JPH10197794A - ズームレンズ - Google Patents

ズームレンズ

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JPH10197794A
JPH10197794A JP9015988A JP1598897A JPH10197794A JP H10197794 A JPH10197794 A JP H10197794A JP 9015988 A JP9015988 A JP 9015988A JP 1598897 A JP1598897 A JP 1598897A JP H10197794 A JPH10197794 A JP H10197794A
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JP
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lens
negative
positive
lens group
refractive power
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JP9015988A
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English (en)
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Haruo Sato
治夫 佐藤
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな画角を有し、FナンバーがF2.8の
大口径を有するズームレンズを提供すること。 【解決手段】 物体側から順に、正の屈折力を有する第
1レンズ群G1と負の屈折力を有する第2レンズ群G2
を有し、前記第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との
空気間隔を変化させることによって変倍するズームレン
ズにおいて、前記第2レンズ群G2は物体側から少なく
とも1面の非球面を含む負レンズ成分L2Aと、物体側
に凸面を向けた正レンズを有し、正の屈折力を有する正
レンズ成分L2Bと、少なくとも1面の非球面を含み物
体側に凹面を向けた負レンズ成分L2Cを有し、前記負
レンズ成分L2C中の非球面は光軸から周辺に向かうに
つれて、負の屈折力が減少するか、または正の屈折力が
増加するような形状を有することを特徴とするズームレ
ンズ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大きい画角及び比
較的大きい口径を有する大口径広角ズームレンズに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、物体側から順に正レンズ群と負レ
ンズ群とから始まる、いわゆる標準ズームレンズが多数
提案されている。特に、特開昭58−30709号公報
には、最大画角2ω=62°を有し、約3倍の変倍比を
有する小型の標準ズームレンズが提案されている。
【0003】また、特開昭63−294506号公報に
は、最大画角2ω=76°を有し、約3倍の変倍比を有
する小型の標準ズームレンズが提案されている。さら
に、特開平4−317020号公報には、第2レンズ群
を構成するレンズ面の殆どに非球面を導入しているズー
ムレンズが提案されている。
【0004】また、本出願人にかかる特開平4−208
911号公報及び特平4−208912号公報には、大
口径化された高倍率ズームレンズが提案されている。こ
の高倍率ズームレンズは、最大画角2ω=62°を有
し、約3倍の変倍比を有し、かつ変倍域全体にわたって
FナンバーがF2.8で標準ズームレンズとしては大口
径を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
58−30709号公報に開示されたズームレンズは、
FナンバーはF3.5と比較的明るいが、画角は62°
程度までしかない。また、諸収差の補正状況を見ると、
球面収差や非点収差の変倍に伴う変動が良好に補正され
ていない。さらに、コマ収差の変動も残留している。従
って、かかるズームレンズの光学系の構成、屈折力配置
に基づいて最大画角2ω=75°を越える大口径・広角
ズームレンズを実現することは困難である。
【0006】また、特開昭63−294506号公報に
開示されたズームレンズは、FナンバーがF3.5から
4.5と暗く、収差的に見てもコマ収差の変動が残留し
ている。従って、かかるズームレンズの光学系の構成、
屈折力配置に基づいてFナンバーが変倍域全体にわたっ
て2.8を越える大口径・広角ズームレンズを実現する
事は困難である。
【0007】また、特開平4−317020号公報に開
示されているズームレンズは、非球面を導入している。
しかし、かかる非球面は小型化とコストダウンのために
使用されており、大口径、広画角化という観点に比較し
て、根本的に非球面の使用方法や収差補正方法が異な
る。従って、FナンバーはF4から5.8と暗く、収差
的に見ても球面収差や非点収差の変倍に伴う変動が良好
に補正されておらず、コマ収差の変動も残留している。
従って、かかるズームレンズの光学系の構成、屈折力配
置に基づいて、Fナンバーが変倍域の全体にわたって
2.8を越える大口径・広角ズームレンズを実現する事
は困難である。
【0008】さらに、特開平4−208911号公報及
