極のワイヤ先端狙い位置がコーナー
部から離れ過ぎている場合、仮付けビード部の十分な溶
かし込みができない。また仮付けビード部以外の通常部
においてもコーナー部の溶け込み不足の他、アンダーカ
ットやオーバーラップ、スパッタ付着など安定した小脚
長ビードが得られない。
【0024】電極角度20(図6)が40゜未満では仮
付けビード部の溶け込みが不足し、通常部においては立
板側ビード止端部にアンダーカットが発生しやすくな
る。一方、電極角度20(図6)が60゜を超えた場合
にも溶け込み不足やアンダーカットが発生し、また立板
側の脚長が確保できない下付きビードとなる。
【0025】後行電極は、先行電極の溶接状況を観察し
て調整することが肝心であるが、ワイヤ先端狙い位置は
両極間の湯溜まりを安定させ、かつ脚長を小さく保持す
るために先行電極による溶融プール上とし、電極角度2
1(図6)を40〜70゜にすることにより母材とのな
じみのよいビード止端部が形成できる。
【0026】溶接進行方向に対する電極角度は先行電極
を後退角6(5〜15゜)(図2)にし、後行電極は前
進角7(5〜15゜)にしてアーク力を湯溜まりに吸収
させるようにする。安定した湯溜まりアンダーカットの
発生やビードの凸状化を防止する。
【0027】シールドガスはCO2 ガスがコスト的にも
安価で一般的であるが、スパッタやヒューム量の低減に
効果的なAr−CO2 混合ガスやArガスを使用しても
よい。以下に本発明の実施の形態を実施例に基づいて説
明する。
【0028】
【実施例】表1に示すフラックス組成で、ワイヤ断面形
状がシームレスタイプのフラックス入りワイヤ(ワイヤ
径1.6mm及び1.4mm、フラックス充填率15重
量%)を用いて、表2に示す溶接施工条件で、図6に示
すT型すみ肉試験体(SM490、板厚9mm、溶接長
2.0m、無機ジンクプライマ塗装、膜厚約20μm)
を、両側同時溶接の2電極1プール方式による水平すみ
肉溶接試験(ツインタンデム溶接、両側のシフト距離0
〜5mm、目標脚長3〜4mm)を行った。表3及び表
4に溶接試験結果を示す。アーク安定性の評価記号は、
◎印:アークが安定しスパッタが少ない、△印:アーク
安定性に欠け、スパッタが多いとした。コーナー部の溶
込みの評価記号は、◎印:コーナー部の溶け込みが2m
m以上、△印:コーナー部からの溶込みが2mm未満ま
たはコーナー部が未溶融である。総合評価記号は、◎
印:良好、×印:不良である。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】本発明による試験No.1〜7(目標脚長
4mm)及びNo.20、21(目標脚長3mm)は、
安定した溶接状況下、溶接欠陥がなく形状も良好なビー
ドが得られた。これに対し、試験No.8〜12は比較
例である。
【0034】No.8は、先行電極及び後行電極のEx
t.がいずれも短いためにアーク力が強くなりすぎて、
湯溜りが安定せずアンダーカット、スラグ巻き込みも多
発した。ノズルへのスパッタ付着も多い。
【0035】No.9は、先行及び後行電極ともメタル
系フラックス入りワイヤを用いたため、ビード形状が凸
状となった。
【0036】No.10は、Ext.がいずれも長すぎ
たため、コーナー部の溶込みが浅く、また、ワイヤ狙い
位置が安定せずビード形状も不良となった。
【0037】No.11は、後行電極のExt.が短い
ためアーク力が強まり、湯溜まりが不安定となりビード
止端部が不揃いで、しかも、スラグ巻き込みが発生し
た。
【0038】No.12は、後行電極にメタル系フラッ
クス入りワイヤを用いたことで下脚のビード不揃いが発
生した。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は耐溶接欠
陥性及びビード形状が良好な2電極1プール方式の小脚
長高速水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方法を提案し
たものであり、溶接の高能率化、低コスト化に貢献でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】Ext.長さの測定方法を示す図
【図2】2電極1プール方式による高速水平すみ肉溶接
状況を示す図
【図3】ビード内部欠陥を示す図
【図4】Ext.長さと溶接電流の一例の関係を示す図
【図5】フラックス入りワイヤの断面形状の例
【図6】実施例に用いた試験板の形状を示す図
【符号の説明】
1 先行電極 2 後行電極 3 ワイヤ突き出し長さ(Ext.) 4 溶接チップ 5 下板 6 先行電極の電極角度 7 後行電極の電極角度 8 極間距離 9 先行電極のアーク 10 後行電極のアーク 11 湯溜まり 12 溶融プール 13 すみ肉ビード(溶接金属) 14 生成スラグ 15 立板 16 内部欠陥 17 外皮金属 18 フラックス 19 プライマ 20 先行電極の電極角度 21 後行電極の電極角度 22 コーナー部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フラックス入りワイヤを用いて行う2電
    極1プール方式の水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方
    法において、先行電極のワイヤ突き出し長さ(WL1
    が後行電極の突き出し長さ(WL2 )に対し、下式
    (1)を満足し、かつ、少なくとも後行電極はルチール
    系フラックス入りワイヤとし、溶接速度1.0m/mi
    n以上で脚長3〜4mmビードを形成し、溶接欠陥が少
    なく良好なビード形状が得られることを特徴とする小脚
    長高速水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方法。 (WL1 +5mm)<WL2 ≦45mm ・・・・・(1) 但し、WL1 =15〜25mm
  2. 【請求項2】 上記ワイヤ成分が金属弗化物を0.03
    %〜0.50%含有するルチール系フラックス入りワイ
    ヤを少なくとも後行電極に用いることを特徴とする請求
    項1記載の小脚長高速水平すみ肉ガスシールドアーク溶
    接方法。
  3. 【請求項3】 鋼製外皮中にフラックスをワイヤ重量当
    たり8〜25%充填してなるフラックス入りワイヤを用
    いる請求項1又は請求項2記載の小脚長高速水平すみ肉
    ガスシールドアーク溶接方法。
  4. 【請求項4】 先行電極のワイヤ先端狙い位置はコーナ
    ー部、あるいはコーナー部を基点とし下板側2mm以
    内、立板側1mm以下とし、この時の電極角度は下板か
    ら40〜60゜とする請求項1、請求項2又は請求項3
    記載の小脚長高速水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方
    法。
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