JP5980128B2 - アーク溶接構造部材の製造法 - Google Patents
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Description
2≦Qin≦50 …(1)
10≦Qout≦50 …(2)
Qin/Qout≧0.2 …(3)
前記内管の外壁と前記外管の内壁の間に形成されるアウターシールドガス流路の出口端部において、当該内管の外径をD1、当該外管の内径をD2とするとき、下記(4)式を満たす溶接トーチを適用することがより効果的である。
0.3≦(D2−D1)/D2≦0.5 …(4)
図2に、Zn−Al−Mg系めっき鋼板のガスシールドアーク溶接時において、アークが通り過ぎた直後の高温の溶接部近傍の断面状態を模式的に示す。母材1の表面は、溶接前の段階でFe−Al系合金層6を介して均一なめっき層7に覆われていたが、アークの通過によってビード止端部3の近くではめっき層の金属が蒸発して消失している(めっき層蒸発領域9)。それよりビード止端部3からの距離が大きい部分では、元のめっき層7が溶融してZn−Al−Mg系溶融金属8となるが、蒸発による消失には至っていない。ビード止端部3からの距離がさらに大きくなると、元のめっき層7が溶融せずに存在している。なお、図2中、Zn−Al−Mg系溶融金属8およびめっき層7の厚さは誇張して描いてある。
0.3≦(D2−D1)/D2≦0.5 …(4)
インナーシールドガスには、アーク溶接で通常使用されている種々のガスが適用可能である。具体的には、Arガス、CO2ガス、Ar−CO2混合ガス、Ar−CO2−O2混合ガス等を使用すればよい。各ガス成分の濃度範囲は、体積%でCO2:10〜100%、O2:0〜5%、Ar:0〜90%とすることができる。これ以外にも、公知のシールドガスに使用されている成分の混在が許容されるが、残部を不可避的不純物のみとするように管理してもよい。
本発明に従うアーク溶接においては、アウターシールドガスの吐出流量Qoutとインナーシールドガスの吐出流量Qin(L/min)を下記(1)〜(3)式に規定される範囲とする。
2≦Qin≦50 …(1)
10≦Qout≦50 …(2)
Qin/Qout≧0.2 …(3)
2.0≧Qin/Qout≧0.2 …(3)’
溶接速度は、上記溶接入熱が得られるように設定する。例えば0.2〜2.5m/minの範囲で設定することができる。
本発明では、アーク溶接で接合する双方の部材のうち、少なくとも一方に溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板部材を適用する。
その溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板部材のめっき原板としては、用途に応じて種々の鋼種が採用できる。高張力鋼板を使用することもできる。板厚は例えば1.0〜6.0mmの範囲で設定すればよい。
上記の溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板部材とアーク溶接により接合する相手部材は、上記と同様の溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板部材であっても構わないし、それ以外の鋼材であっても構わない。
溶接トーチとしては、図4に示す2重管構造のものを使用し、インナーシールドガスとアウターシールドガスをそれぞれ独立した管路から供給した。
大部分の例において、内管33の内径:16mm、外径(D1に相当):20mm、外管34の内径(D2に相当):29mmのものを使用した。この場合、(4)式中の(D2−D1)/D2の値は約0.31となる。
一部の例では、内管33の内径:16mm、外径(D1に相当):20mm、外管34の内径(D2に相当):35mmのものを使用した。この場合、(4)式中の(D2−D1)/D2の値は約0.43となる。
さらに一部の例では、内管33の内径:16mm、外径(D1に相当):20mm、外管34の内径(D2に相当):25mmのものを使用した。この場合、(4)式中の(D2−D1)/D2の値は0.20となる。
また、一部の比較例では従来一般に使用されている溶接トーチを用いて、アウターシールドガスを使用しない溶接を行った。
溶接条件は以下の通りである。
〔溶接条件〕
・溶接ワイヤー: YGW12、直径1.2mm
・シールドガス組成、流量: 表4、表5に記載
・溶接電流: 110〜200A
・アーク電圧: 12〜20V
・溶接速度: 0.2〜2.5m/min(表4、表5に記載)
・入熱: 2000〜6000J/cm
図6に示すように、100mm×75mmの試験片14(溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板部材)の中央部に直径20mm、長さ25mmの棒鋼のボス(突起)15を垂直に立て、上記の溶接条件でガスシールドアーク溶接を行って試験片14とボス15を接合した。具体的には溶接開始点Sから時計回りにボス15の周囲を1周して、溶接開始点Sを過ぎた後もさらにビードを重ねて溶接を進め、溶接ビード16の重なり部分17が生成した後の溶接終了点Eまで溶接を行った。溶接中、試験片14は平盤上に拘束された状態とした。この試験は実験的に溶接割れが生じやすい状況としたものである。
ビード形状観察後、ビード部のX線透過写真を撮影し、一般財団法人日本建築センターが定めるブローホール占有率Bsを測定した。Bsは、溶接ビード全長に占める個々のブローホール長さの総和の割合である。ここではビード中心部の円周方向長さ(1周分)を溶接ビードの全長とした。一般財団法人日本建築センターの評価基準に従い、Bsが30%以下であるものを○(耐ブローホール性;良好)、それ以外を×(耐ブローホール性;不良)と評価した。
結果を表4、表5に示す。
2 溶接ビード
3 ビード止端部
5 Zn−Al−Mg系合金層
6 Fe−Al系合金層
7 めっき層
8 Zn−Al−Mg系溶融金属
9 めっき層蒸発領域
10 溶融凝固領域
11 めっき層未溶融領域
14 試験片
15 ボス
16 溶接ビード
17 ビード重なり部分
31 溶接ワイヤー
32 コンタクトチップ
33 内管
34 外管
35 メッシュ
36 内管の外壁
37 外管の内壁
Claims (4)
- ガスシールドアーク溶接にて鋼材同士を接合して溶接構造部材を製造するに際し、少なくとも接合する一方の部材を溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板部材とし、電極周囲に内管と外管からなる2重管を備える溶接トーチを用い、前記内管から体積%でCO2:10〜100%、O2:0〜5%、Ar:0〜90%である組成のインナーシールドガスを吐出させるとともに、前記外管から体積%でAr:0〜100%、He:0〜100%、CO2:0〜100%、N2:0〜80%、H2:0〜25%、O2:0〜22%である組成のアウターシールドガスを吐出させ、アウターシールドガスの吐出流量Qoutとインナーシールドガスの吐出流量Qin(L/min)を下記(1)〜(3)式に規定される範囲とするアーク溶接構造部材の製造法。
2≦Qin≦50 …(1)
10≦Qout≦50 …(2)
Qin/Qout≧0.2 …(3) - 前記内管の外壁と前記外管の内壁の間に形成されるアウターシールドガス流路の出口端部において、当該内管の外径をD1、当該外管の内径をD2とするとき、前記溶接トーチは下記(4)式を満たすものである請求項1に記載のアーク溶接構造部材の製造法。
0.3≦(D2−D1)/D2≦0.5 …(4) - 前記溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板は、質量%で、Al:1.0〜22.0%、Mg:0.05〜10.0%、Ti:0〜0.10%、B:0〜0.05%、Si:0〜2.0%、Fe:0〜2.5%、残部Znおよび不可避的不純物からなるめっき層を有するものである請求項1または2に記載のアーク溶接構造部材の製造法。
- 前記溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板は、片面当たりのめっき付着量が20〜250g/m2である請求項1〜3のいずれかに記載のアーク溶接構造部材の製造法。
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