び特平4−208912号公報に開示されている大口径
ズームレンズは、収差補正は良好なレベルにあり、Fナ
ンバーもF2.8と明るいが、最大画角が62°程度し
か有していない。 このため、従来のズームレンズで
は、さらなる大画角化が望まれていた。
【0009】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
のであり、大画角を有し、変倍比が2.6倍を越え、F
ナンバーがF2.8程度の大口径を有する高性能なズー
ムレンズを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、物体側から順に、正の屈折力を有する第
1レンズ群G1と負の屈折力を有する第2レンズ群G2
を有し、前記第1レンズ群G1と前記第2レンズ群G2
との間の空気間隔を変化させることによって変倍を行う
ズームレンズにおいて、前記第2レンズ群G2は、物体
側から順に、少なくとも1面の非球面を含む負レンズ成
分L2Aと,物体側に凸面を向けた正レンズを有し、正
の屈折力を有する正レンズ成分L2Bと、少なくとも1
面の非球面を含み物体側に凹面を向けた負レンズ成分L
2Cとを有し、前記負レンズ成分L2C中の前記非球面
は光軸から前記非球面の周辺に向かうに従って、負の屈
折力を減少させるか、または正の屈折力を増加させるよ
うな形状を有することを特徴とする大口径ズームレンズ
を提供する。
【0011】まず、本発明の基本的な構成を以下に説明
する。本発明は、大画角と大口径とを同時に達成するこ
とが可能で、従来までの凸先行型のズームレンズには見
られない新規なレンズ構成及び屈折力配置により新たな
第2レンズ群のレンズタイプを見出したものである。
【0012】本発明の第2レンズ群G2は基本的に、物
体側から負レンズ成分、正レンズ成分及び負レンズ成分
の3成分からなり、屈折力配置において比較的に対称に
近い構造をなしている。中間に位置する正屈折力を有す
る群L2Bは物体側に凸面を向けた正レンズを少なくと
も有し、また、好ましくは接合レンズを含む部分レンズ
群で構成されている。
【0013】かかる中間の正レンズ群L2Bが物体側に
凸面を向けた正レンズで構成することは重要な意味を持
つ。比較的強い屈折力を有する物体側の負の群L2Aの
像側の強い凹面と、中間の正レンズ群L2Bの物体側の
凸面とは、主として広角側の下方コマ収差、望遠側の下
方コマ収差及び球面収差の補正に効果的に寄与してい
る。この補正の効果をより高めるには、物体側の負レン
ズ群L2Aが適切な屈折力を有することが必要である。
【0014】また、負レンズ群L2Aに設けられた非球
面は、広角側の歪曲収差と変倍域全体の下方コマ収差の
補正に効果的に働いている。さらに、負レンズ群L2A
の物体側の面は物体側に凸面を向けていることが好まし
い。負レンズ群L2Aの物体側の面が物体側に凹面を向
けている場合、主に広角側の非点収差、下方コマ収差が
悪化し大画角化を実現することができない。
【0015】加えて、像側の負レンズ成分L2Cにおい
て非球面を導入することは重要な意義を有している。本
発明の様な全域にわたってF2.8を有する大口径広角
ズームレンズにおいては、第2レンズ群の収差補正上の
役割として、第2レンズ群中の物体側のレンズ成分L2
Aは主に広角端の軸外収差を補正し、第2レンズ群中の
像側のレンズ成分L2Cは広角端の軸外収差、特に下方
コマ収差と望遠側の球面収差と軸外収差、特に下方コマ
収差を同時に補正する必要がある。
【0016】特に、第2レンズ群を強い屈折力(パワ
ー)で構成し、かつ、薄肉化しレンズ全系の小型化を図
った場合、光軸から非球面の周辺に向かうに従って、負
の屈折力が減少するか、または正の屈折力が増加するよ
うな形状を有する非球面の導入が不可欠である。また、
好ましくは負レンズ成分L2Cの最も物体側の面は物体
方向に凹面を向け、その面に非球面を導入することによ
って、中間の正レンズ群L2Bとの間に凸形状の空気レ
ンズを形成することが望ましい。この凸形状の空気レン
ズの収差補正効果と相まって、より効果的に広角端の軸
外収差、特に下方コマ収差と望遠側の球面収差と軸外収
差、特に下方コマ収差を良好に補正することができる。
【0017】以下に本発明の条件式について説明する。
本発明においては、前記第2レンズ群G2中の前記負レ
ンズ成分L2Cに含まれる少なくとも1面の前記非球面
は、前記非球面の有効径最周辺における前記非球面と所
定の頂点曲率半径を有する基準球面との光軸方向に沿っ
た変位量、すなわち光軸方向に沿った基準球面と非球面
との差分量をASc−Scとし、広角端における前記ズ
ームレンズ全系の焦点距離をfwとしたとき、 0<|ASc−Sc|/fw≦0.1 (1) の条件を満足することが望ましい。
【0018】条件式(1)は前記第2レンズ群中の負レ
ンズ成分L2Cに含まれる非球面の有効径最周辺におけ
る非球面と所定の頂点曲率半径を有する基準球面の光軸
方向の変位量すなわち非球面変位量(ディヴィエーショ
ン)の最適な範囲を定めている。条件式(1)の上限を
上回る場合、非球面変位量が著しく大きくなるために、
かえって高次の球面収差等が発生し収差補正上好ましく
ない。また、非球面の製作精度が非常に厳しくなり、非
球面の製造上の観点からも妥当でない。さらに、レンズ
面の偏心精度も非常に厳しくなり望ましいものではな
い。なお、条件式(1)の上限値を0.05以下に設定
するとより良好な収差補正と、容易な製造条件が実現で
きる。さらに好ましくは、条件式(1)の上限値を0.
035以下に設定すると本発明の効果を最大限に発揮す
ることができる。
【0019】また、本発明の好ましい実施の形態によれ
ば、前記第2レンズ群G2中の前記負レンズ成分L2A
に含まれる少なくとも1面の前記非球面は、光軸から前
記非球面の周辺に向かうに従って、負の屈折力を減少さ
せる、または正の屈折力を増加させる形状を有すること
が望ましい。
【0020】また、本発明の好ましい実施の形態によれ
ば、前記第2レンズ群G2中の前記負レンズ成分L2A
に含まれる少なくとも1面の前記非球面は、前記非球面
の有効径最周辺における、前記非球面と所定の頂点曲率
半径を有する基準球面との光軸方向に沿った変位量をA
Sa−Saとし、広角端の全系の焦点距離をfwとした
とき、 0<|ASa−Sa|/fw≦0.15 (2) の条件を満足することが望ましい。
【0021】条件式(2)は前記第2レンズ群中の負レ
ンズ成分L2Aに含まれる非球面の有効径最周辺におけ
る非球面と所定の頂点曲率半径を有する基準球面との光
軸方向の変位量すなわち非球面変位量(ディヴィエーシ
ョン)の最適な範囲を定めている。
【0022】条件式(2)の上限を上回る場合、非球面
変位量が著しく大きくなるために、広角側の歪曲収差、
下方コマ収差等が発生し収差補正上好ましくない。ま
た、条件式(1)の場合と同様に、非球面の製造上の問
題として、非球面の製作精度が非常に厳しくなり好まし
くない。さらに、レンズ面の偏心精度も非常に厳しくな
り妥当ではない。なお、条件式(2)の上限値を0.1
以下に設定するとより良好な収差補正と、容易な製造条
件を達成することができる。さらに好ましくは、条件式
(2)の上限値を0.08以下に設定すると本発明の効
果を最大限に発揮できる。
【0023】また、本発明の好ましい実施の形態によれ
ば、正の屈折力を有する前記正レンズ成分L2Bは、少
なくとも1組の正レンズL2Bpと負レンズL2Bnの
接合からなる接合正レンズを有し、前記接合正レンズの
中の前記正レンズL2Bpのd線に対する屈折率をnb
pとし、前記負レンズL2Bnのd線に対する屈折率を
nbnとしたとき、 nbp < nbn (3) の条件を満足することが望ましい。
【0024】条件式(3)は前記正レンズ成分L2B中
の正レンズL2Bpと負レンズL2Bnの屈折率の適切
な大小関係を定めている。中間の正レンズ群L2Bの接
合レンズは、凸(正)レンズ成分より凹(負)レンズ成
分の屈折率を高くすることで、特に、望遠側の球面収差
の補正に有効に作用し、大口径化を実現するのに有利に
なる。
【0025】また、負屈折力を有する第2レンズ群G2
の中の正レンズ群であり、ペッツバール和を適切な値に
設定するためにも凸レンズ成分より凹レンズ成分の屈折
率が高いことが必要であり、条件式(3)を満足するこ
とによって良好な像面湾曲及び非点収差の補正が可能に
なる。さらに、色収差の補正のためにも接合正レンズを
有することが望ましい。さらに好ましくは、中間の正レ
ンズ群L2Bの接合レンズは凸レンズ成分と凹レンズ成
分の屈折率の差が0.015以上あると本発明の効果を
最大限に発揮できる。
【0026】また、本発明の好ましい実施の形態によれ
ば、広角端から望遠端にいたるまで、変倍のために移動
する前記第2レンズ群G2の移動量を物体方向に移動す
る場合を正とするX2とし、広角端における前記ズーム
レンズ全系の焦点距離をfwとしたとき、 0.2<X2/fw<2 (4) の条件を満足することが望ましい。
【0027】条件式(4)は変倍のために移動する第2
レンズ群G2の移動量の適切な範囲を定めている。第2
レンズ群G2の移動方向及び移動量はズームレンズの全
長変化に大きく関わっている。本発明のような凸先行型
ズームレンズ(たとえば、物体側から順に、正・負・正
・正の屈折力を有する4群ズームレンズ)の場合、第2
レンズ群が静止しているか、または望遠端に向かって像
面方向に移動し、変倍する方式の方が全長変化が少な
い。しかしながら、広角端の大画角化を進めた場合、第
1レンズ群と第2レンズ群との変倍間隔を大きくとる必
要があるので、前玉径の増大を招き好ましくない。ま
た、前玉径の増大を押さえれば、大きな変倍比を達成す
ることが出来なくなる。従って、基本的には第2レンズ
群の移動方向は物体方向に移動し、望遠端に向かって変
倍する方式が好ましく、適切な移動量を設定することが
望ましい。
【0028】条件式(4)の下限を下回る場合、上述し
たように、前玉径の増大を招き好ましくない。また、無
理に前玉径の増大を押さようとすると、大きな変倍比を
とれなくなり妥当ではない。なお、好ましくは条件式
(4)の下限値を0.25以上に設定すると、更にズー
ムレンズ全系の小型化、小径化に有利となり高倍率化に
も有利となる。また更に好ましくは、条件式(4)の下
限値を0.3以上に設定すると本発明の効果を最大限に
発揮できる。
【0029】他方、条件式(4)の上限を上回る場合、
第2レンズ群の移動量が大きくなり過ぎて、特に望遠側
において大口径化するのが困難になり、全系が著しく大
型化し好ましくない。また、鏡筒構造も複雑になり好ま
しくない。なお、好ましくは条件式(4)の上限値を
1.5以下に設定するとより良好な収差補正と、小型化
が実現できる。また、さらに好ましくは条件式(4)の
上限値を1以下に設定すると本発明の効果を最大限に発
揮できる。
【0030】また、本発明の好ましい実施の形態によれ
ば、前記第2レンズ群G2全体の焦点距離をf2、広角
端の前記ズームレンズ全系の焦点距離をfwとしたと
き、 −1.2<f2/fw<−0.4 (5) の条件を満足することが望ましい。
【0031】条件式(5)は前記第2レンズ群G2の焦
点距離f2の適切な有効範囲を定めている。条件式
(5)の下限を下回る場合、第2レンズ群G2の屈折力
が小さくなるために、特に広角側の斜光線が光軸から大
きく離れるようになり前玉径の大型化につながる。ま
た、変倍によるレンズ群の移動量が増加するために、大
型化を招き、更には高倍率化を達成することが出来なく
なる。尚、条件式(5)の下限値を−1以上に設定する
と、小型化、小径化に有利となり、高倍率化の観点から
も有利となる。また、更に好ましくは、条件式5の下限
値を−0.85以上に設定すると本発明の効果を最大限
に発揮できる。 条件式(5)の上限を上回る場合、第
2レンズ群G2の屈折力が大きくなるために、小型化、
小径化に有利になるが、諸収差の補正が困難になるとい
う問題が生ずる。特に、広角側の下方コマ収差、歪曲収
差が悪化し、加えてぺッツバール和を適切な値に設定す
ることも困難になるために像面湾曲及び非点収差も悪化
し、好ましくない。なお、条件式(5)の上限値を−
0.5以下に設定すると収差補正の観点から、より有利
になる。さらに好ましくは、上限値を−0.55または
−0.6以下に設定すると、より本発明の効果を最大限
に発揮できる。
【0032】また、本発明の好ましい実施の形態によれ
ば、前記負レンズ成分L2Aの焦点距離をf2aとし、
前記第2レンズ群G2全体の焦点距離をf2としたと
き、 0.8<f2a/f2<2.5 (6) の条件を満足することが望ましい。
【0033】条件式(6)は、前記負レンズ成分L2A
の屈折力の適切な有効範囲を定めている。条件式(6)
の下限を下回る場合、負レンズ成分L2Aの屈折力が大
きくなるため、広角端近傍の大画角の主光線を光軸方向
に押し上げることとなる。このため、フィルターサイズ
の小型化が可能になる反面、特に広角側の下方コマ収
差、歪曲の補正が困難になる。
【0034】尚、条件式(6)の下限値を0.9以上に
設定すると、良好な収差補正と小型化、小径化が可能に
なる。さらに好ましくは、下限値を0.95以上に設定
すると本発明の効果を最大限に発揮できる。また、条件
式(6)の上限を上回る場合、負レンズ成分L2Aの屈
折力が小さくなるため、上述のように、フィルターサイ
ズの小径化を達成できないので好ましくない。条件式
(6)の上限値を2.0以下に設定すると、良好な収差
補正と小型化、小径化が可能になる。さらに好ましく
は、条件式(6)の上限値を1.5以下に設定すると本
発明の効果を最大限に発揮できる。
【0035】また、本発明の好ましい実施の形態によれ
ば、前記負レンズ成分L2Cの焦点距離をf2cとし、
前記第2レンズ群G2全体の焦点距離をf2としたと
き、 1<f2c/f2<5 (7) の条件をを満足することが望ましい。
【0036】条件式(7)は前記、負レンズ成分L2C
の屈折力の適切な有効範囲を定めている。条件式(7)
の下限を下回る場合、負レンズ成分L2Cの屈折力が大
きくなるため、高次収差の発生等によって、特に望遠側
の球面収差および下方コマ収差の良好な補正が困難にな
る。さらには、製造上の問題として、偏芯精度が著しく
増加し好ましくない。尚、条件式(7)の下限値を1.
5以上に設定すると、良好な収差補正が可能になる。さ
らに好ましくは、1.85以上に設定すると本発明の効
果を最大限に発揮できる。また、条件式(7)の上限を
上回る場合、負レンズ成分L2Cの屈折力が小さくなる
ため、上述のように、第2レンズ群のパワーの対称構造
が著しくずれる結果、結果的に望遠側の球面収差および
下方コマ収差の補正が困難になる。尚、条件式(7)の
上限値を4以下に設定すると、良好な収差補正が可能に
なる。さらに好ましくは、条件式(7)の上限値を3.
7以下に設定すると本発明の効果を最大限に発揮でき
る。
【0037】また、本発明の好ましい実施の形態によれ
ば、前記正レンズ成分L2Bの焦点距離をf2bとし、
前記第2レンズ群G2全体の焦点距離をf2としたと
き、 −8<f2b/f2<−1.5 (8) の条件を満足することが望ましい。
【0038】条件式(8)は前記物体側に凸面を向けた
正レンズとを有する正レンズ成分L2Bの全体の屈折力
の有効範囲を定めている。条件式(8)の下限を下回る
場合、正レンズ成分L2Bの全体の屈折力が小さくな
り、正レンズ群としての収差補正上の役割分担が充分達
成できなくなり、ペッツバール和の適切な設定も困難に
なる。その結果、広角側の下方コマ収差、像面湾曲及び
非点収差も悪化する。尚、条件式(8)の下限値を−7
以上に設定すると、良好な収差補正と小型化、小径化が
可能になる。
【0039】また、条件式(8)の上限を上回る場合、
正レンズ成分L2Bの全体の屈折力が大きくなり、望遠
側の球面収差の補正が困難になり好ましくない。尚、条
件式(8)の上限値を−2以下に設定すると、良好な収
差補正と小型化、小径化が可能になる。
【0040】また、本発明の好ましい実施の形態によれ
ば、負の屈折力を有する前記負レンズ成分L2Cは、少
なくとも1組の負レンズL2Cnと正レンズL2Cpの
接合からなる接合負レンズを有し、前記接合負レンズの
中の前記正レンズL2Cpのd線に対する屈折率をnC
p、負レンズL2Cnのd線に対する屈折率をnCnと
したとき、 nCp < nCn (9) の条件を満足することが望ましい。
【0041】条件式(9)は前記負レンズ成分L2C中
の接合レンズの正レンズL2Cpと負レンズL2Cnの
屈折率の適切な大小関係を定めている。負レンズ成分L
2Cの接合レンズは凸(正)レンズ成分より凹(負)レ
ンズ成分の屈折率が高いことが、特に、ペッツバール和
を適切な値に設定するために必要である。条件式(9)
を満足することによって、像面湾曲及び非点収差の良好
な補正が可能になる。また、色収差の補正のためにも接
合レンズを有することが望ましい。さらに好ましくは、
負レンズ成分L2Cの接合レンズは凸(正)レンズ成分
と凹(負)レンズ成分の屈折率の差が0.1以上あると
本発明の効果を最大限に発揮できる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下に本発明の各実施例を添付図
面に基づいて説明する。 [第1実施例]図1は第1実施例のレンズ構成及びレン
ズ群の移動軌跡を示している。第1実施例は物体側から
順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈
折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する
第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群
G4との4つのレンズ群から構成されている。
【0043】第1レンズ群G1は、物体側から順に、物
体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズと
の接合による接合正レンズL11と,物体側に凸面を向
けた正メニスカスレンズL12とにより構成される。第
2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向
け、その物体側の凸面に非球面を有する負メニスカス非
球面レンズL21,物体側に凸面を向けた負メニスカス
レンズL22,物体側に凸面を向けた正レンズと像側に
凸面を向けた負メニスカスレンズとの接合による接合正
レンズL23,物体側に凹面を向け、その物体側の凹面
に非球面を有する負メニスカス非球面レンズと物体側に
凹面を向けた正メニスカスレンズとの接合によりなる接
合負レンズL24より構成されている。
【0044】さらに、前記負メニスカス非球面レンズL
21と負メニスカスレンズL22によってレンズL2A
が構成され、前記接合正レンズL23によってレンズL
2Bが構成され、前記接合負レンズL24によってレン
ズL2Cが構成されている。
【0045】開口絞りAは、第3レンズ群G3の物体側
近傍に設けられている。第3レンズ群G3は、像側に凸
面を向けた正メニスカスレンズL31と,両凸レンズL
32,両凸レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレ
ンズとの接合による接合正レンズL33とにより構成さ
れている。
【0046】第4レンズ群G4は両凸レンズと両凹レン
ズとの接合からなる接合正レンズL41,変倍(ズーミ
ング)に応じて径が変化するフレアーストッパーS、物
体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL42、両凸レ
ンズL43、両凸レンズのL44,像側に凸面を向けた
負メニスカスレンズL45より構成されている。
【0047】図1は、広角端におけるレンズ配置を示し
ている。望遠端への変倍に際して、第1および第2レン
ズ群は、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間の空
気間隔が増大し、かつ第2レンズ群G2と第3レンズ群
G3との間の空気間隔が減少するように移動し、第3レ
ンズ群G3と第4レンズ群G4は、物体方向にそれぞれ
移動する。また、近距離合焦は第3レンズ群G3を像方
向に移動して行う。
【0048】次の表1に第1実施例の諸元値を示す。表
1において、fは焦点距離を、FNOはFナンバーを、
2ωは画角を、Bfはバックフォーカスを、βは撮影倍
率を、D0は物点距離(最も物体側の面と物体との間の
光軸に沿った距離)を表している。さらに、面番号は光
線の進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序
を、dは各レンズ面間隔を、rは曲率半径(非球面の場
合は、近軸曲率半径)を、N(d)はd線(λ=58
7.6nm)に対する屈折率を、Abbe Noはアッ
ベ数をそれぞれ示している。表中、フレアー絞り径、開
口絞り径は、可変空気間隔のF=29.00、50.0
0、77.60の場合に各々対応している。
【0049】また、諸元表に示す非球面は光軸に垂直な
方向の高さをy、高さyにおける非球面の頂点における
接平面から光軸方向に沿った非球面までの距離をS
(y)とし、基準となる曲率半径をR、円錐係数をκ、
n次の非球面係数をCnとするとき、以下の非球面式で
与えられる。 S(y)=(y2/R)/〔1+(1−κ・y2/R2
1/2〕+C2・y2+C4・y4+C6・y6+C8・y8
+C10・y10 また、非球面の近軸曲率半径rは、以下の式によって定
義される。 r=1/(2・C2+1/R) 各実施例において、諸元表中の非球面には面番号に星印
を付しており、r欄には近軸曲率半径を掲げている。
【0050】
【表1】〔第1実施例〕 f=29〜77.6 FNO=2.9 2ω=75.7°〜30.3° 条件対応値 (1) |ASc−Sc|/fw=0.01014(φ
=27.88mm時) (2) |ASa−Sa|/fw=0.01067(φ
=36.7mm時) (3) nbn−nbp=0.01759 (4) X2/fw=0.441(物体方向が正) (5) f2/fw=−0.6897 (6) f2a/f2=0.9874 (7) f2c/f2=2.7103 (8) f2b/f2=−2.5211 (9) nCp−nCn=−0.3236
【0051】図2乃至図4は、第1実施例の諸収差図で
ある。図2は広角端で無限遠合焦時の収差図を、図3は
中間焦点距離状態での無限遠合焦時の収差図を、図4は
望遠端での無限遠合焦状態の収差図をそれぞれ示してい
る。各収差図において、FNOはFナンバーを、Aは半
画角を、yは像高を、dはd線(λ=587.6n
m),gはg線(λ=587.6nm)をそれぞれ示し
ている。また、非点収差を示す収差図において、実線は
サジタル像面を、点線はメリジオナル像面を示してい
る。図2の収差図を参照すると、広角端において十分大
きな画角までカバーし、諸収差が良好に補正されている
ことがわかる。また、図3および図4の収差図を参照す
ると、広角端と同様に、諸収差が良好に補正されている
ことがわかる。
【0052】[第2実施例]図5は、本発明の第2実施
例にかかるズームレンズのレンズ構成及びレンズ群の移
動軌跡を示している。第2実施例は物体側から順に、正
の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有
する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レン
ズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4の4
つの群から構成されている。
【0053】第1レンズ群G1は、物体側から順に、物
体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズと
の接合による接合正レンズL11と、物体側に凸面を向
けた正メニスカスレンズL12より構成される。第2レ
ンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向け、
その物体側の凸面に非球面を有する負メニスカス非球面
レンズL21、物体側に凸面を向けた負メニスカスレン
ズL22,物体側に凸面を向けた正レンズと像側に凸面
を向けた負メニスカスレンズとの接合による接合正レン
ズL23,物体側に凹面を向け、その物体側の凹面に非
球面を有する両凹非球面レンズと両凸レンズとの接合に
よりなる接合負レンズL24より構成されている。
【0054】さらに、前記負メニスカス非球面レンズL
21と負メニスカスレンズL22によってレンズL2A
が構成され、前記接合正レンズL23によってレンズL
2Bが構成され、前記接合負レンズL24によってレン
ズL2Cが構成されている。
【0055】開口絞りAは、第3レンズ群G3の物体側
近傍に設けられている。第3レンズ群G3は、像側に凸
面を向けた正メニスカスレンズL31と、両凸レンズL
32と,両凸レンズと像側に凸面を向けた負メニスカス
レンズとの接合による接合正レンズL33とにより構成
されている。第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向け
た正メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた負メニス
カスレンズとの接合からなる接合正レンズL41,変倍
(ズーミング)に応じて径が変化するフレアーストッパ
ーS、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL4
2,両凸レンズL43,両凸レンズのL44,像側に凸
面を向けた負メニスカスL45より構成されている。
【0056】図5は広角端におけるレンズ配置を示して
いる。望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1と第
2レンズ群G2は、第1レンズ群G1と第2レンズ群G
2との間の空気間隔が増大し、かつ第2レンズ群G2と
第3レンズ群G3との間の空気間隔が縮小するよう移動
し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4は、広角端か
ら望遠端に向かって物体方向にそれぞれ移動する。ま
た、近距離合焦は第3レンズ群G3を像方向に移動して
行う。次に表2に第2実施例の諸元値を示す。各符号は
第1実施例の場合と同様である。
【0057】
【表2】[第2実施例] f=29〜77.6 FNO=2.9 2ω=76°〜30.4° 条件対応値 (1)|ASc−Sc|/fw=0.009189(φ
=25.88mm時) (2) |ASa−Sa|/fw=0.007254
(φ=34.58mm時) (3) nbn−nbp=0.01759 (4) X2/fw=0.3256 (5) f2/fw=−0.6207 (6) f2a/f2=1.0520 (7) f2c/f2=3.4068 (8) f2b/f2=−3.5519 (9) nCp−nCn=−0.3236
【0058】図6乃至図8は、第2実施例の諸収差図で
ある。図6は広角端で無限遠合焦時の収差図を、図7は
中間焦点距離状態での無限遠合焦時の収差図を、図4は
望遠端での無限遠合焦状態の収差図をそれぞれ示してい
る。各収差図の符号は第1実施例と同様である。図6の
収差図を参照すると、広角端において十分大きな画角ま
でカバーし、諸収差が良好に補正されていることがわか
る。また、図7および図8の収差図を参照すると、広角
端と同様に、諸収差が良好に補正されていることがわか
る。
【0059】[第3実施例]図9は第3実施例のレンズ
構成及びレンズ群の移動軌跡を示している。第3実施例
は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群
G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の
屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有す
る第4レンズ群G4との4つの群から構成されている。
【0060】第1レンズ群G1は、物体側から順に、物
体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズと
の接合による接合正レンズL11と,物体側に凸面を向
けた正メニスカスレンズL12とにより構成される。第
2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向
け、その物体側の凸面に非球面を有する負メニスカス非
球面レンズL21と,両凸レンズと両凹レンズとの接合
による接合正レンズL22と,物体側に凹面を向け、そ
の物体側の凹面に非球面を有する負メニスカス非球面レ
ンズL23より構成されている。
【0061】さらに、前記負メニスカス非球面レンズL
21によってレンズL2Aが構成され、前記接合正レン
ズL23によってレンズL2Bが構成され、前記負メニ
スカスレンズL24によってレンズL2Cが構成されて
いる。開口絞りAは、第3レンズ群G3の物体側近傍に
設けられている。第3レンズ群G3は、像側に凸面を向
けた正メニスカスレンズL31と、像側に凸面を向けた
正メニスカスレンズL32と、両凸レンズと像側に凸面
を向けた負メニスカスレンズとの接合による接合正レン
ズL33より構成されている。
【0062】第4レンズ群G4は、物体側に凸面を向け
た両凸レンズと両凹レンズとの接合からなる接合正レン
ズL41と、変倍(ズーミング)に応じて径が変化する
フレアーストッパーSと、物体側に凸面を向けた負メニ
スカスレンズL42、両凸レンズL43、両凸レンズの
L44、両凹レンズL45より構成されている。
【0063】図9は、広角端におけるレンズ配置を示し
ている。望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1と
第2レンズ群G2は、第1レンズ群G1と第2レンズ群
G2との間の空気間隔が増大し、第2レンズ群G2と第
3レンズ群G3との間の空気間隔が縮小するように移動
し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4は、物体方向
にそれぞれ移動する。また、近距離合焦は第3レンズ群
G3を像方向に移動して行う。表3に第3実施例の諸元
値を示す。各符号は第1実施例の場合と同様である。
【0064】
【表3】 f=29.0〜77.6 FNO=2.86〜2.90 2ω=76.6°〜30.2° 条件対応値 (1)|ASc−Sc|/fw=0.01076(φ=
28.86mm時) (2)|ASa−Sa|/fw=0.01349(φ=
39.42mm時) (3) nbn−nbp=0.01759 (4) X2/fw=0.5573 (5) f2/fw=−0.7586 (6) f2a/f2=1.3585 (7) f2c/f2=3.1519 (8) f2b/f2=−5.5992
【0065】図10乃至図12は、第3実施例の諸収差
図である。図10は広角端で無限遠合焦時の収差図を、
図11は中間焦点距離状態での無限遠合焦時の収差図
を、図12は望遠端での無限遠合焦状態の収差図をそれ
ぞれ示している。図10の収差図を参照すると、広角端
において十分大きな画角までカバーし、諸収差が良好に
補正されていることがわかる。また、図11および図1
2の収差図を参照すると、広角端と同様に、諸収差が良
好に補正されていることがわかる。
【0066】[第4実施例]図13は第4実施例のレン
ズ構成及びレンズ群の移動軌跡を示している。第4実施
例は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ
群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正
の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有
する第4レンズ群G4との4つの群から構成されてい
る。
【0067】第1レンズ群G1は、物体側から順に、物
体側に凹面を向けた両凹レンズと両凸レンズとの接合に
よる接合正レンズL11と、物体側に凸面を向けた正メ
ニスカスレンズL12より構成される。第2レンズ群G
2は、物体側から順に、物体側に凸面を向け、像面側に
非球面を有する負メニスカス非球面レンズL21と、物
体側に凸面を向けた正レンズと物体側に凹面を向けた負
メニスカスレンズとの接合による接合正レンズL22
と、物体側に凹面を向け、その物体側の凹面に非球面を
有する両凹非球面レンズと両凸レンズとの接合よりなる
接合負レンズL23より構成されている。
【0068】さらに、前記負メニスカス非球面レンズL
21によってレンズL2Aが構成され、前記接合正レン
ズL22によってレンズL2Bが構成され、前記接合負
レンズL23によってレンズL2Cが構成されている。
開口絞りAが、第3レンズ群G3の物体側近傍に設けら
れている。第3レンズ群G3は、両凸レンズL31と、
両凸レンズと像側に凸面を向けた負メニスカスレンズと
の接合による接合正レンズL32より構成されている。
第4レンズ群G4は物体側に凸面を向けたメニスカス正
レンズL41、両凸レンズと両凹レンズとの接合により
なる接合負レンズL42、両凸レンズL43、両凸レン
ズのL44、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL
45より構成されている。
【0069】図14は、広角端におけるレンズ配置を示
している。望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1
と第2レンズ群G2は、第1レンズ群G1と第2レンズ
群G2との間の空気間隔が増大し、かつ第2レンズ群G
2と第3レンズ群G3との間の空気間隔が縮小するよう
に移動し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4は、物
体方向にそれぞれ移動することによって行う。また、近
距離合焦は第3レンズ群G3を像方向に移動して行う。
表4に第4実施例の諸元値を示す。各符号は第1実施例
の場合と同様である。
【0070】
【表4】 f=29.0〜77.6 FNO=2.90 2ω=76°〜30.4° 条件対応値 (1)|ASc−Sc|/fw=0.01100(φ=
28.2mm時) (2)|ASa−Sa|/fw=0.05885(φ=
30.75mm時) (3) nbn−nbp=0.05999 (4) X2/fw=0.3919 (5) f2/fw=−0.6897 (6) f2a/f2=1.299 (7) f2c/f2=2.301 (8) f2b/f2=−3.152 (9) nCp−nCn=−0.27845
【0071】図14乃至図16は、第4実施例の諸収差
図である。図14は広角端で無限遠合焦時の収差図を、
図15は中間焦点距離状態での無限遠合焦時の収差図
を、図16は望遠端での無限遠合焦状態の収差図をそれ
ぞれ示している。図14の収差図を参照すると、広角端
において十分大きな画角までカバーし、諸収差が良好に
補正されていることがわかる。また、図15および図1
6の収差図を参照すると、広角端と同様に、諸収差が良
好に補正されていることがわかる。
【0072】また、本発明では非球面を第2レンズ群に
設けているが、第3レンズ群、第4レンズ群に対してさ
らに非球面を設けることによって、球面収差、上方コマ
収差等の補正を負担させ、更なる大口径化、高倍率化、
大画角化を進めることが可能である。さらに、本発明で
は、合焦を第3レンズ群で行っているが、第1レンズ群
や、第2レンズ群で行ってもよい。
【0073】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、76.2°程度の大きな画角を有し、かつ、Fナン
バーが2.8程度の大きな口径を有し、2.6倍を越え
る変倍比を有する比較的小型の高性能な大口径・広角ズ
ームレンズを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の構成及び移動軌跡を示した図であ
る。
【図2】第1実施例の広角端の無限遠合焦時の収差図で
ある。
【図3】第1実施例の中間焦点距離の無限遠合焦時の収
差図である。
【図4】第1実施例の望遠端の無限遠合焦時の収差図で
ある。
【図5】第2実施例の構成及び移動軌跡を示した図であ
る。
【図6】第2実施例の広角端の無限遠合焦時の収差図で
ある。
【図7】第2実施例の中間焦点距離の無限遠合焦時の収
差図である。
【図8】第2実施例の望遠端の無限遠合焦時の収差図で
ある。
【図9】第3実施例の構成及び移動軌跡を示した図であ
る。
【図10】第3実施例の広角端の無限遠合焦時の収差図
である。
【図11】第3実施例の中間焦点距離の無限遠合焦時の
収差図である。
【図12】第3実施例の望遠端の無限遠合焦時の収差図
である。
【図13】第4実施例の構成及び移動軌跡を示した図で
ある。
【図14】第4実施例の広角端の無限遠合焦時の収差図
である。
【図15】第4実施例の中間焦点距離の無限遠合焦時の
収差図である。
【図16】第4実施例の望遠端の無限遠合焦時の収差図
である。
【符号の説明】
G1 第1レンズ群 G2 第2レンズ群 G3 第3レンズ群 G4 第4レンズ群 L2A 第2レンズ群内負レンズ成分 L2B 第2レンズ群内接合正レンズ成分 L2C 第2レンズ群内負レンズ成分 A 開口絞り S フレアーストッパー

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体側から順に、正の屈折力を有する第
    1レンズ群G1と負の屈折力を有する第2レンズ群G2
    を有し、前記第1レンズ群G1と前記第2レンズ群G2
    との間の空気間隔を変化させることによって変倍を行う
    ズームレンズにおいて、 前記第2レンズ群G2は、物体側から順に少なくとも1
    面の非球面を含む負レンズ成分L2Aと,物体側に凸面
    を向けた正レンズを有し、正の屈折力を有する正レンズ
    成分L2Bと、少なくとも1面の非球面を含み物体側に
    凹面を向けた負レンズ成分L2Cとを有し、前記負レン
    ズ成分L2C中の前記非球面は光軸から前記非球面の周
    辺に向かうに従って、負の屈折力を減少させるか、また
    は正の屈折力を増加させるような形状を有することを特
    徴とするズームレンズ。
  2. 【請求項2】 前記第2レンズ群G2中の前記負レンズ
    成分L2Cに含まれる少なくとも1面の前記非球面は、
    前記非球面の有効径最周辺における前記非球面と所定の
    頂点曲率半径を有する基準球面との光軸方向に沿った変
    位量をASc−Scとし、広角端における前記ズームレ
    ンズ全系の焦点距離をfwとしたとき、 0<|ASc−Sc|/fw≦0.1 (1) の条件を満足することを特徴とする請求項1記載のズー
    ムレンズ。
  3. 【請求項3】 前記第2レンズ群G2中の前記負レンズ
    成分L2Aに含まれる少なくとも1面の前記非球面は、
    光軸から前記非球面の周辺に向かうに従って、負の屈折
    力を減少させるか、または正の屈折力を増加させるよう
    な形状を有することを特徴とする請求項1または2記載
    のズームレンズ。
  4. 【請求項4】 前記第2レンズ群G2中の前記負レンズ
    成分L2Aに含まれる少なくとも1面の前記非球面は、
    前記非球面の有効径最周辺における前記非球面と所定の
    頂点曲率半径を有する基準球面との光軸方向に沿った変
    位量をASa−Saとし、広角端の全系の焦点距離をf
    wとしたとき、 0<|ASa−Sa|/fw≦0.15 (2) の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれか1項記載のズームレンズ。
  5. 【請求項5】 正の屈折力を有する前記正レンズ成分L
    2Bは、少なくとも1組の正レンズL2Bpと負レンズ
    L2Bnの接合からなる接合正レンズを有し、前記接合
    正レンズの中の前記正レンズL2Bpのd線に対する屈
    折率をnbpとし、前記負レンズL2Bnのd線に対す
    る屈折率をnbnとしたとき、 nbp < nbn (3) の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至4のい
    ずれか1項に記載のズームレンズ。
  6. 【請求項6】 広角端から望遠端にいたるまで、変倍の
    ために移動する前記第2レンズ群G2の移動量を物体方
    向に移動する場合を正とするX2とし、広角端における
    前記ズームレンズ全系の焦点距離をfwとしたとき、 0.2<X2/fw<2 (4) の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至5のい
    ずれか1項に記載のズームレンズ。
  7. 【請求項7】 前記第2レンズ群G2全体の焦点距離を
    f2、広角端の前記ズームレンズ全系の焦点距離をfw
    としたとき、 −1.2<f2/fw<−0.4 (5) の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至6のい
    ずれか1項に記載のズームレンズ。
  8. 【請求項8】 前記負レンズ成分L2Aの焦点距離をf
    2aとし、前記第2レンズ群G2全体の焦点距離をf2
    としたとき、 0.8<f2a/f2<2.5 (6) の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至7のい
    ずれか1項に記載のズームレンズ。
  9. 【請求項9】 前記負レンズ成分L2Cの焦点距離をf
    2cとし、前記第2レンズ群G2全体の焦点距離をf2
    としたとき、 1<f2c/f2<5 (7) の条件をを満足することを特徴とする請求項1乃至8の
    いずれか1項に記載のズームレンズ。
  10. 【請求項10】 前記正レンズ成分L2Bの焦点距離を
    f2bとし、前記第2レンズ群G2全体の焦点距離をf
    2としたとき、 −8<f2b/f2<−1.5 (8) の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至9のい
    ずれか1項に記載のズームレンズ。
  11. 【請求項11】 負の屈折力を有する前記負レンズ成分
    L2Cは、少なくとも1組の負レンズL2Cnと正レン
    ズL2Cpの接合からなる接合負レンズを有し、前記接
    合負レンズの中の前記正レンズL2Cpのd線に対する
    屈折率をnCp、負レンズL2Cnのd線に対する屈折
    率をnCnとしたとき、 nCp < nCn (9) の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至10の
    いずれか1項に記載のズームレンズ。
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